口語訳聖書(振り仮名付き)

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使徒しと行伝ぎょうでん

第1章    Ac-Audio 

1:1 テオピロよ、わたしはさきだいかんあらわして、イエスがおこない、またおしえはじめてから、

1:2 おえらびになった使徒しとたちに、聖霊せいれいによってめいじたのち、てんげられたまでのことを、ことごとくしるした。

1:3 イエスは苦難くなんけたのち、自分じぶんきていることを数々かずかずたしかな証拠しょうこによってしめし、四十にちにわたってたびたびかれらにあらわれて、かみくにのことをかたられた。

1:4 そして食事しょくじともにしているとき、かれらにおめいじになった、「エルサレムからはなれないで、かねてわたしからいていたちち約束やくそくっているがよい。

1:5 すなわち、ヨハネはみずでバプテスマをさづけたが、あなたがたはもなく聖霊せいれいによって、バプテスマをさづけられるであろう」。

1:6 さて、弟子でしたちが一緒いっしょあつまったとき、イエスにうてった、「しゅよ、イスラエルのためにくに復興ふっこうなさるのは、このときなのですか」。

1:7 かれらにわれた、「時期じき場合ばあいは、ちちがご自分じぶん権威けんいによってさだめておられるのであって、あなたがたのかぎりではない。

1:8 ただ、聖霊せいれいがあなたがたにくだるとき、あなたがたはちからけて、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土ぜんど、さらにのはてまで、わたしの証人しょうにんとなるであろう」。

1:9 こうおわると、イエスはかれらのているまえてんげられ、くもむかえられて、その姿すがたえなくなった。

1:10 イエスののぼってかれるとき、かれらがてんつめていると、よ、しろころもたふたりのひとが、かれらのそばにっていて

1:11 った、「ガリラヤのひとたちよ、なぜてんあおいでっているのか。あなたがたをはなれててんげられたこのイエスは、てんのぼってかれるのをあなたがたがたのとおな有様ありさまで、またおいでになるであろう」。

1:12 それからかれらは、オリブというやまくだってエルサレムにかえった。このやまはエルサレムにちかく、安息日あんそくにちゆるされている距離きょりのところにある。

1:13 かれらは、市内しないって、そのまっていた屋上おくじょうにあがった。そのひとたちは、ペテロ、ヨハネ、ヤコブ、アンデレ、ピリポとトマス、バルトロマイとマタイ、アルパヨのヤコブと熱心ねっしんとうのシモンとヤコブのユダとであった。

1:14 かれらはみな、婦人ふじんたち、とくにイエスのははマリヤ、およびイエスの兄弟きょうだいたちとともに、こころわせて、ひたすらいのりをしていた。

1:15 そのころ、百二十めいばかりの人々ひとびとが、一団いちだんとなってあつまっていたが、ペテロはこれらの兄弟きょうだいたちのなかってった、

1:16 「兄弟きょうだいたちよ、イエスをとらえたものたちのびきになったユダについては、聖霊せいれいがダビデのくちをとおして預言よげんしたその言葉ことばは、成就じょうじゅしなければならなかった。

1:17 かれはわたしたちの仲間なかまくわえられ、このつとめさずかっていたものであった。(

1:18 かれ不義ふぎ報酬ほうしゅうで、ある地所じしょれたが、そこへまっさかさまにちて、はらがまんなかからけ、はらわたがみなながてしまった。

1:19 そして、このことはエルサレムのぜん住民じゅうみんれわたり、そこで、この地所じしょかれらの国語こくごでアケルダマとばれるようになった。「地所じしょ」とのである。)

1:20 詩篇しへんに、

『その屋敷やしきてよ、そこにはひとりもものがいなくなれ』
いてあり、また
『そのしょくは、ほかのものらせよ』
とあるとおりである。

1:21 そういうわけで、しゅイエスがわたしたちのあいだにゆききされた期間中きかんちゅう

1:22 すなわち、ヨハネのバプテスマのときからはじまって、わたしたちをはなれててんげられたいたるまで、始終しじゅうわたしたちと行動こうどうともにしたひとたちのうち、だれかひとりが、わたしたちにくわわってしゅ復活ふっかつ証人しょうにんにならねばならない」。

1:23 そこで一同いちどうは、バルサバとばれ、またのをユストというヨセフと、マッテヤとのふたりをて、

1:24 いのってった、「すべてのひとこころをごぞんじであるしゅよ。このふたりのうちのどちらをえらんで、

1:25 ユダがこの使徒しと職務しょくむからちて、自分じぶんくべきところへったそのあとをがせなさいますか、おしめください」。

1:26 それから、ふたりのためにくじをいたところ、マッテヤにあたったので、このひとが十一にん使徒しとたちにくわえられることになった。 

第2章 

2:1 五旬節ごじゅんせつがきて、みんなのもの一緒いっしょあつまっていると、

2:2 突然とつぜんはげしいかぜいてきたようなおとてんからおこってきて、一同いちどうがすわっていたいえいっぱいにひびきわたった。

2:3 また、したのようなものが、ほのおのようにわかれてあらわれ、ひとりびとりのうえにとどまった。

2:4 すると、一同いちどう聖霊せいれいたされ、御霊みたまかたらせるままに、いろいろの他国たこく言葉ことばかたした。

2:5 さて、エルサレムには、天下てんかのあらゆる国々くにぐにから、信仰しんこうぶかいユダヤじんたちがきてんでいたが、

2:6 この物音ものおとおおぜいのひとあつまってきて、かれらのうま故郷こきょう国語こくごで、使徒しとたちがはなしているのを、だれもかれもいてあっけにられた。

2:7 そしておどろあやしんでった、「よ、いまはなしているこのひとたちは、みなガリラヤびとではないか。

2:8 それだのに、わたしたちがそれぞれ、うま故郷こきょう国語こくごかれらからかされるとは、いったい、どうしたことか。

2:9 わたしたちのなかには、パルテヤびと、メジヤびと、エラムびともおれば、メソポタミヤ、ユダヤ、カパドキヤ、ポントとアジヤ、

2:10 フルギヤとパンフリヤ、エジプトとクレネにちかいリビヤ地方ちほうなどにものもいるし、またローマじんたびにきているもの

2:11 ユダヤじん改宗者かいしゅうしゃ、クレテびととアラビヤじんもいるのだが、あの人々ひとびとがわたしたちの国語こくごで、かみおおきなはたらきをべるのをくとは、どうしたことか」。

2:12 みんなのものおどろまどって、たがいった、「これは、いったい、どういうわけなのだろう」。

2:13 しかし、ほかのひとたちはあざわらって、「あのひとたちはあたらしいさけっているのだ」とった。

2:14 そこで、ペテロが十一にんものともちあがり、こえをあげて人々ひとびとかたりかけた。

「ユダヤのひとたち、ならびにエルサレムにむすべてのかたがた、どうか、このことっていただきたい。わたしのうことにみみかたむけていただきたい。

2:15 いまあさの九であるから、このひとたちは、あなたがたがおもっているように、さけっているのではない。

2:16 そうではなく、これは預言者よげんしゃヨエルが預言よげんしていたことにほかならないのである。すなわち、

2:17 『かみがこうおおせになる。おわりのときには、わたしのれいをすべてのひとそそごう。そして、あなたがたのむすこむすめ預言よげんをし、若者わかものたちはまぼろし老人ろうじんたちはゆめるであろう。

2:18 そのときには、わたしの男女だんじょしもべたちにもわたしのれいそそごう。そしてかれらも預言よげんをするであろう。

2:19 また、うえでは、てん奇跡きせきせ、したでは、にしるしを、すなわち、ちこめるけむりとを、せるであろう。

2:20 しゅおおいなるかがやかしいまえに、はやみにつきかわるであろう。

2:21 そのとき、しゅもとめるものは、みなすくわれるであろう』。

2:22 イスラエルのひとたちよ、いまわたしのかたることをきなさい。あなたがたがよくっているとおり、ナザレびとイエスは、かみかれをとおして、あなたがたのなかおこなわれた数々かずかずちからあるわざと奇跡きせきとしるしとにより、かみからつかわされたものであることを、あなたがたにしめされたかたであった。

2:23 このイエスがわたされたのはかみさだめた計画けいかく予知よちとによるのであるが、あなたがたはかれ不法ふほう人々ひとびと十字架じゅうじかにつけてころした。

2:24 かみはこのイエスをくるしみからはなって、よみがえらせたのである。イエスが支配しはいされているはずはなかったからである。

2:25 ダビデはイエスについてこうっている、

『わたしはつねまえしゅた。しゅは、わたしがうごかされないため、わたしのみぎにいてくださるからである。

2:26 それゆえ、わたしのこころたのしみ、わたしのしたはよろこびうたった。わたしの肉体にくたいもまた、のぞみにきるであろう。

2:27 あなたは、わたしのたましい黄泉よみておくことをせず、あなたの聖者せいじゃてるのを、おゆるしにならないであろう。

2:28 あなたは、いのちのみちをわたしにしめし、まえにあって、わたしをよろこびでたしてくださるであろう』。

2:29 兄弟きょうだいたちよ、族長ぞくちょうダビデについては、わたしはあなたがたにむかって大胆だいたんうことができる。かれんでほうむられ、げんにそのはか今日きょういたるまで、わたしたちのあいだのこっている。

2:30 かれ預言者よげんしゃであって、『その子孫しそんのひとりを王位おういにつかせよう』と、かみかたかれちかわれたことをみとめていたので、

2:31 キリストの復活ふっかつをあらかじめって、『かれ黄泉よみておかれることがなく、またその肉体にくたいてることもない』とかたったのである。

2:32 このイエスを、かみはよみがえらせた。そして、わたしたちはみなその証人しょうにんなのである。

2:33 それで、イエスはかみみぎげられ、ちちから約束やくそく聖霊せいれいけて、それをわたしたちにそそがれたのである。このことは、あなたがたがげん見聞みききしているとおりである。

2:34 ダビデがてんのぼったのではない。かれ自身じしんこうっている、

しゅはわがしゅおおせになった、

2:35 あなたのてきをあなたのあしだいにするまでは、わたしのみぎしていなさい』。

2:36 だから、イスラエルのぜんは、このことをしかとっておくがよい。あなたがたが十字架じゅうじかにつけたこのイエスを、かみは、しゅまたキリストとしておてになったのである」。

2:37 人々ひとびとはこれをいて、つよこころされ、ペテロやほかの使徒しとたちに、「兄弟きょうだいたちよ、わたしたちは、どうしたらよいのでしょうか」とった。

2:38 すると、ペテロがこたえた、「あらためなさい。そして、あなたがたひとりびとりがつみのゆるしをるために、イエス・キリストのによって、バプテスマをけなさい。そうすれば、あなたがたは聖霊せいれい賜物たまものけるであろう。

2:39 この約束やくそくは、われらのしゅなるかみしにあずかるすべてのもの、すなわちあなたがたと、あなたがたのらと、とおくのもの一同いちどうとに、あたえられているものである」。

2:40 ペテロは、ほかになおおおくの言葉ことばであかしをなし、人々ひとびとに「このまがった時代じだいからすくわれよ」とってすすめた。

2:41 そこで、かれすすめの言葉ことばけいれたものたちは、バプテスマをけたが、その仲間なかまくわわったものが三千にんほどあった。

2:42 そして一同いちどうはひたすら、使徒しとたちのおしえまもり、信徒しんとまじわりをなし、ともにパンをさき、いのりをしていた。

2:43 みんなのものにおそれのねんしょうじ、おおくの奇跡きせきとしるしとが、使徒しとたちによって、次々つぎつぎおこなわれた。

2:44 信者しんじゃたちはみな一緒いっしょにいて、いっさいのもの共有きょうゆうにし、

2:45 資産しさんものっては、必要ひつようおうじてみんなのものあたえた。

2:46 そして日々ひびこころを一つにして、えずみやもうでをなし、いえではパンをさき、よろこびと、まごころとをもって、食事しょくじともにし、

2:47 かみをさんびし、すべてのひと好意こういたれていた。そしてしゅは、すくわれるもの日々ひび仲間なかまくわえてくださったのである。 

第3章 

3:1 さて、ペテロとヨハネとが、午後ごごいのりのときにみやのぼろうとしていると、

3:2 うまれながらあしのきかないおとこが、かかえられてきた。このおとこは、みやもうでに人々ひとびとほどこしをこうため、毎日まいにち、「うつくしのもん」とばれるみやもんのところに、かれていたものである。

3:3 かれは、ペテロとヨハネとが、みやにはいってこうとしているのをて、ほどこしをこうた。

3:4 ペテロとヨハネとはかれをじっとて、「わたしたちをなさい」とった。

3:5 かれなにかもらえるのだろうと期待きたいして、ふたりに注目ちゅうもくしていると、

3:6 ペテロがった、「金銀きんぎんはわたしにはい。しかし、わたしにあるものをあげよう。ナザレびとイエス・キリストのによってあるきなさい」。

3:7 こうってかれ右手みぎてっておこしてやると、あしと、くるぶしとが、ちどころにつよくなって、

3:8 おどりあがってち、あるした。そして、あるまわったりおどったりしてかみをさんびしながら、かれらとともみやにはいってった。

3:9 民衆みんしゅうはみな、かれあるまわり、またかみをさんびしているのを

3:10 これがみやの「うつくしのもん」のそばにすわって、ほどこしをこうていたものであるとり、かれおこったことについて、おどろあやしんだ。

3:11 かれがなおもペテロとヨハネとにつきまとっているとき、人々ひとびとみなひどくおどろいて、「ソロモンのろう」とばれる柱廊ちゅうろうにいたかれらのところにあつまってきた。

3:12 ペテロはこれをて、人々ひとびとにむかってった、「イスラエルのひとたちよ、なぜこのこと不思議ふしぎおもうのか。また、わたしたちが自分じぶんちから信心しんじんで、あのひとあるかせたかのように、なぜわたしたちをつめているのか。

3:13 アブラハム、イサク、ヤコブのかみ、わたしたちの先祖せんぞかみは、そのしもべイエスに栄光えいこうたまわったのであるが、あなたがたは、このイエスをわたし、ピラトがゆるすことにめていたのに、それをかれ面前めんぜんこばんだ。

3:14 あなたがたは、このせいなるただしいかたをこばんで、人殺ひとごろしのおとこをゆるすように要求ようきゅうし、

3:15 いのちのきみころしてしまった。しかし、かみはこのイエスを死人しにんなかから、よみがえらせた。わたしたちは、そのこと証人しょうにんである。

3:16 そして、イエスのが、それをしんじる信仰しんこうのゆえに、あなたがたのいまっているこのひとを、つよくしたのであり、イエスによる信仰しんこうが、かれをあなたがた一同いちどうまえで、このとおり完全かんぜんにいやしたのである。

3:17 さて、兄弟きょうだいたちよ、あなたがたはらずにあのようなことをしたのであり、あなたがたの指導者しどうしゃたちとても同様どうようであったことは、わたしにわかっている。

3:18 かみはあらゆる預言者よげんしゃくちをとおして、キリストの受難じゅなん予告よこくしておられたが、それをこのように成就じょうじゅなさったのである。

3:19 だから、自分じぶんつみをぬぐいっていただくために、あらためて本心ほんしんちかえりなさい。

3:20 それは、しゅのみまえからなぐさめのときがきて、あなたがたのためにあらかじめさだめてあったキリストなるイエスを、かみがつかわしてくださるためである。

3:21 このイエスは、かみせいなる預言者よげんしゃたちのくちをとおして、むかしから預言よげんしておられた万物ばんぶつ更新こうしんときまで、てんにとどめておかれねばならなかった。

3:22 モーセはった、『しゅなるかみは、わたしをおてになったように、あなたがたの兄弟きょうだいなかから、ひとりの預言者よげんしゃをおてになるであろう。その預言者よげんしゃがあなたがたにかたることには、ことごとくきしたがいなさい。

3:23 かれきしたがわないものは、みなたみなかからほろぼしられるであろう』。

3:24 サムエルをはじめ、そののちつづいてかたったほどの預言者よげんしゃはみな、このときのことを予告よこくした。

3:25 あなたがたは預言者よげんしゃであり、かみがあなたがたの先祖せんぞたちとむすばれた契約けいやくである。かみはアブラハムにたいして、『地上ちじょうしょ民族みんぞくは、あなたの子孫しそんによって祝福しゅくふくけるであろう』とおおせられた。

3:26 かみがまずあなたがたのために、そのしもべてて、おつかわしになったのは、あなたがたひとりびとりを、あくからちかえらせて、祝福しゅくふくにあずからせるためなのである」。 

第4章 

4:1 かれらが人々ひとびとにこのようにかたっているあいだに、祭司さいしたち、宮守みやもりがしら、サドカイびとたちが近寄ちかよってきて、

4:2 かれらが人々ひとびとおしえき、イエス自身じしんおこった死人しにん復活ふっかつ宣伝せんでんしているのにをいらて、

4:3 かれらにをかけてとらえ、はやれていたので、よくあさまで留置りゅうちしておいた。

4:4 しかし、かれらのはなしいたおおくのひとたちはしんじた。そして、そのおとこかずが五千にんほどになった。

4:5 くる役人やくにん長老ちょうろう律法りっぽう学者がくしゃたちが、エルサレムに召集しょうしゅうされた。

4:6 大祭司だいさいしアンナスをはじめ、カヤパ、ヨハネ、アレキサンデル、そのほか大祭司だいさいし一族いちぞくもみなあつまった。

4:7 そして、そのまんなか使徒しとたちをたせて尋問じんもんした、「あなたがたは、いったい、なんの権威けんい、また、だれのによって、このことをしたのか」。

4:8 そのとき、ペテロが聖霊せいれいたされてった、「たみ役人やくにんたち、ならびに長老ちょうろうたちよ、

4:9 わたしたちが、きょう、取調とりしらべをけているのは、病人びょうにんたいしてしたいわざについてであり、このひとがどうしていやされたかについてであるなら、

4:10 あなたがたご一同いちどうも、またイスラエルの人々ひとびと全体ぜんたいも、っていてもらいたい。このひと元気げんきになってみんなのまえっているのは、ひとえに、あなたがたが十字架じゅうじかにつけてころしたのを、かみ死人しにんなかからよみがえらせたナザレびとイエス・キリストの御名みなによるのである。

4:11 このイエスこそは『あなたがたいえつくりらにてられたが、すみのかしらいしとなったいし』なのである。

4:12 このひとによる以外いがいすくいはない。わたしたちをすくいうるは、これをべつにしては、天下てんかのだれにもあたえられていないからである」。

4:13 人々ひとびとはペテロとヨハネとの大胆だいたんはなしぶりを、また同時どうじに、ふたりが無学むがくな、ただのひとたちであることをって、不思議ふしぎおもった。そしてかれらがイエスとともにいたものであることをみとめ、

4:14 かつ、かれらにいやされたものがそのそばにっているのをては、まったくかえ言葉ことばがなかった。

4:15 そこで、ふたりに議会ぎかいから退場たいじょうするようにめいじてから、たがい協議きょうぎをつづけて

4:16 った、「あのひとたちを、どうしたらよかろうか。かれらによっていちじるしいしるしがおこなわれたことは、エルサレムの住民じゅうみん全体ぜんたいれわたっているので、否定ひていしようもない。

4:17 ただ、これ以上いじょうこのことが民衆みんしゅうあいだにひろまらないように、今後こんごはこのによって、いっさいだれにもかたってはいけないと、おどしてやろうではないか」。

4:18 そこで、ふたりをれて、イエスのによってかたることもくことも、いっさい相成あいならぬといわたした。

4:19 ペテロとヨハネとは、これにたいしてった、「かみしたがうよりも、あなたがたにしたがほうが、かみまえただしいかどうか、判断はんだんしてもらいたい。

4:20 わたしたちとしては、自分じぶんたこといたことを、かたらないわけにはいかない」。

4:21 そこで、かれらはふたりをさらにおどしたうえ、ゆるしてやった。みんなのものが、この出来事できごとのために、かみをあがめていたので、その人々ひとびと手前てまえ、ふたりをばっするすべがなかったからである。

4:22 そのしるしによっていやされたのは、四十さいあまりのひとであった。

4:23 ふたりはゆるされてから、仲間なかまものたちのところにかえって、祭司長さいしちょうたちや長老ちょうろうたちがったいっさいのことを報告ほうこくした。

4:24 一同いちどうはこれをくと、くちをそろえて、かみにむかいこえをあげてった、「てんうみと、そのなかのすべてのものとの つくりぬしなるしゅよ。

4:25 あなたは、わたしたちの先祖せんぞ、あなたのしもべダビデのくちをとおして、聖霊せいれいによって、こうおおせになりました、

『なぜ、異邦人いほうじんらは、さわち、もろもろのたみは、むなしいことをはかり、

4:26 地上ちじょうおうたちは、ちかまえ、支配者しはいしゃたちは、とうんで、しゅとそのキリストとにさからったのか』。

4:27 まことに、ヘロデとポンテオ・ピラトとは、異邦人いほうじんらやイスラエルのたみ一緒いっしょになって、このみやこあつまり、あなたからあぶらそそがれたせいなるしもべイエスにさからい、

4:28 みとみむねとによって、あらかじめさだめられていたことを、なしげたのです。

4:29 しゅよ、いま、かれらの脅迫きょうはくをとめ、しもべたちに、おもって大胆だいたん御言葉みことばかたらせてください。

4:30 そしてみばしていやしをなし、せいなるしもべイエスのによって、しるしと奇跡きせきとをおこなわせてください」。

4:31 かれらがいのえると、そのあつまっていた場所ばしょうごき、一同いちどう聖霊せいれいたされて、大胆だいたんかみことばかたした。

4:32 しんじたものれは、こころを一つにしおもいを一つにして、だれひとりそのもの自分じぶんのものだと主張しゅちょうするものがなく、いっさいのもの共有きょうゆうにしていた。

4:33 使徒しとたちはしゅイエスの復活ふっかつについて、非常ひじょう力強ちからづよくあかしをした。そしておおきなめぐみが、かれ一同いちどうそそがれた。

4:34 かれらのなかとぼしいものは、ひとりもいなかった。地所じしょ家屋かおくっているひとたちは、それをり、ったもの代金だいきんをもってきて、

4:35 使徒しとたちのあしもとにいた。そしてそれぞれの必要ひつようおうじて、だれにでもあたえられた。

4:36 クプロうまれのレビびとで、使徒しとたちにバルナバ(「なぐさめの」との)とばれていたヨセフは、

4:37 自分じぶん所有しょゆうするはたけり、その代金だいきんをもってきて、使徒しとたちのあしもとにいた。 

第5章 

5:1 ところが、アナニヤというひととそのつまサッピラとはとも資産しさんったが、

5:2 共謀きょうぼうして、その代金だいきんをごまかし、一部いちぶだけをってきて、使徒しとたちのあしもとにいた。

5:3 そこで、ペテロがった、「アナニヤよ、どうしてあなたは、自分じぶんこころをサタンにうばわれて、聖霊せいれいあざむき、地所じしょ代金だいきんをごまかしたのか。

5:4 らずにのこしておけば、あなたのものであり、ってしまっても、あなたの自由じゆうになったはずではないか。どうして、こんなことをするになったのか。あなたはひとあざむいたのではなくて、かみあざむいたのだ」。

5:5 アナニヤはこの言葉ことばいているうちに、たおれていきえた。このことをつたいた人々ひとびとは、みな非常ひじょうなおそれをかんじた。

5:6 それから、若者わかものたちがって、その死体したいつつみ、はこしてほうむった。

5:7 三時間じかんばかりたってから、たまたまかれつまが、この出来事できごとらずに、はいってきた。

5:8 そこで、ペテロが彼女かのじょにむかってった、「あの地所じしょは、これこれの値段ねだんったのか。そのとおりか」。彼女かのじょは「そうです、その値段ねだんです」とこたえた。

5:9 ペテロはった、「あなたがたふたりが、こころわせてしゅ御霊みたまこころみるとは、何事なにごとであるか。よ、あなたのおっとほうむったひとたちのあしが、そこの門口かどぐちにきている。あなたもはこされるであろう」。

5:10 するとおんなは、たちまちかれあしもとにたおれて、いきえた。そこに若者わかものたちがはいってきて、おんなんでしまっているのを、それをはこしてそのおっとのそばにほうむった。

5:11 教会きょうかい全体ぜんたいならびにこれをつたいたひとたちは、みな非常ひじょうなおそれをかんじた。

5:12 そのころ、おおくのしるしと奇跡きせきとが、次々つぎつぎ使徒しとたちのにより人々ひとびとなかおこなわれた。そして、一同いちどうこころを一つにして、ソロモンのろうあつまっていた。

5:13 ほかのものたちは、だれひとり、そのまじわりにろうとはしなかったが、民衆みんしゅうかれらを尊敬そんけいしていた。

5:14 しかし、しゅしんじて仲間なかまくわわるものが、男女だんじょとも、ますますおおくなってきた。

5:15 ついには、病人びょうにん大通おおどおりにはこし、寝台しんだい寝床ねどこうえいて、ペテロがとおるとき、かれかげなりと、そのうちのだれかにかかるようにしたほどであった。

5:16 またエルサレム附近ふきん町々まちまちからも、おおぜいのひとが、病人びょうにんけがれたれいくるしめられているひとたちをれて、あつまってきたが、その全部ぜんぶものが、ひとりのこらずいやされた。

5:17 そこで、大祭司だいさいしとその仲間なかまもの、すなわち、サドカイひとたちが、みな嫉妬しっとねんたされてちあがり、

5:18 使徒しとたちにをかけてとらえ、公共こうきょう留置場りゅうちじょうれた。

5:19 ところがよるしゅ使つかいごくひらき、かれらをしてった、

5:20 「さあきなさい。そして、みやにわち、このいのち言葉ことばれなく、人々ひとびとかたりなさい」。

5:21 かれらはこれをき、夜明よあけごろみやにはいっておしえはじめた。

一方いっぽうでは、大祭司だいさいしとその仲間なかまものとが、あつまってきて、議会ぎかいとイスラエルびと長老ちょうろう一同いちどうとを召集しょうしゅうし、使徒しとたちをしてこさせるために、ひとごくにつかわした。

5:22 そこで、下役したやくどもがってると、使徒しとたちがごくにいないので、かえして報告ほうこくした、

5:23 「ごくには、しっかりとじょうがかけてあり、戸口とぐちには、番人ばんにんっていました。ところが、あけてたら、なかにはだれもいませんでした」。

5:24 宮守みやもりがしらと祭司長さいしちょうたちとは、この報告ほうこくいて、これは、いったい、どんなことになるのだろうと、あわてまどっていた。

5:25 そこへ、あるひとがきてらせた、「ってごらんなさい。あなたがたがごくれたあのひとたちが、みやにわって、民衆みんしゅうおしえています」。

5:26 そこで宮守みやもりがしらが、下役したやくどもと一緒いっしょかけてって、使徒しとたちをれてきた。しかし、人々ひとびといしころされるのをおそれて、手荒てあらなことはせず、

5:27 かれらをれてきて、議会ぎかいなかたせた。すると、大祭司だいさいしうて

5:28 った、「あの使つかっておしえてはならないと、きびしくめいじておいたではないか。それだのに、なんということだ。エルサレムなかにあなたがたのおしえを、はんらんさせている。あなたがたはたしかに、あのひと責任せきにんをわたしたちにわせようと、たくらんでいるのだ」。

5:29 これにたいして、ペテロをはじめ使徒しとたちはった、「人間にんげんしたがうよりは、かみしたがうべきである。

5:30 わたしたちの先祖せんぞかみは、あなたがたがにかけてころしたイエスをよみがえらせ、

5:31 そして、イスラエルをあらためさせてこれにつみのゆるしをあたえるために、このイエスをみちびとし救主すくいぬしとして、ご自身じしんみぎげられたのである。

5:32 わたしたちはこれらのこと証人しょうにんである。かみがご自身じしんしたがものたまわった聖霊せいれいもまた、その証人しょうにんである」。

5:33 これをいたものたちは、はげしいいかりのあまり、使徒しとたちをころそうとおもった。

5:34 ところが、国民こくみん全体ぜんたい尊敬そんけいされていた律法りっぽう学者がくしゃガマリエルというパリサイびとが、議会ぎかいって、使徒しとたちをしばらくのあいだそとすように要求ようきゅうしてから、

5:35 一同いちどうにむかってった、「イスラエルの諸君しょくん、あのひとたちをどうあつかうか、よくをつけるがよい。

5:36 さきごろ、チゥダがおこって、自分じぶんなにえらもののようにいふらしたため、かれしたがったおとこかずが、四百にんほどもあったが、結局けっきょくかれころされてしまい、したがったものもみな四散しさんして、まったあとほうもなくなっている。

5:37 そののち、人口じんこう調査ちょうさときに、ガリラヤひとユダが民衆みんしゅうひきいて反乱はんらんおこしたが、このひとほろび、したがったものもみならされてしまった。

5:38 そこで、このさい諸君しょくんもうげる。あのひとたちからいて、そのなすままにしておきなさい。そのくわだてや、しわざが、人間にんげんからたものなら、自滅じめつするだろう。

5:39 しかし、もしかみからたものなら、あのひとたちをほろぼすことはできまい。まかりちがえば、諸君しょくんかみてきにまわすことになるかもれない」。そこでかれらはその勧告かんこくにしたがい、

5:40 使徒しとたちをれて、むちったのち、今後こんごイエスのによってかたることは相成あいならぬといわたして、ゆるしてやった。

5:41 使徒しとたちは、御名みなのためにはじくわえられるにものとされたことをよろこびながら、議会ぎかいからてきた。

5:42 そして、毎日まいにちみやいえで、イエスがキリストであることを、きつづきおしえたりつたえたりした。 

第6章 

6:1 そのころ、弟子でしかずがふえてくるにつれて、ギリシヤ使つかうユダヤじんたちから、ヘブル使つかうユダヤじんたちにたいして、自分じぶんたちのやもめらが、日々ひび配給はいきゅうで、おろそかにされがちだと、苦情くじょうもうてた。

6:2 そこで、十二使徒しと弟子でし全体ぜんたいあつめてった、「わたしたちがかみことばをさしおいて、食卓しょくたくのことにたずさわるのはおもしろくない。

6:3 そこで、兄弟きょうだいたちよ、あなたがたのなかから、御霊みたま知恵ちえとにちた、評判ひょうばんのよいひとたち七にんさがしてほしい。そのひとたちにこの仕事しごとをまかせ、

6:4 わたしたちは、もっぱらいのり御言みことばのごようあたることにしよう」。

6:5 この提案ていあん会衆かいしゅう一同いちどう賛成さんせいするところとなった。そして信仰しんこう聖霊せいれいとにちたひとステパノ、それからピリポ、プロコロ、ニカノル、テモン、パルメナ、およびアンテオケの改宗者かいしゅうしゃニコラオをえらして、

6:6 使徒しとたちのまえたせた。すると、使徒しとたちはいのってかれらのうえにおいた。

6:7 こうしてかみことばは、ますますひろまり、エルサレムにおける弟子でしかずが、非常ひじょうにふえていき、祭司さいしたちも多数たすう信仰しんこうけいれるようになった。

6:8 さて、ステパノはめぐみとちからとにちて、民衆みんしゅうなかで、めざましい奇跡きせきとしるしとをおこなっていた。

6:9 すると、いわゆる「リベルテン」の会堂かいどうぞくする人々ひとびと、クレネびと、アレキサンドリヤびと、キリキヤやアジヤからきた人々ひとびとなどがって、ステパノと議論ぎろんしたが、

6:10 かれ知恵ちえ御霊みたまとでかたっていたので、それに対抗たいこうできなかった。

6:11 そこで、かれらは人々ひとびとをそそのかして、「わたしたちは、かれがモーセとかみとをけが言葉ことばくのをいた」とわせた。

6:12 そのうえ民衆みんしゅう長老ちょうろうたちや律法りっぽう学者がくしゃたちを煽動せんどうし、かれおそってとらえさせ、議会ぎかいにひっぱってこさせた。

6:13 それから、いつわりの証人しょうにんたちをててわせた、「このひとは、この聖所せいじょ律法りっぽうとにさからう言葉ことばいて、どうしても、やめようとはしません。

6:14 『あのナザレびとイエスは、この聖所せいじょちこわし、モーセがわたしたちにつたえた慣例かんれいえてしまうだろう』などと、かれうのを、わたしたちはきました」。

6:15 議会ぎかいせきについていたひとたちはみな、ステパノにそそいだが、かれかおは、ちょうど天使てんしかおのようにえた。 

第7章 

7:1 大祭司だいさいしは「そのとおりか」とたずねた。

7:2 そこで、ステパノがった、

兄弟きょうだいたち、ちちたちよ、おください。わたしたちの父祖ふそアブラハムが、カランにまえ、まだメソポタミヤにいたとき、栄光えいこうかみかれあらわれて

7:3 おおせになった、『あなたの土地とち親族しんぞくからはなれて、あなたにさししめきなさい』。

7:4 そこで、アブラハムはカルデヤびとて、カランにんだ。そして、かれちちんだのち、かみかれをそこから、いまあなたがたのんでいるこの移住いじゅうさせたが、

7:5 そこでは、遺産いさんとなるものはなに一つ、一歩いっぽはば土地とちすらも、あたえられなかった。ただ、その所領しょりょうとしてさづけようとの約束やくそくを、かれと、そしてかれにはまだがなかったのに、その子孫しそんとにあたえられたのである。

7:6 かみはこうおおせになった、『かれ子孫しそん他国たこくせるであろう。そして、そこで四百ねんのあいだ、奴隷どれいにされて虐待ぎゃくたいけるであろう』。

7:7 それから、さらにおおせになった、『かれらを奴隷どれいにする国民こくみんを、わたしはさばくであろう。そののちかれらはそこからのがれて、この場所ばしょでわたしを礼拝れいはいするであろう』。

7:8 そして、かみはアブラハムに、割礼かつれい契約けいやくをおあたえになった。こうして、かれはイサクのちちとなり、これに八日目かめ割礼かつれいほどこし、それから、イサクはヤコブのちちとなり、ヤコブは十二にん族長ぞくちょうたちのちちとなった。

7:9 族長ぞくちょうたちは、ヨセフをねたんで、エジプトにりとばした。しかし、かみかれともにいまして、

7:10 あらゆる苦難くなんからかれすくし、エジプトおうパロのまえめぐみをあたえ、知恵ちえをあらわさせた。そこで、パロはかれ宰相さいしょうにんにつかせ、エジプトならびに王家おうけ全体ぜんたい支配しはいあたらせた。

7:11 ときに、エジプトとカナンとの全土ぜんどにわたって、ききんがおこり、おおきな苦難くなんおそってきて、わたしたちの先祖せんぞたちは、食物しょくもつられなくなった。

7:12 ヤコブは、エジプトには食糧しょくりょうがあるといて、はじめに先祖せんぞたちをつかわしたが、

7:13 二かいときに、ヨセフが兄弟きょうだいたちに、自分じぶんうえけたので、かれ親族しんぞく関係かんけいがパロにれてきた。

7:14 ヨセフは使つかいをやって、ちちヤコブと七十五にんにのぼる親族しんぞく一同いちどうとをまねいた。

7:15 こうして、ヤコブはエジプトにくだり、かれ自身じしん先祖せんぞたちもそこでに、

7:16 それからかれらは、シケムにうつされて、かねてアブラハムがいくらかのかねしてこののハモルのらからっておいたはかに、ほうむられた。

7:17 かみがアブラハムにたいしててられた約束やくそく時期じきちかづくにつれ、たみはふえてエジプト全土ぜんどにひろがった。

7:18 やがて、ヨセフのことをらないべつおうが、エジプトにおこった。

7:19 このおうは、わたしたちの同族どうぞくたい策略さくりゃくをめぐらして、先祖せんぞたちを虐待ぎゃくたいし、そのおさらをかしておかないようにてさせた。

7:20 モーセがうまれたのは、ちょうどこのころのことである。かれはまれにうつくしいであった。三かげつあいだは、ちちいえそだてられたが、

7:21 そののちてられたのを、パロのむすめひろいあげて、自分じぶんとしてそだてた。

7:22 モーセはエジプトじんのあらゆる学問がくもんおしまれ、言葉ことばにもわざにも、ちからがあった。

7:23 四十さいになったとき、モーセは自分じぶん兄弟きょうだいであるイスラエルびとたちのためにつくすことを、おもった。

7:24 ところが、そのひとりがいじめられているのをて、これをかばい、虐待ぎゃくたいされているそのひとのために、相手あいてのエジプトじんって仕返しかえしをした。

7:25 かれは、自分じぶんによってかみ兄弟きょうだいたちをすくってくださることを、みんながさとるものとおもっていたが、実際じっさいはそれをさとらなかったのである。

7:26 翌日よくじつモーセは、かれらがあらそっているところにあらわれ、仲裁ちゅうさいしようとしてった、『まて、きみたちは兄弟きょうだい同志どうしではないか。どうしてたがいきずつけっているのか』。

7:27 すると、仲間なかまをいじめていたものが、モーセをばしてった、『だれが、きみをわれわれの支配者しはいしゃ裁判人さいばんにんにしたのか。

7:28 きみは、きのう、エジプトじんころしたように、わたしもころそうとおもっているのか』。

7:29 モーセは、この言葉ことばいてげ、ミデアンのせ、そこでおとこふたりをもうけた。

7:30 四十ねんたったとき、シナイざん荒野あらのにおいて、御使みつかいしばえるほのおなかでモーセにあらわれた。

7:31 かれはこの光景こうけい不思議ふしぎおもい、それをきわめるために近寄ちかよったところ、しゅこえきこえてきた、

7:32 『わたしは、あなたの先祖せんぞたちのかみ、アブラハム、イサク、ヤコブのかみである』。モーセはおそれおののいて、もうそれを勇気ゆうきもなくなった。

7:33 すると、しゅかれわれた、『あなたのあしから、くつをぎなさい。あなたのっているこの場所ばしょは、せいなるである。

7:34 わたしは、エジプトにいるわたしのたみ虐待ぎゃくたいされている有様ありさまたしかにとどけ、その苦悩くのうのうめきごえいたので、かれらをすくすためにくだってきたのである。さあ、いまあなたをエジプトにつかわそう』。

7:35 こうして、『だれが、きみ支配者しはいしゃ裁判人さいばんにんにしたのか』とって排斥はいせきされたこのモーセを、かみは、しばなかかれあらわれた御使みつかいによって、支配者しはいしゃ解放者かいほうしゃとして、おつかわしになったのである。

7:36 このひとが、人々ひとびとみちびして、エジプトのにおいても、紅海こうかいにおいても、また四十ねんのあいだ荒野あらのにおいても、奇跡きせきとしるしとをおこなったのである。

7:37 このひとが、イスラエルひとたちに、『かみはわたしをおてになったように、あなたがたの兄弟きょうだいたちのなかから、ひとりの預言者よげんしゃをおてになるであろう』とったモーセである。

7:38 このひとが、シナイざんで、かれかたりかけた御使みつかい先祖せんぞたちとともに、荒野あらのにおける集会しゅうかいにいて、ける御言葉みことばさずかり、それをあなたがたにつたえたのである。

7:39 ところが、先祖せんぞたちはかれしたがおうとはせず、かえってかれ退しりぞけ、こころなかでエジプトにあこがれて、

7:40 『わたしたちをみちびいてくれる神々かみがみつくってください。わたしたちをエジプトのからみちびいてきたあのモーセがどうなったのか、わかりませんから』とアロンにった。

7:41 そのころ、かれらはうしぞうつくり、その偶像ぐうぞうそなものをささげ、自分じぶんたちの つくったものをまつってうち興じていた。

7:42 そこで、かみかおをそむけ、かれらをてんほしおがむままにまかせられた。預言者よげんしゃしょにこういてあるとおりである、

『イスラエルのいえよ、四十ねんのあいだ荒野あらのにいたときに、いけにえとそなものとを、わたしにささげたことがあったか。

7:43 あなたがたは、モロクの幕屋まくややロンパのほしかみを、かつぎまわった。それらは、おがむために自分じぶんつくった偶像ぐうぞうぎぬ。だからわたしは、あなたがたをバビロンのかなたへ、うつしてしまうであろう』。

7:44 わたしたちの先祖せんぞには、荒野あらのにあかしの幕屋まくやがあった。それは、たままのかたにしたがってつくるようにと、モーセにかたったかたのご命令めいれいどおりにつくったものである。

7:45 この幕屋まくやは、わたしたちの先祖せんぞが、ヨシュアにひきいられ、かみによってしょ民族みんぞくかれらのまえからはらい、その所領しょりょうをのりったときに、そこにまれ、次々つぎつぎがれて、ダビデの時代じだいおよんだものである。

7:46 ダビデは、かみめぐみをこうむり、そして、ヤコブのかみのためにみや造営ぞうえいしたいとねがった。

7:47 けれども、じっさいにそのみやてたのは、ソロモンであった。

7:48 しかし、いとたかものは、つくったいえうちにはおみにならない。預言者よげんしゃっているとおりである、

7:49 『しゅおおせられる、どんないえをわたしのためにてるのか。わたしのいこいの場所ばしょは、どれか。てんはわたしの王座おうざはわたしのあしだいである。

7:50 これはみなわたしのつくったものではないか』。

7:51 ああ、強情ごうじょうで、こころにもみみにも割礼かつれいのないひとたちよ。あなたがたは、いつも聖霊せいれいさからっている。それは、あなたがたの先祖せんぞたちとおなじである。

7:52 いったい、あなたがたの先祖せんぞ迫害はくがいしなかった預言者よげんしゃが、ひとりでもいたか。かれらはただしいかたのることを予告よこくしたひとたちをころし、いまやあなたがたは、そのただしいかたを裏切うらぎもの、またころものとなった。

7:53 あなたがたは、御使みつかいたちによってつたえられた律法りっぽうけたのに、それをまもることをしなかった」。

7:54 人々ひとびとはこれをいて、こころそこからはげしくいかり、ステパノにむかって、ぎしりをした。

7:55 しかし、かれ聖霊せいれいたされて、てんつめていると、かみ栄光えいこうあらわれ、イエスがかみみぎっておられるのがえた。

7:56 そこで、かれは「ああ、てんひらけて、ひとかみみぎっておいでになるのがえる」とった。

7:57 人々ひとびと大声おおごえさけびながら、みみをおおい、ステパノをがけて、いっせいに殺到さっとうし、

7:58 かれ市外しがいして、いしった。これにったひとたちは、自分じぶん上着うわぎいで、サウロという若者わかものあしもとにいた。

7:59 こうして、かれらがステパノにいしげつけているあいだ、ステパノはいのりつづけてった、「しゅイエスよ、わたしのれいをおください」。

7:60 そして、ひざまずいて、大声おおごえさけんだ、「しゅよ、どうぞ、このつみかれらにわせないでください」。こうって、かれねむりについた。 

第8章 

8:1 サウロは、ステパノをころすことに賛成さんせいしていた。

その、エルサレムの教会きょうかいたいしておお迫害はくがいおこり、使徒しと以外いがいものはことごとく、ユダヤとサマリヤとの地方ちほうらされてった。

8:2 信仰しんこうぶかひとたちはステパノをほうむり、かれのためにむねって、非常ひじょうかなしんだ。

8:3 ところが、サウロは家々いえいえって、おとこおんなきずりし、次々つぎつぎごくわたして、教会きょうかいあらまわった。

8:4 さて、らされてったひとたちは、御言みことばつたえながら、めぐりあるいた。

8:5 ピリポはサマリヤのまちくだってき、人々ひとびとにキリストをべはじめた。

8:6 群衆ぐんしゅうはピリポのはなしき、そのおこなっていたしるしをて、こぞってかれかたることにみみかたむけた。

8:7 けがれたれいにつかれたおおくの人々ひとびとからは、そのれい大声おおごえでわめきながらくし、また、おおくの中風ちゅうぶをわずらっているものや、あしのきかないものがいやされたからである。

8:8 それで、このまちでは人々ひとびとが、大変たいへんなよろこびかたであった。

8:9 さて、このまち以前いぜんからシモンというひとがいた。かれ魔術まじゅつおこなってサマリヤのひとたちをおどろかし、自分じぶんをさもえらもののようにいふらしていた。

8:10 それで、ちいさいものからおおきいものにいたるまでみなかれについてき、「このひとこそは『大能たいのう』とばれるかみちからである」とっていた。

8:11 かれらがこのひとについてったのは、ながいあいだその魔術まじゅつおどろかされていたためであった。

8:12 ところが、ピリポがかみくにとイエス・キリストのについてつたえるにおよんで、おとこおんなしんじて、ぞくぞくとバプテスマをけた。

8:13 シモン自身じしんしんじて、バプテスマをけ、それから、きつづきピリポについてった。そして、数々かずかずのしるしやめざましい奇跡きせきおこなわれるのをて、おどろいていた。

8:14 エルサレムにいる使徒しとたちは、サマリヤの人々ひとびとが、かみことばれたといて、ペテロとヨハネとを、そこにつかわした。

8:15 ふたりはサマリヤにくだってって、みんなが聖霊せいれいけるようにと、かれらのためにいのった。

8:16 それは、かれらはただしゅイエスのによってバプテスマをけていただけで、聖霊せいれいはまだだれにもくだっていなかったからである。

8:17 そこで、ふたりがかれらのうえにおいたところ、かれらは聖霊せいれいけた。

8:18 シモンは、使徒しとたちがをおいたために、御霊みたま人々ひとびとさづけられたのをて、かねをさしし、

8:19 「わたしがをおけばだれにでも聖霊せいれいさづけられるように、そのちからをわたしにもください」とった。

8:20 そこで、ペテロがかれった、「おまえのかねは、おまえもろとも、うせてしまえ。かみ賜物たまものが、かねられるなどとおもっているのか。

8:21 おまえのこころかみまえただしくないから、おまえは、とうてい、このことにあずかることができない。

8:22 だから、この悪事あくじいて、しゅいのれ。そうすればあるいはそんなおもいをこころにいだいたことが、ゆるされるかもれない。

8:23 おまえには、まだにが胆汁たんじゅうがあり、不義ふぎのなわがからみついている。それが、わたしにわかっている」。

8:24 シモンはこれをいてった、「おおせのようなことが、わたしのおこらないように、どうぞ、わたしのためにしゅいのってください」。

8:25 使徒しとたちは力強ちからづよくあかしをなし、またしゅことばかたったのち、サマリヤひとおおくの村々むらむら福音ふくいんつたえて、エルサレムにかえった。

8:26 しかし、しゅ使つかいがピリポにむかってった、「って南方なんぽうき、エルサレムからガザへくだみちなさい」(このガザは、いまれはてている)。

8:27 そこで、かれってかけた。すると、ちょうど、エチオピヤじん女王じょおうカンダケの高官こうかんで、女王じょおう財宝ざいほう全部ぜんぶ管理かんりしていた宦官かんがんであるエチオピヤじんが、礼拝れいはいのためエルサレムにのぼり、

8:28 その帰途きとについていたところであった。かれ自分じぶん馬車ばしゃって、預言者よげんしゃイザヤのしょんでいた。

8:29 御霊みたまがピリポに「すすって、あの馬車ばしゃならんできなさい」とった。

8:30 そこでピリポがけてくと、預言者よげんしゃイザヤのしょんでいるそのひとこえきこえたので、「あなたは、んでいることが、おわかりですか」とたずねた。

8:31 かれは「だれかが、びきをしてくれなければ、どうしてわかりましょう」とこたえた。そして、馬車ばしゃって一緒いっしょにすわるようにと、ピリポにすすめた。

8:32 かれんでいた聖書せいしょ箇所かしょは、これであった、

かれは、ほふりかれてひつじのように、また、黙々もくもくとして、ものまえ小羊こひつじのように、くちひらかない。

8:33 かれは、いやしめられて、そのさばきもおこなわれなかった。だれが、かれ子孫しそんのことをかたることができようか、かれいのち地上ちじょうからられているからには」。

8:34 宦官かんがんはピリポにむかってった、「おたずねしますが、ここで預言者よげんしゃはだれのことをっているのですか。自分じぶんのことですか、それとも、だれかほかのひとのことですか」。

8:35 そこでピリポはくちひらき、このせいからおこして、イエスのことをつたえた。

8:36 みちすすんでくうちに、みずのあるところにきたので、宦官かんがんった、「ここにみずがあります。わたしがバプテスマをけるのに、なんのさしつかえがありますか」。〔

8:37 これにたいして、ピリポは、「あなたがまごころからしんじるなら、けてさしつかえはありません」とった。すると、かれは「わたしは、イエス・キリストをかみしんじます」とこたえた。〕

8:38 そこでくるまをとめさせ、ピリポと宦官かんがんと、ふたりとも、みずなかりてき、ピリポが宦官かんがんにバプテスマをさづけた。

8:39 ふたりがみずからがると、しゅれいがピリポをさらってったので、宦官かんがんはもうかれることができなかった。宦官かんがんはよろこびながらたびをつづけた。

8:40 そののち、ピリポはアゾトに姿すがたをあらわして、町々まちまちをめぐりあるき、いたるところで福音ふくいんつたえて、ついにカイザリヤにいた。 

第9章 

9:1 さてサウロは、なおもしゅ弟子でしたちにたいする脅迫きょうはく殺害さつがいいきをはずませながら、大祭司だいさいしのところにって、

9:2 ダマスコのしょ会堂かいどうあての添書てんしょもとめた。それは、このみちものつけ次第しだい男女だんじょべつなくしばりあげて、エルサレムにひっぱってるためであった。

9:3 ところが、みちいそいでダマスコのちかくにきたとき、突然とつぜんてんからひかりがさして、かれをめぐりてらした。

9:4 かれたおれたが、そのとき「サウロ、サウロ、なぜわたしを迫害はくがいするのか」とびかけるこえいた。

9:5 そこでかれは「しゅよ、あなたは、どなたですか」とたずねた。するとこたえがあった、「わたしは、あなたが迫害はくがいしているイエスである。

9:6 さあって、まちにはいってきなさい。そうすれば、そこであなたのなすべきことげられるであろう」。

9:7 サウロの同行者どうこうしゃたちはものえずにっていて、こえだけはきこえたが、だれもえなかった。

9:8 サウロはからがってひらいてみたが、なにえなかった。そこで人々ひとびとは、かれいてダマスコへれてった。

9:9 かれは三日間かかんえず、またべることもむこともしなかった。

9:10 さて、ダマスコにアナニヤというひとりの弟子でしがいた。このひとしゅまぼろしなかあらわれて、「アナニヤよ」とおびになった。かれは「しゅよ、わたしでございます」とこたえた。

9:11 そこでしゅかれわれた、「って、『すぐ』という路地ろじき、ユダのいえでサウロというタルソびとたずねなさい。かれはいまいのっている。

9:12 かれはアナニヤというひとがはいってきて、自分じぶんうえにおいてふたたえるようにしてくれるのを、まぼろしたのである」。

9:13 アナニヤはこたえた、「しゅよ、あのひとがエルサレムで、どんなにひどいことをあなたの聖徒せいとたちにしたかについては、おおくのひとたちからいています。

9:14 そしてかれはここでも、御名みなをとなえるものたちをみな捕縛ほばくするけんを、祭司長さいしちょうたちからてきているのです」。

9:15 しかし、しゅおおせになった、「さあ、きなさい。あのひとは、異邦人いほうじんたち、おうたち、またイスラエルのらにも、わたしのつたえるうつわとして、わたしがえらんだものである。

9:16 わたしののためにかれがどんなにくるしまなければならないかを、かれらせよう」。

9:17 そこでアナニヤは、かけてってそのいえにはいり、をサウロのうえにおいてった、「兄弟きょうだいサウロよ、あなたが途中とちゅうあらわれたしゅイエスは、あなたがふたたえるようになるため、そして聖霊せいれいたされるために、わたしをここにおつかわしになったのです」。

9:18 するとたちどころに、サウロのから、うろこのようなものがちて、もとどおりえるようになった。そこでかれってバプテスマをけ、

9:19 また食事しょくじをとって元気げんきりもどした。

サウロは、ダマスコにいる弟子でしたちととも数日間すうじつかんごしてから、

9:20 ただちにしょ会堂かいどうでイエスのことをつたえ、このイエスこそかみであるときはじめた。

9:21 これをいたひとたちはみな非常ひじょうおどろいてった、「あれは、エルサレムでこのをとなえるものたちをくるしめたおとこではないか。そのうえここにやってきたのも、かれらをしばりあげて、祭司長さいしちょうたちのところへひっぱってくためではなかったか」。

9:22 しかし、サウロはますますちからくわわり、このイエスがキリストであることを論証ろんしょうして、ダマスコにむユダヤじんたちをせた。

9:23 相当そうとう日数にっすうがたったころ、ユダヤじんたちはサウロをころ相談そうだんをした。

9:24 ところが、その陰謀いんぼうかれるところとなった。かれらはサウロをころそうとして、夜昼よるひるまちもん見守みまもっていたのである。

9:25 そこでかれ弟子でしたちが、よるあいだかれをかごにせて、まち城壁じょうへきづたいにつりおろした。

9:26 サウロはエルサレムにいて、弟子でしたちの仲間なかまくわわろうとつとめたが、みんなのものかれ弟子でしだとはしんじないで、おそれていた。

9:27 ところが、バルナバはかれ世話せわをして使徒しとたちのところへれてき、途中とちゅうしゅかれあらわれてかたりかけたことや、かれがダマスコでイエスの大胆だいたんつたえた次第しだいを、かれらに説明せつめいしてかせた。

9:28 それ以来いらいかれ使徒しとたちの仲間なかまくわわり、エルサレムに出入でいりし、しゅによって大胆だいたんかたり、

9:29 ギリシヤ使つかうユダヤじんたちとしばしばかたい、またろんった。しかし、かれらはかれころそうとねらっていた。

9:30 兄弟きょうだいたちはそれとって、かれをカイザリヤにれてくだり、タルソへおくした。

9:31 こうして教会きょうかいは、ユダヤ、ガリラヤ、サマリヤぜん地方ちほうにわたって平安へいあんたもち、基礎きそがかたまり、しゅをおそれ聖霊せいれいにはげまされてあゆみ、次第しだい信徒しんとかずしてった。

9:32 ペテロは方々ほうぼうをめぐりあるいたが、ルダに聖徒せいとたちのところへもくだってった。

9:33 そして、そこで、八年間ねんかんとこについているアイネヤというひとった。このひと中風ちゅうぶであった。

9:34 ペテロがかれった、「アイネヤよ、イエス・キリストがあなたをいやしてくださるのだ。きなさい。そしてとこりあげなさい」。すると、かれはただちにきあがった。

9:35 ルダとサロンにひとたちは、みなそれをて、しゅ帰依きえした。

9:36 ヨッパにタビタ(これをやくすと、ドルカス、すなわち、かもしか)というおんな弟子でしがいた。数々かずかずのよいはたらきやほどこしをしていた婦人ふじんであった。

9:37 ところが、そのころ病気びょうきになってんだので、人々ひとびとはそのからだをあらって、屋上おくじょう安置あんちした。

9:38 ルダはヨッパにちかかったので、弟子でしたちはペテロがルダにきているとき、ふたりのものかれのもとにやって、「どうぞ、はやくこちらにおいでください」とたのんだ。

9:39 そこでペテロはって、ふたりのものれられてきた。かれくとすぐ、屋上おくじょう案内あんないされた。すると、やもめたちがみんなかれのそばにってきて、ドルカスが生前せいぜんつくった下着したぎ上着うわぎ数々かずかずを、きながらせるのであった。

9:40 ペテロはみんなのものそとし、ひざまずいていのった。それから死体したいほういて、「タビタよ、きなさい」とった。すると彼女かのじょをあけ、ペテロをきなおった。

9:41 ペテロは彼女かのじょをかしてたせた。それから、聖徒せいとたちや、やもめたちをれて、彼女かのじょきかえっているのをせた。

9:42 このことがヨッパちゅうれわたり、おおくの人々ひとびとしゅしんじた。

9:43 ペテロは、かわなめしシモンというひといえまり、しばらくのあいだヨッパに滞在たいざいした。