口語訳聖書(振り仮名付き)

章: 1  2  3  4  5  6  7

列王紀れつおうきじょう

第1章    1Kn-Audio 

1:1 ダビデおうとしがすすんでい、夜着よぎせてもあたたまらなかったので、

1:2 その家来けらいたちはかれった、「おうわがしゅのために、ひとりのわかいおとめをさがもとめておうにはべらせ、おう付添つきそいとし、あなたのふところにて、おうわがしゅあたためさせましょう」。

1:3 そしてかれらはあまねくイスラエルの領土りょうどうつくしいおとめをさがもとめて、シュナミびとアビシャグをおうのもとにれてきた。

1:4 おとめは非常ひじょううつくしく、おう付添つきそいとなっておうつかえたが、おう彼女かのじょることがなかった。

1:5 さてハギテのアドニヤはたかぶって、「わたしはおうとなろう」とい、自分じぶんのために戦車せんしゃ騎兵きへいおよび自分じぶんまえけるもの五十にんそなえた。

1:6 かれちちかれうまれてこのかた一も「なぜ、そのようなことをするのか」とってかれをたしなめたことがなかった。アドニヤもまた非常ひじょう姿すがたひとであって、アブサロムのつぎうまれたものである。

1:7 かれがゼルヤのヨアブと祭司さいしアビヤタルとに相談そうだんしたので、かれらはアドニヤにしたがってかれたすけた。

1:8 しかし祭司さいしザドクと、エホヤダのベナヤと、預言者よげんしゃナタンおよびシメイとレイ、ならびにダビデの勇士ゆうしたちはアドニヤにしたがわなかった。

1:9 アドニヤはエンロゲルのほとりにある「へびのいし」のかたわらで、ひつじうしえた家畜かちくをほふって、おうである自分じぶん兄弟きょうだいたち、およびおう家来けらいであるユダの人々ひとびとをことごとくまねいた。

1:10 しかし預言者よげんしゃナタンと、ベナヤと、勇士ゆうしたちと、自分じぶん兄弟きょうだいソロモンとはまねかなかった。

1:11 ときにナタンはソロモンのははバテシバにった、「ハギテのアドニヤがおうとなったのをおきになりませんでしたか。われわれのしゅダビデはそれをごぞんじないのです。

1:12 それでいま、あなたにはかりごとをさづけて、あなたのいのちと、あなたのソロモンのいのちすくうようにいたしましょう。

1:13 あなたはすぐダビデおうのところへって、『おうわがしゅよ、あなたは、はしためにちかって、おまえのソロモンが、わたしにいでおうとなり、わたしのくらいするであろうとわれたではありませんか。そうであるのに、どうしてアドニヤがおうとなったのですか』といなさい。

1:14 あなたがなおおうはなしておられるあいだに、わたしもまた、あなたのあとから、はいってって、あなたの言葉ことば確認かくにんしましょう」。

1:15 そこでバテシバは寝室しんしつにはいっておうところった。(おう非常ひじょういて、シュナミびとアビシャグがおうつかえていた)。

1:16 バテシバはをかがめておうはいした。おうった、「なにようか」。

1:17 彼女かのじょおうった、「わがしゅよ、あなたは、あなたのかみしゅをさして、はしためにちかい、『おまえのソロモンがわたしにいでおうとなり、わたしのくらいするであろう』とわれました。

1:18 そうであるのに、ごらんなさい、いまアドニヤがおうとなりました。おうわがしゅよ、あなたはそれをごぞんじないのです。

1:19 かれうしえた家畜かちくひつじをたくさんほふって、おうたち、および祭司さいしアビヤタルと、ぐんちょうヨアブをまねきましたが、あなたのしもべソロモンはまねきませんでした。

1:20 おうわがしゅよ、イスラエルのすべてのはあなたにそそがれ、だれがあなたにいで、おうわがしゅくらいすべきかをげられるのをのぞんでいます。

1:21 おうわがしゅ先祖せんぞともねむられるとき、わたしと、わたしのソロモンは謀叛むほんひととみなされるでしょう」。

1:22 バテシバがなおおうはなしているうちに、預言者よげんしゃナタンがはいってきた。

1:23 人々ひとびとおうげて、「預言者よげんしゃナタンがここにおります」とった。かれおうまえにはいり、しておうはいした。

1:24 そしてナタンはった、「おうわがしゅよ、あなたは、『アドニヤがわたしにいでおうとなり、わたしのくらいするであろう』とおおせられましたか。

1:25 かれはきょうくだっていって、うしと、えた家畜かちくひつじをたくさんほふって、おうたちと、ぐんちょうヨアブと、祭司さいしアビヤタルをまねきました。かれらはアドニヤのまえみして、『アドニヤ万歳ばんざい』といました。

1:26 しかし、あなたのしもべであるわたしと、祭司さいしザドクと、エホヤダのベナヤと、あなたのしもべソロモンをまねきませんでした。

1:27 このことおうわがしゅがさせられたことですか。あなたはしもべたちに、だれがあなたにいでおうわがしゅくらいすべきかをげられませんでした」。

1:28 ダビデおうこたえてった、「バテシバをわたしのところにびなさい」。彼女かのじょおうまえにはいってきて、おうまえった。

1:29 するとおうちかってった、「わたしのいのちをすべての苦難くなんからすくわれたしゅきておられる。

1:30 わたしがイスラエルのかみしゅをさしてあなたにちかい、『あなたのソロモンがわたしにいでおうとなり、わたしにかわって、わたしのくらいするであろう』とったように、わたしはきょう、そのようにしよう」。

1:31 そこでバテシバはをかがめ、しておうはいし、「わがしゅダビデおうが、とこしえにきながらえられますように」とった。

1:32 ダビデはった、「祭司さいしザドクと、預言者よげんしゃナタンおよびエホヤダのベナヤをわたしのところびなさい」。やがてかれらはおうまえにきた。

1:33 おうかれらにった、「あなたがたの主君しゅくん家来けらいたちをれ、わがソロモンをわたしの騾馬らばせ、かれみちびいてギホンにくだり、

1:34 そのところ祭司さいしザドクと預言者よげんしゃナタンはかれあぶらそそいでイスラエルのおうとしなさい。そしてラッパをいて、『ソロモンおう万歳ばんざい』といなさい。

1:35 それから、あなたがたはかれしたがってのぼってきなさい。かれはきて、わたしのくらいし、わたしにかわっておうとなるであろう。わたしはかれててイスラエルとユダのうえ主君しゅくんとする」。

1:36 エホヤダのベナヤはおうこたえてった、「アァメン、ねがわくは、おうわが主君しゅくんかみしゅもまたそうおおせられますように。

1:37 ねがわくは、しゅおうわが主君しゅくんともにおられたように、ソロモンとともにおられて、そのくらいをわが主君しゅくんダビデおうくらいよりもおおきくせられますように」。

1:38 そこで祭司さいしザドクと預言者よげんしゃナタンおよびエホヤダのベナヤ、ならびにケレテびとと、ペレテびとはくだってって、ソロモンをダビデおう騾馬らばせ、かれをギホンにみちびいてった。

1:39 祭司さいしザドクは幕屋まくやからあぶらつのってきて、ソロモンにあぶらそそいだ。そしてラッパをらし、たみみな「ソロモンおう万歳ばんざい」とった。

1:40 たみはみなかれしたがってのぼり、ふえいておおいによろこいわった。かれらのこえけるばかりであった。

1:41 アドニヤおよびかれともにいたきゃくたちはみな食事しょくじおわったとき、これをいた。ヨアブはラッパのおといてった、「まちなかのあのさわぎはなにか」。

1:42 かれ言葉ことばのなおおわらないうちに、そこへ祭司さいしアビヤタルのヨナタンがきたので、アドニヤはかれった、「はいりなさい。あなたは勇敢ゆうかんひとで、よいらせをってきたのでしょう」。

1:43 ヨナタンはこたえてアドニヤにった、「いいえ、主君しゅくんダビデおうはソロモンをおうとせられました。

1:44 おう祭司さいしザドクと預言者よげんしゃナタンおよびエホヤダのベナヤ、ならびにケレテびとと、ペレテびとをソロモンとともにつかわされたので、かれらはソロモンをおう騾馬らばせてき、

1:45 祭司さいしザドクと預言者よげんしゃナタンはギホンでかれあぶらそそいでおうとしました。そしてかれらがそこからよろこんでのぼってるので、まちさわがしいのです。あなたがいたこえはそれなのです。

1:46 こうしてソロモンはおうくらいし、

1:47 かつおう家来けらいたちがきて、主君しゅくんダビデおういわいをべて、『ねがわくは、あなたのかみがソロモンのをあなたのよりもたかくし、かれくらいをあなたのくらいよりもおおきくされますように』といました。そしておうゆかうえはいされました。

1:48 おうはまたこうわれました、『イスラエルのかみしゅはほむべきかな。しゅはきょう、わたしのくらいするひとりのあたえて、これをわたしにせてくださった』と」。

1:49 そのときアドニヤとともにいたきゃくはみなおどろき、っておのおの自分じぶんみちってった。

1:50 そしてアドニヤはソロモンをおそれ、ってって祭壇さいだんつのをつかんだ。

1:51 あるひとがこれをソロモンにげてった、「アドニヤはソロモンをおそれ、いまかれ祭壇さいだんつのをつかんで、『どうぞ、ソロモンおうがきょう、つるぎをもってしもべをころさないとわたしにちかってくださるように』とっています」。

1:52 ソロモンはった、「もしかれがよいひととなるならば、そのかみひとすじもちることはなかろう。しかしかれのうちにあくのあることがわかるならば、かれななければならない」。

1:53 ソロモンはひとをつかわしてかれ祭壇さいだんからつれてくだらせた。かれがきてソロモンをはいしたので、ソロモンはかれに「いえかえりなさい」とった。 

第2章 

2:1 ダビデのちかづいたので、かれはそのソロモンにめいじてった、

2:2 「わたしはのすべてのひとみちこうとしている。あなたはつよく、おとこらしくなければならない。

2:3 あなたのかみしゅのさとしをまもり、そのみちあゆみ、そのさだめといましめと、おきてとあかしとを、モーセの律法りっぽうにしるされているとおりにまもらなければならない。そうすれば、あなたがするすべてのことと、あなたのかうすべてのところで、あなたはさかえるであろう。

2:4 またしゅがさきにわたしについてかたって『もしおまえのたちが、そのみちつつしみ、こころをつくし、精神せいしんをつくして真実しんじつをもって、わたしのまえあゆむならば、おまえにいでイスラエルのくらいにのぼるひとが、けることはなかろう』とわれた言葉ことば確実かくじつにされるであろう。

2:5 またあなたはゼルヤのヨアブがわたしにしたこと、すなわちかれがイスラエルのふたりのぐんちょうネルのアブネルと、エテルのアマサにしたことっている。かれはこのふたりをころして、戦争せんそうながした太平たいへいときむくい、つみのないものをわたしのこしのまわりのおびと、わたしのあしのくつにつけた。

2:6 それゆえ、あなたの知恵ちえにしたがってことおこない、かれのしらがをやすらかに陰府よみくだらせてはならない。

2:7 ただしギレアデびとバルジライのらにはめぐみをほどこし、かれらをあなたの食卓しょくたく食事しょくじする人々ひとびとのうちにくわえなさい。かれらはわたしがあなたの兄弟きょうだいアブサロムをけてげたとき、わたしをむかえてくれたからである。

2:8 またバホリムのベニヤミンびとゲラのシメイがあなたとともにいる。かれはわたしがマハナイムへったときはげしいのろいの言葉ことばをもってわたしをのろった。しかしかれがヨルダンへくだってきて、わたしをむかえたので、わたしはしゅをさしてかれちかい、『わたしはつるぎをもってあなたをころさない』とった。

2:9 しかしかれつみのないものとしてはならない。あなたは知恵ちえのあるひとであるから、かれになすべきことっている。あなたはかれのしらがをめて陰府よみくだらせなければならない」。

2:10 ダビデはその先祖せんぞともねむって、ダビデのまちほうむられた。

2:11 ダビデがイスラエルをおさめた日数にっすうは四十ねんであった。すなわちヘブロンで七ねん、エルサレムで三十三ねんおうであった。

2:12 このようにしてソロモンはちちダビデのくらいし、くにかたさだまった。

2:13 さて、ハギテのアドニヤがソロモンのははバテシバのところへきたので、バテシバはった、「あなたはおだやかなことのためにきたのですか」。かれった、「おだやかなことのためです」。

2:14 かれはまたった、「あなたにもうしあげることがあります」。バテシバはった、「いなさい」。

2:15 かれった、「ごぞんじのように、くにはわたしのもので、イスラエルのひとみなわたしがおうになるものと期待きたいしていました。しかしくにてんじて、わたしの兄弟きょうだいのものとなりました。かれのものとなったのは、しゅからたことです。

2:16 いまわたしはあなたに一つのおねがいがあります。ことわらないでください」。バテシバはかれった、「いなさい」。

2:17 かれった、「どうかソロモンおううて、――おうはあなたにことわるようなことはないでしょうから――シュナミびとアビシャグをわたしにあたえてつまにさせてください」。

2:18 バテシバはった、「よろしい。わたしはあなたのためにおうはなしましょう」。

2:19 バテシバはアドニヤのためにソロモンおうはなすため、おうのもとへった。おうってむかえ、彼女かのじょはいして王座おうざき、おうははのためにもうけさせたので、彼女かのじょおうみぎした。

2:20 そこでバテシバはった、「あなたに一つのちいさいおねがいがあります。おことわりにならないでください」。おう彼女かのじょった、「母上ははうえよ、あなたのねがいをってください。わたしはことわらないでしょう」。

2:21 彼女かのじょった、「どうぞ、シュナミびとアビシャグをあなたの兄弟きょうだいアドニヤにあたえて、つまにさせてください」。

2:22 ソロモンおうこたえてははった、「どうしてアドニヤのためにシュナミびとアビシャグをもとめられるのですか。かれのためにはくにをももとめなさい。かれはわたしのあにで、かれ味方みかたには祭司さいしアビヤタルとゼルヤのヨアブがいるのですから」。

2:23 そしてソロモンおうしゅをさしてちかってった、「もしアドニヤがこの言葉ことばによって自分じぶんいのちうしなうのでなければ、どんなにでもわたしをばっしてください。

2:24 わたしをてて、ちちダビデのくらいにのぼらせ、しゅ約束やくそくされたように、わたしに一家いっかあたえてくださったしゅきておられる。アドニヤはきょうさつされなければならない」。

2:25 ソロモンおうはエホヤダのベナヤをつかわしたので、かれはアドニヤをってころした。

2:26 おうはまた祭司さいしアビヤタルにった、「あなたの領地りょうちアナトテへきなさい。あなたはあたものですが、さきにわたしのちちダビデのまえかみしゅはこをかつぎ、またすべてわたしのちちけたくるしみを、あなたもともくるしんだので、わたしは、きょうは、あなたをころしません」。

2:27 そしてソロモンはアビヤタルをしゅ祭司さいししょくから追放ついほうした。こうしてしゅがシロでエリのいえについてわれたしゅ言葉ことば成就じょうじゅした。

2:28 さてこのらせがヨアブにたっしたので、ヨアブはしゅ幕屋まくやにのがれて、祭壇さいだんつのをつかんだ。ヨアブはアブサロムを支持しじしなかったけれども、アドニヤを支持しじしたからである。

2:29 ヨアブがしゅ幕屋まくやにのがれて、祭壇さいだんのかたわらにいることを、ソロモンおうげるものがあったので、ソロモンおうはエホヤダのベナヤをつかわし、「ってかれて」とった。

2:30 ベナヤはしゅ幕屋まくやってかれった、「おうはあなたに、るようにともうされます」。しかしかれった、「いや、わたしはここでにます」。ベナヤはおう復命ふくめいしてった、「ヨアブはこうもうしました。またわたしにこうこたえました」。

2:31 そこでおうはベナヤにった、「かれうようにし、かれころしてほうむり、ヨアブがゆえなくながしたのとがをわたしと、わたしのちちいえからのぞりなさい。

2:32 しゅはまたヨアブがながした行為こういを、かれ自身じしんのこうべにむくいられるであろう。これはかれ自分じぶんよりもただしいすぐれたふたりのひと、すなわちイスラエルのぐんちょうネルのアブネルと、ユダのぐんちょうエテルのアマサを、つるぎをもってころし、わたしのちちダビデのあずかりらないことをしたからである。

2:33 それゆえ、かれらの永遠えいえんにヨアブのこうべと、その子孫しそんのこうべにすであろう。しかしダビデと、その子孫しそんと、そのいえと、そのくらいとには、しゅからたまわる平安へいあん永久えいきゅうにあるであろう」。

2:34 そこでエホヤダのベナヤはのぼっていって、かれころした。かれ荒野あらのにある自分じぶんいえほうむられた。

2:35 おうはエホヤダのベナヤを、ヨアブにかわってぐんちょうとした。おうはまた祭司さいしザドクをアビヤタルにかわらせた。

2:36 またおうひとをつかわし、シメイをしてった、「あなたはエルサレムのうちに、自分じぶんのためにいえてて、そこにみ、そこからどこへもてはならない。

2:37 あなたがて、キデロンかわわたにはかならころされることを、しかとらなければならない。あなたのはあなたのこうべにすであろう」。

2:38 シメイはおうった、「お言葉ことば結構けっこうです。おう、わがしゅおおせられるとおりに、しもべはいたしましょう」。こうしてシメイはひさしくエルサレムにんだ。

2:39 ところが三ねんのち、シメイのふたりの奴隷どれいが、ガテのおうマアカのアキシのところへった。人々ひとびとがシメイにげて、「ごらんなさい、あなたの奴隷どれいはガテにいます」とったので、

2:40 シメイはって、ろばにくらをき、ガテのアキシのところへって、その奴隷どれいたずねた。すなわちシメイはってその奴隷どれいをガテかられてきたが、

2:41 シメイがエルサレムからガテへってかえったことがソロモンおうきこえたので、

2:42 おうひとをつかわし、シメイをしてった、「わたしはあなたにしゅをさしてちかわせ、かつおごそかにあなたをいましめて、『あなたがて、どこかへには、かならころされることを、しかとらなければならない』とったではないか。そしてあなたは、わたしに『お言葉ことば結構けっこうです。したがいます』とった。

2:43 ところで、あなたはなぜしゅたいするちかいと、わたしがめいじた命令めいれいまもらなかったのか」。

2:44 おうはまたシメイにった、「あなたは自分じぶんこころに、あなたがわたしのちちダビデにしたもろもろのあくっている。しゅはあなたのあくをあなたのこうべにむくいられるであろう。

2:45 しかしソロモンおう祝福しゅくふくをうけ、ダビデのくらい永久えいきゅうしゅまえかたつであろう」。

2:46 おうがエホヤダのベナヤにめいじたので、かれていってシメイをころした。こうしてくにはソロモンのかたった。 

第3章 

3:1 ソロモンおうはエジプトのおうパロとふちむすび、パロのむすめをめとってダビデのまちれてきて、自分じぶんいえと、しゅみやと、エルサレムの周囲しゅうい城壁じょうへきおわるまでそこにおらせた。

3:2 そのころまでしゅのためにてたみやがなかったので、たみたかところ犠牲ぎせいをささげていた。

3:3 ソロモンはしゅあいし、ちちダビデのさだめにあゆんだが、ただかれたかところ犠牲ぎせいをささげ、こうをたいた。

3:4 あるおうはギベオンへって、そこで犠牲ぎせいをささげようとした。それが主要しゅようたかところであったからである。ソロモンは一千の燔祭はんさいをその祭壇さいだんにささげた。

3:5 ギベオンでしゅゆめにソロモンにあらわれてわれた、「あなたになにあたえようか、もとめなさい」。

3:6 ソロモンはった、「あなたのしもべであるわたしのちちダビデがあなたにたいして誠実せいじつ公義こうぎ真心まごころとをもって、あなたのまえあゆんだので、あなたはおおいなるいつくしみをかれしめされました。またあなたはかれのために、このおおいなるいつくしみをたくわえて、今日こんにちかれくらいするさづけられました。

3:7 わがかみしゅよ、あなたはこのしもべを、わたしのちちダビデにかわっておうとならせられました。しかし、わたしはちいさい子供こどもであって、出入でいりすることをりません。

3:8 かつ、しもべはあなたがえらばれた、あなたのたみ、すなわちそのかずおおくて、かぞえることも、調しらべることもできないほどのおびただしいたみなかにおります。

3:9 それゆえ、きわけるこころをしもべにあたえて、あなたのたみをさばかせ、わたしに善悪ぜんあくをわきまえることをさせてください。だれが、あなたのこのおおいなるたみをさばくことができましょう」。

3:10 ソロモンはこのこともとめたので、そのことがしゅのみこころにかなった。

3:11 そこでかみかれわれた、「あなたはこのこともとめて、自分じぶんのために長命ちょうめいもとめず、また自分じぶんのためにとみもとめず、また自分じぶんてきいのちをももとめず、ただうったえをききわける知恵ちえもとめたゆえに、

3:12 よ、わたしはあなたの言葉ことばにしたがって、かしこい、英明えいめいこころあたえる。あなたのさきにはあなたにならものがなく、あなたののちにもあなたにならものおこらないであろう。

3:13 わたしはまたあなたのもとめないもの、すなわちとみほまれをもあなたにあたえる。あなたのきているかぎり、おうたちのうちにあなたにならものはないであろう。

3:14 もしあなたが、あなたのちちダビデのあゆんだように、わたしのみちあゆんで、わたしのさだめと命令めいれいとをまもるならば、わたしはあなたのながくするであろう」。

3:15 ソロモンがをさましてみると、それはゆめであった。そこでかれはエルサレムへき、しゅ契約けいやくはこまえって燔祭はんさい酬恩祭しゅうおんさいをささげ、すべての家来けらいのために祝宴しゅくえんもうけた。

3:16 さて、ふたりの遊女ゆうじょおうのところにきて、おうまえった。

3:17 ひとりのおんなった、「ああ、わがしゅよ、このおんなとわたしとはひとつのいえんでいますが、わたしはこのおんな一緒いっしょいえにいるときみました。

3:18 ところがわたしのんだのち、三にこのおんなもまたみました。そしてわたしたちは一緒いっしょにいましたが、いえにはほかにだれもわたしたちとともにいたものはなく、ただわたしたちふたりだけでした。

3:19 ところがこのおんな自分じぶんうえしたので、よるのうちにそのにました。

3:20 彼女かのじょ夜中よなかきて、はしためのねむっているあいだに、わたしのをわたしのかたわらからって、自分じぶんのふところにかせ、自分じぶんんだをわたしのふところにかせました。

3:21 わたしはあさちちませようとしてきてるとんでいました。しかしあさになってよくると、それはわたしがんだではありませんでした」。

3:22 ほかのおんなった、「いいえ、きているのがわたしのです。んだのはあなたのです」。はじめのおんなった、「いいえ、んだのがあなたのです。きているのはわたしのです」。かれらはこのようにおうまえった。

3:23 このときおうった、「ひとりは『このきているのがわたしので、んだのがあなたのだ』とい、またひとりは『いいえ、んだのがあなたので、きているのはわたしのだ』とう」。

3:24 そこでおうは「かたなってきなさい」とったので、かたなおうまえってきた。

3:25 おうった、「きているを二つにけて、半分はんぶんをこちらに、半分はんぶんをあちらにあたえよ」。

3:26 するときているははであるおんなは、そののためにこころがやけるようになって、おうった、「ああ、わがしゅよ、きている彼女かのじょあたえてください。けっしてそれをころさないでください」。しかしほかのひとりはった、「それをわたしのものにも、あなたのものにもしないで、けてください」。

3:27 するとおうこたえてった、「きているはじめのおんなあたえよ。けっしてころしてはならない。彼女かのじょはそのははなのだ」。

3:28 イスラエルはみなおうあたえた判決はんけついておうおそれた。かみ知恵ちえかれのうちにあって、さばきをするのをたからである。 

第4章 

4:1 ソロモンおうはイスラエルのぜんおうであった。

4:2 かれ高官こうかんたちはつぎのとおりである。ザドクのアザリヤは祭司さいし

4:3 シシャのエリホレフとアヒヤは書記官しょきかん。アヒルデのヨシャバテは史官しかん

4:4 エホヤダのベナヤはぐんちょう。ザドクとアビヤタルは祭司さいし

4:5 ナタンのアザリヤは代官だいかんちょう。ナタンのザブデは祭司さいしで、おうともであった。

4:6 アヒシャルは宮内卿くないきょう。アブダのアドニラムは徴募ちょうぼちょうであった。

4:7 ソロモンはまたイスラエルのぜんに十二にん代官だいかんいた。その人々ひとびとおうとそのいえのために食物しょくもつそなえた。すなわちおのおの一ねんに一つきずつ食物しょくもつそなえるのであった。

4:8 そのつぎのとおりである。エフライムの山地さんちにはベンホル。

4:9 マカヅと、シャラビムと、ベテシメシと、エロン・ベテハナンにはベンデケル。

4:10 アルボテにはベンヘセデ、(かれはソコとヘペルのぜん担当たんとうした)。

4:11 ドルの高地こうち全部ぜんぶにはベン・アビナダブ、(かれはソロモンのむすめタパテをつまとした)。

4:12 アヒルデのバアナはタアナクとメギドと、エズレルのした、ザレタンのかたわらにあるベテシャンのぜん担当たんとうして、ベテシャンからアベル・メホラにいたり、ヨクメアムのこうにまでおよんだ。

4:13 ラモテ・ギレアデにはベンゲベル、(かれはギレアデにあるマナセのヤイルの村々むらむら担当たんとうし、またバシャンにあるアルゴブの地方ちほう城壁じょうへき青銅せいどうかんのあるおおきなまち六十を担当たんとうした)。

4:14 マハナイムにはイドのアヒナダブ。

4:15 ナフタリにはアヒマアズ、(かれもソロモンのむすめバスマテをつまにめとった)。

4:16 アセルとベアロテにはホシャイのバアナ。

4:17 イッサカルにはパルアのヨシャパテ。

4:18 ベニヤミンにはエラのシメイ。

4:19 アモリびとのおうシホンのおよびバシャンのおうオグのなるギレアデのにはウリのゲベル。かれはそののただひとりの代官だいかんであった。

4:20 ユダとイスラエルの人々ひとびとおおくて、うみべのすなのようであったが、かれらはいしてたのしんだ。

4:21 ソロモンはユフラテかわからペリシテびとのと、エジプトのさかいいたるまでの諸国しょこくおさめたので、みなみつぎものたずさえてきて、ソロモンの一生いっしょうのあいだつかえた。

4:22 さてソロモンの一にち食物しょくもつこまかい麦粉むぎこ三十コル、あら麦粉むぎこ六十コル、

4:23 えたうしとう牧場まきばうし二十とうひつじとうで、そのほかにじか、かもしか、こじか、およびえたとりがあった。

4:24 これはソロモンがユフラテかわ西にし地方ちほうをテフサからガザまで、ことごとくおさめたからである。すなわちかれはユフラテかわ西にし諸王しょおうをことごとくおさめ、周囲しゅういいたところ平安へいあんた。

4:25 ソロモンの一生いっしょうあいだ、ユダとイスラエルはダンからベエルシバにいたるまで、やすらかにおのおの自分じぶんたちのぶどうのしたと、いちじくのしたんだ。

4:26 ソロモンはまた戦車せんしゃうまの、うまや四千と、騎兵きへい一万二千をっていた。

4:27 そしてそれらの代官だいかんたちはおのおの当番とうばんつきにソロモンおうのため、およびすべてソロモンおう食卓しょくたくつらなるもののために、食物しょくもつそなえて けることのないようにした。

4:28 またかれらはおのおのその割当わりあてにしたがってうまおよび早馬はやうまわせる大麦おおむぎとわらを、そのうまのいるところってきた。

4:29 かみはソロモンに非常ひじょうおおくの知恵ちえさとりをさづけ、またうみべの砂原すなはらのようにひろこころさづけられた。

4:30 ソロモンの知恵ちえひがし人々ひとびと知恵ちえとエジプトのすべての知恵ちえにまさった。

4:31 かれはすべてのひとよりもかしこく、エズラびとエタンよりも、またマホルのヘマン、カルコル、ダルダよりもかしこく、その名声めいせい周囲しゅういのすべての国々くにぐにきこえた。

4:32 かれはまた箴言しんげん三千をいた。またそのうたは一千五しゅあった。

4:33 かれはまた草木くさきのことをろんじてレバノンの香柏こうはくからいしがきにはえるヒソプにまでおよんだ。かれはまたけものとりうものとうおのことをろんじた。

4:34 諸国しょこく人々ひとびとはソロモンの知恵ちえくためにきた。諸王しょおうはソロモンの知恵ちえいてひとをつかわした。 

第5章 

5:1 さてツロのおうヒラムは、ソロモンがあぶらそそがれ、そのちちかわって、おうとなったのをいて、家来けらいをソロモンにつかわした。ヒラムはつねにダビデをあいしたからである。

5:2 そこでソロモンはヒラムにひとをつかわしてった、

5:3 「あなたのられるとおり、ちちダビデはその周囲しゅういにあったてきとのたたかいのゆえに、かれかみしゅのためにみやてることができず、しゅかれらをそのあしうらしたかれるのをちました。

5:4 ところがいまわがかみしゅはわたしに四方しほう太平たいへいたまわって、てきもなく、わざわいもなくなったので、

5:5 しゅちちダビデに『おまえにかわって、おまえのくらいに、わたしがつかせるおまえの、そのひとがわがのためにみやてるであろう』とわれたように、わがかみしゅのためにみやてようとおもいます。

5:6 それゆえ、あなたは命令めいれいくだして、レバノンの香柏こうはくをわたしのためにさせてください。わたしのしもべたちをあなたのしもべたちと一緒いっしょはたらかせます。またわたしはすべてあなたのおっしゃるとおり、あなたのしもべたちの賃銀ちんぎんをあなたにはらいます。あなたのられるとおり、わたしたちのうちにはシドンびとのようにるにたくみなひとがないからです」。

5:7 ヒラムはソロモンの言葉ことばいておおいによろこび、「きょう、しゅはあがむべきかな。しゅはこのおびただしいたみおさめるかしこをダビデにたまわった」とった。

5:8 そしてヒラムはソロモンにひとをつかわしてった、「わたしはあなたがもうしおくられたことをきました。香柏こうはく材木ざいもくと、いとすぎの材木ざいもくについては、すべておのぞみのようにいたします。

5:9 わたしのしもべどもにそれをレバノンからうみはこびおろさせましょう。わたしはそれをいかだにんで、海路かいろ、あなたの指示しじされる場所ばしょまでおくり、そこでそれをくずしましょう。あなたはそれをってください。また、あなたはわたしのいえのために食物しょくもつ供給きょうきゅうして、わたしののぞみをかなえてください」。

5:10 こうしてヒラムはソロモンにすべてのぞみのように香柏こうはく材木ざいもくと、いとすぎの材木ざいもくあたえた。

5:11 またソロモンはヒラムにそのいえ食物しょくもつとして小麦こむぎ二万コルをあたえ、またオリブをつぶしてったあぶら二万コルをあたえた。このようにソロモンは年々ねんねんヒラムにあたえた。

5:12 しゅ約束やくそくされたようにソロモンに知恵ちえたまわった。またヒラムとソロモンのあいだ平和へいわであって、かれらふたりは条約じょうやくむすんだ。

5:13 ソロモンおうはイスラエルのぜんから強制的きょうせいてき労働者ろうどうしゃ徴募ちょうぼした。その徴募ちょうぼ人員じんいんは三万にんであった。

5:14 ソロモンはかれらを一かげつ交代こうたいに一万にんずつレバノンにつかわした。すなわち一かげつレバノンに、二かげついえにあり、アドニラムは徴募ちょうぼ監督かんとくであった。

5:15 ソロモンにはまたものが七万にんやまいしものが八万にんあった。

5:16 ほかにソロモンには工事こうじ監督かんとくする上役うわやく官吏かんりが三千三百にんあって、工事こうじはたらたみ監督かんとくした。

5:17 おうめいじておおきい高価こうかいしさせ、いしをもってみやもといをすえさせた。

5:18 こうしてソロモンの建築者けんちくしゃと、ヒラムの建築者けんちくしゃおよびゲバルびとはいしり、材木ざいもくいしとをみやてるためにそなえた。 

第6章 

6:1 イスラエルの人々ひとびとがエジプトののち四百八十ねん、ソロモンがイスラエルのおうとなってだいねんのジフのつきすなわち二がつに、ソロモンはしゅのためにみやてることをはじめた。

6:2 ソロモンおうしゅのためにてたみやながさ六十キュビト、はば二十キュビト、たかさ三十キュビトであった。

6:3 みや拝殿はいでんまえろうみやはばにしたがってながさ二十キュビト、そのはばみやまえで十キュビトであった。

6:4 かれみやに、内側うちがわひろわくまどつくった。

6:5 またみやかべにつけて周囲しゅうい脇屋わきやもうけ、みやかべすなわち拝殿はいでん本殿ほんでんかべ周囲しゅういてめぐらし、みや周囲しゅうい脇間わきまがあるようにした。

6:6 した脇間わきまひろさ五キュビト、なかひろさ六キュビト、だい三のはひろさ七キュビトであった。みや外側そとがわにはかべだんつくって、はりみやかべなかまないようにした。

6:7 みやてるときに、いしととのえたいしをもってつくったので、てているあいだみやのうちには、つちも、おのも、その鉄器てっきもそのおときこえなかった。

6:8 した脇間わきま入口いりぐちみや右側みぎがわにあり、まわ階段かいだんによってなか脇間わきまに、なか脇間わきまからだい三の脇間わきまにのぼった。

6:9 こうしてかれみやおわり、香柏こうはくのたるきといたをもってみや天井てんじょう つくった。

6:10 またみやにつけて、おのおのたかさ五キュビトの脇間わきまのある脇屋わきやてめぐらし、香柏こうはく材木ざいもくをもってみや接続せつぞくさせた。

6:11 そこでしゅ言葉ことばがソロモンにのぞんだ、

6:12 「あなたがてるこのみやについては、もしあなたがわたしのさだめにあゆみ、おきてをおこない、すべてのいましめをまもり、それにしたがってあゆむならば、わたしはあなたのちちダビデに約束やくそくしたことを成就じょうじゅする。

6:13 そしてわたしはイスラエルの人々ひとびとのうちにみ、わたしのたみイスラエルをてることはない」。

6:14 こうしてソロモンはみやおわった。

6:15 かれ香柏こうはくいたをもってみやかべ内側うちがわった。すなわちみやゆかから天井てんじょうのたるきまで香柏こうはくいたった。また、いとすぎのいたをもってみやゆかった。

6:16 またみやおくに二十キュビトのしつゆかから天井てんじょうのたるきまで香柏こうはくいたをもってつくった。すなわちみやうち至聖所しせいじょとしての本堂ほんどうつくった。

6:17 みやすなわち本殿ほんでんまえにある拝殿はいでんながさ四十キュビトであった。

6:18 みやうちがわ香柏こうはくいたは、ひさごのかたちと、いたはな浮彫うきぼりりにしたもので、みな香柏こうはくいたで、いしえなかった。

6:19 そしてしゅ契約けいやくはこくために、みやうちおく本殿ほんでんもうけた。

6:20 本殿ほんでんながさ二十キュビト、はば二十キュビト、たかさ二十キュビトであって、純金じゅんきんでこれをおおった。また香柏こうはく祭壇さいだんつくった。

6:21 ソロモンは純金じゅんきんをもってみやうちがわをおおい、本殿ほんでんまえきんくさりをもってへだてを つくり、きんをもってこれをおおった。

6:22 またきんをもってのこらずみやをおおい、ついにみやかざることをことごとくえた。また本殿ほんでんぞくする祭壇さいだんをことごとくきんでおおった。

6:23 本殿ほんでんのうちにオリブのをもって二つのケルビムをつくった。そのたかさはおのおの十キュビト。

6:24 そのケルブの一つのつばさながさは五キュビト、またそのケルブのつばさながさも五キュビトであった。一つのつばさはしからつばさはしまでは十キュビトあった。

6:25 のケルブも十キュビトであって、二つのケルビムはおな寸法すんぽうおなかたちであった。

6:26 このケルブのたかさは十キュビト、かのケルブのたかさもおなじであった。

6:27 ソロモンはみやのうちのおくにケルビムをすえた。ケルビムのつばさばしたところ、このケルブのつばさはこのかべたっし、かのケルブのつばさはかのかべたっし、の二つのつばさみやなかたがいった。

6:28 かれきんをもってそのケルビムをおおった。

6:29 かれみや周囲しゅういかべに、内外ないがいしつともみなケルビムと、しゅろのと、いたはなかたちものきざみ、

6:30 みやゆかは、内外ないがいしつともきんでおおった。

6:31 本殿ほんでん入口いりぐちにはオリブののとびらをつくった。そのとびらのうえのかまちとわきばしらとで五へんけいをなしていた。

6:32 その二つのとびらもオリブのであって、ソロモンはそのうえにケルビムと、しゅろのと、いたはなかたちきざみ、きんをもっておおった。すなわちケルビムと、しゅろのうえきんせた。

6:33 こうしてソロモンはまた拝殿はいでん入口いりぐちのためにオリブの四角しかくかたちわきばしらつくった。

6:34 その二つのとびらはいとすぎであって、一つのとびらは二つにたたむであり、のとびらも二つにたたむであった。

6:35 ソロモンはそのうえにケルビムと、しゅろのと、いたはなきざみ、きんをもってものうえかたちどおりにおおった。

6:36 またいし三かさねと、香柏こうはく角材かくざいひとかさねとをもって内庭うちにわつくった。

6:37 だいねんのジフのつきしゅみやもといをすえ、

6:38 だい十一ねんのブルのつきすなわち八がつに、みやのすべての部分ぶぶん設計せっけいどおりに完成かんせいした。ソロモンはこれをてるのに七ねんようした。 

第7章 

7:1 またソロモンは自分じぶんいえてたが、十三ねんかかってそのいえ全部ぜんぶおわった。

7:2 かれはレバノンのもりいえてた。ながさ百キュビト、はば五十キュビト、たかさ三十キュビトで、三れつ香柏こうはくはしらがあり、そのはしらうえ香柏こうはくはりがあった。

7:3 四十五ほんはしらうえにあるしつ香柏こうはくいたでおおった。はしらかくれつ十五ほんあった。

7:4 またまどわくが三れつあって、まどまどと三だんかいっていた。

7:5 戸口とぐちまどはみな四角しかくわくをもち、まどまどと三だんかいった。

7:6 またはしら広間ひろまつくった。ながさ五十キュビト、はば三十キュビトであった。はしらまえに一つの広間ひろまがあり、その玄関げんかんはしらとひさしがあった。

7:7 またソロモンはみずから審判しんぱんをするために玉座ぎょくざ広間ひろま、すなわち審判しんぱん広間ひろまつくった。ゆかからたるきまで香柏こうはくをもっておおった。

7:8 ソロモンがんだ宮殿きゅうでんはその広間ひろまのうしろのにわにあって、その造作ぞうさおなじであった。ソロモンはまたかれがめとったパロのむすめのためにいえてたが、その広間ひろまおなじであった。

7:9 これらはみな内外ないがいとも、土台どだいからのきまで、またしゅみやにわから大庭おおにわまで、寸法すんぽうわせてったいし、すなわち、のこぎりでひいた高価こうかいしつくられた。

7:10 また土台どだい高価こうかいしおおきないし、すなわち八キュビトのいし、十キュビトのいしであった。

7:11 そのうえには寸法すんぽうわせてった高価こうかいし香柏こうはくとがあった。

7:12 また大庭おおにわ周囲しゅういには三かさねのいしと、一かさねの香柏こうはく角材かくざいがあった。しゅみやうちにわ宮殿きゅうでん広間ひろまにわ場合ばあいおなじである。

7:13 ソロモンおうひとをつかわしてツロからヒラムをんできた。

7:14 かれはナフタリの部族ぶぞく寡婦かふであって、そのちちはツロのひとで、青銅せいどう細工人さいくにんであった。ヒラムは青銅せいどうのいろいろな細工さいくをする知恵ちえさとりと知識ちしきちたものであったが、ソロモンおうのところにきて、そのすべての細工さいくをした。

7:15 かれ青銅せいどうはしらほんた。一ぽんはしらたかさは十八キュビト、そのまわりはつなをもってはかると十二キュビトあり、ゆびほんあつさで空洞くうどうであった。はしらおなじである。

7:16 また青銅せいどうかして柱頭ちゅうとう二つをつくり、はしらいただきにすえた。その一つの柱頭ちゅうとうたかさは五キュビト、柱頭ちゅうとうたかさも五キュビトであった。

7:17 はしらいただきにある柱頭ちゅうとうのためにくさりんだかざりひもで市松いちまつ模様もようあみ細工ざいく二つを つくった。すなわちこの柱頭ちゅうとうのために一つ、かの柱頭ちゅうとうのために一つをつくった。

7:18 またざくろをつくった。すなわち二ならびのざくろを一つのあみ細工ざいくうえのまわりにつくって、はしらいただきにある柱頭ちゅうとういた。柱頭ちゅうとうにもおなじようにした。

7:19 このろうはしらいただきにある柱頭ちゅうとううえに四キュビトのゆりのはな細工さいくがあった。

7:20 二つのはしら上端じょうたんまる突出とっしゅつうえにあるあみ細工ざいく柱頭ちゅうとう周囲しゅういには、おのおの二百のざくろが二ならびになっていた。

7:21 このはしら神殿しんでんろうてた。すなわちみなみはしらてて、そのをヤキンとづけ、きたはしらてて、そのをボアズとづけた。

7:22 そのはしらいただきにはゆりのはな細工さいくがあった。こうしてそのはしらぞうさができあがった。

7:23 またうみつくった。ふちからふちまで十キュビトであって、周囲しゅうい円形えんけいをなし、たかさ五キュビトで、その周囲しゅういつなをもってはかると三十キュビトであった。

7:24 そのふちしたには三十キュビトの周囲しゅういをめぐるひさごがあって、うみ周囲しゅういかこんでいた。そのひさごは二ならびで、うみときたものである。

7:25 そのうみは十二のうしうえかれ、その三つはきたかい、三つは西にしかい、三つはみなみかい、三つはひがしかっていた。うみはそのうえかれ、うしのうしろはみなうちかっていた。

7:26 うみあつさははばで、そのふちはいふちのように、ゆりのはなせてつくられた。うみにはみずが二千バテはいった。

7:27 また青銅せいどうだいを十つくった。だいながさ四キュビト、はば四キュビト、たかさ三キュビトであった。

7:28 そのだい構造こうぞうつぎのとおりである。だいには鏡板かがみいたがあり、鏡板かがみいたわくなかにあった。

7:29 わくなかにある鏡板かがみいたには、ししとうしとケルビムとがあり、また、ししとうしうえしたにあるわく斜面しゃめんにははなかざりが細工さいくしてあった。

7:30 まただいにはおのおの四つの青銅せいどう車輪しゃりんと、青銅せいどう車軸しゃじくがあり、その四すみには洗盤せんばんのささえがあった。そのささえは、おのおのはなかざりのかたわらに つくりつけてあった。

7:31 そのくちは一キュビトうえて、だいいただきうちにあり、そのくちまるく、台座だいざのようにつくられ、ふかさ一キュビトはんであった。またそのくちにはものがあった。その鏡板かがみいた四角しかくで、まるくなかった。

7:32 四つの車輪しゃりん鏡板かがみいたしたにあり、車軸しゃじくだいけてあり、車輪しゃりんたかさはおのおの一キュビトはんであった。

7:33 車輪しゃりん構造こうぞう戦車せんしゃ車輪しゃりん構造こうぞうおなじで、その車軸しゃじくふちこしきとはみな鋳物いものであった。

7:34 おのおののだいの四すみに四つのささえがあり、そのささえはだい一部いちぶをなしていた。

7:35 だいうえにはたかはんキュビトのまるおびがあった。そしてだいうえにあるその支柱しちゅう鏡板かがみいたとはその一部いちぶをなしていた。

7:36 その支柱しちゅう表面ひょうめん鏡板かがみいたにはそれぞれの場所ばしょに、ケルビムと、ししと、しゅろをきざみ、またその周囲しゅういはなかざりをほどこした。

7:37 このようにして十だいつくった。それはみなおな鋳方いかたおな寸法すんぽうおなかたちであった。

7:38 また青銅せいどう洗盤せんばんを十つくった。洗盤せんばんはおのおの四十バテのみずがはいり、洗盤せんばんはおのおの四キュビトであった。十だいうえにはおのおの一つずつの洗盤せんばんがあった。

7:39 そのだいの五みやみなみほうに、五みやきたほうき、みや東南とうなんほううみをすえた。

7:40 ヒラムはまたつぼと十能じゅうのうはちつくった。こうしてヒラムはソロモンおうのためにしゅみやのすべての細工さいくをなしえた。

7:41 すなわち二ほんはしらと、そのはしらいただきにある柱頭ちゅうとうの二つのたまと、はしらいただきにある柱頭ちゅうとうの二つのたまをおおう二つのあみ細工ざいくと、

7:42 その二つのあみ細工ざいくのためのざくろ四百。このざくろは一つのあみ細工ざいくに、二ならびにつけて、はしらいただきにある柱頭ちゅうとうの二つのたまいた。

7:43 また十だいと、そのだいうえの十洗盤せんばんと、

7:44 一つのうみと、そのうみしたの十二のうしとであった。

7:45 さてつぼと十能じゅうのうはち、すなわちヒラムがソロモンおうのためにつくったしゅみやのこれらのうつわはみなひかりのある青銅せいどうであった。

7:46 おうはヨルダンの低地ていちで、スコテとザレタンのあいだ粘土ねんどでこれらをた。

7:47 ソロモンはそのうつわ非常ひじょうおおかったので、みなそれをはからずにおいた。その青銅せいどうおもさは、はかりなかった。

7:48 またソロモンはしゅみやにあるもろもろのうつわつくった。すなわちきん祭壇さいだんと、そなえのパンをせるきんつくえ

7:49 および純金じゅんきん燭台しょくだい。この燭台しょくだい本殿ほんでんまえに、五つはみなみに、五つはきたにあった。またきんはなと、ともしびさらと、こころかきと、

7:50 純金じゅんきんさらと、心切しんきりばさみと、はちと、こうはいと、心取しんとざらと、至聖所しせいじょであるみやおくのとびらのためおよび、みや拝殿はいでんのとびらのために、きんのひじつぼをつくった。

7:51 こうしてソロモンおうしゅみやのためにつくるすべての細工さいくおわった。そしてソロモンはちちダビデがささげたもの、すなわち金銀きんぎんおよび器物うつわものたずさはいり、しゅみや宝蔵ほうぞうなかにたくわえた。