口語訳聖書(振り仮名付き)

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列王紀れつおうきじょう

第8章    1Kn-Audio 

8:1 ソロモンはしゅ契約けいやくはこをダビデのまち、すなわちシオンからかつぎのぼろうとして、イスラエルの長老ちょうろうたちと、すべての部族ぶぞくのかしらたちと、イスラエルの人々ひとびと氏族しぞくちょうたちをエルサレムでソロモンおうのもとにあつめた。

8:2 イスラエルのひとみなエタニムのつきすなわち七がつまつりにソロモンおうのもとにあつまった。

8:3 イスラエルの長老ちょうろうたちがみなたので、祭司さいしたちははこりあげた。

8:4 そしてかれらはしゅはこと、会見かいけん幕屋まくやと、幕屋まくやにあるすべてのせいなるうつわをかつぎのぼった。すなわち祭司さいしとレビびとがこれらのものをかつぎのぼった。

8:5 ソロモンおうおよびかれのもとにあつまったイスラエルの会衆かいしゅうみなかれともはこまえで、ひつじうしをささげたが、そのかずおおくて調しらべることもかぞえることもできなかった。

8:6 祭司さいしたちはしゅ契約けいやくはこをその場所ばしょにかつぎれた。すなわちみや本殿ほんでんである至聖所しせいじょのうちのケルビムのつばさしたいた。

8:7 ケルビムはつばさはこところべていたので、ケルビムはうえからはことそのさおをおおった。

8:8 さおはながかったので、さおのはし本殿ほんでんまえ聖所せいじょからえた。しかしそとにはえなかった。そのさおは今日こんにちまでそこにある。

8:9 はこうちには二つのいしいたのほかなにもなかった。これはイスラエルの人々ひとびとがエジプトのからたとき、しゅかれらと契約けいやくむすばれたときに、モーセがホレブで、それにおさめたものである。

8:10 そして祭司さいしたちが聖所せいじょからたとき、くもしゅみやちたので、

8:11 祭司さいしたちはくものためにってつかえることができなかった。しゅ栄光えいこうしゅみやちたからである。

8:12 そこでソロモンはった、

しゅてんかれた。しかもしゅみずかくもなかまおうとわれた。

8:13 わたしはあなたのためにたかいえとこしえのみすまいをてた」。

8:14 おうをめぐらして、イスラエルのすべての会衆かいしゅう祝福しゅくふくした。そのときイスラエルのすべての会衆かいしゅうっていた。

8:15 かれった、「イスラエルのかみしゅはほむべきかな。しゅはそのくちをもってわたしのちちダビデに約束やくそくされたことを、そのをもってなしげられた。しゅわれた、

8:16 『わがたみイスラエルをエジプトからみちびしたから、わたしはわたしのくべきみやてるために、イスラエルのもろもろの部族ぶぞくのうちから、どのまちをもえらんだことがなかった。ただダビデをえらんで、わがたみイスラエルのうえたせた』と。

8:17 イスラエルのかみしゅのためにみやてることは、わたしのちちダビデのこころにあった。

8:18 しかししゅはわたしのちちダビデにわれた、『わたしののためにみやてることはあなたのこころにあった。あなたのこころにこのことのあったのは結構けっこうである。

8:19 けれどもあなたはそのみやててはならない。あなたのからるあなたのがわたしののためにみやてるであろう』と。

8:20 そしてしゅはそのわれた言葉ことばおこなわれた。すなわちわたしはちちダビデにかわってち、しゅわれたように、イスラエルのくらいし、イスラエルのかみしゅのためにみやてた。

8:21 わたしはまたそこにしゅ契約けいやくおさめたはこのために一つの場所ばしょもうけた。その契約けいやくしゅがわれわれの先祖せんぞをエジプトのからみちびされたときに、かれらとむすばれたものである」。

8:22 ソロモンはイスラエルのぜん会衆かいしゅうまえで、しゅ祭壇さいだんまえち、てんべて、

8:23 った、「イスラエルのかみしゅよ、うえてんにも、したにも、あなたのようなかみはありません。あなたは契約けいやくまもられ、こころをつくしてあなたのまえあゆむあなたのしもべらに、いつくしみをほどこし、

8:24 あなたのしもべであるわたしのちちダビデに約束やくそくされたことをまもられました。あなたがくちをもって約束やくそくされたことを、をもってなしげられたことは、今日こんにちるとおりであります。

8:25 それゆえ、イスラエルのかみしゅよ、あなたのしもべであるわたしのちちダビデに、あなたが約束やくそくして『おまえがわたしのまえあゆんだように、おまえの子孫しそんが、そのみちつつしんで、わたしのまえあゆむならば、おまえにはイスラエルのくらいするひとが、わたしのまえ けることはないであろう』とわれたことを、ダビデのためにまもってください。

8:26 イスラエルのかみよ、どうぞ、あなたのしもべであるわたしのちちダビデにわれた言葉ことば確認かくにんしてください。

8:27 しかしかみは、はたして地上ちじょうまわれるでしょうか。よ、てんも、いとたかてんもあなたをいれることはできません。ましてわたしのてたこのみやはなおさらです。

8:28 しかしわがかみしゅよ、しもべのいのりねがいをかえりみて、しもべがきょう、あなたのまえにささげるさけびといのりをおきください。

8:29 あなたが『わたしのをそこにく』とわれたところ、すなわち、このみやかって夜昼よるひるあなたのをおひらきください。しもべがこのところかっていのいのりをおきください。

8:30 しもべと、あなたのたみイスラエルがこのところかっていのときに、そのねがいをおきください。あなたのすみかであるてんき、いておゆるしください。

8:31 もしひとがそのとなびとたいしてつみおかし、ちかいをすることをもとめられるときてこのみやであなたの祭壇さいだんまえちかうならば、

8:32 あなたはてんいておこない、あなたのしもべらをさばき、悪人あくにんばっして、そのおこないのむくいをそのこうべにし、義人ぎじんとして、そのにしたがって、そのひとむくいてください。

8:33 もしあなたのたみイスラエルが、あなたにたいしてつみおかしたためにてきまえやぶれたとき、あなたにかえって、あなたのをあがめ、このみやであなたにいのねがうならば、

8:34 あなたはてんにあってき、あなたのたみイスラエルのつみをゆるして、あなたがかれらの先祖せんぞたまわったかれらをかえらせてください。

8:35 もしかれらがあなたにつみおかしたために、てんざされてあめがなく、あなたがかれらをくるしめられるときかれらがこのところかっていのり、あなたのをあがめ、そのつみはなれるならば、

8:36 あなたはてんき、あなたのしもべ、あなたのたみイスラエルのつみをゆるし、かれらにあゆむべきみちおしえて、あなたが、あなたのたみぎょうとしてあたえられたあめらせてください。

8:37 もしくににききんがあるか、もしくは疫病えきびょうれ、くさ、いなご、青虫あおむしがあるか、もしくはてきのためにまちなかかこまれることがあるか、どんな災害さいがい、どんな病気びょうきがあっても、

8:38 もし、だれでも、あなたのたみイスラエルがみな、おのおのそのこころなやみをって、このみやかい、べるならば、どんないのり、どんなねがいでも、

8:39 あなたは、あなたのすみかであるてんいてゆるし、かつおこない、おのおののひとに、そのこころっておられるゆえ、そのすべてのみちにしたがってむくいてください。ただ、あなただけ、すべてのひとこころっておられるからです。

8:40 あなたが、われわれの先祖せんぞたまわったに、かれらのきながらえるあいだつねにあなたをおそれさせてください。

8:41 またあなたのたみイスラエルのものでなく、あなたののためにとおくにから異邦人いほうじんが、

8:42 ――それはかれらがあなたのおおいなると、つよと、べたうでとについておよぶからです、――もしきて、このみやかっていのるならば、

8:43 あなたは、あなたのすみかであるてんき、すべて異邦人いほうじんがあなたにもとめることをかなえさせてください。そうすれば、のすべてのたみは、あなたのたみイスラエルのように、あなたのり、あなたをおそれ、またわたしがてたこのみやがあなたのによってばれることをるにいたるでしょう。

8:44 あなたのたみてきたたかうために、あなたがつかわされるみちとおってくとき、もしかれらがあなたのえらばれたまち、わたしがあなたののためにてたみやほうかって、しゅいのるならば、

8:45 あなたはてんで、かれらのいのりねがいをいてかれらをおたすけください。

8:46 かれらがあなたにたいしてつみおかすことがあって、――ひとつみおかさないものはないのです、――あなたがかれらをいかり、かれらをてきにわたし、てきかれらを捕虜ほりょとして遠近えんきんにかかわらず、てきいてとき

8:47 もしかれらがとらわれていったで、みずからかえりみてい、自分じぶんとらえていったもので、あなたにねがい、『われわれはつみおかしました、そむいてあくおこないました』とい、

8:48 自分じぶんとらえていったてきで、こころをつくし、精神せいしんをつくしてあなたにかえり、あなたがかれらの先祖せんぞあたえられた、あなたがえらばれたまち、わたしがあなたののためにてたみやほうかって、あなたにいのるならば、

8:49 あなたのすみかであるてんで、かれらのいのりねがいをいて、かれらをたすけ、

8:50 あなたのたみが、あなたにたいしておかしたつみと、あなたにたいしてったすべてのあやまちをゆるし、かれらをとらえていったものまえで、かれらにあわれみをさせ、その人々ひとびとかれらをあわれむようにしてください。

8:51 (かれらはあなたがエジプトから、てつのかまどのなかからみちびされたあなたのたみ、あなたのぎょうであるからです)。

8:52 どうぞ、しもべのねがいと、あなたのたみイスラエルのねがいに、あなたのひらき、すべてあなたにもとめるときかれらのねがいをおきください。

8:53 あなたはかれらをのすべてのたみのうちからべっして、あなたのぎょうとされたからです。しゅなるかみよ、あなたがわれわれの先祖せんぞをエジプトからみちびされたとき、モーセによってわれたとおりです」。

8:54 ソロモンはこのいのりねがいをことごとくしゅにささげおわると、それまでてんかってべ、ひざまずいていたしゅ祭壇さいだんまえからちあがり、

8:55 って大声おおごえでイスラエルのぜん会衆かいしゅう祝福しゅくふくしてった、

8:56 「しゅはほむべきかな。しゅはすべて約束やくそくされたように、そのたみイスラエルに太平たいへいたまわった。そのしもべモーセによっておおせられたその約束やくそくみな一つもたがわなかった。

8:57 われわれのかみがわれわれの先祖せんぞともにおられたように、われわれとともにおられるように。われわれをはなれず、またわれわれを見捨みすてられないように。

8:58 われわれのこころしゅかたむけて、しゅのすべてのみちあゆませ、われわれの先祖せんぞめいじられたいましめとさだめと、おきてとをまもらせられるように。

8:59 しゅまえにわたしがべたこれらのねがいの言葉ことばが、日夜にちやわれわれのかみしゅおぼえられるように。そしてしゅ日々ひびことに、しもべをたすけ、しゅたみイスラエルをたすけられるように。

8:60 そうすれば、のすべてのたみしゅかみであることと、ほかかみのないことをるにいたるであろう。

8:61 それゆえ、あなたがたは、今日こんにちのようにわれわれのかみしゅたいして、こころまった真実しんじつであり、しゅさだめにあゆみ、しゅいましめをまもらなければならない」。

8:62 そしておうおよびおうともにいるすべてのイスラエルびとはしゅまえ犠牲ぎせいをささげた。

8:63 ソロモンは酬恩祭しゅうおんさいとしてうし二万二千とうひつじ十二万とうしゅにささげた。こうしておうとイスラエルの人々ひとびとみなしゅみや奉献ほうけんした。

8:64 そのおうしゅみやまえにあるにわなか聖別せいべつし、そのところ燔祭はんさい素祭そさい酬恩祭しゅうおんさい脂肪しぼうをささげた。これはしゅまえにある青銅せいどう祭壇さいだん素祭そさい酬恩祭しゅうおんさい脂肪しぼうとをけるにりなかったからである。

8:65 そのときソロモンは七日なぬかあいだわれわれのかみしゅまえまつりおこなった。ハマテの入口いりぐちからエジプトのかわいたるまでのすべてのイスラエルびとのおおいなる会衆かいしゅうかれともにいた。

8:66 八にソロモンはたみかえらせた。たみおう祝福しゅくふくし、しゅがそのしもべダビデと、そのたみイスラエルとにほどこされたもろもろのめぐみをよろこび、こころたのしんでその天幕てんまくかえってった。 

第9章 

9:1 ソロモンがしゅみやおう宮殿きゅうでんおよびソロモンがてようとのぞんだすべてのものをおわったとき

9:2 しゅはかつてギベオンでソロモンにあらわれられたようにふたたあらわれて、

9:3 かれわれた、「あなたが、わたしのまえねがったいのりねがいとをいた。わたしはあなたがてたこのみや聖別せいべつして、わたしの永久えいきゅうにそこにく。わたしのと、わたしのこころつねにそこにあるであろう。

9:4 あなたがもし、あなたのちちダビデがあゆんだようにまったこころをもってただしくわたしのまえあゆみ、すべてわたしがめいじたようにおこなって、わたしのさだめと、おきてとをまもるならば、

9:5 わたしは、あなたのちちダビデに約束やくそくして『イスラエルの王位おういにのぼるひとがあなたに けることはないであろう』とったように、あなたのイスラエルにおうたるくらいをながく確保かくほするであろう。

9:6 しかし、あなたがた、またはあなたがたの子孫しそんがそむいてわたしにしたがわず、わたしがあなたがたのまえいたいましめとさだめとをまもらず、神々かみがみって、それにつかえ、それをおがむならば、

9:7 わたしはイスラエルを、わたしがあたえたのおもてからつであろう。またわたしののために聖別せいべつしたみやをわたしのまえからげすてるであろう。そしてイスラエルはもろもろのたみのうちにことわざとなり、わらぐさとなるであろう。

9:8 かつ、このみや荒塚あらつかとなり、そのかたわらをぎるものみなおどろき、うそぶいて『なにゆえ、しゅはこのと、このみやとにこのようにされたのか』とうであろう。

9:9 そのとき人々ひとびとこたえて『かれらは自分じぶん先祖せんぞをエジプトのからみちびしたかれらのかみしゅてて、神々かみがみにつきしたがい、それをおがみ、それにつかえたために、しゅはこのすべてのわざわいかれらのうえくだしたのである』とうであろう」。

9:10 ソロモンは二十ねんて二つのいえすなわちしゅみやおう宮殿きゅうでんとをおわったとき

9:11 ツロのおうヒラムがソロモンののぞみにまかせて香柏こうはくと、いとすぎと、きんとを供給きょうきゅうしたので、ソロモンおうはガリラヤのまち二十をヒラムにあたえた。

9:12 しかしヒラムがツロからて、ソロモンがかれあたえた町々まちまちたとき、それらはかれにいらなかったので、

9:13 かれは、「兄弟きょうだいよ、あなたがくださったこれらの町々まちまちは、いったいなんですか」とった。それで、そこは今日こんにちまでカブルのばれている。

9:14 ヒラムはかつてきん百二十タラントをおうおくった。

9:15 ソロモンおう強制的きょうせいてき労働者ろうどうしゃ徴募ちょうぼしたのはこうである。すなわちしゅみや自分じぶん宮殿きゅうでんと、ミロとエルサレムの城壁じょうへきと、ハゾルとメギドとゲゼルをてるためであった。

9:16 (エジプトのおうパロはかつてのぼってきて、ゲゼルをり、でこれをき、そのまちんでいたカナンびとをころし、これをソロモンのつまである自分じぶんむすめあたえて婚姻こんいんおくものとしたので、

9:17 ソロモンはそのゲゼルをなおした)。またまたしたベテホロンと、

9:18 バアラテとユダのくに荒野あらのにあるタマル、

9:19 およびソロモンがっていた倉庫そうこ町々まちまち戦車せんしゃ町々まちまち騎兵きへい町々まちまちならびにソロモンがエルサレム、レバノンおよびそのすべての領地りょうちにおいててようとのぞんだものをことごとくてるためであった。

9:20 すべてイスラエルの子孫しそんでないアモリびと、ヘテびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとののこったもの

9:21 そのにあってかれらのあとにのこった子孫しそんすなわちイスラエルの人々ひとびとほろぼしつくすことのできなかったものを、ソロモンは強制的きょうせいてき奴隷どれいとして徴募ちょうぼをおこない、今日こんにちいたっている。

9:22 しかしイスラエルの人々ひとびとをソロモンはひとりも奴隷どれいとしなかった。かれらは軍人ぐんじん、またかれ役人やくにん司令しれいかん指揮しきかん戦車せんしゃ隊長たいちょう騎兵隊きへいたいちょうであったからである。

9:23 ソロモンの工事こうじ監督かんとくする上役うわやく官吏かんりは五百五十にんであって、工事こうじはたらたみおさめた。

9:24 パロのむすめはダビデのまちからのぼって、ソロモンが彼女かのじょのためにてたいえんだ。そのときソロモンはミロをてた。

9:25 ソロモンはしゅのためにきずいた祭壇さいだんうえねんに三燔祭はんさい酬恩祭しゅうおんさいをささげ、またしゅまえこうをたいた。こうしてソロモンはみや完成かんせいした。

9:26 ソロモンおうはエドムの紅海こうかいきしのエラテにちかいエジオン・ゲベルで数隻すうせきふねつくった。

9:27 ヒラムはうみことっている船員せんいんであるそのしもべをソロモンのしもべとともにそのふねでつかわした。

9:28 かれらはオフルへって、そこからきん四百二十タラントをって、ソロモンおうところにもってきた。 

第10章 

10:1 シバの女王じょおうしゅにかかわるソロモンの名声めいせいいたので、難問なんもんをもってソロモンをこころみようとたずねてきた。

10:2 彼女かのじょおおくの従者じゅうしゃれ、香料こうりょうと、たくさんのきん宝石ほうせきとをらくだにわせてエルサレムにきた。彼女かのじょはソロモンのもとにきて、そのこころにあることをことごとくかれげたが、

10:3 ソロモンはそのすべてのといこたえた。おうらないで彼女かのじょ説明せつめいのできないことは一つもなかった。

10:4 シバの女王じょおうはソロモンのもろもろの知恵ちえと、ソロモンがてた宮殿きゅうでん

10:5 その食卓しょくたく食物しょくもつと、列座れつざ家来けらいたちと、その侍臣じしんたちの伺候しこうぶり、かれらの服装ふくそうと、かれ給仕きゅうじたち、およびかれしゅみやでささげる燔祭はんさいて、まったうばわれてしまった。

10:6 彼女かのじょおうった、「わたしがくにであなたのことと、あなたの知恵ちえについていたことは真実しんじつでありました。

10:7 しかしわたしがきて、るまでは、その言葉ことばしんじませんでしたが、今見いまみるとその半分はんぶんもわたしはらされていなかったのです。あなたの知恵ちえ繁栄はんえいはわたしがいたうわさにまさっています。

10:8 あなたの奥方おくがたたちはさいわいです。つねにあなたのまえって、あなたの知恵ちえ家来けらいたちはさいわいです。

10:9 あなたのかみしゅはほむべきかな。しゅはあなたをよろこび、あなたをイスラエルのくらいにのぼらせられました。しゅ永久えいきゅうにイスラエルをあいせられるゆえ、あなたをおうとして公道こうどう正義せいぎとをおこなわせられるのです」。

10:10 そして彼女かのじょきん百二十タラントおよびおおくの香料こうりょう宝石ほうせきとをおうおくった。シバの女王じょおうがソロモンおうおくったようなおおくの香料こうりょうふたたびこなかった。

10:11 オフルからきんせてきたヒラムのふねは、またオフルからたくさんのびゃくだんの宝石ほうせきとをはこんできたので、

10:12 おうはびゃくだんのをもってしゅみやおう宮殿きゅうでんのためにへきちゅうつくり、またうた人々ひとびとのためにこと立琴たてごととを つくった。このようなびゃくだんのは、かつてきたこともなく、また今日こんにちまでたこともなかった。

10:13 ソロモンおうはそのゆたかなのにしたがってシバの女王じょおうおくものをしたほかに、彼女かのじょのぞみにまかせて、すべてそのもとめるものおくった。そして彼女かのじょはその家来けらいたちととも自分じぶんくにかえっていった。

10:14 さて一ねんあいだにソロモンのところに、はいってきたきん目方めかたは六百六十六タラントであった。

10:15 そのほかに貿易ぼうえきしょうおよび商人しょうにん取引とりひき、ならびにアラビヤの諸王しょおうくに代官だいかんたちからも、はいってきた。

10:16 ソロモンおう延金のべきん大盾おおだて二百を つくった。その大盾おおだてにはおのおの六百シケルのきんもちいた。

10:17 また延金のべきん小盾こだて三百をつくった。その小盾こだてにはおのおの三ミナのきんもちいた。おうはこれらをレバノンのもりいえいた。

10:18 おうはまたおおきな象牙ぞうげ玉座ぎょくざ つくり、純金じゅんきんをもってこれをおおった。

10:19 その玉座ぎょくざに六つのだんがあり、玉座ぎょくざのちうしあたまがあり、座席ざせき両側りょうがわにひじけがあって、ひじけのわきに二つのししがっていた。

10:20 また六つのだんのおのおのの両側りょうがわに十二のししがっていた。このようなものはどこのくにでも つくられたことがなかった。

10:21 ソロモンおうむときにもちいたうつわみなきんであった。またレバノンのもりいえうつわみな純金じゅんきんであって、ぎんのものはなかった。ぎんはソロモンのにはかえりみられなかった。

10:22 これはおううみにタルシシの船隊せんたい所有しょゆうして、ヒラムの船隊せんたい一緒いっしょ航海こうかいさせ、タルシシの船隊せんたいに三ねんに一きんぎん象牙ぞうげ、さる、くじゃくをせてこさせたからである。

10:23 このようにソロモンおうとみ知恵ちえも、のすべてのおうにまさっていたので、

10:24 ぜん人々ひとびとかみがソロモンのこころさづけられた知恵ちえこうとしてソロモンに謁見えっけんもとめた。

10:25 人々ひとびとはおのおのおくものたずさえてきた。すなわちぎんうつわきんうつわ衣服いふく没薬もつやく香料こうりょううま騾馬らばなど年々ねんねんさだまっていた。

10:26 ソロモンは戦車せんしゃ騎兵きへいとをあつめたが、戦車せんしゃ一千四百りょう騎兵きへい一万二千あった。ソロモンはこれを戦車せんしゃまちとエルサレムのおうのもとにいた。

10:27 おうはエルサレムで、ぎんいしのようにもちい、香柏こうはく平地へいちにあるいちじくくわのようにおおもちいた。

10:28 ソロモンがうま輸入ゆにゅうしたのはエジプトとクエからであった。すなわちおう貿易ぼうえきしょうはクエから代価だいかはらってってきた。

10:29 エジプトから輸入ゆにゅうされる戦車せんしゃりょうぎん六百シケル、うまは百五十シケルであった。このようにして、これらのものがおう貿易ぼうえきしょうによって、ヘテびとのすべてのおうたちおよびスリヤのおうたちに輸出ゆしゅつされた。 

第11章 

11:1 ソロモンおうおおくの外国がいこくおんなあいした。すなわちパロのむすめ、モアブびと、アンモンびと、エドムびと、シドンびと、ヘテびとのおんなあいした。

11:2 しゅはかつてこれらの国民こくみんについて、イスラエルの人々ひとびとわれた、「あなたがたはかれらとまじわってはならない。かれらもまたあなたがたとまじわってはならない。かれらはかならずあなたがたのこころてんじてかれらの神々かみがみしたがわせるからである」。しかしソロモンはかれらをあいしてはなれなかった。

11:3 かれには王妃おうひとしてのつま七百にん、そばめ三百にんがあった。そのつまたちがかれこころてんじたのである。

11:4 ソロモンが年老としおいたとき、そのつまたちがかれこころてんじて神々かみがみしたがわせたので、かれこころちちダビデのこころのようには、そのかみしゅ真実しんじつでなかった。

11:5 これはソロモンがシドンびとの女神めがみアシタロテにしたがい、アンモンびとのかみであるにくむべきものミルコムにしたがったからである。

11:6 このようにソロモンはしゅまえあくおこない、ちちダビデのようにまったくはしゅしたがわなかった。

11:7 そしてソロモンはモアブのかみであるにくむべきものケモシのために、またアンモンの人々ひとびとかみであるにくむべきものモレクのためにエルサレムのひがしやまたかところきずいた。

11:8 かれはまた外国がいこくのすべてのつまたちのためにもそうしたので、彼女かのじょたちはその神々かみがみこうをたき、犠牲ぎせいをささげた。

11:9 このようにソロモンのこころてんじて、イスラエルのかみしゅはなれたため、しゅかれいかられた。すなわちしゅがかつて二かれあらわれ、

11:10 このことについてかれに、神々かみがみしたがってはならないとめいじられたのに、かれしゅめいじられたことをまもらなかったからである。

11:11 それゆえ、しゅはソロモンにわれた、「これがあなたの本心ほんしんであり、わたしがめいじた契約けいやくさだめとをまもらなかったので、わたしはかならずあなたからくにはなして、それをあなたの家来けらいあたえる。

11:12 しかしあなたのちちダビデのために、あなたのにはそれをしないが、あなたのからそれをはなす。

11:13 ただし、わたしはくにをことごとくははなさず、わたしのしもべダビデのために、またわたしがえらんだエルサレムのために一つの部族ぶぞくをあなたのあたえるであろう」。

11:14 こうしてしゅはエドムびとハダデをおこして、ソロモンのてきとされた。かれはエドムのおういえものであった。

11:15 さきにダビデはエドムにいたが、ぐんちょうヨアブがのぼっていって、戦死せんししたものほうむり、エドムの男子だんしをことごとくころしたとき

11:16 (ヨアブはイスラエルの人々ひとびとともに六かげつそこにとどまって、エドムの男子だんしをことごとくった)。

11:17 ハダデはそのちちのしもべである数人すうにんのエドムびととともげてエジプトへこうとした。そのときハダデはまだ少年しょうねんであった。

11:18 かれらがミデアンをってパランへき、パランから人々ひとびとともなってエジプトへき、エジプトのおうパロのところへくと、パロはかれいえあたえ、食糧しょくりょうさだめ、かつ土地とちあたえた。

11:19 ハダデはおおいにパロのこころにかなったので、パロは自分じぶんつまいもうとすなわち王妃おうひタペネスのいもうとつまとしてかれあたえた。

11:20 タペネスのいもうとかれおとこゲヌバテをんだので、タペネスはそのをパロのいえのうちで乳離ちばなれさせた。ゲヌバテはパロのいえで、パロのどもたちと一緒いっしょにいた。

11:21 さてハダデはエジプトで、ダビデがその先祖せんぞともねむったことと、ぐんちょうヨアブがんだことをいたので、ハダデはパロにった、「わたしをらせて、くにかえらせてください」。

11:22 パロはかれった、「わたしとともにいて、なんの不足ふそくがあってくにかえることをもとめるのですか」。かれった、「ただ、わたしをかえらせてください」。

11:23 かみはまたエリアダのレゾンをおこしてソロモンのてきとされた。かれはその主人しゅじんゾバのおうハダデゼルのもとをったものであった。

11:24 ダビデがゾバの人々ひとびところしたのちかれ人々ひとびと自分じぶんのまわりにあつめて略奪りゃくだつたい首領しゅりょうとなった。かれらはダマスコへって、そこにみ、ダマスコでかれおうとした。

11:25 かれはソロモンの一生いっしょうあいだ、イスラエルのてきとなって、ハダデがしたようにがいをなし、イスラエルをにくんでスリヤをおさめた。

11:26 ゼレダのエフライムびとネバテのヤラベアムはソロモンの家来けらいであったが、そのはははゼルヤといって寡婦かふであった。かれもまたそのをあげておうてきした。

11:27 かれをあげて、おうてきした事情じじょうはこうである。ソロモンはミロをきずき、ちちダビデのまちやぶくちをふさいでいた。

11:28 ヤラベアムは非常ひじょう手腕しゅわんのあるひとであったが、ソロモンはこの若者わかものがよくはたらくのをて、かれにヨセフのいえのすべての強制きょうせい労働ろうどう監督かんとくをさせた。

11:29 そのころ、ヤラベアムがエルサレムをたとき、シロびとである預言者よげんしゃアヒヤがみちかれった。アヒヤはあたらしい着物きものていた。そしてかれらふたりだけがにいた。

11:30 アヒヤはている着物きものをつかんで、それを十二れにき、

11:31 ヤラベアムにった、「あなたは十れをりなさい。イスラエルのかみしゅはこうわれる、『よ、わたしはくにをソロモンのからはなして、あなたに十部族ぶぞくあたえよう。

11:32 (ただしかれはわたしのしもべダビデのために、またわたしがイスラエルのすべての部族ぶぞくのうちからえらんだまちエルサレムのために、一つの部族ぶぞくをもつであろう)。

11:33 それはかれがわたしをてて、シドンびとの女神めがみアシタロテと、モアブのかみケモシと、アンモンの人々ひとびとかみミルコムをおがみ、ちちダビデのように、わたしのみちあゆんで、わたしのにかなうことおこない、わたしのさだめと、おきてをまもることをしなかったからである。

11:34 しかし、わたしはくにをことごとくはかれかららない。わたしがえらんだ、わたしのしもべダビデが、わたしの命令めいれいさだめとをまもったので、わたしはかれのためにソロモンを一生いっしょうあいだきみとしよう。

11:35 そして、わたしはそのからくにって、その十部族ぶぞくをあなたにあたえる。

11:36 そのには一つの部族ぶぞくあたえて、わたしのくためにえらんだまちエルサレムで、わたしのしもべダビデに、わたしのまえつねに一つのともしびをたもたせるであろう。

11:37 わたしがあなたをえらび、あなたはすべてこころのぞむところをおさめて、イスラエルのうえおうとなるであろう。

11:38 もし、あなたが、わたしのめいじるすべてのこといて、わたしのみちあゆみ、わたしのにかなうことおこない、わたしのしもべダビデがしたように、わたしのさだめといましめとをまもるならば、わたしはあなたとともにいて、わたしがダビデのためにてたように、あなたのために堅固けんごいえてて、イスラエルをあなたにあたえよう。

11:39 わたしはこのためにダビデの子孫しそんくるしめる。しかし永久えいきゅうにではない』」。

11:40 ソロモンはヤラベアムをころそうとしたが、ヤラベアムはってエジプトにのがれ、エジプトおうシシャクのところへって、ソロモンのぬまでエジプトにいた。

11:41 ソロモンのそのほかの事績じせきと、かれがしたすべてのことおよびその知恵ちえは、ソロモンの事績じせきしょにしるされているではないか。

11:42 ソロモンがエルサレムでイスラエルのぜんおさめたは四十ねんであった。

11:43 ソロモンはその先祖せんぞとも ねむって、ちちダビデのまちほうむられ、そのレハベアムがかわっておうとなった。 

第12章 

12:1 レハベアムはシケムへった。すべてのイスラエルびとがかれおうにしようとシケムへったからである。

12:2 ネバテのヤラベアムはソロモンをけてエジプトにのがれ、なおそこにいたが、これをいてエジプトからかえったので、

12:3 人々ひとびとひとをつかわしてかれまねいた。そしてヤラベアムとイスラエルの会衆かいしゅうみなレハベアムのところにきてった、

12:4 「父上ちちうえはわれわれのくびきをおもくされましたが、いま父上ちちうえのきびしい使役しえきと、父上ちちうえがわれわれにわせられたおもいくびきとをかるくしてください。そうすればわれわれはあなたにつかえます」。

12:5 レハベアムはかれらにった、「って、三ぎてから、またわたしのところにきなさい」。それでたみった。

12:6 レハベアムおうちちソロモンの存命ぞんめいなかソロモンにつかえた老人ろうじんたちに相談そうだんしてった、「このたみにどう返答へんとうすればよいとおもいますか」。

12:7 かれらはレハベアムにった、「もし、あなたが、きょう、このたみのしもべとなってかれらにつかえ、かれらにこたえるとき、ねんごろにかたられるならば、かれらは永久えいきゅうにあなたのしもべとなるでしょう」。

12:8 しかしかれ老人ろうじんたちがあたえたすすめをてて、自分じぶん一緒いっしょおおきくなって自分じぶんつかえている若者わかものたちに相談そうだんして、

12:9 かれらにった、「このたみがわたしにむかって『あなたのちちがわれわれにわせたくびきをかるくしてください』というのに、われわれはなんと返答へんとうすればよいとおもいますか」。

12:10 かれ一緒いっしょおおきくなった若者わかものたちはかれった、「あなたにむかって『父上ちちうえはわれわれのくびきをおもくされましたが、あなたは、それをわれわれのためにかるくしてください』とうこのたみに、こういなさい、『わたしの小指こゆびちちこしよりもふとい。

12:11 ちちはあなたがたにおもいくびきをわせたが、わたしはさらに、あなたがたのくびきをおもくしよう。ちちはむちであなたがたをらしたが、わたしはさそりをもってあなたがたをらそう』と」。

12:12 さてヤラベアムとたみみなおうが「三ふたたびわたしのところにるように」とったとおりに、三にレハベアムのところにきた。

12:13 おう荒々あらあらしくたみこたえ、老人ろうじんたちがあたえたすすめをてて、

12:14 若者わかものたちのすすめにしたがい、かれらにげてった、「ちちはあなたがたのくびきをおもくしたが、わたしはあなたがたのくびきを、さらにおもくしよう。ちちはむちであなたがたをらしたが、わたしはさそりをもってあなたがたをらそう」。

12:15 このようにおうたみうことをきいれなかった。これはかつてしゅがシロびとアヒヤによって、ネバテのヤラベアムにわれた言葉ことば成就じょうじゅするために、しゅ仕向しむけられたことであった。

12:16 イスラエルの人々ひとびとみなおう自分じぶんたちのうことをきいれないのをたので、たみおうこたえてった、

「われわれはダビデのうちになにぶんがあろうか、エッサイののうちにぎょうがない。イスラエルよ、あなたがたの天幕てんまくかえれ。ダビデよ、いま自分じぶんいえことよ」。
そしてイスラエルはその天幕てんまくっていった。

12:17 しかしレハベアムはユダの町々まちまちんでいるイスラエルの人々ひとびとおさめた。

12:18 レハベアムおう徴募ちょうぼ監督かんとくであったアドラムをつかわしたが、イスラエルがみなかれいしころしたので、レハベアムおういそいでくるまり、エルサレムへげた。

12:19 こうしてイスラエルはダビデのいえにそむいて今日こんにちいたった。

12:20 イスラエルはみなヤラベアムのかえってきたのをき、ひとをつかわしてかれ集会しゅうかいまねき、イスラエルの全家ぜんかうえおうとした。ユダの部族ぶぞくのほかはダビデのいえしたがものがなかった。

12:21 ソロモンのレハベアムはエルサレムにて、ユダの全家ぜんかとベニヤミンの部族ぶぞくもの、すなわちえりきの軍人ぐんじん十八万をあつめ、くにりもどすために、イスラエルのいえたたかおうとしたが、

12:22 かみ言葉ことばかみひとシマヤにのぞんだ、

12:23 「ソロモンのであるユダのおうレハベアム、およびユダとベニヤミンの全家ぜんか、ならびにそのほかのたみいなさい、

12:24 『しゅはこうおおせられる。あなたがたはのぼっていってはならない。あなたがたの兄弟きょうだいであるイスラエルの人々ひとびとたたかってはならない。おのおのいえかえりなさい。このことはわたしからたのである』」。それでかれらはしゅ言葉ことばをきき、しゅ言葉ことばしたがってかえっていった。

12:25 ヤラベアムはエフライムの山地さんちにシケムをてて、そこにんだ。かれはまたそこからてペヌエルをてた。

12:26 しかしヤラベアムはそのこころのうちにった、「くにいまダビデのいえにもどるであろう。

12:27 もしこのたみがエルサレムにあるしゅみや犠牲ぎせいをささげるためにのぼるならば、このたみこころはユダのおうであるかれらの主君しゅくんレハベアムにかえり、わたしをころして、ユダのおうレハベアムにかえるであろう」。

12:28 そこでおう相談そうだんして、二つのきんうしつくり、たみった、「あなたがたはもはやエルサレムにのぼるには、およばない。イスラエルよ、あなたがたをエジプトのくにからみちびのぼったあなたがたのかみよ」。

12:29 そしてかれは一つをベテルにすえ、一つをダンにいた。

12:30 このことつみとなった。たみがベテルへって一つを礼拝れいはいし、ダンへって一つを礼拝れいはいしたからである。

12:31 かれはまたたかところいえつくり、レビの子孫しそんでない一般いっぱんたみ祭司さいし任命にんめいした。

12:32 またヤラベアムはユダでおこなまつりおなまつりを八がつの十五にちさだめ、そして祭壇さいだんのぼった。かれはベテルでそのようにおこない、かれつくったうし犠牲ぎせいをささげた。また自分じぶん つくったたかところ祭司さいしをベテルにてた。

12:33 こうしてかれはベテルにつくった祭壇さいだんに八がつの十五にちのぼった。これはかれ自分じぶん勝手かってかんがえついたつきであった。そしてかれはイスラエルの人々ひとびとのためにまつりさだめ、祭壇さいだんのぼってこうをたいた。 

第13章 

13:1 よ、かみひとしゅいのちによってユダからベテルにきた。そのときヤラベアムは祭壇さいだんうえってこうをたいていた。

13:2 かみひと祭壇さいだんにむかいしゅいのちによってばわってった、「祭壇さいだんよ、祭壇さいだんよ、しゅはこうおおせられる、『よ、ダビデのいえにひとりのうまれる。そのをヨシヤという。かれはおまえのうえこうをたくたかところ祭司さいしらを、おまえのうえにささげる。またひとほねがおまえのうえかれる』」。

13:3 そのかれはまた一つのしるしをしめしてった、「しゅわれたしるしはこれである、『よ、祭壇さいだんけ、そのうえにあるはいはこぼれるであろう』」。

13:4 ヤラベアムおうは、かみひとがベテルにある祭壇さいだんにむかってばわる言葉ことばいたとき祭壇さいだんからばして、「かれとらえよ」とったが、かれにむかってばしたれて、ひっめることができなかった。

13:5 そしてかみひとしゅ言葉ことばをもってしめしたしるしのように祭壇さいだんけ、はい祭壇さいだんからこぼれた。

13:6 おうかみひとった、「あなたのかみしゅねがい、わたしのためにいのって、わたしのをもとにかえらせてください」。かみひとしゅねがったので、おうはもとにかえって、まえのようになった。

13:7 そこでおうかみひとった、「わたしと一緒いっしょいえにきて、やすめなさい。あなたに謝礼しゃれいをさしあげましょう」。

13:8 かみひとおうった、「たとい、あなたのいえなかばをくださっても、わたしはあなたと一緒いっしょにまいりません。またこのところでは、パンもべずみずみません。

13:9 しゅ言葉ことばによってわたしは、『パンをべてはならない、みずんではならない。またみちからかえってはならない』とめいじられているからです」。

13:10 こうしてかれはほかのみちき、ベテルにみちからはかえらなかった。

13:11 さてベテルにひとりの年老としおいた預言者よげんしゃんでいたが、そのむすこたちがきて、そのかみひとがベテルでしたことどもをかれはなした。またかみひとおうった言葉ことばをもそのちちはなした。

13:12 ちちかれらに「そのひとはどのみちったか」といたので、むすこたちはユダからきたかみひとったみちちちしめした。

13:13 ちちはむすこたちにった、「わたしのためにろばにくらをきなさい」。かれらがろばにくらをいたので、かれはそれにり、

13:14 かみひとのあとをってき、かしのしたにすわっているのをて、そのひとった、「あなたはユダからこられたかみひとですか」。そのひとった、「そうです」。

13:15 そこでかれはそのひとった、「わたしと一緒いっしょいえにきてパンをべてください」。

13:16 そのひとった、「わたしはあなたと一緒いっしょかえすことはできません。あなたと一緒いっしょくことはできません。またわたしはこのところであなたと一緒いっしょにパンもべずみずみません。

13:17 しゅ言葉ことばによってわたしは、『そのところでパンをべてはならない、みずんではならない。またみちからかえってはならない』とわれているからです」。

13:18 かれはそのひとった、「わたしもあなたとおな預言者よげんしゃですが、てん使つかいしゅいのちによってわたしにげて、『そのひと一緒いっしょいえにつれかえり、パンをべさせ、みずませよ』といました」。これはかれがそのひとあざむいたのである。

13:19 そこでそのひとかれ一緒いっしょかえし、そのいえでパンをべ、みずんだ。

13:20 かれらが食卓しょくたくについていたとき、しゅ言葉ことばが、そのひとをつれてかえった預言者よげんしゃのぞんだので、

13:21 かれはユダからきたかみひとにむかいばわってった、「しゅはこうおおせられます、『あなたがしゅ言葉ことばにそむき、あなたのかみしゅがおめいじになった命令めいれいまもらず、

13:22 かえして、しゅがあなたに、パンをべてはならない、みずんではならない、とわれた場所ばしょでパンをべ、みずんだゆえ、あなたの死体したいはあなたの先祖せんぞはかかないであろう』」。

13:23 そしてそのひとがパンをべ、みずんだのちかれはそのひとのため、すなわちつれかえった預言者よげんしゃのためにろばにくらをいた。

13:24 こうしてそのひとったが、みちでししがかれってかれころした。そしてその死体したいみちてられ、ろばはそのかたわらにち、ししもまた死体したいのかたわらにっていた。

13:25 人々ひとびとはそこをとおって、みちてられている死体したいと、死体したいのかたわらにっているししをて、かのろう預言者よげんしゃんでいるまちにきてそれをはなした。

13:26 そのひとみちからつれてかえった預言者よげんしゃはそれをいてった、「それはしゅ言葉ことばにそむいたかみひとだ。しゅかれわれた言葉ことばのように、しゅかれをししにわたされ、ししがかれころしたのだ」。

13:27 そしてむすこたちにった、「わたしのためにろばにくらをきなさい」。かれらがくらをいたので、

13:28 かれって、死体したいみちてられ、ろばとししが死体したいのかたわらにっているのをた。ししはその死体したいべず、ろばもいていなかった。

13:29 そこで預言者よげんしゃかみひと死体したいりあげ、それをろばにせてまちかえり、かなしんでそれをほうむった。

13:30 すなわちその死体したい自分じぶんはかおさめ、みなこれがために「ああ、わが兄弟きょうだいよ」とってかなしんだ。

13:31 かれはそれをほうむってのち、むすこたちにった、「わたしがんだときは、かみひとほうむったはかほうむり、わたしのほねかれほねのかたわらにおさめなさい。

13:32 かれしゅいのちによって、ベテルにある祭壇さいだんにむかい、またサマリヤの町々まちまちにあるたかところのすべてのいえにむかってばわった言葉ことばかなら成就じょうじゅするのです」。

13:33 このことのちも、ヤラベアムはそのわるみちはなれてかえることをせず、また一般いっぱんたみを、たかところ祭司さいし任命にんめいした。すなわち、だれでもこのものは、それをててたかところ祭司さいしとした。

13:34 このことはヤラベアムのいえつみとなって、ついにこれをのおもてからほろぼすようになった。 

第14章 

14:1 そのころヤラベアムのアビヤが病気びょうきになったので、

14:2 ヤラベアムはつまった、「って姿すがたえ、ヤラベアムのつまであることのられないようにしてシロへきなさい。わたしがこのたみおうとなることを、わたしにげた預言者よげんしゃアヒヤがそこにいます。

14:3 パン十菓子かし数個すうこおよび、みつ一びんをたずさえてかれのところへきなさい。かれはこのがどうなるかをあなたにげるでしょう」。

14:4 ヤラベアムのつまはそのようにして、ってシロへき、アヒヤのいえいたが、アヒヤは年老としおいたため、がかすんでることができなかった。

14:5 しかししゅはアヒヤにわれた、「ヤラベアムのつま子供こどもことをあなたにたずねるためにる。子供こども病気びょうきだ。あなたは彼女かのじょにこうこうわなければならない」。

彼女かのじょるとき、他人たにんよそおっていた。

14:6 しかし彼女かのじょ戸口とぐちにはいってきたとき、アヒヤはその足音あしおといてった、「ヤラベアムのつまよ、はいりなさい。なぜ、他人たにんよそおうのですか。わたしはあなたにきびしいことげるよう、めいじられています。

14:7 ってヤラベアムにいなさい、『イスラエルのかみしゅはこうおおせられる、「わたしはあなたをたみのうちからあげ、わたしのたみイスラエルのうえててきみとし、

14:8 くにをダビデのいえからはなして、それをあなたにあたえたのに、あなたはわたしのしもべダビデが、わたしの命令めいれいまもって一心いっしんにわたしにしたがい、ただわたしのにかなったことのみをおこなったようにではなく、

14:9 あなたよりもさきにいたすべてのものにまさってあくをなし、って自分じぶんのために神々かみがみぞうつくり、わたしをいからせ、わたしをうしろにった。

14:10 それゆえ、よ、わたしはヤラベアムのいえわざわいくだし、ヤラベアムにぞくするおとこは、イスラエルについて、つながれたものも、自由じゆうものもことごとくち、ひとがあくたをのこりなくきつくすように、ヤラベアムのいえまったほろぼすであろう。

14:11 ヤラベアムにぞくするものは、まちものいぬべ、ものそらとりべるであろう。しゅがこれをわれるのである」』。

14:12 あなたはって、いえかえりなさい。あなたのあしまちにはいるときに、どもはにます。

14:13 そしてイスラエルはみなかれのためにかなしんでかれほうむるでしょう。ヤラベアムにぞくするものは、ただかれだけはかほうむられるでしょう。ヤラベアムのいえのうちで、かれはイスラエルのかみしゅにむかっておもいをいだいていたからです。

14:14 しゅはイスラエルのうえにひとりのおうおこされます。かれはそのヤラベアムのいえつでしょう。

14:15 そののちしゅはイスラエルをって、みずらぐあしのようにし、イスラエルを、その先祖せんぞたまわったこのからって、ユフラテかわこうにらされるでしょう。かれらがアシラぞう つくってしゅいからせたからです。

14:16 しゅはヤラベアムのつみのゆえに、すなわちかれがみずからおかし、またイスラエルにおかさせたそのつみのゆえにイスラエルをてられるでしょう」。

14:17 ヤラベアムのつまってり、テルザへって、いえ敷居しきいをまたいだときどもはんだ。

14:18 イスラエルはみなかれほうむり、かれのためにかなしんだ。しゅがそのしもべ預言者よげんしゃアヒヤによってわれた言葉ことばのとおりである。

14:19 ヤラベアムのその事績じせきかれがどのようにたたかい、どのようにおさめたかは、イスラエルのおう歴代志れきだいししょにしるされている。

14:20 ヤラベアムがおさめたは二十二ねんであった。かれはその先祖せんぞとも ねむって、そのナダブがかわっておうとなった。

14:21 ソロモンのレハベアムはユダでおさめた。レハベアムはおうとなったとき四十一さいであったが、しゅがそのくために、イスラエルのすべての部族ぶぞくのうちからえらばれたまちエルサレムで、十七ねんおさめた。そのはははナアマといってアンモンびとであった。

14:22 ユダの人々ひとびとはその先祖せんぞおこなったすべてのことにまさって、しゅまえあくおこない、そのおかしたつみによってしゅいかりをおこした。

14:23 かれらもすべてのたかおかうえと、すべてのあおしたに、たかところいしはしらとアシラぞうとをてたからである。

14:24 そのくににはまた神殿しんでん男娼だんしょうたちがいた。かれらはしゅがイスラエルの人々ひとびとまえからはらわれた国民こくみんのすべてのにくむべきことをならいった。

14:25 レハベアムのおうだいねんにエジプトのおうシシャクがエルサレムにのぼってきて、

14:26 しゅみや宝物ほうもつと、おう宮殿きゅうでん宝物ほうもつうばった。かれはそれをことごとくうばり、またソロモンの つくったきんたてをみなうばった。

14:27 レハベアムはそのかわりに青銅せいどうたてつくって、おう宮殿きゅうでんもんまも侍衛じえいちょうにわたした。

14:28 おうしゅみやにはいるごとに、侍衛じえいはそれをたずさえ、また、それを侍衛じえいのへやへかえった。

14:29 レハベアムのその事績じせきと、かれがしたすべてのことは、ユダのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。

14:30 レハベアムとヤラベアムのあいだにはえず戦争せんそうがあった。

14:31 レハベアムはその先祖せんぞともねむって先祖せんぞともにダビデのまちほうむられた。そのはははナアマといってアンモンびとであった。そのアビヤムがかわっておうとなった。