口語訳聖書(振り仮名付き)
章: 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26
エレミヤ書しょ
第13章 Jr-Audio
13:1 主しゅはわたしにこう言いわれた、「行いって、亜麻あま布ぬのの帯おびを買かい、腰こしに結むすべ。水みずにつけてはならない」。
13:2 そこで、わたしは主しゅの言葉ことばに従したがい、帯おびを買かって腰こしに結むすんだ。
13:3 主しゅの言葉ことばは、再ふたたびわたしに臨のぞんで言いった、
13:4 「あなたが買かって腰こしに結むすんでいる帯おびを手てに取とり、立たってユフラテの川かわへ行いき、その所ところの岩いわの裂さけ目めにこれを隠かくせ」。
13:5 わたしは主しゅが命めいじられたように、行いって、これをユフラテの川かわのほとりに隠かくした。
13:6 多おおくの日ひを経へてのち、主しゅはわたしに言いわれた、「立たって、ユフラテの川かわへ行いき、あなたに命めいじて、そこに隠かくさせた帯おびをその所ところから取とってきなさい」。
13:7 そこでわたしはユフラテの川かわへ行いき、地ちを掘ほって、隠かくした所ところから帯おびを取とり出だしたが、その帯おびはそこなわれて、役やくに立たたなくなっていた。
13:8 その時とき、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ、
13:9 「主しゅはこう仰おおせられる、これと同おなじように、わたしはユダの高たかぶりとエルサレムの大おおいなる高たかぶりを、破やぶるのである。
13:10 この悪あしき民たみはわたしの言葉ことばを聞きくことを拒こばみ、自分じぶんの心こころを強情ごうじょうにして歩あゆみ、また他たの神々かみがみに従したがってこれに仕つかえ、これを拝おがんでいる。彼かれらはこの帯おびのように、なんの役やくにも立たたなくなる」。
13:11 主しゅは言いわれる、「帯おびが人ひとの腰こしに着つくように、イスラエルのすべての家いえとユダのすべての家いえとをわたしに着つかせ、これをわたしの民たみとし、名なとし、誉ほまれとし、栄さかえとしようとした。しかし彼かれらは聞きき従したがおうともしなかった」。
13:12 「あなたはこの言葉ことばを彼かれらに語かたらなければならない、『イスラエルの神かみはこう言いわれる、酒さけつぼには、みな酒さけが満みちる』と。彼かれらはあなたに言いうであろう、『酒さけつぼに、みな酒さけが満みちることをわれわれが知しらないことがあろうか』と。
13:13 その時とき、あなたは彼かれらに言いわなければならない、『主しゅはこう言いわれる、見みよ、わたしはこの地ちに住すむすべての者ものと、ダビデの位くらいに座ざす王おうたちと、祭司さいしと預言者よげんしゃおよびエルサレムに住すむすべての者ものに酔よいを満みたし、
13:14 彼かれらを互たがいに打うち当あてて砕くだく。父ちちと子こをもそのようにすると、主しゅは言いわれる。わたしは彼かれらをあわれまず、惜おしまず、かわいそうとも思おもわずに滅ほろぼす』と」。
13:15 耳みみを傾かたむけて聞きけ、高たかぶってはならない、主しゅがお語かたりになるからである。
13:16 主しゅがまだやみを起おこされないうちに、またあなたがたの足あしが薄暗うすくらがりの山やまにつまずかないうちに、あなたがたの神かみ、主しゅに栄光えいこうを帰きせよ。さもないと、あなたがたが光ひかりを望のぞんでいる間あいだに、主しゅはそれを暗黒あんこくに変かえ、それを暗くらやみとされるからである。
13:17 もしあなたがたが聞きかないならば、わたしの魂たましいはひそかな所ところで、あなたがたの高たかぶりのために悲かなしむ。また主しゅの群むれが、かすめられたために、わたしの目めはいたく泣ないて、涙なみだを流ながすのである。
13:18 王おうと太后たいこうとに告つげよ、「あなたがたは低ひくい座ざにすわりなさい。麗うるわしい冠かんむりはすでにあなたがたの頭あたまから落おちてしまったからです」。
13:19 ネゲブの町々まちまちは閉とざされて、これを開ひらく人ひとがない。ユダはみな捕とらえ移うつされる、ことごとく捕とらえ移うつされる。
13:20 「目めをあげて、北きたの方ほうからくる者ものを見みよ、あなたに賜たまわった群むれ、あなたの麗うるわしい群むれはどこにいるのか。
13:21 彼かれらがあなたの親したしみ慣なれた人ひとたちを、あなたの上うえに立たててかしらとするとき、あなたは何なにを言いおうとするのか。あなたの苦くるしみは、子こを産うむ女おんなの苦くるしみのようでないであろうか。
13:22 あなたが心こころのうちに、『どうしてこのようなことがわたしに起たったのか』というならば、あなたの罪つみが重おもいゆえに、あなたの着物きもののすそはあげられ、はずかしめを受うけるのだ。
13:23 エチオピヤびとはその皮膚ひふを変かえることができようか。ひょうはその斑点はんてんを変かえることができようか。もしそれができるならば、悪あくに慣なれたあなたがたも、善ぜんを行おこなうことができる。
13:24 わたしはあなたがたを散ちらし、野のの風かぜに吹ふき散ちらされるもみがらのようにする。
13:25 主しゅは言いわれる、これがあなたに授さづけられた定さだめ、わたしが量はかってあなたに与あたえる分ぶんである。あなたがわたしを忘わすれて、偽いつわりを頼たのみとしたからだ。
13:26 わたしはまたあなたの着物きもののすそを顔かおまであげて、あなたの恥はじをあらわす。
13:27 わたしはあなたの憎にくむべき行おこない、あなたの姦淫かんいんと、いななき、野のの丘おかの上うえで行おこなったあなたのみだらな行おこないを見みた。エルサレムよ、あなたはわざわいだ、あなたの清きよめられるのはいつのことであろうか」。
第14章 14:1 ひでりの事ことについてエレミヤに臨のぞんだ主しゅの言葉ことば。 14:2 「ユダは悲かなしみ、その町々まちまちの門もんは傾かたむき、民たみは地ちに座ざして嘆なげき、エルサレムの叫さけびはあがる。14:3 その君きみたちは、しもべをつかわして水みずをくませる。彼かれらが井戸いどの所ところにきても、水みずは見みつからず、むなしい器うつわをもって帰かえり、恥はじ、かつ当惑とうわくして、その頭あたまをおおう。14:4 地ちに雨あめが降ふらず、土つちが、かわいて割われたため、農夫のうふは恥はじて、その頭あたまをおおう。14:5 野のにいる雌めじかでさえも子こを産うんで、これを捨すてる。草くさがないからである。14:6 野のろばは、はげ山やまの上うえに立たって、山犬やまいぬのようにあえぎ、草くさのないために、その目めはくらむ。 14:7 主しゅよ、われわれの罪つみがわれわれを訴うったえて不利ふりな証言しょうげんをしても、あなたの名なのために、事ことをなしてください。われわれの背信はいしんの数かずは多おおく、あなたに向むかって罪つみを犯おかしました。14:8 イスラエルの望のぞみなる主しゅよ、悩なやみの時ときの救主すくいぬしよ、なぜ、あなたはこの地ちに住すむ異邦いほうの人ひとのようにし、また一夜いちやの宿やどりのために立たち寄よる旅たびびとのようになさらねばならないのですか。14:9 なぜ、あなたは、うろたえている人ひとのようにし、また人ひとを救すくいえない勇士ゆうしのようになさらねばならないのですか。主しゅよ、あなたはわれわれのうちにいらせられます。われわれは、み名なによって呼よばれている者ものです。われわれを見捨みすてないでください」。14:10 この民たみについて主しゅはこう言いわれる、 「彼かれらはこのように好このんで、さまよい、その足あしをとどめることをしなかったので、主しゅは彼かれらを喜よろこばず、いまそのとがを覚おぼえ、その罪つみを罰ばっするのだ」。14:11 主しゅはわたしに言いわれた、「この民たみのために恵めぐみを祈いのってはならない。14:12 彼かれらが断食だんじきしても、わたしは彼かれらの呼よぶのを聞きかない。燔祭はんさいと素祭そさいをささげても、わたしはそれを受うけない。かえって、つるぎと、ききん、および疫病えきびょうをもって、彼かれらを滅ほろぼしてしまう」。 14:13 わたしは言いった、「ああ、主しゅなる神かみよ、預言者よげんしゃたちはこの民たみに向むかい、『あなたがたは、つるぎを見みることはない。ききんもこない。わたしはこの所ところに確たしかな平安へいあんをあなたがたに与あたえる』と言いっています」。14:14 主しゅはわたしに言いわれた、「預言者よげんしゃらはわたしの名なによって偽いつわりの預言よげんをしている。わたしは彼かれらをつかわさなかった。また彼かれらに命めいじたこともなく、話はなしたこともない。彼かれらは偽いつわりの黙示もくしと、役やくに立たたない占うらない、および自分じぶんの心こころでつくりあげた欺あざむきをあなたがたに預言よげんしているのだ。14:15 それゆえ、わたしがつかわさないのに、わたしの名なによって預言よげんして、『つるぎとききんは、この地ちにこない』と言いっているあの預言者よげんしゃについて、主しゅはこう仰おおせられる、この預言者よげんしゃらは、つるぎとききんに滅ほろぼされる。14:16 また彼かれらの預言よげんを聞きく民たみは、ききんとつるぎとによって、エルサレムのちまたに投なげ捨すてられる。だれもこれを葬ほうむる者ものはない。彼かれらとその妻つま、およびそのむすこ娘むすめも同様どうようである。わたしが彼かれらの悪あくをその上うえに注そそぐからである。 14:17 この言葉ことばを彼かれらに語かたれ、 『わたしの目めは夜よるも昼ひるも絶たえず涙なみだを流ながす。わが民たみの娘むすめであるおとめが大おおきな傷きずと重おもい打撃だげきによって滅ほろぼされるからである。14:18 わたしが出でて畑はたけに行いくと、つるぎで殺ころされた者ものがある。町まちにはいると、ききんで病やんでいる者ものがある。預言者よげんしゃも祭司さいしも共ともにその地ちにさまよって、知しるところがない』」。 14:19 あなたはまったくユダを捨すてられたのですか。あなたの心こころはシオンをきらわれるのですか。あなたはわれわれを撃うったのに、どうしていやしてはくださらないのですか。われわれは平安へいあんを望のぞんだが、良よい事ことはこなかった。いやされる時ときを望のぞんだが、かえって恐怖きょうふが来きた。14:20 主しゅよ、われわれは自分じぶんの悪あくと、先祖せんぞのとがとを認みとめています。われわれはあなたに罪つみを犯おかしました。14:21 み名なのために、われわれを捨すてないでください。あなたの栄さかえあるみ位くらいをはずかしめないでください。あなたがわれわれにお立たてになった契約けいやくを覚おぼえて、それを破やぶらないでください。14:22 異邦いほうの偽いつわりの神々かみがみのうちに、雨あめを降ふらせうる者ものがあるであろうか。天てんが自分じぶんで夕立ゆうだちを降ふらすことができようか。われわれの神かみ、主しゅよ、あなたこそ、これをなさる方かたではありませんか。われわれの待まち望のぞむのはあなたです。あなたがこれらすべてのことをなさるからです。 第15章 15:1 主しゅはわたしに言いわれた、「たといモーセとサムエルとがわたしの前まえに立たっても、わたしの心こころはこの民たみを顧かえりみない。彼かれらをわたしの前まえから追おい出だし、ここを去さらせよ。15:2 もし彼かれらが、『われわれはどこに行いけばよいのか』とあなたに尋たずねるならば、彼かれらに言いいなさい、 『主しゅはこう仰おおせられる、疫病えきびょうに定さだめられた者ものは疫病えきびょうに、つるぎに定さだめられた者ものはつるぎに、ききんに定さだめられた者ものはききんに、とりこに定さだめられた者ものはとりこに行いく』。15:3 主しゅは仰おおせられる、わたしは四つの物ものをもって彼かれらを罰ばっする。すなわち、つるぎをもって殺ころし、犬いぬをもってかませ、空そらの鳥とりと地ちの獣けものをもって食くい滅ほろぼさせる。15:4 またユダの王おうヒゼキヤの子こマナセが、エルサレムでした行おこないのゆえに、わたしは彼かれらを地ちのすべての国くにが見みて恐おそれおののくものとする。15:5 エルサレムよ、だれがあなたをあわれむであろうか。だれがあなたのために嘆なげくであろうか。だれがふり返かえって、あなたの安否あんぴを問とうであろうか。15:6 主しゅは言いわれる、あなたはわたしを捨すてた。そしてますます退しりぞいて行いく。それゆえ、わたしは手てを伸のべてあなたを滅ほろぼした。わたしはあわれむことには飽あきた。15:7 わたしはこの地ちの門もんで、箕みので彼かれらをあおぎ分わけた。彼かれらがその道みちを離はなれなかったので、わたしは彼かれらの子こを奪うばい、わが民たみを滅ほろぼした。15:8 わたしは彼かれらの寡婦かふの数かずを浜はまべの砂すなよりも多おおくした。わたしは真昼まひるに、滅ほろぼす者ものを連つれてきて、若者わかものらの母ははたちをせめ、驚おどろきと恐おそれを、にわかに母ははたちにおこした。15:9 七人にんの子こを産うんだ女おんなは、弱よわり衰おとろえて、息いき絶たえ、まだ昼ひるであったが、彼女かのじょの日ひは没ぼっした。彼女かのじょは恥はじ、うろたえた。その残のこりの者ものは、これを敵てきのつるぎに渡わたすと主しゅは言いわれる」。15:10 ああ、わたしはわざわいだ。わが母ははよ、あなたは、なぜ、わたしを産うんだのか。全国ぜんこくの人ひとはわたしと争あらそい、わたしを攻せめる。わたしは人ひとに貸かしたこともなく、人ひとに借かりたこともないのに、皆みなわたしをのろう。15:11 主しゅよ、もしわたしが彼かれらの幸福こうふくをあなたに祈いのり求もとめず、また敵てきのため、その悩なやみのときと、災わざわいのときに、わたしがあなたにとりなしをしなかったのであれば、彼かれらののろいも、やむをえないでしょう。15:12 人ひとは鉄てつを、北きたからくる鉄てつや青銅せいどうを砕くだくことができましょうか。 15:13 「わたしはあなたの富とみと宝たからを、ぶんどり物ものとして他ほかに与あたえる。代価だいかを受うけることはできない。それはあなたのすべての罪つみによるので、領域りょういき内ないのいたる所ところにこのことが起おこる。15:14 わたしはあなたの知しらない地ちで、あなたの敵てきに仕つかえさせる。わたしの怒いかりによって火ひは点てんじられ、いつまでも燃もえ続つづけるからである」。15:15 主しゅよ、あなたは知しっておられます。わたしを覚おぼえ、わたしを顧かえりみてください。わたしを迫害はくがいする者ものに、あだを返かえし、あなたの寛容かんようによって、わたしを取とり去さらないでください。わたしがあなたのために、はずかしめを受うけるのを知しってください。15:16 わたしはみ言葉ことばを与あたえられて、それを食たべました。み言葉ことばは、わたしに喜よろこびとなり、心こころの楽たのしみとなりました。万軍ばんぐんの神かみ、主しゅよ、わたしは、あなたの名なをもってとなえられている者ものです。15:17 わたしは笑わらいさざめく人ひとのつどいにすわることなく、また喜よろこぶことをせず、ただひとりですわっていました。あなたの手てがわたしの上うえにあり、あなたが憤いきどおりをもってわたしを満みたされたからです。15:18 どうしてわたしの痛いたみは止とまらず、傷きずは重おもくて、なおらないのですか。あなたはわたしにとって、水みずがなくて人ひとを欺あざむく谷川たにがわのようになられるのですか。15:19 それゆえ主しゅはこう仰おおせられる、 「もしあなたが帰かえってくるならば、もとのようにして、わたしの前まえに立たたせよう。もしあなたが、つまらないことを言いうのをやめて、貴重きちょうなことを言いうならば、わたしの口くちのようになる。彼かれらはあなたの所ところに帰かえってくる。しかしあなたが彼かれらの所ところに帰かえるのではない。15:20 わたしはあなたをこの民たみの前まえに、堅固けんごな青銅せいどうの城壁じょうへきにする。彼かれらがあなたを攻せめても、あなたに勝かつことはできない。わたしがあなたと共ともにいて、あなたを助たすけ、あなたを救すくうからであると、主しゅは言いわれる。15:21 わたしはあなたを悪人あくにんの手てから救すくい、無慈悲むじひな人ひとの手てからあがなう」。 第16章 16:1 主しゅの言葉ことばはまたわたしに臨のぞんだ、16:2 「あなたはこの所ところで妻つまをめとってはならない。またむすこ娘むすめを持もってはならない。16:3 この所ところで生うまれるむすこ娘むすめと、この地ちでこれを産うむ母ははたちと、これを生うむ父ちちたちとについて主しゅはこう言いわれる、16:4 彼かれらは死しの病やまいにかかって死しに、哀悼あいとうする者ものもなく、埋葬まいそうする者ものもなく、地ちのおもてに、糞土ふんどのようになる。またつるぎと、ききんに滅ほろぼされて、その死体したいは空そらの鳥とりと地ちの獣けものの食くい物ものとなる。 16:5 主しゅはこう言いわれる、喪ものある家いえに、はいってはならない。また行いって、それを悲かなしみ嘆なげいてはならない。わたしがこの民たみからわたしの平安へいあんと、いつくしみと、あわれみとを取とり去さったからであると、主しゅは言いわれる。16:6 大おおいなる者ものも小ちいさき者ものも、この地ちに死しぬ。彼かれらは葬ほうむられず、また彼かれらのために悲かなしむ者ものもなく、自分じぶんの身みを傷きずつける者ものもなく、髪かみをそる者ものもない。16:7 悲かなしむ者もののためにパンをさいて、死者ししゃのためにこれを慰なぐさめる者ものはなく、また父ちちあるいは母ははのために慰なぐさめの杯さかずきをこれに与あたえて飲のませる者ものもない。16:8 またあなたは宴会えんかいをする家いえにはいって、人々ひとびとと共ともにすわって食くい飲のみしてはならない。16:9 万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう言いわれる、見みよ、あなたの目めの前まえで、あなたのなおこの世よにいる間あいだに、わたしは喜よろこびの声こえと楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえと花嫁はなよめの声こえとをこの所ところに絶たやしてしまう。 16:10 あなたがこのすべての言葉ことばをこの民たみに告つげるとき、彼かれらがあなたに尋たずねて、『主しゅがわれわれにこの大おおきな災わざわいを宣告せんこくされるのはどうしてですか。われわれにどんな悪わるい所ところがあるのですか。われわれの神かみ、主しゅにそむいて、われわれが犯おかした罪つみとはなんですか』と言いうならば、16:11 あなたは彼かれらに答こたえなければならない、『主しゅは仰おおせられる、それはあなたがたの先祖せんぞがわたしを捨すてて他たの神々かみがみに従したがい、これに仕つかえ、これを拝はいし、またわたしを捨すて、わたしの律法りっぽうを守まもらなかったからである。16:12 あなたがたは、あなたがたの先祖せんぞよりも、いっそう悪わるいことをした。見みよ、あなたがたはおのおの自分じぶんの悪わるい強情ごうじょうな心こころに従したがい、わたしに聞きき従したがうことはしない。16:13 それゆえ、わたしはあなたがたをこの地ちより追おい出だし、あなたがたも、あなたがたの先祖せんぞも知しらない地ちに行いかせる。その所ところであなたがたは昼夜ちゅうや、ほかの神々かみがみに仕つかえるようになる。これはわたしがあなたがたにあわれみを示しめさないからである』と。 16:14 主しゅは言いわれる、それゆえ、見みよ、こののち『イスラエルの民たみをエジプトの地ちから導みちびき出だした主しゅは生いきておられる』とは言いわないで、16:15 『イスラエルの民たみを北きたの国くにと、そのすべて追おいやられた国々くにぐにから導みちびき出だした主しゅは生いきておられる』という日ひがくる。わたしが彼かれらを、その先祖せんぞに与あたえた彼かれらの地ちに導みちびきかえすからである。 16:16 主しゅは言いわれる、見みよ、わたしは多おおくの漁夫ぎょふを呼よんできて、彼かれらをすなどらせ、また、そののち多おおくの猟師りょうしを呼よんできて、もろもろの山やま、もろもろの丘おか、および岩いわの裂さけ目めから彼かれらをかり出ださせる。16:17 わたしの目めは彼かれらのすべての道みちを見みているからである。みなわたしに隠かくれてはいない。またその悪あくはわたしの目めに隠かくれることはない。16:18 わたしはその悪あくとその罪つみの報むくいを二倍ばいにする。彼かれらがその忌いむべき偶像ぐうぞうの死体したいをもって、わたしの地ちを汚けがし、その憎にくむべきものをもって、わたしの嗣し業ぎょうを満みたしたからである」。 16:19 主しゅ、わが力ちから、わが城しろ、悩なやみの時ときの、のがれ場ばよ、万国ばんこくの民たみは地ちの果はてからあなたのもとにきて申もうします、「われわれの先祖せんぞが受うけ嗣ついだのは、ただ偽いつわりと、役やくに立たたないつまらない事ことばかりです。16:20 人ひとが自分じぶんで神々かみがみを造つくることができましょうか。そういうものは神かみではありません」。16:21 「それゆえ、見みよ、わたしは彼かれらに知しらせよう。すなわち、この際さいわたしの力ちからと、わたしの勢いきおいとを知しらせよう。彼かれらはわたしの名なが、主しゅであることを知しるようになる」。 第17章 17:1 「ユダの罪つみは、鉄てつの筆ふで、金剛石こんごうせきのとがりをもってしるされ、彼かれらの心こころの碑いしぶみと、祭壇さいだんの角つのに彫ほりつけられている。17:2 彼かれらの子供こどもたちは青あお木きの下したと、高たかい丘おかの上うえ、野のの山やまの上うえにある祭壇さいだんとアシラのことを覚おぼえている。17:3 わたしはあなたの富とみとすべての宝たからとを、あなたの全ぜん領域りょういきの内うちで犯おかした罪つみの代価だいかとして、ぶんどり物ものとならせる。17:4 わたしがあなたに与あたえた嗣し業ぎょうからあなたは手てをはなすようになる。またわたしは、あなたの知しらない地ちで、あなたの敵てきに仕つかえさせる。わたしの怒いかりによって、火ひは点てんじられ、いつまでも燃もえ続つづけるからである」。 17:5 主しゅはこう言いわれる、 「おおよそ人ひとを頼たのみとし肉にくなる者ものを自分じぶんの腕うでとし、その心こころが主しゅを離はなれている人ひとは、のろわれる。17:6 彼かれは荒野あらのに育そだつ小ちいさい木きのように、何なにも良よいことの来くるのを見みない。荒野あらのの、干上ひあがった所ところに住すみ、人ひとの住すまない塩しお地ちにいる。17:7 おおよそ主しゅにたより、主しゅを頼たのみとする人ひとはさいわいである。17:8 彼かれは水みずのほとりに植うえた木きのようで、その根ねを川かわにのばし、暑あつさにあっても恐おそれることはない。その葉はは常つねに青あおく、ひでりの年ねんにも憂うれえることなく、絶たえず実みを結むすぶ」。 17:9 心こころはよろずの物ものよりも偽いつわるもので、はなはだしく悪あくに染そまっている。だれがこれを、よく知しることができようか。17:10 「主しゅであるわたしは心こころを探さぐり、思おもいを試こころみる。おのおのに、その道みちにしたがい、その行おこないの実みによって報むくいをするためである」。 17:11 しゃこが自分じぶんが産うんだのではない卵たまごを抱だくように、不正ふせいな財産ざいさんを得える者ものがある。その人ひとは一生いっしょうの半なかばにそれから離はなれて、その終おわりには愚おろかな者ものとなる。 17:12 初はじめから高たかくあげられた栄さかえあるみ座ざは、われわれの聖所せいじょのある所ところである。17:13 またイスラエルの望のぞみである主しゅよ、あなたを捨すてる者ものはみな恥はじをかき、あなたを離はなれる者ものは土つちに名なをしるされます。それは生いける水みずの源みなもとである主しゅを捨すてたからです。 17:14 主しゅよ、わたしをいやしてください、そうすれば、わたしはいえます。わたしをお救すくいください、そうすれば、わたしは救すくわれます。あなたはわたしのほめたたえる者ものだからです。17:15 彼かれらはわたしに言いいます、「主しゅの言葉ことばはどこにあるのか。今いま、それを出だして見みせよ」と。17:16 悪あくをつかわされるようにとは、わたしはたって求もとめませんでした。また災わざわいの日ひを願ねがわなかったのを、あなたはごぞんじです。わたしのくちびるから出でたことは、み前まえにあります。17:17 どうか、わたしを恐おそれさせないでください。災わざわいのときに、あなたはわたしののがれ場ばです。17:18 わたしを攻せめ悩なやます者ものをはずかしめてください。しかしわたしをはずかしめないでください。彼かれらを恐おそれさせてください。しかしわたしを恐おそれさせないでください。災わざわいの日ひを彼かれらにきたらせ、滅ほろびを倍ばいにして彼かれらを滅ほろぼしてください。17:19 主しゅはわたしにこう言いわれた、「行いって、ユダの王おうたちの出入でいりするベニヤミンの門もん、およびエルサレムのすべての門もんに立たって、17:20 言いいなさい、『これらの門もんからはいるユダの王おうたち、およびユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての者ものよ、主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。17:21 主しゅはこう言いわれる、命いのちが惜おしいならば気きをつけるがよい。安息日あんそくにちに荷にをたずさえ、またはそれを持もってエルサレムの門もんにはいってはならない。17:22 また安息日あんそくにちにあなたがたの家いえから荷にを運はこび出だしてはならない。なんのわざをもしてはならない。わたしがあなたがたの先祖せんぞに命めいじたように安息日あんそくにちを聖別せいべつして守まもりなさい。17:23 しかし彼かれらは従したがわず耳みみを傾かたむけず、聞きくことも、戒いましめをうけることをも強情ごうじょうに拒こばんだ。 17:24 主しゅは言いわれる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがい、安息日あんそくにちに荷にをたずさえてこの町まちの門もんにはいらず、安息日あんそくにちを聖別せいべつして、なんのわざをもしないならば、17:25 ダビデの位くらいに座ざする王おうたち、つかさたち、ユダの人々ひとびと、エルサレムに住すむ者ものは、車くるまと馬うまに乗のってこの町まちの門もんからはいることができる。そしてこの町まちには長ながく人ひとが住すむようになる。17:26 また人々ひとびとはユダの町々まちまちやエルサレムの周囲しゅうい、ベニヤミンの地ち、平地へいちと山地さんちおよびネゲブから来きて燔祭はんさい、犠牲ぎせい、素祭そさい、乳香にゅうこう、感謝祭かんしゃさいをたずさえて主しゅの家いえにはいる。17:27 しかし、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわないで、安息日あんそくにちを聖別せいべつして守まもることをせず、安息日あんそくにちに荷にをたずさえてエルサレムの門もんにはいるならば、わたしは火ひをその門もんの中なかに燃もやして、エルサレムのもろもろの宮殿きゅうでんを焼やき滅ほろぼす。その火ひは消きえることがない』」。 第18章 18:1 主しゅからエレミヤに臨のぞんだ言葉ことば。18:2 「立たって、陶器とうき師しの家いえに下くだって行いきなさい。その所ところでわたしはあなたにわたしの言葉ことばを聞きかせよう」。18:3 わたしは陶器とうき師しの家いえへ下くだって行いった。見みると彼かれは、ろくろで仕事しごとをしていたが、18:4 粘土ねんどで造つくっていた器うつわが、その人ひとの手ての中なかで仕損しそんじたので、彼かれは自分じぶんの意いのままに、それをもってほかの器うつわを造つくった。 18:5 その時とき、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ、18:6 「主しゅは仰おおせられる、イスラエルの家いえよ、この陶器とうき師しがしたように、わたしもあなたがたにできないのだろうか。イスラエルの家いえよ、陶器とうき師しの手てに粘土ねんどがあるように、あなたがたはわたしの手てのうちにある。18:7 ある時ときには、わたしが民たみまたは国くにを抜ぬく、破やぶる、滅ほろぼすということがあるが、18:8 もしわたしの言いった国くにがその悪あくを離はなれるならば、わたしはこれに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいかえす。18:9 またある時ときには、わたしが民たみまたは国くにを建たてる、植うえるということがあるが、18:10 もしその国くにがわたしの目めに悪あくと見みえることを行おこない、わたしの声こえに聞きき従したがわないなら、わたしはこれに幸さいわいを与あたえようとしたことを思おもいかえす。18:11 それゆえ、ユダの人々ひとびととエルサレムに住すむ者ものに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしはあなたがたに災わざわいを下くだそうと工夫くふうし、あなたがたを攻せめる計はかりごとを立たてている。あなたがたはおのおのその悪あしき道みちを離はなれ、その道みちと行おこないを改あらためなさい』と。 18:12 しかし彼かれらは言いう、『それはむだです。われわれは自分じぶんの図はかるところに従したがい、おのおのその悪わるい強情ごうじょうな心こころにしたがって行動こうどうします』と。 18:13 それゆえ主しゅはこう言いわれる、異邦いほうの民たみのうちのある者ものに尋たずねてみよ、このような事ことを聞きいた者ものがあろうか。おとめイスラエルは恐おそろしい事ことをした。18:14 レバノンの雪ゆきが、どうしてシリオンの岩いわを離はなれようか。山やまの水みず、冷つめたい川かわの流ながれが、どうしてかわいてしまおうか。18:15 それなのにわが民たみはわたしを忘わすれて、偽いつわりの神々かみがみに香こうをたいている。彼かれらはその道みち、古ふるい道みちにつまずき、また小道こみちに入いり、大路おおじからはなれた。18:16 自分じぶんの地ちを荒あれすたれさせて、いつまでも人ひとに舌打したうちされるものとした。そこを通とおる人ひとはみな身震みぶるいして、首くびを振ふる。18:17 わたしは東風ひがしかぜのように、彼かれらをその敵てきの前まえに散ちらす。その滅ほろびの日ひには、わたしは彼かれらに背せを向むけ、顔かおを向むけない」。18:18 彼かれらは言いった、「さあ、計略けいりゃくをめぐらして、エレミヤを倒たおそう。祭司さいしには律法りっぽうがあり、知恵ちえある者ものには計はかりごとがあり、預言者よげんしゃには言葉ことばがあって、これらのものが滅ほろびてしまうことはない。さあ、われわれは舌したをもって彼かれを撃うとう。彼かれのすべての言葉ことばに、心こころを留とめないことにしよう」。18:19 主しゅよ、どうぞわたしにみ心こころを留とめ、わたしの訴うったえをお聞ききください。18:20 悪あくをもって善ぜんに報むくいるべきでしょうか。しかもなお彼かれらはわたしの命いのちを取とろうとして穴あなを掘ほりました。わたしがあなたの前まえに立たって、彼かれらのことを良よく言いい、あなたの憤いきどおりを止とめようとしたのを覚おぼえてください。18:21 それゆえ、彼かれらの子こどもたちをききんに渡わたし、彼かれらをつるぎの刃はに渡わたしてください。彼かれらの妻つまは子こを失うしない、また寡婦かふとなり、男おとこは疫病えきびょうにかかって死しに、若わかい者ものは、戦争せんそうでつるぎに殺ころされますように。18:22 あなたが敵てきをにわかに彼かれらに臨のぞませられるとき、彼かれらの家いえから叫さけび声ごえが聞きこえますように。彼かれらは穴あなを掘ほって、わたしを捕とらえようとし、わなをつくって、わたしの足あしを捕とらえようとしたからです。18:23 主しゅよ、あなたは彼かれらがわたしを殺ころすためにめぐらしている計略けいりゃくを皆みなごぞんじです。その悪あくをゆるすことなく、その罪つみをあなたの前まえから消けし去さらないでください。彼かれらをあなたの前まえに倒たおれさせてください。あなたのお怒いかりになる時ときに彼かれらを罰ばっしてください。 第19章 19:1 主しゅはこう言いわれる、「行いって、陶器とうき師しのびんを買かい、民たみの長老ちょうろうと年長ねんちょうの祭司さいしのうちの数人すうにんを伴ともなって、19:2 瀬戸せとかけの門もんの入口いりぐちにあるベンヒンノムの谷たにへ行いき、その所ところで、わたしがあなたに語かたる言葉ことばをのべて、19:3 言いいなさい、『ユダの王おうたち、およびエルサレムに住すむ者ものよ、主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは災わざわいをこの所ところに下くだす。おおよそ、その災わざわいのことを聞きくものの耳みみは両方りょうほうとも鳴なる。19:4 彼かれらがわたしを捨すて、この所ところを汚けがし、この所ところで、自分じぶんも先祖せんぞたちもユダの王おうたちも知しらなかった他たの神々かみがみに香こうをたき、かつ罪つみのない者ものの血ちを、この所ところに満みたしたからである。19:5 また彼かれらはバアルのために高たかき所ところを築きずき、火ひをもって自分じぶんの子こどもたちを焼やき、燔祭はんさいとしてバアルにささげた。これはわたしの命めいじたことではなく、定さだめたことでもなく、また思おもいもしなかったことである。19:6 主しゅは言いわれる、それゆえ、見みよ、この所ところをトペテまたはベンヒンノムの谷たにと呼よばないで、虐殺ぎゃくさつの谷たにと呼よぶ日ひがくる。19:7 またわたしはこの所ところでユダとエルサレムの計はかりごとを打うち破やぶり、つるぎをもって、彼かれらをその敵てきの前まえと、そのいのちを求もとめる者ものの手てに倒たおれさせ、またその死体したいを空そらの鳥とりと地ちの獣けものの食くい物ものとし、19:8 かつ、この町まちを荒あれすたれさせて、人ひとに舌打したうちされるものとする。そこを通とおる人ひとは皆みなそのもろもろの災わざわいを見みて身震みぶるいし、舌打したうちする。19:9 また彼かれらがその敵てきとその命いのちを求もとめる者ものとに囲かこまれて苦くるしみ悩なやむ時とき、わたしは彼かれらに自分じぶんのむすこの肉にく、娘むすめの肉にくを食たべさせる。彼かれらはまた互たがいにその友ともの肉にくを食たべるようになる』。 19:10 そこで、あなたは、一緒いっしょに行ゆく人々ひとびとの目めの前まえで、そのびんを砕くだき、19:11 そして彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、陶器とうき師しの器うつわをひとたび砕くだくならば、もはやもとのようにすることはできない。このようにわたしはこの民たみとこの町まちとを砕くだく。人々ひとびとはほかに葬ほうむるべき場所ばしょがないために、トペテに葬ほうむるであろう。19:12 主しゅは仰おおせられる、わたしはこの所ところと、ここに住すむ者ものとにこのようにし、この町まちをトペテのようにする。19:13 エルサレムの家いえとユダの王おうたちの家いえ、すなわち彼かれらがその屋上おくじょうで天てんの衆しゅう群ぐんに香こうをたき、ほかの神々かみがみに酒さけを注そそいだ家いえは、皆みなトペテの所ところのように汚けがされる』」。 19:14 エレミヤは主しゅが彼かれをつかわして預言よげんさせられたトペテから帰かえってきて、主しゅの家いえの庭にわに立たち、すべての民たみに言いった、19:15 「万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは、この町まちとそのすべての村々むらむらに、わたしの言いったもろもろの災わざわいを下くだす。彼かれらが強情ごうじょうで、わたしの言葉ことばに聞きき従したがおうとしないからである」。 第20章 20:1 さて祭司さいしインメルの子こで、主しゅの宮みやのつかさの長ちょうであったパシュルは、エレミヤがこれらの事ことを預言よげんするのを聞きいた。20:2 そしてパシュルは預言者よげんしゃエレミヤを打うち、主しゅの宮みやにある上うえのベニヤミンの門もんの足あしかせにつないだ。20:3 その翌日よくじつパシュルがエレミヤを足あしかせから解とき放はなした時とき、エレミヤは彼かれに言いった、「主しゅはあなたの名なをパシュルとは呼よばないで、『恐おそれが周囲しゅういにある』と呼よばれる。20:4 主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしはあなたを、あなた自身じしんとあなたのすべての友ともだちに恐おそれを起おこさせる者ものとする。彼かれらはあなたが見みている目めの前まえで敵てきのつるぎに倒たおれる。わたしはまたユダのすべての民たみをバビロン王おうの手てに渡わたす。彼かれは彼かれらを捕とらえてバビロンに移うつし、つるぎをもって殺ころす。20:5 わたしはまたこの町まちのすべての富とみと、その獲えたすべての物ものと、そのすべての貴重きちょうな物ものと、ユダの王おうたちのすべての宝物ほうもつをその敵てきの手てに渡わたす。彼かれらはこれをかすめ、民たみを捕とらえてバビロンに移うつす。20:6 パシュルよ、あなたと、あなたの家いえに住すむ者ものとはみな捕とらえ移うつされる。あなたはバビロンに行いって、その所ところで死しに、その所ところに葬ほうむられる。あなたも、あなたが偽いつわって預言よげんした言葉ことばに聞きき従したがった友とももみなそのようになる」。20:7 主しゅよ、あなたがわたしを欺あざむかれたので、わたしはその欺あざむきに従したがいました。あなたはわたしよりも強つよいので、わたしを説とき伏ふせられたのです。わたしは一日いちにち中ぢゅう、物笑ものわらいとなり、人ひとはみなわたしをあざけります。20:8 それは、わたしが語かたり、呼よばわるごとに、「暴虐ぼうぎゃく、滅亡めつぼう」と叫さけぶからです。主しゅの言葉ことばが一日いちにち中ぢゅう、わが身みのはずかしめと、あざけりになるからです。20:9 もしわたしが、「主しゅのことは、重かさねて言いわない、このうえその名なによって語かたる事ことはしない」と言いえば、主しゅの言葉ことばがわたしの心こころにあって、燃もえる火ひのわが骨ほねのうちに閉とじこめられているようで、それを押おさえるのに疲つかれはてて、耐たえることができません。20:10 多おおくの人ひとのささやくのを聞きくからです。恐おそれが四方しほうにあります。「告発こくはつせよ。さあ、彼かれを告発こくはつしよう」と言いって、わが親したしい友ともは皆みなわたしのつまずくのを、うかがっています。また、「彼かれは欺あざむかれるだろう。そのとき、われわれは彼かれに勝かって、あだを返かえすことができる」と言いいます。20:11 しかし主しゅは強つよい勇士ゆうしのようにわたしと共ともにおられる。それゆえ、わたしに迫せまりくる者ものはつまずき、わたしに打うち勝かつことはできない。彼かれらは、なし遂とげることができなくて、大おおいに恥はじをかく。その恥はじは、いつまでも忘わすれられることはない。20:12 正ただしき者ものを試こころみ、人ひとの心こころと思おもいを見みられる万軍ばんぐんの主しゅよ、あなたが彼かれらに、あだを返かえされるのを見みせてください。わたしはあなたに、わたしの訴うったえをお任まかせしたからです。 20:13 主しゅに向むかって歌うたい、主しゅをほめたたえよ。主しゅは貧まずしい者ものの命いのちを、悪人あくにんの手てから救すくわれたからである。 20:14 わたしの生うまれた日ひはのろわれよ。母ははがわたしを産うんだ日ひは祝福しゅくふくを受うけるな。20:15 わたしの父ちちに「男おとこの子こが、生うまれました」と告つげて、彼かれを大おおいに喜よろこばせた人ひとは、のろわれよ。20:16 その人ひとは、主しゅのあわれみを受うけることなく、滅ほろぼされた町まちのようになれ。朝あさには、彼かれに叫さけびを聞きかせ、昼ひるには戦たたかいの声こえを聞きかせよ。20:17 彼かれがわたしを胎内たいないで殺ころさず、わが母ははをわたしの墓場はかばとなさず、その胎たいをいつまでも大おおきくしなかったからである。20:18 なにゆえにわたしは胎内たいないを出でてきて、悩なやみと悲かなしみに会あい、恥はじを受うけて一生いっしょうを過すごすのか。 第21章 21:1 ゼデキヤ王おうは、マルキヤの子こパシュルと祭司さいしマアセヤの子こゼパニヤを、エレミヤのもとにつかわし、21:2 「バビロンの王おうネブカデレザルがわれわれを攻せめようとしているゆえ、われわれのために主しゅに尋たずねてほしい。主しゅはそのもろもろの不思議ふしぎなわざをもって、われわれを助たすけ、バビロンの王おうをわれわれから退しりぞかせられるかも知しれない」と言いわせた。その時とき、主しゅの言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。 21:3 エレミヤは彼かれらに答こたえて言いった、「あなたがたはゼデキヤにこのように言いいなさい、21:4 『イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、あなたがたが、この城壁じょうへきの外そとにあって、あなたがたを攻せめ囲かこむバビロンの王おうおよびカルデヤびとと戦たたかうとき、わたしはあなたがたの手てに持もっている武器ぶきをとりあげ、これを町まちの中なかに集あつめさせる。21:5 わたしは手てを伸のべ、強つよい腕うでをもって、怒いかり、憤いきどおり、激はげしく怒いかって、あなたがたを攻せめる。21:6 わたしはまたこの町まちに住すむ人ひとと獣けものとを撃うつ。彼かれらはみな重おもい疫病えきびょうにかかって死しぬ。21:7 主しゅは言いわれる、この後のち、わたしはユダの王おうゼデキヤとその家来けらいたち、および疫病えきびょうと、つるぎと、ききんを免まぬかれて、この町まちに残のこっている民たみを、バビロンの王おうネブカデレザルの手てと、その敵てきの手て、およびその命いのちを求もとめる者ものの手てに渡わたす。バビロンの王おうはつるぎの刃はにかけて彼かれらを撃うち、彼かれらを惜おしまず、顧かえりみず、またあわれむこともしない』。 21:8 あなたはまたこの民たみに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは命いのちの道みちと死しの道みちとをあなたがたの前まえに置おく。21:9 この町まちにとどまる者ものは、つるぎと、ききんと、疫病えきびょうとで死しぬ。しかし、出でて行いって、あなたがたを攻せめ囲かこんでいるカルデヤびとに降伏こうふくする者ものは死しを免まぬかれ、その命いのちは自分じぶんのぶんどり物ものとなる。21:10 主しゅは言いわれる、わたしがこの町まちに顔かおを向むけたのは幸さいわいを与あたえるためではなく、災わざわいを与あたえるためである。この町まちはバビロンの王おうの手てに渡わたされる。彼かれは火ひをもって、これを焼やき払はらう』。 21:11 またユダの王おうの家いえに言いいなさい、『主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。21:12 ダビデの家いえよ、主しゅはこう仰おおせられる、 朝あさごとに、正ただしいさばきを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとをしえたげる者ものの手てから救すくえ。そうしないと、あなたがたの悪わるい行おこないのために、わたしの怒いかりは火ひのように燃もえて、それを消けすことはできない』」。 21:13 「主しゅは言いわれる、谷たにに住すむ者ものよ、平原へいげんの岩いわよ、見みよ、わたしはあなたに敵てきする。あなたがたは言いう、『だれが下くだってきて、われわれを攻せめるものか、だれがわれわれのいる所ところに、はいるものか』と。21:14 わたしはあなたがたを、その行おこないの実みによって罰ばっする。またその林はやしに火ひをつけて、その周囲しゅういのものをみな焼やき尽つくすと、主しゅは言いわれる」。 第22章 22:1 主しゅはこう言いわれる、「ユダの王おうの家いえに下くだり、その所ところにこの言葉ことばをのべて、22:2 言いいなさい、『ダビデの位くらいにすわるユダの王おうよ、あなたと、あなたの家臣かしん、および、この門もんからはいるあなたの民たみは主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。22:3 主しゅはこう言いわれる、公平こうへいと正義せいぎを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとを、しえたげる者ものの手てから救すくい、異邦いほうの人ひと、孤児こじ、寡婦かふを悩なやまし、しえたげてはならない。またこの所ところに、罪つみなき者ものの血ちを流ながしてはならない。22:4 もしあなたがたがこの言葉ことばを真実しんじつに行おこなうならば、ダビデの位くらいにすわる王おうとその家臣かしん、およびその民たみは、車くるまと馬うまに乗のって、この家いえの門もんにはいることができる。22:5 しかしあなたがたがこの言葉ことばを聞きかないならば、わたしは自身じしんをさして誓ちかうが、この家いえは荒あれ地ちとなると、主しゅは言いわれる。22:6 主しゅはユダの王おうの家いえについてこう言いわれる、 あなたはわたしに対たいしてギレアデのようであり、レバノンの頂いただきのようである。しかし、わたしは必かならずあなたを荒あれ地ちにし、人ひとの住すまない町まちにする。22:7 わたしは滅ほろぼす者ものを設もうけて、あなたを攻せめさせる、彼かれらはおのおのその武器ぶきをとり、あなたの麗うるわしい香柏こうはくを切きり倒たおし、火ひに投なげ入いれる。22:8 多おおくの国くにの人ひとはこの町まちを過すぎ、互たがいに語かたって、「なぜ主しゅはこの大おおいなる町まちをこのようにされたのか」と言いうとき、22:9 人ひとは答こたえて、「これは彼かれらがその神かみ、主しゅの契約けいやくを捨すてて他たの神々かみがみを拝はいし、これに仕つかえたからである」と言いうであろう』」。22:10 死しんだ者もののために泣なくことなく、またそのために嘆なげいてはならない。捕とらえ移うつされてゆく者もののために、激はげしく泣なけ。彼かれはふたたび帰かえってきて、その故郷こきょうを見みることがないからである。22:11 ユダの王おうヨシヤの子こシャルムは父ちちヨシヤについで王おうとなったが、ついにこの所ところから出でて行いった。主しゅは彼かれについてこう言いわれる、「彼かれは再ふたたびここに帰かえらない。22:12 彼かれはその捕とらえ行いかれた所ところで死しに、再ふたたびこの地ちを見みない」。22:13 「不義ふぎをもってその家いえを建たて、不法ふほうをもってその高殿たかどのを造つくり、隣となり人びとを雇やとって何なにをも与あたえず、その賃金ちんぎんを払はらわない者ものはわざわいである。22:14 彼かれは言いう、『わたしは自分じぶんのために大おおきな家いえを建たて、広ひろい高殿たかどのを造つくろう』と。そしてこれがために窓まどを造つくり、香柏こうはくの鏡板かがみいたでおおい、それを朱しゅで塗ぬる。22:15 あなたは競きそって香柏こうはくを用もちいることによって、王おうであると思おもうのか。あなたの父ちちは食くい飲のみし、公平こうへいと正義せいぎを行おこなって、幸さいわいを得えたのではないか。22:16 彼かれは貧まずしい人ひとと乏とぼしい人ひとの訴うったえをただして、さいわいを得えた。こうすることがわたしを知しることではないかと主しゅは言いわれる。22:17 しかし、あなたは目めも心こころも、不正ふせいな利益りえきのためにのみ用もちい、罪つみなき者ものの血ちを流ながそうとし、圧制あっせいと暴虐ぼうぎゃくを行おこなおうとする」。22:18 それゆえ、主しゅはユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムについてこう言いわれる、 「人々ひとびとは『悲かなしいかな、わが兄あに』、『悲かなしいかな、わが姉あね』と言いって、彼かれのために嘆なげかない。また『悲かなしいかな、主君しゅくんよ』、『悲かなしいかな、陛下へいかよ』と言いって嘆なげかない。22:19 ろばが埋うめられるように、彼かれは葬ほうむられる。引ひかれて行いって、エルサレムの門もんの外そとに投なげ捨すてられる」。 22:20 「レバノンに登のぼって呼よばわり、バシャンにあなたの声こえをあげ、アバリムから呼よばわれ。あなたの愛あいする者ものがみな滅ほろぼされるからだ。22:21 あなたの栄さかえていた時とき、わたしはあなたに語かたったが『聞ききたくはない』と言いった。あなたがわたしの声こえに聞きき従したがわないことは、あなたの幼おさない時ときからの、ならわしであった。22:22 あなたの牧者ぼくしゃはみな、風かぜに追おい立たてられ、あなたの愛あいする者ものは捕とらえ移うつされる。その時とき、あなたは自分じぶんのもろもろの悪あくのために、恥はじ、うろたえる。22:23 レバノンに住すみ、香柏こうはくの中なかに巣すをつくっている者ものよ、子こを産うむ女おんなに臨のぞむ苦くるしみのような苦痛くつうがあなたに臨のぞむとき、あなたはどんなに嘆なげくことであろうか」。22:24 「主しゅは言いわれる、わたしは生いきている。ユダの王おうエホヤキムの子こコニヤが、わたしの右手みぎての指輪ゆびわであっても、わたしはあなたを抜ぬき取とる。22:25 あなたの命いのちを求もとめる者ものの手て、あなたがその顔かおを恐おそれる者ものの手て、すなわちバビロンの王おうネブカデレザルの手てと、カルデヤびとの手てにあなたを渡わたす。22:26 わたしは、あなたと、あなたを産うんだ母ははを、あなたがたの生うまれた国くにでない他たの国くにに追おいやる。あなたがたはそこで死しぬ。22:27 彼かれらが帰かえりたいとせつに願ねがう国くにに、彼かれらは再ふたたび帰かえることができない」。 22:28 この人ひとコニヤは卑いやしむべき、こわれたつぼであろうか、だれも心こころに留とめない器うつわであろうか。なぜ彼かれとその子孫しそんは追おいやられて、知しらない地ちに投なげやられるのか。22:29 ああ、地ちよ、地ちよ、地ちよ、主しゅの言葉ことばを聞きけよ。22:30 主しゅはこう言いわれる、「この人ひとを、子こなき人ひととして、またその一生いっしょうのうち、栄さかえることのない人ひととして記録きろくせよ。その子孫しそんのうち、ひとりも栄さかえて、ダビデの位くらいにすわり、ユダを治おさめるものが再ふたたび起おこらないからである」。 第23章 23:1 主しゅは言いわれる、「わが牧場まきばの羊ひつじを滅ほろぼし散ちらす牧者ぼくしゃはわざわいである」。23:2 それゆえイスラエルの神かみ、主しゅはわが民たみを養やしなう牧者ぼくしゃについてこう言いわれる、「あなたがたはわたしの群むれを散ちらし、これを追おいやって顧かえりみなかった。見みよ、わたしはあなたがたの悪あしき行おこないによってあなたがたに報むくいると、主しゅは言いわれる。23:3 わたしの群むれの残のこった者ものを、追おいやったすべての地ちから集あつめ、再ふたたびこれをそのおりに帰かえらせよう。彼かれらは子こを産うんでその数かずが多おおくなる。23:4 わたしはこれを養やしなう牧者ぼくしゃをその上うえに立たてる、彼かれらは再ふたたび恐おそれることなく、またおののくことなく、いなくなることもないと、主しゅは言いわれる。 23:5 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしがダビデのために一つの正ただしい枝えだを起おこす日ひがくる。彼かれは王おうとなって世よを治おさめ、栄さかえて、公平こうへいと正義せいぎを世よに行おこなう。23:6 その日ひユダは救すくいを得え、イスラエルは安やすらかにおる。その名なは『主しゅはわれわれの正義せいぎ』ととなえられる。 23:7 主しゅは言いわれる、それゆえ見みよ、人々ひとびとは『イスラエルの民たみをエジプトの地ちから導みちびき出だされた主しゅは生いきておられる』とまた言いわないで、23:8 『イスラエルの家いえの子孫しそんを北きたの地ちと、そのすべて追おいやられた地ちから導みちびき出だされた神かみは生いきておられる』という日ひがくる。その時とき、彼かれらは自分じぶんの地ちに住すんでいる」。 23:9 預言者よげんしゃたちについて。 わが心こころはわたしのうちに破やぶれ、わが骨ほねはみな震ふるう。主しゅとその聖せいなる言葉ことばのために、わたしは酔よっている人ひとのよう、酒さけに打うち負まかされた人ひとのようである。23:10 この地ちに姦淫かんいんを行おこなうものが満みちているからだ。のろいによって地ちは嘆なげき、荒野あらのの牧場まきばはかわく。彼かれらの道みちは悪わるく、その力ちからは正ただしくない。23:11 「預言者よげんしゃと祭司さいしとは共ともに神かみを汚けがす者ものである。わたしの家いえにおいてすら彼かれらの悪あくを見みたと、主しゅは言いわれる。23:12 それゆえ、彼かれらの道みちは、おのずから暗黒あんこくの中なかにあるなめらかな道みちのようになり、彼かれらは押おされてその道みちに倒たおれる。わたしが彼かれらの罰ばっせられる年としに、災わざわいをその上うえに臨のぞませるからであると、主しゅは言いわれる。23:13 わたしはサマリヤの預言者よげんしゃのうちに不快ふかいな事ことのあるのを見みた。彼かれらはバアルによって預言よげんし、わが民たみイスラエルを惑まどわした。23:14 しかしエルサレムの預言者よげんしゃのうちには、恐おそろしい事ことのあるのを見みた。彼かれらは姦淫かんいんを行おこない、偽いつわりに歩あゆみ、悪人あくにんの手てを強つよくし、人ひとをその悪あくから離はなれさせない。彼かれらはみなわたしにはソドムのようであり、その民たみはゴモラのようである」。23:15 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅは預言者よげんしゃについてこう言いわれる、「見みよ、わたしは彼かれらに、にがよもぎを食たべさせ、毒どくの水みずを飲のませる。神かみを汚けがすことがエルサレムの預言者よげんしゃから出でて、全ぜん地ちに及およんでいるからである」。23:16 万軍ばんぐんの主しゅはこう言いわれる、「あなたがたに預言よげんする預言者よげんしゃの言葉ことばを聞きいてはならない。彼かれらはあなたがたに、むなしい望のぞみをいだかせ、主しゅの口くちから出でたのでない、自分じぶんの心こころの黙示もくしを語かたるのである。23:17 彼かれらは主しゅの言葉ことばを軽かるんじる者ものに向むかって絶たえず、『あなたがたは平安へいあんを得える』と言いい、また自分じぶんの強情ごうじょうな心こころにしたがって歩あゆむすべての人ひとに向むかって、『あなたがたに災わざわいはこない』と言いう」。23:18 彼かれらのうちだれか主しゅの議会ぎかいに立たって、その言葉ことばを見聞みききした者ものがあろうか。だれか耳みみを傾かたむけてその言葉ことばを聞きいた者ものがあろうか。23:19 見みよ、主しゅの暴風ぼうふうがくる。憤いきどおりと、つむじ風かぜが出でて、悪人あくにんのこうべをうつ。23:20 主しゅの怒いかりは、み心こころに思おもい定さだめられたことをなし遂とげられるまで退しりぞくことはない。末すえの日ひにあなたがたはそれを明あきらかに悟さとる。 23:21 預言者よげんしゃたちはわたしがつかわさなかったのに、彼かれらは走はしった。わたしが、彼かれらに告つげなかったのに、彼かれらは預言よげんした。23:22 もし彼かれらがわたしの議会ぎかいに立たったのであれば、わたしの民たみにわが言葉ことばを告つげ示しめして、その悪わるい道みちと悪わるい行おこないから、離はなれさせたであろうに。23:23 「主しゅは言いわれる、わたしはただ近ちかくの神かみであって、遠とおくの神かみではないのであるか。23:24 主しゅは言いわれる、人ひとは、ひそかな所ところに身みを隠かくして、わたしに見みられないようにすることができようか。主しゅは言いわれる、わたしは天てんと地ちとに満みちているではないか。23:25 わが名なによって偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちが、『わたしは夢ゆめを見みた、わたしは夢ゆめを見みた』と言いうのを聞きいた。23:26 偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちの心こころに、いつまで偽いつわりがあるのであるか。彼かれらはその心こころの欺あざむきを預言よげんする。23:27 彼かれらはその先祖せんぞがバアルに従したがってわが名なを忘わすれたように、互たがいに夢ゆめを語かたって、わたしの民たみにわが名なを忘わすれさせようとする。23:28 夢ゆめをみた預言者よげんしゃは夢ゆめを語かたるがよい。しかし、わたしの言葉ことばを受うけた者ものは誠実せいじつにわたしの言葉ことばを語かたらなければならない。わらと麦むぎとをくらべることができようかと、主しゅは言いわれる。23:29 主しゅは仰おおせられる、わたしの言葉ことばは火ひのようではないか。また岩いわを打うち砕くだく鎚つちのようではないか。23:30 それゆえ見みよ、わたしはわたしの言葉ことばを互たがいに盗ぬすむ預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:31 見みよ、わたしは、『主しゅは言いいたもう』と舌したをもって語かたる預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:32 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしは偽いつわりの夢ゆめを預言よげんする者ものの敵てきとなる。彼かれらはそれを語かたり、またその偽いつわりと大言たいげんをもってわたしの民たみを惑まどわす。わたしが彼かれらをつかわしたのではなく、また彼かれらに命めいじたのでもない。それで彼かれらはこの民たみにすこしも益えきにならないと、主しゅは言いわれる。 23:33 この民たみのひとり、または預言者よげんしゃ、または祭司さいしがあなたに、『主しゅの重荷おもにはなんですか』と問とうならば、彼かれらに答こたえなさい、『あなたがたがその重荷おもにです。そして主しゅは、あなたがたを捨すてると言いっておられます』と。23:34 そして、『主しゅの重荷おもに』と言いうその預言者よげんしゃ、祭司さいし、または民たみのひとりを、その家族かぞくと共ともにわたしは罰ばっする。23:35 あなたがたは、みな互たがいに、隣となり人びとに、また兄弟きょうだいに、こう言いわなければならない、『主しゅはなんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:36 しかし重かさねて『主しゅの重荷おもに』と言いってはならない。重荷おもには人ひとおのおのの自分じぶんの言葉ことばだからである。あなたがたは生いける神かみ、万軍ばんぐんの主しゅなるわれわれの神かみの言葉ことばを曲まげる者ものである。23:37 あなたは預言者よげんしゃにこう言いわなければならない、『主しゅはあなたになんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:38 もしあなたがたが『主しゅの重荷おもに』と言いうならば、主しゅはこう仰おおせられる、『わたしが人ひとをあなたがたにつかわして、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」と言いってはならないと言いわせたのに、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」という言葉ことばを言いったので、23:39 わたしは必かならずあなたがたを捕とらえ移うつさせ、あなたがたとあなたがたの先祖せんぞとに与あたえたこの町まちと、あなたがたとを、わたしの前まえから捨すて去さる。23:40 そして、忘わすれられることのない永遠えいえんのはずかしめと永遠えいえんの恥はじを、あなたがたにこうむらせる』」。 第24章 24:1 バビロンの王おうネブカデレザルがユダの王おうエホヤキムの子こエコニヤおよびユダの君きみたちと工匠こうしょうと鍛冶かじをエルサレムからバビロンに移うつして後のち、主しゅはわたしにこの幻まぼろしをお示しめしになった。見みよ、主しゅの宮みやの前まえに置おかれているいちじくを盛もった二つのかごがあった。24:2 その一つのかごには、はじめて熟じゅくしたような非常ひじょうに良よいいちじくがあり、ほかのかごには非常ひじょうに悪わるくて食たべられないほどの悪わるいいちじくが入いれてあった。24:3 主しゅはわたしに、「エレミヤよ、何なにを見みるか」と言いわれた。わたしは、「いちじくです。その良よいいちじくは非常ひじょうによく、悪わるいほうのいちじくは非常ひじょうに悪わるくて、食たべられません」と答こたえた。 24:4 主しゅの言葉ことばがまたわたしに臨のぞんだ、24:5 「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、この所ところからカルデヤびとの地ちに追おいやったユダの捕とらわれ人びとを、わたしはこの良よいいちじくのように顧かえりみて恵めぐもう。24:6 わたしは彼かれらに目めをかけてこれを恵めぐみ、彼かれらをこの地ちに返かえし、彼かれらを建たてて倒たおさず、植うえて抜ぬかない。24:7 わたしは彼かれらにわたしが主しゅであることを知しる心こころを与あたえよう。彼かれらはわたしの民たみとなり、わたしは彼かれらの神かみとなる。彼かれらは一心いっしんにわたしのもとに帰かえってくる。 24:8 主しゅはこう仰おおせられる、わたしはユダの王おうゼデキヤとそのつかさたち、およびエルサレムの人ひとの残のこってこの地ちにいる者もの、ならびにエジプトの地ちに住すんでいる者ものを、この悪わるくて食たべられない悪わるいいちじくのようにしよう。24:9 わたしは彼かれらを地ちのもろもろの国くにで、忌いみきらわれるものとし、またわたしの追おいやるすべての所ところで、はずかしめに会あわせ、ことわざとなり、あざけりと、のろいに会あわせる。24:10 わたしはつるぎと、ききんと、疫病えきびょうを彼かれらのうちに送おくって、ついに彼かれらをわたしが彼かれらとその先祖せんぞとに与あたえた地ちから絶たえさせる」。 第25章 25:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムの四年ねん(バビロンの王おうネブカデレザルの元年がんねん)にユダのすべての民たみについての言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。25:2 預言者よげんしゃエレミヤはこの言葉ことばをユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての人ひとに告つげて言いった、25:3 「ユダの王おうアモンの子こヨシヤの十三年ねんから今日こんにちにいたるまで二十三年ねんの間あいだ、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ。わたしはたゆまずにそれをあなたがたに語かたってきたが、あなたがたは聞きかなかった。25:4 主しゅはたゆまず、そのしもべである預言者よげんしゃを、あなたがたにつかわされたが、あなたがたは聞きかずまた耳みみを傾かたむけて聞きこうともしなかった。25:5 彼かれらは言いった、『あなたがたはおのおの今いまその悪あくの道みちと悪わるい行おこないを捨すてなさい。そうすれば主しゅが昔むかしからあなたがたと先祖せんぞたちとに与あたえられた地ちに永遠えいえんに住すむことができる。25:6 あなたがたは、ほかの神かみに従したがって、それに仕つかえ、それを拝おがんではならない。あなたがたの手てで作つくったものをもって、わたしを怒いからせてはならない。このようなことをしないなら、わたしはあなたがたをそこなうことはない』と。25:7 しかしあなたがたはわたしに聞きき従したがわず、あなたがたの手てで作つくった物ものをもって、わたしを怒いからせて自みずから害がいを招まねいたと、主しゅは言いわれる。 25:8 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたがわたしの言葉ことばに聞きき従したがわないゆえ、25:9 見みよ、わたしは北きたの方ほうのすべての種族しゅぞくと、わたしのしもべであるバビロンの王おうネブカデレザルを呼よび寄よせて、この地ちとその民たみと、そのまわりの国々くにぐにを攻せめ滅ほろぼさせ、これを忌いみきらわれるものとし、人ひとの笑わらいものとし、永遠えいえんのはずかしめとすると、主しゅは言いわれる。25:10 またわたしは喜よろこびの声こえ、楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえ、花嫁はなよめの声こえ、ひきうすの音おと、ともしびの光ひかりを彼かれらの中なかに絶たえさせる。25:11 この地ちはみな滅ほろぼされて荒あれ地ちとなる。そしてその国々くにぐには七十年ねんの間あいだバビロンの王おうに仕つかえる。25:12 主しゅは言いわれる、七十年ねんの終おわった後のちに、わたしはバビロンの王おうと、その民たみと、カルデヤびとの地ちを、その罪つみのために罰ばっし、永遠えいえんの荒あれ地ちとする。25:13 わたしはあの地ちについて、わたしが語かたったすべての言葉ことばをその上うえに臨のぞませる。これはエレミヤが、万国ばんこくのことについて預言よげんしたものであって、みなこの書しょにしるされている。25:14 多おおくの国々くにぐにと偉大いだいな王おうたちとは、彼かれらをさえ奴隷どれいとして仕つかえさせる。わたしは彼かれらの行おこないと、その手てのわざに従したがって報むくいる」。 25:15 イスラエルの神かみ、主しゅはわたしにこう仰おおせられた、「わたしの手てから、この怒いかりの杯さかずきを受うけて、わたしがあなたをつかわす国々くにぐにの民たみに飲のませなさい。25:16 彼かれらは飲のんで、よろめき狂くるう。これはわたしが彼かれらのうちに、つるぎをつかわそうとしているからである」。 25:17 こうしてわたしは主しゅの手てから杯さかずきを受うけ、主しゅがわたしをつかわされた国々くにぐにの民たみに飲のませた。25:18 すなわちエルサレムとユダのすべての町まちと、その王おうたちおよびそのつかさたちに飲のませて、それらを滅ほろぼし、荒あれ地ちとし、人ひとの笑わらいものとし、のろわれるものとした。今日こんにちのとおりである。25:19 またエジプトの王おうパロとその家来けらいたち、その君きみたち、そのすべての民たみと、25:20 もろもろの寄留きりゅうの異邦人いほうじん、およびウズの地ちのすべての王おうたち、およびペリシテびとの地ちのすべての王おうたち、(アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの残のこりの者もの)、25:21 エドム、モアブ、アンモンの子孫しそん、25:22 ツロのすべての王おうたち、シドンのすべての王おうたち、海うみのかなたの海沿うみぞいの地ちの王おうたち、25:23 デダン、テマ、ブズおよびすべて髪かみの毛けのすみずみをそる者もの、25:24 アラビヤのすべての王おうたち、荒野あらのの雑種ざっしゅの民たみのすべての王おうたち、25:25 ジムリのすべての王おうたち、エラムのすべての王おうたち、メデアのすべての王おうたち、25:26 北きたのすべての王おうたちの遠とおき者もの、近ちかき者ものもつぎつぎに、またすべて地ちのおもてにある世よの国々くにぐにの王おうたちもこの杯さかずきを飲のむ。そして彼かれらの次つぎにバビロンの王おうもこれを飲のむ。 25:27 「それであなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、飲のめ、酔よって吐はけ、倒たおれて再ふたたび立たつな、わたしがあなたがたのうちに、つるぎをつかわすからである』」。 25:28 「もし彼かれらがあなたの手てから杯さかずきを受うけて飲のむことをしないならば、あなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたは必かならず飲のまなければならない。25:29 見みよ、わたしの名なをもって呼よばれるこの町まちにさえ災わざわいを下くだすのだ。どうしてあなたがたが罰ばつを免まぬかれることができようか。あなたがたは罰ばつを免まぬかれることはできない。わたしがつるぎを呼よび寄よせて、地ちに住すむすべての者ものを攻せめるからであると、万軍ばんぐんの主しゅは仰おおせられる』。 25:30 それゆえ、あなたは彼かれらにこのすべての言葉ことばを預言よげんして言いいなさい、 『主しゅは高たかい所ところから呼よばわり、その聖せいなるすまいから声こえを出だし、自分じぶんのすみかに向むかって大おおいに呼よばわり、地ちに住すむすべての者ものに向むかってぶどうを踏ふむ者もののように叫さけばれる。25:31 叫さけびは地ちの果はてにまで響ひびきわたる。主しゅが国々くにぐにと争あらそい、すべての肉にくなる者ものをさばき、悪人あくにんをつるぎに渡わたすからであると、主しゅは言いわれる』。25:32 万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、国くにから国くにへ災わざわいが出でて行いく。大おおきなあらしが地ちの果はてからおこる。25:33 その日ひ、主しゅに殺ころされる人々ひとびとは、地ちのこの果はてから、かの果はてに及およぶ。彼かれらは悲かなしまれず、集あつめられず、また葬ほうむられずに、地ちのおもてに糞土ふんどとなる。 25:34 牧者ぼくしゃよ、嘆なげき叫さけべ、群むれのかしらたちよ、灰はいの中なかにまろべ。あなたがたのほふられる日ひ、散ちらされる日ひが来きたからだ。あなたがたは選えらび分わけられた雄羊おひつじのように倒たおれる。25:35 牧者ぼくしゃには、のがれ場ばなく、群むれのかしらたちは逃にげる所ところがない。25:36 牧者ぼくしゃの叫さけび声ごえと、群むれのかしらたちの嘆なげきの声こえが聞きこえる。主しゅが彼かれらの牧場まきばを滅ほろぼしておられるからだ。25:37 主しゅの激はげしい怒いかりによって、平和へいわな牧場まきばは荒あれていく。25:38 ししのように彼かれはその巣すを出でた。主しゅのつるぎと、その激はげしい怒いかりによって、彼かれらの地ちは荒あれ地ちとなった」。 第26章 26:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムが世よを治おさめた初はじめのころ、主しゅからこの言葉ことばがあった、26:2 「主しゅはこう仰おおせられる、主しゅの宮みやの庭にわに立たち、わたしがあなたに命めいじて言いわせるすべての言葉ことばを、主しゅの宮みやで礼れい拝はいするために来きているユダの町々まちまちの人々ひとびとに告つげなさい。ひと言ことをも言いい残のこしておいてはならない。26:3 彼かれらが聞きいて、おのおのその悪わるい道みちを離はなれることがあるかも知しれない。そのとき、わたしは彼かれらの行おこないの悪わるいために、災わざわいを彼かれらに下くだそうとしたのを思おもいなおす。26:4 あなたは彼かれらに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわず、わたしがあなたがたの前まえに定さだめおいた律法りっぽうを行おこなわず、26:5 わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者よげんしゃの言葉ことばに聞きき従したがわないならば、(あなたがたは聞きき従したがわなかったが、)26:6 わたしはこの宮みやをシロのようにし、またこの町まちを地ちの万国ばんこくにのろわれるものとする』」。 26:7 祭司さいしと預言者よげんしゃおよびすべての民たみは、エレミヤが主しゅの宮みやでこれらの言葉ことばを語かたるのを聞きいた。26:8 エレミヤが主しゅに命めいじられたすべての言葉ことばを民たみに告つげ終おわった時とき、祭司さいしと預言者よげんしゃおよび民たみはみな彼かれを捕とらえて言いった、「あなたは死しななければならない。26:9 なぜあなたは主しゅの名なによって預言よげんし、この宮みやはシロのようになり、この町まちは荒あらされて住すむ人ひともなくなるであろうと言いったのか」と。民たみはみな主しゅの宮みやに集あつまってエレミヤを取とり囲かこんだ。 26:10 ユダのつかさたちはこの事ことを聞きいて王おうの宮殿きゅうでんを出でて主しゅの宮みやに上のぼり、主しゅの宮みやの「新あたらしい門もん」の入口いりぐちに座ざした。26:11 祭司さいしと預言者よげんしゃらは、つかさたちとすべての民たみに訴うったえて言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものです。あなたがたが自分じぶんの耳みみで聞きかれたように、この町まちに逆さからう預言よげんをしたのです」。 26:12 その時ときエレミヤは、つかさたちとすべての民たみに言いった、「主しゅはわたしをつかわし、この宮みやとこの町まちにむかって、預言よげんをさせられたので、そのすべての言葉ことばをあなたがたは聞きいた。26:13 それで、あなたがたは今いま、あなたがたの道みちと行おこないを改あらため、あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに聞きき従したがいなさい。そうするならば主しゅはあなたがたに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいなおされる。26:14 見みよ、わたしはあなたがたの手ての中なかにある。あなたがたの目めに、良よいと見みえ、正ただしいと思おもうことをわたしに行おこなうがよい。26:15 ただ明あきらかにこのことを知しっておきなさい。もしあなたがたがわたしを殺ころすならば、罪つみなき者ものの血ちはあなたがたの身みと、この町まちと、その住民じゅうみんとに帰きする。まことに主しゅがわたしをつかわして、このすべての言葉ことばをあなたがたの耳みみに、告つげさせられたからである」。 26:16 つかさたちと、すべての民たみとは、祭司さいしと預言者よげんしゃに言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものではない。われわれの神かみ、主しゅの名なによってわれわれに語かたったのである」。26:17 その時ときこの地ちの長老ちょうろうたち数人すうにんが立たって、そこに集あつまっているすべての者ものに告つげて言いった、26:18 「ユダの王おうヒゼキヤの世よに、モレシテびとミカはユダのすべての民たみに預言よげんして言いった、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、 シオンは畑はたけのように耕たがやされ、エルサレムは石塚いしづかとなり、宮みやの山やまは木きのおい茂しげる高たかい所ところとなる』。26:19 ユダの王おうヒゼキヤと、すべてのユダの人ひとは彼かれを殺ころそうとしたことがあろうか。ヒゼキヤは主しゅを恐おそれ、主しゅの恵めぐみを求もとめたので、主しゅは彼かれらに災わざわいを下くだすとお告つげになったのを思おもいなおされたではないか。しかし、われわれは、自分じぶんの身みに大おおきな災わざわいを招まねこうとしている」。 26:20 主しゅの名なによって預言よげんした人ひとがほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤの子こウリヤである。彼かれはエレミヤとおなじような言葉ことばをもって、この町まちとこの地ちにむかって預言よげんした。26:21 エホヤキム王おうと、そのすべての勇士ゆうしと、すべてのつかさたちはその言葉ことばを聞きいた。そして王おうは彼かれを殺ころそうと思おもったが、ウリヤはこれを聞きいて恐おそれ、エジプトに逃にげて行いったので、26:22 エホヤキム王おうは人ひとをエジプトにつかわした。すなわちアクボルの子こエルナタンと他たの数すう名めいの人ひとを、エジプトにつかわした。26:23 彼かれらはウリヤをエジプトから引ひき出だし、エホヤキム王おうのもとに連つれてきたので、王おうはつるぎをもって彼かれを殺ころし、その死体したいを共同きょうどう墓地ぼちに捨すてさせた。 26:24 しかしシャパンの子こアヒカムはエレミヤを助たすけ、民たみの手てに渡わたされて殺ころされることのないようにした。
14:1 ひでりの事ことについてエレミヤに臨のぞんだ主しゅの言葉ことば。
14:2 「ユダは悲かなしみ、その町々まちまちの門もんは傾かたむき、民たみは地ちに座ざして嘆なげき、エルサレムの叫さけびはあがる。
14:3 その君きみたちは、しもべをつかわして水みずをくませる。彼かれらが井戸いどの所ところにきても、水みずは見みつからず、むなしい器うつわをもって帰かえり、恥はじ、かつ当惑とうわくして、その頭あたまをおおう。
14:4 地ちに雨あめが降ふらず、土つちが、かわいて割われたため、農夫のうふは恥はじて、その頭あたまをおおう。
14:5 野のにいる雌めじかでさえも子こを産うんで、これを捨すてる。草くさがないからである。
14:6 野のろばは、はげ山やまの上うえに立たって、山犬やまいぬのようにあえぎ、草くさのないために、その目めはくらむ。
14:7 主しゅよ、われわれの罪つみがわれわれを訴うったえて不利ふりな証言しょうげんをしても、あなたの名なのために、事ことをなしてください。われわれの背信はいしんの数かずは多おおく、あなたに向むかって罪つみを犯おかしました。
14:8 イスラエルの望のぞみなる主しゅよ、悩なやみの時ときの救主すくいぬしよ、なぜ、あなたはこの地ちに住すむ異邦いほうの人ひとのようにし、また一夜いちやの宿やどりのために立たち寄よる旅たびびとのようになさらねばならないのですか。
14:9 なぜ、あなたは、うろたえている人ひとのようにし、また人ひとを救すくいえない勇士ゆうしのようになさらねばならないのですか。主しゅよ、あなたはわれわれのうちにいらせられます。われわれは、み名なによって呼よばれている者ものです。われわれを見捨みすてないでください」。
14:10 この民たみについて主しゅはこう言いわれる、 「彼かれらはこのように好このんで、さまよい、その足あしをとどめることをしなかったので、主しゅは彼かれらを喜よろこばず、いまそのとがを覚おぼえ、その罪つみを罰ばっするのだ」。
14:11 主しゅはわたしに言いわれた、「この民たみのために恵めぐみを祈いのってはならない。
14:12 彼かれらが断食だんじきしても、わたしは彼かれらの呼よぶのを聞きかない。燔祭はんさいと素祭そさいをささげても、わたしはそれを受うけない。かえって、つるぎと、ききん、および疫病えきびょうをもって、彼かれらを滅ほろぼしてしまう」。
14:13 わたしは言いった、「ああ、主しゅなる神かみよ、預言者よげんしゃたちはこの民たみに向むかい、『あなたがたは、つるぎを見みることはない。ききんもこない。わたしはこの所ところに確たしかな平安へいあんをあなたがたに与あたえる』と言いっています」。
14:14 主しゅはわたしに言いわれた、「預言者よげんしゃらはわたしの名なによって偽いつわりの預言よげんをしている。わたしは彼かれらをつかわさなかった。また彼かれらに命めいじたこともなく、話はなしたこともない。彼かれらは偽いつわりの黙示もくしと、役やくに立たたない占うらない、および自分じぶんの心こころでつくりあげた欺あざむきをあなたがたに預言よげんしているのだ。
14:15 それゆえ、わたしがつかわさないのに、わたしの名なによって預言よげんして、『つるぎとききんは、この地ちにこない』と言いっているあの預言者よげんしゃについて、主しゅはこう仰おおせられる、この預言者よげんしゃらは、つるぎとききんに滅ほろぼされる。
14:16 また彼かれらの預言よげんを聞きく民たみは、ききんとつるぎとによって、エルサレムのちまたに投なげ捨すてられる。だれもこれを葬ほうむる者ものはない。彼かれらとその妻つま、およびそのむすこ娘むすめも同様どうようである。わたしが彼かれらの悪あくをその上うえに注そそぐからである。
14:17 この言葉ことばを彼かれらに語かたれ、 『わたしの目めは夜よるも昼ひるも絶たえず涙なみだを流ながす。わが民たみの娘むすめであるおとめが大おおきな傷きずと重おもい打撃だげきによって滅ほろぼされるからである。
14:18 わたしが出でて畑はたけに行いくと、つるぎで殺ころされた者ものがある。町まちにはいると、ききんで病やんでいる者ものがある。預言者よげんしゃも祭司さいしも共ともにその地ちにさまよって、知しるところがない』」。
14:19 あなたはまったくユダを捨すてられたのですか。あなたの心こころはシオンをきらわれるのですか。あなたはわれわれを撃うったのに、どうしていやしてはくださらないのですか。われわれは平安へいあんを望のぞんだが、良よい事ことはこなかった。いやされる時ときを望のぞんだが、かえって恐怖きょうふが来きた。
14:20 主しゅよ、われわれは自分じぶんの悪あくと、先祖せんぞのとがとを認みとめています。われわれはあなたに罪つみを犯おかしました。
14:21 み名なのために、われわれを捨すてないでください。あなたの栄さかえあるみ位くらいをはずかしめないでください。あなたがわれわれにお立たてになった契約けいやくを覚おぼえて、それを破やぶらないでください。
14:22 異邦いほうの偽いつわりの神々かみがみのうちに、雨あめを降ふらせうる者ものがあるであろうか。天てんが自分じぶんで夕立ゆうだちを降ふらすことができようか。われわれの神かみ、主しゅよ、あなたこそ、これをなさる方かたではありませんか。われわれの待まち望のぞむのはあなたです。あなたがこれらすべてのことをなさるからです。
第15章 15:1 主しゅはわたしに言いわれた、「たといモーセとサムエルとがわたしの前まえに立たっても、わたしの心こころはこの民たみを顧かえりみない。彼かれらをわたしの前まえから追おい出だし、ここを去さらせよ。15:2 もし彼かれらが、『われわれはどこに行いけばよいのか』とあなたに尋たずねるならば、彼かれらに言いいなさい、 『主しゅはこう仰おおせられる、疫病えきびょうに定さだめられた者ものは疫病えきびょうに、つるぎに定さだめられた者ものはつるぎに、ききんに定さだめられた者ものはききんに、とりこに定さだめられた者ものはとりこに行いく』。15:3 主しゅは仰おおせられる、わたしは四つの物ものをもって彼かれらを罰ばっする。すなわち、つるぎをもって殺ころし、犬いぬをもってかませ、空そらの鳥とりと地ちの獣けものをもって食くい滅ほろぼさせる。15:4 またユダの王おうヒゼキヤの子こマナセが、エルサレムでした行おこないのゆえに、わたしは彼かれらを地ちのすべての国くにが見みて恐おそれおののくものとする。15:5 エルサレムよ、だれがあなたをあわれむであろうか。だれがあなたのために嘆なげくであろうか。だれがふり返かえって、あなたの安否あんぴを問とうであろうか。15:6 主しゅは言いわれる、あなたはわたしを捨すてた。そしてますます退しりぞいて行いく。それゆえ、わたしは手てを伸のべてあなたを滅ほろぼした。わたしはあわれむことには飽あきた。15:7 わたしはこの地ちの門もんで、箕みので彼かれらをあおぎ分わけた。彼かれらがその道みちを離はなれなかったので、わたしは彼かれらの子こを奪うばい、わが民たみを滅ほろぼした。15:8 わたしは彼かれらの寡婦かふの数かずを浜はまべの砂すなよりも多おおくした。わたしは真昼まひるに、滅ほろぼす者ものを連つれてきて、若者わかものらの母ははたちをせめ、驚おどろきと恐おそれを、にわかに母ははたちにおこした。15:9 七人にんの子こを産うんだ女おんなは、弱よわり衰おとろえて、息いき絶たえ、まだ昼ひるであったが、彼女かのじょの日ひは没ぼっした。彼女かのじょは恥はじ、うろたえた。その残のこりの者ものは、これを敵てきのつるぎに渡わたすと主しゅは言いわれる」。15:10 ああ、わたしはわざわいだ。わが母ははよ、あなたは、なぜ、わたしを産うんだのか。全国ぜんこくの人ひとはわたしと争あらそい、わたしを攻せめる。わたしは人ひとに貸かしたこともなく、人ひとに借かりたこともないのに、皆みなわたしをのろう。15:11 主しゅよ、もしわたしが彼かれらの幸福こうふくをあなたに祈いのり求もとめず、また敵てきのため、その悩なやみのときと、災わざわいのときに、わたしがあなたにとりなしをしなかったのであれば、彼かれらののろいも、やむをえないでしょう。15:12 人ひとは鉄てつを、北きたからくる鉄てつや青銅せいどうを砕くだくことができましょうか。 15:13 「わたしはあなたの富とみと宝たからを、ぶんどり物ものとして他ほかに与あたえる。代価だいかを受うけることはできない。それはあなたのすべての罪つみによるので、領域りょういき内ないのいたる所ところにこのことが起おこる。15:14 わたしはあなたの知しらない地ちで、あなたの敵てきに仕つかえさせる。わたしの怒いかりによって火ひは点てんじられ、いつまでも燃もえ続つづけるからである」。15:15 主しゅよ、あなたは知しっておられます。わたしを覚おぼえ、わたしを顧かえりみてください。わたしを迫害はくがいする者ものに、あだを返かえし、あなたの寛容かんようによって、わたしを取とり去さらないでください。わたしがあなたのために、はずかしめを受うけるのを知しってください。15:16 わたしはみ言葉ことばを与あたえられて、それを食たべました。み言葉ことばは、わたしに喜よろこびとなり、心こころの楽たのしみとなりました。万軍ばんぐんの神かみ、主しゅよ、わたしは、あなたの名なをもってとなえられている者ものです。15:17 わたしは笑わらいさざめく人ひとのつどいにすわることなく、また喜よろこぶことをせず、ただひとりですわっていました。あなたの手てがわたしの上うえにあり、あなたが憤いきどおりをもってわたしを満みたされたからです。15:18 どうしてわたしの痛いたみは止とまらず、傷きずは重おもくて、なおらないのですか。あなたはわたしにとって、水みずがなくて人ひとを欺あざむく谷川たにがわのようになられるのですか。15:19 それゆえ主しゅはこう仰おおせられる、 「もしあなたが帰かえってくるならば、もとのようにして、わたしの前まえに立たたせよう。もしあなたが、つまらないことを言いうのをやめて、貴重きちょうなことを言いうならば、わたしの口くちのようになる。彼かれらはあなたの所ところに帰かえってくる。しかしあなたが彼かれらの所ところに帰かえるのではない。15:20 わたしはあなたをこの民たみの前まえに、堅固けんごな青銅せいどうの城壁じょうへきにする。彼かれらがあなたを攻せめても、あなたに勝かつことはできない。わたしがあなたと共ともにいて、あなたを助たすけ、あなたを救すくうからであると、主しゅは言いわれる。15:21 わたしはあなたを悪人あくにんの手てから救すくい、無慈悲むじひな人ひとの手てからあがなう」。 第16章 16:1 主しゅの言葉ことばはまたわたしに臨のぞんだ、16:2 「あなたはこの所ところで妻つまをめとってはならない。またむすこ娘むすめを持もってはならない。16:3 この所ところで生うまれるむすこ娘むすめと、この地ちでこれを産うむ母ははたちと、これを生うむ父ちちたちとについて主しゅはこう言いわれる、16:4 彼かれらは死しの病やまいにかかって死しに、哀悼あいとうする者ものもなく、埋葬まいそうする者ものもなく、地ちのおもてに、糞土ふんどのようになる。またつるぎと、ききんに滅ほろぼされて、その死体したいは空そらの鳥とりと地ちの獣けものの食くい物ものとなる。 16:5 主しゅはこう言いわれる、喪ものある家いえに、はいってはならない。また行いって、それを悲かなしみ嘆なげいてはならない。わたしがこの民たみからわたしの平安へいあんと、いつくしみと、あわれみとを取とり去さったからであると、主しゅは言いわれる。16:6 大おおいなる者ものも小ちいさき者ものも、この地ちに死しぬ。彼かれらは葬ほうむられず、また彼かれらのために悲かなしむ者ものもなく、自分じぶんの身みを傷きずつける者ものもなく、髪かみをそる者ものもない。16:7 悲かなしむ者もののためにパンをさいて、死者ししゃのためにこれを慰なぐさめる者ものはなく、また父ちちあるいは母ははのために慰なぐさめの杯さかずきをこれに与あたえて飲のませる者ものもない。16:8 またあなたは宴会えんかいをする家いえにはいって、人々ひとびとと共ともにすわって食くい飲のみしてはならない。16:9 万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう言いわれる、見みよ、あなたの目めの前まえで、あなたのなおこの世よにいる間あいだに、わたしは喜よろこびの声こえと楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえと花嫁はなよめの声こえとをこの所ところに絶たやしてしまう。 16:10 あなたがこのすべての言葉ことばをこの民たみに告つげるとき、彼かれらがあなたに尋たずねて、『主しゅがわれわれにこの大おおきな災わざわいを宣告せんこくされるのはどうしてですか。われわれにどんな悪わるい所ところがあるのですか。われわれの神かみ、主しゅにそむいて、われわれが犯おかした罪つみとはなんですか』と言いうならば、16:11 あなたは彼かれらに答こたえなければならない、『主しゅは仰おおせられる、それはあなたがたの先祖せんぞがわたしを捨すてて他たの神々かみがみに従したがい、これに仕つかえ、これを拝はいし、またわたしを捨すて、わたしの律法りっぽうを守まもらなかったからである。16:12 あなたがたは、あなたがたの先祖せんぞよりも、いっそう悪わるいことをした。見みよ、あなたがたはおのおの自分じぶんの悪わるい強情ごうじょうな心こころに従したがい、わたしに聞きき従したがうことはしない。16:13 それゆえ、わたしはあなたがたをこの地ちより追おい出だし、あなたがたも、あなたがたの先祖せんぞも知しらない地ちに行いかせる。その所ところであなたがたは昼夜ちゅうや、ほかの神々かみがみに仕つかえるようになる。これはわたしがあなたがたにあわれみを示しめさないからである』と。 16:14 主しゅは言いわれる、それゆえ、見みよ、こののち『イスラエルの民たみをエジプトの地ちから導みちびき出だした主しゅは生いきておられる』とは言いわないで、16:15 『イスラエルの民たみを北きたの国くにと、そのすべて追おいやられた国々くにぐにから導みちびき出だした主しゅは生いきておられる』という日ひがくる。わたしが彼かれらを、その先祖せんぞに与あたえた彼かれらの地ちに導みちびきかえすからである。 16:16 主しゅは言いわれる、見みよ、わたしは多おおくの漁夫ぎょふを呼よんできて、彼かれらをすなどらせ、また、そののち多おおくの猟師りょうしを呼よんできて、もろもろの山やま、もろもろの丘おか、および岩いわの裂さけ目めから彼かれらをかり出ださせる。16:17 わたしの目めは彼かれらのすべての道みちを見みているからである。みなわたしに隠かくれてはいない。またその悪あくはわたしの目めに隠かくれることはない。16:18 わたしはその悪あくとその罪つみの報むくいを二倍ばいにする。彼かれらがその忌いむべき偶像ぐうぞうの死体したいをもって、わたしの地ちを汚けがし、その憎にくむべきものをもって、わたしの嗣し業ぎょうを満みたしたからである」。 16:19 主しゅ、わが力ちから、わが城しろ、悩なやみの時ときの、のがれ場ばよ、万国ばんこくの民たみは地ちの果はてからあなたのもとにきて申もうします、「われわれの先祖せんぞが受うけ嗣ついだのは、ただ偽いつわりと、役やくに立たたないつまらない事ことばかりです。16:20 人ひとが自分じぶんで神々かみがみを造つくることができましょうか。そういうものは神かみではありません」。16:21 「それゆえ、見みよ、わたしは彼かれらに知しらせよう。すなわち、この際さいわたしの力ちからと、わたしの勢いきおいとを知しらせよう。彼かれらはわたしの名なが、主しゅであることを知しるようになる」。 第17章 17:1 「ユダの罪つみは、鉄てつの筆ふで、金剛石こんごうせきのとがりをもってしるされ、彼かれらの心こころの碑いしぶみと、祭壇さいだんの角つのに彫ほりつけられている。17:2 彼かれらの子供こどもたちは青あお木きの下したと、高たかい丘おかの上うえ、野のの山やまの上うえにある祭壇さいだんとアシラのことを覚おぼえている。17:3 わたしはあなたの富とみとすべての宝たからとを、あなたの全ぜん領域りょういきの内うちで犯おかした罪つみの代価だいかとして、ぶんどり物ものとならせる。17:4 わたしがあなたに与あたえた嗣し業ぎょうからあなたは手てをはなすようになる。またわたしは、あなたの知しらない地ちで、あなたの敵てきに仕つかえさせる。わたしの怒いかりによって、火ひは点てんじられ、いつまでも燃もえ続つづけるからである」。 17:5 主しゅはこう言いわれる、 「おおよそ人ひとを頼たのみとし肉にくなる者ものを自分じぶんの腕うでとし、その心こころが主しゅを離はなれている人ひとは、のろわれる。17:6 彼かれは荒野あらのに育そだつ小ちいさい木きのように、何なにも良よいことの来くるのを見みない。荒野あらのの、干上ひあがった所ところに住すみ、人ひとの住すまない塩しお地ちにいる。17:7 おおよそ主しゅにたより、主しゅを頼たのみとする人ひとはさいわいである。17:8 彼かれは水みずのほとりに植うえた木きのようで、その根ねを川かわにのばし、暑あつさにあっても恐おそれることはない。その葉はは常つねに青あおく、ひでりの年ねんにも憂うれえることなく、絶たえず実みを結むすぶ」。 17:9 心こころはよろずの物ものよりも偽いつわるもので、はなはだしく悪あくに染そまっている。だれがこれを、よく知しることができようか。17:10 「主しゅであるわたしは心こころを探さぐり、思おもいを試こころみる。おのおのに、その道みちにしたがい、その行おこないの実みによって報むくいをするためである」。 17:11 しゃこが自分じぶんが産うんだのではない卵たまごを抱だくように、不正ふせいな財産ざいさんを得える者ものがある。その人ひとは一生いっしょうの半なかばにそれから離はなれて、その終おわりには愚おろかな者ものとなる。 17:12 初はじめから高たかくあげられた栄さかえあるみ座ざは、われわれの聖所せいじょのある所ところである。17:13 またイスラエルの望のぞみである主しゅよ、あなたを捨すてる者ものはみな恥はじをかき、あなたを離はなれる者ものは土つちに名なをしるされます。それは生いける水みずの源みなもとである主しゅを捨すてたからです。 17:14 主しゅよ、わたしをいやしてください、そうすれば、わたしはいえます。わたしをお救すくいください、そうすれば、わたしは救すくわれます。あなたはわたしのほめたたえる者ものだからです。17:15 彼かれらはわたしに言いいます、「主しゅの言葉ことばはどこにあるのか。今いま、それを出だして見みせよ」と。17:16 悪あくをつかわされるようにとは、わたしはたって求もとめませんでした。また災わざわいの日ひを願ねがわなかったのを、あなたはごぞんじです。わたしのくちびるから出でたことは、み前まえにあります。17:17 どうか、わたしを恐おそれさせないでください。災わざわいのときに、あなたはわたしののがれ場ばです。17:18 わたしを攻せめ悩なやます者ものをはずかしめてください。しかしわたしをはずかしめないでください。彼かれらを恐おそれさせてください。しかしわたしを恐おそれさせないでください。災わざわいの日ひを彼かれらにきたらせ、滅ほろびを倍ばいにして彼かれらを滅ほろぼしてください。17:19 主しゅはわたしにこう言いわれた、「行いって、ユダの王おうたちの出入でいりするベニヤミンの門もん、およびエルサレムのすべての門もんに立たって、17:20 言いいなさい、『これらの門もんからはいるユダの王おうたち、およびユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての者ものよ、主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。17:21 主しゅはこう言いわれる、命いのちが惜おしいならば気きをつけるがよい。安息日あんそくにちに荷にをたずさえ、またはそれを持もってエルサレムの門もんにはいってはならない。17:22 また安息日あんそくにちにあなたがたの家いえから荷にを運はこび出だしてはならない。なんのわざをもしてはならない。わたしがあなたがたの先祖せんぞに命めいじたように安息日あんそくにちを聖別せいべつして守まもりなさい。17:23 しかし彼かれらは従したがわず耳みみを傾かたむけず、聞きくことも、戒いましめをうけることをも強情ごうじょうに拒こばんだ。 17:24 主しゅは言いわれる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがい、安息日あんそくにちに荷にをたずさえてこの町まちの門もんにはいらず、安息日あんそくにちを聖別せいべつして、なんのわざをもしないならば、17:25 ダビデの位くらいに座ざする王おうたち、つかさたち、ユダの人々ひとびと、エルサレムに住すむ者ものは、車くるまと馬うまに乗のってこの町まちの門もんからはいることができる。そしてこの町まちには長ながく人ひとが住すむようになる。17:26 また人々ひとびとはユダの町々まちまちやエルサレムの周囲しゅうい、ベニヤミンの地ち、平地へいちと山地さんちおよびネゲブから来きて燔祭はんさい、犠牲ぎせい、素祭そさい、乳香にゅうこう、感謝祭かんしゃさいをたずさえて主しゅの家いえにはいる。17:27 しかし、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわないで、安息日あんそくにちを聖別せいべつして守まもることをせず、安息日あんそくにちに荷にをたずさえてエルサレムの門もんにはいるならば、わたしは火ひをその門もんの中なかに燃もやして、エルサレムのもろもろの宮殿きゅうでんを焼やき滅ほろぼす。その火ひは消きえることがない』」。 第18章 18:1 主しゅからエレミヤに臨のぞんだ言葉ことば。18:2 「立たって、陶器とうき師しの家いえに下くだって行いきなさい。その所ところでわたしはあなたにわたしの言葉ことばを聞きかせよう」。18:3 わたしは陶器とうき師しの家いえへ下くだって行いった。見みると彼かれは、ろくろで仕事しごとをしていたが、18:4 粘土ねんどで造つくっていた器うつわが、その人ひとの手ての中なかで仕損しそんじたので、彼かれは自分じぶんの意いのままに、それをもってほかの器うつわを造つくった。 18:5 その時とき、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ、18:6 「主しゅは仰おおせられる、イスラエルの家いえよ、この陶器とうき師しがしたように、わたしもあなたがたにできないのだろうか。イスラエルの家いえよ、陶器とうき師しの手てに粘土ねんどがあるように、あなたがたはわたしの手てのうちにある。18:7 ある時ときには、わたしが民たみまたは国くにを抜ぬく、破やぶる、滅ほろぼすということがあるが、18:8 もしわたしの言いった国くにがその悪あくを離はなれるならば、わたしはこれに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいかえす。18:9 またある時ときには、わたしが民たみまたは国くにを建たてる、植うえるということがあるが、18:10 もしその国くにがわたしの目めに悪あくと見みえることを行おこない、わたしの声こえに聞きき従したがわないなら、わたしはこれに幸さいわいを与あたえようとしたことを思おもいかえす。18:11 それゆえ、ユダの人々ひとびととエルサレムに住すむ者ものに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしはあなたがたに災わざわいを下くだそうと工夫くふうし、あなたがたを攻せめる計はかりごとを立たてている。あなたがたはおのおのその悪あしき道みちを離はなれ、その道みちと行おこないを改あらためなさい』と。 18:12 しかし彼かれらは言いう、『それはむだです。われわれは自分じぶんの図はかるところに従したがい、おのおのその悪わるい強情ごうじょうな心こころにしたがって行動こうどうします』と。 18:13 それゆえ主しゅはこう言いわれる、異邦いほうの民たみのうちのある者ものに尋たずねてみよ、このような事ことを聞きいた者ものがあろうか。おとめイスラエルは恐おそろしい事ことをした。18:14 レバノンの雪ゆきが、どうしてシリオンの岩いわを離はなれようか。山やまの水みず、冷つめたい川かわの流ながれが、どうしてかわいてしまおうか。18:15 それなのにわが民たみはわたしを忘わすれて、偽いつわりの神々かみがみに香こうをたいている。彼かれらはその道みち、古ふるい道みちにつまずき、また小道こみちに入いり、大路おおじからはなれた。18:16 自分じぶんの地ちを荒あれすたれさせて、いつまでも人ひとに舌打したうちされるものとした。そこを通とおる人ひとはみな身震みぶるいして、首くびを振ふる。18:17 わたしは東風ひがしかぜのように、彼かれらをその敵てきの前まえに散ちらす。その滅ほろびの日ひには、わたしは彼かれらに背せを向むけ、顔かおを向むけない」。18:18 彼かれらは言いった、「さあ、計略けいりゃくをめぐらして、エレミヤを倒たおそう。祭司さいしには律法りっぽうがあり、知恵ちえある者ものには計はかりごとがあり、預言者よげんしゃには言葉ことばがあって、これらのものが滅ほろびてしまうことはない。さあ、われわれは舌したをもって彼かれを撃うとう。彼かれのすべての言葉ことばに、心こころを留とめないことにしよう」。18:19 主しゅよ、どうぞわたしにみ心こころを留とめ、わたしの訴うったえをお聞ききください。18:20 悪あくをもって善ぜんに報むくいるべきでしょうか。しかもなお彼かれらはわたしの命いのちを取とろうとして穴あなを掘ほりました。わたしがあなたの前まえに立たって、彼かれらのことを良よく言いい、あなたの憤いきどおりを止とめようとしたのを覚おぼえてください。18:21 それゆえ、彼かれらの子こどもたちをききんに渡わたし、彼かれらをつるぎの刃はに渡わたしてください。彼かれらの妻つまは子こを失うしない、また寡婦かふとなり、男おとこは疫病えきびょうにかかって死しに、若わかい者ものは、戦争せんそうでつるぎに殺ころされますように。18:22 あなたが敵てきをにわかに彼かれらに臨のぞませられるとき、彼かれらの家いえから叫さけび声ごえが聞きこえますように。彼かれらは穴あなを掘ほって、わたしを捕とらえようとし、わなをつくって、わたしの足あしを捕とらえようとしたからです。18:23 主しゅよ、あなたは彼かれらがわたしを殺ころすためにめぐらしている計略けいりゃくを皆みなごぞんじです。その悪あくをゆるすことなく、その罪つみをあなたの前まえから消けし去さらないでください。彼かれらをあなたの前まえに倒たおれさせてください。あなたのお怒いかりになる時ときに彼かれらを罰ばっしてください。 第19章 19:1 主しゅはこう言いわれる、「行いって、陶器とうき師しのびんを買かい、民たみの長老ちょうろうと年長ねんちょうの祭司さいしのうちの数人すうにんを伴ともなって、19:2 瀬戸せとかけの門もんの入口いりぐちにあるベンヒンノムの谷たにへ行いき、その所ところで、わたしがあなたに語かたる言葉ことばをのべて、19:3 言いいなさい、『ユダの王おうたち、およびエルサレムに住すむ者ものよ、主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは災わざわいをこの所ところに下くだす。おおよそ、その災わざわいのことを聞きくものの耳みみは両方りょうほうとも鳴なる。19:4 彼かれらがわたしを捨すて、この所ところを汚けがし、この所ところで、自分じぶんも先祖せんぞたちもユダの王おうたちも知しらなかった他たの神々かみがみに香こうをたき、かつ罪つみのない者ものの血ちを、この所ところに満みたしたからである。19:5 また彼かれらはバアルのために高たかき所ところを築きずき、火ひをもって自分じぶんの子こどもたちを焼やき、燔祭はんさいとしてバアルにささげた。これはわたしの命めいじたことではなく、定さだめたことでもなく、また思おもいもしなかったことである。19:6 主しゅは言いわれる、それゆえ、見みよ、この所ところをトペテまたはベンヒンノムの谷たにと呼よばないで、虐殺ぎゃくさつの谷たにと呼よぶ日ひがくる。19:7 またわたしはこの所ところでユダとエルサレムの計はかりごとを打うち破やぶり、つるぎをもって、彼かれらをその敵てきの前まえと、そのいのちを求もとめる者ものの手てに倒たおれさせ、またその死体したいを空そらの鳥とりと地ちの獣けものの食くい物ものとし、19:8 かつ、この町まちを荒あれすたれさせて、人ひとに舌打したうちされるものとする。そこを通とおる人ひとは皆みなそのもろもろの災わざわいを見みて身震みぶるいし、舌打したうちする。19:9 また彼かれらがその敵てきとその命いのちを求もとめる者ものとに囲かこまれて苦くるしみ悩なやむ時とき、わたしは彼かれらに自分じぶんのむすこの肉にく、娘むすめの肉にくを食たべさせる。彼かれらはまた互たがいにその友ともの肉にくを食たべるようになる』。 19:10 そこで、あなたは、一緒いっしょに行ゆく人々ひとびとの目めの前まえで、そのびんを砕くだき、19:11 そして彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、陶器とうき師しの器うつわをひとたび砕くだくならば、もはやもとのようにすることはできない。このようにわたしはこの民たみとこの町まちとを砕くだく。人々ひとびとはほかに葬ほうむるべき場所ばしょがないために、トペテに葬ほうむるであろう。19:12 主しゅは仰おおせられる、わたしはこの所ところと、ここに住すむ者ものとにこのようにし、この町まちをトペテのようにする。19:13 エルサレムの家いえとユダの王おうたちの家いえ、すなわち彼かれらがその屋上おくじょうで天てんの衆しゅう群ぐんに香こうをたき、ほかの神々かみがみに酒さけを注そそいだ家いえは、皆みなトペテの所ところのように汚けがされる』」。 19:14 エレミヤは主しゅが彼かれをつかわして預言よげんさせられたトペテから帰かえってきて、主しゅの家いえの庭にわに立たち、すべての民たみに言いった、19:15 「万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは、この町まちとそのすべての村々むらむらに、わたしの言いったもろもろの災わざわいを下くだす。彼かれらが強情ごうじょうで、わたしの言葉ことばに聞きき従したがおうとしないからである」。 第20章 20:1 さて祭司さいしインメルの子こで、主しゅの宮みやのつかさの長ちょうであったパシュルは、エレミヤがこれらの事ことを預言よげんするのを聞きいた。20:2 そしてパシュルは預言者よげんしゃエレミヤを打うち、主しゅの宮みやにある上うえのベニヤミンの門もんの足あしかせにつないだ。20:3 その翌日よくじつパシュルがエレミヤを足あしかせから解とき放はなした時とき、エレミヤは彼かれに言いった、「主しゅはあなたの名なをパシュルとは呼よばないで、『恐おそれが周囲しゅういにある』と呼よばれる。20:4 主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしはあなたを、あなた自身じしんとあなたのすべての友ともだちに恐おそれを起おこさせる者ものとする。彼かれらはあなたが見みている目めの前まえで敵てきのつるぎに倒たおれる。わたしはまたユダのすべての民たみをバビロン王おうの手てに渡わたす。彼かれは彼かれらを捕とらえてバビロンに移うつし、つるぎをもって殺ころす。20:5 わたしはまたこの町まちのすべての富とみと、その獲えたすべての物ものと、そのすべての貴重きちょうな物ものと、ユダの王おうたちのすべての宝物ほうもつをその敵てきの手てに渡わたす。彼かれらはこれをかすめ、民たみを捕とらえてバビロンに移うつす。20:6 パシュルよ、あなたと、あなたの家いえに住すむ者ものとはみな捕とらえ移うつされる。あなたはバビロンに行いって、その所ところで死しに、その所ところに葬ほうむられる。あなたも、あなたが偽いつわって預言よげんした言葉ことばに聞きき従したがった友とももみなそのようになる」。20:7 主しゅよ、あなたがわたしを欺あざむかれたので、わたしはその欺あざむきに従したがいました。あなたはわたしよりも強つよいので、わたしを説とき伏ふせられたのです。わたしは一日いちにち中ぢゅう、物笑ものわらいとなり、人ひとはみなわたしをあざけります。20:8 それは、わたしが語かたり、呼よばわるごとに、「暴虐ぼうぎゃく、滅亡めつぼう」と叫さけぶからです。主しゅの言葉ことばが一日いちにち中ぢゅう、わが身みのはずかしめと、あざけりになるからです。20:9 もしわたしが、「主しゅのことは、重かさねて言いわない、このうえその名なによって語かたる事ことはしない」と言いえば、主しゅの言葉ことばがわたしの心こころにあって、燃もえる火ひのわが骨ほねのうちに閉とじこめられているようで、それを押おさえるのに疲つかれはてて、耐たえることができません。20:10 多おおくの人ひとのささやくのを聞きくからです。恐おそれが四方しほうにあります。「告発こくはつせよ。さあ、彼かれを告発こくはつしよう」と言いって、わが親したしい友ともは皆みなわたしのつまずくのを、うかがっています。また、「彼かれは欺あざむかれるだろう。そのとき、われわれは彼かれに勝かって、あだを返かえすことができる」と言いいます。20:11 しかし主しゅは強つよい勇士ゆうしのようにわたしと共ともにおられる。それゆえ、わたしに迫せまりくる者ものはつまずき、わたしに打うち勝かつことはできない。彼かれらは、なし遂とげることができなくて、大おおいに恥はじをかく。その恥はじは、いつまでも忘わすれられることはない。20:12 正ただしき者ものを試こころみ、人ひとの心こころと思おもいを見みられる万軍ばんぐんの主しゅよ、あなたが彼かれらに、あだを返かえされるのを見みせてください。わたしはあなたに、わたしの訴うったえをお任まかせしたからです。 20:13 主しゅに向むかって歌うたい、主しゅをほめたたえよ。主しゅは貧まずしい者ものの命いのちを、悪人あくにんの手てから救すくわれたからである。 20:14 わたしの生うまれた日ひはのろわれよ。母ははがわたしを産うんだ日ひは祝福しゅくふくを受うけるな。20:15 わたしの父ちちに「男おとこの子こが、生うまれました」と告つげて、彼かれを大おおいに喜よろこばせた人ひとは、のろわれよ。20:16 その人ひとは、主しゅのあわれみを受うけることなく、滅ほろぼされた町まちのようになれ。朝あさには、彼かれに叫さけびを聞きかせ、昼ひるには戦たたかいの声こえを聞きかせよ。20:17 彼かれがわたしを胎内たいないで殺ころさず、わが母ははをわたしの墓場はかばとなさず、その胎たいをいつまでも大おおきくしなかったからである。20:18 なにゆえにわたしは胎内たいないを出でてきて、悩なやみと悲かなしみに会あい、恥はじを受うけて一生いっしょうを過すごすのか。 第21章 21:1 ゼデキヤ王おうは、マルキヤの子こパシュルと祭司さいしマアセヤの子こゼパニヤを、エレミヤのもとにつかわし、21:2 「バビロンの王おうネブカデレザルがわれわれを攻せめようとしているゆえ、われわれのために主しゅに尋たずねてほしい。主しゅはそのもろもろの不思議ふしぎなわざをもって、われわれを助たすけ、バビロンの王おうをわれわれから退しりぞかせられるかも知しれない」と言いわせた。その時とき、主しゅの言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。 21:3 エレミヤは彼かれらに答こたえて言いった、「あなたがたはゼデキヤにこのように言いいなさい、21:4 『イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、あなたがたが、この城壁じょうへきの外そとにあって、あなたがたを攻せめ囲かこむバビロンの王おうおよびカルデヤびとと戦たたかうとき、わたしはあなたがたの手てに持もっている武器ぶきをとりあげ、これを町まちの中なかに集あつめさせる。21:5 わたしは手てを伸のべ、強つよい腕うでをもって、怒いかり、憤いきどおり、激はげしく怒いかって、あなたがたを攻せめる。21:6 わたしはまたこの町まちに住すむ人ひとと獣けものとを撃うつ。彼かれらはみな重おもい疫病えきびょうにかかって死しぬ。21:7 主しゅは言いわれる、この後のち、わたしはユダの王おうゼデキヤとその家来けらいたち、および疫病えきびょうと、つるぎと、ききんを免まぬかれて、この町まちに残のこっている民たみを、バビロンの王おうネブカデレザルの手てと、その敵てきの手て、およびその命いのちを求もとめる者ものの手てに渡わたす。バビロンの王おうはつるぎの刃はにかけて彼かれらを撃うち、彼かれらを惜おしまず、顧かえりみず、またあわれむこともしない』。 21:8 あなたはまたこの民たみに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは命いのちの道みちと死しの道みちとをあなたがたの前まえに置おく。21:9 この町まちにとどまる者ものは、つるぎと、ききんと、疫病えきびょうとで死しぬ。しかし、出でて行いって、あなたがたを攻せめ囲かこんでいるカルデヤびとに降伏こうふくする者ものは死しを免まぬかれ、その命いのちは自分じぶんのぶんどり物ものとなる。21:10 主しゅは言いわれる、わたしがこの町まちに顔かおを向むけたのは幸さいわいを与あたえるためではなく、災わざわいを与あたえるためである。この町まちはバビロンの王おうの手てに渡わたされる。彼かれは火ひをもって、これを焼やき払はらう』。 21:11 またユダの王おうの家いえに言いいなさい、『主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。21:12 ダビデの家いえよ、主しゅはこう仰おおせられる、 朝あさごとに、正ただしいさばきを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとをしえたげる者ものの手てから救すくえ。そうしないと、あなたがたの悪わるい行おこないのために、わたしの怒いかりは火ひのように燃もえて、それを消けすことはできない』」。 21:13 「主しゅは言いわれる、谷たにに住すむ者ものよ、平原へいげんの岩いわよ、見みよ、わたしはあなたに敵てきする。あなたがたは言いう、『だれが下くだってきて、われわれを攻せめるものか、だれがわれわれのいる所ところに、はいるものか』と。21:14 わたしはあなたがたを、その行おこないの実みによって罰ばっする。またその林はやしに火ひをつけて、その周囲しゅういのものをみな焼やき尽つくすと、主しゅは言いわれる」。 第22章 22:1 主しゅはこう言いわれる、「ユダの王おうの家いえに下くだり、その所ところにこの言葉ことばをのべて、22:2 言いいなさい、『ダビデの位くらいにすわるユダの王おうよ、あなたと、あなたの家臣かしん、および、この門もんからはいるあなたの民たみは主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。22:3 主しゅはこう言いわれる、公平こうへいと正義せいぎを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとを、しえたげる者ものの手てから救すくい、異邦いほうの人ひと、孤児こじ、寡婦かふを悩なやまし、しえたげてはならない。またこの所ところに、罪つみなき者ものの血ちを流ながしてはならない。22:4 もしあなたがたがこの言葉ことばを真実しんじつに行おこなうならば、ダビデの位くらいにすわる王おうとその家臣かしん、およびその民たみは、車くるまと馬うまに乗のって、この家いえの門もんにはいることができる。22:5 しかしあなたがたがこの言葉ことばを聞きかないならば、わたしは自身じしんをさして誓ちかうが、この家いえは荒あれ地ちとなると、主しゅは言いわれる。22:6 主しゅはユダの王おうの家いえについてこう言いわれる、 あなたはわたしに対たいしてギレアデのようであり、レバノンの頂いただきのようである。しかし、わたしは必かならずあなたを荒あれ地ちにし、人ひとの住すまない町まちにする。22:7 わたしは滅ほろぼす者ものを設もうけて、あなたを攻せめさせる、彼かれらはおのおのその武器ぶきをとり、あなたの麗うるわしい香柏こうはくを切きり倒たおし、火ひに投なげ入いれる。22:8 多おおくの国くにの人ひとはこの町まちを過すぎ、互たがいに語かたって、「なぜ主しゅはこの大おおいなる町まちをこのようにされたのか」と言いうとき、22:9 人ひとは答こたえて、「これは彼かれらがその神かみ、主しゅの契約けいやくを捨すてて他たの神々かみがみを拝はいし、これに仕つかえたからである」と言いうであろう』」。22:10 死しんだ者もののために泣なくことなく、またそのために嘆なげいてはならない。捕とらえ移うつされてゆく者もののために、激はげしく泣なけ。彼かれはふたたび帰かえってきて、その故郷こきょうを見みることがないからである。22:11 ユダの王おうヨシヤの子こシャルムは父ちちヨシヤについで王おうとなったが、ついにこの所ところから出でて行いった。主しゅは彼かれについてこう言いわれる、「彼かれは再ふたたびここに帰かえらない。22:12 彼かれはその捕とらえ行いかれた所ところで死しに、再ふたたびこの地ちを見みない」。22:13 「不義ふぎをもってその家いえを建たて、不法ふほうをもってその高殿たかどのを造つくり、隣となり人びとを雇やとって何なにをも与あたえず、その賃金ちんぎんを払はらわない者ものはわざわいである。22:14 彼かれは言いう、『わたしは自分じぶんのために大おおきな家いえを建たて、広ひろい高殿たかどのを造つくろう』と。そしてこれがために窓まどを造つくり、香柏こうはくの鏡板かがみいたでおおい、それを朱しゅで塗ぬる。22:15 あなたは競きそって香柏こうはくを用もちいることによって、王おうであると思おもうのか。あなたの父ちちは食くい飲のみし、公平こうへいと正義せいぎを行おこなって、幸さいわいを得えたのではないか。22:16 彼かれは貧まずしい人ひとと乏とぼしい人ひとの訴うったえをただして、さいわいを得えた。こうすることがわたしを知しることではないかと主しゅは言いわれる。22:17 しかし、あなたは目めも心こころも、不正ふせいな利益りえきのためにのみ用もちい、罪つみなき者ものの血ちを流ながそうとし、圧制あっせいと暴虐ぼうぎゃくを行おこなおうとする」。22:18 それゆえ、主しゅはユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムについてこう言いわれる、 「人々ひとびとは『悲かなしいかな、わが兄あに』、『悲かなしいかな、わが姉あね』と言いって、彼かれのために嘆なげかない。また『悲かなしいかな、主君しゅくんよ』、『悲かなしいかな、陛下へいかよ』と言いって嘆なげかない。22:19 ろばが埋うめられるように、彼かれは葬ほうむられる。引ひかれて行いって、エルサレムの門もんの外そとに投なげ捨すてられる」。 22:20 「レバノンに登のぼって呼よばわり、バシャンにあなたの声こえをあげ、アバリムから呼よばわれ。あなたの愛あいする者ものがみな滅ほろぼされるからだ。22:21 あなたの栄さかえていた時とき、わたしはあなたに語かたったが『聞ききたくはない』と言いった。あなたがわたしの声こえに聞きき従したがわないことは、あなたの幼おさない時ときからの、ならわしであった。22:22 あなたの牧者ぼくしゃはみな、風かぜに追おい立たてられ、あなたの愛あいする者ものは捕とらえ移うつされる。その時とき、あなたは自分じぶんのもろもろの悪あくのために、恥はじ、うろたえる。22:23 レバノンに住すみ、香柏こうはくの中なかに巣すをつくっている者ものよ、子こを産うむ女おんなに臨のぞむ苦くるしみのような苦痛くつうがあなたに臨のぞむとき、あなたはどんなに嘆なげくことであろうか」。22:24 「主しゅは言いわれる、わたしは生いきている。ユダの王おうエホヤキムの子こコニヤが、わたしの右手みぎての指輪ゆびわであっても、わたしはあなたを抜ぬき取とる。22:25 あなたの命いのちを求もとめる者ものの手て、あなたがその顔かおを恐おそれる者ものの手て、すなわちバビロンの王おうネブカデレザルの手てと、カルデヤびとの手てにあなたを渡わたす。22:26 わたしは、あなたと、あなたを産うんだ母ははを、あなたがたの生うまれた国くにでない他たの国くにに追おいやる。あなたがたはそこで死しぬ。22:27 彼かれらが帰かえりたいとせつに願ねがう国くにに、彼かれらは再ふたたび帰かえることができない」。 22:28 この人ひとコニヤは卑いやしむべき、こわれたつぼであろうか、だれも心こころに留とめない器うつわであろうか。なぜ彼かれとその子孫しそんは追おいやられて、知しらない地ちに投なげやられるのか。22:29 ああ、地ちよ、地ちよ、地ちよ、主しゅの言葉ことばを聞きけよ。22:30 主しゅはこう言いわれる、「この人ひとを、子こなき人ひととして、またその一生いっしょうのうち、栄さかえることのない人ひととして記録きろくせよ。その子孫しそんのうち、ひとりも栄さかえて、ダビデの位くらいにすわり、ユダを治おさめるものが再ふたたび起おこらないからである」。 第23章 23:1 主しゅは言いわれる、「わが牧場まきばの羊ひつじを滅ほろぼし散ちらす牧者ぼくしゃはわざわいである」。23:2 それゆえイスラエルの神かみ、主しゅはわが民たみを養やしなう牧者ぼくしゃについてこう言いわれる、「あなたがたはわたしの群むれを散ちらし、これを追おいやって顧かえりみなかった。見みよ、わたしはあなたがたの悪あしき行おこないによってあなたがたに報むくいると、主しゅは言いわれる。23:3 わたしの群むれの残のこった者ものを、追おいやったすべての地ちから集あつめ、再ふたたびこれをそのおりに帰かえらせよう。彼かれらは子こを産うんでその数かずが多おおくなる。23:4 わたしはこれを養やしなう牧者ぼくしゃをその上うえに立たてる、彼かれらは再ふたたび恐おそれることなく、またおののくことなく、いなくなることもないと、主しゅは言いわれる。 23:5 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしがダビデのために一つの正ただしい枝えだを起おこす日ひがくる。彼かれは王おうとなって世よを治おさめ、栄さかえて、公平こうへいと正義せいぎを世よに行おこなう。23:6 その日ひユダは救すくいを得え、イスラエルは安やすらかにおる。その名なは『主しゅはわれわれの正義せいぎ』ととなえられる。 23:7 主しゅは言いわれる、それゆえ見みよ、人々ひとびとは『イスラエルの民たみをエジプトの地ちから導みちびき出だされた主しゅは生いきておられる』とまた言いわないで、23:8 『イスラエルの家いえの子孫しそんを北きたの地ちと、そのすべて追おいやられた地ちから導みちびき出だされた神かみは生いきておられる』という日ひがくる。その時とき、彼かれらは自分じぶんの地ちに住すんでいる」。 23:9 預言者よげんしゃたちについて。 わが心こころはわたしのうちに破やぶれ、わが骨ほねはみな震ふるう。主しゅとその聖せいなる言葉ことばのために、わたしは酔よっている人ひとのよう、酒さけに打うち負まかされた人ひとのようである。23:10 この地ちに姦淫かんいんを行おこなうものが満みちているからだ。のろいによって地ちは嘆なげき、荒野あらのの牧場まきばはかわく。彼かれらの道みちは悪わるく、その力ちからは正ただしくない。23:11 「預言者よげんしゃと祭司さいしとは共ともに神かみを汚けがす者ものである。わたしの家いえにおいてすら彼かれらの悪あくを見みたと、主しゅは言いわれる。23:12 それゆえ、彼かれらの道みちは、おのずから暗黒あんこくの中なかにあるなめらかな道みちのようになり、彼かれらは押おされてその道みちに倒たおれる。わたしが彼かれらの罰ばっせられる年としに、災わざわいをその上うえに臨のぞませるからであると、主しゅは言いわれる。23:13 わたしはサマリヤの預言者よげんしゃのうちに不快ふかいな事ことのあるのを見みた。彼かれらはバアルによって預言よげんし、わが民たみイスラエルを惑まどわした。23:14 しかしエルサレムの預言者よげんしゃのうちには、恐おそろしい事ことのあるのを見みた。彼かれらは姦淫かんいんを行おこない、偽いつわりに歩あゆみ、悪人あくにんの手てを強つよくし、人ひとをその悪あくから離はなれさせない。彼かれらはみなわたしにはソドムのようであり、その民たみはゴモラのようである」。23:15 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅは預言者よげんしゃについてこう言いわれる、「見みよ、わたしは彼かれらに、にがよもぎを食たべさせ、毒どくの水みずを飲のませる。神かみを汚けがすことがエルサレムの預言者よげんしゃから出でて、全ぜん地ちに及およんでいるからである」。23:16 万軍ばんぐんの主しゅはこう言いわれる、「あなたがたに預言よげんする預言者よげんしゃの言葉ことばを聞きいてはならない。彼かれらはあなたがたに、むなしい望のぞみをいだかせ、主しゅの口くちから出でたのでない、自分じぶんの心こころの黙示もくしを語かたるのである。23:17 彼かれらは主しゅの言葉ことばを軽かるんじる者ものに向むかって絶たえず、『あなたがたは平安へいあんを得える』と言いい、また自分じぶんの強情ごうじょうな心こころにしたがって歩あゆむすべての人ひとに向むかって、『あなたがたに災わざわいはこない』と言いう」。23:18 彼かれらのうちだれか主しゅの議会ぎかいに立たって、その言葉ことばを見聞みききした者ものがあろうか。だれか耳みみを傾かたむけてその言葉ことばを聞きいた者ものがあろうか。23:19 見みよ、主しゅの暴風ぼうふうがくる。憤いきどおりと、つむじ風かぜが出でて、悪人あくにんのこうべをうつ。23:20 主しゅの怒いかりは、み心こころに思おもい定さだめられたことをなし遂とげられるまで退しりぞくことはない。末すえの日ひにあなたがたはそれを明あきらかに悟さとる。 23:21 預言者よげんしゃたちはわたしがつかわさなかったのに、彼かれらは走はしった。わたしが、彼かれらに告つげなかったのに、彼かれらは預言よげんした。23:22 もし彼かれらがわたしの議会ぎかいに立たったのであれば、わたしの民たみにわが言葉ことばを告つげ示しめして、その悪わるい道みちと悪わるい行おこないから、離はなれさせたであろうに。23:23 「主しゅは言いわれる、わたしはただ近ちかくの神かみであって、遠とおくの神かみではないのであるか。23:24 主しゅは言いわれる、人ひとは、ひそかな所ところに身みを隠かくして、わたしに見みられないようにすることができようか。主しゅは言いわれる、わたしは天てんと地ちとに満みちているではないか。23:25 わが名なによって偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちが、『わたしは夢ゆめを見みた、わたしは夢ゆめを見みた』と言いうのを聞きいた。23:26 偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちの心こころに、いつまで偽いつわりがあるのであるか。彼かれらはその心こころの欺あざむきを預言よげんする。23:27 彼かれらはその先祖せんぞがバアルに従したがってわが名なを忘わすれたように、互たがいに夢ゆめを語かたって、わたしの民たみにわが名なを忘わすれさせようとする。23:28 夢ゆめをみた預言者よげんしゃは夢ゆめを語かたるがよい。しかし、わたしの言葉ことばを受うけた者ものは誠実せいじつにわたしの言葉ことばを語かたらなければならない。わらと麦むぎとをくらべることができようかと、主しゅは言いわれる。23:29 主しゅは仰おおせられる、わたしの言葉ことばは火ひのようではないか。また岩いわを打うち砕くだく鎚つちのようではないか。23:30 それゆえ見みよ、わたしはわたしの言葉ことばを互たがいに盗ぬすむ預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:31 見みよ、わたしは、『主しゅは言いいたもう』と舌したをもって語かたる預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:32 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしは偽いつわりの夢ゆめを預言よげんする者ものの敵てきとなる。彼かれらはそれを語かたり、またその偽いつわりと大言たいげんをもってわたしの民たみを惑まどわす。わたしが彼かれらをつかわしたのではなく、また彼かれらに命めいじたのでもない。それで彼かれらはこの民たみにすこしも益えきにならないと、主しゅは言いわれる。 23:33 この民たみのひとり、または預言者よげんしゃ、または祭司さいしがあなたに、『主しゅの重荷おもにはなんですか』と問とうならば、彼かれらに答こたえなさい、『あなたがたがその重荷おもにです。そして主しゅは、あなたがたを捨すてると言いっておられます』と。23:34 そして、『主しゅの重荷おもに』と言いうその預言者よげんしゃ、祭司さいし、または民たみのひとりを、その家族かぞくと共ともにわたしは罰ばっする。23:35 あなたがたは、みな互たがいに、隣となり人びとに、また兄弟きょうだいに、こう言いわなければならない、『主しゅはなんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:36 しかし重かさねて『主しゅの重荷おもに』と言いってはならない。重荷おもには人ひとおのおのの自分じぶんの言葉ことばだからである。あなたがたは生いける神かみ、万軍ばんぐんの主しゅなるわれわれの神かみの言葉ことばを曲まげる者ものである。23:37 あなたは預言者よげんしゃにこう言いわなければならない、『主しゅはあなたになんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:38 もしあなたがたが『主しゅの重荷おもに』と言いうならば、主しゅはこう仰おおせられる、『わたしが人ひとをあなたがたにつかわして、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」と言いってはならないと言いわせたのに、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」という言葉ことばを言いったので、23:39 わたしは必かならずあなたがたを捕とらえ移うつさせ、あなたがたとあなたがたの先祖せんぞとに与あたえたこの町まちと、あなたがたとを、わたしの前まえから捨すて去さる。23:40 そして、忘わすれられることのない永遠えいえんのはずかしめと永遠えいえんの恥はじを、あなたがたにこうむらせる』」。 第24章 24:1 バビロンの王おうネブカデレザルがユダの王おうエホヤキムの子こエコニヤおよびユダの君きみたちと工匠こうしょうと鍛冶かじをエルサレムからバビロンに移うつして後のち、主しゅはわたしにこの幻まぼろしをお示しめしになった。見みよ、主しゅの宮みやの前まえに置おかれているいちじくを盛もった二つのかごがあった。24:2 その一つのかごには、はじめて熟じゅくしたような非常ひじょうに良よいいちじくがあり、ほかのかごには非常ひじょうに悪わるくて食たべられないほどの悪わるいいちじくが入いれてあった。24:3 主しゅはわたしに、「エレミヤよ、何なにを見みるか」と言いわれた。わたしは、「いちじくです。その良よいいちじくは非常ひじょうによく、悪わるいほうのいちじくは非常ひじょうに悪わるくて、食たべられません」と答こたえた。 24:4 主しゅの言葉ことばがまたわたしに臨のぞんだ、24:5 「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、この所ところからカルデヤびとの地ちに追おいやったユダの捕とらわれ人びとを、わたしはこの良よいいちじくのように顧かえりみて恵めぐもう。24:6 わたしは彼かれらに目めをかけてこれを恵めぐみ、彼かれらをこの地ちに返かえし、彼かれらを建たてて倒たおさず、植うえて抜ぬかない。24:7 わたしは彼かれらにわたしが主しゅであることを知しる心こころを与あたえよう。彼かれらはわたしの民たみとなり、わたしは彼かれらの神かみとなる。彼かれらは一心いっしんにわたしのもとに帰かえってくる。 24:8 主しゅはこう仰おおせられる、わたしはユダの王おうゼデキヤとそのつかさたち、およびエルサレムの人ひとの残のこってこの地ちにいる者もの、ならびにエジプトの地ちに住すんでいる者ものを、この悪わるくて食たべられない悪わるいいちじくのようにしよう。24:9 わたしは彼かれらを地ちのもろもろの国くにで、忌いみきらわれるものとし、またわたしの追おいやるすべての所ところで、はずかしめに会あわせ、ことわざとなり、あざけりと、のろいに会あわせる。24:10 わたしはつるぎと、ききんと、疫病えきびょうを彼かれらのうちに送おくって、ついに彼かれらをわたしが彼かれらとその先祖せんぞとに与あたえた地ちから絶たえさせる」。 第25章 25:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムの四年ねん(バビロンの王おうネブカデレザルの元年がんねん)にユダのすべての民たみについての言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。25:2 預言者よげんしゃエレミヤはこの言葉ことばをユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての人ひとに告つげて言いった、25:3 「ユダの王おうアモンの子こヨシヤの十三年ねんから今日こんにちにいたるまで二十三年ねんの間あいだ、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ。わたしはたゆまずにそれをあなたがたに語かたってきたが、あなたがたは聞きかなかった。25:4 主しゅはたゆまず、そのしもべである預言者よげんしゃを、あなたがたにつかわされたが、あなたがたは聞きかずまた耳みみを傾かたむけて聞きこうともしなかった。25:5 彼かれらは言いった、『あなたがたはおのおの今いまその悪あくの道みちと悪わるい行おこないを捨すてなさい。そうすれば主しゅが昔むかしからあなたがたと先祖せんぞたちとに与あたえられた地ちに永遠えいえんに住すむことができる。25:6 あなたがたは、ほかの神かみに従したがって、それに仕つかえ、それを拝おがんではならない。あなたがたの手てで作つくったものをもって、わたしを怒いからせてはならない。このようなことをしないなら、わたしはあなたがたをそこなうことはない』と。25:7 しかしあなたがたはわたしに聞きき従したがわず、あなたがたの手てで作つくった物ものをもって、わたしを怒いからせて自みずから害がいを招まねいたと、主しゅは言いわれる。 25:8 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたがわたしの言葉ことばに聞きき従したがわないゆえ、25:9 見みよ、わたしは北きたの方ほうのすべての種族しゅぞくと、わたしのしもべであるバビロンの王おうネブカデレザルを呼よび寄よせて、この地ちとその民たみと、そのまわりの国々くにぐにを攻せめ滅ほろぼさせ、これを忌いみきらわれるものとし、人ひとの笑わらいものとし、永遠えいえんのはずかしめとすると、主しゅは言いわれる。25:10 またわたしは喜よろこびの声こえ、楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえ、花嫁はなよめの声こえ、ひきうすの音おと、ともしびの光ひかりを彼かれらの中なかに絶たえさせる。25:11 この地ちはみな滅ほろぼされて荒あれ地ちとなる。そしてその国々くにぐには七十年ねんの間あいだバビロンの王おうに仕つかえる。25:12 主しゅは言いわれる、七十年ねんの終おわった後のちに、わたしはバビロンの王おうと、その民たみと、カルデヤびとの地ちを、その罪つみのために罰ばっし、永遠えいえんの荒あれ地ちとする。25:13 わたしはあの地ちについて、わたしが語かたったすべての言葉ことばをその上うえに臨のぞませる。これはエレミヤが、万国ばんこくのことについて預言よげんしたものであって、みなこの書しょにしるされている。25:14 多おおくの国々くにぐにと偉大いだいな王おうたちとは、彼かれらをさえ奴隷どれいとして仕つかえさせる。わたしは彼かれらの行おこないと、その手てのわざに従したがって報むくいる」。 25:15 イスラエルの神かみ、主しゅはわたしにこう仰おおせられた、「わたしの手てから、この怒いかりの杯さかずきを受うけて、わたしがあなたをつかわす国々くにぐにの民たみに飲のませなさい。25:16 彼かれらは飲のんで、よろめき狂くるう。これはわたしが彼かれらのうちに、つるぎをつかわそうとしているからである」。 25:17 こうしてわたしは主しゅの手てから杯さかずきを受うけ、主しゅがわたしをつかわされた国々くにぐにの民たみに飲のませた。25:18 すなわちエルサレムとユダのすべての町まちと、その王おうたちおよびそのつかさたちに飲のませて、それらを滅ほろぼし、荒あれ地ちとし、人ひとの笑わらいものとし、のろわれるものとした。今日こんにちのとおりである。25:19 またエジプトの王おうパロとその家来けらいたち、その君きみたち、そのすべての民たみと、25:20 もろもろの寄留きりゅうの異邦人いほうじん、およびウズの地ちのすべての王おうたち、およびペリシテびとの地ちのすべての王おうたち、(アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの残のこりの者もの)、25:21 エドム、モアブ、アンモンの子孫しそん、25:22 ツロのすべての王おうたち、シドンのすべての王おうたち、海うみのかなたの海沿うみぞいの地ちの王おうたち、25:23 デダン、テマ、ブズおよびすべて髪かみの毛けのすみずみをそる者もの、25:24 アラビヤのすべての王おうたち、荒野あらのの雑種ざっしゅの民たみのすべての王おうたち、25:25 ジムリのすべての王おうたち、エラムのすべての王おうたち、メデアのすべての王おうたち、25:26 北きたのすべての王おうたちの遠とおき者もの、近ちかき者ものもつぎつぎに、またすべて地ちのおもてにある世よの国々くにぐにの王おうたちもこの杯さかずきを飲のむ。そして彼かれらの次つぎにバビロンの王おうもこれを飲のむ。 25:27 「それであなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、飲のめ、酔よって吐はけ、倒たおれて再ふたたび立たつな、わたしがあなたがたのうちに、つるぎをつかわすからである』」。 25:28 「もし彼かれらがあなたの手てから杯さかずきを受うけて飲のむことをしないならば、あなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたは必かならず飲のまなければならない。25:29 見みよ、わたしの名なをもって呼よばれるこの町まちにさえ災わざわいを下くだすのだ。どうしてあなたがたが罰ばつを免まぬかれることができようか。あなたがたは罰ばつを免まぬかれることはできない。わたしがつるぎを呼よび寄よせて、地ちに住すむすべての者ものを攻せめるからであると、万軍ばんぐんの主しゅは仰おおせられる』。 25:30 それゆえ、あなたは彼かれらにこのすべての言葉ことばを預言よげんして言いいなさい、 『主しゅは高たかい所ところから呼よばわり、その聖せいなるすまいから声こえを出だし、自分じぶんのすみかに向むかって大おおいに呼よばわり、地ちに住すむすべての者ものに向むかってぶどうを踏ふむ者もののように叫さけばれる。25:31 叫さけびは地ちの果はてにまで響ひびきわたる。主しゅが国々くにぐにと争あらそい、すべての肉にくなる者ものをさばき、悪人あくにんをつるぎに渡わたすからであると、主しゅは言いわれる』。25:32 万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、国くにから国くにへ災わざわいが出でて行いく。大おおきなあらしが地ちの果はてからおこる。25:33 その日ひ、主しゅに殺ころされる人々ひとびとは、地ちのこの果はてから、かの果はてに及およぶ。彼かれらは悲かなしまれず、集あつめられず、また葬ほうむられずに、地ちのおもてに糞土ふんどとなる。 25:34 牧者ぼくしゃよ、嘆なげき叫さけべ、群むれのかしらたちよ、灰はいの中なかにまろべ。あなたがたのほふられる日ひ、散ちらされる日ひが来きたからだ。あなたがたは選えらび分わけられた雄羊おひつじのように倒たおれる。25:35 牧者ぼくしゃには、のがれ場ばなく、群むれのかしらたちは逃にげる所ところがない。25:36 牧者ぼくしゃの叫さけび声ごえと、群むれのかしらたちの嘆なげきの声こえが聞きこえる。主しゅが彼かれらの牧場まきばを滅ほろぼしておられるからだ。25:37 主しゅの激はげしい怒いかりによって、平和へいわな牧場まきばは荒あれていく。25:38 ししのように彼かれはその巣すを出でた。主しゅのつるぎと、その激はげしい怒いかりによって、彼かれらの地ちは荒あれ地ちとなった」。 第26章 26:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムが世よを治おさめた初はじめのころ、主しゅからこの言葉ことばがあった、26:2 「主しゅはこう仰おおせられる、主しゅの宮みやの庭にわに立たち、わたしがあなたに命めいじて言いわせるすべての言葉ことばを、主しゅの宮みやで礼れい拝はいするために来きているユダの町々まちまちの人々ひとびとに告つげなさい。ひと言ことをも言いい残のこしておいてはならない。26:3 彼かれらが聞きいて、おのおのその悪わるい道みちを離はなれることがあるかも知しれない。そのとき、わたしは彼かれらの行おこないの悪わるいために、災わざわいを彼かれらに下くだそうとしたのを思おもいなおす。26:4 あなたは彼かれらに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわず、わたしがあなたがたの前まえに定さだめおいた律法りっぽうを行おこなわず、26:5 わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者よげんしゃの言葉ことばに聞きき従したがわないならば、(あなたがたは聞きき従したがわなかったが、)26:6 わたしはこの宮みやをシロのようにし、またこの町まちを地ちの万国ばんこくにのろわれるものとする』」。 26:7 祭司さいしと預言者よげんしゃおよびすべての民たみは、エレミヤが主しゅの宮みやでこれらの言葉ことばを語かたるのを聞きいた。26:8 エレミヤが主しゅに命めいじられたすべての言葉ことばを民たみに告つげ終おわった時とき、祭司さいしと預言者よげんしゃおよび民たみはみな彼かれを捕とらえて言いった、「あなたは死しななければならない。26:9 なぜあなたは主しゅの名なによって預言よげんし、この宮みやはシロのようになり、この町まちは荒あらされて住すむ人ひともなくなるであろうと言いったのか」と。民たみはみな主しゅの宮みやに集あつまってエレミヤを取とり囲かこんだ。 26:10 ユダのつかさたちはこの事ことを聞きいて王おうの宮殿きゅうでんを出でて主しゅの宮みやに上のぼり、主しゅの宮みやの「新あたらしい門もん」の入口いりぐちに座ざした。26:11 祭司さいしと預言者よげんしゃらは、つかさたちとすべての民たみに訴うったえて言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものです。あなたがたが自分じぶんの耳みみで聞きかれたように、この町まちに逆さからう預言よげんをしたのです」。 26:12 その時ときエレミヤは、つかさたちとすべての民たみに言いった、「主しゅはわたしをつかわし、この宮みやとこの町まちにむかって、預言よげんをさせられたので、そのすべての言葉ことばをあなたがたは聞きいた。26:13 それで、あなたがたは今いま、あなたがたの道みちと行おこないを改あらため、あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに聞きき従したがいなさい。そうするならば主しゅはあなたがたに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいなおされる。26:14 見みよ、わたしはあなたがたの手ての中なかにある。あなたがたの目めに、良よいと見みえ、正ただしいと思おもうことをわたしに行おこなうがよい。26:15 ただ明あきらかにこのことを知しっておきなさい。もしあなたがたがわたしを殺ころすならば、罪つみなき者ものの血ちはあなたがたの身みと、この町まちと、その住民じゅうみんとに帰きする。まことに主しゅがわたしをつかわして、このすべての言葉ことばをあなたがたの耳みみに、告つげさせられたからである」。 26:16 つかさたちと、すべての民たみとは、祭司さいしと預言者よげんしゃに言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものではない。われわれの神かみ、主しゅの名なによってわれわれに語かたったのである」。26:17 その時ときこの地ちの長老ちょうろうたち数人すうにんが立たって、そこに集あつまっているすべての者ものに告つげて言いった、26:18 「ユダの王おうヒゼキヤの世よに、モレシテびとミカはユダのすべての民たみに預言よげんして言いった、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、 シオンは畑はたけのように耕たがやされ、エルサレムは石塚いしづかとなり、宮みやの山やまは木きのおい茂しげる高たかい所ところとなる』。26:19 ユダの王おうヒゼキヤと、すべてのユダの人ひとは彼かれを殺ころそうとしたことがあろうか。ヒゼキヤは主しゅを恐おそれ、主しゅの恵めぐみを求もとめたので、主しゅは彼かれらに災わざわいを下くだすとお告つげになったのを思おもいなおされたではないか。しかし、われわれは、自分じぶんの身みに大おおきな災わざわいを招まねこうとしている」。 26:20 主しゅの名なによって預言よげんした人ひとがほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤの子こウリヤである。彼かれはエレミヤとおなじような言葉ことばをもって、この町まちとこの地ちにむかって預言よげんした。26:21 エホヤキム王おうと、そのすべての勇士ゆうしと、すべてのつかさたちはその言葉ことばを聞きいた。そして王おうは彼かれを殺ころそうと思おもったが、ウリヤはこれを聞きいて恐おそれ、エジプトに逃にげて行いったので、26:22 エホヤキム王おうは人ひとをエジプトにつかわした。すなわちアクボルの子こエルナタンと他たの数すう名めいの人ひとを、エジプトにつかわした。26:23 彼かれらはウリヤをエジプトから引ひき出だし、エホヤキム王おうのもとに連つれてきたので、王おうはつるぎをもって彼かれを殺ころし、その死体したいを共同きょうどう墓地ぼちに捨すてさせた。 26:24 しかしシャパンの子こアヒカムはエレミヤを助たすけ、民たみの手てに渡わたされて殺ころされることのないようにした。
15:1 主しゅはわたしに言いわれた、「たといモーセとサムエルとがわたしの前まえに立たっても、わたしの心こころはこの民たみを顧かえりみない。彼かれらをわたしの前まえから追おい出だし、ここを去さらせよ。
15:2 もし彼かれらが、『われわれはどこに行いけばよいのか』とあなたに尋たずねるならば、彼かれらに言いいなさい、 『主しゅはこう仰おおせられる、疫病えきびょうに定さだめられた者ものは疫病えきびょうに、つるぎに定さだめられた者ものはつるぎに、ききんに定さだめられた者ものはききんに、とりこに定さだめられた者ものはとりこに行いく』。
15:3 主しゅは仰おおせられる、わたしは四つの物ものをもって彼かれらを罰ばっする。すなわち、つるぎをもって殺ころし、犬いぬをもってかませ、空そらの鳥とりと地ちの獣けものをもって食くい滅ほろぼさせる。
15:4 またユダの王おうヒゼキヤの子こマナセが、エルサレムでした行おこないのゆえに、わたしは彼かれらを地ちのすべての国くにが見みて恐おそれおののくものとする。
15:5 エルサレムよ、だれがあなたをあわれむであろうか。だれがあなたのために嘆なげくであろうか。だれがふり返かえって、あなたの安否あんぴを問とうであろうか。
15:6 主しゅは言いわれる、あなたはわたしを捨すてた。そしてますます退しりぞいて行いく。それゆえ、わたしは手てを伸のべてあなたを滅ほろぼした。わたしはあわれむことには飽あきた。
15:7 わたしはこの地ちの門もんで、箕みので彼かれらをあおぎ分わけた。彼かれらがその道みちを離はなれなかったので、わたしは彼かれらの子こを奪うばい、わが民たみを滅ほろぼした。
15:8 わたしは彼かれらの寡婦かふの数かずを浜はまべの砂すなよりも多おおくした。わたしは真昼まひるに、滅ほろぼす者ものを連つれてきて、若者わかものらの母ははたちをせめ、驚おどろきと恐おそれを、にわかに母ははたちにおこした。
15:9 七人にんの子こを産うんだ女おんなは、弱よわり衰おとろえて、息いき絶たえ、まだ昼ひるであったが、彼女かのじょの日ひは没ぼっした。彼女かのじょは恥はじ、うろたえた。その残のこりの者ものは、これを敵てきのつるぎに渡わたすと主しゅは言いわれる」。
15:10 ああ、わたしはわざわいだ。わが母ははよ、あなたは、なぜ、わたしを産うんだのか。全国ぜんこくの人ひとはわたしと争あらそい、わたしを攻せめる。わたしは人ひとに貸かしたこともなく、人ひとに借かりたこともないのに、皆みなわたしをのろう。
15:11 主しゅよ、もしわたしが彼かれらの幸福こうふくをあなたに祈いのり求もとめず、また敵てきのため、その悩なやみのときと、災わざわいのときに、わたしがあなたにとりなしをしなかったのであれば、彼かれらののろいも、やむをえないでしょう。
15:12 人ひとは鉄てつを、北きたからくる鉄てつや青銅せいどうを砕くだくことができましょうか。
15:13 「わたしはあなたの富とみと宝たからを、ぶんどり物ものとして他ほかに与あたえる。代価だいかを受うけることはできない。それはあなたのすべての罪つみによるので、領域りょういき内ないのいたる所ところにこのことが起おこる。
15:14 わたしはあなたの知しらない地ちで、あなたの敵てきに仕つかえさせる。わたしの怒いかりによって火ひは点てんじられ、いつまでも燃もえ続つづけるからである」。
15:15 主しゅよ、あなたは知しっておられます。わたしを覚おぼえ、わたしを顧かえりみてください。わたしを迫害はくがいする者ものに、あだを返かえし、あなたの寛容かんようによって、わたしを取とり去さらないでください。わたしがあなたのために、はずかしめを受うけるのを知しってください。
15:16 わたしはみ言葉ことばを与あたえられて、それを食たべました。み言葉ことばは、わたしに喜よろこびとなり、心こころの楽たのしみとなりました。万軍ばんぐんの神かみ、主しゅよ、わたしは、あなたの名なをもってとなえられている者ものです。
15:17 わたしは笑わらいさざめく人ひとのつどいにすわることなく、また喜よろこぶことをせず、ただひとりですわっていました。あなたの手てがわたしの上うえにあり、あなたが憤いきどおりをもってわたしを満みたされたからです。
15:18 どうしてわたしの痛いたみは止とまらず、傷きずは重おもくて、なおらないのですか。あなたはわたしにとって、水みずがなくて人ひとを欺あざむく谷川たにがわのようになられるのですか。
15:19 それゆえ主しゅはこう仰おおせられる、 「もしあなたが帰かえってくるならば、もとのようにして、わたしの前まえに立たたせよう。もしあなたが、つまらないことを言いうのをやめて、貴重きちょうなことを言いうならば、わたしの口くちのようになる。彼かれらはあなたの所ところに帰かえってくる。しかしあなたが彼かれらの所ところに帰かえるのではない。
15:20 わたしはあなたをこの民たみの前まえに、堅固けんごな青銅せいどうの城壁じょうへきにする。彼かれらがあなたを攻せめても、あなたに勝かつことはできない。わたしがあなたと共ともにいて、あなたを助たすけ、あなたを救すくうからであると、主しゅは言いわれる。
15:21 わたしはあなたを悪人あくにんの手てから救すくい、無慈悲むじひな人ひとの手てからあがなう」。
第16章 16:1 主しゅの言葉ことばはまたわたしに臨のぞんだ、16:2 「あなたはこの所ところで妻つまをめとってはならない。またむすこ娘むすめを持もってはならない。16:3 この所ところで生うまれるむすこ娘むすめと、この地ちでこれを産うむ母ははたちと、これを生うむ父ちちたちとについて主しゅはこう言いわれる、16:4 彼かれらは死しの病やまいにかかって死しに、哀悼あいとうする者ものもなく、埋葬まいそうする者ものもなく、地ちのおもてに、糞土ふんどのようになる。またつるぎと、ききんに滅ほろぼされて、その死体したいは空そらの鳥とりと地ちの獣けものの食くい物ものとなる。 16:5 主しゅはこう言いわれる、喪ものある家いえに、はいってはならない。また行いって、それを悲かなしみ嘆なげいてはならない。わたしがこの民たみからわたしの平安へいあんと、いつくしみと、あわれみとを取とり去さったからであると、主しゅは言いわれる。16:6 大おおいなる者ものも小ちいさき者ものも、この地ちに死しぬ。彼かれらは葬ほうむられず、また彼かれらのために悲かなしむ者ものもなく、自分じぶんの身みを傷きずつける者ものもなく、髪かみをそる者ものもない。16:7 悲かなしむ者もののためにパンをさいて、死者ししゃのためにこれを慰なぐさめる者ものはなく、また父ちちあるいは母ははのために慰なぐさめの杯さかずきをこれに与あたえて飲のませる者ものもない。16:8 またあなたは宴会えんかいをする家いえにはいって、人々ひとびとと共ともにすわって食くい飲のみしてはならない。16:9 万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう言いわれる、見みよ、あなたの目めの前まえで、あなたのなおこの世よにいる間あいだに、わたしは喜よろこびの声こえと楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえと花嫁はなよめの声こえとをこの所ところに絶たやしてしまう。 16:10 あなたがこのすべての言葉ことばをこの民たみに告つげるとき、彼かれらがあなたに尋たずねて、『主しゅがわれわれにこの大おおきな災わざわいを宣告せんこくされるのはどうしてですか。われわれにどんな悪わるい所ところがあるのですか。われわれの神かみ、主しゅにそむいて、われわれが犯おかした罪つみとはなんですか』と言いうならば、16:11 あなたは彼かれらに答こたえなければならない、『主しゅは仰おおせられる、それはあなたがたの先祖せんぞがわたしを捨すてて他たの神々かみがみに従したがい、これに仕つかえ、これを拝はいし、またわたしを捨すて、わたしの律法りっぽうを守まもらなかったからである。16:12 あなたがたは、あなたがたの先祖せんぞよりも、いっそう悪わるいことをした。見みよ、あなたがたはおのおの自分じぶんの悪わるい強情ごうじょうな心こころに従したがい、わたしに聞きき従したがうことはしない。16:13 それゆえ、わたしはあなたがたをこの地ちより追おい出だし、あなたがたも、あなたがたの先祖せんぞも知しらない地ちに行いかせる。その所ところであなたがたは昼夜ちゅうや、ほかの神々かみがみに仕つかえるようになる。これはわたしがあなたがたにあわれみを示しめさないからである』と。 16:14 主しゅは言いわれる、それゆえ、見みよ、こののち『イスラエルの民たみをエジプトの地ちから導みちびき出だした主しゅは生いきておられる』とは言いわないで、16:15 『イスラエルの民たみを北きたの国くにと、そのすべて追おいやられた国々くにぐにから導みちびき出だした主しゅは生いきておられる』という日ひがくる。わたしが彼かれらを、その先祖せんぞに与あたえた彼かれらの地ちに導みちびきかえすからである。 16:16 主しゅは言いわれる、見みよ、わたしは多おおくの漁夫ぎょふを呼よんできて、彼かれらをすなどらせ、また、そののち多おおくの猟師りょうしを呼よんできて、もろもろの山やま、もろもろの丘おか、および岩いわの裂さけ目めから彼かれらをかり出ださせる。16:17 わたしの目めは彼かれらのすべての道みちを見みているからである。みなわたしに隠かくれてはいない。またその悪あくはわたしの目めに隠かくれることはない。16:18 わたしはその悪あくとその罪つみの報むくいを二倍ばいにする。彼かれらがその忌いむべき偶像ぐうぞうの死体したいをもって、わたしの地ちを汚けがし、その憎にくむべきものをもって、わたしの嗣し業ぎょうを満みたしたからである」。 16:19 主しゅ、わが力ちから、わが城しろ、悩なやみの時ときの、のがれ場ばよ、万国ばんこくの民たみは地ちの果はてからあなたのもとにきて申もうします、「われわれの先祖せんぞが受うけ嗣ついだのは、ただ偽いつわりと、役やくに立たたないつまらない事ことばかりです。16:20 人ひとが自分じぶんで神々かみがみを造つくることができましょうか。そういうものは神かみではありません」。16:21 「それゆえ、見みよ、わたしは彼かれらに知しらせよう。すなわち、この際さいわたしの力ちからと、わたしの勢いきおいとを知しらせよう。彼かれらはわたしの名なが、主しゅであることを知しるようになる」。 第17章 17:1 「ユダの罪つみは、鉄てつの筆ふで、金剛石こんごうせきのとがりをもってしるされ、彼かれらの心こころの碑いしぶみと、祭壇さいだんの角つのに彫ほりつけられている。17:2 彼かれらの子供こどもたちは青あお木きの下したと、高たかい丘おかの上うえ、野のの山やまの上うえにある祭壇さいだんとアシラのことを覚おぼえている。17:3 わたしはあなたの富とみとすべての宝たからとを、あなたの全ぜん領域りょういきの内うちで犯おかした罪つみの代価だいかとして、ぶんどり物ものとならせる。17:4 わたしがあなたに与あたえた嗣し業ぎょうからあなたは手てをはなすようになる。またわたしは、あなたの知しらない地ちで、あなたの敵てきに仕つかえさせる。わたしの怒いかりによって、火ひは点てんじられ、いつまでも燃もえ続つづけるからである」。 17:5 主しゅはこう言いわれる、 「おおよそ人ひとを頼たのみとし肉にくなる者ものを自分じぶんの腕うでとし、その心こころが主しゅを離はなれている人ひとは、のろわれる。17:6 彼かれは荒野あらのに育そだつ小ちいさい木きのように、何なにも良よいことの来くるのを見みない。荒野あらのの、干上ひあがった所ところに住すみ、人ひとの住すまない塩しお地ちにいる。17:7 おおよそ主しゅにたより、主しゅを頼たのみとする人ひとはさいわいである。17:8 彼かれは水みずのほとりに植うえた木きのようで、その根ねを川かわにのばし、暑あつさにあっても恐おそれることはない。その葉はは常つねに青あおく、ひでりの年ねんにも憂うれえることなく、絶たえず実みを結むすぶ」。 17:9 心こころはよろずの物ものよりも偽いつわるもので、はなはだしく悪あくに染そまっている。だれがこれを、よく知しることができようか。17:10 「主しゅであるわたしは心こころを探さぐり、思おもいを試こころみる。おのおのに、その道みちにしたがい、その行おこないの実みによって報むくいをするためである」。 17:11 しゃこが自分じぶんが産うんだのではない卵たまごを抱だくように、不正ふせいな財産ざいさんを得える者ものがある。その人ひとは一生いっしょうの半なかばにそれから離はなれて、その終おわりには愚おろかな者ものとなる。 17:12 初はじめから高たかくあげられた栄さかえあるみ座ざは、われわれの聖所せいじょのある所ところである。17:13 またイスラエルの望のぞみである主しゅよ、あなたを捨すてる者ものはみな恥はじをかき、あなたを離はなれる者ものは土つちに名なをしるされます。それは生いける水みずの源みなもとである主しゅを捨すてたからです。 17:14 主しゅよ、わたしをいやしてください、そうすれば、わたしはいえます。わたしをお救すくいください、そうすれば、わたしは救すくわれます。あなたはわたしのほめたたえる者ものだからです。17:15 彼かれらはわたしに言いいます、「主しゅの言葉ことばはどこにあるのか。今いま、それを出だして見みせよ」と。17:16 悪あくをつかわされるようにとは、わたしはたって求もとめませんでした。また災わざわいの日ひを願ねがわなかったのを、あなたはごぞんじです。わたしのくちびるから出でたことは、み前まえにあります。17:17 どうか、わたしを恐おそれさせないでください。災わざわいのときに、あなたはわたしののがれ場ばです。17:18 わたしを攻せめ悩なやます者ものをはずかしめてください。しかしわたしをはずかしめないでください。彼かれらを恐おそれさせてください。しかしわたしを恐おそれさせないでください。災わざわいの日ひを彼かれらにきたらせ、滅ほろびを倍ばいにして彼かれらを滅ほろぼしてください。17:19 主しゅはわたしにこう言いわれた、「行いって、ユダの王おうたちの出入でいりするベニヤミンの門もん、およびエルサレムのすべての門もんに立たって、17:20 言いいなさい、『これらの門もんからはいるユダの王おうたち、およびユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての者ものよ、主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。17:21 主しゅはこう言いわれる、命いのちが惜おしいならば気きをつけるがよい。安息日あんそくにちに荷にをたずさえ、またはそれを持もってエルサレムの門もんにはいってはならない。17:22 また安息日あんそくにちにあなたがたの家いえから荷にを運はこび出だしてはならない。なんのわざをもしてはならない。わたしがあなたがたの先祖せんぞに命めいじたように安息日あんそくにちを聖別せいべつして守まもりなさい。17:23 しかし彼かれらは従したがわず耳みみを傾かたむけず、聞きくことも、戒いましめをうけることをも強情ごうじょうに拒こばんだ。 17:24 主しゅは言いわれる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがい、安息日あんそくにちに荷にをたずさえてこの町まちの門もんにはいらず、安息日あんそくにちを聖別せいべつして、なんのわざをもしないならば、17:25 ダビデの位くらいに座ざする王おうたち、つかさたち、ユダの人々ひとびと、エルサレムに住すむ者ものは、車くるまと馬うまに乗のってこの町まちの門もんからはいることができる。そしてこの町まちには長ながく人ひとが住すむようになる。17:26 また人々ひとびとはユダの町々まちまちやエルサレムの周囲しゅうい、ベニヤミンの地ち、平地へいちと山地さんちおよびネゲブから来きて燔祭はんさい、犠牲ぎせい、素祭そさい、乳香にゅうこう、感謝祭かんしゃさいをたずさえて主しゅの家いえにはいる。17:27 しかし、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわないで、安息日あんそくにちを聖別せいべつして守まもることをせず、安息日あんそくにちに荷にをたずさえてエルサレムの門もんにはいるならば、わたしは火ひをその門もんの中なかに燃もやして、エルサレムのもろもろの宮殿きゅうでんを焼やき滅ほろぼす。その火ひは消きえることがない』」。 第18章 18:1 主しゅからエレミヤに臨のぞんだ言葉ことば。18:2 「立たって、陶器とうき師しの家いえに下くだって行いきなさい。その所ところでわたしはあなたにわたしの言葉ことばを聞きかせよう」。18:3 わたしは陶器とうき師しの家いえへ下くだって行いった。見みると彼かれは、ろくろで仕事しごとをしていたが、18:4 粘土ねんどで造つくっていた器うつわが、その人ひとの手ての中なかで仕損しそんじたので、彼かれは自分じぶんの意いのままに、それをもってほかの器うつわを造つくった。 18:5 その時とき、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ、18:6 「主しゅは仰おおせられる、イスラエルの家いえよ、この陶器とうき師しがしたように、わたしもあなたがたにできないのだろうか。イスラエルの家いえよ、陶器とうき師しの手てに粘土ねんどがあるように、あなたがたはわたしの手てのうちにある。18:7 ある時ときには、わたしが民たみまたは国くにを抜ぬく、破やぶる、滅ほろぼすということがあるが、18:8 もしわたしの言いった国くにがその悪あくを離はなれるならば、わたしはこれに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいかえす。18:9 またある時ときには、わたしが民たみまたは国くにを建たてる、植うえるということがあるが、18:10 もしその国くにがわたしの目めに悪あくと見みえることを行おこない、わたしの声こえに聞きき従したがわないなら、わたしはこれに幸さいわいを与あたえようとしたことを思おもいかえす。18:11 それゆえ、ユダの人々ひとびととエルサレムに住すむ者ものに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしはあなたがたに災わざわいを下くだそうと工夫くふうし、あなたがたを攻せめる計はかりごとを立たてている。あなたがたはおのおのその悪あしき道みちを離はなれ、その道みちと行おこないを改あらためなさい』と。 18:12 しかし彼かれらは言いう、『それはむだです。われわれは自分じぶんの図はかるところに従したがい、おのおのその悪わるい強情ごうじょうな心こころにしたがって行動こうどうします』と。 18:13 それゆえ主しゅはこう言いわれる、異邦いほうの民たみのうちのある者ものに尋たずねてみよ、このような事ことを聞きいた者ものがあろうか。おとめイスラエルは恐おそろしい事ことをした。18:14 レバノンの雪ゆきが、どうしてシリオンの岩いわを離はなれようか。山やまの水みず、冷つめたい川かわの流ながれが、どうしてかわいてしまおうか。18:15 それなのにわが民たみはわたしを忘わすれて、偽いつわりの神々かみがみに香こうをたいている。彼かれらはその道みち、古ふるい道みちにつまずき、また小道こみちに入いり、大路おおじからはなれた。18:16 自分じぶんの地ちを荒あれすたれさせて、いつまでも人ひとに舌打したうちされるものとした。そこを通とおる人ひとはみな身震みぶるいして、首くびを振ふる。18:17 わたしは東風ひがしかぜのように、彼かれらをその敵てきの前まえに散ちらす。その滅ほろびの日ひには、わたしは彼かれらに背せを向むけ、顔かおを向むけない」。18:18 彼かれらは言いった、「さあ、計略けいりゃくをめぐらして、エレミヤを倒たおそう。祭司さいしには律法りっぽうがあり、知恵ちえある者ものには計はかりごとがあり、預言者よげんしゃには言葉ことばがあって、これらのものが滅ほろびてしまうことはない。さあ、われわれは舌したをもって彼かれを撃うとう。彼かれのすべての言葉ことばに、心こころを留とめないことにしよう」。18:19 主しゅよ、どうぞわたしにみ心こころを留とめ、わたしの訴うったえをお聞ききください。18:20 悪あくをもって善ぜんに報むくいるべきでしょうか。しかもなお彼かれらはわたしの命いのちを取とろうとして穴あなを掘ほりました。わたしがあなたの前まえに立たって、彼かれらのことを良よく言いい、あなたの憤いきどおりを止とめようとしたのを覚おぼえてください。18:21 それゆえ、彼かれらの子こどもたちをききんに渡わたし、彼かれらをつるぎの刃はに渡わたしてください。彼かれらの妻つまは子こを失うしない、また寡婦かふとなり、男おとこは疫病えきびょうにかかって死しに、若わかい者ものは、戦争せんそうでつるぎに殺ころされますように。18:22 あなたが敵てきをにわかに彼かれらに臨のぞませられるとき、彼かれらの家いえから叫さけび声ごえが聞きこえますように。彼かれらは穴あなを掘ほって、わたしを捕とらえようとし、わなをつくって、わたしの足あしを捕とらえようとしたからです。18:23 主しゅよ、あなたは彼かれらがわたしを殺ころすためにめぐらしている計略けいりゃくを皆みなごぞんじです。その悪あくをゆるすことなく、その罪つみをあなたの前まえから消けし去さらないでください。彼かれらをあなたの前まえに倒たおれさせてください。あなたのお怒いかりになる時ときに彼かれらを罰ばっしてください。 第19章 19:1 主しゅはこう言いわれる、「行いって、陶器とうき師しのびんを買かい、民たみの長老ちょうろうと年長ねんちょうの祭司さいしのうちの数人すうにんを伴ともなって、19:2 瀬戸せとかけの門もんの入口いりぐちにあるベンヒンノムの谷たにへ行いき、その所ところで、わたしがあなたに語かたる言葉ことばをのべて、19:3 言いいなさい、『ユダの王おうたち、およびエルサレムに住すむ者ものよ、主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは災わざわいをこの所ところに下くだす。おおよそ、その災わざわいのことを聞きくものの耳みみは両方りょうほうとも鳴なる。19:4 彼かれらがわたしを捨すて、この所ところを汚けがし、この所ところで、自分じぶんも先祖せんぞたちもユダの王おうたちも知しらなかった他たの神々かみがみに香こうをたき、かつ罪つみのない者ものの血ちを、この所ところに満みたしたからである。19:5 また彼かれらはバアルのために高たかき所ところを築きずき、火ひをもって自分じぶんの子こどもたちを焼やき、燔祭はんさいとしてバアルにささげた。これはわたしの命めいじたことではなく、定さだめたことでもなく、また思おもいもしなかったことである。19:6 主しゅは言いわれる、それゆえ、見みよ、この所ところをトペテまたはベンヒンノムの谷たにと呼よばないで、虐殺ぎゃくさつの谷たにと呼よぶ日ひがくる。19:7 またわたしはこの所ところでユダとエルサレムの計はかりごとを打うち破やぶり、つるぎをもって、彼かれらをその敵てきの前まえと、そのいのちを求もとめる者ものの手てに倒たおれさせ、またその死体したいを空そらの鳥とりと地ちの獣けものの食くい物ものとし、19:8 かつ、この町まちを荒あれすたれさせて、人ひとに舌打したうちされるものとする。そこを通とおる人ひとは皆みなそのもろもろの災わざわいを見みて身震みぶるいし、舌打したうちする。19:9 また彼かれらがその敵てきとその命いのちを求もとめる者ものとに囲かこまれて苦くるしみ悩なやむ時とき、わたしは彼かれらに自分じぶんのむすこの肉にく、娘むすめの肉にくを食たべさせる。彼かれらはまた互たがいにその友ともの肉にくを食たべるようになる』。 19:10 そこで、あなたは、一緒いっしょに行ゆく人々ひとびとの目めの前まえで、そのびんを砕くだき、19:11 そして彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、陶器とうき師しの器うつわをひとたび砕くだくならば、もはやもとのようにすることはできない。このようにわたしはこの民たみとこの町まちとを砕くだく。人々ひとびとはほかに葬ほうむるべき場所ばしょがないために、トペテに葬ほうむるであろう。19:12 主しゅは仰おおせられる、わたしはこの所ところと、ここに住すむ者ものとにこのようにし、この町まちをトペテのようにする。19:13 エルサレムの家いえとユダの王おうたちの家いえ、すなわち彼かれらがその屋上おくじょうで天てんの衆しゅう群ぐんに香こうをたき、ほかの神々かみがみに酒さけを注そそいだ家いえは、皆みなトペテの所ところのように汚けがされる』」。 19:14 エレミヤは主しゅが彼かれをつかわして預言よげんさせられたトペテから帰かえってきて、主しゅの家いえの庭にわに立たち、すべての民たみに言いった、19:15 「万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは、この町まちとそのすべての村々むらむらに、わたしの言いったもろもろの災わざわいを下くだす。彼かれらが強情ごうじょうで、わたしの言葉ことばに聞きき従したがおうとしないからである」。 第20章 20:1 さて祭司さいしインメルの子こで、主しゅの宮みやのつかさの長ちょうであったパシュルは、エレミヤがこれらの事ことを預言よげんするのを聞きいた。20:2 そしてパシュルは預言者よげんしゃエレミヤを打うち、主しゅの宮みやにある上うえのベニヤミンの門もんの足あしかせにつないだ。20:3 その翌日よくじつパシュルがエレミヤを足あしかせから解とき放はなした時とき、エレミヤは彼かれに言いった、「主しゅはあなたの名なをパシュルとは呼よばないで、『恐おそれが周囲しゅういにある』と呼よばれる。20:4 主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしはあなたを、あなた自身じしんとあなたのすべての友ともだちに恐おそれを起おこさせる者ものとする。彼かれらはあなたが見みている目めの前まえで敵てきのつるぎに倒たおれる。わたしはまたユダのすべての民たみをバビロン王おうの手てに渡わたす。彼かれは彼かれらを捕とらえてバビロンに移うつし、つるぎをもって殺ころす。20:5 わたしはまたこの町まちのすべての富とみと、その獲えたすべての物ものと、そのすべての貴重きちょうな物ものと、ユダの王おうたちのすべての宝物ほうもつをその敵てきの手てに渡わたす。彼かれらはこれをかすめ、民たみを捕とらえてバビロンに移うつす。20:6 パシュルよ、あなたと、あなたの家いえに住すむ者ものとはみな捕とらえ移うつされる。あなたはバビロンに行いって、その所ところで死しに、その所ところに葬ほうむられる。あなたも、あなたが偽いつわって預言よげんした言葉ことばに聞きき従したがった友とももみなそのようになる」。20:7 主しゅよ、あなたがわたしを欺あざむかれたので、わたしはその欺あざむきに従したがいました。あなたはわたしよりも強つよいので、わたしを説とき伏ふせられたのです。わたしは一日いちにち中ぢゅう、物笑ものわらいとなり、人ひとはみなわたしをあざけります。20:8 それは、わたしが語かたり、呼よばわるごとに、「暴虐ぼうぎゃく、滅亡めつぼう」と叫さけぶからです。主しゅの言葉ことばが一日いちにち中ぢゅう、わが身みのはずかしめと、あざけりになるからです。20:9 もしわたしが、「主しゅのことは、重かさねて言いわない、このうえその名なによって語かたる事ことはしない」と言いえば、主しゅの言葉ことばがわたしの心こころにあって、燃もえる火ひのわが骨ほねのうちに閉とじこめられているようで、それを押おさえるのに疲つかれはてて、耐たえることができません。20:10 多おおくの人ひとのささやくのを聞きくからです。恐おそれが四方しほうにあります。「告発こくはつせよ。さあ、彼かれを告発こくはつしよう」と言いって、わが親したしい友ともは皆みなわたしのつまずくのを、うかがっています。また、「彼かれは欺あざむかれるだろう。そのとき、われわれは彼かれに勝かって、あだを返かえすことができる」と言いいます。20:11 しかし主しゅは強つよい勇士ゆうしのようにわたしと共ともにおられる。それゆえ、わたしに迫せまりくる者ものはつまずき、わたしに打うち勝かつことはできない。彼かれらは、なし遂とげることができなくて、大おおいに恥はじをかく。その恥はじは、いつまでも忘わすれられることはない。20:12 正ただしき者ものを試こころみ、人ひとの心こころと思おもいを見みられる万軍ばんぐんの主しゅよ、あなたが彼かれらに、あだを返かえされるのを見みせてください。わたしはあなたに、わたしの訴うったえをお任まかせしたからです。 20:13 主しゅに向むかって歌うたい、主しゅをほめたたえよ。主しゅは貧まずしい者ものの命いのちを、悪人あくにんの手てから救すくわれたからである。 20:14 わたしの生うまれた日ひはのろわれよ。母ははがわたしを産うんだ日ひは祝福しゅくふくを受うけるな。20:15 わたしの父ちちに「男おとこの子こが、生うまれました」と告つげて、彼かれを大おおいに喜よろこばせた人ひとは、のろわれよ。20:16 その人ひとは、主しゅのあわれみを受うけることなく、滅ほろぼされた町まちのようになれ。朝あさには、彼かれに叫さけびを聞きかせ、昼ひるには戦たたかいの声こえを聞きかせよ。20:17 彼かれがわたしを胎内たいないで殺ころさず、わが母ははをわたしの墓場はかばとなさず、その胎たいをいつまでも大おおきくしなかったからである。20:18 なにゆえにわたしは胎内たいないを出でてきて、悩なやみと悲かなしみに会あい、恥はじを受うけて一生いっしょうを過すごすのか。 第21章 21:1 ゼデキヤ王おうは、マルキヤの子こパシュルと祭司さいしマアセヤの子こゼパニヤを、エレミヤのもとにつかわし、21:2 「バビロンの王おうネブカデレザルがわれわれを攻せめようとしているゆえ、われわれのために主しゅに尋たずねてほしい。主しゅはそのもろもろの不思議ふしぎなわざをもって、われわれを助たすけ、バビロンの王おうをわれわれから退しりぞかせられるかも知しれない」と言いわせた。その時とき、主しゅの言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。 21:3 エレミヤは彼かれらに答こたえて言いった、「あなたがたはゼデキヤにこのように言いいなさい、21:4 『イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、あなたがたが、この城壁じょうへきの外そとにあって、あなたがたを攻せめ囲かこむバビロンの王おうおよびカルデヤびとと戦たたかうとき、わたしはあなたがたの手てに持もっている武器ぶきをとりあげ、これを町まちの中なかに集あつめさせる。21:5 わたしは手てを伸のべ、強つよい腕うでをもって、怒いかり、憤いきどおり、激はげしく怒いかって、あなたがたを攻せめる。21:6 わたしはまたこの町まちに住すむ人ひとと獣けものとを撃うつ。彼かれらはみな重おもい疫病えきびょうにかかって死しぬ。21:7 主しゅは言いわれる、この後のち、わたしはユダの王おうゼデキヤとその家来けらいたち、および疫病えきびょうと、つるぎと、ききんを免まぬかれて、この町まちに残のこっている民たみを、バビロンの王おうネブカデレザルの手てと、その敵てきの手て、およびその命いのちを求もとめる者ものの手てに渡わたす。バビロンの王おうはつるぎの刃はにかけて彼かれらを撃うち、彼かれらを惜おしまず、顧かえりみず、またあわれむこともしない』。 21:8 あなたはまたこの民たみに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは命いのちの道みちと死しの道みちとをあなたがたの前まえに置おく。21:9 この町まちにとどまる者ものは、つるぎと、ききんと、疫病えきびょうとで死しぬ。しかし、出でて行いって、あなたがたを攻せめ囲かこんでいるカルデヤびとに降伏こうふくする者ものは死しを免まぬかれ、その命いのちは自分じぶんのぶんどり物ものとなる。21:10 主しゅは言いわれる、わたしがこの町まちに顔かおを向むけたのは幸さいわいを与あたえるためではなく、災わざわいを与あたえるためである。この町まちはバビロンの王おうの手てに渡わたされる。彼かれは火ひをもって、これを焼やき払はらう』。 21:11 またユダの王おうの家いえに言いいなさい、『主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。21:12 ダビデの家いえよ、主しゅはこう仰おおせられる、 朝あさごとに、正ただしいさばきを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとをしえたげる者ものの手てから救すくえ。そうしないと、あなたがたの悪わるい行おこないのために、わたしの怒いかりは火ひのように燃もえて、それを消けすことはできない』」。 21:13 「主しゅは言いわれる、谷たにに住すむ者ものよ、平原へいげんの岩いわよ、見みよ、わたしはあなたに敵てきする。あなたがたは言いう、『だれが下くだってきて、われわれを攻せめるものか、だれがわれわれのいる所ところに、はいるものか』と。21:14 わたしはあなたがたを、その行おこないの実みによって罰ばっする。またその林はやしに火ひをつけて、その周囲しゅういのものをみな焼やき尽つくすと、主しゅは言いわれる」。 第22章 22:1 主しゅはこう言いわれる、「ユダの王おうの家いえに下くだり、その所ところにこの言葉ことばをのべて、22:2 言いいなさい、『ダビデの位くらいにすわるユダの王おうよ、あなたと、あなたの家臣かしん、および、この門もんからはいるあなたの民たみは主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。22:3 主しゅはこう言いわれる、公平こうへいと正義せいぎを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとを、しえたげる者ものの手てから救すくい、異邦いほうの人ひと、孤児こじ、寡婦かふを悩なやまし、しえたげてはならない。またこの所ところに、罪つみなき者ものの血ちを流ながしてはならない。22:4 もしあなたがたがこの言葉ことばを真実しんじつに行おこなうならば、ダビデの位くらいにすわる王おうとその家臣かしん、およびその民たみは、車くるまと馬うまに乗のって、この家いえの門もんにはいることができる。22:5 しかしあなたがたがこの言葉ことばを聞きかないならば、わたしは自身じしんをさして誓ちかうが、この家いえは荒あれ地ちとなると、主しゅは言いわれる。22:6 主しゅはユダの王おうの家いえについてこう言いわれる、 あなたはわたしに対たいしてギレアデのようであり、レバノンの頂いただきのようである。しかし、わたしは必かならずあなたを荒あれ地ちにし、人ひとの住すまない町まちにする。22:7 わたしは滅ほろぼす者ものを設もうけて、あなたを攻せめさせる、彼かれらはおのおのその武器ぶきをとり、あなたの麗うるわしい香柏こうはくを切きり倒たおし、火ひに投なげ入いれる。22:8 多おおくの国くにの人ひとはこの町まちを過すぎ、互たがいに語かたって、「なぜ主しゅはこの大おおいなる町まちをこのようにされたのか」と言いうとき、22:9 人ひとは答こたえて、「これは彼かれらがその神かみ、主しゅの契約けいやくを捨すてて他たの神々かみがみを拝はいし、これに仕つかえたからである」と言いうであろう』」。22:10 死しんだ者もののために泣なくことなく、またそのために嘆なげいてはならない。捕とらえ移うつされてゆく者もののために、激はげしく泣なけ。彼かれはふたたび帰かえってきて、その故郷こきょうを見みることがないからである。22:11 ユダの王おうヨシヤの子こシャルムは父ちちヨシヤについで王おうとなったが、ついにこの所ところから出でて行いった。主しゅは彼かれについてこう言いわれる、「彼かれは再ふたたびここに帰かえらない。22:12 彼かれはその捕とらえ行いかれた所ところで死しに、再ふたたびこの地ちを見みない」。22:13 「不義ふぎをもってその家いえを建たて、不法ふほうをもってその高殿たかどのを造つくり、隣となり人びとを雇やとって何なにをも与あたえず、その賃金ちんぎんを払はらわない者ものはわざわいである。22:14 彼かれは言いう、『わたしは自分じぶんのために大おおきな家いえを建たて、広ひろい高殿たかどのを造つくろう』と。そしてこれがために窓まどを造つくり、香柏こうはくの鏡板かがみいたでおおい、それを朱しゅで塗ぬる。22:15 あなたは競きそって香柏こうはくを用もちいることによって、王おうであると思おもうのか。あなたの父ちちは食くい飲のみし、公平こうへいと正義せいぎを行おこなって、幸さいわいを得えたのではないか。22:16 彼かれは貧まずしい人ひとと乏とぼしい人ひとの訴うったえをただして、さいわいを得えた。こうすることがわたしを知しることではないかと主しゅは言いわれる。22:17 しかし、あなたは目めも心こころも、不正ふせいな利益りえきのためにのみ用もちい、罪つみなき者ものの血ちを流ながそうとし、圧制あっせいと暴虐ぼうぎゃくを行おこなおうとする」。22:18 それゆえ、主しゅはユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムについてこう言いわれる、 「人々ひとびとは『悲かなしいかな、わが兄あに』、『悲かなしいかな、わが姉あね』と言いって、彼かれのために嘆なげかない。また『悲かなしいかな、主君しゅくんよ』、『悲かなしいかな、陛下へいかよ』と言いって嘆なげかない。22:19 ろばが埋うめられるように、彼かれは葬ほうむられる。引ひかれて行いって、エルサレムの門もんの外そとに投なげ捨すてられる」。 22:20 「レバノンに登のぼって呼よばわり、バシャンにあなたの声こえをあげ、アバリムから呼よばわれ。あなたの愛あいする者ものがみな滅ほろぼされるからだ。22:21 あなたの栄さかえていた時とき、わたしはあなたに語かたったが『聞ききたくはない』と言いった。あなたがわたしの声こえに聞きき従したがわないことは、あなたの幼おさない時ときからの、ならわしであった。22:22 あなたの牧者ぼくしゃはみな、風かぜに追おい立たてられ、あなたの愛あいする者ものは捕とらえ移うつされる。その時とき、あなたは自分じぶんのもろもろの悪あくのために、恥はじ、うろたえる。22:23 レバノンに住すみ、香柏こうはくの中なかに巣すをつくっている者ものよ、子こを産うむ女おんなに臨のぞむ苦くるしみのような苦痛くつうがあなたに臨のぞむとき、あなたはどんなに嘆なげくことであろうか」。22:24 「主しゅは言いわれる、わたしは生いきている。ユダの王おうエホヤキムの子こコニヤが、わたしの右手みぎての指輪ゆびわであっても、わたしはあなたを抜ぬき取とる。22:25 あなたの命いのちを求もとめる者ものの手て、あなたがその顔かおを恐おそれる者ものの手て、すなわちバビロンの王おうネブカデレザルの手てと、カルデヤびとの手てにあなたを渡わたす。22:26 わたしは、あなたと、あなたを産うんだ母ははを、あなたがたの生うまれた国くにでない他たの国くにに追おいやる。あなたがたはそこで死しぬ。22:27 彼かれらが帰かえりたいとせつに願ねがう国くにに、彼かれらは再ふたたび帰かえることができない」。 22:28 この人ひとコニヤは卑いやしむべき、こわれたつぼであろうか、だれも心こころに留とめない器うつわであろうか。なぜ彼かれとその子孫しそんは追おいやられて、知しらない地ちに投なげやられるのか。22:29 ああ、地ちよ、地ちよ、地ちよ、主しゅの言葉ことばを聞きけよ。22:30 主しゅはこう言いわれる、「この人ひとを、子こなき人ひととして、またその一生いっしょうのうち、栄さかえることのない人ひととして記録きろくせよ。その子孫しそんのうち、ひとりも栄さかえて、ダビデの位くらいにすわり、ユダを治おさめるものが再ふたたび起おこらないからである」。 第23章 23:1 主しゅは言いわれる、「わが牧場まきばの羊ひつじを滅ほろぼし散ちらす牧者ぼくしゃはわざわいである」。23:2 それゆえイスラエルの神かみ、主しゅはわが民たみを養やしなう牧者ぼくしゃについてこう言いわれる、「あなたがたはわたしの群むれを散ちらし、これを追おいやって顧かえりみなかった。見みよ、わたしはあなたがたの悪あしき行おこないによってあなたがたに報むくいると、主しゅは言いわれる。23:3 わたしの群むれの残のこった者ものを、追おいやったすべての地ちから集あつめ、再ふたたびこれをそのおりに帰かえらせよう。彼かれらは子こを産うんでその数かずが多おおくなる。23:4 わたしはこれを養やしなう牧者ぼくしゃをその上うえに立たてる、彼かれらは再ふたたび恐おそれることなく、またおののくことなく、いなくなることもないと、主しゅは言いわれる。 23:5 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしがダビデのために一つの正ただしい枝えだを起おこす日ひがくる。彼かれは王おうとなって世よを治おさめ、栄さかえて、公平こうへいと正義せいぎを世よに行おこなう。23:6 その日ひユダは救すくいを得え、イスラエルは安やすらかにおる。その名なは『主しゅはわれわれの正義せいぎ』ととなえられる。 23:7 主しゅは言いわれる、それゆえ見みよ、人々ひとびとは『イスラエルの民たみをエジプトの地ちから導みちびき出だされた主しゅは生いきておられる』とまた言いわないで、23:8 『イスラエルの家いえの子孫しそんを北きたの地ちと、そのすべて追おいやられた地ちから導みちびき出だされた神かみは生いきておられる』という日ひがくる。その時とき、彼かれらは自分じぶんの地ちに住すんでいる」。 23:9 預言者よげんしゃたちについて。 わが心こころはわたしのうちに破やぶれ、わが骨ほねはみな震ふるう。主しゅとその聖せいなる言葉ことばのために、わたしは酔よっている人ひとのよう、酒さけに打うち負まかされた人ひとのようである。23:10 この地ちに姦淫かんいんを行おこなうものが満みちているからだ。のろいによって地ちは嘆なげき、荒野あらのの牧場まきばはかわく。彼かれらの道みちは悪わるく、その力ちからは正ただしくない。23:11 「預言者よげんしゃと祭司さいしとは共ともに神かみを汚けがす者ものである。わたしの家いえにおいてすら彼かれらの悪あくを見みたと、主しゅは言いわれる。23:12 それゆえ、彼かれらの道みちは、おのずから暗黒あんこくの中なかにあるなめらかな道みちのようになり、彼かれらは押おされてその道みちに倒たおれる。わたしが彼かれらの罰ばっせられる年としに、災わざわいをその上うえに臨のぞませるからであると、主しゅは言いわれる。23:13 わたしはサマリヤの預言者よげんしゃのうちに不快ふかいな事ことのあるのを見みた。彼かれらはバアルによって預言よげんし、わが民たみイスラエルを惑まどわした。23:14 しかしエルサレムの預言者よげんしゃのうちには、恐おそろしい事ことのあるのを見みた。彼かれらは姦淫かんいんを行おこない、偽いつわりに歩あゆみ、悪人あくにんの手てを強つよくし、人ひとをその悪あくから離はなれさせない。彼かれらはみなわたしにはソドムのようであり、その民たみはゴモラのようである」。23:15 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅは預言者よげんしゃについてこう言いわれる、「見みよ、わたしは彼かれらに、にがよもぎを食たべさせ、毒どくの水みずを飲のませる。神かみを汚けがすことがエルサレムの預言者よげんしゃから出でて、全ぜん地ちに及およんでいるからである」。23:16 万軍ばんぐんの主しゅはこう言いわれる、「あなたがたに預言よげんする預言者よげんしゃの言葉ことばを聞きいてはならない。彼かれらはあなたがたに、むなしい望のぞみをいだかせ、主しゅの口くちから出でたのでない、自分じぶんの心こころの黙示もくしを語かたるのである。23:17 彼かれらは主しゅの言葉ことばを軽かるんじる者ものに向むかって絶たえず、『あなたがたは平安へいあんを得える』と言いい、また自分じぶんの強情ごうじょうな心こころにしたがって歩あゆむすべての人ひとに向むかって、『あなたがたに災わざわいはこない』と言いう」。23:18 彼かれらのうちだれか主しゅの議会ぎかいに立たって、その言葉ことばを見聞みききした者ものがあろうか。だれか耳みみを傾かたむけてその言葉ことばを聞きいた者ものがあろうか。23:19 見みよ、主しゅの暴風ぼうふうがくる。憤いきどおりと、つむじ風かぜが出でて、悪人あくにんのこうべをうつ。23:20 主しゅの怒いかりは、み心こころに思おもい定さだめられたことをなし遂とげられるまで退しりぞくことはない。末すえの日ひにあなたがたはそれを明あきらかに悟さとる。 23:21 預言者よげんしゃたちはわたしがつかわさなかったのに、彼かれらは走はしった。わたしが、彼かれらに告つげなかったのに、彼かれらは預言よげんした。23:22 もし彼かれらがわたしの議会ぎかいに立たったのであれば、わたしの民たみにわが言葉ことばを告つげ示しめして、その悪わるい道みちと悪わるい行おこないから、離はなれさせたであろうに。23:23 「主しゅは言いわれる、わたしはただ近ちかくの神かみであって、遠とおくの神かみではないのであるか。23:24 主しゅは言いわれる、人ひとは、ひそかな所ところに身みを隠かくして、わたしに見みられないようにすることができようか。主しゅは言いわれる、わたしは天てんと地ちとに満みちているではないか。23:25 わが名なによって偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちが、『わたしは夢ゆめを見みた、わたしは夢ゆめを見みた』と言いうのを聞きいた。23:26 偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちの心こころに、いつまで偽いつわりがあるのであるか。彼かれらはその心こころの欺あざむきを預言よげんする。23:27 彼かれらはその先祖せんぞがバアルに従したがってわが名なを忘わすれたように、互たがいに夢ゆめを語かたって、わたしの民たみにわが名なを忘わすれさせようとする。23:28 夢ゆめをみた預言者よげんしゃは夢ゆめを語かたるがよい。しかし、わたしの言葉ことばを受うけた者ものは誠実せいじつにわたしの言葉ことばを語かたらなければならない。わらと麦むぎとをくらべることができようかと、主しゅは言いわれる。23:29 主しゅは仰おおせられる、わたしの言葉ことばは火ひのようではないか。また岩いわを打うち砕くだく鎚つちのようではないか。23:30 それゆえ見みよ、わたしはわたしの言葉ことばを互たがいに盗ぬすむ預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:31 見みよ、わたしは、『主しゅは言いいたもう』と舌したをもって語かたる預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:32 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしは偽いつわりの夢ゆめを預言よげんする者ものの敵てきとなる。彼かれらはそれを語かたり、またその偽いつわりと大言たいげんをもってわたしの民たみを惑まどわす。わたしが彼かれらをつかわしたのではなく、また彼かれらに命めいじたのでもない。それで彼かれらはこの民たみにすこしも益えきにならないと、主しゅは言いわれる。 23:33 この民たみのひとり、または預言者よげんしゃ、または祭司さいしがあなたに、『主しゅの重荷おもにはなんですか』と問とうならば、彼かれらに答こたえなさい、『あなたがたがその重荷おもにです。そして主しゅは、あなたがたを捨すてると言いっておられます』と。23:34 そして、『主しゅの重荷おもに』と言いうその預言者よげんしゃ、祭司さいし、または民たみのひとりを、その家族かぞくと共ともにわたしは罰ばっする。23:35 あなたがたは、みな互たがいに、隣となり人びとに、また兄弟きょうだいに、こう言いわなければならない、『主しゅはなんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:36 しかし重かさねて『主しゅの重荷おもに』と言いってはならない。重荷おもには人ひとおのおのの自分じぶんの言葉ことばだからである。あなたがたは生いける神かみ、万軍ばんぐんの主しゅなるわれわれの神かみの言葉ことばを曲まげる者ものである。23:37 あなたは預言者よげんしゃにこう言いわなければならない、『主しゅはあなたになんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:38 もしあなたがたが『主しゅの重荷おもに』と言いうならば、主しゅはこう仰おおせられる、『わたしが人ひとをあなたがたにつかわして、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」と言いってはならないと言いわせたのに、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」という言葉ことばを言いったので、23:39 わたしは必かならずあなたがたを捕とらえ移うつさせ、あなたがたとあなたがたの先祖せんぞとに与あたえたこの町まちと、あなたがたとを、わたしの前まえから捨すて去さる。23:40 そして、忘わすれられることのない永遠えいえんのはずかしめと永遠えいえんの恥はじを、あなたがたにこうむらせる』」。 第24章 24:1 バビロンの王おうネブカデレザルがユダの王おうエホヤキムの子こエコニヤおよびユダの君きみたちと工匠こうしょうと鍛冶かじをエルサレムからバビロンに移うつして後のち、主しゅはわたしにこの幻まぼろしをお示しめしになった。見みよ、主しゅの宮みやの前まえに置おかれているいちじくを盛もった二つのかごがあった。24:2 その一つのかごには、はじめて熟じゅくしたような非常ひじょうに良よいいちじくがあり、ほかのかごには非常ひじょうに悪わるくて食たべられないほどの悪わるいいちじくが入いれてあった。24:3 主しゅはわたしに、「エレミヤよ、何なにを見みるか」と言いわれた。わたしは、「いちじくです。その良よいいちじくは非常ひじょうによく、悪わるいほうのいちじくは非常ひじょうに悪わるくて、食たべられません」と答こたえた。 24:4 主しゅの言葉ことばがまたわたしに臨のぞんだ、24:5 「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、この所ところからカルデヤびとの地ちに追おいやったユダの捕とらわれ人びとを、わたしはこの良よいいちじくのように顧かえりみて恵めぐもう。24:6 わたしは彼かれらに目めをかけてこれを恵めぐみ、彼かれらをこの地ちに返かえし、彼かれらを建たてて倒たおさず、植うえて抜ぬかない。24:7 わたしは彼かれらにわたしが主しゅであることを知しる心こころを与あたえよう。彼かれらはわたしの民たみとなり、わたしは彼かれらの神かみとなる。彼かれらは一心いっしんにわたしのもとに帰かえってくる。 24:8 主しゅはこう仰おおせられる、わたしはユダの王おうゼデキヤとそのつかさたち、およびエルサレムの人ひとの残のこってこの地ちにいる者もの、ならびにエジプトの地ちに住すんでいる者ものを、この悪わるくて食たべられない悪わるいいちじくのようにしよう。24:9 わたしは彼かれらを地ちのもろもろの国くにで、忌いみきらわれるものとし、またわたしの追おいやるすべての所ところで、はずかしめに会あわせ、ことわざとなり、あざけりと、のろいに会あわせる。24:10 わたしはつるぎと、ききんと、疫病えきびょうを彼かれらのうちに送おくって、ついに彼かれらをわたしが彼かれらとその先祖せんぞとに与あたえた地ちから絶たえさせる」。 第25章 25:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムの四年ねん(バビロンの王おうネブカデレザルの元年がんねん)にユダのすべての民たみについての言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。25:2 預言者よげんしゃエレミヤはこの言葉ことばをユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての人ひとに告つげて言いった、25:3 「ユダの王おうアモンの子こヨシヤの十三年ねんから今日こんにちにいたるまで二十三年ねんの間あいだ、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ。わたしはたゆまずにそれをあなたがたに語かたってきたが、あなたがたは聞きかなかった。25:4 主しゅはたゆまず、そのしもべである預言者よげんしゃを、あなたがたにつかわされたが、あなたがたは聞きかずまた耳みみを傾かたむけて聞きこうともしなかった。25:5 彼かれらは言いった、『あなたがたはおのおの今いまその悪あくの道みちと悪わるい行おこないを捨すてなさい。そうすれば主しゅが昔むかしからあなたがたと先祖せんぞたちとに与あたえられた地ちに永遠えいえんに住すむことができる。25:6 あなたがたは、ほかの神かみに従したがって、それに仕つかえ、それを拝おがんではならない。あなたがたの手てで作つくったものをもって、わたしを怒いからせてはならない。このようなことをしないなら、わたしはあなたがたをそこなうことはない』と。25:7 しかしあなたがたはわたしに聞きき従したがわず、あなたがたの手てで作つくった物ものをもって、わたしを怒いからせて自みずから害がいを招まねいたと、主しゅは言いわれる。 25:8 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたがわたしの言葉ことばに聞きき従したがわないゆえ、25:9 見みよ、わたしは北きたの方ほうのすべての種族しゅぞくと、わたしのしもべであるバビロンの王おうネブカデレザルを呼よび寄よせて、この地ちとその民たみと、そのまわりの国々くにぐにを攻せめ滅ほろぼさせ、これを忌いみきらわれるものとし、人ひとの笑わらいものとし、永遠えいえんのはずかしめとすると、主しゅは言いわれる。25:10 またわたしは喜よろこびの声こえ、楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえ、花嫁はなよめの声こえ、ひきうすの音おと、ともしびの光ひかりを彼かれらの中なかに絶たえさせる。25:11 この地ちはみな滅ほろぼされて荒あれ地ちとなる。そしてその国々くにぐには七十年ねんの間あいだバビロンの王おうに仕つかえる。25:12 主しゅは言いわれる、七十年ねんの終おわった後のちに、わたしはバビロンの王おうと、その民たみと、カルデヤびとの地ちを、その罪つみのために罰ばっし、永遠えいえんの荒あれ地ちとする。25:13 わたしはあの地ちについて、わたしが語かたったすべての言葉ことばをその上うえに臨のぞませる。これはエレミヤが、万国ばんこくのことについて預言よげんしたものであって、みなこの書しょにしるされている。25:14 多おおくの国々くにぐにと偉大いだいな王おうたちとは、彼かれらをさえ奴隷どれいとして仕つかえさせる。わたしは彼かれらの行おこないと、その手てのわざに従したがって報むくいる」。 25:15 イスラエルの神かみ、主しゅはわたしにこう仰おおせられた、「わたしの手てから、この怒いかりの杯さかずきを受うけて、わたしがあなたをつかわす国々くにぐにの民たみに飲のませなさい。25:16 彼かれらは飲のんで、よろめき狂くるう。これはわたしが彼かれらのうちに、つるぎをつかわそうとしているからである」。 25:17 こうしてわたしは主しゅの手てから杯さかずきを受うけ、主しゅがわたしをつかわされた国々くにぐにの民たみに飲のませた。25:18 すなわちエルサレムとユダのすべての町まちと、その王おうたちおよびそのつかさたちに飲のませて、それらを滅ほろぼし、荒あれ地ちとし、人ひとの笑わらいものとし、のろわれるものとした。今日こんにちのとおりである。25:19 またエジプトの王おうパロとその家来けらいたち、その君きみたち、そのすべての民たみと、25:20 もろもろの寄留きりゅうの異邦人いほうじん、およびウズの地ちのすべての王おうたち、およびペリシテびとの地ちのすべての王おうたち、(アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの残のこりの者もの)、25:21 エドム、モアブ、アンモンの子孫しそん、25:22 ツロのすべての王おうたち、シドンのすべての王おうたち、海うみのかなたの海沿うみぞいの地ちの王おうたち、25:23 デダン、テマ、ブズおよびすべて髪かみの毛けのすみずみをそる者もの、25:24 アラビヤのすべての王おうたち、荒野あらのの雑種ざっしゅの民たみのすべての王おうたち、25:25 ジムリのすべての王おうたち、エラムのすべての王おうたち、メデアのすべての王おうたち、25:26 北きたのすべての王おうたちの遠とおき者もの、近ちかき者ものもつぎつぎに、またすべて地ちのおもてにある世よの国々くにぐにの王おうたちもこの杯さかずきを飲のむ。そして彼かれらの次つぎにバビロンの王おうもこれを飲のむ。 25:27 「それであなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、飲のめ、酔よって吐はけ、倒たおれて再ふたたび立たつな、わたしがあなたがたのうちに、つるぎをつかわすからである』」。 25:28 「もし彼かれらがあなたの手てから杯さかずきを受うけて飲のむことをしないならば、あなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたは必かならず飲のまなければならない。25:29 見みよ、わたしの名なをもって呼よばれるこの町まちにさえ災わざわいを下くだすのだ。どうしてあなたがたが罰ばつを免まぬかれることができようか。あなたがたは罰ばつを免まぬかれることはできない。わたしがつるぎを呼よび寄よせて、地ちに住すむすべての者ものを攻せめるからであると、万軍ばんぐんの主しゅは仰おおせられる』。 25:30 それゆえ、あなたは彼かれらにこのすべての言葉ことばを預言よげんして言いいなさい、 『主しゅは高たかい所ところから呼よばわり、その聖せいなるすまいから声こえを出だし、自分じぶんのすみかに向むかって大おおいに呼よばわり、地ちに住すむすべての者ものに向むかってぶどうを踏ふむ者もののように叫さけばれる。25:31 叫さけびは地ちの果はてにまで響ひびきわたる。主しゅが国々くにぐにと争あらそい、すべての肉にくなる者ものをさばき、悪人あくにんをつるぎに渡わたすからであると、主しゅは言いわれる』。25:32 万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、国くにから国くにへ災わざわいが出でて行いく。大おおきなあらしが地ちの果はてからおこる。25:33 その日ひ、主しゅに殺ころされる人々ひとびとは、地ちのこの果はてから、かの果はてに及およぶ。彼かれらは悲かなしまれず、集あつめられず、また葬ほうむられずに、地ちのおもてに糞土ふんどとなる。 25:34 牧者ぼくしゃよ、嘆なげき叫さけべ、群むれのかしらたちよ、灰はいの中なかにまろべ。あなたがたのほふられる日ひ、散ちらされる日ひが来きたからだ。あなたがたは選えらび分わけられた雄羊おひつじのように倒たおれる。25:35 牧者ぼくしゃには、のがれ場ばなく、群むれのかしらたちは逃にげる所ところがない。25:36 牧者ぼくしゃの叫さけび声ごえと、群むれのかしらたちの嘆なげきの声こえが聞きこえる。主しゅが彼かれらの牧場まきばを滅ほろぼしておられるからだ。25:37 主しゅの激はげしい怒いかりによって、平和へいわな牧場まきばは荒あれていく。25:38 ししのように彼かれはその巣すを出でた。主しゅのつるぎと、その激はげしい怒いかりによって、彼かれらの地ちは荒あれ地ちとなった」。 第26章 26:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムが世よを治おさめた初はじめのころ、主しゅからこの言葉ことばがあった、26:2 「主しゅはこう仰おおせられる、主しゅの宮みやの庭にわに立たち、わたしがあなたに命めいじて言いわせるすべての言葉ことばを、主しゅの宮みやで礼れい拝はいするために来きているユダの町々まちまちの人々ひとびとに告つげなさい。ひと言ことをも言いい残のこしておいてはならない。26:3 彼かれらが聞きいて、おのおのその悪わるい道みちを離はなれることがあるかも知しれない。そのとき、わたしは彼かれらの行おこないの悪わるいために、災わざわいを彼かれらに下くだそうとしたのを思おもいなおす。26:4 あなたは彼かれらに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわず、わたしがあなたがたの前まえに定さだめおいた律法りっぽうを行おこなわず、26:5 わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者よげんしゃの言葉ことばに聞きき従したがわないならば、(あなたがたは聞きき従したがわなかったが、)26:6 わたしはこの宮みやをシロのようにし、またこの町まちを地ちの万国ばんこくにのろわれるものとする』」。 26:7 祭司さいしと預言者よげんしゃおよびすべての民たみは、エレミヤが主しゅの宮みやでこれらの言葉ことばを語かたるのを聞きいた。26:8 エレミヤが主しゅに命めいじられたすべての言葉ことばを民たみに告つげ終おわった時とき、祭司さいしと預言者よげんしゃおよび民たみはみな彼かれを捕とらえて言いった、「あなたは死しななければならない。26:9 なぜあなたは主しゅの名なによって預言よげんし、この宮みやはシロのようになり、この町まちは荒あらされて住すむ人ひともなくなるであろうと言いったのか」と。民たみはみな主しゅの宮みやに集あつまってエレミヤを取とり囲かこんだ。 26:10 ユダのつかさたちはこの事ことを聞きいて王おうの宮殿きゅうでんを出でて主しゅの宮みやに上のぼり、主しゅの宮みやの「新あたらしい門もん」の入口いりぐちに座ざした。26:11 祭司さいしと預言者よげんしゃらは、つかさたちとすべての民たみに訴うったえて言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものです。あなたがたが自分じぶんの耳みみで聞きかれたように、この町まちに逆さからう預言よげんをしたのです」。 26:12 その時ときエレミヤは、つかさたちとすべての民たみに言いった、「主しゅはわたしをつかわし、この宮みやとこの町まちにむかって、預言よげんをさせられたので、そのすべての言葉ことばをあなたがたは聞きいた。26:13 それで、あなたがたは今いま、あなたがたの道みちと行おこないを改あらため、あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに聞きき従したがいなさい。そうするならば主しゅはあなたがたに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいなおされる。26:14 見みよ、わたしはあなたがたの手ての中なかにある。あなたがたの目めに、良よいと見みえ、正ただしいと思おもうことをわたしに行おこなうがよい。26:15 ただ明あきらかにこのことを知しっておきなさい。もしあなたがたがわたしを殺ころすならば、罪つみなき者ものの血ちはあなたがたの身みと、この町まちと、その住民じゅうみんとに帰きする。まことに主しゅがわたしをつかわして、このすべての言葉ことばをあなたがたの耳みみに、告つげさせられたからである」。 26:16 つかさたちと、すべての民たみとは、祭司さいしと預言者よげんしゃに言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものではない。われわれの神かみ、主しゅの名なによってわれわれに語かたったのである」。26:17 その時ときこの地ちの長老ちょうろうたち数人すうにんが立たって、そこに集あつまっているすべての者ものに告つげて言いった、26:18 「ユダの王おうヒゼキヤの世よに、モレシテびとミカはユダのすべての民たみに預言よげんして言いった、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、 シオンは畑はたけのように耕たがやされ、エルサレムは石塚いしづかとなり、宮みやの山やまは木きのおい茂しげる高たかい所ところとなる』。26:19 ユダの王おうヒゼキヤと、すべてのユダの人ひとは彼かれを殺ころそうとしたことがあろうか。ヒゼキヤは主しゅを恐おそれ、主しゅの恵めぐみを求もとめたので、主しゅは彼かれらに災わざわいを下くだすとお告つげになったのを思おもいなおされたではないか。しかし、われわれは、自分じぶんの身みに大おおきな災わざわいを招まねこうとしている」。 26:20 主しゅの名なによって預言よげんした人ひとがほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤの子こウリヤである。彼かれはエレミヤとおなじような言葉ことばをもって、この町まちとこの地ちにむかって預言よげんした。26:21 エホヤキム王おうと、そのすべての勇士ゆうしと、すべてのつかさたちはその言葉ことばを聞きいた。そして王おうは彼かれを殺ころそうと思おもったが、ウリヤはこれを聞きいて恐おそれ、エジプトに逃にげて行いったので、26:22 エホヤキム王おうは人ひとをエジプトにつかわした。すなわちアクボルの子こエルナタンと他たの数すう名めいの人ひとを、エジプトにつかわした。26:23 彼かれらはウリヤをエジプトから引ひき出だし、エホヤキム王おうのもとに連つれてきたので、王おうはつるぎをもって彼かれを殺ころし、その死体したいを共同きょうどう墓地ぼちに捨すてさせた。 26:24 しかしシャパンの子こアヒカムはエレミヤを助たすけ、民たみの手てに渡わたされて殺ころされることのないようにした。
16:1 主しゅの言葉ことばはまたわたしに臨のぞんだ、
16:2 「あなたはこの所ところで妻つまをめとってはならない。またむすこ娘むすめを持もってはならない。
16:3 この所ところで生うまれるむすこ娘むすめと、この地ちでこれを産うむ母ははたちと、これを生うむ父ちちたちとについて主しゅはこう言いわれる、
16:4 彼かれらは死しの病やまいにかかって死しに、哀悼あいとうする者ものもなく、埋葬まいそうする者ものもなく、地ちのおもてに、糞土ふんどのようになる。またつるぎと、ききんに滅ほろぼされて、その死体したいは空そらの鳥とりと地ちの獣けものの食くい物ものとなる。
16:5 主しゅはこう言いわれる、喪ものある家いえに、はいってはならない。また行いって、それを悲かなしみ嘆なげいてはならない。わたしがこの民たみからわたしの平安へいあんと、いつくしみと、あわれみとを取とり去さったからであると、主しゅは言いわれる。
16:6 大おおいなる者ものも小ちいさき者ものも、この地ちに死しぬ。彼かれらは葬ほうむられず、また彼かれらのために悲かなしむ者ものもなく、自分じぶんの身みを傷きずつける者ものもなく、髪かみをそる者ものもない。
16:7 悲かなしむ者もののためにパンをさいて、死者ししゃのためにこれを慰なぐさめる者ものはなく、また父ちちあるいは母ははのために慰なぐさめの杯さかずきをこれに与あたえて飲のませる者ものもない。
16:8 またあなたは宴会えんかいをする家いえにはいって、人々ひとびとと共ともにすわって食くい飲のみしてはならない。
16:9 万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう言いわれる、見みよ、あなたの目めの前まえで、あなたのなおこの世よにいる間あいだに、わたしは喜よろこびの声こえと楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえと花嫁はなよめの声こえとをこの所ところに絶たやしてしまう。
16:10 あなたがこのすべての言葉ことばをこの民たみに告つげるとき、彼かれらがあなたに尋たずねて、『主しゅがわれわれにこの大おおきな災わざわいを宣告せんこくされるのはどうしてですか。われわれにどんな悪わるい所ところがあるのですか。われわれの神かみ、主しゅにそむいて、われわれが犯おかした罪つみとはなんですか』と言いうならば、
16:11 あなたは彼かれらに答こたえなければならない、『主しゅは仰おおせられる、それはあなたがたの先祖せんぞがわたしを捨すてて他たの神々かみがみに従したがい、これに仕つかえ、これを拝はいし、またわたしを捨すて、わたしの律法りっぽうを守まもらなかったからである。
16:12 あなたがたは、あなたがたの先祖せんぞよりも、いっそう悪わるいことをした。見みよ、あなたがたはおのおの自分じぶんの悪わるい強情ごうじょうな心こころに従したがい、わたしに聞きき従したがうことはしない。
16:13 それゆえ、わたしはあなたがたをこの地ちより追おい出だし、あなたがたも、あなたがたの先祖せんぞも知しらない地ちに行いかせる。その所ところであなたがたは昼夜ちゅうや、ほかの神々かみがみに仕つかえるようになる。これはわたしがあなたがたにあわれみを示しめさないからである』と。
16:14 主しゅは言いわれる、それゆえ、見みよ、こののち『イスラエルの民たみをエジプトの地ちから導みちびき出だした主しゅは生いきておられる』とは言いわないで、
16:15 『イスラエルの民たみを北きたの国くにと、そのすべて追おいやられた国々くにぐにから導みちびき出だした主しゅは生いきておられる』という日ひがくる。わたしが彼かれらを、その先祖せんぞに与あたえた彼かれらの地ちに導みちびきかえすからである。
16:16 主しゅは言いわれる、見みよ、わたしは多おおくの漁夫ぎょふを呼よんできて、彼かれらをすなどらせ、また、そののち多おおくの猟師りょうしを呼よんできて、もろもろの山やま、もろもろの丘おか、および岩いわの裂さけ目めから彼かれらをかり出ださせる。
16:17 わたしの目めは彼かれらのすべての道みちを見みているからである。みなわたしに隠かくれてはいない。またその悪あくはわたしの目めに隠かくれることはない。
16:18 わたしはその悪あくとその罪つみの報むくいを二倍ばいにする。彼かれらがその忌いむべき偶像ぐうぞうの死体したいをもって、わたしの地ちを汚けがし、その憎にくむべきものをもって、わたしの嗣し業ぎょうを満みたしたからである」。
16:19 主しゅ、わが力ちから、わが城しろ、悩なやみの時ときの、のがれ場ばよ、万国ばんこくの民たみは地ちの果はてからあなたのもとにきて申もうします、「われわれの先祖せんぞが受うけ嗣ついだのは、ただ偽いつわりと、役やくに立たたないつまらない事ことばかりです。
16:20 人ひとが自分じぶんで神々かみがみを造つくることができましょうか。そういうものは神かみではありません」。
16:21 「それゆえ、見みよ、わたしは彼かれらに知しらせよう。すなわち、この際さいわたしの力ちからと、わたしの勢いきおいとを知しらせよう。彼かれらはわたしの名なが、主しゅであることを知しるようになる」。
第17章 17:1 「ユダの罪つみは、鉄てつの筆ふで、金剛石こんごうせきのとがりをもってしるされ、彼かれらの心こころの碑いしぶみと、祭壇さいだんの角つのに彫ほりつけられている。17:2 彼かれらの子供こどもたちは青あお木きの下したと、高たかい丘おかの上うえ、野のの山やまの上うえにある祭壇さいだんとアシラのことを覚おぼえている。17:3 わたしはあなたの富とみとすべての宝たからとを、あなたの全ぜん領域りょういきの内うちで犯おかした罪つみの代価だいかとして、ぶんどり物ものとならせる。17:4 わたしがあなたに与あたえた嗣し業ぎょうからあなたは手てをはなすようになる。またわたしは、あなたの知しらない地ちで、あなたの敵てきに仕つかえさせる。わたしの怒いかりによって、火ひは点てんじられ、いつまでも燃もえ続つづけるからである」。 17:5 主しゅはこう言いわれる、 「おおよそ人ひとを頼たのみとし肉にくなる者ものを自分じぶんの腕うでとし、その心こころが主しゅを離はなれている人ひとは、のろわれる。17:6 彼かれは荒野あらのに育そだつ小ちいさい木きのように、何なにも良よいことの来くるのを見みない。荒野あらのの、干上ひあがった所ところに住すみ、人ひとの住すまない塩しお地ちにいる。17:7 おおよそ主しゅにたより、主しゅを頼たのみとする人ひとはさいわいである。17:8 彼かれは水みずのほとりに植うえた木きのようで、その根ねを川かわにのばし、暑あつさにあっても恐おそれることはない。その葉はは常つねに青あおく、ひでりの年ねんにも憂うれえることなく、絶たえず実みを結むすぶ」。 17:9 心こころはよろずの物ものよりも偽いつわるもので、はなはだしく悪あくに染そまっている。だれがこれを、よく知しることができようか。17:10 「主しゅであるわたしは心こころを探さぐり、思おもいを試こころみる。おのおのに、その道みちにしたがい、その行おこないの実みによって報むくいをするためである」。 17:11 しゃこが自分じぶんが産うんだのではない卵たまごを抱だくように、不正ふせいな財産ざいさんを得える者ものがある。その人ひとは一生いっしょうの半なかばにそれから離はなれて、その終おわりには愚おろかな者ものとなる。 17:12 初はじめから高たかくあげられた栄さかえあるみ座ざは、われわれの聖所せいじょのある所ところである。17:13 またイスラエルの望のぞみである主しゅよ、あなたを捨すてる者ものはみな恥はじをかき、あなたを離はなれる者ものは土つちに名なをしるされます。それは生いける水みずの源みなもとである主しゅを捨すてたからです。 17:14 主しゅよ、わたしをいやしてください、そうすれば、わたしはいえます。わたしをお救すくいください、そうすれば、わたしは救すくわれます。あなたはわたしのほめたたえる者ものだからです。17:15 彼かれらはわたしに言いいます、「主しゅの言葉ことばはどこにあるのか。今いま、それを出だして見みせよ」と。17:16 悪あくをつかわされるようにとは、わたしはたって求もとめませんでした。また災わざわいの日ひを願ねがわなかったのを、あなたはごぞんじです。わたしのくちびるから出でたことは、み前まえにあります。17:17 どうか、わたしを恐おそれさせないでください。災わざわいのときに、あなたはわたしののがれ場ばです。17:18 わたしを攻せめ悩なやます者ものをはずかしめてください。しかしわたしをはずかしめないでください。彼かれらを恐おそれさせてください。しかしわたしを恐おそれさせないでください。災わざわいの日ひを彼かれらにきたらせ、滅ほろびを倍ばいにして彼かれらを滅ほろぼしてください。17:19 主しゅはわたしにこう言いわれた、「行いって、ユダの王おうたちの出入でいりするベニヤミンの門もん、およびエルサレムのすべての門もんに立たって、17:20 言いいなさい、『これらの門もんからはいるユダの王おうたち、およびユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての者ものよ、主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。17:21 主しゅはこう言いわれる、命いのちが惜おしいならば気きをつけるがよい。安息日あんそくにちに荷にをたずさえ、またはそれを持もってエルサレムの門もんにはいってはならない。17:22 また安息日あんそくにちにあなたがたの家いえから荷にを運はこび出だしてはならない。なんのわざをもしてはならない。わたしがあなたがたの先祖せんぞに命めいじたように安息日あんそくにちを聖別せいべつして守まもりなさい。17:23 しかし彼かれらは従したがわず耳みみを傾かたむけず、聞きくことも、戒いましめをうけることをも強情ごうじょうに拒こばんだ。 17:24 主しゅは言いわれる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがい、安息日あんそくにちに荷にをたずさえてこの町まちの門もんにはいらず、安息日あんそくにちを聖別せいべつして、なんのわざをもしないならば、17:25 ダビデの位くらいに座ざする王おうたち、つかさたち、ユダの人々ひとびと、エルサレムに住すむ者ものは、車くるまと馬うまに乗のってこの町まちの門もんからはいることができる。そしてこの町まちには長ながく人ひとが住すむようになる。17:26 また人々ひとびとはユダの町々まちまちやエルサレムの周囲しゅうい、ベニヤミンの地ち、平地へいちと山地さんちおよびネゲブから来きて燔祭はんさい、犠牲ぎせい、素祭そさい、乳香にゅうこう、感謝祭かんしゃさいをたずさえて主しゅの家いえにはいる。17:27 しかし、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわないで、安息日あんそくにちを聖別せいべつして守まもることをせず、安息日あんそくにちに荷にをたずさえてエルサレムの門もんにはいるならば、わたしは火ひをその門もんの中なかに燃もやして、エルサレムのもろもろの宮殿きゅうでんを焼やき滅ほろぼす。その火ひは消きえることがない』」。 第18章 18:1 主しゅからエレミヤに臨のぞんだ言葉ことば。18:2 「立たって、陶器とうき師しの家いえに下くだって行いきなさい。その所ところでわたしはあなたにわたしの言葉ことばを聞きかせよう」。18:3 わたしは陶器とうき師しの家いえへ下くだって行いった。見みると彼かれは、ろくろで仕事しごとをしていたが、18:4 粘土ねんどで造つくっていた器うつわが、その人ひとの手ての中なかで仕損しそんじたので、彼かれは自分じぶんの意いのままに、それをもってほかの器うつわを造つくった。 18:5 その時とき、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ、18:6 「主しゅは仰おおせられる、イスラエルの家いえよ、この陶器とうき師しがしたように、わたしもあなたがたにできないのだろうか。イスラエルの家いえよ、陶器とうき師しの手てに粘土ねんどがあるように、あなたがたはわたしの手てのうちにある。18:7 ある時ときには、わたしが民たみまたは国くにを抜ぬく、破やぶる、滅ほろぼすということがあるが、18:8 もしわたしの言いった国くにがその悪あくを離はなれるならば、わたしはこれに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいかえす。18:9 またある時ときには、わたしが民たみまたは国くにを建たてる、植うえるということがあるが、18:10 もしその国くにがわたしの目めに悪あくと見みえることを行おこない、わたしの声こえに聞きき従したがわないなら、わたしはこれに幸さいわいを与あたえようとしたことを思おもいかえす。18:11 それゆえ、ユダの人々ひとびととエルサレムに住すむ者ものに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしはあなたがたに災わざわいを下くだそうと工夫くふうし、あなたがたを攻せめる計はかりごとを立たてている。あなたがたはおのおのその悪あしき道みちを離はなれ、その道みちと行おこないを改あらためなさい』と。 18:12 しかし彼かれらは言いう、『それはむだです。われわれは自分じぶんの図はかるところに従したがい、おのおのその悪わるい強情ごうじょうな心こころにしたがって行動こうどうします』と。 18:13 それゆえ主しゅはこう言いわれる、異邦いほうの民たみのうちのある者ものに尋たずねてみよ、このような事ことを聞きいた者ものがあろうか。おとめイスラエルは恐おそろしい事ことをした。18:14 レバノンの雪ゆきが、どうしてシリオンの岩いわを離はなれようか。山やまの水みず、冷つめたい川かわの流ながれが、どうしてかわいてしまおうか。18:15 それなのにわが民たみはわたしを忘わすれて、偽いつわりの神々かみがみに香こうをたいている。彼かれらはその道みち、古ふるい道みちにつまずき、また小道こみちに入いり、大路おおじからはなれた。18:16 自分じぶんの地ちを荒あれすたれさせて、いつまでも人ひとに舌打したうちされるものとした。そこを通とおる人ひとはみな身震みぶるいして、首くびを振ふる。18:17 わたしは東風ひがしかぜのように、彼かれらをその敵てきの前まえに散ちらす。その滅ほろびの日ひには、わたしは彼かれらに背せを向むけ、顔かおを向むけない」。18:18 彼かれらは言いった、「さあ、計略けいりゃくをめぐらして、エレミヤを倒たおそう。祭司さいしには律法りっぽうがあり、知恵ちえある者ものには計はかりごとがあり、預言者よげんしゃには言葉ことばがあって、これらのものが滅ほろびてしまうことはない。さあ、われわれは舌したをもって彼かれを撃うとう。彼かれのすべての言葉ことばに、心こころを留とめないことにしよう」。18:19 主しゅよ、どうぞわたしにみ心こころを留とめ、わたしの訴うったえをお聞ききください。18:20 悪あくをもって善ぜんに報むくいるべきでしょうか。しかもなお彼かれらはわたしの命いのちを取とろうとして穴あなを掘ほりました。わたしがあなたの前まえに立たって、彼かれらのことを良よく言いい、あなたの憤いきどおりを止とめようとしたのを覚おぼえてください。18:21 それゆえ、彼かれらの子こどもたちをききんに渡わたし、彼かれらをつるぎの刃はに渡わたしてください。彼かれらの妻つまは子こを失うしない、また寡婦かふとなり、男おとこは疫病えきびょうにかかって死しに、若わかい者ものは、戦争せんそうでつるぎに殺ころされますように。18:22 あなたが敵てきをにわかに彼かれらに臨のぞませられるとき、彼かれらの家いえから叫さけび声ごえが聞きこえますように。彼かれらは穴あなを掘ほって、わたしを捕とらえようとし、わなをつくって、わたしの足あしを捕とらえようとしたからです。18:23 主しゅよ、あなたは彼かれらがわたしを殺ころすためにめぐらしている計略けいりゃくを皆みなごぞんじです。その悪あくをゆるすことなく、その罪つみをあなたの前まえから消けし去さらないでください。彼かれらをあなたの前まえに倒たおれさせてください。あなたのお怒いかりになる時ときに彼かれらを罰ばっしてください。 第19章 19:1 主しゅはこう言いわれる、「行いって、陶器とうき師しのびんを買かい、民たみの長老ちょうろうと年長ねんちょうの祭司さいしのうちの数人すうにんを伴ともなって、19:2 瀬戸せとかけの門もんの入口いりぐちにあるベンヒンノムの谷たにへ行いき、その所ところで、わたしがあなたに語かたる言葉ことばをのべて、19:3 言いいなさい、『ユダの王おうたち、およびエルサレムに住すむ者ものよ、主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは災わざわいをこの所ところに下くだす。おおよそ、その災わざわいのことを聞きくものの耳みみは両方りょうほうとも鳴なる。19:4 彼かれらがわたしを捨すて、この所ところを汚けがし、この所ところで、自分じぶんも先祖せんぞたちもユダの王おうたちも知しらなかった他たの神々かみがみに香こうをたき、かつ罪つみのない者ものの血ちを、この所ところに満みたしたからである。19:5 また彼かれらはバアルのために高たかき所ところを築きずき、火ひをもって自分じぶんの子こどもたちを焼やき、燔祭はんさいとしてバアルにささげた。これはわたしの命めいじたことではなく、定さだめたことでもなく、また思おもいもしなかったことである。19:6 主しゅは言いわれる、それゆえ、見みよ、この所ところをトペテまたはベンヒンノムの谷たにと呼よばないで、虐殺ぎゃくさつの谷たにと呼よぶ日ひがくる。19:7 またわたしはこの所ところでユダとエルサレムの計はかりごとを打うち破やぶり、つるぎをもって、彼かれらをその敵てきの前まえと、そのいのちを求もとめる者ものの手てに倒たおれさせ、またその死体したいを空そらの鳥とりと地ちの獣けものの食くい物ものとし、19:8 かつ、この町まちを荒あれすたれさせて、人ひとに舌打したうちされるものとする。そこを通とおる人ひとは皆みなそのもろもろの災わざわいを見みて身震みぶるいし、舌打したうちする。19:9 また彼かれらがその敵てきとその命いのちを求もとめる者ものとに囲かこまれて苦くるしみ悩なやむ時とき、わたしは彼かれらに自分じぶんのむすこの肉にく、娘むすめの肉にくを食たべさせる。彼かれらはまた互たがいにその友ともの肉にくを食たべるようになる』。 19:10 そこで、あなたは、一緒いっしょに行ゆく人々ひとびとの目めの前まえで、そのびんを砕くだき、19:11 そして彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、陶器とうき師しの器うつわをひとたび砕くだくならば、もはやもとのようにすることはできない。このようにわたしはこの民たみとこの町まちとを砕くだく。人々ひとびとはほかに葬ほうむるべき場所ばしょがないために、トペテに葬ほうむるであろう。19:12 主しゅは仰おおせられる、わたしはこの所ところと、ここに住すむ者ものとにこのようにし、この町まちをトペテのようにする。19:13 エルサレムの家いえとユダの王おうたちの家いえ、すなわち彼かれらがその屋上おくじょうで天てんの衆しゅう群ぐんに香こうをたき、ほかの神々かみがみに酒さけを注そそいだ家いえは、皆みなトペテの所ところのように汚けがされる』」。 19:14 エレミヤは主しゅが彼かれをつかわして預言よげんさせられたトペテから帰かえってきて、主しゅの家いえの庭にわに立たち、すべての民たみに言いった、19:15 「万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは、この町まちとそのすべての村々むらむらに、わたしの言いったもろもろの災わざわいを下くだす。彼かれらが強情ごうじょうで、わたしの言葉ことばに聞きき従したがおうとしないからである」。 第20章 20:1 さて祭司さいしインメルの子こで、主しゅの宮みやのつかさの長ちょうであったパシュルは、エレミヤがこれらの事ことを預言よげんするのを聞きいた。20:2 そしてパシュルは預言者よげんしゃエレミヤを打うち、主しゅの宮みやにある上うえのベニヤミンの門もんの足あしかせにつないだ。20:3 その翌日よくじつパシュルがエレミヤを足あしかせから解とき放はなした時とき、エレミヤは彼かれに言いった、「主しゅはあなたの名なをパシュルとは呼よばないで、『恐おそれが周囲しゅういにある』と呼よばれる。20:4 主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしはあなたを、あなた自身じしんとあなたのすべての友ともだちに恐おそれを起おこさせる者ものとする。彼かれらはあなたが見みている目めの前まえで敵てきのつるぎに倒たおれる。わたしはまたユダのすべての民たみをバビロン王おうの手てに渡わたす。彼かれは彼かれらを捕とらえてバビロンに移うつし、つるぎをもって殺ころす。20:5 わたしはまたこの町まちのすべての富とみと、その獲えたすべての物ものと、そのすべての貴重きちょうな物ものと、ユダの王おうたちのすべての宝物ほうもつをその敵てきの手てに渡わたす。彼かれらはこれをかすめ、民たみを捕とらえてバビロンに移うつす。20:6 パシュルよ、あなたと、あなたの家いえに住すむ者ものとはみな捕とらえ移うつされる。あなたはバビロンに行いって、その所ところで死しに、その所ところに葬ほうむられる。あなたも、あなたが偽いつわって預言よげんした言葉ことばに聞きき従したがった友とももみなそのようになる」。20:7 主しゅよ、あなたがわたしを欺あざむかれたので、わたしはその欺あざむきに従したがいました。あなたはわたしよりも強つよいので、わたしを説とき伏ふせられたのです。わたしは一日いちにち中ぢゅう、物笑ものわらいとなり、人ひとはみなわたしをあざけります。20:8 それは、わたしが語かたり、呼よばわるごとに、「暴虐ぼうぎゃく、滅亡めつぼう」と叫さけぶからです。主しゅの言葉ことばが一日いちにち中ぢゅう、わが身みのはずかしめと、あざけりになるからです。20:9 もしわたしが、「主しゅのことは、重かさねて言いわない、このうえその名なによって語かたる事ことはしない」と言いえば、主しゅの言葉ことばがわたしの心こころにあって、燃もえる火ひのわが骨ほねのうちに閉とじこめられているようで、それを押おさえるのに疲つかれはてて、耐たえることができません。20:10 多おおくの人ひとのささやくのを聞きくからです。恐おそれが四方しほうにあります。「告発こくはつせよ。さあ、彼かれを告発こくはつしよう」と言いって、わが親したしい友ともは皆みなわたしのつまずくのを、うかがっています。また、「彼かれは欺あざむかれるだろう。そのとき、われわれは彼かれに勝かって、あだを返かえすことができる」と言いいます。20:11 しかし主しゅは強つよい勇士ゆうしのようにわたしと共ともにおられる。それゆえ、わたしに迫せまりくる者ものはつまずき、わたしに打うち勝かつことはできない。彼かれらは、なし遂とげることができなくて、大おおいに恥はじをかく。その恥はじは、いつまでも忘わすれられることはない。20:12 正ただしき者ものを試こころみ、人ひとの心こころと思おもいを見みられる万軍ばんぐんの主しゅよ、あなたが彼かれらに、あだを返かえされるのを見みせてください。わたしはあなたに、わたしの訴うったえをお任まかせしたからです。 20:13 主しゅに向むかって歌うたい、主しゅをほめたたえよ。主しゅは貧まずしい者ものの命いのちを、悪人あくにんの手てから救すくわれたからである。 20:14 わたしの生うまれた日ひはのろわれよ。母ははがわたしを産うんだ日ひは祝福しゅくふくを受うけるな。20:15 わたしの父ちちに「男おとこの子こが、生うまれました」と告つげて、彼かれを大おおいに喜よろこばせた人ひとは、のろわれよ。20:16 その人ひとは、主しゅのあわれみを受うけることなく、滅ほろぼされた町まちのようになれ。朝あさには、彼かれに叫さけびを聞きかせ、昼ひるには戦たたかいの声こえを聞きかせよ。20:17 彼かれがわたしを胎内たいないで殺ころさず、わが母ははをわたしの墓場はかばとなさず、その胎たいをいつまでも大おおきくしなかったからである。20:18 なにゆえにわたしは胎内たいないを出でてきて、悩なやみと悲かなしみに会あい、恥はじを受うけて一生いっしょうを過すごすのか。 第21章 21:1 ゼデキヤ王おうは、マルキヤの子こパシュルと祭司さいしマアセヤの子こゼパニヤを、エレミヤのもとにつかわし、21:2 「バビロンの王おうネブカデレザルがわれわれを攻せめようとしているゆえ、われわれのために主しゅに尋たずねてほしい。主しゅはそのもろもろの不思議ふしぎなわざをもって、われわれを助たすけ、バビロンの王おうをわれわれから退しりぞかせられるかも知しれない」と言いわせた。その時とき、主しゅの言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。 21:3 エレミヤは彼かれらに答こたえて言いった、「あなたがたはゼデキヤにこのように言いいなさい、21:4 『イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、あなたがたが、この城壁じょうへきの外そとにあって、あなたがたを攻せめ囲かこむバビロンの王おうおよびカルデヤびとと戦たたかうとき、わたしはあなたがたの手てに持もっている武器ぶきをとりあげ、これを町まちの中なかに集あつめさせる。21:5 わたしは手てを伸のべ、強つよい腕うでをもって、怒いかり、憤いきどおり、激はげしく怒いかって、あなたがたを攻せめる。21:6 わたしはまたこの町まちに住すむ人ひとと獣けものとを撃うつ。彼かれらはみな重おもい疫病えきびょうにかかって死しぬ。21:7 主しゅは言いわれる、この後のち、わたしはユダの王おうゼデキヤとその家来けらいたち、および疫病えきびょうと、つるぎと、ききんを免まぬかれて、この町まちに残のこっている民たみを、バビロンの王おうネブカデレザルの手てと、その敵てきの手て、およびその命いのちを求もとめる者ものの手てに渡わたす。バビロンの王おうはつるぎの刃はにかけて彼かれらを撃うち、彼かれらを惜おしまず、顧かえりみず、またあわれむこともしない』。 21:8 あなたはまたこの民たみに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは命いのちの道みちと死しの道みちとをあなたがたの前まえに置おく。21:9 この町まちにとどまる者ものは、つるぎと、ききんと、疫病えきびょうとで死しぬ。しかし、出でて行いって、あなたがたを攻せめ囲かこんでいるカルデヤびとに降伏こうふくする者ものは死しを免まぬかれ、その命いのちは自分じぶんのぶんどり物ものとなる。21:10 主しゅは言いわれる、わたしがこの町まちに顔かおを向むけたのは幸さいわいを与あたえるためではなく、災わざわいを与あたえるためである。この町まちはバビロンの王おうの手てに渡わたされる。彼かれは火ひをもって、これを焼やき払はらう』。 21:11 またユダの王おうの家いえに言いいなさい、『主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。21:12 ダビデの家いえよ、主しゅはこう仰おおせられる、 朝あさごとに、正ただしいさばきを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとをしえたげる者ものの手てから救すくえ。そうしないと、あなたがたの悪わるい行おこないのために、わたしの怒いかりは火ひのように燃もえて、それを消けすことはできない』」。 21:13 「主しゅは言いわれる、谷たにに住すむ者ものよ、平原へいげんの岩いわよ、見みよ、わたしはあなたに敵てきする。あなたがたは言いう、『だれが下くだってきて、われわれを攻せめるものか、だれがわれわれのいる所ところに、はいるものか』と。21:14 わたしはあなたがたを、その行おこないの実みによって罰ばっする。またその林はやしに火ひをつけて、その周囲しゅういのものをみな焼やき尽つくすと、主しゅは言いわれる」。 第22章 22:1 主しゅはこう言いわれる、「ユダの王おうの家いえに下くだり、その所ところにこの言葉ことばをのべて、22:2 言いいなさい、『ダビデの位くらいにすわるユダの王おうよ、あなたと、あなたの家臣かしん、および、この門もんからはいるあなたの民たみは主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。22:3 主しゅはこう言いわれる、公平こうへいと正義せいぎを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとを、しえたげる者ものの手てから救すくい、異邦いほうの人ひと、孤児こじ、寡婦かふを悩なやまし、しえたげてはならない。またこの所ところに、罪つみなき者ものの血ちを流ながしてはならない。22:4 もしあなたがたがこの言葉ことばを真実しんじつに行おこなうならば、ダビデの位くらいにすわる王おうとその家臣かしん、およびその民たみは、車くるまと馬うまに乗のって、この家いえの門もんにはいることができる。22:5 しかしあなたがたがこの言葉ことばを聞きかないならば、わたしは自身じしんをさして誓ちかうが、この家いえは荒あれ地ちとなると、主しゅは言いわれる。22:6 主しゅはユダの王おうの家いえについてこう言いわれる、 あなたはわたしに対たいしてギレアデのようであり、レバノンの頂いただきのようである。しかし、わたしは必かならずあなたを荒あれ地ちにし、人ひとの住すまない町まちにする。22:7 わたしは滅ほろぼす者ものを設もうけて、あなたを攻せめさせる、彼かれらはおのおのその武器ぶきをとり、あなたの麗うるわしい香柏こうはくを切きり倒たおし、火ひに投なげ入いれる。22:8 多おおくの国くにの人ひとはこの町まちを過すぎ、互たがいに語かたって、「なぜ主しゅはこの大おおいなる町まちをこのようにされたのか」と言いうとき、22:9 人ひとは答こたえて、「これは彼かれらがその神かみ、主しゅの契約けいやくを捨すてて他たの神々かみがみを拝はいし、これに仕つかえたからである」と言いうであろう』」。22:10 死しんだ者もののために泣なくことなく、またそのために嘆なげいてはならない。捕とらえ移うつされてゆく者もののために、激はげしく泣なけ。彼かれはふたたび帰かえってきて、その故郷こきょうを見みることがないからである。22:11 ユダの王おうヨシヤの子こシャルムは父ちちヨシヤについで王おうとなったが、ついにこの所ところから出でて行いった。主しゅは彼かれについてこう言いわれる、「彼かれは再ふたたびここに帰かえらない。22:12 彼かれはその捕とらえ行いかれた所ところで死しに、再ふたたびこの地ちを見みない」。22:13 「不義ふぎをもってその家いえを建たて、不法ふほうをもってその高殿たかどのを造つくり、隣となり人びとを雇やとって何なにをも与あたえず、その賃金ちんぎんを払はらわない者ものはわざわいである。22:14 彼かれは言いう、『わたしは自分じぶんのために大おおきな家いえを建たて、広ひろい高殿たかどのを造つくろう』と。そしてこれがために窓まどを造つくり、香柏こうはくの鏡板かがみいたでおおい、それを朱しゅで塗ぬる。22:15 あなたは競きそって香柏こうはくを用もちいることによって、王おうであると思おもうのか。あなたの父ちちは食くい飲のみし、公平こうへいと正義せいぎを行おこなって、幸さいわいを得えたのではないか。22:16 彼かれは貧まずしい人ひとと乏とぼしい人ひとの訴うったえをただして、さいわいを得えた。こうすることがわたしを知しることではないかと主しゅは言いわれる。22:17 しかし、あなたは目めも心こころも、不正ふせいな利益りえきのためにのみ用もちい、罪つみなき者ものの血ちを流ながそうとし、圧制あっせいと暴虐ぼうぎゃくを行おこなおうとする」。22:18 それゆえ、主しゅはユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムについてこう言いわれる、 「人々ひとびとは『悲かなしいかな、わが兄あに』、『悲かなしいかな、わが姉あね』と言いって、彼かれのために嘆なげかない。また『悲かなしいかな、主君しゅくんよ』、『悲かなしいかな、陛下へいかよ』と言いって嘆なげかない。22:19 ろばが埋うめられるように、彼かれは葬ほうむられる。引ひかれて行いって、エルサレムの門もんの外そとに投なげ捨すてられる」。 22:20 「レバノンに登のぼって呼よばわり、バシャンにあなたの声こえをあげ、アバリムから呼よばわれ。あなたの愛あいする者ものがみな滅ほろぼされるからだ。22:21 あなたの栄さかえていた時とき、わたしはあなたに語かたったが『聞ききたくはない』と言いった。あなたがわたしの声こえに聞きき従したがわないことは、あなたの幼おさない時ときからの、ならわしであった。22:22 あなたの牧者ぼくしゃはみな、風かぜに追おい立たてられ、あなたの愛あいする者ものは捕とらえ移うつされる。その時とき、あなたは自分じぶんのもろもろの悪あくのために、恥はじ、うろたえる。22:23 レバノンに住すみ、香柏こうはくの中なかに巣すをつくっている者ものよ、子こを産うむ女おんなに臨のぞむ苦くるしみのような苦痛くつうがあなたに臨のぞむとき、あなたはどんなに嘆なげくことであろうか」。22:24 「主しゅは言いわれる、わたしは生いきている。ユダの王おうエホヤキムの子こコニヤが、わたしの右手みぎての指輪ゆびわであっても、わたしはあなたを抜ぬき取とる。22:25 あなたの命いのちを求もとめる者ものの手て、あなたがその顔かおを恐おそれる者ものの手て、すなわちバビロンの王おうネブカデレザルの手てと、カルデヤびとの手てにあなたを渡わたす。22:26 わたしは、あなたと、あなたを産うんだ母ははを、あなたがたの生うまれた国くにでない他たの国くにに追おいやる。あなたがたはそこで死しぬ。22:27 彼かれらが帰かえりたいとせつに願ねがう国くにに、彼かれらは再ふたたび帰かえることができない」。 22:28 この人ひとコニヤは卑いやしむべき、こわれたつぼであろうか、だれも心こころに留とめない器うつわであろうか。なぜ彼かれとその子孫しそんは追おいやられて、知しらない地ちに投なげやられるのか。22:29 ああ、地ちよ、地ちよ、地ちよ、主しゅの言葉ことばを聞きけよ。22:30 主しゅはこう言いわれる、「この人ひとを、子こなき人ひととして、またその一生いっしょうのうち、栄さかえることのない人ひととして記録きろくせよ。その子孫しそんのうち、ひとりも栄さかえて、ダビデの位くらいにすわり、ユダを治おさめるものが再ふたたび起おこらないからである」。 第23章 23:1 主しゅは言いわれる、「わが牧場まきばの羊ひつじを滅ほろぼし散ちらす牧者ぼくしゃはわざわいである」。23:2 それゆえイスラエルの神かみ、主しゅはわが民たみを養やしなう牧者ぼくしゃについてこう言いわれる、「あなたがたはわたしの群むれを散ちらし、これを追おいやって顧かえりみなかった。見みよ、わたしはあなたがたの悪あしき行おこないによってあなたがたに報むくいると、主しゅは言いわれる。23:3 わたしの群むれの残のこった者ものを、追おいやったすべての地ちから集あつめ、再ふたたびこれをそのおりに帰かえらせよう。彼かれらは子こを産うんでその数かずが多おおくなる。23:4 わたしはこれを養やしなう牧者ぼくしゃをその上うえに立たてる、彼かれらは再ふたたび恐おそれることなく、またおののくことなく、いなくなることもないと、主しゅは言いわれる。 23:5 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしがダビデのために一つの正ただしい枝えだを起おこす日ひがくる。彼かれは王おうとなって世よを治おさめ、栄さかえて、公平こうへいと正義せいぎを世よに行おこなう。23:6 その日ひユダは救すくいを得え、イスラエルは安やすらかにおる。その名なは『主しゅはわれわれの正義せいぎ』ととなえられる。 23:7 主しゅは言いわれる、それゆえ見みよ、人々ひとびとは『イスラエルの民たみをエジプトの地ちから導みちびき出だされた主しゅは生いきておられる』とまた言いわないで、23:8 『イスラエルの家いえの子孫しそんを北きたの地ちと、そのすべて追おいやられた地ちから導みちびき出だされた神かみは生いきておられる』という日ひがくる。その時とき、彼かれらは自分じぶんの地ちに住すんでいる」。 23:9 預言者よげんしゃたちについて。 わが心こころはわたしのうちに破やぶれ、わが骨ほねはみな震ふるう。主しゅとその聖せいなる言葉ことばのために、わたしは酔よっている人ひとのよう、酒さけに打うち負まかされた人ひとのようである。23:10 この地ちに姦淫かんいんを行おこなうものが満みちているからだ。のろいによって地ちは嘆なげき、荒野あらのの牧場まきばはかわく。彼かれらの道みちは悪わるく、その力ちからは正ただしくない。23:11 「預言者よげんしゃと祭司さいしとは共ともに神かみを汚けがす者ものである。わたしの家いえにおいてすら彼かれらの悪あくを見みたと、主しゅは言いわれる。23:12 それゆえ、彼かれらの道みちは、おのずから暗黒あんこくの中なかにあるなめらかな道みちのようになり、彼かれらは押おされてその道みちに倒たおれる。わたしが彼かれらの罰ばっせられる年としに、災わざわいをその上うえに臨のぞませるからであると、主しゅは言いわれる。23:13 わたしはサマリヤの預言者よげんしゃのうちに不快ふかいな事ことのあるのを見みた。彼かれらはバアルによって預言よげんし、わが民たみイスラエルを惑まどわした。23:14 しかしエルサレムの預言者よげんしゃのうちには、恐おそろしい事ことのあるのを見みた。彼かれらは姦淫かんいんを行おこない、偽いつわりに歩あゆみ、悪人あくにんの手てを強つよくし、人ひとをその悪あくから離はなれさせない。彼かれらはみなわたしにはソドムのようであり、その民たみはゴモラのようである」。23:15 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅは預言者よげんしゃについてこう言いわれる、「見みよ、わたしは彼かれらに、にがよもぎを食たべさせ、毒どくの水みずを飲のませる。神かみを汚けがすことがエルサレムの預言者よげんしゃから出でて、全ぜん地ちに及およんでいるからである」。23:16 万軍ばんぐんの主しゅはこう言いわれる、「あなたがたに預言よげんする預言者よげんしゃの言葉ことばを聞きいてはならない。彼かれらはあなたがたに、むなしい望のぞみをいだかせ、主しゅの口くちから出でたのでない、自分じぶんの心こころの黙示もくしを語かたるのである。23:17 彼かれらは主しゅの言葉ことばを軽かるんじる者ものに向むかって絶たえず、『あなたがたは平安へいあんを得える』と言いい、また自分じぶんの強情ごうじょうな心こころにしたがって歩あゆむすべての人ひとに向むかって、『あなたがたに災わざわいはこない』と言いう」。23:18 彼かれらのうちだれか主しゅの議会ぎかいに立たって、その言葉ことばを見聞みききした者ものがあろうか。だれか耳みみを傾かたむけてその言葉ことばを聞きいた者ものがあろうか。23:19 見みよ、主しゅの暴風ぼうふうがくる。憤いきどおりと、つむじ風かぜが出でて、悪人あくにんのこうべをうつ。23:20 主しゅの怒いかりは、み心こころに思おもい定さだめられたことをなし遂とげられるまで退しりぞくことはない。末すえの日ひにあなたがたはそれを明あきらかに悟さとる。 23:21 預言者よげんしゃたちはわたしがつかわさなかったのに、彼かれらは走はしった。わたしが、彼かれらに告つげなかったのに、彼かれらは預言よげんした。23:22 もし彼かれらがわたしの議会ぎかいに立たったのであれば、わたしの民たみにわが言葉ことばを告つげ示しめして、その悪わるい道みちと悪わるい行おこないから、離はなれさせたであろうに。23:23 「主しゅは言いわれる、わたしはただ近ちかくの神かみであって、遠とおくの神かみではないのであるか。23:24 主しゅは言いわれる、人ひとは、ひそかな所ところに身みを隠かくして、わたしに見みられないようにすることができようか。主しゅは言いわれる、わたしは天てんと地ちとに満みちているではないか。23:25 わが名なによって偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちが、『わたしは夢ゆめを見みた、わたしは夢ゆめを見みた』と言いうのを聞きいた。23:26 偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちの心こころに、いつまで偽いつわりがあるのであるか。彼かれらはその心こころの欺あざむきを預言よげんする。23:27 彼かれらはその先祖せんぞがバアルに従したがってわが名なを忘わすれたように、互たがいに夢ゆめを語かたって、わたしの民たみにわが名なを忘わすれさせようとする。23:28 夢ゆめをみた預言者よげんしゃは夢ゆめを語かたるがよい。しかし、わたしの言葉ことばを受うけた者ものは誠実せいじつにわたしの言葉ことばを語かたらなければならない。わらと麦むぎとをくらべることができようかと、主しゅは言いわれる。23:29 主しゅは仰おおせられる、わたしの言葉ことばは火ひのようではないか。また岩いわを打うち砕くだく鎚つちのようではないか。23:30 それゆえ見みよ、わたしはわたしの言葉ことばを互たがいに盗ぬすむ預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:31 見みよ、わたしは、『主しゅは言いいたもう』と舌したをもって語かたる預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:32 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしは偽いつわりの夢ゆめを預言よげんする者ものの敵てきとなる。彼かれらはそれを語かたり、またその偽いつわりと大言たいげんをもってわたしの民たみを惑まどわす。わたしが彼かれらをつかわしたのではなく、また彼かれらに命めいじたのでもない。それで彼かれらはこの民たみにすこしも益えきにならないと、主しゅは言いわれる。 23:33 この民たみのひとり、または預言者よげんしゃ、または祭司さいしがあなたに、『主しゅの重荷おもにはなんですか』と問とうならば、彼かれらに答こたえなさい、『あなたがたがその重荷おもにです。そして主しゅは、あなたがたを捨すてると言いっておられます』と。23:34 そして、『主しゅの重荷おもに』と言いうその預言者よげんしゃ、祭司さいし、または民たみのひとりを、その家族かぞくと共ともにわたしは罰ばっする。23:35 あなたがたは、みな互たがいに、隣となり人びとに、また兄弟きょうだいに、こう言いわなければならない、『主しゅはなんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:36 しかし重かさねて『主しゅの重荷おもに』と言いってはならない。重荷おもには人ひとおのおのの自分じぶんの言葉ことばだからである。あなたがたは生いける神かみ、万軍ばんぐんの主しゅなるわれわれの神かみの言葉ことばを曲まげる者ものである。23:37 あなたは預言者よげんしゃにこう言いわなければならない、『主しゅはあなたになんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:38 もしあなたがたが『主しゅの重荷おもに』と言いうならば、主しゅはこう仰おおせられる、『わたしが人ひとをあなたがたにつかわして、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」と言いってはならないと言いわせたのに、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」という言葉ことばを言いったので、23:39 わたしは必かならずあなたがたを捕とらえ移うつさせ、あなたがたとあなたがたの先祖せんぞとに与あたえたこの町まちと、あなたがたとを、わたしの前まえから捨すて去さる。23:40 そして、忘わすれられることのない永遠えいえんのはずかしめと永遠えいえんの恥はじを、あなたがたにこうむらせる』」。 第24章 24:1 バビロンの王おうネブカデレザルがユダの王おうエホヤキムの子こエコニヤおよびユダの君きみたちと工匠こうしょうと鍛冶かじをエルサレムからバビロンに移うつして後のち、主しゅはわたしにこの幻まぼろしをお示しめしになった。見みよ、主しゅの宮みやの前まえに置おかれているいちじくを盛もった二つのかごがあった。24:2 その一つのかごには、はじめて熟じゅくしたような非常ひじょうに良よいいちじくがあり、ほかのかごには非常ひじょうに悪わるくて食たべられないほどの悪わるいいちじくが入いれてあった。24:3 主しゅはわたしに、「エレミヤよ、何なにを見みるか」と言いわれた。わたしは、「いちじくです。その良よいいちじくは非常ひじょうによく、悪わるいほうのいちじくは非常ひじょうに悪わるくて、食たべられません」と答こたえた。 24:4 主しゅの言葉ことばがまたわたしに臨のぞんだ、24:5 「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、この所ところからカルデヤびとの地ちに追おいやったユダの捕とらわれ人びとを、わたしはこの良よいいちじくのように顧かえりみて恵めぐもう。24:6 わたしは彼かれらに目めをかけてこれを恵めぐみ、彼かれらをこの地ちに返かえし、彼かれらを建たてて倒たおさず、植うえて抜ぬかない。24:7 わたしは彼かれらにわたしが主しゅであることを知しる心こころを与あたえよう。彼かれらはわたしの民たみとなり、わたしは彼かれらの神かみとなる。彼かれらは一心いっしんにわたしのもとに帰かえってくる。 24:8 主しゅはこう仰おおせられる、わたしはユダの王おうゼデキヤとそのつかさたち、およびエルサレムの人ひとの残のこってこの地ちにいる者もの、ならびにエジプトの地ちに住すんでいる者ものを、この悪わるくて食たべられない悪わるいいちじくのようにしよう。24:9 わたしは彼かれらを地ちのもろもろの国くにで、忌いみきらわれるものとし、またわたしの追おいやるすべての所ところで、はずかしめに会あわせ、ことわざとなり、あざけりと、のろいに会あわせる。24:10 わたしはつるぎと、ききんと、疫病えきびょうを彼かれらのうちに送おくって、ついに彼かれらをわたしが彼かれらとその先祖せんぞとに与あたえた地ちから絶たえさせる」。 第25章 25:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムの四年ねん(バビロンの王おうネブカデレザルの元年がんねん)にユダのすべての民たみについての言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。25:2 預言者よげんしゃエレミヤはこの言葉ことばをユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての人ひとに告つげて言いった、25:3 「ユダの王おうアモンの子こヨシヤの十三年ねんから今日こんにちにいたるまで二十三年ねんの間あいだ、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ。わたしはたゆまずにそれをあなたがたに語かたってきたが、あなたがたは聞きかなかった。25:4 主しゅはたゆまず、そのしもべである預言者よげんしゃを、あなたがたにつかわされたが、あなたがたは聞きかずまた耳みみを傾かたむけて聞きこうともしなかった。25:5 彼かれらは言いった、『あなたがたはおのおの今いまその悪あくの道みちと悪わるい行おこないを捨すてなさい。そうすれば主しゅが昔むかしからあなたがたと先祖せんぞたちとに与あたえられた地ちに永遠えいえんに住すむことができる。25:6 あなたがたは、ほかの神かみに従したがって、それに仕つかえ、それを拝おがんではならない。あなたがたの手てで作つくったものをもって、わたしを怒いからせてはならない。このようなことをしないなら、わたしはあなたがたをそこなうことはない』と。25:7 しかしあなたがたはわたしに聞きき従したがわず、あなたがたの手てで作つくった物ものをもって、わたしを怒いからせて自みずから害がいを招まねいたと、主しゅは言いわれる。 25:8 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたがわたしの言葉ことばに聞きき従したがわないゆえ、25:9 見みよ、わたしは北きたの方ほうのすべての種族しゅぞくと、わたしのしもべであるバビロンの王おうネブカデレザルを呼よび寄よせて、この地ちとその民たみと、そのまわりの国々くにぐにを攻せめ滅ほろぼさせ、これを忌いみきらわれるものとし、人ひとの笑わらいものとし、永遠えいえんのはずかしめとすると、主しゅは言いわれる。25:10 またわたしは喜よろこびの声こえ、楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえ、花嫁はなよめの声こえ、ひきうすの音おと、ともしびの光ひかりを彼かれらの中なかに絶たえさせる。25:11 この地ちはみな滅ほろぼされて荒あれ地ちとなる。そしてその国々くにぐには七十年ねんの間あいだバビロンの王おうに仕つかえる。25:12 主しゅは言いわれる、七十年ねんの終おわった後のちに、わたしはバビロンの王おうと、その民たみと、カルデヤびとの地ちを、その罪つみのために罰ばっし、永遠えいえんの荒あれ地ちとする。25:13 わたしはあの地ちについて、わたしが語かたったすべての言葉ことばをその上うえに臨のぞませる。これはエレミヤが、万国ばんこくのことについて預言よげんしたものであって、みなこの書しょにしるされている。25:14 多おおくの国々くにぐにと偉大いだいな王おうたちとは、彼かれらをさえ奴隷どれいとして仕つかえさせる。わたしは彼かれらの行おこないと、その手てのわざに従したがって報むくいる」。 25:15 イスラエルの神かみ、主しゅはわたしにこう仰おおせられた、「わたしの手てから、この怒いかりの杯さかずきを受うけて、わたしがあなたをつかわす国々くにぐにの民たみに飲のませなさい。25:16 彼かれらは飲のんで、よろめき狂くるう。これはわたしが彼かれらのうちに、つるぎをつかわそうとしているからである」。 25:17 こうしてわたしは主しゅの手てから杯さかずきを受うけ、主しゅがわたしをつかわされた国々くにぐにの民たみに飲のませた。25:18 すなわちエルサレムとユダのすべての町まちと、その王おうたちおよびそのつかさたちに飲のませて、それらを滅ほろぼし、荒あれ地ちとし、人ひとの笑わらいものとし、のろわれるものとした。今日こんにちのとおりである。25:19 またエジプトの王おうパロとその家来けらいたち、その君きみたち、そのすべての民たみと、25:20 もろもろの寄留きりゅうの異邦人いほうじん、およびウズの地ちのすべての王おうたち、およびペリシテびとの地ちのすべての王おうたち、(アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの残のこりの者もの)、25:21 エドム、モアブ、アンモンの子孫しそん、25:22 ツロのすべての王おうたち、シドンのすべての王おうたち、海うみのかなたの海沿うみぞいの地ちの王おうたち、25:23 デダン、テマ、ブズおよびすべて髪かみの毛けのすみずみをそる者もの、25:24 アラビヤのすべての王おうたち、荒野あらのの雑種ざっしゅの民たみのすべての王おうたち、25:25 ジムリのすべての王おうたち、エラムのすべての王おうたち、メデアのすべての王おうたち、25:26 北きたのすべての王おうたちの遠とおき者もの、近ちかき者ものもつぎつぎに、またすべて地ちのおもてにある世よの国々くにぐにの王おうたちもこの杯さかずきを飲のむ。そして彼かれらの次つぎにバビロンの王おうもこれを飲のむ。 25:27 「それであなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、飲のめ、酔よって吐はけ、倒たおれて再ふたたび立たつな、わたしがあなたがたのうちに、つるぎをつかわすからである』」。 25:28 「もし彼かれらがあなたの手てから杯さかずきを受うけて飲のむことをしないならば、あなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたは必かならず飲のまなければならない。25:29 見みよ、わたしの名なをもって呼よばれるこの町まちにさえ災わざわいを下くだすのだ。どうしてあなたがたが罰ばつを免まぬかれることができようか。あなたがたは罰ばつを免まぬかれることはできない。わたしがつるぎを呼よび寄よせて、地ちに住すむすべての者ものを攻せめるからであると、万軍ばんぐんの主しゅは仰おおせられる』。 25:30 それゆえ、あなたは彼かれらにこのすべての言葉ことばを預言よげんして言いいなさい、 『主しゅは高たかい所ところから呼よばわり、その聖せいなるすまいから声こえを出だし、自分じぶんのすみかに向むかって大おおいに呼よばわり、地ちに住すむすべての者ものに向むかってぶどうを踏ふむ者もののように叫さけばれる。25:31 叫さけびは地ちの果はてにまで響ひびきわたる。主しゅが国々くにぐにと争あらそい、すべての肉にくなる者ものをさばき、悪人あくにんをつるぎに渡わたすからであると、主しゅは言いわれる』。25:32 万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、国くにから国くにへ災わざわいが出でて行いく。大おおきなあらしが地ちの果はてからおこる。25:33 その日ひ、主しゅに殺ころされる人々ひとびとは、地ちのこの果はてから、かの果はてに及およぶ。彼かれらは悲かなしまれず、集あつめられず、また葬ほうむられずに、地ちのおもてに糞土ふんどとなる。 25:34 牧者ぼくしゃよ、嘆なげき叫さけべ、群むれのかしらたちよ、灰はいの中なかにまろべ。あなたがたのほふられる日ひ、散ちらされる日ひが来きたからだ。あなたがたは選えらび分わけられた雄羊おひつじのように倒たおれる。25:35 牧者ぼくしゃには、のがれ場ばなく、群むれのかしらたちは逃にげる所ところがない。25:36 牧者ぼくしゃの叫さけび声ごえと、群むれのかしらたちの嘆なげきの声こえが聞きこえる。主しゅが彼かれらの牧場まきばを滅ほろぼしておられるからだ。25:37 主しゅの激はげしい怒いかりによって、平和へいわな牧場まきばは荒あれていく。25:38 ししのように彼かれはその巣すを出でた。主しゅのつるぎと、その激はげしい怒いかりによって、彼かれらの地ちは荒あれ地ちとなった」。 第26章 26:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムが世よを治おさめた初はじめのころ、主しゅからこの言葉ことばがあった、26:2 「主しゅはこう仰おおせられる、主しゅの宮みやの庭にわに立たち、わたしがあなたに命めいじて言いわせるすべての言葉ことばを、主しゅの宮みやで礼れい拝はいするために来きているユダの町々まちまちの人々ひとびとに告つげなさい。ひと言ことをも言いい残のこしておいてはならない。26:3 彼かれらが聞きいて、おのおのその悪わるい道みちを離はなれることがあるかも知しれない。そのとき、わたしは彼かれらの行おこないの悪わるいために、災わざわいを彼かれらに下くだそうとしたのを思おもいなおす。26:4 あなたは彼かれらに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわず、わたしがあなたがたの前まえに定さだめおいた律法りっぽうを行おこなわず、26:5 わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者よげんしゃの言葉ことばに聞きき従したがわないならば、(あなたがたは聞きき従したがわなかったが、)26:6 わたしはこの宮みやをシロのようにし、またこの町まちを地ちの万国ばんこくにのろわれるものとする』」。 26:7 祭司さいしと預言者よげんしゃおよびすべての民たみは、エレミヤが主しゅの宮みやでこれらの言葉ことばを語かたるのを聞きいた。26:8 エレミヤが主しゅに命めいじられたすべての言葉ことばを民たみに告つげ終おわった時とき、祭司さいしと預言者よげんしゃおよび民たみはみな彼かれを捕とらえて言いった、「あなたは死しななければならない。26:9 なぜあなたは主しゅの名なによって預言よげんし、この宮みやはシロのようになり、この町まちは荒あらされて住すむ人ひともなくなるであろうと言いったのか」と。民たみはみな主しゅの宮みやに集あつまってエレミヤを取とり囲かこんだ。 26:10 ユダのつかさたちはこの事ことを聞きいて王おうの宮殿きゅうでんを出でて主しゅの宮みやに上のぼり、主しゅの宮みやの「新あたらしい門もん」の入口いりぐちに座ざした。26:11 祭司さいしと預言者よげんしゃらは、つかさたちとすべての民たみに訴うったえて言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものです。あなたがたが自分じぶんの耳みみで聞きかれたように、この町まちに逆さからう預言よげんをしたのです」。 26:12 その時ときエレミヤは、つかさたちとすべての民たみに言いった、「主しゅはわたしをつかわし、この宮みやとこの町まちにむかって、預言よげんをさせられたので、そのすべての言葉ことばをあなたがたは聞きいた。26:13 それで、あなたがたは今いま、あなたがたの道みちと行おこないを改あらため、あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに聞きき従したがいなさい。そうするならば主しゅはあなたがたに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいなおされる。26:14 見みよ、わたしはあなたがたの手ての中なかにある。あなたがたの目めに、良よいと見みえ、正ただしいと思おもうことをわたしに行おこなうがよい。26:15 ただ明あきらかにこのことを知しっておきなさい。もしあなたがたがわたしを殺ころすならば、罪つみなき者ものの血ちはあなたがたの身みと、この町まちと、その住民じゅうみんとに帰きする。まことに主しゅがわたしをつかわして、このすべての言葉ことばをあなたがたの耳みみに、告つげさせられたからである」。 26:16 つかさたちと、すべての民たみとは、祭司さいしと預言者よげんしゃに言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものではない。われわれの神かみ、主しゅの名なによってわれわれに語かたったのである」。26:17 その時ときこの地ちの長老ちょうろうたち数人すうにんが立たって、そこに集あつまっているすべての者ものに告つげて言いった、26:18 「ユダの王おうヒゼキヤの世よに、モレシテびとミカはユダのすべての民たみに預言よげんして言いった、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、 シオンは畑はたけのように耕たがやされ、エルサレムは石塚いしづかとなり、宮みやの山やまは木きのおい茂しげる高たかい所ところとなる』。26:19 ユダの王おうヒゼキヤと、すべてのユダの人ひとは彼かれを殺ころそうとしたことがあろうか。ヒゼキヤは主しゅを恐おそれ、主しゅの恵めぐみを求もとめたので、主しゅは彼かれらに災わざわいを下くだすとお告つげになったのを思おもいなおされたではないか。しかし、われわれは、自分じぶんの身みに大おおきな災わざわいを招まねこうとしている」。 26:20 主しゅの名なによって預言よげんした人ひとがほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤの子こウリヤである。彼かれはエレミヤとおなじような言葉ことばをもって、この町まちとこの地ちにむかって預言よげんした。26:21 エホヤキム王おうと、そのすべての勇士ゆうしと、すべてのつかさたちはその言葉ことばを聞きいた。そして王おうは彼かれを殺ころそうと思おもったが、ウリヤはこれを聞きいて恐おそれ、エジプトに逃にげて行いったので、26:22 エホヤキム王おうは人ひとをエジプトにつかわした。すなわちアクボルの子こエルナタンと他たの数すう名めいの人ひとを、エジプトにつかわした。26:23 彼かれらはウリヤをエジプトから引ひき出だし、エホヤキム王おうのもとに連つれてきたので、王おうはつるぎをもって彼かれを殺ころし、その死体したいを共同きょうどう墓地ぼちに捨すてさせた。 26:24 しかしシャパンの子こアヒカムはエレミヤを助たすけ、民たみの手てに渡わたされて殺ころされることのないようにした。
17:1 「ユダの罪つみは、鉄てつの筆ふで、金剛石こんごうせきのとがりをもってしるされ、彼かれらの心こころの碑いしぶみと、祭壇さいだんの角つのに彫ほりつけられている。
17:2 彼かれらの子供こどもたちは青あお木きの下したと、高たかい丘おかの上うえ、野のの山やまの上うえにある祭壇さいだんとアシラのことを覚おぼえている。
17:3 わたしはあなたの富とみとすべての宝たからとを、あなたの全ぜん領域りょういきの内うちで犯おかした罪つみの代価だいかとして、ぶんどり物ものとならせる。
17:4 わたしがあなたに与あたえた嗣し業ぎょうからあなたは手てをはなすようになる。またわたしは、あなたの知しらない地ちで、あなたの敵てきに仕つかえさせる。わたしの怒いかりによって、火ひは点てんじられ、いつまでも燃もえ続つづけるからである」。
17:5 主しゅはこう言いわれる、 「おおよそ人ひとを頼たのみとし肉にくなる者ものを自分じぶんの腕うでとし、その心こころが主しゅを離はなれている人ひとは、のろわれる。
17:6 彼かれは荒野あらのに育そだつ小ちいさい木きのように、何なにも良よいことの来くるのを見みない。荒野あらのの、干上ひあがった所ところに住すみ、人ひとの住すまない塩しお地ちにいる。
17:7 おおよそ主しゅにたより、主しゅを頼たのみとする人ひとはさいわいである。
17:8 彼かれは水みずのほとりに植うえた木きのようで、その根ねを川かわにのばし、暑あつさにあっても恐おそれることはない。その葉はは常つねに青あおく、ひでりの年ねんにも憂うれえることなく、絶たえず実みを結むすぶ」。
17:9 心こころはよろずの物ものよりも偽いつわるもので、はなはだしく悪あくに染そまっている。だれがこれを、よく知しることができようか。
17:10 「主しゅであるわたしは心こころを探さぐり、思おもいを試こころみる。おのおのに、その道みちにしたがい、その行おこないの実みによって報むくいをするためである」。
17:11 しゃこが自分じぶんが産うんだのではない卵たまごを抱だくように、不正ふせいな財産ざいさんを得える者ものがある。その人ひとは一生いっしょうの半なかばにそれから離はなれて、その終おわりには愚おろかな者ものとなる。
17:12 初はじめから高たかくあげられた栄さかえあるみ座ざは、われわれの聖所せいじょのある所ところである。
17:13 またイスラエルの望のぞみである主しゅよ、あなたを捨すてる者ものはみな恥はじをかき、あなたを離はなれる者ものは土つちに名なをしるされます。それは生いける水みずの源みなもとである主しゅを捨すてたからです。
17:14 主しゅよ、わたしをいやしてください、そうすれば、わたしはいえます。わたしをお救すくいください、そうすれば、わたしは救すくわれます。あなたはわたしのほめたたえる者ものだからです。
17:15 彼かれらはわたしに言いいます、「主しゅの言葉ことばはどこにあるのか。今いま、それを出だして見みせよ」と。
17:16 悪あくをつかわされるようにとは、わたしはたって求もとめませんでした。また災わざわいの日ひを願ねがわなかったのを、あなたはごぞんじです。わたしのくちびるから出でたことは、み前まえにあります。
17:17 どうか、わたしを恐おそれさせないでください。災わざわいのときに、あなたはわたしののがれ場ばです。
17:18 わたしを攻せめ悩なやます者ものをはずかしめてください。しかしわたしをはずかしめないでください。彼かれらを恐おそれさせてください。しかしわたしを恐おそれさせないでください。災わざわいの日ひを彼かれらにきたらせ、滅ほろびを倍ばいにして彼かれらを滅ほろぼしてください。
17:19 主しゅはわたしにこう言いわれた、「行いって、ユダの王おうたちの出入でいりするベニヤミンの門もん、およびエルサレムのすべての門もんに立たって、
17:20 言いいなさい、『これらの門もんからはいるユダの王おうたち、およびユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての者ものよ、主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。
17:21 主しゅはこう言いわれる、命いのちが惜おしいならば気きをつけるがよい。安息日あんそくにちに荷にをたずさえ、またはそれを持もってエルサレムの門もんにはいってはならない。
17:22 また安息日あんそくにちにあなたがたの家いえから荷にを運はこび出だしてはならない。なんのわざをもしてはならない。わたしがあなたがたの先祖せんぞに命めいじたように安息日あんそくにちを聖別せいべつして守まもりなさい。
17:23 しかし彼かれらは従したがわず耳みみを傾かたむけず、聞きくことも、戒いましめをうけることをも強情ごうじょうに拒こばんだ。
17:24 主しゅは言いわれる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがい、安息日あんそくにちに荷にをたずさえてこの町まちの門もんにはいらず、安息日あんそくにちを聖別せいべつして、なんのわざをもしないならば、
17:25 ダビデの位くらいに座ざする王おうたち、つかさたち、ユダの人々ひとびと、エルサレムに住すむ者ものは、車くるまと馬うまに乗のってこの町まちの門もんからはいることができる。そしてこの町まちには長ながく人ひとが住すむようになる。
17:26 また人々ひとびとはユダの町々まちまちやエルサレムの周囲しゅうい、ベニヤミンの地ち、平地へいちと山地さんちおよびネゲブから来きて燔祭はんさい、犠牲ぎせい、素祭そさい、乳香にゅうこう、感謝祭かんしゃさいをたずさえて主しゅの家いえにはいる。
17:27 しかし、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわないで、安息日あんそくにちを聖別せいべつして守まもることをせず、安息日あんそくにちに荷にをたずさえてエルサレムの門もんにはいるならば、わたしは火ひをその門もんの中なかに燃もやして、エルサレムのもろもろの宮殿きゅうでんを焼やき滅ほろぼす。その火ひは消きえることがない』」。
第18章 18:1 主しゅからエレミヤに臨のぞんだ言葉ことば。18:2 「立たって、陶器とうき師しの家いえに下くだって行いきなさい。その所ところでわたしはあなたにわたしの言葉ことばを聞きかせよう」。18:3 わたしは陶器とうき師しの家いえへ下くだって行いった。見みると彼かれは、ろくろで仕事しごとをしていたが、18:4 粘土ねんどで造つくっていた器うつわが、その人ひとの手ての中なかで仕損しそんじたので、彼かれは自分じぶんの意いのままに、それをもってほかの器うつわを造つくった。 18:5 その時とき、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ、18:6 「主しゅは仰おおせられる、イスラエルの家いえよ、この陶器とうき師しがしたように、わたしもあなたがたにできないのだろうか。イスラエルの家いえよ、陶器とうき師しの手てに粘土ねんどがあるように、あなたがたはわたしの手てのうちにある。18:7 ある時ときには、わたしが民たみまたは国くにを抜ぬく、破やぶる、滅ほろぼすということがあるが、18:8 もしわたしの言いった国くにがその悪あくを離はなれるならば、わたしはこれに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいかえす。18:9 またある時ときには、わたしが民たみまたは国くにを建たてる、植うえるということがあるが、18:10 もしその国くにがわたしの目めに悪あくと見みえることを行おこない、わたしの声こえに聞きき従したがわないなら、わたしはこれに幸さいわいを与あたえようとしたことを思おもいかえす。18:11 それゆえ、ユダの人々ひとびととエルサレムに住すむ者ものに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしはあなたがたに災わざわいを下くだそうと工夫くふうし、あなたがたを攻せめる計はかりごとを立たてている。あなたがたはおのおのその悪あしき道みちを離はなれ、その道みちと行おこないを改あらためなさい』と。 18:12 しかし彼かれらは言いう、『それはむだです。われわれは自分じぶんの図はかるところに従したがい、おのおのその悪わるい強情ごうじょうな心こころにしたがって行動こうどうします』と。 18:13 それゆえ主しゅはこう言いわれる、異邦いほうの民たみのうちのある者ものに尋たずねてみよ、このような事ことを聞きいた者ものがあろうか。おとめイスラエルは恐おそろしい事ことをした。18:14 レバノンの雪ゆきが、どうしてシリオンの岩いわを離はなれようか。山やまの水みず、冷つめたい川かわの流ながれが、どうしてかわいてしまおうか。18:15 それなのにわが民たみはわたしを忘わすれて、偽いつわりの神々かみがみに香こうをたいている。彼かれらはその道みち、古ふるい道みちにつまずき、また小道こみちに入いり、大路おおじからはなれた。18:16 自分じぶんの地ちを荒あれすたれさせて、いつまでも人ひとに舌打したうちされるものとした。そこを通とおる人ひとはみな身震みぶるいして、首くびを振ふる。18:17 わたしは東風ひがしかぜのように、彼かれらをその敵てきの前まえに散ちらす。その滅ほろびの日ひには、わたしは彼かれらに背せを向むけ、顔かおを向むけない」。18:18 彼かれらは言いった、「さあ、計略けいりゃくをめぐらして、エレミヤを倒たおそう。祭司さいしには律法りっぽうがあり、知恵ちえある者ものには計はかりごとがあり、預言者よげんしゃには言葉ことばがあって、これらのものが滅ほろびてしまうことはない。さあ、われわれは舌したをもって彼かれを撃うとう。彼かれのすべての言葉ことばに、心こころを留とめないことにしよう」。18:19 主しゅよ、どうぞわたしにみ心こころを留とめ、わたしの訴うったえをお聞ききください。18:20 悪あくをもって善ぜんに報むくいるべきでしょうか。しかもなお彼かれらはわたしの命いのちを取とろうとして穴あなを掘ほりました。わたしがあなたの前まえに立たって、彼かれらのことを良よく言いい、あなたの憤いきどおりを止とめようとしたのを覚おぼえてください。18:21 それゆえ、彼かれらの子こどもたちをききんに渡わたし、彼かれらをつるぎの刃はに渡わたしてください。彼かれらの妻つまは子こを失うしない、また寡婦かふとなり、男おとこは疫病えきびょうにかかって死しに、若わかい者ものは、戦争せんそうでつるぎに殺ころされますように。18:22 あなたが敵てきをにわかに彼かれらに臨のぞませられるとき、彼かれらの家いえから叫さけび声ごえが聞きこえますように。彼かれらは穴あなを掘ほって、わたしを捕とらえようとし、わなをつくって、わたしの足あしを捕とらえようとしたからです。18:23 主しゅよ、あなたは彼かれらがわたしを殺ころすためにめぐらしている計略けいりゃくを皆みなごぞんじです。その悪あくをゆるすことなく、その罪つみをあなたの前まえから消けし去さらないでください。彼かれらをあなたの前まえに倒たおれさせてください。あなたのお怒いかりになる時ときに彼かれらを罰ばっしてください。 第19章 19:1 主しゅはこう言いわれる、「行いって、陶器とうき師しのびんを買かい、民たみの長老ちょうろうと年長ねんちょうの祭司さいしのうちの数人すうにんを伴ともなって、19:2 瀬戸せとかけの門もんの入口いりぐちにあるベンヒンノムの谷たにへ行いき、その所ところで、わたしがあなたに語かたる言葉ことばをのべて、19:3 言いいなさい、『ユダの王おうたち、およびエルサレムに住すむ者ものよ、主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは災わざわいをこの所ところに下くだす。おおよそ、その災わざわいのことを聞きくものの耳みみは両方りょうほうとも鳴なる。19:4 彼かれらがわたしを捨すて、この所ところを汚けがし、この所ところで、自分じぶんも先祖せんぞたちもユダの王おうたちも知しらなかった他たの神々かみがみに香こうをたき、かつ罪つみのない者ものの血ちを、この所ところに満みたしたからである。19:5 また彼かれらはバアルのために高たかき所ところを築きずき、火ひをもって自分じぶんの子こどもたちを焼やき、燔祭はんさいとしてバアルにささげた。これはわたしの命めいじたことではなく、定さだめたことでもなく、また思おもいもしなかったことである。19:6 主しゅは言いわれる、それゆえ、見みよ、この所ところをトペテまたはベンヒンノムの谷たにと呼よばないで、虐殺ぎゃくさつの谷たにと呼よぶ日ひがくる。19:7 またわたしはこの所ところでユダとエルサレムの計はかりごとを打うち破やぶり、つるぎをもって、彼かれらをその敵てきの前まえと、そのいのちを求もとめる者ものの手てに倒たおれさせ、またその死体したいを空そらの鳥とりと地ちの獣けものの食くい物ものとし、19:8 かつ、この町まちを荒あれすたれさせて、人ひとに舌打したうちされるものとする。そこを通とおる人ひとは皆みなそのもろもろの災わざわいを見みて身震みぶるいし、舌打したうちする。19:9 また彼かれらがその敵てきとその命いのちを求もとめる者ものとに囲かこまれて苦くるしみ悩なやむ時とき、わたしは彼かれらに自分じぶんのむすこの肉にく、娘むすめの肉にくを食たべさせる。彼かれらはまた互たがいにその友ともの肉にくを食たべるようになる』。 19:10 そこで、あなたは、一緒いっしょに行ゆく人々ひとびとの目めの前まえで、そのびんを砕くだき、19:11 そして彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、陶器とうき師しの器うつわをひとたび砕くだくならば、もはやもとのようにすることはできない。このようにわたしはこの民たみとこの町まちとを砕くだく。人々ひとびとはほかに葬ほうむるべき場所ばしょがないために、トペテに葬ほうむるであろう。19:12 主しゅは仰おおせられる、わたしはこの所ところと、ここに住すむ者ものとにこのようにし、この町まちをトペテのようにする。19:13 エルサレムの家いえとユダの王おうたちの家いえ、すなわち彼かれらがその屋上おくじょうで天てんの衆しゅう群ぐんに香こうをたき、ほかの神々かみがみに酒さけを注そそいだ家いえは、皆みなトペテの所ところのように汚けがされる』」。 19:14 エレミヤは主しゅが彼かれをつかわして預言よげんさせられたトペテから帰かえってきて、主しゅの家いえの庭にわに立たち、すべての民たみに言いった、19:15 「万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは、この町まちとそのすべての村々むらむらに、わたしの言いったもろもろの災わざわいを下くだす。彼かれらが強情ごうじょうで、わたしの言葉ことばに聞きき従したがおうとしないからである」。 第20章 20:1 さて祭司さいしインメルの子こで、主しゅの宮みやのつかさの長ちょうであったパシュルは、エレミヤがこれらの事ことを預言よげんするのを聞きいた。20:2 そしてパシュルは預言者よげんしゃエレミヤを打うち、主しゅの宮みやにある上うえのベニヤミンの門もんの足あしかせにつないだ。20:3 その翌日よくじつパシュルがエレミヤを足あしかせから解とき放はなした時とき、エレミヤは彼かれに言いった、「主しゅはあなたの名なをパシュルとは呼よばないで、『恐おそれが周囲しゅういにある』と呼よばれる。20:4 主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしはあなたを、あなた自身じしんとあなたのすべての友ともだちに恐おそれを起おこさせる者ものとする。彼かれらはあなたが見みている目めの前まえで敵てきのつるぎに倒たおれる。わたしはまたユダのすべての民たみをバビロン王おうの手てに渡わたす。彼かれは彼かれらを捕とらえてバビロンに移うつし、つるぎをもって殺ころす。20:5 わたしはまたこの町まちのすべての富とみと、その獲えたすべての物ものと、そのすべての貴重きちょうな物ものと、ユダの王おうたちのすべての宝物ほうもつをその敵てきの手てに渡わたす。彼かれらはこれをかすめ、民たみを捕とらえてバビロンに移うつす。20:6 パシュルよ、あなたと、あなたの家いえに住すむ者ものとはみな捕とらえ移うつされる。あなたはバビロンに行いって、その所ところで死しに、その所ところに葬ほうむられる。あなたも、あなたが偽いつわって預言よげんした言葉ことばに聞きき従したがった友とももみなそのようになる」。20:7 主しゅよ、あなたがわたしを欺あざむかれたので、わたしはその欺あざむきに従したがいました。あなたはわたしよりも強つよいので、わたしを説とき伏ふせられたのです。わたしは一日いちにち中ぢゅう、物笑ものわらいとなり、人ひとはみなわたしをあざけります。20:8 それは、わたしが語かたり、呼よばわるごとに、「暴虐ぼうぎゃく、滅亡めつぼう」と叫さけぶからです。主しゅの言葉ことばが一日いちにち中ぢゅう、わが身みのはずかしめと、あざけりになるからです。20:9 もしわたしが、「主しゅのことは、重かさねて言いわない、このうえその名なによって語かたる事ことはしない」と言いえば、主しゅの言葉ことばがわたしの心こころにあって、燃もえる火ひのわが骨ほねのうちに閉とじこめられているようで、それを押おさえるのに疲つかれはてて、耐たえることができません。20:10 多おおくの人ひとのささやくのを聞きくからです。恐おそれが四方しほうにあります。「告発こくはつせよ。さあ、彼かれを告発こくはつしよう」と言いって、わが親したしい友ともは皆みなわたしのつまずくのを、うかがっています。また、「彼かれは欺あざむかれるだろう。そのとき、われわれは彼かれに勝かって、あだを返かえすことができる」と言いいます。20:11 しかし主しゅは強つよい勇士ゆうしのようにわたしと共ともにおられる。それゆえ、わたしに迫せまりくる者ものはつまずき、わたしに打うち勝かつことはできない。彼かれらは、なし遂とげることができなくて、大おおいに恥はじをかく。その恥はじは、いつまでも忘わすれられることはない。20:12 正ただしき者ものを試こころみ、人ひとの心こころと思おもいを見みられる万軍ばんぐんの主しゅよ、あなたが彼かれらに、あだを返かえされるのを見みせてください。わたしはあなたに、わたしの訴うったえをお任まかせしたからです。 20:13 主しゅに向むかって歌うたい、主しゅをほめたたえよ。主しゅは貧まずしい者ものの命いのちを、悪人あくにんの手てから救すくわれたからである。 20:14 わたしの生うまれた日ひはのろわれよ。母ははがわたしを産うんだ日ひは祝福しゅくふくを受うけるな。20:15 わたしの父ちちに「男おとこの子こが、生うまれました」と告つげて、彼かれを大おおいに喜よろこばせた人ひとは、のろわれよ。20:16 その人ひとは、主しゅのあわれみを受うけることなく、滅ほろぼされた町まちのようになれ。朝あさには、彼かれに叫さけびを聞きかせ、昼ひるには戦たたかいの声こえを聞きかせよ。20:17 彼かれがわたしを胎内たいないで殺ころさず、わが母ははをわたしの墓場はかばとなさず、その胎たいをいつまでも大おおきくしなかったからである。20:18 なにゆえにわたしは胎内たいないを出でてきて、悩なやみと悲かなしみに会あい、恥はじを受うけて一生いっしょうを過すごすのか。 第21章 21:1 ゼデキヤ王おうは、マルキヤの子こパシュルと祭司さいしマアセヤの子こゼパニヤを、エレミヤのもとにつかわし、21:2 「バビロンの王おうネブカデレザルがわれわれを攻せめようとしているゆえ、われわれのために主しゅに尋たずねてほしい。主しゅはそのもろもろの不思議ふしぎなわざをもって、われわれを助たすけ、バビロンの王おうをわれわれから退しりぞかせられるかも知しれない」と言いわせた。その時とき、主しゅの言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。 21:3 エレミヤは彼かれらに答こたえて言いった、「あなたがたはゼデキヤにこのように言いいなさい、21:4 『イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、あなたがたが、この城壁じょうへきの外そとにあって、あなたがたを攻せめ囲かこむバビロンの王おうおよびカルデヤびとと戦たたかうとき、わたしはあなたがたの手てに持もっている武器ぶきをとりあげ、これを町まちの中なかに集あつめさせる。21:5 わたしは手てを伸のべ、強つよい腕うでをもって、怒いかり、憤いきどおり、激はげしく怒いかって、あなたがたを攻せめる。21:6 わたしはまたこの町まちに住すむ人ひとと獣けものとを撃うつ。彼かれらはみな重おもい疫病えきびょうにかかって死しぬ。21:7 主しゅは言いわれる、この後のち、わたしはユダの王おうゼデキヤとその家来けらいたち、および疫病えきびょうと、つるぎと、ききんを免まぬかれて、この町まちに残のこっている民たみを、バビロンの王おうネブカデレザルの手てと、その敵てきの手て、およびその命いのちを求もとめる者ものの手てに渡わたす。バビロンの王おうはつるぎの刃はにかけて彼かれらを撃うち、彼かれらを惜おしまず、顧かえりみず、またあわれむこともしない』。 21:8 あなたはまたこの民たみに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは命いのちの道みちと死しの道みちとをあなたがたの前まえに置おく。21:9 この町まちにとどまる者ものは、つるぎと、ききんと、疫病えきびょうとで死しぬ。しかし、出でて行いって、あなたがたを攻せめ囲かこんでいるカルデヤびとに降伏こうふくする者ものは死しを免まぬかれ、その命いのちは自分じぶんのぶんどり物ものとなる。21:10 主しゅは言いわれる、わたしがこの町まちに顔かおを向むけたのは幸さいわいを与あたえるためではなく、災わざわいを与あたえるためである。この町まちはバビロンの王おうの手てに渡わたされる。彼かれは火ひをもって、これを焼やき払はらう』。 21:11 またユダの王おうの家いえに言いいなさい、『主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。21:12 ダビデの家いえよ、主しゅはこう仰おおせられる、 朝あさごとに、正ただしいさばきを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとをしえたげる者ものの手てから救すくえ。そうしないと、あなたがたの悪わるい行おこないのために、わたしの怒いかりは火ひのように燃もえて、それを消けすことはできない』」。 21:13 「主しゅは言いわれる、谷たにに住すむ者ものよ、平原へいげんの岩いわよ、見みよ、わたしはあなたに敵てきする。あなたがたは言いう、『だれが下くだってきて、われわれを攻せめるものか、だれがわれわれのいる所ところに、はいるものか』と。21:14 わたしはあなたがたを、その行おこないの実みによって罰ばっする。またその林はやしに火ひをつけて、その周囲しゅういのものをみな焼やき尽つくすと、主しゅは言いわれる」。 第22章 22:1 主しゅはこう言いわれる、「ユダの王おうの家いえに下くだり、その所ところにこの言葉ことばをのべて、22:2 言いいなさい、『ダビデの位くらいにすわるユダの王おうよ、あなたと、あなたの家臣かしん、および、この門もんからはいるあなたの民たみは主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。22:3 主しゅはこう言いわれる、公平こうへいと正義せいぎを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとを、しえたげる者ものの手てから救すくい、異邦いほうの人ひと、孤児こじ、寡婦かふを悩なやまし、しえたげてはならない。またこの所ところに、罪つみなき者ものの血ちを流ながしてはならない。22:4 もしあなたがたがこの言葉ことばを真実しんじつに行おこなうならば、ダビデの位くらいにすわる王おうとその家臣かしん、およびその民たみは、車くるまと馬うまに乗のって、この家いえの門もんにはいることができる。22:5 しかしあなたがたがこの言葉ことばを聞きかないならば、わたしは自身じしんをさして誓ちかうが、この家いえは荒あれ地ちとなると、主しゅは言いわれる。22:6 主しゅはユダの王おうの家いえについてこう言いわれる、 あなたはわたしに対たいしてギレアデのようであり、レバノンの頂いただきのようである。しかし、わたしは必かならずあなたを荒あれ地ちにし、人ひとの住すまない町まちにする。22:7 わたしは滅ほろぼす者ものを設もうけて、あなたを攻せめさせる、彼かれらはおのおのその武器ぶきをとり、あなたの麗うるわしい香柏こうはくを切きり倒たおし、火ひに投なげ入いれる。22:8 多おおくの国くにの人ひとはこの町まちを過すぎ、互たがいに語かたって、「なぜ主しゅはこの大おおいなる町まちをこのようにされたのか」と言いうとき、22:9 人ひとは答こたえて、「これは彼かれらがその神かみ、主しゅの契約けいやくを捨すてて他たの神々かみがみを拝はいし、これに仕つかえたからである」と言いうであろう』」。22:10 死しんだ者もののために泣なくことなく、またそのために嘆なげいてはならない。捕とらえ移うつされてゆく者もののために、激はげしく泣なけ。彼かれはふたたび帰かえってきて、その故郷こきょうを見みることがないからである。22:11 ユダの王おうヨシヤの子こシャルムは父ちちヨシヤについで王おうとなったが、ついにこの所ところから出でて行いった。主しゅは彼かれについてこう言いわれる、「彼かれは再ふたたびここに帰かえらない。22:12 彼かれはその捕とらえ行いかれた所ところで死しに、再ふたたびこの地ちを見みない」。22:13 「不義ふぎをもってその家いえを建たて、不法ふほうをもってその高殿たかどのを造つくり、隣となり人びとを雇やとって何なにをも与あたえず、その賃金ちんぎんを払はらわない者ものはわざわいである。22:14 彼かれは言いう、『わたしは自分じぶんのために大おおきな家いえを建たて、広ひろい高殿たかどのを造つくろう』と。そしてこれがために窓まどを造つくり、香柏こうはくの鏡板かがみいたでおおい、それを朱しゅで塗ぬる。22:15 あなたは競きそって香柏こうはくを用もちいることによって、王おうであると思おもうのか。あなたの父ちちは食くい飲のみし、公平こうへいと正義せいぎを行おこなって、幸さいわいを得えたのではないか。22:16 彼かれは貧まずしい人ひとと乏とぼしい人ひとの訴うったえをただして、さいわいを得えた。こうすることがわたしを知しることではないかと主しゅは言いわれる。22:17 しかし、あなたは目めも心こころも、不正ふせいな利益りえきのためにのみ用もちい、罪つみなき者ものの血ちを流ながそうとし、圧制あっせいと暴虐ぼうぎゃくを行おこなおうとする」。22:18 それゆえ、主しゅはユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムについてこう言いわれる、 「人々ひとびとは『悲かなしいかな、わが兄あに』、『悲かなしいかな、わが姉あね』と言いって、彼かれのために嘆なげかない。また『悲かなしいかな、主君しゅくんよ』、『悲かなしいかな、陛下へいかよ』と言いって嘆なげかない。22:19 ろばが埋うめられるように、彼かれは葬ほうむられる。引ひかれて行いって、エルサレムの門もんの外そとに投なげ捨すてられる」。 22:20 「レバノンに登のぼって呼よばわり、バシャンにあなたの声こえをあげ、アバリムから呼よばわれ。あなたの愛あいする者ものがみな滅ほろぼされるからだ。22:21 あなたの栄さかえていた時とき、わたしはあなたに語かたったが『聞ききたくはない』と言いった。あなたがわたしの声こえに聞きき従したがわないことは、あなたの幼おさない時ときからの、ならわしであった。22:22 あなたの牧者ぼくしゃはみな、風かぜに追おい立たてられ、あなたの愛あいする者ものは捕とらえ移うつされる。その時とき、あなたは自分じぶんのもろもろの悪あくのために、恥はじ、うろたえる。22:23 レバノンに住すみ、香柏こうはくの中なかに巣すをつくっている者ものよ、子こを産うむ女おんなに臨のぞむ苦くるしみのような苦痛くつうがあなたに臨のぞむとき、あなたはどんなに嘆なげくことであろうか」。22:24 「主しゅは言いわれる、わたしは生いきている。ユダの王おうエホヤキムの子こコニヤが、わたしの右手みぎての指輪ゆびわであっても、わたしはあなたを抜ぬき取とる。22:25 あなたの命いのちを求もとめる者ものの手て、あなたがその顔かおを恐おそれる者ものの手て、すなわちバビロンの王おうネブカデレザルの手てと、カルデヤびとの手てにあなたを渡わたす。22:26 わたしは、あなたと、あなたを産うんだ母ははを、あなたがたの生うまれた国くにでない他たの国くにに追おいやる。あなたがたはそこで死しぬ。22:27 彼かれらが帰かえりたいとせつに願ねがう国くにに、彼かれらは再ふたたび帰かえることができない」。 22:28 この人ひとコニヤは卑いやしむべき、こわれたつぼであろうか、だれも心こころに留とめない器うつわであろうか。なぜ彼かれとその子孫しそんは追おいやられて、知しらない地ちに投なげやられるのか。22:29 ああ、地ちよ、地ちよ、地ちよ、主しゅの言葉ことばを聞きけよ。22:30 主しゅはこう言いわれる、「この人ひとを、子こなき人ひととして、またその一生いっしょうのうち、栄さかえることのない人ひととして記録きろくせよ。その子孫しそんのうち、ひとりも栄さかえて、ダビデの位くらいにすわり、ユダを治おさめるものが再ふたたび起おこらないからである」。 第23章 23:1 主しゅは言いわれる、「わが牧場まきばの羊ひつじを滅ほろぼし散ちらす牧者ぼくしゃはわざわいである」。23:2 それゆえイスラエルの神かみ、主しゅはわが民たみを養やしなう牧者ぼくしゃについてこう言いわれる、「あなたがたはわたしの群むれを散ちらし、これを追おいやって顧かえりみなかった。見みよ、わたしはあなたがたの悪あしき行おこないによってあなたがたに報むくいると、主しゅは言いわれる。23:3 わたしの群むれの残のこった者ものを、追おいやったすべての地ちから集あつめ、再ふたたびこれをそのおりに帰かえらせよう。彼かれらは子こを産うんでその数かずが多おおくなる。23:4 わたしはこれを養やしなう牧者ぼくしゃをその上うえに立たてる、彼かれらは再ふたたび恐おそれることなく、またおののくことなく、いなくなることもないと、主しゅは言いわれる。 23:5 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしがダビデのために一つの正ただしい枝えだを起おこす日ひがくる。彼かれは王おうとなって世よを治おさめ、栄さかえて、公平こうへいと正義せいぎを世よに行おこなう。23:6 その日ひユダは救すくいを得え、イスラエルは安やすらかにおる。その名なは『主しゅはわれわれの正義せいぎ』ととなえられる。 23:7 主しゅは言いわれる、それゆえ見みよ、人々ひとびとは『イスラエルの民たみをエジプトの地ちから導みちびき出だされた主しゅは生いきておられる』とまた言いわないで、23:8 『イスラエルの家いえの子孫しそんを北きたの地ちと、そのすべて追おいやられた地ちから導みちびき出だされた神かみは生いきておられる』という日ひがくる。その時とき、彼かれらは自分じぶんの地ちに住すんでいる」。 23:9 預言者よげんしゃたちについて。 わが心こころはわたしのうちに破やぶれ、わが骨ほねはみな震ふるう。主しゅとその聖せいなる言葉ことばのために、わたしは酔よっている人ひとのよう、酒さけに打うち負まかされた人ひとのようである。23:10 この地ちに姦淫かんいんを行おこなうものが満みちているからだ。のろいによって地ちは嘆なげき、荒野あらのの牧場まきばはかわく。彼かれらの道みちは悪わるく、その力ちからは正ただしくない。23:11 「預言者よげんしゃと祭司さいしとは共ともに神かみを汚けがす者ものである。わたしの家いえにおいてすら彼かれらの悪あくを見みたと、主しゅは言いわれる。23:12 それゆえ、彼かれらの道みちは、おのずから暗黒あんこくの中なかにあるなめらかな道みちのようになり、彼かれらは押おされてその道みちに倒たおれる。わたしが彼かれらの罰ばっせられる年としに、災わざわいをその上うえに臨のぞませるからであると、主しゅは言いわれる。23:13 わたしはサマリヤの預言者よげんしゃのうちに不快ふかいな事ことのあるのを見みた。彼かれらはバアルによって預言よげんし、わが民たみイスラエルを惑まどわした。23:14 しかしエルサレムの預言者よげんしゃのうちには、恐おそろしい事ことのあるのを見みた。彼かれらは姦淫かんいんを行おこない、偽いつわりに歩あゆみ、悪人あくにんの手てを強つよくし、人ひとをその悪あくから離はなれさせない。彼かれらはみなわたしにはソドムのようであり、その民たみはゴモラのようである」。23:15 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅは預言者よげんしゃについてこう言いわれる、「見みよ、わたしは彼かれらに、にがよもぎを食たべさせ、毒どくの水みずを飲のませる。神かみを汚けがすことがエルサレムの預言者よげんしゃから出でて、全ぜん地ちに及およんでいるからである」。23:16 万軍ばんぐんの主しゅはこう言いわれる、「あなたがたに預言よげんする預言者よげんしゃの言葉ことばを聞きいてはならない。彼かれらはあなたがたに、むなしい望のぞみをいだかせ、主しゅの口くちから出でたのでない、自分じぶんの心こころの黙示もくしを語かたるのである。23:17 彼かれらは主しゅの言葉ことばを軽かるんじる者ものに向むかって絶たえず、『あなたがたは平安へいあんを得える』と言いい、また自分じぶんの強情ごうじょうな心こころにしたがって歩あゆむすべての人ひとに向むかって、『あなたがたに災わざわいはこない』と言いう」。23:18 彼かれらのうちだれか主しゅの議会ぎかいに立たって、その言葉ことばを見聞みききした者ものがあろうか。だれか耳みみを傾かたむけてその言葉ことばを聞きいた者ものがあろうか。23:19 見みよ、主しゅの暴風ぼうふうがくる。憤いきどおりと、つむじ風かぜが出でて、悪人あくにんのこうべをうつ。23:20 主しゅの怒いかりは、み心こころに思おもい定さだめられたことをなし遂とげられるまで退しりぞくことはない。末すえの日ひにあなたがたはそれを明あきらかに悟さとる。 23:21 預言者よげんしゃたちはわたしがつかわさなかったのに、彼かれらは走はしった。わたしが、彼かれらに告つげなかったのに、彼かれらは預言よげんした。23:22 もし彼かれらがわたしの議会ぎかいに立たったのであれば、わたしの民たみにわが言葉ことばを告つげ示しめして、その悪わるい道みちと悪わるい行おこないから、離はなれさせたであろうに。23:23 「主しゅは言いわれる、わたしはただ近ちかくの神かみであって、遠とおくの神かみではないのであるか。23:24 主しゅは言いわれる、人ひとは、ひそかな所ところに身みを隠かくして、わたしに見みられないようにすることができようか。主しゅは言いわれる、わたしは天てんと地ちとに満みちているではないか。23:25 わが名なによって偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちが、『わたしは夢ゆめを見みた、わたしは夢ゆめを見みた』と言いうのを聞きいた。23:26 偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちの心こころに、いつまで偽いつわりがあるのであるか。彼かれらはその心こころの欺あざむきを預言よげんする。23:27 彼かれらはその先祖せんぞがバアルに従したがってわが名なを忘わすれたように、互たがいに夢ゆめを語かたって、わたしの民たみにわが名なを忘わすれさせようとする。23:28 夢ゆめをみた預言者よげんしゃは夢ゆめを語かたるがよい。しかし、わたしの言葉ことばを受うけた者ものは誠実せいじつにわたしの言葉ことばを語かたらなければならない。わらと麦むぎとをくらべることができようかと、主しゅは言いわれる。23:29 主しゅは仰おおせられる、わたしの言葉ことばは火ひのようではないか。また岩いわを打うち砕くだく鎚つちのようではないか。23:30 それゆえ見みよ、わたしはわたしの言葉ことばを互たがいに盗ぬすむ預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:31 見みよ、わたしは、『主しゅは言いいたもう』と舌したをもって語かたる預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:32 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしは偽いつわりの夢ゆめを預言よげんする者ものの敵てきとなる。彼かれらはそれを語かたり、またその偽いつわりと大言たいげんをもってわたしの民たみを惑まどわす。わたしが彼かれらをつかわしたのではなく、また彼かれらに命めいじたのでもない。それで彼かれらはこの民たみにすこしも益えきにならないと、主しゅは言いわれる。 23:33 この民たみのひとり、または預言者よげんしゃ、または祭司さいしがあなたに、『主しゅの重荷おもにはなんですか』と問とうならば、彼かれらに答こたえなさい、『あなたがたがその重荷おもにです。そして主しゅは、あなたがたを捨すてると言いっておられます』と。23:34 そして、『主しゅの重荷おもに』と言いうその預言者よげんしゃ、祭司さいし、または民たみのひとりを、その家族かぞくと共ともにわたしは罰ばっする。23:35 あなたがたは、みな互たがいに、隣となり人びとに、また兄弟きょうだいに、こう言いわなければならない、『主しゅはなんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:36 しかし重かさねて『主しゅの重荷おもに』と言いってはならない。重荷おもには人ひとおのおのの自分じぶんの言葉ことばだからである。あなたがたは生いける神かみ、万軍ばんぐんの主しゅなるわれわれの神かみの言葉ことばを曲まげる者ものである。23:37 あなたは預言者よげんしゃにこう言いわなければならない、『主しゅはあなたになんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:38 もしあなたがたが『主しゅの重荷おもに』と言いうならば、主しゅはこう仰おおせられる、『わたしが人ひとをあなたがたにつかわして、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」と言いってはならないと言いわせたのに、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」という言葉ことばを言いったので、23:39 わたしは必かならずあなたがたを捕とらえ移うつさせ、あなたがたとあなたがたの先祖せんぞとに与あたえたこの町まちと、あなたがたとを、わたしの前まえから捨すて去さる。23:40 そして、忘わすれられることのない永遠えいえんのはずかしめと永遠えいえんの恥はじを、あなたがたにこうむらせる』」。 第24章 24:1 バビロンの王おうネブカデレザルがユダの王おうエホヤキムの子こエコニヤおよびユダの君きみたちと工匠こうしょうと鍛冶かじをエルサレムからバビロンに移うつして後のち、主しゅはわたしにこの幻まぼろしをお示しめしになった。見みよ、主しゅの宮みやの前まえに置おかれているいちじくを盛もった二つのかごがあった。24:2 その一つのかごには、はじめて熟じゅくしたような非常ひじょうに良よいいちじくがあり、ほかのかごには非常ひじょうに悪わるくて食たべられないほどの悪わるいいちじくが入いれてあった。24:3 主しゅはわたしに、「エレミヤよ、何なにを見みるか」と言いわれた。わたしは、「いちじくです。その良よいいちじくは非常ひじょうによく、悪わるいほうのいちじくは非常ひじょうに悪わるくて、食たべられません」と答こたえた。 24:4 主しゅの言葉ことばがまたわたしに臨のぞんだ、24:5 「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、この所ところからカルデヤびとの地ちに追おいやったユダの捕とらわれ人びとを、わたしはこの良よいいちじくのように顧かえりみて恵めぐもう。24:6 わたしは彼かれらに目めをかけてこれを恵めぐみ、彼かれらをこの地ちに返かえし、彼かれらを建たてて倒たおさず、植うえて抜ぬかない。24:7 わたしは彼かれらにわたしが主しゅであることを知しる心こころを与あたえよう。彼かれらはわたしの民たみとなり、わたしは彼かれらの神かみとなる。彼かれらは一心いっしんにわたしのもとに帰かえってくる。 24:8 主しゅはこう仰おおせられる、わたしはユダの王おうゼデキヤとそのつかさたち、およびエルサレムの人ひとの残のこってこの地ちにいる者もの、ならびにエジプトの地ちに住すんでいる者ものを、この悪わるくて食たべられない悪わるいいちじくのようにしよう。24:9 わたしは彼かれらを地ちのもろもろの国くにで、忌いみきらわれるものとし、またわたしの追おいやるすべての所ところで、はずかしめに会あわせ、ことわざとなり、あざけりと、のろいに会あわせる。24:10 わたしはつるぎと、ききんと、疫病えきびょうを彼かれらのうちに送おくって、ついに彼かれらをわたしが彼かれらとその先祖せんぞとに与あたえた地ちから絶たえさせる」。 第25章 25:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムの四年ねん(バビロンの王おうネブカデレザルの元年がんねん)にユダのすべての民たみについての言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。25:2 預言者よげんしゃエレミヤはこの言葉ことばをユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての人ひとに告つげて言いった、25:3 「ユダの王おうアモンの子こヨシヤの十三年ねんから今日こんにちにいたるまで二十三年ねんの間あいだ、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ。わたしはたゆまずにそれをあなたがたに語かたってきたが、あなたがたは聞きかなかった。25:4 主しゅはたゆまず、そのしもべである預言者よげんしゃを、あなたがたにつかわされたが、あなたがたは聞きかずまた耳みみを傾かたむけて聞きこうともしなかった。25:5 彼かれらは言いった、『あなたがたはおのおの今いまその悪あくの道みちと悪わるい行おこないを捨すてなさい。そうすれば主しゅが昔むかしからあなたがたと先祖せんぞたちとに与あたえられた地ちに永遠えいえんに住すむことができる。25:6 あなたがたは、ほかの神かみに従したがって、それに仕つかえ、それを拝おがんではならない。あなたがたの手てで作つくったものをもって、わたしを怒いからせてはならない。このようなことをしないなら、わたしはあなたがたをそこなうことはない』と。25:7 しかしあなたがたはわたしに聞きき従したがわず、あなたがたの手てで作つくった物ものをもって、わたしを怒いからせて自みずから害がいを招まねいたと、主しゅは言いわれる。 25:8 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたがわたしの言葉ことばに聞きき従したがわないゆえ、25:9 見みよ、わたしは北きたの方ほうのすべての種族しゅぞくと、わたしのしもべであるバビロンの王おうネブカデレザルを呼よび寄よせて、この地ちとその民たみと、そのまわりの国々くにぐにを攻せめ滅ほろぼさせ、これを忌いみきらわれるものとし、人ひとの笑わらいものとし、永遠えいえんのはずかしめとすると、主しゅは言いわれる。25:10 またわたしは喜よろこびの声こえ、楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえ、花嫁はなよめの声こえ、ひきうすの音おと、ともしびの光ひかりを彼かれらの中なかに絶たえさせる。25:11 この地ちはみな滅ほろぼされて荒あれ地ちとなる。そしてその国々くにぐには七十年ねんの間あいだバビロンの王おうに仕つかえる。25:12 主しゅは言いわれる、七十年ねんの終おわった後のちに、わたしはバビロンの王おうと、その民たみと、カルデヤびとの地ちを、その罪つみのために罰ばっし、永遠えいえんの荒あれ地ちとする。25:13 わたしはあの地ちについて、わたしが語かたったすべての言葉ことばをその上うえに臨のぞませる。これはエレミヤが、万国ばんこくのことについて預言よげんしたものであって、みなこの書しょにしるされている。25:14 多おおくの国々くにぐにと偉大いだいな王おうたちとは、彼かれらをさえ奴隷どれいとして仕つかえさせる。わたしは彼かれらの行おこないと、その手てのわざに従したがって報むくいる」。 25:15 イスラエルの神かみ、主しゅはわたしにこう仰おおせられた、「わたしの手てから、この怒いかりの杯さかずきを受うけて、わたしがあなたをつかわす国々くにぐにの民たみに飲のませなさい。25:16 彼かれらは飲のんで、よろめき狂くるう。これはわたしが彼かれらのうちに、つるぎをつかわそうとしているからである」。 25:17 こうしてわたしは主しゅの手てから杯さかずきを受うけ、主しゅがわたしをつかわされた国々くにぐにの民たみに飲のませた。25:18 すなわちエルサレムとユダのすべての町まちと、その王おうたちおよびそのつかさたちに飲のませて、それらを滅ほろぼし、荒あれ地ちとし、人ひとの笑わらいものとし、のろわれるものとした。今日こんにちのとおりである。25:19 またエジプトの王おうパロとその家来けらいたち、その君きみたち、そのすべての民たみと、25:20 もろもろの寄留きりゅうの異邦人いほうじん、およびウズの地ちのすべての王おうたち、およびペリシテびとの地ちのすべての王おうたち、(アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの残のこりの者もの)、25:21 エドム、モアブ、アンモンの子孫しそん、25:22 ツロのすべての王おうたち、シドンのすべての王おうたち、海うみのかなたの海沿うみぞいの地ちの王おうたち、25:23 デダン、テマ、ブズおよびすべて髪かみの毛けのすみずみをそる者もの、25:24 アラビヤのすべての王おうたち、荒野あらのの雑種ざっしゅの民たみのすべての王おうたち、25:25 ジムリのすべての王おうたち、エラムのすべての王おうたち、メデアのすべての王おうたち、25:26 北きたのすべての王おうたちの遠とおき者もの、近ちかき者ものもつぎつぎに、またすべて地ちのおもてにある世よの国々くにぐにの王おうたちもこの杯さかずきを飲のむ。そして彼かれらの次つぎにバビロンの王おうもこれを飲のむ。 25:27 「それであなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、飲のめ、酔よって吐はけ、倒たおれて再ふたたび立たつな、わたしがあなたがたのうちに、つるぎをつかわすからである』」。 25:28 「もし彼かれらがあなたの手てから杯さかずきを受うけて飲のむことをしないならば、あなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたは必かならず飲のまなければならない。25:29 見みよ、わたしの名なをもって呼よばれるこの町まちにさえ災わざわいを下くだすのだ。どうしてあなたがたが罰ばつを免まぬかれることができようか。あなたがたは罰ばつを免まぬかれることはできない。わたしがつるぎを呼よび寄よせて、地ちに住すむすべての者ものを攻せめるからであると、万軍ばんぐんの主しゅは仰おおせられる』。 25:30 それゆえ、あなたは彼かれらにこのすべての言葉ことばを預言よげんして言いいなさい、 『主しゅは高たかい所ところから呼よばわり、その聖せいなるすまいから声こえを出だし、自分じぶんのすみかに向むかって大おおいに呼よばわり、地ちに住すむすべての者ものに向むかってぶどうを踏ふむ者もののように叫さけばれる。25:31 叫さけびは地ちの果はてにまで響ひびきわたる。主しゅが国々くにぐにと争あらそい、すべての肉にくなる者ものをさばき、悪人あくにんをつるぎに渡わたすからであると、主しゅは言いわれる』。25:32 万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、国くにから国くにへ災わざわいが出でて行いく。大おおきなあらしが地ちの果はてからおこる。25:33 その日ひ、主しゅに殺ころされる人々ひとびとは、地ちのこの果はてから、かの果はてに及およぶ。彼かれらは悲かなしまれず、集あつめられず、また葬ほうむられずに、地ちのおもてに糞土ふんどとなる。 25:34 牧者ぼくしゃよ、嘆なげき叫さけべ、群むれのかしらたちよ、灰はいの中なかにまろべ。あなたがたのほふられる日ひ、散ちらされる日ひが来きたからだ。あなたがたは選えらび分わけられた雄羊おひつじのように倒たおれる。25:35 牧者ぼくしゃには、のがれ場ばなく、群むれのかしらたちは逃にげる所ところがない。25:36 牧者ぼくしゃの叫さけび声ごえと、群むれのかしらたちの嘆なげきの声こえが聞きこえる。主しゅが彼かれらの牧場まきばを滅ほろぼしておられるからだ。25:37 主しゅの激はげしい怒いかりによって、平和へいわな牧場まきばは荒あれていく。25:38 ししのように彼かれはその巣すを出でた。主しゅのつるぎと、その激はげしい怒いかりによって、彼かれらの地ちは荒あれ地ちとなった」。 第26章 26:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムが世よを治おさめた初はじめのころ、主しゅからこの言葉ことばがあった、26:2 「主しゅはこう仰おおせられる、主しゅの宮みやの庭にわに立たち、わたしがあなたに命めいじて言いわせるすべての言葉ことばを、主しゅの宮みやで礼れい拝はいするために来きているユダの町々まちまちの人々ひとびとに告つげなさい。ひと言ことをも言いい残のこしておいてはならない。26:3 彼かれらが聞きいて、おのおのその悪わるい道みちを離はなれることがあるかも知しれない。そのとき、わたしは彼かれらの行おこないの悪わるいために、災わざわいを彼かれらに下くだそうとしたのを思おもいなおす。26:4 あなたは彼かれらに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわず、わたしがあなたがたの前まえに定さだめおいた律法りっぽうを行おこなわず、26:5 わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者よげんしゃの言葉ことばに聞きき従したがわないならば、(あなたがたは聞きき従したがわなかったが、)26:6 わたしはこの宮みやをシロのようにし、またこの町まちを地ちの万国ばんこくにのろわれるものとする』」。 26:7 祭司さいしと預言者よげんしゃおよびすべての民たみは、エレミヤが主しゅの宮みやでこれらの言葉ことばを語かたるのを聞きいた。26:8 エレミヤが主しゅに命めいじられたすべての言葉ことばを民たみに告つげ終おわった時とき、祭司さいしと預言者よげんしゃおよび民たみはみな彼かれを捕とらえて言いった、「あなたは死しななければならない。26:9 なぜあなたは主しゅの名なによって預言よげんし、この宮みやはシロのようになり、この町まちは荒あらされて住すむ人ひともなくなるであろうと言いったのか」と。民たみはみな主しゅの宮みやに集あつまってエレミヤを取とり囲かこんだ。 26:10 ユダのつかさたちはこの事ことを聞きいて王おうの宮殿きゅうでんを出でて主しゅの宮みやに上のぼり、主しゅの宮みやの「新あたらしい門もん」の入口いりぐちに座ざした。26:11 祭司さいしと預言者よげんしゃらは、つかさたちとすべての民たみに訴うったえて言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものです。あなたがたが自分じぶんの耳みみで聞きかれたように、この町まちに逆さからう預言よげんをしたのです」。 26:12 その時ときエレミヤは、つかさたちとすべての民たみに言いった、「主しゅはわたしをつかわし、この宮みやとこの町まちにむかって、預言よげんをさせられたので、そのすべての言葉ことばをあなたがたは聞きいた。26:13 それで、あなたがたは今いま、あなたがたの道みちと行おこないを改あらため、あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに聞きき従したがいなさい。そうするならば主しゅはあなたがたに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいなおされる。26:14 見みよ、わたしはあなたがたの手ての中なかにある。あなたがたの目めに、良よいと見みえ、正ただしいと思おもうことをわたしに行おこなうがよい。26:15 ただ明あきらかにこのことを知しっておきなさい。もしあなたがたがわたしを殺ころすならば、罪つみなき者ものの血ちはあなたがたの身みと、この町まちと、その住民じゅうみんとに帰きする。まことに主しゅがわたしをつかわして、このすべての言葉ことばをあなたがたの耳みみに、告つげさせられたからである」。 26:16 つかさたちと、すべての民たみとは、祭司さいしと預言者よげんしゃに言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものではない。われわれの神かみ、主しゅの名なによってわれわれに語かたったのである」。26:17 その時ときこの地ちの長老ちょうろうたち数人すうにんが立たって、そこに集あつまっているすべての者ものに告つげて言いった、26:18 「ユダの王おうヒゼキヤの世よに、モレシテびとミカはユダのすべての民たみに預言よげんして言いった、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、 シオンは畑はたけのように耕たがやされ、エルサレムは石塚いしづかとなり、宮みやの山やまは木きのおい茂しげる高たかい所ところとなる』。26:19 ユダの王おうヒゼキヤと、すべてのユダの人ひとは彼かれを殺ころそうとしたことがあろうか。ヒゼキヤは主しゅを恐おそれ、主しゅの恵めぐみを求もとめたので、主しゅは彼かれらに災わざわいを下くだすとお告つげになったのを思おもいなおされたではないか。しかし、われわれは、自分じぶんの身みに大おおきな災わざわいを招まねこうとしている」。 26:20 主しゅの名なによって預言よげんした人ひとがほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤの子こウリヤである。彼かれはエレミヤとおなじような言葉ことばをもって、この町まちとこの地ちにむかって預言よげんした。26:21 エホヤキム王おうと、そのすべての勇士ゆうしと、すべてのつかさたちはその言葉ことばを聞きいた。そして王おうは彼かれを殺ころそうと思おもったが、ウリヤはこれを聞きいて恐おそれ、エジプトに逃にげて行いったので、26:22 エホヤキム王おうは人ひとをエジプトにつかわした。すなわちアクボルの子こエルナタンと他たの数すう名めいの人ひとを、エジプトにつかわした。26:23 彼かれらはウリヤをエジプトから引ひき出だし、エホヤキム王おうのもとに連つれてきたので、王おうはつるぎをもって彼かれを殺ころし、その死体したいを共同きょうどう墓地ぼちに捨すてさせた。 26:24 しかしシャパンの子こアヒカムはエレミヤを助たすけ、民たみの手てに渡わたされて殺ころされることのないようにした。
18:1 主しゅからエレミヤに臨のぞんだ言葉ことば。
18:2 「立たって、陶器とうき師しの家いえに下くだって行いきなさい。その所ところでわたしはあなたにわたしの言葉ことばを聞きかせよう」。
18:3 わたしは陶器とうき師しの家いえへ下くだって行いった。見みると彼かれは、ろくろで仕事しごとをしていたが、
18:4 粘土ねんどで造つくっていた器うつわが、その人ひとの手ての中なかで仕損しそんじたので、彼かれは自分じぶんの意いのままに、それをもってほかの器うつわを造つくった。
18:5 その時とき、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ、
18:6 「主しゅは仰おおせられる、イスラエルの家いえよ、この陶器とうき師しがしたように、わたしもあなたがたにできないのだろうか。イスラエルの家いえよ、陶器とうき師しの手てに粘土ねんどがあるように、あなたがたはわたしの手てのうちにある。
18:7 ある時ときには、わたしが民たみまたは国くにを抜ぬく、破やぶる、滅ほろぼすということがあるが、
18:8 もしわたしの言いった国くにがその悪あくを離はなれるならば、わたしはこれに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいかえす。
18:9 またある時ときには、わたしが民たみまたは国くにを建たてる、植うえるということがあるが、
18:10 もしその国くにがわたしの目めに悪あくと見みえることを行おこない、わたしの声こえに聞きき従したがわないなら、わたしはこれに幸さいわいを与あたえようとしたことを思おもいかえす。
18:11 それゆえ、ユダの人々ひとびととエルサレムに住すむ者ものに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしはあなたがたに災わざわいを下くだそうと工夫くふうし、あなたがたを攻せめる計はかりごとを立たてている。あなたがたはおのおのその悪あしき道みちを離はなれ、その道みちと行おこないを改あらためなさい』と。
18:12 しかし彼かれらは言いう、『それはむだです。われわれは自分じぶんの図はかるところに従したがい、おのおのその悪わるい強情ごうじょうな心こころにしたがって行動こうどうします』と。
18:13 それゆえ主しゅはこう言いわれる、異邦いほうの民たみのうちのある者ものに尋たずねてみよ、このような事ことを聞きいた者ものがあろうか。おとめイスラエルは恐おそろしい事ことをした。
18:14 レバノンの雪ゆきが、どうしてシリオンの岩いわを離はなれようか。山やまの水みず、冷つめたい川かわの流ながれが、どうしてかわいてしまおうか。
18:15 それなのにわが民たみはわたしを忘わすれて、偽いつわりの神々かみがみに香こうをたいている。彼かれらはその道みち、古ふるい道みちにつまずき、また小道こみちに入いり、大路おおじからはなれた。
18:16 自分じぶんの地ちを荒あれすたれさせて、いつまでも人ひとに舌打したうちされるものとした。そこを通とおる人ひとはみな身震みぶるいして、首くびを振ふる。
18:17 わたしは東風ひがしかぜのように、彼かれらをその敵てきの前まえに散ちらす。その滅ほろびの日ひには、わたしは彼かれらに背せを向むけ、顔かおを向むけない」。
18:18 彼かれらは言いった、「さあ、計略けいりゃくをめぐらして、エレミヤを倒たおそう。祭司さいしには律法りっぽうがあり、知恵ちえある者ものには計はかりごとがあり、預言者よげんしゃには言葉ことばがあって、これらのものが滅ほろびてしまうことはない。さあ、われわれは舌したをもって彼かれを撃うとう。彼かれのすべての言葉ことばに、心こころを留とめないことにしよう」。
18:19 主しゅよ、どうぞわたしにみ心こころを留とめ、わたしの訴うったえをお聞ききください。
18:20 悪あくをもって善ぜんに報むくいるべきでしょうか。しかもなお彼かれらはわたしの命いのちを取とろうとして穴あなを掘ほりました。わたしがあなたの前まえに立たって、彼かれらのことを良よく言いい、あなたの憤いきどおりを止とめようとしたのを覚おぼえてください。
18:21 それゆえ、彼かれらの子こどもたちをききんに渡わたし、彼かれらをつるぎの刃はに渡わたしてください。彼かれらの妻つまは子こを失うしない、また寡婦かふとなり、男おとこは疫病えきびょうにかかって死しに、若わかい者ものは、戦争せんそうでつるぎに殺ころされますように。
18:22 あなたが敵てきをにわかに彼かれらに臨のぞませられるとき、彼かれらの家いえから叫さけび声ごえが聞きこえますように。彼かれらは穴あなを掘ほって、わたしを捕とらえようとし、わなをつくって、わたしの足あしを捕とらえようとしたからです。
18:23 主しゅよ、あなたは彼かれらがわたしを殺ころすためにめぐらしている計略けいりゃくを皆みなごぞんじです。その悪あくをゆるすことなく、その罪つみをあなたの前まえから消けし去さらないでください。彼かれらをあなたの前まえに倒たおれさせてください。あなたのお怒いかりになる時ときに彼かれらを罰ばっしてください。
第19章 19:1 主しゅはこう言いわれる、「行いって、陶器とうき師しのびんを買かい、民たみの長老ちょうろうと年長ねんちょうの祭司さいしのうちの数人すうにんを伴ともなって、19:2 瀬戸せとかけの門もんの入口いりぐちにあるベンヒンノムの谷たにへ行いき、その所ところで、わたしがあなたに語かたる言葉ことばをのべて、19:3 言いいなさい、『ユダの王おうたち、およびエルサレムに住すむ者ものよ、主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは災わざわいをこの所ところに下くだす。おおよそ、その災わざわいのことを聞きくものの耳みみは両方りょうほうとも鳴なる。19:4 彼かれらがわたしを捨すて、この所ところを汚けがし、この所ところで、自分じぶんも先祖せんぞたちもユダの王おうたちも知しらなかった他たの神々かみがみに香こうをたき、かつ罪つみのない者ものの血ちを、この所ところに満みたしたからである。19:5 また彼かれらはバアルのために高たかき所ところを築きずき、火ひをもって自分じぶんの子こどもたちを焼やき、燔祭はんさいとしてバアルにささげた。これはわたしの命めいじたことではなく、定さだめたことでもなく、また思おもいもしなかったことである。19:6 主しゅは言いわれる、それゆえ、見みよ、この所ところをトペテまたはベンヒンノムの谷たにと呼よばないで、虐殺ぎゃくさつの谷たにと呼よぶ日ひがくる。19:7 またわたしはこの所ところでユダとエルサレムの計はかりごとを打うち破やぶり、つるぎをもって、彼かれらをその敵てきの前まえと、そのいのちを求もとめる者ものの手てに倒たおれさせ、またその死体したいを空そらの鳥とりと地ちの獣けものの食くい物ものとし、19:8 かつ、この町まちを荒あれすたれさせて、人ひとに舌打したうちされるものとする。そこを通とおる人ひとは皆みなそのもろもろの災わざわいを見みて身震みぶるいし、舌打したうちする。19:9 また彼かれらがその敵てきとその命いのちを求もとめる者ものとに囲かこまれて苦くるしみ悩なやむ時とき、わたしは彼かれらに自分じぶんのむすこの肉にく、娘むすめの肉にくを食たべさせる。彼かれらはまた互たがいにその友ともの肉にくを食たべるようになる』。 19:10 そこで、あなたは、一緒いっしょに行ゆく人々ひとびとの目めの前まえで、そのびんを砕くだき、19:11 そして彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、陶器とうき師しの器うつわをひとたび砕くだくならば、もはやもとのようにすることはできない。このようにわたしはこの民たみとこの町まちとを砕くだく。人々ひとびとはほかに葬ほうむるべき場所ばしょがないために、トペテに葬ほうむるであろう。19:12 主しゅは仰おおせられる、わたしはこの所ところと、ここに住すむ者ものとにこのようにし、この町まちをトペテのようにする。19:13 エルサレムの家いえとユダの王おうたちの家いえ、すなわち彼かれらがその屋上おくじょうで天てんの衆しゅう群ぐんに香こうをたき、ほかの神々かみがみに酒さけを注そそいだ家いえは、皆みなトペテの所ところのように汚けがされる』」。 19:14 エレミヤは主しゅが彼かれをつかわして預言よげんさせられたトペテから帰かえってきて、主しゅの家いえの庭にわに立たち、すべての民たみに言いった、19:15 「万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは、この町まちとそのすべての村々むらむらに、わたしの言いったもろもろの災わざわいを下くだす。彼かれらが強情ごうじょうで、わたしの言葉ことばに聞きき従したがおうとしないからである」。 第20章 20:1 さて祭司さいしインメルの子こで、主しゅの宮みやのつかさの長ちょうであったパシュルは、エレミヤがこれらの事ことを預言よげんするのを聞きいた。20:2 そしてパシュルは預言者よげんしゃエレミヤを打うち、主しゅの宮みやにある上うえのベニヤミンの門もんの足あしかせにつないだ。20:3 その翌日よくじつパシュルがエレミヤを足あしかせから解とき放はなした時とき、エレミヤは彼かれに言いった、「主しゅはあなたの名なをパシュルとは呼よばないで、『恐おそれが周囲しゅういにある』と呼よばれる。20:4 主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしはあなたを、あなた自身じしんとあなたのすべての友ともだちに恐おそれを起おこさせる者ものとする。彼かれらはあなたが見みている目めの前まえで敵てきのつるぎに倒たおれる。わたしはまたユダのすべての民たみをバビロン王おうの手てに渡わたす。彼かれは彼かれらを捕とらえてバビロンに移うつし、つるぎをもって殺ころす。20:5 わたしはまたこの町まちのすべての富とみと、その獲えたすべての物ものと、そのすべての貴重きちょうな物ものと、ユダの王おうたちのすべての宝物ほうもつをその敵てきの手てに渡わたす。彼かれらはこれをかすめ、民たみを捕とらえてバビロンに移うつす。20:6 パシュルよ、あなたと、あなたの家いえに住すむ者ものとはみな捕とらえ移うつされる。あなたはバビロンに行いって、その所ところで死しに、その所ところに葬ほうむられる。あなたも、あなたが偽いつわって預言よげんした言葉ことばに聞きき従したがった友とももみなそのようになる」。20:7 主しゅよ、あなたがわたしを欺あざむかれたので、わたしはその欺あざむきに従したがいました。あなたはわたしよりも強つよいので、わたしを説とき伏ふせられたのです。わたしは一日いちにち中ぢゅう、物笑ものわらいとなり、人ひとはみなわたしをあざけります。20:8 それは、わたしが語かたり、呼よばわるごとに、「暴虐ぼうぎゃく、滅亡めつぼう」と叫さけぶからです。主しゅの言葉ことばが一日いちにち中ぢゅう、わが身みのはずかしめと、あざけりになるからです。20:9 もしわたしが、「主しゅのことは、重かさねて言いわない、このうえその名なによって語かたる事ことはしない」と言いえば、主しゅの言葉ことばがわたしの心こころにあって、燃もえる火ひのわが骨ほねのうちに閉とじこめられているようで、それを押おさえるのに疲つかれはてて、耐たえることができません。20:10 多おおくの人ひとのささやくのを聞きくからです。恐おそれが四方しほうにあります。「告発こくはつせよ。さあ、彼かれを告発こくはつしよう」と言いって、わが親したしい友ともは皆みなわたしのつまずくのを、うかがっています。また、「彼かれは欺あざむかれるだろう。そのとき、われわれは彼かれに勝かって、あだを返かえすことができる」と言いいます。20:11 しかし主しゅは強つよい勇士ゆうしのようにわたしと共ともにおられる。それゆえ、わたしに迫せまりくる者ものはつまずき、わたしに打うち勝かつことはできない。彼かれらは、なし遂とげることができなくて、大おおいに恥はじをかく。その恥はじは、いつまでも忘わすれられることはない。20:12 正ただしき者ものを試こころみ、人ひとの心こころと思おもいを見みられる万軍ばんぐんの主しゅよ、あなたが彼かれらに、あだを返かえされるのを見みせてください。わたしはあなたに、わたしの訴うったえをお任まかせしたからです。 20:13 主しゅに向むかって歌うたい、主しゅをほめたたえよ。主しゅは貧まずしい者ものの命いのちを、悪人あくにんの手てから救すくわれたからである。 20:14 わたしの生うまれた日ひはのろわれよ。母ははがわたしを産うんだ日ひは祝福しゅくふくを受うけるな。20:15 わたしの父ちちに「男おとこの子こが、生うまれました」と告つげて、彼かれを大おおいに喜よろこばせた人ひとは、のろわれよ。20:16 その人ひとは、主しゅのあわれみを受うけることなく、滅ほろぼされた町まちのようになれ。朝あさには、彼かれに叫さけびを聞きかせ、昼ひるには戦たたかいの声こえを聞きかせよ。20:17 彼かれがわたしを胎内たいないで殺ころさず、わが母ははをわたしの墓場はかばとなさず、その胎たいをいつまでも大おおきくしなかったからである。20:18 なにゆえにわたしは胎内たいないを出でてきて、悩なやみと悲かなしみに会あい、恥はじを受うけて一生いっしょうを過すごすのか。 第21章 21:1 ゼデキヤ王おうは、マルキヤの子こパシュルと祭司さいしマアセヤの子こゼパニヤを、エレミヤのもとにつかわし、21:2 「バビロンの王おうネブカデレザルがわれわれを攻せめようとしているゆえ、われわれのために主しゅに尋たずねてほしい。主しゅはそのもろもろの不思議ふしぎなわざをもって、われわれを助たすけ、バビロンの王おうをわれわれから退しりぞかせられるかも知しれない」と言いわせた。その時とき、主しゅの言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。 21:3 エレミヤは彼かれらに答こたえて言いった、「あなたがたはゼデキヤにこのように言いいなさい、21:4 『イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、あなたがたが、この城壁じょうへきの外そとにあって、あなたがたを攻せめ囲かこむバビロンの王おうおよびカルデヤびとと戦たたかうとき、わたしはあなたがたの手てに持もっている武器ぶきをとりあげ、これを町まちの中なかに集あつめさせる。21:5 わたしは手てを伸のべ、強つよい腕うでをもって、怒いかり、憤いきどおり、激はげしく怒いかって、あなたがたを攻せめる。21:6 わたしはまたこの町まちに住すむ人ひとと獣けものとを撃うつ。彼かれらはみな重おもい疫病えきびょうにかかって死しぬ。21:7 主しゅは言いわれる、この後のち、わたしはユダの王おうゼデキヤとその家来けらいたち、および疫病えきびょうと、つるぎと、ききんを免まぬかれて、この町まちに残のこっている民たみを、バビロンの王おうネブカデレザルの手てと、その敵てきの手て、およびその命いのちを求もとめる者ものの手てに渡わたす。バビロンの王おうはつるぎの刃はにかけて彼かれらを撃うち、彼かれらを惜おしまず、顧かえりみず、またあわれむこともしない』。 21:8 あなたはまたこの民たみに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは命いのちの道みちと死しの道みちとをあなたがたの前まえに置おく。21:9 この町まちにとどまる者ものは、つるぎと、ききんと、疫病えきびょうとで死しぬ。しかし、出でて行いって、あなたがたを攻せめ囲かこんでいるカルデヤびとに降伏こうふくする者ものは死しを免まぬかれ、その命いのちは自分じぶんのぶんどり物ものとなる。21:10 主しゅは言いわれる、わたしがこの町まちに顔かおを向むけたのは幸さいわいを与あたえるためではなく、災わざわいを与あたえるためである。この町まちはバビロンの王おうの手てに渡わたされる。彼かれは火ひをもって、これを焼やき払はらう』。 21:11 またユダの王おうの家いえに言いいなさい、『主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。21:12 ダビデの家いえよ、主しゅはこう仰おおせられる、 朝あさごとに、正ただしいさばきを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとをしえたげる者ものの手てから救すくえ。そうしないと、あなたがたの悪わるい行おこないのために、わたしの怒いかりは火ひのように燃もえて、それを消けすことはできない』」。 21:13 「主しゅは言いわれる、谷たにに住すむ者ものよ、平原へいげんの岩いわよ、見みよ、わたしはあなたに敵てきする。あなたがたは言いう、『だれが下くだってきて、われわれを攻せめるものか、だれがわれわれのいる所ところに、はいるものか』と。21:14 わたしはあなたがたを、その行おこないの実みによって罰ばっする。またその林はやしに火ひをつけて、その周囲しゅういのものをみな焼やき尽つくすと、主しゅは言いわれる」。 第22章 22:1 主しゅはこう言いわれる、「ユダの王おうの家いえに下くだり、その所ところにこの言葉ことばをのべて、22:2 言いいなさい、『ダビデの位くらいにすわるユダの王おうよ、あなたと、あなたの家臣かしん、および、この門もんからはいるあなたの民たみは主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。22:3 主しゅはこう言いわれる、公平こうへいと正義せいぎを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとを、しえたげる者ものの手てから救すくい、異邦いほうの人ひと、孤児こじ、寡婦かふを悩なやまし、しえたげてはならない。またこの所ところに、罪つみなき者ものの血ちを流ながしてはならない。22:4 もしあなたがたがこの言葉ことばを真実しんじつに行おこなうならば、ダビデの位くらいにすわる王おうとその家臣かしん、およびその民たみは、車くるまと馬うまに乗のって、この家いえの門もんにはいることができる。22:5 しかしあなたがたがこの言葉ことばを聞きかないならば、わたしは自身じしんをさして誓ちかうが、この家いえは荒あれ地ちとなると、主しゅは言いわれる。22:6 主しゅはユダの王おうの家いえについてこう言いわれる、 あなたはわたしに対たいしてギレアデのようであり、レバノンの頂いただきのようである。しかし、わたしは必かならずあなたを荒あれ地ちにし、人ひとの住すまない町まちにする。22:7 わたしは滅ほろぼす者ものを設もうけて、あなたを攻せめさせる、彼かれらはおのおのその武器ぶきをとり、あなたの麗うるわしい香柏こうはくを切きり倒たおし、火ひに投なげ入いれる。22:8 多おおくの国くにの人ひとはこの町まちを過すぎ、互たがいに語かたって、「なぜ主しゅはこの大おおいなる町まちをこのようにされたのか」と言いうとき、22:9 人ひとは答こたえて、「これは彼かれらがその神かみ、主しゅの契約けいやくを捨すてて他たの神々かみがみを拝はいし、これに仕つかえたからである」と言いうであろう』」。22:10 死しんだ者もののために泣なくことなく、またそのために嘆なげいてはならない。捕とらえ移うつされてゆく者もののために、激はげしく泣なけ。彼かれはふたたび帰かえってきて、その故郷こきょうを見みることがないからである。22:11 ユダの王おうヨシヤの子こシャルムは父ちちヨシヤについで王おうとなったが、ついにこの所ところから出でて行いった。主しゅは彼かれについてこう言いわれる、「彼かれは再ふたたびここに帰かえらない。22:12 彼かれはその捕とらえ行いかれた所ところで死しに、再ふたたびこの地ちを見みない」。22:13 「不義ふぎをもってその家いえを建たて、不法ふほうをもってその高殿たかどのを造つくり、隣となり人びとを雇やとって何なにをも与あたえず、その賃金ちんぎんを払はらわない者ものはわざわいである。22:14 彼かれは言いう、『わたしは自分じぶんのために大おおきな家いえを建たて、広ひろい高殿たかどのを造つくろう』と。そしてこれがために窓まどを造つくり、香柏こうはくの鏡板かがみいたでおおい、それを朱しゅで塗ぬる。22:15 あなたは競きそって香柏こうはくを用もちいることによって、王おうであると思おもうのか。あなたの父ちちは食くい飲のみし、公平こうへいと正義せいぎを行おこなって、幸さいわいを得えたのではないか。22:16 彼かれは貧まずしい人ひとと乏とぼしい人ひとの訴うったえをただして、さいわいを得えた。こうすることがわたしを知しることではないかと主しゅは言いわれる。22:17 しかし、あなたは目めも心こころも、不正ふせいな利益りえきのためにのみ用もちい、罪つみなき者ものの血ちを流ながそうとし、圧制あっせいと暴虐ぼうぎゃくを行おこなおうとする」。22:18 それゆえ、主しゅはユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムについてこう言いわれる、 「人々ひとびとは『悲かなしいかな、わが兄あに』、『悲かなしいかな、わが姉あね』と言いって、彼かれのために嘆なげかない。また『悲かなしいかな、主君しゅくんよ』、『悲かなしいかな、陛下へいかよ』と言いって嘆なげかない。22:19 ろばが埋うめられるように、彼かれは葬ほうむられる。引ひかれて行いって、エルサレムの門もんの外そとに投なげ捨すてられる」。 22:20 「レバノンに登のぼって呼よばわり、バシャンにあなたの声こえをあげ、アバリムから呼よばわれ。あなたの愛あいする者ものがみな滅ほろぼされるからだ。22:21 あなたの栄さかえていた時とき、わたしはあなたに語かたったが『聞ききたくはない』と言いった。あなたがわたしの声こえに聞きき従したがわないことは、あなたの幼おさない時ときからの、ならわしであった。22:22 あなたの牧者ぼくしゃはみな、風かぜに追おい立たてられ、あなたの愛あいする者ものは捕とらえ移うつされる。その時とき、あなたは自分じぶんのもろもろの悪あくのために、恥はじ、うろたえる。22:23 レバノンに住すみ、香柏こうはくの中なかに巣すをつくっている者ものよ、子こを産うむ女おんなに臨のぞむ苦くるしみのような苦痛くつうがあなたに臨のぞむとき、あなたはどんなに嘆なげくことであろうか」。22:24 「主しゅは言いわれる、わたしは生いきている。ユダの王おうエホヤキムの子こコニヤが、わたしの右手みぎての指輪ゆびわであっても、わたしはあなたを抜ぬき取とる。22:25 あなたの命いのちを求もとめる者ものの手て、あなたがその顔かおを恐おそれる者ものの手て、すなわちバビロンの王おうネブカデレザルの手てと、カルデヤびとの手てにあなたを渡わたす。22:26 わたしは、あなたと、あなたを産うんだ母ははを、あなたがたの生うまれた国くにでない他たの国くにに追おいやる。あなたがたはそこで死しぬ。22:27 彼かれらが帰かえりたいとせつに願ねがう国くにに、彼かれらは再ふたたび帰かえることができない」。 22:28 この人ひとコニヤは卑いやしむべき、こわれたつぼであろうか、だれも心こころに留とめない器うつわであろうか。なぜ彼かれとその子孫しそんは追おいやられて、知しらない地ちに投なげやられるのか。22:29 ああ、地ちよ、地ちよ、地ちよ、主しゅの言葉ことばを聞きけよ。22:30 主しゅはこう言いわれる、「この人ひとを、子こなき人ひととして、またその一生いっしょうのうち、栄さかえることのない人ひととして記録きろくせよ。その子孫しそんのうち、ひとりも栄さかえて、ダビデの位くらいにすわり、ユダを治おさめるものが再ふたたび起おこらないからである」。 第23章 23:1 主しゅは言いわれる、「わが牧場まきばの羊ひつじを滅ほろぼし散ちらす牧者ぼくしゃはわざわいである」。23:2 それゆえイスラエルの神かみ、主しゅはわが民たみを養やしなう牧者ぼくしゃについてこう言いわれる、「あなたがたはわたしの群むれを散ちらし、これを追おいやって顧かえりみなかった。見みよ、わたしはあなたがたの悪あしき行おこないによってあなたがたに報むくいると、主しゅは言いわれる。23:3 わたしの群むれの残のこった者ものを、追おいやったすべての地ちから集あつめ、再ふたたびこれをそのおりに帰かえらせよう。彼かれらは子こを産うんでその数かずが多おおくなる。23:4 わたしはこれを養やしなう牧者ぼくしゃをその上うえに立たてる、彼かれらは再ふたたび恐おそれることなく、またおののくことなく、いなくなることもないと、主しゅは言いわれる。 23:5 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしがダビデのために一つの正ただしい枝えだを起おこす日ひがくる。彼かれは王おうとなって世よを治おさめ、栄さかえて、公平こうへいと正義せいぎを世よに行おこなう。23:6 その日ひユダは救すくいを得え、イスラエルは安やすらかにおる。その名なは『主しゅはわれわれの正義せいぎ』ととなえられる。 23:7 主しゅは言いわれる、それゆえ見みよ、人々ひとびとは『イスラエルの民たみをエジプトの地ちから導みちびき出だされた主しゅは生いきておられる』とまた言いわないで、23:8 『イスラエルの家いえの子孫しそんを北きたの地ちと、そのすべて追おいやられた地ちから導みちびき出だされた神かみは生いきておられる』という日ひがくる。その時とき、彼かれらは自分じぶんの地ちに住すんでいる」。 23:9 預言者よげんしゃたちについて。 わが心こころはわたしのうちに破やぶれ、わが骨ほねはみな震ふるう。主しゅとその聖せいなる言葉ことばのために、わたしは酔よっている人ひとのよう、酒さけに打うち負まかされた人ひとのようである。23:10 この地ちに姦淫かんいんを行おこなうものが満みちているからだ。のろいによって地ちは嘆なげき、荒野あらのの牧場まきばはかわく。彼かれらの道みちは悪わるく、その力ちからは正ただしくない。23:11 「預言者よげんしゃと祭司さいしとは共ともに神かみを汚けがす者ものである。わたしの家いえにおいてすら彼かれらの悪あくを見みたと、主しゅは言いわれる。23:12 それゆえ、彼かれらの道みちは、おのずから暗黒あんこくの中なかにあるなめらかな道みちのようになり、彼かれらは押おされてその道みちに倒たおれる。わたしが彼かれらの罰ばっせられる年としに、災わざわいをその上うえに臨のぞませるからであると、主しゅは言いわれる。23:13 わたしはサマリヤの預言者よげんしゃのうちに不快ふかいな事ことのあるのを見みた。彼かれらはバアルによって預言よげんし、わが民たみイスラエルを惑まどわした。23:14 しかしエルサレムの預言者よげんしゃのうちには、恐おそろしい事ことのあるのを見みた。彼かれらは姦淫かんいんを行おこない、偽いつわりに歩あゆみ、悪人あくにんの手てを強つよくし、人ひとをその悪あくから離はなれさせない。彼かれらはみなわたしにはソドムのようであり、その民たみはゴモラのようである」。23:15 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅは預言者よげんしゃについてこう言いわれる、「見みよ、わたしは彼かれらに、にがよもぎを食たべさせ、毒どくの水みずを飲のませる。神かみを汚けがすことがエルサレムの預言者よげんしゃから出でて、全ぜん地ちに及およんでいるからである」。23:16 万軍ばんぐんの主しゅはこう言いわれる、「あなたがたに預言よげんする預言者よげんしゃの言葉ことばを聞きいてはならない。彼かれらはあなたがたに、むなしい望のぞみをいだかせ、主しゅの口くちから出でたのでない、自分じぶんの心こころの黙示もくしを語かたるのである。23:17 彼かれらは主しゅの言葉ことばを軽かるんじる者ものに向むかって絶たえず、『あなたがたは平安へいあんを得える』と言いい、また自分じぶんの強情ごうじょうな心こころにしたがって歩あゆむすべての人ひとに向むかって、『あなたがたに災わざわいはこない』と言いう」。23:18 彼かれらのうちだれか主しゅの議会ぎかいに立たって、その言葉ことばを見聞みききした者ものがあろうか。だれか耳みみを傾かたむけてその言葉ことばを聞きいた者ものがあろうか。23:19 見みよ、主しゅの暴風ぼうふうがくる。憤いきどおりと、つむじ風かぜが出でて、悪人あくにんのこうべをうつ。23:20 主しゅの怒いかりは、み心こころに思おもい定さだめられたことをなし遂とげられるまで退しりぞくことはない。末すえの日ひにあなたがたはそれを明あきらかに悟さとる。 23:21 預言者よげんしゃたちはわたしがつかわさなかったのに、彼かれらは走はしった。わたしが、彼かれらに告つげなかったのに、彼かれらは預言よげんした。23:22 もし彼かれらがわたしの議会ぎかいに立たったのであれば、わたしの民たみにわが言葉ことばを告つげ示しめして、その悪わるい道みちと悪わるい行おこないから、離はなれさせたであろうに。23:23 「主しゅは言いわれる、わたしはただ近ちかくの神かみであって、遠とおくの神かみではないのであるか。23:24 主しゅは言いわれる、人ひとは、ひそかな所ところに身みを隠かくして、わたしに見みられないようにすることができようか。主しゅは言いわれる、わたしは天てんと地ちとに満みちているではないか。23:25 わが名なによって偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちが、『わたしは夢ゆめを見みた、わたしは夢ゆめを見みた』と言いうのを聞きいた。23:26 偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちの心こころに、いつまで偽いつわりがあるのであるか。彼かれらはその心こころの欺あざむきを預言よげんする。23:27 彼かれらはその先祖せんぞがバアルに従したがってわが名なを忘わすれたように、互たがいに夢ゆめを語かたって、わたしの民たみにわが名なを忘わすれさせようとする。23:28 夢ゆめをみた預言者よげんしゃは夢ゆめを語かたるがよい。しかし、わたしの言葉ことばを受うけた者ものは誠実せいじつにわたしの言葉ことばを語かたらなければならない。わらと麦むぎとをくらべることができようかと、主しゅは言いわれる。23:29 主しゅは仰おおせられる、わたしの言葉ことばは火ひのようではないか。また岩いわを打うち砕くだく鎚つちのようではないか。23:30 それゆえ見みよ、わたしはわたしの言葉ことばを互たがいに盗ぬすむ預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:31 見みよ、わたしは、『主しゅは言いいたもう』と舌したをもって語かたる預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:32 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしは偽いつわりの夢ゆめを預言よげんする者ものの敵てきとなる。彼かれらはそれを語かたり、またその偽いつわりと大言たいげんをもってわたしの民たみを惑まどわす。わたしが彼かれらをつかわしたのではなく、また彼かれらに命めいじたのでもない。それで彼かれらはこの民たみにすこしも益えきにならないと、主しゅは言いわれる。 23:33 この民たみのひとり、または預言者よげんしゃ、または祭司さいしがあなたに、『主しゅの重荷おもにはなんですか』と問とうならば、彼かれらに答こたえなさい、『あなたがたがその重荷おもにです。そして主しゅは、あなたがたを捨すてると言いっておられます』と。23:34 そして、『主しゅの重荷おもに』と言いうその預言者よげんしゃ、祭司さいし、または民たみのひとりを、その家族かぞくと共ともにわたしは罰ばっする。23:35 あなたがたは、みな互たがいに、隣となり人びとに、また兄弟きょうだいに、こう言いわなければならない、『主しゅはなんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:36 しかし重かさねて『主しゅの重荷おもに』と言いってはならない。重荷おもには人ひとおのおのの自分じぶんの言葉ことばだからである。あなたがたは生いける神かみ、万軍ばんぐんの主しゅなるわれわれの神かみの言葉ことばを曲まげる者ものである。23:37 あなたは預言者よげんしゃにこう言いわなければならない、『主しゅはあなたになんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:38 もしあなたがたが『主しゅの重荷おもに』と言いうならば、主しゅはこう仰おおせられる、『わたしが人ひとをあなたがたにつかわして、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」と言いってはならないと言いわせたのに、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」という言葉ことばを言いったので、23:39 わたしは必かならずあなたがたを捕とらえ移うつさせ、あなたがたとあなたがたの先祖せんぞとに与あたえたこの町まちと、あなたがたとを、わたしの前まえから捨すて去さる。23:40 そして、忘わすれられることのない永遠えいえんのはずかしめと永遠えいえんの恥はじを、あなたがたにこうむらせる』」。 第24章 24:1 バビロンの王おうネブカデレザルがユダの王おうエホヤキムの子こエコニヤおよびユダの君きみたちと工匠こうしょうと鍛冶かじをエルサレムからバビロンに移うつして後のち、主しゅはわたしにこの幻まぼろしをお示しめしになった。見みよ、主しゅの宮みやの前まえに置おかれているいちじくを盛もった二つのかごがあった。24:2 その一つのかごには、はじめて熟じゅくしたような非常ひじょうに良よいいちじくがあり、ほかのかごには非常ひじょうに悪わるくて食たべられないほどの悪わるいいちじくが入いれてあった。24:3 主しゅはわたしに、「エレミヤよ、何なにを見みるか」と言いわれた。わたしは、「いちじくです。その良よいいちじくは非常ひじょうによく、悪わるいほうのいちじくは非常ひじょうに悪わるくて、食たべられません」と答こたえた。 24:4 主しゅの言葉ことばがまたわたしに臨のぞんだ、24:5 「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、この所ところからカルデヤびとの地ちに追おいやったユダの捕とらわれ人びとを、わたしはこの良よいいちじくのように顧かえりみて恵めぐもう。24:6 わたしは彼かれらに目めをかけてこれを恵めぐみ、彼かれらをこの地ちに返かえし、彼かれらを建たてて倒たおさず、植うえて抜ぬかない。24:7 わたしは彼かれらにわたしが主しゅであることを知しる心こころを与あたえよう。彼かれらはわたしの民たみとなり、わたしは彼かれらの神かみとなる。彼かれらは一心いっしんにわたしのもとに帰かえってくる。 24:8 主しゅはこう仰おおせられる、わたしはユダの王おうゼデキヤとそのつかさたち、およびエルサレムの人ひとの残のこってこの地ちにいる者もの、ならびにエジプトの地ちに住すんでいる者ものを、この悪わるくて食たべられない悪わるいいちじくのようにしよう。24:9 わたしは彼かれらを地ちのもろもろの国くにで、忌いみきらわれるものとし、またわたしの追おいやるすべての所ところで、はずかしめに会あわせ、ことわざとなり、あざけりと、のろいに会あわせる。24:10 わたしはつるぎと、ききんと、疫病えきびょうを彼かれらのうちに送おくって、ついに彼かれらをわたしが彼かれらとその先祖せんぞとに与あたえた地ちから絶たえさせる」。 第25章 25:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムの四年ねん(バビロンの王おうネブカデレザルの元年がんねん)にユダのすべての民たみについての言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。25:2 預言者よげんしゃエレミヤはこの言葉ことばをユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての人ひとに告つげて言いった、25:3 「ユダの王おうアモンの子こヨシヤの十三年ねんから今日こんにちにいたるまで二十三年ねんの間あいだ、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ。わたしはたゆまずにそれをあなたがたに語かたってきたが、あなたがたは聞きかなかった。25:4 主しゅはたゆまず、そのしもべである預言者よげんしゃを、あなたがたにつかわされたが、あなたがたは聞きかずまた耳みみを傾かたむけて聞きこうともしなかった。25:5 彼かれらは言いった、『あなたがたはおのおの今いまその悪あくの道みちと悪わるい行おこないを捨すてなさい。そうすれば主しゅが昔むかしからあなたがたと先祖せんぞたちとに与あたえられた地ちに永遠えいえんに住すむことができる。25:6 あなたがたは、ほかの神かみに従したがって、それに仕つかえ、それを拝おがんではならない。あなたがたの手てで作つくったものをもって、わたしを怒いからせてはならない。このようなことをしないなら、わたしはあなたがたをそこなうことはない』と。25:7 しかしあなたがたはわたしに聞きき従したがわず、あなたがたの手てで作つくった物ものをもって、わたしを怒いからせて自みずから害がいを招まねいたと、主しゅは言いわれる。 25:8 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたがわたしの言葉ことばに聞きき従したがわないゆえ、25:9 見みよ、わたしは北きたの方ほうのすべての種族しゅぞくと、わたしのしもべであるバビロンの王おうネブカデレザルを呼よび寄よせて、この地ちとその民たみと、そのまわりの国々くにぐにを攻せめ滅ほろぼさせ、これを忌いみきらわれるものとし、人ひとの笑わらいものとし、永遠えいえんのはずかしめとすると、主しゅは言いわれる。25:10 またわたしは喜よろこびの声こえ、楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえ、花嫁はなよめの声こえ、ひきうすの音おと、ともしびの光ひかりを彼かれらの中なかに絶たえさせる。25:11 この地ちはみな滅ほろぼされて荒あれ地ちとなる。そしてその国々くにぐには七十年ねんの間あいだバビロンの王おうに仕つかえる。25:12 主しゅは言いわれる、七十年ねんの終おわった後のちに、わたしはバビロンの王おうと、その民たみと、カルデヤびとの地ちを、その罪つみのために罰ばっし、永遠えいえんの荒あれ地ちとする。25:13 わたしはあの地ちについて、わたしが語かたったすべての言葉ことばをその上うえに臨のぞませる。これはエレミヤが、万国ばんこくのことについて預言よげんしたものであって、みなこの書しょにしるされている。25:14 多おおくの国々くにぐにと偉大いだいな王おうたちとは、彼かれらをさえ奴隷どれいとして仕つかえさせる。わたしは彼かれらの行おこないと、その手てのわざに従したがって報むくいる」。 25:15 イスラエルの神かみ、主しゅはわたしにこう仰おおせられた、「わたしの手てから、この怒いかりの杯さかずきを受うけて、わたしがあなたをつかわす国々くにぐにの民たみに飲のませなさい。25:16 彼かれらは飲のんで、よろめき狂くるう。これはわたしが彼かれらのうちに、つるぎをつかわそうとしているからである」。 25:17 こうしてわたしは主しゅの手てから杯さかずきを受うけ、主しゅがわたしをつかわされた国々くにぐにの民たみに飲のませた。25:18 すなわちエルサレムとユダのすべての町まちと、その王おうたちおよびそのつかさたちに飲のませて、それらを滅ほろぼし、荒あれ地ちとし、人ひとの笑わらいものとし、のろわれるものとした。今日こんにちのとおりである。25:19 またエジプトの王おうパロとその家来けらいたち、その君きみたち、そのすべての民たみと、25:20 もろもろの寄留きりゅうの異邦人いほうじん、およびウズの地ちのすべての王おうたち、およびペリシテびとの地ちのすべての王おうたち、(アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの残のこりの者もの)、25:21 エドム、モアブ、アンモンの子孫しそん、25:22 ツロのすべての王おうたち、シドンのすべての王おうたち、海うみのかなたの海沿うみぞいの地ちの王おうたち、25:23 デダン、テマ、ブズおよびすべて髪かみの毛けのすみずみをそる者もの、25:24 アラビヤのすべての王おうたち、荒野あらのの雑種ざっしゅの民たみのすべての王おうたち、25:25 ジムリのすべての王おうたち、エラムのすべての王おうたち、メデアのすべての王おうたち、25:26 北きたのすべての王おうたちの遠とおき者もの、近ちかき者ものもつぎつぎに、またすべて地ちのおもてにある世よの国々くにぐにの王おうたちもこの杯さかずきを飲のむ。そして彼かれらの次つぎにバビロンの王おうもこれを飲のむ。 25:27 「それであなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、飲のめ、酔よって吐はけ、倒たおれて再ふたたび立たつな、わたしがあなたがたのうちに、つるぎをつかわすからである』」。 25:28 「もし彼かれらがあなたの手てから杯さかずきを受うけて飲のむことをしないならば、あなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたは必かならず飲のまなければならない。25:29 見みよ、わたしの名なをもって呼よばれるこの町まちにさえ災わざわいを下くだすのだ。どうしてあなたがたが罰ばつを免まぬかれることができようか。あなたがたは罰ばつを免まぬかれることはできない。わたしがつるぎを呼よび寄よせて、地ちに住すむすべての者ものを攻せめるからであると、万軍ばんぐんの主しゅは仰おおせられる』。 25:30 それゆえ、あなたは彼かれらにこのすべての言葉ことばを預言よげんして言いいなさい、 『主しゅは高たかい所ところから呼よばわり、その聖せいなるすまいから声こえを出だし、自分じぶんのすみかに向むかって大おおいに呼よばわり、地ちに住すむすべての者ものに向むかってぶどうを踏ふむ者もののように叫さけばれる。25:31 叫さけびは地ちの果はてにまで響ひびきわたる。主しゅが国々くにぐにと争あらそい、すべての肉にくなる者ものをさばき、悪人あくにんをつるぎに渡わたすからであると、主しゅは言いわれる』。25:32 万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、国くにから国くにへ災わざわいが出でて行いく。大おおきなあらしが地ちの果はてからおこる。25:33 その日ひ、主しゅに殺ころされる人々ひとびとは、地ちのこの果はてから、かの果はてに及およぶ。彼かれらは悲かなしまれず、集あつめられず、また葬ほうむられずに、地ちのおもてに糞土ふんどとなる。 25:34 牧者ぼくしゃよ、嘆なげき叫さけべ、群むれのかしらたちよ、灰はいの中なかにまろべ。あなたがたのほふられる日ひ、散ちらされる日ひが来きたからだ。あなたがたは選えらび分わけられた雄羊おひつじのように倒たおれる。25:35 牧者ぼくしゃには、のがれ場ばなく、群むれのかしらたちは逃にげる所ところがない。25:36 牧者ぼくしゃの叫さけび声ごえと、群むれのかしらたちの嘆なげきの声こえが聞きこえる。主しゅが彼かれらの牧場まきばを滅ほろぼしておられるからだ。25:37 主しゅの激はげしい怒いかりによって、平和へいわな牧場まきばは荒あれていく。25:38 ししのように彼かれはその巣すを出でた。主しゅのつるぎと、その激はげしい怒いかりによって、彼かれらの地ちは荒あれ地ちとなった」。 第26章 26:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムが世よを治おさめた初はじめのころ、主しゅからこの言葉ことばがあった、26:2 「主しゅはこう仰おおせられる、主しゅの宮みやの庭にわに立たち、わたしがあなたに命めいじて言いわせるすべての言葉ことばを、主しゅの宮みやで礼れい拝はいするために来きているユダの町々まちまちの人々ひとびとに告つげなさい。ひと言ことをも言いい残のこしておいてはならない。26:3 彼かれらが聞きいて、おのおのその悪わるい道みちを離はなれることがあるかも知しれない。そのとき、わたしは彼かれらの行おこないの悪わるいために、災わざわいを彼かれらに下くだそうとしたのを思おもいなおす。26:4 あなたは彼かれらに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわず、わたしがあなたがたの前まえに定さだめおいた律法りっぽうを行おこなわず、26:5 わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者よげんしゃの言葉ことばに聞きき従したがわないならば、(あなたがたは聞きき従したがわなかったが、)26:6 わたしはこの宮みやをシロのようにし、またこの町まちを地ちの万国ばんこくにのろわれるものとする』」。 26:7 祭司さいしと預言者よげんしゃおよびすべての民たみは、エレミヤが主しゅの宮みやでこれらの言葉ことばを語かたるのを聞きいた。26:8 エレミヤが主しゅに命めいじられたすべての言葉ことばを民たみに告つげ終おわった時とき、祭司さいしと預言者よげんしゃおよび民たみはみな彼かれを捕とらえて言いった、「あなたは死しななければならない。26:9 なぜあなたは主しゅの名なによって預言よげんし、この宮みやはシロのようになり、この町まちは荒あらされて住すむ人ひともなくなるであろうと言いったのか」と。民たみはみな主しゅの宮みやに集あつまってエレミヤを取とり囲かこんだ。 26:10 ユダのつかさたちはこの事ことを聞きいて王おうの宮殿きゅうでんを出でて主しゅの宮みやに上のぼり、主しゅの宮みやの「新あたらしい門もん」の入口いりぐちに座ざした。26:11 祭司さいしと預言者よげんしゃらは、つかさたちとすべての民たみに訴うったえて言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものです。あなたがたが自分じぶんの耳みみで聞きかれたように、この町まちに逆さからう預言よげんをしたのです」。 26:12 その時ときエレミヤは、つかさたちとすべての民たみに言いった、「主しゅはわたしをつかわし、この宮みやとこの町まちにむかって、預言よげんをさせられたので、そのすべての言葉ことばをあなたがたは聞きいた。26:13 それで、あなたがたは今いま、あなたがたの道みちと行おこないを改あらため、あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに聞きき従したがいなさい。そうするならば主しゅはあなたがたに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいなおされる。26:14 見みよ、わたしはあなたがたの手ての中なかにある。あなたがたの目めに、良よいと見みえ、正ただしいと思おもうことをわたしに行おこなうがよい。26:15 ただ明あきらかにこのことを知しっておきなさい。もしあなたがたがわたしを殺ころすならば、罪つみなき者ものの血ちはあなたがたの身みと、この町まちと、その住民じゅうみんとに帰きする。まことに主しゅがわたしをつかわして、このすべての言葉ことばをあなたがたの耳みみに、告つげさせられたからである」。 26:16 つかさたちと、すべての民たみとは、祭司さいしと預言者よげんしゃに言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものではない。われわれの神かみ、主しゅの名なによってわれわれに語かたったのである」。26:17 その時ときこの地ちの長老ちょうろうたち数人すうにんが立たって、そこに集あつまっているすべての者ものに告つげて言いった、26:18 「ユダの王おうヒゼキヤの世よに、モレシテびとミカはユダのすべての民たみに預言よげんして言いった、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、 シオンは畑はたけのように耕たがやされ、エルサレムは石塚いしづかとなり、宮みやの山やまは木きのおい茂しげる高たかい所ところとなる』。26:19 ユダの王おうヒゼキヤと、すべてのユダの人ひとは彼かれを殺ころそうとしたことがあろうか。ヒゼキヤは主しゅを恐おそれ、主しゅの恵めぐみを求もとめたので、主しゅは彼かれらに災わざわいを下くだすとお告つげになったのを思おもいなおされたではないか。しかし、われわれは、自分じぶんの身みに大おおきな災わざわいを招まねこうとしている」。 26:20 主しゅの名なによって預言よげんした人ひとがほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤの子こウリヤである。彼かれはエレミヤとおなじような言葉ことばをもって、この町まちとこの地ちにむかって預言よげんした。26:21 エホヤキム王おうと、そのすべての勇士ゆうしと、すべてのつかさたちはその言葉ことばを聞きいた。そして王おうは彼かれを殺ころそうと思おもったが、ウリヤはこれを聞きいて恐おそれ、エジプトに逃にげて行いったので、26:22 エホヤキム王おうは人ひとをエジプトにつかわした。すなわちアクボルの子こエルナタンと他たの数すう名めいの人ひとを、エジプトにつかわした。26:23 彼かれらはウリヤをエジプトから引ひき出だし、エホヤキム王おうのもとに連つれてきたので、王おうはつるぎをもって彼かれを殺ころし、その死体したいを共同きょうどう墓地ぼちに捨すてさせた。 26:24 しかしシャパンの子こアヒカムはエレミヤを助たすけ、民たみの手てに渡わたされて殺ころされることのないようにした。
19:1 主しゅはこう言いわれる、「行いって、陶器とうき師しのびんを買かい、民たみの長老ちょうろうと年長ねんちょうの祭司さいしのうちの数人すうにんを伴ともなって、
19:2 瀬戸せとかけの門もんの入口いりぐちにあるベンヒンノムの谷たにへ行いき、その所ところで、わたしがあなたに語かたる言葉ことばをのべて、
19:3 言いいなさい、『ユダの王おうたち、およびエルサレムに住すむ者ものよ、主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは災わざわいをこの所ところに下くだす。おおよそ、その災わざわいのことを聞きくものの耳みみは両方りょうほうとも鳴なる。
19:4 彼かれらがわたしを捨すて、この所ところを汚けがし、この所ところで、自分じぶんも先祖せんぞたちもユダの王おうたちも知しらなかった他たの神々かみがみに香こうをたき、かつ罪つみのない者ものの血ちを、この所ところに満みたしたからである。
19:5 また彼かれらはバアルのために高たかき所ところを築きずき、火ひをもって自分じぶんの子こどもたちを焼やき、燔祭はんさいとしてバアルにささげた。これはわたしの命めいじたことではなく、定さだめたことでもなく、また思おもいもしなかったことである。
19:6 主しゅは言いわれる、それゆえ、見みよ、この所ところをトペテまたはベンヒンノムの谷たにと呼よばないで、虐殺ぎゃくさつの谷たにと呼よぶ日ひがくる。
19:7 またわたしはこの所ところでユダとエルサレムの計はかりごとを打うち破やぶり、つるぎをもって、彼かれらをその敵てきの前まえと、そのいのちを求もとめる者ものの手てに倒たおれさせ、またその死体したいを空そらの鳥とりと地ちの獣けものの食くい物ものとし、
19:8 かつ、この町まちを荒あれすたれさせて、人ひとに舌打したうちされるものとする。そこを通とおる人ひとは皆みなそのもろもろの災わざわいを見みて身震みぶるいし、舌打したうちする。
19:9 また彼かれらがその敵てきとその命いのちを求もとめる者ものとに囲かこまれて苦くるしみ悩なやむ時とき、わたしは彼かれらに自分じぶんのむすこの肉にく、娘むすめの肉にくを食たべさせる。彼かれらはまた互たがいにその友ともの肉にくを食たべるようになる』。
19:10 そこで、あなたは、一緒いっしょに行ゆく人々ひとびとの目めの前まえで、そのびんを砕くだき、
19:11 そして彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、陶器とうき師しの器うつわをひとたび砕くだくならば、もはやもとのようにすることはできない。このようにわたしはこの民たみとこの町まちとを砕くだく。人々ひとびとはほかに葬ほうむるべき場所ばしょがないために、トペテに葬ほうむるであろう。
19:12 主しゅは仰おおせられる、わたしはこの所ところと、ここに住すむ者ものとにこのようにし、この町まちをトペテのようにする。
19:13 エルサレムの家いえとユダの王おうたちの家いえ、すなわち彼かれらがその屋上おくじょうで天てんの衆しゅう群ぐんに香こうをたき、ほかの神々かみがみに酒さけを注そそいだ家いえは、皆みなトペテの所ところのように汚けがされる』」。
19:14 エレミヤは主しゅが彼かれをつかわして預言よげんさせられたトペテから帰かえってきて、主しゅの家いえの庭にわに立たち、すべての民たみに言いった、
19:15 「万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは、この町まちとそのすべての村々むらむらに、わたしの言いったもろもろの災わざわいを下くだす。彼かれらが強情ごうじょうで、わたしの言葉ことばに聞きき従したがおうとしないからである」。
第20章 20:1 さて祭司さいしインメルの子こで、主しゅの宮みやのつかさの長ちょうであったパシュルは、エレミヤがこれらの事ことを預言よげんするのを聞きいた。20:2 そしてパシュルは預言者よげんしゃエレミヤを打うち、主しゅの宮みやにある上うえのベニヤミンの門もんの足あしかせにつないだ。20:3 その翌日よくじつパシュルがエレミヤを足あしかせから解とき放はなした時とき、エレミヤは彼かれに言いった、「主しゅはあなたの名なをパシュルとは呼よばないで、『恐おそれが周囲しゅういにある』と呼よばれる。20:4 主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしはあなたを、あなた自身じしんとあなたのすべての友ともだちに恐おそれを起おこさせる者ものとする。彼かれらはあなたが見みている目めの前まえで敵てきのつるぎに倒たおれる。わたしはまたユダのすべての民たみをバビロン王おうの手てに渡わたす。彼かれは彼かれらを捕とらえてバビロンに移うつし、つるぎをもって殺ころす。20:5 わたしはまたこの町まちのすべての富とみと、その獲えたすべての物ものと、そのすべての貴重きちょうな物ものと、ユダの王おうたちのすべての宝物ほうもつをその敵てきの手てに渡わたす。彼かれらはこれをかすめ、民たみを捕とらえてバビロンに移うつす。20:6 パシュルよ、あなたと、あなたの家いえに住すむ者ものとはみな捕とらえ移うつされる。あなたはバビロンに行いって、その所ところで死しに、その所ところに葬ほうむられる。あなたも、あなたが偽いつわって預言よげんした言葉ことばに聞きき従したがった友とももみなそのようになる」。20:7 主しゅよ、あなたがわたしを欺あざむかれたので、わたしはその欺あざむきに従したがいました。あなたはわたしよりも強つよいので、わたしを説とき伏ふせられたのです。わたしは一日いちにち中ぢゅう、物笑ものわらいとなり、人ひとはみなわたしをあざけります。20:8 それは、わたしが語かたり、呼よばわるごとに、「暴虐ぼうぎゃく、滅亡めつぼう」と叫さけぶからです。主しゅの言葉ことばが一日いちにち中ぢゅう、わが身みのはずかしめと、あざけりになるからです。20:9 もしわたしが、「主しゅのことは、重かさねて言いわない、このうえその名なによって語かたる事ことはしない」と言いえば、主しゅの言葉ことばがわたしの心こころにあって、燃もえる火ひのわが骨ほねのうちに閉とじこめられているようで、それを押おさえるのに疲つかれはてて、耐たえることができません。20:10 多おおくの人ひとのささやくのを聞きくからです。恐おそれが四方しほうにあります。「告発こくはつせよ。さあ、彼かれを告発こくはつしよう」と言いって、わが親したしい友ともは皆みなわたしのつまずくのを、うかがっています。また、「彼かれは欺あざむかれるだろう。そのとき、われわれは彼かれに勝かって、あだを返かえすことができる」と言いいます。20:11 しかし主しゅは強つよい勇士ゆうしのようにわたしと共ともにおられる。それゆえ、わたしに迫せまりくる者ものはつまずき、わたしに打うち勝かつことはできない。彼かれらは、なし遂とげることができなくて、大おおいに恥はじをかく。その恥はじは、いつまでも忘わすれられることはない。20:12 正ただしき者ものを試こころみ、人ひとの心こころと思おもいを見みられる万軍ばんぐんの主しゅよ、あなたが彼かれらに、あだを返かえされるのを見みせてください。わたしはあなたに、わたしの訴うったえをお任まかせしたからです。 20:13 主しゅに向むかって歌うたい、主しゅをほめたたえよ。主しゅは貧まずしい者ものの命いのちを、悪人あくにんの手てから救すくわれたからである。 20:14 わたしの生うまれた日ひはのろわれよ。母ははがわたしを産うんだ日ひは祝福しゅくふくを受うけるな。20:15 わたしの父ちちに「男おとこの子こが、生うまれました」と告つげて、彼かれを大おおいに喜よろこばせた人ひとは、のろわれよ。20:16 その人ひとは、主しゅのあわれみを受うけることなく、滅ほろぼされた町まちのようになれ。朝あさには、彼かれに叫さけびを聞きかせ、昼ひるには戦たたかいの声こえを聞きかせよ。20:17 彼かれがわたしを胎内たいないで殺ころさず、わが母ははをわたしの墓場はかばとなさず、その胎たいをいつまでも大おおきくしなかったからである。20:18 なにゆえにわたしは胎内たいないを出でてきて、悩なやみと悲かなしみに会あい、恥はじを受うけて一生いっしょうを過すごすのか。 第21章 21:1 ゼデキヤ王おうは、マルキヤの子こパシュルと祭司さいしマアセヤの子こゼパニヤを、エレミヤのもとにつかわし、21:2 「バビロンの王おうネブカデレザルがわれわれを攻せめようとしているゆえ、われわれのために主しゅに尋たずねてほしい。主しゅはそのもろもろの不思議ふしぎなわざをもって、われわれを助たすけ、バビロンの王おうをわれわれから退しりぞかせられるかも知しれない」と言いわせた。その時とき、主しゅの言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。 21:3 エレミヤは彼かれらに答こたえて言いった、「あなたがたはゼデキヤにこのように言いいなさい、21:4 『イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、あなたがたが、この城壁じょうへきの外そとにあって、あなたがたを攻せめ囲かこむバビロンの王おうおよびカルデヤびとと戦たたかうとき、わたしはあなたがたの手てに持もっている武器ぶきをとりあげ、これを町まちの中なかに集あつめさせる。21:5 わたしは手てを伸のべ、強つよい腕うでをもって、怒いかり、憤いきどおり、激はげしく怒いかって、あなたがたを攻せめる。21:6 わたしはまたこの町まちに住すむ人ひとと獣けものとを撃うつ。彼かれらはみな重おもい疫病えきびょうにかかって死しぬ。21:7 主しゅは言いわれる、この後のち、わたしはユダの王おうゼデキヤとその家来けらいたち、および疫病えきびょうと、つるぎと、ききんを免まぬかれて、この町まちに残のこっている民たみを、バビロンの王おうネブカデレザルの手てと、その敵てきの手て、およびその命いのちを求もとめる者ものの手てに渡わたす。バビロンの王おうはつるぎの刃はにかけて彼かれらを撃うち、彼かれらを惜おしまず、顧かえりみず、またあわれむこともしない』。 21:8 あなたはまたこの民たみに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは命いのちの道みちと死しの道みちとをあなたがたの前まえに置おく。21:9 この町まちにとどまる者ものは、つるぎと、ききんと、疫病えきびょうとで死しぬ。しかし、出でて行いって、あなたがたを攻せめ囲かこんでいるカルデヤびとに降伏こうふくする者ものは死しを免まぬかれ、その命いのちは自分じぶんのぶんどり物ものとなる。21:10 主しゅは言いわれる、わたしがこの町まちに顔かおを向むけたのは幸さいわいを与あたえるためではなく、災わざわいを与あたえるためである。この町まちはバビロンの王おうの手てに渡わたされる。彼かれは火ひをもって、これを焼やき払はらう』。 21:11 またユダの王おうの家いえに言いいなさい、『主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。21:12 ダビデの家いえよ、主しゅはこう仰おおせられる、 朝あさごとに、正ただしいさばきを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとをしえたげる者ものの手てから救すくえ。そうしないと、あなたがたの悪わるい行おこないのために、わたしの怒いかりは火ひのように燃もえて、それを消けすことはできない』」。 21:13 「主しゅは言いわれる、谷たにに住すむ者ものよ、平原へいげんの岩いわよ、見みよ、わたしはあなたに敵てきする。あなたがたは言いう、『だれが下くだってきて、われわれを攻せめるものか、だれがわれわれのいる所ところに、はいるものか』と。21:14 わたしはあなたがたを、その行おこないの実みによって罰ばっする。またその林はやしに火ひをつけて、その周囲しゅういのものをみな焼やき尽つくすと、主しゅは言いわれる」。 第22章 22:1 主しゅはこう言いわれる、「ユダの王おうの家いえに下くだり、その所ところにこの言葉ことばをのべて、22:2 言いいなさい、『ダビデの位くらいにすわるユダの王おうよ、あなたと、あなたの家臣かしん、および、この門もんからはいるあなたの民たみは主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。22:3 主しゅはこう言いわれる、公平こうへいと正義せいぎを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとを、しえたげる者ものの手てから救すくい、異邦いほうの人ひと、孤児こじ、寡婦かふを悩なやまし、しえたげてはならない。またこの所ところに、罪つみなき者ものの血ちを流ながしてはならない。22:4 もしあなたがたがこの言葉ことばを真実しんじつに行おこなうならば、ダビデの位くらいにすわる王おうとその家臣かしん、およびその民たみは、車くるまと馬うまに乗のって、この家いえの門もんにはいることができる。22:5 しかしあなたがたがこの言葉ことばを聞きかないならば、わたしは自身じしんをさして誓ちかうが、この家いえは荒あれ地ちとなると、主しゅは言いわれる。22:6 主しゅはユダの王おうの家いえについてこう言いわれる、 あなたはわたしに対たいしてギレアデのようであり、レバノンの頂いただきのようである。しかし、わたしは必かならずあなたを荒あれ地ちにし、人ひとの住すまない町まちにする。22:7 わたしは滅ほろぼす者ものを設もうけて、あなたを攻せめさせる、彼かれらはおのおのその武器ぶきをとり、あなたの麗うるわしい香柏こうはくを切きり倒たおし、火ひに投なげ入いれる。22:8 多おおくの国くにの人ひとはこの町まちを過すぎ、互たがいに語かたって、「なぜ主しゅはこの大おおいなる町まちをこのようにされたのか」と言いうとき、22:9 人ひとは答こたえて、「これは彼かれらがその神かみ、主しゅの契約けいやくを捨すてて他たの神々かみがみを拝はいし、これに仕つかえたからである」と言いうであろう』」。22:10 死しんだ者もののために泣なくことなく、またそのために嘆なげいてはならない。捕とらえ移うつされてゆく者もののために、激はげしく泣なけ。彼かれはふたたび帰かえってきて、その故郷こきょうを見みることがないからである。22:11 ユダの王おうヨシヤの子こシャルムは父ちちヨシヤについで王おうとなったが、ついにこの所ところから出でて行いった。主しゅは彼かれについてこう言いわれる、「彼かれは再ふたたびここに帰かえらない。22:12 彼かれはその捕とらえ行いかれた所ところで死しに、再ふたたびこの地ちを見みない」。22:13 「不義ふぎをもってその家いえを建たて、不法ふほうをもってその高殿たかどのを造つくり、隣となり人びとを雇やとって何なにをも与あたえず、その賃金ちんぎんを払はらわない者ものはわざわいである。22:14 彼かれは言いう、『わたしは自分じぶんのために大おおきな家いえを建たて、広ひろい高殿たかどのを造つくろう』と。そしてこれがために窓まどを造つくり、香柏こうはくの鏡板かがみいたでおおい、それを朱しゅで塗ぬる。22:15 あなたは競きそって香柏こうはくを用もちいることによって、王おうであると思おもうのか。あなたの父ちちは食くい飲のみし、公平こうへいと正義せいぎを行おこなって、幸さいわいを得えたのではないか。22:16 彼かれは貧まずしい人ひとと乏とぼしい人ひとの訴うったえをただして、さいわいを得えた。こうすることがわたしを知しることではないかと主しゅは言いわれる。22:17 しかし、あなたは目めも心こころも、不正ふせいな利益りえきのためにのみ用もちい、罪つみなき者ものの血ちを流ながそうとし、圧制あっせいと暴虐ぼうぎゃくを行おこなおうとする」。22:18 それゆえ、主しゅはユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムについてこう言いわれる、 「人々ひとびとは『悲かなしいかな、わが兄あに』、『悲かなしいかな、わが姉あね』と言いって、彼かれのために嘆なげかない。また『悲かなしいかな、主君しゅくんよ』、『悲かなしいかな、陛下へいかよ』と言いって嘆なげかない。22:19 ろばが埋うめられるように、彼かれは葬ほうむられる。引ひかれて行いって、エルサレムの門もんの外そとに投なげ捨すてられる」。 22:20 「レバノンに登のぼって呼よばわり、バシャンにあなたの声こえをあげ、アバリムから呼よばわれ。あなたの愛あいする者ものがみな滅ほろぼされるからだ。22:21 あなたの栄さかえていた時とき、わたしはあなたに語かたったが『聞ききたくはない』と言いった。あなたがわたしの声こえに聞きき従したがわないことは、あなたの幼おさない時ときからの、ならわしであった。22:22 あなたの牧者ぼくしゃはみな、風かぜに追おい立たてられ、あなたの愛あいする者ものは捕とらえ移うつされる。その時とき、あなたは自分じぶんのもろもろの悪あくのために、恥はじ、うろたえる。22:23 レバノンに住すみ、香柏こうはくの中なかに巣すをつくっている者ものよ、子こを産うむ女おんなに臨のぞむ苦くるしみのような苦痛くつうがあなたに臨のぞむとき、あなたはどんなに嘆なげくことであろうか」。22:24 「主しゅは言いわれる、わたしは生いきている。ユダの王おうエホヤキムの子こコニヤが、わたしの右手みぎての指輪ゆびわであっても、わたしはあなたを抜ぬき取とる。22:25 あなたの命いのちを求もとめる者ものの手て、あなたがその顔かおを恐おそれる者ものの手て、すなわちバビロンの王おうネブカデレザルの手てと、カルデヤびとの手てにあなたを渡わたす。22:26 わたしは、あなたと、あなたを産うんだ母ははを、あなたがたの生うまれた国くにでない他たの国くにに追おいやる。あなたがたはそこで死しぬ。22:27 彼かれらが帰かえりたいとせつに願ねがう国くにに、彼かれらは再ふたたび帰かえることができない」。 22:28 この人ひとコニヤは卑いやしむべき、こわれたつぼであろうか、だれも心こころに留とめない器うつわであろうか。なぜ彼かれとその子孫しそんは追おいやられて、知しらない地ちに投なげやられるのか。22:29 ああ、地ちよ、地ちよ、地ちよ、主しゅの言葉ことばを聞きけよ。22:30 主しゅはこう言いわれる、「この人ひとを、子こなき人ひととして、またその一生いっしょうのうち、栄さかえることのない人ひととして記録きろくせよ。その子孫しそんのうち、ひとりも栄さかえて、ダビデの位くらいにすわり、ユダを治おさめるものが再ふたたび起おこらないからである」。 第23章 23:1 主しゅは言いわれる、「わが牧場まきばの羊ひつじを滅ほろぼし散ちらす牧者ぼくしゃはわざわいである」。23:2 それゆえイスラエルの神かみ、主しゅはわが民たみを養やしなう牧者ぼくしゃについてこう言いわれる、「あなたがたはわたしの群むれを散ちらし、これを追おいやって顧かえりみなかった。見みよ、わたしはあなたがたの悪あしき行おこないによってあなたがたに報むくいると、主しゅは言いわれる。23:3 わたしの群むれの残のこった者ものを、追おいやったすべての地ちから集あつめ、再ふたたびこれをそのおりに帰かえらせよう。彼かれらは子こを産うんでその数かずが多おおくなる。23:4 わたしはこれを養やしなう牧者ぼくしゃをその上うえに立たてる、彼かれらは再ふたたび恐おそれることなく、またおののくことなく、いなくなることもないと、主しゅは言いわれる。 23:5 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしがダビデのために一つの正ただしい枝えだを起おこす日ひがくる。彼かれは王おうとなって世よを治おさめ、栄さかえて、公平こうへいと正義せいぎを世よに行おこなう。23:6 その日ひユダは救すくいを得え、イスラエルは安やすらかにおる。その名なは『主しゅはわれわれの正義せいぎ』ととなえられる。 23:7 主しゅは言いわれる、それゆえ見みよ、人々ひとびとは『イスラエルの民たみをエジプトの地ちから導みちびき出だされた主しゅは生いきておられる』とまた言いわないで、23:8 『イスラエルの家いえの子孫しそんを北きたの地ちと、そのすべて追おいやられた地ちから導みちびき出だされた神かみは生いきておられる』という日ひがくる。その時とき、彼かれらは自分じぶんの地ちに住すんでいる」。 23:9 預言者よげんしゃたちについて。 わが心こころはわたしのうちに破やぶれ、わが骨ほねはみな震ふるう。主しゅとその聖せいなる言葉ことばのために、わたしは酔よっている人ひとのよう、酒さけに打うち負まかされた人ひとのようである。23:10 この地ちに姦淫かんいんを行おこなうものが満みちているからだ。のろいによって地ちは嘆なげき、荒野あらのの牧場まきばはかわく。彼かれらの道みちは悪わるく、その力ちからは正ただしくない。23:11 「預言者よげんしゃと祭司さいしとは共ともに神かみを汚けがす者ものである。わたしの家いえにおいてすら彼かれらの悪あくを見みたと、主しゅは言いわれる。23:12 それゆえ、彼かれらの道みちは、おのずから暗黒あんこくの中なかにあるなめらかな道みちのようになり、彼かれらは押おされてその道みちに倒たおれる。わたしが彼かれらの罰ばっせられる年としに、災わざわいをその上うえに臨のぞませるからであると、主しゅは言いわれる。23:13 わたしはサマリヤの預言者よげんしゃのうちに不快ふかいな事ことのあるのを見みた。彼かれらはバアルによって預言よげんし、わが民たみイスラエルを惑まどわした。23:14 しかしエルサレムの預言者よげんしゃのうちには、恐おそろしい事ことのあるのを見みた。彼かれらは姦淫かんいんを行おこない、偽いつわりに歩あゆみ、悪人あくにんの手てを強つよくし、人ひとをその悪あくから離はなれさせない。彼かれらはみなわたしにはソドムのようであり、その民たみはゴモラのようである」。23:15 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅは預言者よげんしゃについてこう言いわれる、「見みよ、わたしは彼かれらに、にがよもぎを食たべさせ、毒どくの水みずを飲のませる。神かみを汚けがすことがエルサレムの預言者よげんしゃから出でて、全ぜん地ちに及およんでいるからである」。23:16 万軍ばんぐんの主しゅはこう言いわれる、「あなたがたに預言よげんする預言者よげんしゃの言葉ことばを聞きいてはならない。彼かれらはあなたがたに、むなしい望のぞみをいだかせ、主しゅの口くちから出でたのでない、自分じぶんの心こころの黙示もくしを語かたるのである。23:17 彼かれらは主しゅの言葉ことばを軽かるんじる者ものに向むかって絶たえず、『あなたがたは平安へいあんを得える』と言いい、また自分じぶんの強情ごうじょうな心こころにしたがって歩あゆむすべての人ひとに向むかって、『あなたがたに災わざわいはこない』と言いう」。23:18 彼かれらのうちだれか主しゅの議会ぎかいに立たって、その言葉ことばを見聞みききした者ものがあろうか。だれか耳みみを傾かたむけてその言葉ことばを聞きいた者ものがあろうか。23:19 見みよ、主しゅの暴風ぼうふうがくる。憤いきどおりと、つむじ風かぜが出でて、悪人あくにんのこうべをうつ。23:20 主しゅの怒いかりは、み心こころに思おもい定さだめられたことをなし遂とげられるまで退しりぞくことはない。末すえの日ひにあなたがたはそれを明あきらかに悟さとる。 23:21 預言者よげんしゃたちはわたしがつかわさなかったのに、彼かれらは走はしった。わたしが、彼かれらに告つげなかったのに、彼かれらは預言よげんした。23:22 もし彼かれらがわたしの議会ぎかいに立たったのであれば、わたしの民たみにわが言葉ことばを告つげ示しめして、その悪わるい道みちと悪わるい行おこないから、離はなれさせたであろうに。23:23 「主しゅは言いわれる、わたしはただ近ちかくの神かみであって、遠とおくの神かみではないのであるか。23:24 主しゅは言いわれる、人ひとは、ひそかな所ところに身みを隠かくして、わたしに見みられないようにすることができようか。主しゅは言いわれる、わたしは天てんと地ちとに満みちているではないか。23:25 わが名なによって偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちが、『わたしは夢ゆめを見みた、わたしは夢ゆめを見みた』と言いうのを聞きいた。23:26 偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちの心こころに、いつまで偽いつわりがあるのであるか。彼かれらはその心こころの欺あざむきを預言よげんする。23:27 彼かれらはその先祖せんぞがバアルに従したがってわが名なを忘わすれたように、互たがいに夢ゆめを語かたって、わたしの民たみにわが名なを忘わすれさせようとする。23:28 夢ゆめをみた預言者よげんしゃは夢ゆめを語かたるがよい。しかし、わたしの言葉ことばを受うけた者ものは誠実せいじつにわたしの言葉ことばを語かたらなければならない。わらと麦むぎとをくらべることができようかと、主しゅは言いわれる。23:29 主しゅは仰おおせられる、わたしの言葉ことばは火ひのようではないか。また岩いわを打うち砕くだく鎚つちのようではないか。23:30 それゆえ見みよ、わたしはわたしの言葉ことばを互たがいに盗ぬすむ預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:31 見みよ、わたしは、『主しゅは言いいたもう』と舌したをもって語かたる預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:32 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしは偽いつわりの夢ゆめを預言よげんする者ものの敵てきとなる。彼かれらはそれを語かたり、またその偽いつわりと大言たいげんをもってわたしの民たみを惑まどわす。わたしが彼かれらをつかわしたのではなく、また彼かれらに命めいじたのでもない。それで彼かれらはこの民たみにすこしも益えきにならないと、主しゅは言いわれる。 23:33 この民たみのひとり、または預言者よげんしゃ、または祭司さいしがあなたに、『主しゅの重荷おもにはなんですか』と問とうならば、彼かれらに答こたえなさい、『あなたがたがその重荷おもにです。そして主しゅは、あなたがたを捨すてると言いっておられます』と。23:34 そして、『主しゅの重荷おもに』と言いうその預言者よげんしゃ、祭司さいし、または民たみのひとりを、その家族かぞくと共ともにわたしは罰ばっする。23:35 あなたがたは、みな互たがいに、隣となり人びとに、また兄弟きょうだいに、こう言いわなければならない、『主しゅはなんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:36 しかし重かさねて『主しゅの重荷おもに』と言いってはならない。重荷おもには人ひとおのおのの自分じぶんの言葉ことばだからである。あなたがたは生いける神かみ、万軍ばんぐんの主しゅなるわれわれの神かみの言葉ことばを曲まげる者ものである。23:37 あなたは預言者よげんしゃにこう言いわなければならない、『主しゅはあなたになんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:38 もしあなたがたが『主しゅの重荷おもに』と言いうならば、主しゅはこう仰おおせられる、『わたしが人ひとをあなたがたにつかわして、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」と言いってはならないと言いわせたのに、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」という言葉ことばを言いったので、23:39 わたしは必かならずあなたがたを捕とらえ移うつさせ、あなたがたとあなたがたの先祖せんぞとに与あたえたこの町まちと、あなたがたとを、わたしの前まえから捨すて去さる。23:40 そして、忘わすれられることのない永遠えいえんのはずかしめと永遠えいえんの恥はじを、あなたがたにこうむらせる』」。 第24章 24:1 バビロンの王おうネブカデレザルがユダの王おうエホヤキムの子こエコニヤおよびユダの君きみたちと工匠こうしょうと鍛冶かじをエルサレムからバビロンに移うつして後のち、主しゅはわたしにこの幻まぼろしをお示しめしになった。見みよ、主しゅの宮みやの前まえに置おかれているいちじくを盛もった二つのかごがあった。24:2 その一つのかごには、はじめて熟じゅくしたような非常ひじょうに良よいいちじくがあり、ほかのかごには非常ひじょうに悪わるくて食たべられないほどの悪わるいいちじくが入いれてあった。24:3 主しゅはわたしに、「エレミヤよ、何なにを見みるか」と言いわれた。わたしは、「いちじくです。その良よいいちじくは非常ひじょうによく、悪わるいほうのいちじくは非常ひじょうに悪わるくて、食たべられません」と答こたえた。 24:4 主しゅの言葉ことばがまたわたしに臨のぞんだ、24:5 「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、この所ところからカルデヤびとの地ちに追おいやったユダの捕とらわれ人びとを、わたしはこの良よいいちじくのように顧かえりみて恵めぐもう。24:6 わたしは彼かれらに目めをかけてこれを恵めぐみ、彼かれらをこの地ちに返かえし、彼かれらを建たてて倒たおさず、植うえて抜ぬかない。24:7 わたしは彼かれらにわたしが主しゅであることを知しる心こころを与あたえよう。彼かれらはわたしの民たみとなり、わたしは彼かれらの神かみとなる。彼かれらは一心いっしんにわたしのもとに帰かえってくる。 24:8 主しゅはこう仰おおせられる、わたしはユダの王おうゼデキヤとそのつかさたち、およびエルサレムの人ひとの残のこってこの地ちにいる者もの、ならびにエジプトの地ちに住すんでいる者ものを、この悪わるくて食たべられない悪わるいいちじくのようにしよう。24:9 わたしは彼かれらを地ちのもろもろの国くにで、忌いみきらわれるものとし、またわたしの追おいやるすべての所ところで、はずかしめに会あわせ、ことわざとなり、あざけりと、のろいに会あわせる。24:10 わたしはつるぎと、ききんと、疫病えきびょうを彼かれらのうちに送おくって、ついに彼かれらをわたしが彼かれらとその先祖せんぞとに与あたえた地ちから絶たえさせる」。 第25章 25:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムの四年ねん(バビロンの王おうネブカデレザルの元年がんねん)にユダのすべての民たみについての言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。25:2 預言者よげんしゃエレミヤはこの言葉ことばをユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての人ひとに告つげて言いった、25:3 「ユダの王おうアモンの子こヨシヤの十三年ねんから今日こんにちにいたるまで二十三年ねんの間あいだ、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ。わたしはたゆまずにそれをあなたがたに語かたってきたが、あなたがたは聞きかなかった。25:4 主しゅはたゆまず、そのしもべである預言者よげんしゃを、あなたがたにつかわされたが、あなたがたは聞きかずまた耳みみを傾かたむけて聞きこうともしなかった。25:5 彼かれらは言いった、『あなたがたはおのおの今いまその悪あくの道みちと悪わるい行おこないを捨すてなさい。そうすれば主しゅが昔むかしからあなたがたと先祖せんぞたちとに与あたえられた地ちに永遠えいえんに住すむことができる。25:6 あなたがたは、ほかの神かみに従したがって、それに仕つかえ、それを拝おがんではならない。あなたがたの手てで作つくったものをもって、わたしを怒いからせてはならない。このようなことをしないなら、わたしはあなたがたをそこなうことはない』と。25:7 しかしあなたがたはわたしに聞きき従したがわず、あなたがたの手てで作つくった物ものをもって、わたしを怒いからせて自みずから害がいを招まねいたと、主しゅは言いわれる。 25:8 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたがわたしの言葉ことばに聞きき従したがわないゆえ、25:9 見みよ、わたしは北きたの方ほうのすべての種族しゅぞくと、わたしのしもべであるバビロンの王おうネブカデレザルを呼よび寄よせて、この地ちとその民たみと、そのまわりの国々くにぐにを攻せめ滅ほろぼさせ、これを忌いみきらわれるものとし、人ひとの笑わらいものとし、永遠えいえんのはずかしめとすると、主しゅは言いわれる。25:10 またわたしは喜よろこびの声こえ、楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえ、花嫁はなよめの声こえ、ひきうすの音おと、ともしびの光ひかりを彼かれらの中なかに絶たえさせる。25:11 この地ちはみな滅ほろぼされて荒あれ地ちとなる。そしてその国々くにぐには七十年ねんの間あいだバビロンの王おうに仕つかえる。25:12 主しゅは言いわれる、七十年ねんの終おわった後のちに、わたしはバビロンの王おうと、その民たみと、カルデヤびとの地ちを、その罪つみのために罰ばっし、永遠えいえんの荒あれ地ちとする。25:13 わたしはあの地ちについて、わたしが語かたったすべての言葉ことばをその上うえに臨のぞませる。これはエレミヤが、万国ばんこくのことについて預言よげんしたものであって、みなこの書しょにしるされている。25:14 多おおくの国々くにぐにと偉大いだいな王おうたちとは、彼かれらをさえ奴隷どれいとして仕つかえさせる。わたしは彼かれらの行おこないと、その手てのわざに従したがって報むくいる」。 25:15 イスラエルの神かみ、主しゅはわたしにこう仰おおせられた、「わたしの手てから、この怒いかりの杯さかずきを受うけて、わたしがあなたをつかわす国々くにぐにの民たみに飲のませなさい。25:16 彼かれらは飲のんで、よろめき狂くるう。これはわたしが彼かれらのうちに、つるぎをつかわそうとしているからである」。 25:17 こうしてわたしは主しゅの手てから杯さかずきを受うけ、主しゅがわたしをつかわされた国々くにぐにの民たみに飲のませた。25:18 すなわちエルサレムとユダのすべての町まちと、その王おうたちおよびそのつかさたちに飲のませて、それらを滅ほろぼし、荒あれ地ちとし、人ひとの笑わらいものとし、のろわれるものとした。今日こんにちのとおりである。25:19 またエジプトの王おうパロとその家来けらいたち、その君きみたち、そのすべての民たみと、25:20 もろもろの寄留きりゅうの異邦人いほうじん、およびウズの地ちのすべての王おうたち、およびペリシテびとの地ちのすべての王おうたち、(アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの残のこりの者もの)、25:21 エドム、モアブ、アンモンの子孫しそん、25:22 ツロのすべての王おうたち、シドンのすべての王おうたち、海うみのかなたの海沿うみぞいの地ちの王おうたち、25:23 デダン、テマ、ブズおよびすべて髪かみの毛けのすみずみをそる者もの、25:24 アラビヤのすべての王おうたち、荒野あらのの雑種ざっしゅの民たみのすべての王おうたち、25:25 ジムリのすべての王おうたち、エラムのすべての王おうたち、メデアのすべての王おうたち、25:26 北きたのすべての王おうたちの遠とおき者もの、近ちかき者ものもつぎつぎに、またすべて地ちのおもてにある世よの国々くにぐにの王おうたちもこの杯さかずきを飲のむ。そして彼かれらの次つぎにバビロンの王おうもこれを飲のむ。 25:27 「それであなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、飲のめ、酔よって吐はけ、倒たおれて再ふたたび立たつな、わたしがあなたがたのうちに、つるぎをつかわすからである』」。 25:28 「もし彼かれらがあなたの手てから杯さかずきを受うけて飲のむことをしないならば、あなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたは必かならず飲のまなければならない。25:29 見みよ、わたしの名なをもって呼よばれるこの町まちにさえ災わざわいを下くだすのだ。どうしてあなたがたが罰ばつを免まぬかれることができようか。あなたがたは罰ばつを免まぬかれることはできない。わたしがつるぎを呼よび寄よせて、地ちに住すむすべての者ものを攻せめるからであると、万軍ばんぐんの主しゅは仰おおせられる』。 25:30 それゆえ、あなたは彼かれらにこのすべての言葉ことばを預言よげんして言いいなさい、 『主しゅは高たかい所ところから呼よばわり、その聖せいなるすまいから声こえを出だし、自分じぶんのすみかに向むかって大おおいに呼よばわり、地ちに住すむすべての者ものに向むかってぶどうを踏ふむ者もののように叫さけばれる。25:31 叫さけびは地ちの果はてにまで響ひびきわたる。主しゅが国々くにぐにと争あらそい、すべての肉にくなる者ものをさばき、悪人あくにんをつるぎに渡わたすからであると、主しゅは言いわれる』。25:32 万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、国くにから国くにへ災わざわいが出でて行いく。大おおきなあらしが地ちの果はてからおこる。25:33 その日ひ、主しゅに殺ころされる人々ひとびとは、地ちのこの果はてから、かの果はてに及およぶ。彼かれらは悲かなしまれず、集あつめられず、また葬ほうむられずに、地ちのおもてに糞土ふんどとなる。 25:34 牧者ぼくしゃよ、嘆なげき叫さけべ、群むれのかしらたちよ、灰はいの中なかにまろべ。あなたがたのほふられる日ひ、散ちらされる日ひが来きたからだ。あなたがたは選えらび分わけられた雄羊おひつじのように倒たおれる。25:35 牧者ぼくしゃには、のがれ場ばなく、群むれのかしらたちは逃にげる所ところがない。25:36 牧者ぼくしゃの叫さけび声ごえと、群むれのかしらたちの嘆なげきの声こえが聞きこえる。主しゅが彼かれらの牧場まきばを滅ほろぼしておられるからだ。25:37 主しゅの激はげしい怒いかりによって、平和へいわな牧場まきばは荒あれていく。25:38 ししのように彼かれはその巣すを出でた。主しゅのつるぎと、その激はげしい怒いかりによって、彼かれらの地ちは荒あれ地ちとなった」。 第26章 26:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムが世よを治おさめた初はじめのころ、主しゅからこの言葉ことばがあった、26:2 「主しゅはこう仰おおせられる、主しゅの宮みやの庭にわに立たち、わたしがあなたに命めいじて言いわせるすべての言葉ことばを、主しゅの宮みやで礼れい拝はいするために来きているユダの町々まちまちの人々ひとびとに告つげなさい。ひと言ことをも言いい残のこしておいてはならない。26:3 彼かれらが聞きいて、おのおのその悪わるい道みちを離はなれることがあるかも知しれない。そのとき、わたしは彼かれらの行おこないの悪わるいために、災わざわいを彼かれらに下くだそうとしたのを思おもいなおす。26:4 あなたは彼かれらに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわず、わたしがあなたがたの前まえに定さだめおいた律法りっぽうを行おこなわず、26:5 わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者よげんしゃの言葉ことばに聞きき従したがわないならば、(あなたがたは聞きき従したがわなかったが、)26:6 わたしはこの宮みやをシロのようにし、またこの町まちを地ちの万国ばんこくにのろわれるものとする』」。 26:7 祭司さいしと預言者よげんしゃおよびすべての民たみは、エレミヤが主しゅの宮みやでこれらの言葉ことばを語かたるのを聞きいた。26:8 エレミヤが主しゅに命めいじられたすべての言葉ことばを民たみに告つげ終おわった時とき、祭司さいしと預言者よげんしゃおよび民たみはみな彼かれを捕とらえて言いった、「あなたは死しななければならない。26:9 なぜあなたは主しゅの名なによって預言よげんし、この宮みやはシロのようになり、この町まちは荒あらされて住すむ人ひともなくなるであろうと言いったのか」と。民たみはみな主しゅの宮みやに集あつまってエレミヤを取とり囲かこんだ。 26:10 ユダのつかさたちはこの事ことを聞きいて王おうの宮殿きゅうでんを出でて主しゅの宮みやに上のぼり、主しゅの宮みやの「新あたらしい門もん」の入口いりぐちに座ざした。26:11 祭司さいしと預言者よげんしゃらは、つかさたちとすべての民たみに訴うったえて言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものです。あなたがたが自分じぶんの耳みみで聞きかれたように、この町まちに逆さからう預言よげんをしたのです」。 26:12 その時ときエレミヤは、つかさたちとすべての民たみに言いった、「主しゅはわたしをつかわし、この宮みやとこの町まちにむかって、預言よげんをさせられたので、そのすべての言葉ことばをあなたがたは聞きいた。26:13 それで、あなたがたは今いま、あなたがたの道みちと行おこないを改あらため、あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに聞きき従したがいなさい。そうするならば主しゅはあなたがたに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいなおされる。26:14 見みよ、わたしはあなたがたの手ての中なかにある。あなたがたの目めに、良よいと見みえ、正ただしいと思おもうことをわたしに行おこなうがよい。26:15 ただ明あきらかにこのことを知しっておきなさい。もしあなたがたがわたしを殺ころすならば、罪つみなき者ものの血ちはあなたがたの身みと、この町まちと、その住民じゅうみんとに帰きする。まことに主しゅがわたしをつかわして、このすべての言葉ことばをあなたがたの耳みみに、告つげさせられたからである」。 26:16 つかさたちと、すべての民たみとは、祭司さいしと預言者よげんしゃに言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものではない。われわれの神かみ、主しゅの名なによってわれわれに語かたったのである」。26:17 その時ときこの地ちの長老ちょうろうたち数人すうにんが立たって、そこに集あつまっているすべての者ものに告つげて言いった、26:18 「ユダの王おうヒゼキヤの世よに、モレシテびとミカはユダのすべての民たみに預言よげんして言いった、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、 シオンは畑はたけのように耕たがやされ、エルサレムは石塚いしづかとなり、宮みやの山やまは木きのおい茂しげる高たかい所ところとなる』。26:19 ユダの王おうヒゼキヤと、すべてのユダの人ひとは彼かれを殺ころそうとしたことがあろうか。ヒゼキヤは主しゅを恐おそれ、主しゅの恵めぐみを求もとめたので、主しゅは彼かれらに災わざわいを下くだすとお告つげになったのを思おもいなおされたではないか。しかし、われわれは、自分じぶんの身みに大おおきな災わざわいを招まねこうとしている」。 26:20 主しゅの名なによって預言よげんした人ひとがほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤの子こウリヤである。彼かれはエレミヤとおなじような言葉ことばをもって、この町まちとこの地ちにむかって預言よげんした。26:21 エホヤキム王おうと、そのすべての勇士ゆうしと、すべてのつかさたちはその言葉ことばを聞きいた。そして王おうは彼かれを殺ころそうと思おもったが、ウリヤはこれを聞きいて恐おそれ、エジプトに逃にげて行いったので、26:22 エホヤキム王おうは人ひとをエジプトにつかわした。すなわちアクボルの子こエルナタンと他たの数すう名めいの人ひとを、エジプトにつかわした。26:23 彼かれらはウリヤをエジプトから引ひき出だし、エホヤキム王おうのもとに連つれてきたので、王おうはつるぎをもって彼かれを殺ころし、その死体したいを共同きょうどう墓地ぼちに捨すてさせた。 26:24 しかしシャパンの子こアヒカムはエレミヤを助たすけ、民たみの手てに渡わたされて殺ころされることのないようにした。
20:1 さて祭司さいしインメルの子こで、主しゅの宮みやのつかさの長ちょうであったパシュルは、エレミヤがこれらの事ことを預言よげんするのを聞きいた。
20:2 そしてパシュルは預言者よげんしゃエレミヤを打うち、主しゅの宮みやにある上うえのベニヤミンの門もんの足あしかせにつないだ。
20:3 その翌日よくじつパシュルがエレミヤを足あしかせから解とき放はなした時とき、エレミヤは彼かれに言いった、「主しゅはあなたの名なをパシュルとは呼よばないで、『恐おそれが周囲しゅういにある』と呼よばれる。
20:4 主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしはあなたを、あなた自身じしんとあなたのすべての友ともだちに恐おそれを起おこさせる者ものとする。彼かれらはあなたが見みている目めの前まえで敵てきのつるぎに倒たおれる。わたしはまたユダのすべての民たみをバビロン王おうの手てに渡わたす。彼かれは彼かれらを捕とらえてバビロンに移うつし、つるぎをもって殺ころす。
20:5 わたしはまたこの町まちのすべての富とみと、その獲えたすべての物ものと、そのすべての貴重きちょうな物ものと、ユダの王おうたちのすべての宝物ほうもつをその敵てきの手てに渡わたす。彼かれらはこれをかすめ、民たみを捕とらえてバビロンに移うつす。
20:6 パシュルよ、あなたと、あなたの家いえに住すむ者ものとはみな捕とらえ移うつされる。あなたはバビロンに行いって、その所ところで死しに、その所ところに葬ほうむられる。あなたも、あなたが偽いつわって預言よげんした言葉ことばに聞きき従したがった友とももみなそのようになる」。
20:7 主しゅよ、あなたがわたしを欺あざむかれたので、わたしはその欺あざむきに従したがいました。あなたはわたしよりも強つよいので、わたしを説とき伏ふせられたのです。わたしは一日いちにち中ぢゅう、物笑ものわらいとなり、人ひとはみなわたしをあざけります。
20:8 それは、わたしが語かたり、呼よばわるごとに、「暴虐ぼうぎゃく、滅亡めつぼう」と叫さけぶからです。主しゅの言葉ことばが一日いちにち中ぢゅう、わが身みのはずかしめと、あざけりになるからです。
20:9 もしわたしが、「主しゅのことは、重かさねて言いわない、このうえその名なによって語かたる事ことはしない」と言いえば、主しゅの言葉ことばがわたしの心こころにあって、燃もえる火ひのわが骨ほねのうちに閉とじこめられているようで、それを押おさえるのに疲つかれはてて、耐たえることができません。
20:10 多おおくの人ひとのささやくのを聞きくからです。恐おそれが四方しほうにあります。「告発こくはつせよ。さあ、彼かれを告発こくはつしよう」と言いって、わが親したしい友ともは皆みなわたしのつまずくのを、うかがっています。また、「彼かれは欺あざむかれるだろう。そのとき、われわれは彼かれに勝かって、あだを返かえすことができる」と言いいます。
20:11 しかし主しゅは強つよい勇士ゆうしのようにわたしと共ともにおられる。それゆえ、わたしに迫せまりくる者ものはつまずき、わたしに打うち勝かつことはできない。彼かれらは、なし遂とげることができなくて、大おおいに恥はじをかく。その恥はじは、いつまでも忘わすれられることはない。
20:12 正ただしき者ものを試こころみ、人ひとの心こころと思おもいを見みられる万軍ばんぐんの主しゅよ、あなたが彼かれらに、あだを返かえされるのを見みせてください。わたしはあなたに、わたしの訴うったえをお任まかせしたからです。
20:13 主しゅに向むかって歌うたい、主しゅをほめたたえよ。主しゅは貧まずしい者ものの命いのちを、悪人あくにんの手てから救すくわれたからである。
20:14 わたしの生うまれた日ひはのろわれよ。母ははがわたしを産うんだ日ひは祝福しゅくふくを受うけるな。
20:15 わたしの父ちちに「男おとこの子こが、生うまれました」と告つげて、彼かれを大おおいに喜よろこばせた人ひとは、のろわれよ。
20:16 その人ひとは、主しゅのあわれみを受うけることなく、滅ほろぼされた町まちのようになれ。朝あさには、彼かれに叫さけびを聞きかせ、昼ひるには戦たたかいの声こえを聞きかせよ。
20:17 彼かれがわたしを胎内たいないで殺ころさず、わが母ははをわたしの墓場はかばとなさず、その胎たいをいつまでも大おおきくしなかったからである。
20:18 なにゆえにわたしは胎内たいないを出でてきて、悩なやみと悲かなしみに会あい、恥はじを受うけて一生いっしょうを過すごすのか。
第21章 21:1 ゼデキヤ王おうは、マルキヤの子こパシュルと祭司さいしマアセヤの子こゼパニヤを、エレミヤのもとにつかわし、21:2 「バビロンの王おうネブカデレザルがわれわれを攻せめようとしているゆえ、われわれのために主しゅに尋たずねてほしい。主しゅはそのもろもろの不思議ふしぎなわざをもって、われわれを助たすけ、バビロンの王おうをわれわれから退しりぞかせられるかも知しれない」と言いわせた。その時とき、主しゅの言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。 21:3 エレミヤは彼かれらに答こたえて言いった、「あなたがたはゼデキヤにこのように言いいなさい、21:4 『イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、あなたがたが、この城壁じょうへきの外そとにあって、あなたがたを攻せめ囲かこむバビロンの王おうおよびカルデヤびとと戦たたかうとき、わたしはあなたがたの手てに持もっている武器ぶきをとりあげ、これを町まちの中なかに集あつめさせる。21:5 わたしは手てを伸のべ、強つよい腕うでをもって、怒いかり、憤いきどおり、激はげしく怒いかって、あなたがたを攻せめる。21:6 わたしはまたこの町まちに住すむ人ひとと獣けものとを撃うつ。彼かれらはみな重おもい疫病えきびょうにかかって死しぬ。21:7 主しゅは言いわれる、この後のち、わたしはユダの王おうゼデキヤとその家来けらいたち、および疫病えきびょうと、つるぎと、ききんを免まぬかれて、この町まちに残のこっている民たみを、バビロンの王おうネブカデレザルの手てと、その敵てきの手て、およびその命いのちを求もとめる者ものの手てに渡わたす。バビロンの王おうはつるぎの刃はにかけて彼かれらを撃うち、彼かれらを惜おしまず、顧かえりみず、またあわれむこともしない』。 21:8 あなたはまたこの民たみに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは命いのちの道みちと死しの道みちとをあなたがたの前まえに置おく。21:9 この町まちにとどまる者ものは、つるぎと、ききんと、疫病えきびょうとで死しぬ。しかし、出でて行いって、あなたがたを攻せめ囲かこんでいるカルデヤびとに降伏こうふくする者ものは死しを免まぬかれ、その命いのちは自分じぶんのぶんどり物ものとなる。21:10 主しゅは言いわれる、わたしがこの町まちに顔かおを向むけたのは幸さいわいを与あたえるためではなく、災わざわいを与あたえるためである。この町まちはバビロンの王おうの手てに渡わたされる。彼かれは火ひをもって、これを焼やき払はらう』。 21:11 またユダの王おうの家いえに言いいなさい、『主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。21:12 ダビデの家いえよ、主しゅはこう仰おおせられる、 朝あさごとに、正ただしいさばきを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとをしえたげる者ものの手てから救すくえ。そうしないと、あなたがたの悪わるい行おこないのために、わたしの怒いかりは火ひのように燃もえて、それを消けすことはできない』」。 21:13 「主しゅは言いわれる、谷たにに住すむ者ものよ、平原へいげんの岩いわよ、見みよ、わたしはあなたに敵てきする。あなたがたは言いう、『だれが下くだってきて、われわれを攻せめるものか、だれがわれわれのいる所ところに、はいるものか』と。21:14 わたしはあなたがたを、その行おこないの実みによって罰ばっする。またその林はやしに火ひをつけて、その周囲しゅういのものをみな焼やき尽つくすと、主しゅは言いわれる」。 第22章 22:1 主しゅはこう言いわれる、「ユダの王おうの家いえに下くだり、その所ところにこの言葉ことばをのべて、22:2 言いいなさい、『ダビデの位くらいにすわるユダの王おうよ、あなたと、あなたの家臣かしん、および、この門もんからはいるあなたの民たみは主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。22:3 主しゅはこう言いわれる、公平こうへいと正義せいぎを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとを、しえたげる者ものの手てから救すくい、異邦いほうの人ひと、孤児こじ、寡婦かふを悩なやまし、しえたげてはならない。またこの所ところに、罪つみなき者ものの血ちを流ながしてはならない。22:4 もしあなたがたがこの言葉ことばを真実しんじつに行おこなうならば、ダビデの位くらいにすわる王おうとその家臣かしん、およびその民たみは、車くるまと馬うまに乗のって、この家いえの門もんにはいることができる。22:5 しかしあなたがたがこの言葉ことばを聞きかないならば、わたしは自身じしんをさして誓ちかうが、この家いえは荒あれ地ちとなると、主しゅは言いわれる。22:6 主しゅはユダの王おうの家いえについてこう言いわれる、 あなたはわたしに対たいしてギレアデのようであり、レバノンの頂いただきのようである。しかし、わたしは必かならずあなたを荒あれ地ちにし、人ひとの住すまない町まちにする。22:7 わたしは滅ほろぼす者ものを設もうけて、あなたを攻せめさせる、彼かれらはおのおのその武器ぶきをとり、あなたの麗うるわしい香柏こうはくを切きり倒たおし、火ひに投なげ入いれる。22:8 多おおくの国くにの人ひとはこの町まちを過すぎ、互たがいに語かたって、「なぜ主しゅはこの大おおいなる町まちをこのようにされたのか」と言いうとき、22:9 人ひとは答こたえて、「これは彼かれらがその神かみ、主しゅの契約けいやくを捨すてて他たの神々かみがみを拝はいし、これに仕つかえたからである」と言いうであろう』」。22:10 死しんだ者もののために泣なくことなく、またそのために嘆なげいてはならない。捕とらえ移うつされてゆく者もののために、激はげしく泣なけ。彼かれはふたたび帰かえってきて、その故郷こきょうを見みることがないからである。22:11 ユダの王おうヨシヤの子こシャルムは父ちちヨシヤについで王おうとなったが、ついにこの所ところから出でて行いった。主しゅは彼かれについてこう言いわれる、「彼かれは再ふたたびここに帰かえらない。22:12 彼かれはその捕とらえ行いかれた所ところで死しに、再ふたたびこの地ちを見みない」。22:13 「不義ふぎをもってその家いえを建たて、不法ふほうをもってその高殿たかどのを造つくり、隣となり人びとを雇やとって何なにをも与あたえず、その賃金ちんぎんを払はらわない者ものはわざわいである。22:14 彼かれは言いう、『わたしは自分じぶんのために大おおきな家いえを建たて、広ひろい高殿たかどのを造つくろう』と。そしてこれがために窓まどを造つくり、香柏こうはくの鏡板かがみいたでおおい、それを朱しゅで塗ぬる。22:15 あなたは競きそって香柏こうはくを用もちいることによって、王おうであると思おもうのか。あなたの父ちちは食くい飲のみし、公平こうへいと正義せいぎを行おこなって、幸さいわいを得えたのではないか。22:16 彼かれは貧まずしい人ひとと乏とぼしい人ひとの訴うったえをただして、さいわいを得えた。こうすることがわたしを知しることではないかと主しゅは言いわれる。22:17 しかし、あなたは目めも心こころも、不正ふせいな利益りえきのためにのみ用もちい、罪つみなき者ものの血ちを流ながそうとし、圧制あっせいと暴虐ぼうぎゃくを行おこなおうとする」。22:18 それゆえ、主しゅはユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムについてこう言いわれる、 「人々ひとびとは『悲かなしいかな、わが兄あに』、『悲かなしいかな、わが姉あね』と言いって、彼かれのために嘆なげかない。また『悲かなしいかな、主君しゅくんよ』、『悲かなしいかな、陛下へいかよ』と言いって嘆なげかない。22:19 ろばが埋うめられるように、彼かれは葬ほうむられる。引ひかれて行いって、エルサレムの門もんの外そとに投なげ捨すてられる」。 22:20 「レバノンに登のぼって呼よばわり、バシャンにあなたの声こえをあげ、アバリムから呼よばわれ。あなたの愛あいする者ものがみな滅ほろぼされるからだ。22:21 あなたの栄さかえていた時とき、わたしはあなたに語かたったが『聞ききたくはない』と言いった。あなたがわたしの声こえに聞きき従したがわないことは、あなたの幼おさない時ときからの、ならわしであった。22:22 あなたの牧者ぼくしゃはみな、風かぜに追おい立たてられ、あなたの愛あいする者ものは捕とらえ移うつされる。その時とき、あなたは自分じぶんのもろもろの悪あくのために、恥はじ、うろたえる。22:23 レバノンに住すみ、香柏こうはくの中なかに巣すをつくっている者ものよ、子こを産うむ女おんなに臨のぞむ苦くるしみのような苦痛くつうがあなたに臨のぞむとき、あなたはどんなに嘆なげくことであろうか」。22:24 「主しゅは言いわれる、わたしは生いきている。ユダの王おうエホヤキムの子こコニヤが、わたしの右手みぎての指輪ゆびわであっても、わたしはあなたを抜ぬき取とる。22:25 あなたの命いのちを求もとめる者ものの手て、あなたがその顔かおを恐おそれる者ものの手て、すなわちバビロンの王おうネブカデレザルの手てと、カルデヤびとの手てにあなたを渡わたす。22:26 わたしは、あなたと、あなたを産うんだ母ははを、あなたがたの生うまれた国くにでない他たの国くにに追おいやる。あなたがたはそこで死しぬ。22:27 彼かれらが帰かえりたいとせつに願ねがう国くにに、彼かれらは再ふたたび帰かえることができない」。 22:28 この人ひとコニヤは卑いやしむべき、こわれたつぼであろうか、だれも心こころに留とめない器うつわであろうか。なぜ彼かれとその子孫しそんは追おいやられて、知しらない地ちに投なげやられるのか。22:29 ああ、地ちよ、地ちよ、地ちよ、主しゅの言葉ことばを聞きけよ。22:30 主しゅはこう言いわれる、「この人ひとを、子こなき人ひととして、またその一生いっしょうのうち、栄さかえることのない人ひととして記録きろくせよ。その子孫しそんのうち、ひとりも栄さかえて、ダビデの位くらいにすわり、ユダを治おさめるものが再ふたたび起おこらないからである」。 第23章 23:1 主しゅは言いわれる、「わが牧場まきばの羊ひつじを滅ほろぼし散ちらす牧者ぼくしゃはわざわいである」。23:2 それゆえイスラエルの神かみ、主しゅはわが民たみを養やしなう牧者ぼくしゃについてこう言いわれる、「あなたがたはわたしの群むれを散ちらし、これを追おいやって顧かえりみなかった。見みよ、わたしはあなたがたの悪あしき行おこないによってあなたがたに報むくいると、主しゅは言いわれる。23:3 わたしの群むれの残のこった者ものを、追おいやったすべての地ちから集あつめ、再ふたたびこれをそのおりに帰かえらせよう。彼かれらは子こを産うんでその数かずが多おおくなる。23:4 わたしはこれを養やしなう牧者ぼくしゃをその上うえに立たてる、彼かれらは再ふたたび恐おそれることなく、またおののくことなく、いなくなることもないと、主しゅは言いわれる。 23:5 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしがダビデのために一つの正ただしい枝えだを起おこす日ひがくる。彼かれは王おうとなって世よを治おさめ、栄さかえて、公平こうへいと正義せいぎを世よに行おこなう。23:6 その日ひユダは救すくいを得え、イスラエルは安やすらかにおる。その名なは『主しゅはわれわれの正義せいぎ』ととなえられる。 23:7 主しゅは言いわれる、それゆえ見みよ、人々ひとびとは『イスラエルの民たみをエジプトの地ちから導みちびき出だされた主しゅは生いきておられる』とまた言いわないで、23:8 『イスラエルの家いえの子孫しそんを北きたの地ちと、そのすべて追おいやられた地ちから導みちびき出だされた神かみは生いきておられる』という日ひがくる。その時とき、彼かれらは自分じぶんの地ちに住すんでいる」。 23:9 預言者よげんしゃたちについて。 わが心こころはわたしのうちに破やぶれ、わが骨ほねはみな震ふるう。主しゅとその聖せいなる言葉ことばのために、わたしは酔よっている人ひとのよう、酒さけに打うち負まかされた人ひとのようである。23:10 この地ちに姦淫かんいんを行おこなうものが満みちているからだ。のろいによって地ちは嘆なげき、荒野あらのの牧場まきばはかわく。彼かれらの道みちは悪わるく、その力ちからは正ただしくない。23:11 「預言者よげんしゃと祭司さいしとは共ともに神かみを汚けがす者ものである。わたしの家いえにおいてすら彼かれらの悪あくを見みたと、主しゅは言いわれる。23:12 それゆえ、彼かれらの道みちは、おのずから暗黒あんこくの中なかにあるなめらかな道みちのようになり、彼かれらは押おされてその道みちに倒たおれる。わたしが彼かれらの罰ばっせられる年としに、災わざわいをその上うえに臨のぞませるからであると、主しゅは言いわれる。23:13 わたしはサマリヤの預言者よげんしゃのうちに不快ふかいな事ことのあるのを見みた。彼かれらはバアルによって預言よげんし、わが民たみイスラエルを惑まどわした。23:14 しかしエルサレムの預言者よげんしゃのうちには、恐おそろしい事ことのあるのを見みた。彼かれらは姦淫かんいんを行おこない、偽いつわりに歩あゆみ、悪人あくにんの手てを強つよくし、人ひとをその悪あくから離はなれさせない。彼かれらはみなわたしにはソドムのようであり、その民たみはゴモラのようである」。23:15 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅは預言者よげんしゃについてこう言いわれる、「見みよ、わたしは彼かれらに、にがよもぎを食たべさせ、毒どくの水みずを飲のませる。神かみを汚けがすことがエルサレムの預言者よげんしゃから出でて、全ぜん地ちに及およんでいるからである」。23:16 万軍ばんぐんの主しゅはこう言いわれる、「あなたがたに預言よげんする預言者よげんしゃの言葉ことばを聞きいてはならない。彼かれらはあなたがたに、むなしい望のぞみをいだかせ、主しゅの口くちから出でたのでない、自分じぶんの心こころの黙示もくしを語かたるのである。23:17 彼かれらは主しゅの言葉ことばを軽かるんじる者ものに向むかって絶たえず、『あなたがたは平安へいあんを得える』と言いい、また自分じぶんの強情ごうじょうな心こころにしたがって歩あゆむすべての人ひとに向むかって、『あなたがたに災わざわいはこない』と言いう」。23:18 彼かれらのうちだれか主しゅの議会ぎかいに立たって、その言葉ことばを見聞みききした者ものがあろうか。だれか耳みみを傾かたむけてその言葉ことばを聞きいた者ものがあろうか。23:19 見みよ、主しゅの暴風ぼうふうがくる。憤いきどおりと、つむじ風かぜが出でて、悪人あくにんのこうべをうつ。23:20 主しゅの怒いかりは、み心こころに思おもい定さだめられたことをなし遂とげられるまで退しりぞくことはない。末すえの日ひにあなたがたはそれを明あきらかに悟さとる。 23:21 預言者よげんしゃたちはわたしがつかわさなかったのに、彼かれらは走はしった。わたしが、彼かれらに告つげなかったのに、彼かれらは預言よげんした。23:22 もし彼かれらがわたしの議会ぎかいに立たったのであれば、わたしの民たみにわが言葉ことばを告つげ示しめして、その悪わるい道みちと悪わるい行おこないから、離はなれさせたであろうに。23:23 「主しゅは言いわれる、わたしはただ近ちかくの神かみであって、遠とおくの神かみではないのであるか。23:24 主しゅは言いわれる、人ひとは、ひそかな所ところに身みを隠かくして、わたしに見みられないようにすることができようか。主しゅは言いわれる、わたしは天てんと地ちとに満みちているではないか。23:25 わが名なによって偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちが、『わたしは夢ゆめを見みた、わたしは夢ゆめを見みた』と言いうのを聞きいた。23:26 偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちの心こころに、いつまで偽いつわりがあるのであるか。彼かれらはその心こころの欺あざむきを預言よげんする。23:27 彼かれらはその先祖せんぞがバアルに従したがってわが名なを忘わすれたように、互たがいに夢ゆめを語かたって、わたしの民たみにわが名なを忘わすれさせようとする。23:28 夢ゆめをみた預言者よげんしゃは夢ゆめを語かたるがよい。しかし、わたしの言葉ことばを受うけた者ものは誠実せいじつにわたしの言葉ことばを語かたらなければならない。わらと麦むぎとをくらべることができようかと、主しゅは言いわれる。23:29 主しゅは仰おおせられる、わたしの言葉ことばは火ひのようではないか。また岩いわを打うち砕くだく鎚つちのようではないか。23:30 それゆえ見みよ、わたしはわたしの言葉ことばを互たがいに盗ぬすむ預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:31 見みよ、わたしは、『主しゅは言いいたもう』と舌したをもって語かたる預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:32 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしは偽いつわりの夢ゆめを預言よげんする者ものの敵てきとなる。彼かれらはそれを語かたり、またその偽いつわりと大言たいげんをもってわたしの民たみを惑まどわす。わたしが彼かれらをつかわしたのではなく、また彼かれらに命めいじたのでもない。それで彼かれらはこの民たみにすこしも益えきにならないと、主しゅは言いわれる。 23:33 この民たみのひとり、または預言者よげんしゃ、または祭司さいしがあなたに、『主しゅの重荷おもにはなんですか』と問とうならば、彼かれらに答こたえなさい、『あなたがたがその重荷おもにです。そして主しゅは、あなたがたを捨すてると言いっておられます』と。23:34 そして、『主しゅの重荷おもに』と言いうその預言者よげんしゃ、祭司さいし、または民たみのひとりを、その家族かぞくと共ともにわたしは罰ばっする。23:35 あなたがたは、みな互たがいに、隣となり人びとに、また兄弟きょうだいに、こう言いわなければならない、『主しゅはなんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:36 しかし重かさねて『主しゅの重荷おもに』と言いってはならない。重荷おもには人ひとおのおのの自分じぶんの言葉ことばだからである。あなたがたは生いける神かみ、万軍ばんぐんの主しゅなるわれわれの神かみの言葉ことばを曲まげる者ものである。23:37 あなたは預言者よげんしゃにこう言いわなければならない、『主しゅはあなたになんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:38 もしあなたがたが『主しゅの重荷おもに』と言いうならば、主しゅはこう仰おおせられる、『わたしが人ひとをあなたがたにつかわして、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」と言いってはならないと言いわせたのに、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」という言葉ことばを言いったので、23:39 わたしは必かならずあなたがたを捕とらえ移うつさせ、あなたがたとあなたがたの先祖せんぞとに与あたえたこの町まちと、あなたがたとを、わたしの前まえから捨すて去さる。23:40 そして、忘わすれられることのない永遠えいえんのはずかしめと永遠えいえんの恥はじを、あなたがたにこうむらせる』」。 第24章 24:1 バビロンの王おうネブカデレザルがユダの王おうエホヤキムの子こエコニヤおよびユダの君きみたちと工匠こうしょうと鍛冶かじをエルサレムからバビロンに移うつして後のち、主しゅはわたしにこの幻まぼろしをお示しめしになった。見みよ、主しゅの宮みやの前まえに置おかれているいちじくを盛もった二つのかごがあった。24:2 その一つのかごには、はじめて熟じゅくしたような非常ひじょうに良よいいちじくがあり、ほかのかごには非常ひじょうに悪わるくて食たべられないほどの悪わるいいちじくが入いれてあった。24:3 主しゅはわたしに、「エレミヤよ、何なにを見みるか」と言いわれた。わたしは、「いちじくです。その良よいいちじくは非常ひじょうによく、悪わるいほうのいちじくは非常ひじょうに悪わるくて、食たべられません」と答こたえた。 24:4 主しゅの言葉ことばがまたわたしに臨のぞんだ、24:5 「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、この所ところからカルデヤびとの地ちに追おいやったユダの捕とらわれ人びとを、わたしはこの良よいいちじくのように顧かえりみて恵めぐもう。24:6 わたしは彼かれらに目めをかけてこれを恵めぐみ、彼かれらをこの地ちに返かえし、彼かれらを建たてて倒たおさず、植うえて抜ぬかない。24:7 わたしは彼かれらにわたしが主しゅであることを知しる心こころを与あたえよう。彼かれらはわたしの民たみとなり、わたしは彼かれらの神かみとなる。彼かれらは一心いっしんにわたしのもとに帰かえってくる。 24:8 主しゅはこう仰おおせられる、わたしはユダの王おうゼデキヤとそのつかさたち、およびエルサレムの人ひとの残のこってこの地ちにいる者もの、ならびにエジプトの地ちに住すんでいる者ものを、この悪わるくて食たべられない悪わるいいちじくのようにしよう。24:9 わたしは彼かれらを地ちのもろもろの国くにで、忌いみきらわれるものとし、またわたしの追おいやるすべての所ところで、はずかしめに会あわせ、ことわざとなり、あざけりと、のろいに会あわせる。24:10 わたしはつるぎと、ききんと、疫病えきびょうを彼かれらのうちに送おくって、ついに彼かれらをわたしが彼かれらとその先祖せんぞとに与あたえた地ちから絶たえさせる」。 第25章 25:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムの四年ねん(バビロンの王おうネブカデレザルの元年がんねん)にユダのすべての民たみについての言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。25:2 預言者よげんしゃエレミヤはこの言葉ことばをユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての人ひとに告つげて言いった、25:3 「ユダの王おうアモンの子こヨシヤの十三年ねんから今日こんにちにいたるまで二十三年ねんの間あいだ、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ。わたしはたゆまずにそれをあなたがたに語かたってきたが、あなたがたは聞きかなかった。25:4 主しゅはたゆまず、そのしもべである預言者よげんしゃを、あなたがたにつかわされたが、あなたがたは聞きかずまた耳みみを傾かたむけて聞きこうともしなかった。25:5 彼かれらは言いった、『あなたがたはおのおの今いまその悪あくの道みちと悪わるい行おこないを捨すてなさい。そうすれば主しゅが昔むかしからあなたがたと先祖せんぞたちとに与あたえられた地ちに永遠えいえんに住すむことができる。25:6 あなたがたは、ほかの神かみに従したがって、それに仕つかえ、それを拝おがんではならない。あなたがたの手てで作つくったものをもって、わたしを怒いからせてはならない。このようなことをしないなら、わたしはあなたがたをそこなうことはない』と。25:7 しかしあなたがたはわたしに聞きき従したがわず、あなたがたの手てで作つくった物ものをもって、わたしを怒いからせて自みずから害がいを招まねいたと、主しゅは言いわれる。 25:8 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたがわたしの言葉ことばに聞きき従したがわないゆえ、25:9 見みよ、わたしは北きたの方ほうのすべての種族しゅぞくと、わたしのしもべであるバビロンの王おうネブカデレザルを呼よび寄よせて、この地ちとその民たみと、そのまわりの国々くにぐにを攻せめ滅ほろぼさせ、これを忌いみきらわれるものとし、人ひとの笑わらいものとし、永遠えいえんのはずかしめとすると、主しゅは言いわれる。25:10 またわたしは喜よろこびの声こえ、楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえ、花嫁はなよめの声こえ、ひきうすの音おと、ともしびの光ひかりを彼かれらの中なかに絶たえさせる。25:11 この地ちはみな滅ほろぼされて荒あれ地ちとなる。そしてその国々くにぐには七十年ねんの間あいだバビロンの王おうに仕つかえる。25:12 主しゅは言いわれる、七十年ねんの終おわった後のちに、わたしはバビロンの王おうと、その民たみと、カルデヤびとの地ちを、その罪つみのために罰ばっし、永遠えいえんの荒あれ地ちとする。25:13 わたしはあの地ちについて、わたしが語かたったすべての言葉ことばをその上うえに臨のぞませる。これはエレミヤが、万国ばんこくのことについて預言よげんしたものであって、みなこの書しょにしるされている。25:14 多おおくの国々くにぐにと偉大いだいな王おうたちとは、彼かれらをさえ奴隷どれいとして仕つかえさせる。わたしは彼かれらの行おこないと、その手てのわざに従したがって報むくいる」。 25:15 イスラエルの神かみ、主しゅはわたしにこう仰おおせられた、「わたしの手てから、この怒いかりの杯さかずきを受うけて、わたしがあなたをつかわす国々くにぐにの民たみに飲のませなさい。25:16 彼かれらは飲のんで、よろめき狂くるう。これはわたしが彼かれらのうちに、つるぎをつかわそうとしているからである」。 25:17 こうしてわたしは主しゅの手てから杯さかずきを受うけ、主しゅがわたしをつかわされた国々くにぐにの民たみに飲のませた。25:18 すなわちエルサレムとユダのすべての町まちと、その王おうたちおよびそのつかさたちに飲のませて、それらを滅ほろぼし、荒あれ地ちとし、人ひとの笑わらいものとし、のろわれるものとした。今日こんにちのとおりである。25:19 またエジプトの王おうパロとその家来けらいたち、その君きみたち、そのすべての民たみと、25:20 もろもろの寄留きりゅうの異邦人いほうじん、およびウズの地ちのすべての王おうたち、およびペリシテびとの地ちのすべての王おうたち、(アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの残のこりの者もの)、25:21 エドム、モアブ、アンモンの子孫しそん、25:22 ツロのすべての王おうたち、シドンのすべての王おうたち、海うみのかなたの海沿うみぞいの地ちの王おうたち、25:23 デダン、テマ、ブズおよびすべて髪かみの毛けのすみずみをそる者もの、25:24 アラビヤのすべての王おうたち、荒野あらのの雑種ざっしゅの民たみのすべての王おうたち、25:25 ジムリのすべての王おうたち、エラムのすべての王おうたち、メデアのすべての王おうたち、25:26 北きたのすべての王おうたちの遠とおき者もの、近ちかき者ものもつぎつぎに、またすべて地ちのおもてにある世よの国々くにぐにの王おうたちもこの杯さかずきを飲のむ。そして彼かれらの次つぎにバビロンの王おうもこれを飲のむ。 25:27 「それであなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、飲のめ、酔よって吐はけ、倒たおれて再ふたたび立たつな、わたしがあなたがたのうちに、つるぎをつかわすからである』」。 25:28 「もし彼かれらがあなたの手てから杯さかずきを受うけて飲のむことをしないならば、あなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたは必かならず飲のまなければならない。25:29 見みよ、わたしの名なをもって呼よばれるこの町まちにさえ災わざわいを下くだすのだ。どうしてあなたがたが罰ばつを免まぬかれることができようか。あなたがたは罰ばつを免まぬかれることはできない。わたしがつるぎを呼よび寄よせて、地ちに住すむすべての者ものを攻せめるからであると、万軍ばんぐんの主しゅは仰おおせられる』。 25:30 それゆえ、あなたは彼かれらにこのすべての言葉ことばを預言よげんして言いいなさい、 『主しゅは高たかい所ところから呼よばわり、その聖せいなるすまいから声こえを出だし、自分じぶんのすみかに向むかって大おおいに呼よばわり、地ちに住すむすべての者ものに向むかってぶどうを踏ふむ者もののように叫さけばれる。25:31 叫さけびは地ちの果はてにまで響ひびきわたる。主しゅが国々くにぐにと争あらそい、すべての肉にくなる者ものをさばき、悪人あくにんをつるぎに渡わたすからであると、主しゅは言いわれる』。25:32 万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、国くにから国くにへ災わざわいが出でて行いく。大おおきなあらしが地ちの果はてからおこる。25:33 その日ひ、主しゅに殺ころされる人々ひとびとは、地ちのこの果はてから、かの果はてに及およぶ。彼かれらは悲かなしまれず、集あつめられず、また葬ほうむられずに、地ちのおもてに糞土ふんどとなる。 25:34 牧者ぼくしゃよ、嘆なげき叫さけべ、群むれのかしらたちよ、灰はいの中なかにまろべ。あなたがたのほふられる日ひ、散ちらされる日ひが来きたからだ。あなたがたは選えらび分わけられた雄羊おひつじのように倒たおれる。25:35 牧者ぼくしゃには、のがれ場ばなく、群むれのかしらたちは逃にげる所ところがない。25:36 牧者ぼくしゃの叫さけび声ごえと、群むれのかしらたちの嘆なげきの声こえが聞きこえる。主しゅが彼かれらの牧場まきばを滅ほろぼしておられるからだ。25:37 主しゅの激はげしい怒いかりによって、平和へいわな牧場まきばは荒あれていく。25:38 ししのように彼かれはその巣すを出でた。主しゅのつるぎと、その激はげしい怒いかりによって、彼かれらの地ちは荒あれ地ちとなった」。 第26章 26:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムが世よを治おさめた初はじめのころ、主しゅからこの言葉ことばがあった、26:2 「主しゅはこう仰おおせられる、主しゅの宮みやの庭にわに立たち、わたしがあなたに命めいじて言いわせるすべての言葉ことばを、主しゅの宮みやで礼れい拝はいするために来きているユダの町々まちまちの人々ひとびとに告つげなさい。ひと言ことをも言いい残のこしておいてはならない。26:3 彼かれらが聞きいて、おのおのその悪わるい道みちを離はなれることがあるかも知しれない。そのとき、わたしは彼かれらの行おこないの悪わるいために、災わざわいを彼かれらに下くだそうとしたのを思おもいなおす。26:4 あなたは彼かれらに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわず、わたしがあなたがたの前まえに定さだめおいた律法りっぽうを行おこなわず、26:5 わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者よげんしゃの言葉ことばに聞きき従したがわないならば、(あなたがたは聞きき従したがわなかったが、)26:6 わたしはこの宮みやをシロのようにし、またこの町まちを地ちの万国ばんこくにのろわれるものとする』」。 26:7 祭司さいしと預言者よげんしゃおよびすべての民たみは、エレミヤが主しゅの宮みやでこれらの言葉ことばを語かたるのを聞きいた。26:8 エレミヤが主しゅに命めいじられたすべての言葉ことばを民たみに告つげ終おわった時とき、祭司さいしと預言者よげんしゃおよび民たみはみな彼かれを捕とらえて言いった、「あなたは死しななければならない。26:9 なぜあなたは主しゅの名なによって預言よげんし、この宮みやはシロのようになり、この町まちは荒あらされて住すむ人ひともなくなるであろうと言いったのか」と。民たみはみな主しゅの宮みやに集あつまってエレミヤを取とり囲かこんだ。 26:10 ユダのつかさたちはこの事ことを聞きいて王おうの宮殿きゅうでんを出でて主しゅの宮みやに上のぼり、主しゅの宮みやの「新あたらしい門もん」の入口いりぐちに座ざした。26:11 祭司さいしと預言者よげんしゃらは、つかさたちとすべての民たみに訴うったえて言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものです。あなたがたが自分じぶんの耳みみで聞きかれたように、この町まちに逆さからう預言よげんをしたのです」。 26:12 その時ときエレミヤは、つかさたちとすべての民たみに言いった、「主しゅはわたしをつかわし、この宮みやとこの町まちにむかって、預言よげんをさせられたので、そのすべての言葉ことばをあなたがたは聞きいた。26:13 それで、あなたがたは今いま、あなたがたの道みちと行おこないを改あらため、あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに聞きき従したがいなさい。そうするならば主しゅはあなたがたに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいなおされる。26:14 見みよ、わたしはあなたがたの手ての中なかにある。あなたがたの目めに、良よいと見みえ、正ただしいと思おもうことをわたしに行おこなうがよい。26:15 ただ明あきらかにこのことを知しっておきなさい。もしあなたがたがわたしを殺ころすならば、罪つみなき者ものの血ちはあなたがたの身みと、この町まちと、その住民じゅうみんとに帰きする。まことに主しゅがわたしをつかわして、このすべての言葉ことばをあなたがたの耳みみに、告つげさせられたからである」。 26:16 つかさたちと、すべての民たみとは、祭司さいしと預言者よげんしゃに言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものではない。われわれの神かみ、主しゅの名なによってわれわれに語かたったのである」。26:17 その時ときこの地ちの長老ちょうろうたち数人すうにんが立たって、そこに集あつまっているすべての者ものに告つげて言いった、26:18 「ユダの王おうヒゼキヤの世よに、モレシテびとミカはユダのすべての民たみに預言よげんして言いった、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、 シオンは畑はたけのように耕たがやされ、エルサレムは石塚いしづかとなり、宮みやの山やまは木きのおい茂しげる高たかい所ところとなる』。26:19 ユダの王おうヒゼキヤと、すべてのユダの人ひとは彼かれを殺ころそうとしたことがあろうか。ヒゼキヤは主しゅを恐おそれ、主しゅの恵めぐみを求もとめたので、主しゅは彼かれらに災わざわいを下くだすとお告つげになったのを思おもいなおされたではないか。しかし、われわれは、自分じぶんの身みに大おおきな災わざわいを招まねこうとしている」。 26:20 主しゅの名なによって預言よげんした人ひとがほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤの子こウリヤである。彼かれはエレミヤとおなじような言葉ことばをもって、この町まちとこの地ちにむかって預言よげんした。26:21 エホヤキム王おうと、そのすべての勇士ゆうしと、すべてのつかさたちはその言葉ことばを聞きいた。そして王おうは彼かれを殺ころそうと思おもったが、ウリヤはこれを聞きいて恐おそれ、エジプトに逃にげて行いったので、26:22 エホヤキム王おうは人ひとをエジプトにつかわした。すなわちアクボルの子こエルナタンと他たの数すう名めいの人ひとを、エジプトにつかわした。26:23 彼かれらはウリヤをエジプトから引ひき出だし、エホヤキム王おうのもとに連つれてきたので、王おうはつるぎをもって彼かれを殺ころし、その死体したいを共同きょうどう墓地ぼちに捨すてさせた。 26:24 しかしシャパンの子こアヒカムはエレミヤを助たすけ、民たみの手てに渡わたされて殺ころされることのないようにした。
21:1 ゼデキヤ王おうは、マルキヤの子こパシュルと祭司さいしマアセヤの子こゼパニヤを、エレミヤのもとにつかわし、
21:2 「バビロンの王おうネブカデレザルがわれわれを攻せめようとしているゆえ、われわれのために主しゅに尋たずねてほしい。主しゅはそのもろもろの不思議ふしぎなわざをもって、われわれを助たすけ、バビロンの王おうをわれわれから退しりぞかせられるかも知しれない」と言いわせた。その時とき、主しゅの言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。
21:3 エレミヤは彼かれらに答こたえて言いった、「あなたがたはゼデキヤにこのように言いいなさい、
21:4 『イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、あなたがたが、この城壁じょうへきの外そとにあって、あなたがたを攻せめ囲かこむバビロンの王おうおよびカルデヤびとと戦たたかうとき、わたしはあなたがたの手てに持もっている武器ぶきをとりあげ、これを町まちの中なかに集あつめさせる。
21:5 わたしは手てを伸のべ、強つよい腕うでをもって、怒いかり、憤いきどおり、激はげしく怒いかって、あなたがたを攻せめる。
21:6 わたしはまたこの町まちに住すむ人ひとと獣けものとを撃うつ。彼かれらはみな重おもい疫病えきびょうにかかって死しぬ。
21:7 主しゅは言いわれる、この後のち、わたしはユダの王おうゼデキヤとその家来けらいたち、および疫病えきびょうと、つるぎと、ききんを免まぬかれて、この町まちに残のこっている民たみを、バビロンの王おうネブカデレザルの手てと、その敵てきの手て、およびその命いのちを求もとめる者ものの手てに渡わたす。バビロンの王おうはつるぎの刃はにかけて彼かれらを撃うち、彼かれらを惜おしまず、顧かえりみず、またあわれむこともしない』。
21:8 あなたはまたこの民たみに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、わたしは命いのちの道みちと死しの道みちとをあなたがたの前まえに置おく。
21:9 この町まちにとどまる者ものは、つるぎと、ききんと、疫病えきびょうとで死しぬ。しかし、出でて行いって、あなたがたを攻せめ囲かこんでいるカルデヤびとに降伏こうふくする者ものは死しを免まぬかれ、その命いのちは自分じぶんのぶんどり物ものとなる。
21:10 主しゅは言いわれる、わたしがこの町まちに顔かおを向むけたのは幸さいわいを与あたえるためではなく、災わざわいを与あたえるためである。この町まちはバビロンの王おうの手てに渡わたされる。彼かれは火ひをもって、これを焼やき払はらう』。
21:11 またユダの王おうの家いえに言いいなさい、『主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。
21:12 ダビデの家いえよ、主しゅはこう仰おおせられる、 朝あさごとに、正ただしいさばきを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとをしえたげる者ものの手てから救すくえ。そうしないと、あなたがたの悪わるい行おこないのために、わたしの怒いかりは火ひのように燃もえて、それを消けすことはできない』」。
21:13 「主しゅは言いわれる、谷たにに住すむ者ものよ、平原へいげんの岩いわよ、見みよ、わたしはあなたに敵てきする。あなたがたは言いう、『だれが下くだってきて、われわれを攻せめるものか、だれがわれわれのいる所ところに、はいるものか』と。
21:14 わたしはあなたがたを、その行おこないの実みによって罰ばっする。またその林はやしに火ひをつけて、その周囲しゅういのものをみな焼やき尽つくすと、主しゅは言いわれる」。
第22章 22:1 主しゅはこう言いわれる、「ユダの王おうの家いえに下くだり、その所ところにこの言葉ことばをのべて、22:2 言いいなさい、『ダビデの位くらいにすわるユダの王おうよ、あなたと、あなたの家臣かしん、および、この門もんからはいるあなたの民たみは主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。22:3 主しゅはこう言いわれる、公平こうへいと正義せいぎを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとを、しえたげる者ものの手てから救すくい、異邦いほうの人ひと、孤児こじ、寡婦かふを悩なやまし、しえたげてはならない。またこの所ところに、罪つみなき者ものの血ちを流ながしてはならない。22:4 もしあなたがたがこの言葉ことばを真実しんじつに行おこなうならば、ダビデの位くらいにすわる王おうとその家臣かしん、およびその民たみは、車くるまと馬うまに乗のって、この家いえの門もんにはいることができる。22:5 しかしあなたがたがこの言葉ことばを聞きかないならば、わたしは自身じしんをさして誓ちかうが、この家いえは荒あれ地ちとなると、主しゅは言いわれる。22:6 主しゅはユダの王おうの家いえについてこう言いわれる、 あなたはわたしに対たいしてギレアデのようであり、レバノンの頂いただきのようである。しかし、わたしは必かならずあなたを荒あれ地ちにし、人ひとの住すまない町まちにする。22:7 わたしは滅ほろぼす者ものを設もうけて、あなたを攻せめさせる、彼かれらはおのおのその武器ぶきをとり、あなたの麗うるわしい香柏こうはくを切きり倒たおし、火ひに投なげ入いれる。22:8 多おおくの国くにの人ひとはこの町まちを過すぎ、互たがいに語かたって、「なぜ主しゅはこの大おおいなる町まちをこのようにされたのか」と言いうとき、22:9 人ひとは答こたえて、「これは彼かれらがその神かみ、主しゅの契約けいやくを捨すてて他たの神々かみがみを拝はいし、これに仕つかえたからである」と言いうであろう』」。22:10 死しんだ者もののために泣なくことなく、またそのために嘆なげいてはならない。捕とらえ移うつされてゆく者もののために、激はげしく泣なけ。彼かれはふたたび帰かえってきて、その故郷こきょうを見みることがないからである。22:11 ユダの王おうヨシヤの子こシャルムは父ちちヨシヤについで王おうとなったが、ついにこの所ところから出でて行いった。主しゅは彼かれについてこう言いわれる、「彼かれは再ふたたびここに帰かえらない。22:12 彼かれはその捕とらえ行いかれた所ところで死しに、再ふたたびこの地ちを見みない」。22:13 「不義ふぎをもってその家いえを建たて、不法ふほうをもってその高殿たかどのを造つくり、隣となり人びとを雇やとって何なにをも与あたえず、その賃金ちんぎんを払はらわない者ものはわざわいである。22:14 彼かれは言いう、『わたしは自分じぶんのために大おおきな家いえを建たて、広ひろい高殿たかどのを造つくろう』と。そしてこれがために窓まどを造つくり、香柏こうはくの鏡板かがみいたでおおい、それを朱しゅで塗ぬる。22:15 あなたは競きそって香柏こうはくを用もちいることによって、王おうであると思おもうのか。あなたの父ちちは食くい飲のみし、公平こうへいと正義せいぎを行おこなって、幸さいわいを得えたのではないか。22:16 彼かれは貧まずしい人ひとと乏とぼしい人ひとの訴うったえをただして、さいわいを得えた。こうすることがわたしを知しることではないかと主しゅは言いわれる。22:17 しかし、あなたは目めも心こころも、不正ふせいな利益りえきのためにのみ用もちい、罪つみなき者ものの血ちを流ながそうとし、圧制あっせいと暴虐ぼうぎゃくを行おこなおうとする」。22:18 それゆえ、主しゅはユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムについてこう言いわれる、 「人々ひとびとは『悲かなしいかな、わが兄あに』、『悲かなしいかな、わが姉あね』と言いって、彼かれのために嘆なげかない。また『悲かなしいかな、主君しゅくんよ』、『悲かなしいかな、陛下へいかよ』と言いって嘆なげかない。22:19 ろばが埋うめられるように、彼かれは葬ほうむられる。引ひかれて行いって、エルサレムの門もんの外そとに投なげ捨すてられる」。 22:20 「レバノンに登のぼって呼よばわり、バシャンにあなたの声こえをあげ、アバリムから呼よばわれ。あなたの愛あいする者ものがみな滅ほろぼされるからだ。22:21 あなたの栄さかえていた時とき、わたしはあなたに語かたったが『聞ききたくはない』と言いった。あなたがわたしの声こえに聞きき従したがわないことは、あなたの幼おさない時ときからの、ならわしであった。22:22 あなたの牧者ぼくしゃはみな、風かぜに追おい立たてられ、あなたの愛あいする者ものは捕とらえ移うつされる。その時とき、あなたは自分じぶんのもろもろの悪あくのために、恥はじ、うろたえる。22:23 レバノンに住すみ、香柏こうはくの中なかに巣すをつくっている者ものよ、子こを産うむ女おんなに臨のぞむ苦くるしみのような苦痛くつうがあなたに臨のぞむとき、あなたはどんなに嘆なげくことであろうか」。22:24 「主しゅは言いわれる、わたしは生いきている。ユダの王おうエホヤキムの子こコニヤが、わたしの右手みぎての指輪ゆびわであっても、わたしはあなたを抜ぬき取とる。22:25 あなたの命いのちを求もとめる者ものの手て、あなたがその顔かおを恐おそれる者ものの手て、すなわちバビロンの王おうネブカデレザルの手てと、カルデヤびとの手てにあなたを渡わたす。22:26 わたしは、あなたと、あなたを産うんだ母ははを、あなたがたの生うまれた国くにでない他たの国くにに追おいやる。あなたがたはそこで死しぬ。22:27 彼かれらが帰かえりたいとせつに願ねがう国くにに、彼かれらは再ふたたび帰かえることができない」。 22:28 この人ひとコニヤは卑いやしむべき、こわれたつぼであろうか、だれも心こころに留とめない器うつわであろうか。なぜ彼かれとその子孫しそんは追おいやられて、知しらない地ちに投なげやられるのか。22:29 ああ、地ちよ、地ちよ、地ちよ、主しゅの言葉ことばを聞きけよ。22:30 主しゅはこう言いわれる、「この人ひとを、子こなき人ひととして、またその一生いっしょうのうち、栄さかえることのない人ひととして記録きろくせよ。その子孫しそんのうち、ひとりも栄さかえて、ダビデの位くらいにすわり、ユダを治おさめるものが再ふたたび起おこらないからである」。 第23章 23:1 主しゅは言いわれる、「わが牧場まきばの羊ひつじを滅ほろぼし散ちらす牧者ぼくしゃはわざわいである」。23:2 それゆえイスラエルの神かみ、主しゅはわが民たみを養やしなう牧者ぼくしゃについてこう言いわれる、「あなたがたはわたしの群むれを散ちらし、これを追おいやって顧かえりみなかった。見みよ、わたしはあなたがたの悪あしき行おこないによってあなたがたに報むくいると、主しゅは言いわれる。23:3 わたしの群むれの残のこった者ものを、追おいやったすべての地ちから集あつめ、再ふたたびこれをそのおりに帰かえらせよう。彼かれらは子こを産うんでその数かずが多おおくなる。23:4 わたしはこれを養やしなう牧者ぼくしゃをその上うえに立たてる、彼かれらは再ふたたび恐おそれることなく、またおののくことなく、いなくなることもないと、主しゅは言いわれる。 23:5 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしがダビデのために一つの正ただしい枝えだを起おこす日ひがくる。彼かれは王おうとなって世よを治おさめ、栄さかえて、公平こうへいと正義せいぎを世よに行おこなう。23:6 その日ひユダは救すくいを得え、イスラエルは安やすらかにおる。その名なは『主しゅはわれわれの正義せいぎ』ととなえられる。 23:7 主しゅは言いわれる、それゆえ見みよ、人々ひとびとは『イスラエルの民たみをエジプトの地ちから導みちびき出だされた主しゅは生いきておられる』とまた言いわないで、23:8 『イスラエルの家いえの子孫しそんを北きたの地ちと、そのすべて追おいやられた地ちから導みちびき出だされた神かみは生いきておられる』という日ひがくる。その時とき、彼かれらは自分じぶんの地ちに住すんでいる」。 23:9 預言者よげんしゃたちについて。 わが心こころはわたしのうちに破やぶれ、わが骨ほねはみな震ふるう。主しゅとその聖せいなる言葉ことばのために、わたしは酔よっている人ひとのよう、酒さけに打うち負まかされた人ひとのようである。23:10 この地ちに姦淫かんいんを行おこなうものが満みちているからだ。のろいによって地ちは嘆なげき、荒野あらのの牧場まきばはかわく。彼かれらの道みちは悪わるく、その力ちからは正ただしくない。23:11 「預言者よげんしゃと祭司さいしとは共ともに神かみを汚けがす者ものである。わたしの家いえにおいてすら彼かれらの悪あくを見みたと、主しゅは言いわれる。23:12 それゆえ、彼かれらの道みちは、おのずから暗黒あんこくの中なかにあるなめらかな道みちのようになり、彼かれらは押おされてその道みちに倒たおれる。わたしが彼かれらの罰ばっせられる年としに、災わざわいをその上うえに臨のぞませるからであると、主しゅは言いわれる。23:13 わたしはサマリヤの預言者よげんしゃのうちに不快ふかいな事ことのあるのを見みた。彼かれらはバアルによって預言よげんし、わが民たみイスラエルを惑まどわした。23:14 しかしエルサレムの預言者よげんしゃのうちには、恐おそろしい事ことのあるのを見みた。彼かれらは姦淫かんいんを行おこない、偽いつわりに歩あゆみ、悪人あくにんの手てを強つよくし、人ひとをその悪あくから離はなれさせない。彼かれらはみなわたしにはソドムのようであり、その民たみはゴモラのようである」。23:15 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅは預言者よげんしゃについてこう言いわれる、「見みよ、わたしは彼かれらに、にがよもぎを食たべさせ、毒どくの水みずを飲のませる。神かみを汚けがすことがエルサレムの預言者よげんしゃから出でて、全ぜん地ちに及およんでいるからである」。23:16 万軍ばんぐんの主しゅはこう言いわれる、「あなたがたに預言よげんする預言者よげんしゃの言葉ことばを聞きいてはならない。彼かれらはあなたがたに、むなしい望のぞみをいだかせ、主しゅの口くちから出でたのでない、自分じぶんの心こころの黙示もくしを語かたるのである。23:17 彼かれらは主しゅの言葉ことばを軽かるんじる者ものに向むかって絶たえず、『あなたがたは平安へいあんを得える』と言いい、また自分じぶんの強情ごうじょうな心こころにしたがって歩あゆむすべての人ひとに向むかって、『あなたがたに災わざわいはこない』と言いう」。23:18 彼かれらのうちだれか主しゅの議会ぎかいに立たって、その言葉ことばを見聞みききした者ものがあろうか。だれか耳みみを傾かたむけてその言葉ことばを聞きいた者ものがあろうか。23:19 見みよ、主しゅの暴風ぼうふうがくる。憤いきどおりと、つむじ風かぜが出でて、悪人あくにんのこうべをうつ。23:20 主しゅの怒いかりは、み心こころに思おもい定さだめられたことをなし遂とげられるまで退しりぞくことはない。末すえの日ひにあなたがたはそれを明あきらかに悟さとる。 23:21 預言者よげんしゃたちはわたしがつかわさなかったのに、彼かれらは走はしった。わたしが、彼かれらに告つげなかったのに、彼かれらは預言よげんした。23:22 もし彼かれらがわたしの議会ぎかいに立たったのであれば、わたしの民たみにわが言葉ことばを告つげ示しめして、その悪わるい道みちと悪わるい行おこないから、離はなれさせたであろうに。23:23 「主しゅは言いわれる、わたしはただ近ちかくの神かみであって、遠とおくの神かみではないのであるか。23:24 主しゅは言いわれる、人ひとは、ひそかな所ところに身みを隠かくして、わたしに見みられないようにすることができようか。主しゅは言いわれる、わたしは天てんと地ちとに満みちているではないか。23:25 わが名なによって偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちが、『わたしは夢ゆめを見みた、わたしは夢ゆめを見みた』と言いうのを聞きいた。23:26 偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちの心こころに、いつまで偽いつわりがあるのであるか。彼かれらはその心こころの欺あざむきを預言よげんする。23:27 彼かれらはその先祖せんぞがバアルに従したがってわが名なを忘わすれたように、互たがいに夢ゆめを語かたって、わたしの民たみにわが名なを忘わすれさせようとする。23:28 夢ゆめをみた預言者よげんしゃは夢ゆめを語かたるがよい。しかし、わたしの言葉ことばを受うけた者ものは誠実せいじつにわたしの言葉ことばを語かたらなければならない。わらと麦むぎとをくらべることができようかと、主しゅは言いわれる。23:29 主しゅは仰おおせられる、わたしの言葉ことばは火ひのようではないか。また岩いわを打うち砕くだく鎚つちのようではないか。23:30 それゆえ見みよ、わたしはわたしの言葉ことばを互たがいに盗ぬすむ預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:31 見みよ、わたしは、『主しゅは言いいたもう』と舌したをもって語かたる預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:32 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしは偽いつわりの夢ゆめを預言よげんする者ものの敵てきとなる。彼かれらはそれを語かたり、またその偽いつわりと大言たいげんをもってわたしの民たみを惑まどわす。わたしが彼かれらをつかわしたのではなく、また彼かれらに命めいじたのでもない。それで彼かれらはこの民たみにすこしも益えきにならないと、主しゅは言いわれる。 23:33 この民たみのひとり、または預言者よげんしゃ、または祭司さいしがあなたに、『主しゅの重荷おもにはなんですか』と問とうならば、彼かれらに答こたえなさい、『あなたがたがその重荷おもにです。そして主しゅは、あなたがたを捨すてると言いっておられます』と。23:34 そして、『主しゅの重荷おもに』と言いうその預言者よげんしゃ、祭司さいし、または民たみのひとりを、その家族かぞくと共ともにわたしは罰ばっする。23:35 あなたがたは、みな互たがいに、隣となり人びとに、また兄弟きょうだいに、こう言いわなければならない、『主しゅはなんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:36 しかし重かさねて『主しゅの重荷おもに』と言いってはならない。重荷おもには人ひとおのおのの自分じぶんの言葉ことばだからである。あなたがたは生いける神かみ、万軍ばんぐんの主しゅなるわれわれの神かみの言葉ことばを曲まげる者ものである。23:37 あなたは預言者よげんしゃにこう言いわなければならない、『主しゅはあなたになんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:38 もしあなたがたが『主しゅの重荷おもに』と言いうならば、主しゅはこう仰おおせられる、『わたしが人ひとをあなたがたにつかわして、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」と言いってはならないと言いわせたのに、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」という言葉ことばを言いったので、23:39 わたしは必かならずあなたがたを捕とらえ移うつさせ、あなたがたとあなたがたの先祖せんぞとに与あたえたこの町まちと、あなたがたとを、わたしの前まえから捨すて去さる。23:40 そして、忘わすれられることのない永遠えいえんのはずかしめと永遠えいえんの恥はじを、あなたがたにこうむらせる』」。 第24章 24:1 バビロンの王おうネブカデレザルがユダの王おうエホヤキムの子こエコニヤおよびユダの君きみたちと工匠こうしょうと鍛冶かじをエルサレムからバビロンに移うつして後のち、主しゅはわたしにこの幻まぼろしをお示しめしになった。見みよ、主しゅの宮みやの前まえに置おかれているいちじくを盛もった二つのかごがあった。24:2 その一つのかごには、はじめて熟じゅくしたような非常ひじょうに良よいいちじくがあり、ほかのかごには非常ひじょうに悪わるくて食たべられないほどの悪わるいいちじくが入いれてあった。24:3 主しゅはわたしに、「エレミヤよ、何なにを見みるか」と言いわれた。わたしは、「いちじくです。その良よいいちじくは非常ひじょうによく、悪わるいほうのいちじくは非常ひじょうに悪わるくて、食たべられません」と答こたえた。 24:4 主しゅの言葉ことばがまたわたしに臨のぞんだ、24:5 「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、この所ところからカルデヤびとの地ちに追おいやったユダの捕とらわれ人びとを、わたしはこの良よいいちじくのように顧かえりみて恵めぐもう。24:6 わたしは彼かれらに目めをかけてこれを恵めぐみ、彼かれらをこの地ちに返かえし、彼かれらを建たてて倒たおさず、植うえて抜ぬかない。24:7 わたしは彼かれらにわたしが主しゅであることを知しる心こころを与あたえよう。彼かれらはわたしの民たみとなり、わたしは彼かれらの神かみとなる。彼かれらは一心いっしんにわたしのもとに帰かえってくる。 24:8 主しゅはこう仰おおせられる、わたしはユダの王おうゼデキヤとそのつかさたち、およびエルサレムの人ひとの残のこってこの地ちにいる者もの、ならびにエジプトの地ちに住すんでいる者ものを、この悪わるくて食たべられない悪わるいいちじくのようにしよう。24:9 わたしは彼かれらを地ちのもろもろの国くにで、忌いみきらわれるものとし、またわたしの追おいやるすべての所ところで、はずかしめに会あわせ、ことわざとなり、あざけりと、のろいに会あわせる。24:10 わたしはつるぎと、ききんと、疫病えきびょうを彼かれらのうちに送おくって、ついに彼かれらをわたしが彼かれらとその先祖せんぞとに与あたえた地ちから絶たえさせる」。 第25章 25:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムの四年ねん(バビロンの王おうネブカデレザルの元年がんねん)にユダのすべての民たみについての言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。25:2 預言者よげんしゃエレミヤはこの言葉ことばをユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての人ひとに告つげて言いった、25:3 「ユダの王おうアモンの子こヨシヤの十三年ねんから今日こんにちにいたるまで二十三年ねんの間あいだ、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ。わたしはたゆまずにそれをあなたがたに語かたってきたが、あなたがたは聞きかなかった。25:4 主しゅはたゆまず、そのしもべである預言者よげんしゃを、あなたがたにつかわされたが、あなたがたは聞きかずまた耳みみを傾かたむけて聞きこうともしなかった。25:5 彼かれらは言いった、『あなたがたはおのおの今いまその悪あくの道みちと悪わるい行おこないを捨すてなさい。そうすれば主しゅが昔むかしからあなたがたと先祖せんぞたちとに与あたえられた地ちに永遠えいえんに住すむことができる。25:6 あなたがたは、ほかの神かみに従したがって、それに仕つかえ、それを拝おがんではならない。あなたがたの手てで作つくったものをもって、わたしを怒いからせてはならない。このようなことをしないなら、わたしはあなたがたをそこなうことはない』と。25:7 しかしあなたがたはわたしに聞きき従したがわず、あなたがたの手てで作つくった物ものをもって、わたしを怒いからせて自みずから害がいを招まねいたと、主しゅは言いわれる。 25:8 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたがわたしの言葉ことばに聞きき従したがわないゆえ、25:9 見みよ、わたしは北きたの方ほうのすべての種族しゅぞくと、わたしのしもべであるバビロンの王おうネブカデレザルを呼よび寄よせて、この地ちとその民たみと、そのまわりの国々くにぐにを攻せめ滅ほろぼさせ、これを忌いみきらわれるものとし、人ひとの笑わらいものとし、永遠えいえんのはずかしめとすると、主しゅは言いわれる。25:10 またわたしは喜よろこびの声こえ、楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえ、花嫁はなよめの声こえ、ひきうすの音おと、ともしびの光ひかりを彼かれらの中なかに絶たえさせる。25:11 この地ちはみな滅ほろぼされて荒あれ地ちとなる。そしてその国々くにぐには七十年ねんの間あいだバビロンの王おうに仕つかえる。25:12 主しゅは言いわれる、七十年ねんの終おわった後のちに、わたしはバビロンの王おうと、その民たみと、カルデヤびとの地ちを、その罪つみのために罰ばっし、永遠えいえんの荒あれ地ちとする。25:13 わたしはあの地ちについて、わたしが語かたったすべての言葉ことばをその上うえに臨のぞませる。これはエレミヤが、万国ばんこくのことについて預言よげんしたものであって、みなこの書しょにしるされている。25:14 多おおくの国々くにぐにと偉大いだいな王おうたちとは、彼かれらをさえ奴隷どれいとして仕つかえさせる。わたしは彼かれらの行おこないと、その手てのわざに従したがって報むくいる」。 25:15 イスラエルの神かみ、主しゅはわたしにこう仰おおせられた、「わたしの手てから、この怒いかりの杯さかずきを受うけて、わたしがあなたをつかわす国々くにぐにの民たみに飲のませなさい。25:16 彼かれらは飲のんで、よろめき狂くるう。これはわたしが彼かれらのうちに、つるぎをつかわそうとしているからである」。 25:17 こうしてわたしは主しゅの手てから杯さかずきを受うけ、主しゅがわたしをつかわされた国々くにぐにの民たみに飲のませた。25:18 すなわちエルサレムとユダのすべての町まちと、その王おうたちおよびそのつかさたちに飲のませて、それらを滅ほろぼし、荒あれ地ちとし、人ひとの笑わらいものとし、のろわれるものとした。今日こんにちのとおりである。25:19 またエジプトの王おうパロとその家来けらいたち、その君きみたち、そのすべての民たみと、25:20 もろもろの寄留きりゅうの異邦人いほうじん、およびウズの地ちのすべての王おうたち、およびペリシテびとの地ちのすべての王おうたち、(アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの残のこりの者もの)、25:21 エドム、モアブ、アンモンの子孫しそん、25:22 ツロのすべての王おうたち、シドンのすべての王おうたち、海うみのかなたの海沿うみぞいの地ちの王おうたち、25:23 デダン、テマ、ブズおよびすべて髪かみの毛けのすみずみをそる者もの、25:24 アラビヤのすべての王おうたち、荒野あらのの雑種ざっしゅの民たみのすべての王おうたち、25:25 ジムリのすべての王おうたち、エラムのすべての王おうたち、メデアのすべての王おうたち、25:26 北きたのすべての王おうたちの遠とおき者もの、近ちかき者ものもつぎつぎに、またすべて地ちのおもてにある世よの国々くにぐにの王おうたちもこの杯さかずきを飲のむ。そして彼かれらの次つぎにバビロンの王おうもこれを飲のむ。 25:27 「それであなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、飲のめ、酔よって吐はけ、倒たおれて再ふたたび立たつな、わたしがあなたがたのうちに、つるぎをつかわすからである』」。 25:28 「もし彼かれらがあなたの手てから杯さかずきを受うけて飲のむことをしないならば、あなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたは必かならず飲のまなければならない。25:29 見みよ、わたしの名なをもって呼よばれるこの町まちにさえ災わざわいを下くだすのだ。どうしてあなたがたが罰ばつを免まぬかれることができようか。あなたがたは罰ばつを免まぬかれることはできない。わたしがつるぎを呼よび寄よせて、地ちに住すむすべての者ものを攻せめるからであると、万軍ばんぐんの主しゅは仰おおせられる』。 25:30 それゆえ、あなたは彼かれらにこのすべての言葉ことばを預言よげんして言いいなさい、 『主しゅは高たかい所ところから呼よばわり、その聖せいなるすまいから声こえを出だし、自分じぶんのすみかに向むかって大おおいに呼よばわり、地ちに住すむすべての者ものに向むかってぶどうを踏ふむ者もののように叫さけばれる。25:31 叫さけびは地ちの果はてにまで響ひびきわたる。主しゅが国々くにぐにと争あらそい、すべての肉にくなる者ものをさばき、悪人あくにんをつるぎに渡わたすからであると、主しゅは言いわれる』。25:32 万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、国くにから国くにへ災わざわいが出でて行いく。大おおきなあらしが地ちの果はてからおこる。25:33 その日ひ、主しゅに殺ころされる人々ひとびとは、地ちのこの果はてから、かの果はてに及およぶ。彼かれらは悲かなしまれず、集あつめられず、また葬ほうむられずに、地ちのおもてに糞土ふんどとなる。 25:34 牧者ぼくしゃよ、嘆なげき叫さけべ、群むれのかしらたちよ、灰はいの中なかにまろべ。あなたがたのほふられる日ひ、散ちらされる日ひが来きたからだ。あなたがたは選えらび分わけられた雄羊おひつじのように倒たおれる。25:35 牧者ぼくしゃには、のがれ場ばなく、群むれのかしらたちは逃にげる所ところがない。25:36 牧者ぼくしゃの叫さけび声ごえと、群むれのかしらたちの嘆なげきの声こえが聞きこえる。主しゅが彼かれらの牧場まきばを滅ほろぼしておられるからだ。25:37 主しゅの激はげしい怒いかりによって、平和へいわな牧場まきばは荒あれていく。25:38 ししのように彼かれはその巣すを出でた。主しゅのつるぎと、その激はげしい怒いかりによって、彼かれらの地ちは荒あれ地ちとなった」。 第26章 26:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムが世よを治おさめた初はじめのころ、主しゅからこの言葉ことばがあった、26:2 「主しゅはこう仰おおせられる、主しゅの宮みやの庭にわに立たち、わたしがあなたに命めいじて言いわせるすべての言葉ことばを、主しゅの宮みやで礼れい拝はいするために来きているユダの町々まちまちの人々ひとびとに告つげなさい。ひと言ことをも言いい残のこしておいてはならない。26:3 彼かれらが聞きいて、おのおのその悪わるい道みちを離はなれることがあるかも知しれない。そのとき、わたしは彼かれらの行おこないの悪わるいために、災わざわいを彼かれらに下くだそうとしたのを思おもいなおす。26:4 あなたは彼かれらに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわず、わたしがあなたがたの前まえに定さだめおいた律法りっぽうを行おこなわず、26:5 わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者よげんしゃの言葉ことばに聞きき従したがわないならば、(あなたがたは聞きき従したがわなかったが、)26:6 わたしはこの宮みやをシロのようにし、またこの町まちを地ちの万国ばんこくにのろわれるものとする』」。 26:7 祭司さいしと預言者よげんしゃおよびすべての民たみは、エレミヤが主しゅの宮みやでこれらの言葉ことばを語かたるのを聞きいた。26:8 エレミヤが主しゅに命めいじられたすべての言葉ことばを民たみに告つげ終おわった時とき、祭司さいしと預言者よげんしゃおよび民たみはみな彼かれを捕とらえて言いった、「あなたは死しななければならない。26:9 なぜあなたは主しゅの名なによって預言よげんし、この宮みやはシロのようになり、この町まちは荒あらされて住すむ人ひともなくなるであろうと言いったのか」と。民たみはみな主しゅの宮みやに集あつまってエレミヤを取とり囲かこんだ。 26:10 ユダのつかさたちはこの事ことを聞きいて王おうの宮殿きゅうでんを出でて主しゅの宮みやに上のぼり、主しゅの宮みやの「新あたらしい門もん」の入口いりぐちに座ざした。26:11 祭司さいしと預言者よげんしゃらは、つかさたちとすべての民たみに訴うったえて言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものです。あなたがたが自分じぶんの耳みみで聞きかれたように、この町まちに逆さからう預言よげんをしたのです」。 26:12 その時ときエレミヤは、つかさたちとすべての民たみに言いった、「主しゅはわたしをつかわし、この宮みやとこの町まちにむかって、預言よげんをさせられたので、そのすべての言葉ことばをあなたがたは聞きいた。26:13 それで、あなたがたは今いま、あなたがたの道みちと行おこないを改あらため、あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに聞きき従したがいなさい。そうするならば主しゅはあなたがたに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいなおされる。26:14 見みよ、わたしはあなたがたの手ての中なかにある。あなたがたの目めに、良よいと見みえ、正ただしいと思おもうことをわたしに行おこなうがよい。26:15 ただ明あきらかにこのことを知しっておきなさい。もしあなたがたがわたしを殺ころすならば、罪つみなき者ものの血ちはあなたがたの身みと、この町まちと、その住民じゅうみんとに帰きする。まことに主しゅがわたしをつかわして、このすべての言葉ことばをあなたがたの耳みみに、告つげさせられたからである」。 26:16 つかさたちと、すべての民たみとは、祭司さいしと預言者よげんしゃに言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものではない。われわれの神かみ、主しゅの名なによってわれわれに語かたったのである」。26:17 その時ときこの地ちの長老ちょうろうたち数人すうにんが立たって、そこに集あつまっているすべての者ものに告つげて言いった、26:18 「ユダの王おうヒゼキヤの世よに、モレシテびとミカはユダのすべての民たみに預言よげんして言いった、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、 シオンは畑はたけのように耕たがやされ、エルサレムは石塚いしづかとなり、宮みやの山やまは木きのおい茂しげる高たかい所ところとなる』。26:19 ユダの王おうヒゼキヤと、すべてのユダの人ひとは彼かれを殺ころそうとしたことがあろうか。ヒゼキヤは主しゅを恐おそれ、主しゅの恵めぐみを求もとめたので、主しゅは彼かれらに災わざわいを下くだすとお告つげになったのを思おもいなおされたではないか。しかし、われわれは、自分じぶんの身みに大おおきな災わざわいを招まねこうとしている」。 26:20 主しゅの名なによって預言よげんした人ひとがほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤの子こウリヤである。彼かれはエレミヤとおなじような言葉ことばをもって、この町まちとこの地ちにむかって預言よげんした。26:21 エホヤキム王おうと、そのすべての勇士ゆうしと、すべてのつかさたちはその言葉ことばを聞きいた。そして王おうは彼かれを殺ころそうと思おもったが、ウリヤはこれを聞きいて恐おそれ、エジプトに逃にげて行いったので、26:22 エホヤキム王おうは人ひとをエジプトにつかわした。すなわちアクボルの子こエルナタンと他たの数すう名めいの人ひとを、エジプトにつかわした。26:23 彼かれらはウリヤをエジプトから引ひき出だし、エホヤキム王おうのもとに連つれてきたので、王おうはつるぎをもって彼かれを殺ころし、その死体したいを共同きょうどう墓地ぼちに捨すてさせた。 26:24 しかしシャパンの子こアヒカムはエレミヤを助たすけ、民たみの手てに渡わたされて殺ころされることのないようにした。
22:1 主しゅはこう言いわれる、「ユダの王おうの家いえに下くだり、その所ところにこの言葉ことばをのべて、
22:2 言いいなさい、『ダビデの位くらいにすわるユダの王おうよ、あなたと、あなたの家臣かしん、および、この門もんからはいるあなたの民たみは主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。
22:3 主しゅはこう言いわれる、公平こうへいと正義せいぎを行おこない、物ものを奪うばわれた人ひとを、しえたげる者ものの手てから救すくい、異邦いほうの人ひと、孤児こじ、寡婦かふを悩なやまし、しえたげてはならない。またこの所ところに、罪つみなき者ものの血ちを流ながしてはならない。
22:4 もしあなたがたがこの言葉ことばを真実しんじつに行おこなうならば、ダビデの位くらいにすわる王おうとその家臣かしん、およびその民たみは、車くるまと馬うまに乗のって、この家いえの門もんにはいることができる。
22:5 しかしあなたがたがこの言葉ことばを聞きかないならば、わたしは自身じしんをさして誓ちかうが、この家いえは荒あれ地ちとなると、主しゅは言いわれる。
22:6 主しゅはユダの王おうの家いえについてこう言いわれる、 あなたはわたしに対たいしてギレアデのようであり、レバノンの頂いただきのようである。しかし、わたしは必かならずあなたを荒あれ地ちにし、人ひとの住すまない町まちにする。
22:7 わたしは滅ほろぼす者ものを設もうけて、あなたを攻せめさせる、彼かれらはおのおのその武器ぶきをとり、あなたの麗うるわしい香柏こうはくを切きり倒たおし、火ひに投なげ入いれる。
22:8 多おおくの国くにの人ひとはこの町まちを過すぎ、互たがいに語かたって、「なぜ主しゅはこの大おおいなる町まちをこのようにされたのか」と言いうとき、
22:9 人ひとは答こたえて、「これは彼かれらがその神かみ、主しゅの契約けいやくを捨すてて他たの神々かみがみを拝はいし、これに仕つかえたからである」と言いうであろう』」。
22:10 死しんだ者もののために泣なくことなく、またそのために嘆なげいてはならない。捕とらえ移うつされてゆく者もののために、激はげしく泣なけ。彼かれはふたたび帰かえってきて、その故郷こきょうを見みることがないからである。
22:11 ユダの王おうヨシヤの子こシャルムは父ちちヨシヤについで王おうとなったが、ついにこの所ところから出でて行いった。主しゅは彼かれについてこう言いわれる、「彼かれは再ふたたびここに帰かえらない。
22:12 彼かれはその捕とらえ行いかれた所ところで死しに、再ふたたびこの地ちを見みない」。
22:13 「不義ふぎをもってその家いえを建たて、不法ふほうをもってその高殿たかどのを造つくり、隣となり人びとを雇やとって何なにをも与あたえず、その賃金ちんぎんを払はらわない者ものはわざわいである。
22:14 彼かれは言いう、『わたしは自分じぶんのために大おおきな家いえを建たて、広ひろい高殿たかどのを造つくろう』と。そしてこれがために窓まどを造つくり、香柏こうはくの鏡板かがみいたでおおい、それを朱しゅで塗ぬる。
22:15 あなたは競きそって香柏こうはくを用もちいることによって、王おうであると思おもうのか。あなたの父ちちは食くい飲のみし、公平こうへいと正義せいぎを行おこなって、幸さいわいを得えたのではないか。
22:16 彼かれは貧まずしい人ひとと乏とぼしい人ひとの訴うったえをただして、さいわいを得えた。こうすることがわたしを知しることではないかと主しゅは言いわれる。
22:17 しかし、あなたは目めも心こころも、不正ふせいな利益りえきのためにのみ用もちい、罪つみなき者ものの血ちを流ながそうとし、圧制あっせいと暴虐ぼうぎゃくを行おこなおうとする」。
22:18 それゆえ、主しゅはユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムについてこう言いわれる、 「人々ひとびとは『悲かなしいかな、わが兄あに』、『悲かなしいかな、わが姉あね』と言いって、彼かれのために嘆なげかない。また『悲かなしいかな、主君しゅくんよ』、『悲かなしいかな、陛下へいかよ』と言いって嘆なげかない。
22:19 ろばが埋うめられるように、彼かれは葬ほうむられる。引ひかれて行いって、エルサレムの門もんの外そとに投なげ捨すてられる」。
22:20 「レバノンに登のぼって呼よばわり、バシャンにあなたの声こえをあげ、アバリムから呼よばわれ。あなたの愛あいする者ものがみな滅ほろぼされるからだ。
22:21 あなたの栄さかえていた時とき、わたしはあなたに語かたったが『聞ききたくはない』と言いった。あなたがわたしの声こえに聞きき従したがわないことは、あなたの幼おさない時ときからの、ならわしであった。
22:22 あなたの牧者ぼくしゃはみな、風かぜに追おい立たてられ、あなたの愛あいする者ものは捕とらえ移うつされる。その時とき、あなたは自分じぶんのもろもろの悪あくのために、恥はじ、うろたえる。
22:23 レバノンに住すみ、香柏こうはくの中なかに巣すをつくっている者ものよ、子こを産うむ女おんなに臨のぞむ苦くるしみのような苦痛くつうがあなたに臨のぞむとき、あなたはどんなに嘆なげくことであろうか」。
22:24 「主しゅは言いわれる、わたしは生いきている。ユダの王おうエホヤキムの子こコニヤが、わたしの右手みぎての指輪ゆびわであっても、わたしはあなたを抜ぬき取とる。
22:25 あなたの命いのちを求もとめる者ものの手て、あなたがその顔かおを恐おそれる者ものの手て、すなわちバビロンの王おうネブカデレザルの手てと、カルデヤびとの手てにあなたを渡わたす。
22:26 わたしは、あなたと、あなたを産うんだ母ははを、あなたがたの生うまれた国くにでない他たの国くにに追おいやる。あなたがたはそこで死しぬ。
22:27 彼かれらが帰かえりたいとせつに願ねがう国くにに、彼かれらは再ふたたび帰かえることができない」。
22:28 この人ひとコニヤは卑いやしむべき、こわれたつぼであろうか、だれも心こころに留とめない器うつわであろうか。なぜ彼かれとその子孫しそんは追おいやられて、知しらない地ちに投なげやられるのか。
22:29 ああ、地ちよ、地ちよ、地ちよ、主しゅの言葉ことばを聞きけよ。
22:30 主しゅはこう言いわれる、「この人ひとを、子こなき人ひととして、またその一生いっしょうのうち、栄さかえることのない人ひととして記録きろくせよ。その子孫しそんのうち、ひとりも栄さかえて、ダビデの位くらいにすわり、ユダを治おさめるものが再ふたたび起おこらないからである」。
第23章 23:1 主しゅは言いわれる、「わが牧場まきばの羊ひつじを滅ほろぼし散ちらす牧者ぼくしゃはわざわいである」。23:2 それゆえイスラエルの神かみ、主しゅはわが民たみを養やしなう牧者ぼくしゃについてこう言いわれる、「あなたがたはわたしの群むれを散ちらし、これを追おいやって顧かえりみなかった。見みよ、わたしはあなたがたの悪あしき行おこないによってあなたがたに報むくいると、主しゅは言いわれる。23:3 わたしの群むれの残のこった者ものを、追おいやったすべての地ちから集あつめ、再ふたたびこれをそのおりに帰かえらせよう。彼かれらは子こを産うんでその数かずが多おおくなる。23:4 わたしはこれを養やしなう牧者ぼくしゃをその上うえに立たてる、彼かれらは再ふたたび恐おそれることなく、またおののくことなく、いなくなることもないと、主しゅは言いわれる。 23:5 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしがダビデのために一つの正ただしい枝えだを起おこす日ひがくる。彼かれは王おうとなって世よを治おさめ、栄さかえて、公平こうへいと正義せいぎを世よに行おこなう。23:6 その日ひユダは救すくいを得え、イスラエルは安やすらかにおる。その名なは『主しゅはわれわれの正義せいぎ』ととなえられる。 23:7 主しゅは言いわれる、それゆえ見みよ、人々ひとびとは『イスラエルの民たみをエジプトの地ちから導みちびき出だされた主しゅは生いきておられる』とまた言いわないで、23:8 『イスラエルの家いえの子孫しそんを北きたの地ちと、そのすべて追おいやられた地ちから導みちびき出だされた神かみは生いきておられる』という日ひがくる。その時とき、彼かれらは自分じぶんの地ちに住すんでいる」。 23:9 預言者よげんしゃたちについて。 わが心こころはわたしのうちに破やぶれ、わが骨ほねはみな震ふるう。主しゅとその聖せいなる言葉ことばのために、わたしは酔よっている人ひとのよう、酒さけに打うち負まかされた人ひとのようである。23:10 この地ちに姦淫かんいんを行おこなうものが満みちているからだ。のろいによって地ちは嘆なげき、荒野あらのの牧場まきばはかわく。彼かれらの道みちは悪わるく、その力ちからは正ただしくない。23:11 「預言者よげんしゃと祭司さいしとは共ともに神かみを汚けがす者ものである。わたしの家いえにおいてすら彼かれらの悪あくを見みたと、主しゅは言いわれる。23:12 それゆえ、彼かれらの道みちは、おのずから暗黒あんこくの中なかにあるなめらかな道みちのようになり、彼かれらは押おされてその道みちに倒たおれる。わたしが彼かれらの罰ばっせられる年としに、災わざわいをその上うえに臨のぞませるからであると、主しゅは言いわれる。23:13 わたしはサマリヤの預言者よげんしゃのうちに不快ふかいな事ことのあるのを見みた。彼かれらはバアルによって預言よげんし、わが民たみイスラエルを惑まどわした。23:14 しかしエルサレムの預言者よげんしゃのうちには、恐おそろしい事ことのあるのを見みた。彼かれらは姦淫かんいんを行おこない、偽いつわりに歩あゆみ、悪人あくにんの手てを強つよくし、人ひとをその悪あくから離はなれさせない。彼かれらはみなわたしにはソドムのようであり、その民たみはゴモラのようである」。23:15 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅは預言者よげんしゃについてこう言いわれる、「見みよ、わたしは彼かれらに、にがよもぎを食たべさせ、毒どくの水みずを飲のませる。神かみを汚けがすことがエルサレムの預言者よげんしゃから出でて、全ぜん地ちに及およんでいるからである」。23:16 万軍ばんぐんの主しゅはこう言いわれる、「あなたがたに預言よげんする預言者よげんしゃの言葉ことばを聞きいてはならない。彼かれらはあなたがたに、むなしい望のぞみをいだかせ、主しゅの口くちから出でたのでない、自分じぶんの心こころの黙示もくしを語かたるのである。23:17 彼かれらは主しゅの言葉ことばを軽かるんじる者ものに向むかって絶たえず、『あなたがたは平安へいあんを得える』と言いい、また自分じぶんの強情ごうじょうな心こころにしたがって歩あゆむすべての人ひとに向むかって、『あなたがたに災わざわいはこない』と言いう」。23:18 彼かれらのうちだれか主しゅの議会ぎかいに立たって、その言葉ことばを見聞みききした者ものがあろうか。だれか耳みみを傾かたむけてその言葉ことばを聞きいた者ものがあろうか。23:19 見みよ、主しゅの暴風ぼうふうがくる。憤いきどおりと、つむじ風かぜが出でて、悪人あくにんのこうべをうつ。23:20 主しゅの怒いかりは、み心こころに思おもい定さだめられたことをなし遂とげられるまで退しりぞくことはない。末すえの日ひにあなたがたはそれを明あきらかに悟さとる。 23:21 預言者よげんしゃたちはわたしがつかわさなかったのに、彼かれらは走はしった。わたしが、彼かれらに告つげなかったのに、彼かれらは預言よげんした。23:22 もし彼かれらがわたしの議会ぎかいに立たったのであれば、わたしの民たみにわが言葉ことばを告つげ示しめして、その悪わるい道みちと悪わるい行おこないから、離はなれさせたであろうに。23:23 「主しゅは言いわれる、わたしはただ近ちかくの神かみであって、遠とおくの神かみではないのであるか。23:24 主しゅは言いわれる、人ひとは、ひそかな所ところに身みを隠かくして、わたしに見みられないようにすることができようか。主しゅは言いわれる、わたしは天てんと地ちとに満みちているではないか。23:25 わが名なによって偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちが、『わたしは夢ゆめを見みた、わたしは夢ゆめを見みた』と言いうのを聞きいた。23:26 偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちの心こころに、いつまで偽いつわりがあるのであるか。彼かれらはその心こころの欺あざむきを預言よげんする。23:27 彼かれらはその先祖せんぞがバアルに従したがってわが名なを忘わすれたように、互たがいに夢ゆめを語かたって、わたしの民たみにわが名なを忘わすれさせようとする。23:28 夢ゆめをみた預言者よげんしゃは夢ゆめを語かたるがよい。しかし、わたしの言葉ことばを受うけた者ものは誠実せいじつにわたしの言葉ことばを語かたらなければならない。わらと麦むぎとをくらべることができようかと、主しゅは言いわれる。23:29 主しゅは仰おおせられる、わたしの言葉ことばは火ひのようではないか。また岩いわを打うち砕くだく鎚つちのようではないか。23:30 それゆえ見みよ、わたしはわたしの言葉ことばを互たがいに盗ぬすむ預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:31 見みよ、わたしは、『主しゅは言いいたもう』と舌したをもって語かたる預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。23:32 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしは偽いつわりの夢ゆめを預言よげんする者ものの敵てきとなる。彼かれらはそれを語かたり、またその偽いつわりと大言たいげんをもってわたしの民たみを惑まどわす。わたしが彼かれらをつかわしたのではなく、また彼かれらに命めいじたのでもない。それで彼かれらはこの民たみにすこしも益えきにならないと、主しゅは言いわれる。 23:33 この民たみのひとり、または預言者よげんしゃ、または祭司さいしがあなたに、『主しゅの重荷おもにはなんですか』と問とうならば、彼かれらに答こたえなさい、『あなたがたがその重荷おもにです。そして主しゅは、あなたがたを捨すてると言いっておられます』と。23:34 そして、『主しゅの重荷おもに』と言いうその預言者よげんしゃ、祭司さいし、または民たみのひとりを、その家族かぞくと共ともにわたしは罰ばっする。23:35 あなたがたは、みな互たがいに、隣となり人びとに、また兄弟きょうだいに、こう言いわなければならない、『主しゅはなんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:36 しかし重かさねて『主しゅの重荷おもに』と言いってはならない。重荷おもには人ひとおのおのの自分じぶんの言葉ことばだからである。あなたがたは生いける神かみ、万軍ばんぐんの主しゅなるわれわれの神かみの言葉ことばを曲まげる者ものである。23:37 あなたは預言者よげんしゃにこう言いわなければならない、『主しゅはあなたになんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。23:38 もしあなたがたが『主しゅの重荷おもに』と言いうならば、主しゅはこう仰おおせられる、『わたしが人ひとをあなたがたにつかわして、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」と言いってはならないと言いわせたのに、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」という言葉ことばを言いったので、23:39 わたしは必かならずあなたがたを捕とらえ移うつさせ、あなたがたとあなたがたの先祖せんぞとに与あたえたこの町まちと、あなたがたとを、わたしの前まえから捨すて去さる。23:40 そして、忘わすれられることのない永遠えいえんのはずかしめと永遠えいえんの恥はじを、あなたがたにこうむらせる』」。 第24章 24:1 バビロンの王おうネブカデレザルがユダの王おうエホヤキムの子こエコニヤおよびユダの君きみたちと工匠こうしょうと鍛冶かじをエルサレムからバビロンに移うつして後のち、主しゅはわたしにこの幻まぼろしをお示しめしになった。見みよ、主しゅの宮みやの前まえに置おかれているいちじくを盛もった二つのかごがあった。24:2 その一つのかごには、はじめて熟じゅくしたような非常ひじょうに良よいいちじくがあり、ほかのかごには非常ひじょうに悪わるくて食たべられないほどの悪わるいいちじくが入いれてあった。24:3 主しゅはわたしに、「エレミヤよ、何なにを見みるか」と言いわれた。わたしは、「いちじくです。その良よいいちじくは非常ひじょうによく、悪わるいほうのいちじくは非常ひじょうに悪わるくて、食たべられません」と答こたえた。 24:4 主しゅの言葉ことばがまたわたしに臨のぞんだ、24:5 「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、この所ところからカルデヤびとの地ちに追おいやったユダの捕とらわれ人びとを、わたしはこの良よいいちじくのように顧かえりみて恵めぐもう。24:6 わたしは彼かれらに目めをかけてこれを恵めぐみ、彼かれらをこの地ちに返かえし、彼かれらを建たてて倒たおさず、植うえて抜ぬかない。24:7 わたしは彼かれらにわたしが主しゅであることを知しる心こころを与あたえよう。彼かれらはわたしの民たみとなり、わたしは彼かれらの神かみとなる。彼かれらは一心いっしんにわたしのもとに帰かえってくる。 24:8 主しゅはこう仰おおせられる、わたしはユダの王おうゼデキヤとそのつかさたち、およびエルサレムの人ひとの残のこってこの地ちにいる者もの、ならびにエジプトの地ちに住すんでいる者ものを、この悪わるくて食たべられない悪わるいいちじくのようにしよう。24:9 わたしは彼かれらを地ちのもろもろの国くにで、忌いみきらわれるものとし、またわたしの追おいやるすべての所ところで、はずかしめに会あわせ、ことわざとなり、あざけりと、のろいに会あわせる。24:10 わたしはつるぎと、ききんと、疫病えきびょうを彼かれらのうちに送おくって、ついに彼かれらをわたしが彼かれらとその先祖せんぞとに与あたえた地ちから絶たえさせる」。 第25章 25:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムの四年ねん(バビロンの王おうネブカデレザルの元年がんねん)にユダのすべての民たみについての言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。25:2 預言者よげんしゃエレミヤはこの言葉ことばをユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての人ひとに告つげて言いった、25:3 「ユダの王おうアモンの子こヨシヤの十三年ねんから今日こんにちにいたるまで二十三年ねんの間あいだ、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ。わたしはたゆまずにそれをあなたがたに語かたってきたが、あなたがたは聞きかなかった。25:4 主しゅはたゆまず、そのしもべである預言者よげんしゃを、あなたがたにつかわされたが、あなたがたは聞きかずまた耳みみを傾かたむけて聞きこうともしなかった。25:5 彼かれらは言いった、『あなたがたはおのおの今いまその悪あくの道みちと悪わるい行おこないを捨すてなさい。そうすれば主しゅが昔むかしからあなたがたと先祖せんぞたちとに与あたえられた地ちに永遠えいえんに住すむことができる。25:6 あなたがたは、ほかの神かみに従したがって、それに仕つかえ、それを拝おがんではならない。あなたがたの手てで作つくったものをもって、わたしを怒いからせてはならない。このようなことをしないなら、わたしはあなたがたをそこなうことはない』と。25:7 しかしあなたがたはわたしに聞きき従したがわず、あなたがたの手てで作つくった物ものをもって、わたしを怒いからせて自みずから害がいを招まねいたと、主しゅは言いわれる。 25:8 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたがわたしの言葉ことばに聞きき従したがわないゆえ、25:9 見みよ、わたしは北きたの方ほうのすべての種族しゅぞくと、わたしのしもべであるバビロンの王おうネブカデレザルを呼よび寄よせて、この地ちとその民たみと、そのまわりの国々くにぐにを攻せめ滅ほろぼさせ、これを忌いみきらわれるものとし、人ひとの笑わらいものとし、永遠えいえんのはずかしめとすると、主しゅは言いわれる。25:10 またわたしは喜よろこびの声こえ、楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえ、花嫁はなよめの声こえ、ひきうすの音おと、ともしびの光ひかりを彼かれらの中なかに絶たえさせる。25:11 この地ちはみな滅ほろぼされて荒あれ地ちとなる。そしてその国々くにぐには七十年ねんの間あいだバビロンの王おうに仕つかえる。25:12 主しゅは言いわれる、七十年ねんの終おわった後のちに、わたしはバビロンの王おうと、その民たみと、カルデヤびとの地ちを、その罪つみのために罰ばっし、永遠えいえんの荒あれ地ちとする。25:13 わたしはあの地ちについて、わたしが語かたったすべての言葉ことばをその上うえに臨のぞませる。これはエレミヤが、万国ばんこくのことについて預言よげんしたものであって、みなこの書しょにしるされている。25:14 多おおくの国々くにぐにと偉大いだいな王おうたちとは、彼かれらをさえ奴隷どれいとして仕つかえさせる。わたしは彼かれらの行おこないと、その手てのわざに従したがって報むくいる」。 25:15 イスラエルの神かみ、主しゅはわたしにこう仰おおせられた、「わたしの手てから、この怒いかりの杯さかずきを受うけて、わたしがあなたをつかわす国々くにぐにの民たみに飲のませなさい。25:16 彼かれらは飲のんで、よろめき狂くるう。これはわたしが彼かれらのうちに、つるぎをつかわそうとしているからである」。 25:17 こうしてわたしは主しゅの手てから杯さかずきを受うけ、主しゅがわたしをつかわされた国々くにぐにの民たみに飲のませた。25:18 すなわちエルサレムとユダのすべての町まちと、その王おうたちおよびそのつかさたちに飲のませて、それらを滅ほろぼし、荒あれ地ちとし、人ひとの笑わらいものとし、のろわれるものとした。今日こんにちのとおりである。25:19 またエジプトの王おうパロとその家来けらいたち、その君きみたち、そのすべての民たみと、25:20 もろもろの寄留きりゅうの異邦人いほうじん、およびウズの地ちのすべての王おうたち、およびペリシテびとの地ちのすべての王おうたち、(アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの残のこりの者もの)、25:21 エドム、モアブ、アンモンの子孫しそん、25:22 ツロのすべての王おうたち、シドンのすべての王おうたち、海うみのかなたの海沿うみぞいの地ちの王おうたち、25:23 デダン、テマ、ブズおよびすべて髪かみの毛けのすみずみをそる者もの、25:24 アラビヤのすべての王おうたち、荒野あらのの雑種ざっしゅの民たみのすべての王おうたち、25:25 ジムリのすべての王おうたち、エラムのすべての王おうたち、メデアのすべての王おうたち、25:26 北きたのすべての王おうたちの遠とおき者もの、近ちかき者ものもつぎつぎに、またすべて地ちのおもてにある世よの国々くにぐにの王おうたちもこの杯さかずきを飲のむ。そして彼かれらの次つぎにバビロンの王おうもこれを飲のむ。 25:27 「それであなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、飲のめ、酔よって吐はけ、倒たおれて再ふたたび立たつな、わたしがあなたがたのうちに、つるぎをつかわすからである』」。 25:28 「もし彼かれらがあなたの手てから杯さかずきを受うけて飲のむことをしないならば、あなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたは必かならず飲のまなければならない。25:29 見みよ、わたしの名なをもって呼よばれるこの町まちにさえ災わざわいを下くだすのだ。どうしてあなたがたが罰ばつを免まぬかれることができようか。あなたがたは罰ばつを免まぬかれることはできない。わたしがつるぎを呼よび寄よせて、地ちに住すむすべての者ものを攻せめるからであると、万軍ばんぐんの主しゅは仰おおせられる』。 25:30 それゆえ、あなたは彼かれらにこのすべての言葉ことばを預言よげんして言いいなさい、 『主しゅは高たかい所ところから呼よばわり、その聖せいなるすまいから声こえを出だし、自分じぶんのすみかに向むかって大おおいに呼よばわり、地ちに住すむすべての者ものに向むかってぶどうを踏ふむ者もののように叫さけばれる。25:31 叫さけびは地ちの果はてにまで響ひびきわたる。主しゅが国々くにぐにと争あらそい、すべての肉にくなる者ものをさばき、悪人あくにんをつるぎに渡わたすからであると、主しゅは言いわれる』。25:32 万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、国くにから国くにへ災わざわいが出でて行いく。大おおきなあらしが地ちの果はてからおこる。25:33 その日ひ、主しゅに殺ころされる人々ひとびとは、地ちのこの果はてから、かの果はてに及およぶ。彼かれらは悲かなしまれず、集あつめられず、また葬ほうむられずに、地ちのおもてに糞土ふんどとなる。 25:34 牧者ぼくしゃよ、嘆なげき叫さけべ、群むれのかしらたちよ、灰はいの中なかにまろべ。あなたがたのほふられる日ひ、散ちらされる日ひが来きたからだ。あなたがたは選えらび分わけられた雄羊おひつじのように倒たおれる。25:35 牧者ぼくしゃには、のがれ場ばなく、群むれのかしらたちは逃にげる所ところがない。25:36 牧者ぼくしゃの叫さけび声ごえと、群むれのかしらたちの嘆なげきの声こえが聞きこえる。主しゅが彼かれらの牧場まきばを滅ほろぼしておられるからだ。25:37 主しゅの激はげしい怒いかりによって、平和へいわな牧場まきばは荒あれていく。25:38 ししのように彼かれはその巣すを出でた。主しゅのつるぎと、その激はげしい怒いかりによって、彼かれらの地ちは荒あれ地ちとなった」。 第26章 26:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムが世よを治おさめた初はじめのころ、主しゅからこの言葉ことばがあった、26:2 「主しゅはこう仰おおせられる、主しゅの宮みやの庭にわに立たち、わたしがあなたに命めいじて言いわせるすべての言葉ことばを、主しゅの宮みやで礼れい拝はいするために来きているユダの町々まちまちの人々ひとびとに告つげなさい。ひと言ことをも言いい残のこしておいてはならない。26:3 彼かれらが聞きいて、おのおのその悪わるい道みちを離はなれることがあるかも知しれない。そのとき、わたしは彼かれらの行おこないの悪わるいために、災わざわいを彼かれらに下くだそうとしたのを思おもいなおす。26:4 あなたは彼かれらに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわず、わたしがあなたがたの前まえに定さだめおいた律法りっぽうを行おこなわず、26:5 わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者よげんしゃの言葉ことばに聞きき従したがわないならば、(あなたがたは聞きき従したがわなかったが、)26:6 わたしはこの宮みやをシロのようにし、またこの町まちを地ちの万国ばんこくにのろわれるものとする』」。 26:7 祭司さいしと預言者よげんしゃおよびすべての民たみは、エレミヤが主しゅの宮みやでこれらの言葉ことばを語かたるのを聞きいた。26:8 エレミヤが主しゅに命めいじられたすべての言葉ことばを民たみに告つげ終おわった時とき、祭司さいしと預言者よげんしゃおよび民たみはみな彼かれを捕とらえて言いった、「あなたは死しななければならない。26:9 なぜあなたは主しゅの名なによって預言よげんし、この宮みやはシロのようになり、この町まちは荒あらされて住すむ人ひともなくなるであろうと言いったのか」と。民たみはみな主しゅの宮みやに集あつまってエレミヤを取とり囲かこんだ。 26:10 ユダのつかさたちはこの事ことを聞きいて王おうの宮殿きゅうでんを出でて主しゅの宮みやに上のぼり、主しゅの宮みやの「新あたらしい門もん」の入口いりぐちに座ざした。26:11 祭司さいしと預言者よげんしゃらは、つかさたちとすべての民たみに訴うったえて言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものです。あなたがたが自分じぶんの耳みみで聞きかれたように、この町まちに逆さからう預言よげんをしたのです」。 26:12 その時ときエレミヤは、つかさたちとすべての民たみに言いった、「主しゅはわたしをつかわし、この宮みやとこの町まちにむかって、預言よげんをさせられたので、そのすべての言葉ことばをあなたがたは聞きいた。26:13 それで、あなたがたは今いま、あなたがたの道みちと行おこないを改あらため、あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに聞きき従したがいなさい。そうするならば主しゅはあなたがたに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいなおされる。26:14 見みよ、わたしはあなたがたの手ての中なかにある。あなたがたの目めに、良よいと見みえ、正ただしいと思おもうことをわたしに行おこなうがよい。26:15 ただ明あきらかにこのことを知しっておきなさい。もしあなたがたがわたしを殺ころすならば、罪つみなき者ものの血ちはあなたがたの身みと、この町まちと、その住民じゅうみんとに帰きする。まことに主しゅがわたしをつかわして、このすべての言葉ことばをあなたがたの耳みみに、告つげさせられたからである」。 26:16 つかさたちと、すべての民たみとは、祭司さいしと預言者よげんしゃに言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものではない。われわれの神かみ、主しゅの名なによってわれわれに語かたったのである」。26:17 その時ときこの地ちの長老ちょうろうたち数人すうにんが立たって、そこに集あつまっているすべての者ものに告つげて言いった、26:18 「ユダの王おうヒゼキヤの世よに、モレシテびとミカはユダのすべての民たみに預言よげんして言いった、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、 シオンは畑はたけのように耕たがやされ、エルサレムは石塚いしづかとなり、宮みやの山やまは木きのおい茂しげる高たかい所ところとなる』。26:19 ユダの王おうヒゼキヤと、すべてのユダの人ひとは彼かれを殺ころそうとしたことがあろうか。ヒゼキヤは主しゅを恐おそれ、主しゅの恵めぐみを求もとめたので、主しゅは彼かれらに災わざわいを下くだすとお告つげになったのを思おもいなおされたではないか。しかし、われわれは、自分じぶんの身みに大おおきな災わざわいを招まねこうとしている」。 26:20 主しゅの名なによって預言よげんした人ひとがほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤの子こウリヤである。彼かれはエレミヤとおなじような言葉ことばをもって、この町まちとこの地ちにむかって預言よげんした。26:21 エホヤキム王おうと、そのすべての勇士ゆうしと、すべてのつかさたちはその言葉ことばを聞きいた。そして王おうは彼かれを殺ころそうと思おもったが、ウリヤはこれを聞きいて恐おそれ、エジプトに逃にげて行いったので、26:22 エホヤキム王おうは人ひとをエジプトにつかわした。すなわちアクボルの子こエルナタンと他たの数すう名めいの人ひとを、エジプトにつかわした。26:23 彼かれらはウリヤをエジプトから引ひき出だし、エホヤキム王おうのもとに連つれてきたので、王おうはつるぎをもって彼かれを殺ころし、その死体したいを共同きょうどう墓地ぼちに捨すてさせた。 26:24 しかしシャパンの子こアヒカムはエレミヤを助たすけ、民たみの手てに渡わたされて殺ころされることのないようにした。
23:1 主しゅは言いわれる、「わが牧場まきばの羊ひつじを滅ほろぼし散ちらす牧者ぼくしゃはわざわいである」。
23:2 それゆえイスラエルの神かみ、主しゅはわが民たみを養やしなう牧者ぼくしゃについてこう言いわれる、「あなたがたはわたしの群むれを散ちらし、これを追おいやって顧かえりみなかった。見みよ、わたしはあなたがたの悪あしき行おこないによってあなたがたに報むくいると、主しゅは言いわれる。
23:3 わたしの群むれの残のこった者ものを、追おいやったすべての地ちから集あつめ、再ふたたびこれをそのおりに帰かえらせよう。彼かれらは子こを産うんでその数かずが多おおくなる。
23:4 わたしはこれを養やしなう牧者ぼくしゃをその上うえに立たてる、彼かれらは再ふたたび恐おそれることなく、またおののくことなく、いなくなることもないと、主しゅは言いわれる。
23:5 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしがダビデのために一つの正ただしい枝えだを起おこす日ひがくる。彼かれは王おうとなって世よを治おさめ、栄さかえて、公平こうへいと正義せいぎを世よに行おこなう。
23:6 その日ひユダは救すくいを得え、イスラエルは安やすらかにおる。その名なは『主しゅはわれわれの正義せいぎ』ととなえられる。
23:7 主しゅは言いわれる、それゆえ見みよ、人々ひとびとは『イスラエルの民たみをエジプトの地ちから導みちびき出だされた主しゅは生いきておられる』とまた言いわないで、
23:8 『イスラエルの家いえの子孫しそんを北きたの地ちと、そのすべて追おいやられた地ちから導みちびき出だされた神かみは生いきておられる』という日ひがくる。その時とき、彼かれらは自分じぶんの地ちに住すんでいる」。
23:9 預言者よげんしゃたちについて。 わが心こころはわたしのうちに破やぶれ、わが骨ほねはみな震ふるう。主しゅとその聖せいなる言葉ことばのために、わたしは酔よっている人ひとのよう、酒さけに打うち負まかされた人ひとのようである。
23:10 この地ちに姦淫かんいんを行おこなうものが満みちているからだ。のろいによって地ちは嘆なげき、荒野あらのの牧場まきばはかわく。彼かれらの道みちは悪わるく、その力ちからは正ただしくない。
23:11 「預言者よげんしゃと祭司さいしとは共ともに神かみを汚けがす者ものである。わたしの家いえにおいてすら彼かれらの悪あくを見みたと、主しゅは言いわれる。
23:12 それゆえ、彼かれらの道みちは、おのずから暗黒あんこくの中なかにあるなめらかな道みちのようになり、彼かれらは押おされてその道みちに倒たおれる。わたしが彼かれらの罰ばっせられる年としに、災わざわいをその上うえに臨のぞませるからであると、主しゅは言いわれる。
23:13 わたしはサマリヤの預言者よげんしゃのうちに不快ふかいな事ことのあるのを見みた。彼かれらはバアルによって預言よげんし、わが民たみイスラエルを惑まどわした。
23:14 しかしエルサレムの預言者よげんしゃのうちには、恐おそろしい事ことのあるのを見みた。彼かれらは姦淫かんいんを行おこない、偽いつわりに歩あゆみ、悪人あくにんの手てを強つよくし、人ひとをその悪あくから離はなれさせない。彼かれらはみなわたしにはソドムのようであり、その民たみはゴモラのようである」。
23:15 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅは預言者よげんしゃについてこう言いわれる、「見みよ、わたしは彼かれらに、にがよもぎを食たべさせ、毒どくの水みずを飲のませる。神かみを汚けがすことがエルサレムの預言者よげんしゃから出でて、全ぜん地ちに及およんでいるからである」。
23:16 万軍ばんぐんの主しゅはこう言いわれる、「あなたがたに預言よげんする預言者よげんしゃの言葉ことばを聞きいてはならない。彼かれらはあなたがたに、むなしい望のぞみをいだかせ、主しゅの口くちから出でたのでない、自分じぶんの心こころの黙示もくしを語かたるのである。
23:17 彼かれらは主しゅの言葉ことばを軽かるんじる者ものに向むかって絶たえず、『あなたがたは平安へいあんを得える』と言いい、また自分じぶんの強情ごうじょうな心こころにしたがって歩あゆむすべての人ひとに向むかって、『あなたがたに災わざわいはこない』と言いう」。
23:18 彼かれらのうちだれか主しゅの議会ぎかいに立たって、その言葉ことばを見聞みききした者ものがあろうか。だれか耳みみを傾かたむけてその言葉ことばを聞きいた者ものがあろうか。
23:19 見みよ、主しゅの暴風ぼうふうがくる。憤いきどおりと、つむじ風かぜが出でて、悪人あくにんのこうべをうつ。
23:20 主しゅの怒いかりは、み心こころに思おもい定さだめられたことをなし遂とげられるまで退しりぞくことはない。末すえの日ひにあなたがたはそれを明あきらかに悟さとる。
23:21 預言者よげんしゃたちはわたしがつかわさなかったのに、彼かれらは走はしった。わたしが、彼かれらに告つげなかったのに、彼かれらは預言よげんした。
23:22 もし彼かれらがわたしの議会ぎかいに立たったのであれば、わたしの民たみにわが言葉ことばを告つげ示しめして、その悪わるい道みちと悪わるい行おこないから、離はなれさせたであろうに。
23:23 「主しゅは言いわれる、わたしはただ近ちかくの神かみであって、遠とおくの神かみではないのであるか。
23:24 主しゅは言いわれる、人ひとは、ひそかな所ところに身みを隠かくして、わたしに見みられないようにすることができようか。主しゅは言いわれる、わたしは天てんと地ちとに満みちているではないか。
23:25 わが名なによって偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちが、『わたしは夢ゆめを見みた、わたしは夢ゆめを見みた』と言いうのを聞きいた。
23:26 偽いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちの心こころに、いつまで偽いつわりがあるのであるか。彼かれらはその心こころの欺あざむきを預言よげんする。
23:27 彼かれらはその先祖せんぞがバアルに従したがってわが名なを忘わすれたように、互たがいに夢ゆめを語かたって、わたしの民たみにわが名なを忘わすれさせようとする。
23:28 夢ゆめをみた預言者よげんしゃは夢ゆめを語かたるがよい。しかし、わたしの言葉ことばを受うけた者ものは誠実せいじつにわたしの言葉ことばを語かたらなければならない。わらと麦むぎとをくらべることができようかと、主しゅは言いわれる。
23:29 主しゅは仰おおせられる、わたしの言葉ことばは火ひのようではないか。また岩いわを打うち砕くだく鎚つちのようではないか。
23:30 それゆえ見みよ、わたしはわたしの言葉ことばを互たがいに盗ぬすむ預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。
23:31 見みよ、わたしは、『主しゅは言いいたもう』と舌したをもって語かたる預言者よげんしゃの敵てきとなると、主しゅは言いわれる。
23:32 主しゅは仰おおせられる、見みよ、わたしは偽いつわりの夢ゆめを預言よげんする者ものの敵てきとなる。彼かれらはそれを語かたり、またその偽いつわりと大言たいげんをもってわたしの民たみを惑まどわす。わたしが彼かれらをつかわしたのではなく、また彼かれらに命めいじたのでもない。それで彼かれらはこの民たみにすこしも益えきにならないと、主しゅは言いわれる。
23:33 この民たみのひとり、または預言者よげんしゃ、または祭司さいしがあなたに、『主しゅの重荷おもにはなんですか』と問とうならば、彼かれらに答こたえなさい、『あなたがたがその重荷おもにです。そして主しゅは、あなたがたを捨すてると言いっておられます』と。
23:34 そして、『主しゅの重荷おもに』と言いうその預言者よげんしゃ、祭司さいし、または民たみのひとりを、その家族かぞくと共ともにわたしは罰ばっする。
23:35 あなたがたは、みな互たがいに、隣となり人びとに、また兄弟きょうだいに、こう言いわなければならない、『主しゅはなんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。
23:36 しかし重かさねて『主しゅの重荷おもに』と言いってはならない。重荷おもには人ひとおのおのの自分じぶんの言葉ことばだからである。あなたがたは生いける神かみ、万軍ばんぐんの主しゅなるわれわれの神かみの言葉ことばを曲まげる者ものである。
23:37 あなたは預言者よげんしゃにこう言いわなければならない、『主しゅはあなたになんと答こたえられましたか』、『主しゅはなんと言いわれましたか』と。
23:38 もしあなたがたが『主しゅの重荷おもに』と言いうならば、主しゅはこう仰おおせられる、『わたしが人ひとをあなたがたにつかわして、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」と言いってはならないと言いわせたのに、あなたがたは「主しゅの重荷おもに」という言葉ことばを言いったので、
23:39 わたしは必かならずあなたがたを捕とらえ移うつさせ、あなたがたとあなたがたの先祖せんぞとに与あたえたこの町まちと、あなたがたとを、わたしの前まえから捨すて去さる。
23:40 そして、忘わすれられることのない永遠えいえんのはずかしめと永遠えいえんの恥はじを、あなたがたにこうむらせる』」。
第24章 24:1 バビロンの王おうネブカデレザルがユダの王おうエホヤキムの子こエコニヤおよびユダの君きみたちと工匠こうしょうと鍛冶かじをエルサレムからバビロンに移うつして後のち、主しゅはわたしにこの幻まぼろしをお示しめしになった。見みよ、主しゅの宮みやの前まえに置おかれているいちじくを盛もった二つのかごがあった。24:2 その一つのかごには、はじめて熟じゅくしたような非常ひじょうに良よいいちじくがあり、ほかのかごには非常ひじょうに悪わるくて食たべられないほどの悪わるいいちじくが入いれてあった。24:3 主しゅはわたしに、「エレミヤよ、何なにを見みるか」と言いわれた。わたしは、「いちじくです。その良よいいちじくは非常ひじょうによく、悪わるいほうのいちじくは非常ひじょうに悪わるくて、食たべられません」と答こたえた。 24:4 主しゅの言葉ことばがまたわたしに臨のぞんだ、24:5 「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、この所ところからカルデヤびとの地ちに追おいやったユダの捕とらわれ人びとを、わたしはこの良よいいちじくのように顧かえりみて恵めぐもう。24:6 わたしは彼かれらに目めをかけてこれを恵めぐみ、彼かれらをこの地ちに返かえし、彼かれらを建たてて倒たおさず、植うえて抜ぬかない。24:7 わたしは彼かれらにわたしが主しゅであることを知しる心こころを与あたえよう。彼かれらはわたしの民たみとなり、わたしは彼かれらの神かみとなる。彼かれらは一心いっしんにわたしのもとに帰かえってくる。 24:8 主しゅはこう仰おおせられる、わたしはユダの王おうゼデキヤとそのつかさたち、およびエルサレムの人ひとの残のこってこの地ちにいる者もの、ならびにエジプトの地ちに住すんでいる者ものを、この悪わるくて食たべられない悪わるいいちじくのようにしよう。24:9 わたしは彼かれらを地ちのもろもろの国くにで、忌いみきらわれるものとし、またわたしの追おいやるすべての所ところで、はずかしめに会あわせ、ことわざとなり、あざけりと、のろいに会あわせる。24:10 わたしはつるぎと、ききんと、疫病えきびょうを彼かれらのうちに送おくって、ついに彼かれらをわたしが彼かれらとその先祖せんぞとに与あたえた地ちから絶たえさせる」。 第25章 25:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムの四年ねん(バビロンの王おうネブカデレザルの元年がんねん)にユダのすべての民たみについての言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。25:2 預言者よげんしゃエレミヤはこの言葉ことばをユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての人ひとに告つげて言いった、25:3 「ユダの王おうアモンの子こヨシヤの十三年ねんから今日こんにちにいたるまで二十三年ねんの間あいだ、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ。わたしはたゆまずにそれをあなたがたに語かたってきたが、あなたがたは聞きかなかった。25:4 主しゅはたゆまず、そのしもべである預言者よげんしゃを、あなたがたにつかわされたが、あなたがたは聞きかずまた耳みみを傾かたむけて聞きこうともしなかった。25:5 彼かれらは言いった、『あなたがたはおのおの今いまその悪あくの道みちと悪わるい行おこないを捨すてなさい。そうすれば主しゅが昔むかしからあなたがたと先祖せんぞたちとに与あたえられた地ちに永遠えいえんに住すむことができる。25:6 あなたがたは、ほかの神かみに従したがって、それに仕つかえ、それを拝おがんではならない。あなたがたの手てで作つくったものをもって、わたしを怒いからせてはならない。このようなことをしないなら、わたしはあなたがたをそこなうことはない』と。25:7 しかしあなたがたはわたしに聞きき従したがわず、あなたがたの手てで作つくった物ものをもって、わたしを怒いからせて自みずから害がいを招まねいたと、主しゅは言いわれる。 25:8 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたがわたしの言葉ことばに聞きき従したがわないゆえ、25:9 見みよ、わたしは北きたの方ほうのすべての種族しゅぞくと、わたしのしもべであるバビロンの王おうネブカデレザルを呼よび寄よせて、この地ちとその民たみと、そのまわりの国々くにぐにを攻せめ滅ほろぼさせ、これを忌いみきらわれるものとし、人ひとの笑わらいものとし、永遠えいえんのはずかしめとすると、主しゅは言いわれる。25:10 またわたしは喜よろこびの声こえ、楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえ、花嫁はなよめの声こえ、ひきうすの音おと、ともしびの光ひかりを彼かれらの中なかに絶たえさせる。25:11 この地ちはみな滅ほろぼされて荒あれ地ちとなる。そしてその国々くにぐには七十年ねんの間あいだバビロンの王おうに仕つかえる。25:12 主しゅは言いわれる、七十年ねんの終おわった後のちに、わたしはバビロンの王おうと、その民たみと、カルデヤびとの地ちを、その罪つみのために罰ばっし、永遠えいえんの荒あれ地ちとする。25:13 わたしはあの地ちについて、わたしが語かたったすべての言葉ことばをその上うえに臨のぞませる。これはエレミヤが、万国ばんこくのことについて預言よげんしたものであって、みなこの書しょにしるされている。25:14 多おおくの国々くにぐにと偉大いだいな王おうたちとは、彼かれらをさえ奴隷どれいとして仕つかえさせる。わたしは彼かれらの行おこないと、その手てのわざに従したがって報むくいる」。 25:15 イスラエルの神かみ、主しゅはわたしにこう仰おおせられた、「わたしの手てから、この怒いかりの杯さかずきを受うけて、わたしがあなたをつかわす国々くにぐにの民たみに飲のませなさい。25:16 彼かれらは飲のんで、よろめき狂くるう。これはわたしが彼かれらのうちに、つるぎをつかわそうとしているからである」。 25:17 こうしてわたしは主しゅの手てから杯さかずきを受うけ、主しゅがわたしをつかわされた国々くにぐにの民たみに飲のませた。25:18 すなわちエルサレムとユダのすべての町まちと、その王おうたちおよびそのつかさたちに飲のませて、それらを滅ほろぼし、荒あれ地ちとし、人ひとの笑わらいものとし、のろわれるものとした。今日こんにちのとおりである。25:19 またエジプトの王おうパロとその家来けらいたち、その君きみたち、そのすべての民たみと、25:20 もろもろの寄留きりゅうの異邦人いほうじん、およびウズの地ちのすべての王おうたち、およびペリシテびとの地ちのすべての王おうたち、(アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの残のこりの者もの)、25:21 エドム、モアブ、アンモンの子孫しそん、25:22 ツロのすべての王おうたち、シドンのすべての王おうたち、海うみのかなたの海沿うみぞいの地ちの王おうたち、25:23 デダン、テマ、ブズおよびすべて髪かみの毛けのすみずみをそる者もの、25:24 アラビヤのすべての王おうたち、荒野あらのの雑種ざっしゅの民たみのすべての王おうたち、25:25 ジムリのすべての王おうたち、エラムのすべての王おうたち、メデアのすべての王おうたち、25:26 北きたのすべての王おうたちの遠とおき者もの、近ちかき者ものもつぎつぎに、またすべて地ちのおもてにある世よの国々くにぐにの王おうたちもこの杯さかずきを飲のむ。そして彼かれらの次つぎにバビロンの王おうもこれを飲のむ。 25:27 「それであなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、飲のめ、酔よって吐はけ、倒たおれて再ふたたび立たつな、わたしがあなたがたのうちに、つるぎをつかわすからである』」。 25:28 「もし彼かれらがあなたの手てから杯さかずきを受うけて飲のむことをしないならば、あなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたは必かならず飲のまなければならない。25:29 見みよ、わたしの名なをもって呼よばれるこの町まちにさえ災わざわいを下くだすのだ。どうしてあなたがたが罰ばつを免まぬかれることができようか。あなたがたは罰ばつを免まぬかれることはできない。わたしがつるぎを呼よび寄よせて、地ちに住すむすべての者ものを攻せめるからであると、万軍ばんぐんの主しゅは仰おおせられる』。 25:30 それゆえ、あなたは彼かれらにこのすべての言葉ことばを預言よげんして言いいなさい、 『主しゅは高たかい所ところから呼よばわり、その聖せいなるすまいから声こえを出だし、自分じぶんのすみかに向むかって大おおいに呼よばわり、地ちに住すむすべての者ものに向むかってぶどうを踏ふむ者もののように叫さけばれる。25:31 叫さけびは地ちの果はてにまで響ひびきわたる。主しゅが国々くにぐにと争あらそい、すべての肉にくなる者ものをさばき、悪人あくにんをつるぎに渡わたすからであると、主しゅは言いわれる』。25:32 万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、国くにから国くにへ災わざわいが出でて行いく。大おおきなあらしが地ちの果はてからおこる。25:33 その日ひ、主しゅに殺ころされる人々ひとびとは、地ちのこの果はてから、かの果はてに及およぶ。彼かれらは悲かなしまれず、集あつめられず、また葬ほうむられずに、地ちのおもてに糞土ふんどとなる。 25:34 牧者ぼくしゃよ、嘆なげき叫さけべ、群むれのかしらたちよ、灰はいの中なかにまろべ。あなたがたのほふられる日ひ、散ちらされる日ひが来きたからだ。あなたがたは選えらび分わけられた雄羊おひつじのように倒たおれる。25:35 牧者ぼくしゃには、のがれ場ばなく、群むれのかしらたちは逃にげる所ところがない。25:36 牧者ぼくしゃの叫さけび声ごえと、群むれのかしらたちの嘆なげきの声こえが聞きこえる。主しゅが彼かれらの牧場まきばを滅ほろぼしておられるからだ。25:37 主しゅの激はげしい怒いかりによって、平和へいわな牧場まきばは荒あれていく。25:38 ししのように彼かれはその巣すを出でた。主しゅのつるぎと、その激はげしい怒いかりによって、彼かれらの地ちは荒あれ地ちとなった」。 第26章 26:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムが世よを治おさめた初はじめのころ、主しゅからこの言葉ことばがあった、26:2 「主しゅはこう仰おおせられる、主しゅの宮みやの庭にわに立たち、わたしがあなたに命めいじて言いわせるすべての言葉ことばを、主しゅの宮みやで礼れい拝はいするために来きているユダの町々まちまちの人々ひとびとに告つげなさい。ひと言ことをも言いい残のこしておいてはならない。26:3 彼かれらが聞きいて、おのおのその悪わるい道みちを離はなれることがあるかも知しれない。そのとき、わたしは彼かれらの行おこないの悪わるいために、災わざわいを彼かれらに下くだそうとしたのを思おもいなおす。26:4 あなたは彼かれらに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわず、わたしがあなたがたの前まえに定さだめおいた律法りっぽうを行おこなわず、26:5 わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者よげんしゃの言葉ことばに聞きき従したがわないならば、(あなたがたは聞きき従したがわなかったが、)26:6 わたしはこの宮みやをシロのようにし、またこの町まちを地ちの万国ばんこくにのろわれるものとする』」。 26:7 祭司さいしと預言者よげんしゃおよびすべての民たみは、エレミヤが主しゅの宮みやでこれらの言葉ことばを語かたるのを聞きいた。26:8 エレミヤが主しゅに命めいじられたすべての言葉ことばを民たみに告つげ終おわった時とき、祭司さいしと預言者よげんしゃおよび民たみはみな彼かれを捕とらえて言いった、「あなたは死しななければならない。26:9 なぜあなたは主しゅの名なによって預言よげんし、この宮みやはシロのようになり、この町まちは荒あらされて住すむ人ひともなくなるであろうと言いったのか」と。民たみはみな主しゅの宮みやに集あつまってエレミヤを取とり囲かこんだ。 26:10 ユダのつかさたちはこの事ことを聞きいて王おうの宮殿きゅうでんを出でて主しゅの宮みやに上のぼり、主しゅの宮みやの「新あたらしい門もん」の入口いりぐちに座ざした。26:11 祭司さいしと預言者よげんしゃらは、つかさたちとすべての民たみに訴うったえて言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものです。あなたがたが自分じぶんの耳みみで聞きかれたように、この町まちに逆さからう預言よげんをしたのです」。 26:12 その時ときエレミヤは、つかさたちとすべての民たみに言いった、「主しゅはわたしをつかわし、この宮みやとこの町まちにむかって、預言よげんをさせられたので、そのすべての言葉ことばをあなたがたは聞きいた。26:13 それで、あなたがたは今いま、あなたがたの道みちと行おこないを改あらため、あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに聞きき従したがいなさい。そうするならば主しゅはあなたがたに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいなおされる。26:14 見みよ、わたしはあなたがたの手ての中なかにある。あなたがたの目めに、良よいと見みえ、正ただしいと思おもうことをわたしに行おこなうがよい。26:15 ただ明あきらかにこのことを知しっておきなさい。もしあなたがたがわたしを殺ころすならば、罪つみなき者ものの血ちはあなたがたの身みと、この町まちと、その住民じゅうみんとに帰きする。まことに主しゅがわたしをつかわして、このすべての言葉ことばをあなたがたの耳みみに、告つげさせられたからである」。 26:16 つかさたちと、すべての民たみとは、祭司さいしと預言者よげんしゃに言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものではない。われわれの神かみ、主しゅの名なによってわれわれに語かたったのである」。26:17 その時ときこの地ちの長老ちょうろうたち数人すうにんが立たって、そこに集あつまっているすべての者ものに告つげて言いった、26:18 「ユダの王おうヒゼキヤの世よに、モレシテびとミカはユダのすべての民たみに預言よげんして言いった、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、 シオンは畑はたけのように耕たがやされ、エルサレムは石塚いしづかとなり、宮みやの山やまは木きのおい茂しげる高たかい所ところとなる』。26:19 ユダの王おうヒゼキヤと、すべてのユダの人ひとは彼かれを殺ころそうとしたことがあろうか。ヒゼキヤは主しゅを恐おそれ、主しゅの恵めぐみを求もとめたので、主しゅは彼かれらに災わざわいを下くだすとお告つげになったのを思おもいなおされたではないか。しかし、われわれは、自分じぶんの身みに大おおきな災わざわいを招まねこうとしている」。 26:20 主しゅの名なによって預言よげんした人ひとがほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤの子こウリヤである。彼かれはエレミヤとおなじような言葉ことばをもって、この町まちとこの地ちにむかって預言よげんした。26:21 エホヤキム王おうと、そのすべての勇士ゆうしと、すべてのつかさたちはその言葉ことばを聞きいた。そして王おうは彼かれを殺ころそうと思おもったが、ウリヤはこれを聞きいて恐おそれ、エジプトに逃にげて行いったので、26:22 エホヤキム王おうは人ひとをエジプトにつかわした。すなわちアクボルの子こエルナタンと他たの数すう名めいの人ひとを、エジプトにつかわした。26:23 彼かれらはウリヤをエジプトから引ひき出だし、エホヤキム王おうのもとに連つれてきたので、王おうはつるぎをもって彼かれを殺ころし、その死体したいを共同きょうどう墓地ぼちに捨すてさせた。 26:24 しかしシャパンの子こアヒカムはエレミヤを助たすけ、民たみの手てに渡わたされて殺ころされることのないようにした。
24:1 バビロンの王おうネブカデレザルがユダの王おうエホヤキムの子こエコニヤおよびユダの君きみたちと工匠こうしょうと鍛冶かじをエルサレムからバビロンに移うつして後のち、主しゅはわたしにこの幻まぼろしをお示しめしになった。見みよ、主しゅの宮みやの前まえに置おかれているいちじくを盛もった二つのかごがあった。
24:2 その一つのかごには、はじめて熟じゅくしたような非常ひじょうに良よいいちじくがあり、ほかのかごには非常ひじょうに悪わるくて食たべられないほどの悪わるいいちじくが入いれてあった。
24:3 主しゅはわたしに、「エレミヤよ、何なにを見みるか」と言いわれた。わたしは、「いちじくです。その良よいいちじくは非常ひじょうによく、悪わるいほうのいちじくは非常ひじょうに悪わるくて、食たべられません」と答こたえた。
24:4 主しゅの言葉ことばがまたわたしに臨のぞんだ、
24:5 「イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、この所ところからカルデヤびとの地ちに追おいやったユダの捕とらわれ人びとを、わたしはこの良よいいちじくのように顧かえりみて恵めぐもう。
24:6 わたしは彼かれらに目めをかけてこれを恵めぐみ、彼かれらをこの地ちに返かえし、彼かれらを建たてて倒たおさず、植うえて抜ぬかない。
24:7 わたしは彼かれらにわたしが主しゅであることを知しる心こころを与あたえよう。彼かれらはわたしの民たみとなり、わたしは彼かれらの神かみとなる。彼かれらは一心いっしんにわたしのもとに帰かえってくる。
24:8 主しゅはこう仰おおせられる、わたしはユダの王おうゼデキヤとそのつかさたち、およびエルサレムの人ひとの残のこってこの地ちにいる者もの、ならびにエジプトの地ちに住すんでいる者ものを、この悪わるくて食たべられない悪わるいいちじくのようにしよう。
24:9 わたしは彼かれらを地ちのもろもろの国くにで、忌いみきらわれるものとし、またわたしの追おいやるすべての所ところで、はずかしめに会あわせ、ことわざとなり、あざけりと、のろいに会あわせる。
24:10 わたしはつるぎと、ききんと、疫病えきびょうを彼かれらのうちに送おくって、ついに彼かれらをわたしが彼かれらとその先祖せんぞとに与あたえた地ちから絶たえさせる」。
第25章 25:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムの四年ねん(バビロンの王おうネブカデレザルの元年がんねん)にユダのすべての民たみについての言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。25:2 預言者よげんしゃエレミヤはこの言葉ことばをユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての人ひとに告つげて言いった、25:3 「ユダの王おうアモンの子こヨシヤの十三年ねんから今日こんにちにいたるまで二十三年ねんの間あいだ、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ。わたしはたゆまずにそれをあなたがたに語かたってきたが、あなたがたは聞きかなかった。25:4 主しゅはたゆまず、そのしもべである預言者よげんしゃを、あなたがたにつかわされたが、あなたがたは聞きかずまた耳みみを傾かたむけて聞きこうともしなかった。25:5 彼かれらは言いった、『あなたがたはおのおの今いまその悪あくの道みちと悪わるい行おこないを捨すてなさい。そうすれば主しゅが昔むかしからあなたがたと先祖せんぞたちとに与あたえられた地ちに永遠えいえんに住すむことができる。25:6 あなたがたは、ほかの神かみに従したがって、それに仕つかえ、それを拝おがんではならない。あなたがたの手てで作つくったものをもって、わたしを怒いからせてはならない。このようなことをしないなら、わたしはあなたがたをそこなうことはない』と。25:7 しかしあなたがたはわたしに聞きき従したがわず、あなたがたの手てで作つくった物ものをもって、わたしを怒いからせて自みずから害がいを招まねいたと、主しゅは言いわれる。 25:8 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたがわたしの言葉ことばに聞きき従したがわないゆえ、25:9 見みよ、わたしは北きたの方ほうのすべての種族しゅぞくと、わたしのしもべであるバビロンの王おうネブカデレザルを呼よび寄よせて、この地ちとその民たみと、そのまわりの国々くにぐにを攻せめ滅ほろぼさせ、これを忌いみきらわれるものとし、人ひとの笑わらいものとし、永遠えいえんのはずかしめとすると、主しゅは言いわれる。25:10 またわたしは喜よろこびの声こえ、楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえ、花嫁はなよめの声こえ、ひきうすの音おと、ともしびの光ひかりを彼かれらの中なかに絶たえさせる。25:11 この地ちはみな滅ほろぼされて荒あれ地ちとなる。そしてその国々くにぐには七十年ねんの間あいだバビロンの王おうに仕つかえる。25:12 主しゅは言いわれる、七十年ねんの終おわった後のちに、わたしはバビロンの王おうと、その民たみと、カルデヤびとの地ちを、その罪つみのために罰ばっし、永遠えいえんの荒あれ地ちとする。25:13 わたしはあの地ちについて、わたしが語かたったすべての言葉ことばをその上うえに臨のぞませる。これはエレミヤが、万国ばんこくのことについて預言よげんしたものであって、みなこの書しょにしるされている。25:14 多おおくの国々くにぐにと偉大いだいな王おうたちとは、彼かれらをさえ奴隷どれいとして仕つかえさせる。わたしは彼かれらの行おこないと、その手てのわざに従したがって報むくいる」。 25:15 イスラエルの神かみ、主しゅはわたしにこう仰おおせられた、「わたしの手てから、この怒いかりの杯さかずきを受うけて、わたしがあなたをつかわす国々くにぐにの民たみに飲のませなさい。25:16 彼かれらは飲のんで、よろめき狂くるう。これはわたしが彼かれらのうちに、つるぎをつかわそうとしているからである」。 25:17 こうしてわたしは主しゅの手てから杯さかずきを受うけ、主しゅがわたしをつかわされた国々くにぐにの民たみに飲のませた。25:18 すなわちエルサレムとユダのすべての町まちと、その王おうたちおよびそのつかさたちに飲のませて、それらを滅ほろぼし、荒あれ地ちとし、人ひとの笑わらいものとし、のろわれるものとした。今日こんにちのとおりである。25:19 またエジプトの王おうパロとその家来けらいたち、その君きみたち、そのすべての民たみと、25:20 もろもろの寄留きりゅうの異邦人いほうじん、およびウズの地ちのすべての王おうたち、およびペリシテびとの地ちのすべての王おうたち、(アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの残のこりの者もの)、25:21 エドム、モアブ、アンモンの子孫しそん、25:22 ツロのすべての王おうたち、シドンのすべての王おうたち、海うみのかなたの海沿うみぞいの地ちの王おうたち、25:23 デダン、テマ、ブズおよびすべて髪かみの毛けのすみずみをそる者もの、25:24 アラビヤのすべての王おうたち、荒野あらのの雑種ざっしゅの民たみのすべての王おうたち、25:25 ジムリのすべての王おうたち、エラムのすべての王おうたち、メデアのすべての王おうたち、25:26 北きたのすべての王おうたちの遠とおき者もの、近ちかき者ものもつぎつぎに、またすべて地ちのおもてにある世よの国々くにぐにの王おうたちもこの杯さかずきを飲のむ。そして彼かれらの次つぎにバビロンの王おうもこれを飲のむ。 25:27 「それであなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、飲のめ、酔よって吐はけ、倒たおれて再ふたたび立たつな、わたしがあなたがたのうちに、つるぎをつかわすからである』」。 25:28 「もし彼かれらがあなたの手てから杯さかずきを受うけて飲のむことをしないならば、あなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたは必かならず飲のまなければならない。25:29 見みよ、わたしの名なをもって呼よばれるこの町まちにさえ災わざわいを下くだすのだ。どうしてあなたがたが罰ばつを免まぬかれることができようか。あなたがたは罰ばつを免まぬかれることはできない。わたしがつるぎを呼よび寄よせて、地ちに住すむすべての者ものを攻せめるからであると、万軍ばんぐんの主しゅは仰おおせられる』。 25:30 それゆえ、あなたは彼かれらにこのすべての言葉ことばを預言よげんして言いいなさい、 『主しゅは高たかい所ところから呼よばわり、その聖せいなるすまいから声こえを出だし、自分じぶんのすみかに向むかって大おおいに呼よばわり、地ちに住すむすべての者ものに向むかってぶどうを踏ふむ者もののように叫さけばれる。25:31 叫さけびは地ちの果はてにまで響ひびきわたる。主しゅが国々くにぐにと争あらそい、すべての肉にくなる者ものをさばき、悪人あくにんをつるぎに渡わたすからであると、主しゅは言いわれる』。25:32 万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、国くにから国くにへ災わざわいが出でて行いく。大おおきなあらしが地ちの果はてからおこる。25:33 その日ひ、主しゅに殺ころされる人々ひとびとは、地ちのこの果はてから、かの果はてに及およぶ。彼かれらは悲かなしまれず、集あつめられず、また葬ほうむられずに、地ちのおもてに糞土ふんどとなる。 25:34 牧者ぼくしゃよ、嘆なげき叫さけべ、群むれのかしらたちよ、灰はいの中なかにまろべ。あなたがたのほふられる日ひ、散ちらされる日ひが来きたからだ。あなたがたは選えらび分わけられた雄羊おひつじのように倒たおれる。25:35 牧者ぼくしゃには、のがれ場ばなく、群むれのかしらたちは逃にげる所ところがない。25:36 牧者ぼくしゃの叫さけび声ごえと、群むれのかしらたちの嘆なげきの声こえが聞きこえる。主しゅが彼かれらの牧場まきばを滅ほろぼしておられるからだ。25:37 主しゅの激はげしい怒いかりによって、平和へいわな牧場まきばは荒あれていく。25:38 ししのように彼かれはその巣すを出でた。主しゅのつるぎと、その激はげしい怒いかりによって、彼かれらの地ちは荒あれ地ちとなった」。 第26章 26:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムが世よを治おさめた初はじめのころ、主しゅからこの言葉ことばがあった、26:2 「主しゅはこう仰おおせられる、主しゅの宮みやの庭にわに立たち、わたしがあなたに命めいじて言いわせるすべての言葉ことばを、主しゅの宮みやで礼れい拝はいするために来きているユダの町々まちまちの人々ひとびとに告つげなさい。ひと言ことをも言いい残のこしておいてはならない。26:3 彼かれらが聞きいて、おのおのその悪わるい道みちを離はなれることがあるかも知しれない。そのとき、わたしは彼かれらの行おこないの悪わるいために、災わざわいを彼かれらに下くだそうとしたのを思おもいなおす。26:4 あなたは彼かれらに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわず、わたしがあなたがたの前まえに定さだめおいた律法りっぽうを行おこなわず、26:5 わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者よげんしゃの言葉ことばに聞きき従したがわないならば、(あなたがたは聞きき従したがわなかったが、)26:6 わたしはこの宮みやをシロのようにし、またこの町まちを地ちの万国ばんこくにのろわれるものとする』」。 26:7 祭司さいしと預言者よげんしゃおよびすべての民たみは、エレミヤが主しゅの宮みやでこれらの言葉ことばを語かたるのを聞きいた。26:8 エレミヤが主しゅに命めいじられたすべての言葉ことばを民たみに告つげ終おわった時とき、祭司さいしと預言者よげんしゃおよび民たみはみな彼かれを捕とらえて言いった、「あなたは死しななければならない。26:9 なぜあなたは主しゅの名なによって預言よげんし、この宮みやはシロのようになり、この町まちは荒あらされて住すむ人ひともなくなるであろうと言いったのか」と。民たみはみな主しゅの宮みやに集あつまってエレミヤを取とり囲かこんだ。 26:10 ユダのつかさたちはこの事ことを聞きいて王おうの宮殿きゅうでんを出でて主しゅの宮みやに上のぼり、主しゅの宮みやの「新あたらしい門もん」の入口いりぐちに座ざした。26:11 祭司さいしと預言者よげんしゃらは、つかさたちとすべての民たみに訴うったえて言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものです。あなたがたが自分じぶんの耳みみで聞きかれたように、この町まちに逆さからう預言よげんをしたのです」。 26:12 その時ときエレミヤは、つかさたちとすべての民たみに言いった、「主しゅはわたしをつかわし、この宮みやとこの町まちにむかって、預言よげんをさせられたので、そのすべての言葉ことばをあなたがたは聞きいた。26:13 それで、あなたがたは今いま、あなたがたの道みちと行おこないを改あらため、あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに聞きき従したがいなさい。そうするならば主しゅはあなたがたに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいなおされる。26:14 見みよ、わたしはあなたがたの手ての中なかにある。あなたがたの目めに、良よいと見みえ、正ただしいと思おもうことをわたしに行おこなうがよい。26:15 ただ明あきらかにこのことを知しっておきなさい。もしあなたがたがわたしを殺ころすならば、罪つみなき者ものの血ちはあなたがたの身みと、この町まちと、その住民じゅうみんとに帰きする。まことに主しゅがわたしをつかわして、このすべての言葉ことばをあなたがたの耳みみに、告つげさせられたからである」。 26:16 つかさたちと、すべての民たみとは、祭司さいしと預言者よげんしゃに言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものではない。われわれの神かみ、主しゅの名なによってわれわれに語かたったのである」。26:17 その時ときこの地ちの長老ちょうろうたち数人すうにんが立たって、そこに集あつまっているすべての者ものに告つげて言いった、26:18 「ユダの王おうヒゼキヤの世よに、モレシテびとミカはユダのすべての民たみに預言よげんして言いった、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、 シオンは畑はたけのように耕たがやされ、エルサレムは石塚いしづかとなり、宮みやの山やまは木きのおい茂しげる高たかい所ところとなる』。26:19 ユダの王おうヒゼキヤと、すべてのユダの人ひとは彼かれを殺ころそうとしたことがあろうか。ヒゼキヤは主しゅを恐おそれ、主しゅの恵めぐみを求もとめたので、主しゅは彼かれらに災わざわいを下くだすとお告つげになったのを思おもいなおされたではないか。しかし、われわれは、自分じぶんの身みに大おおきな災わざわいを招まねこうとしている」。 26:20 主しゅの名なによって預言よげんした人ひとがほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤの子こウリヤである。彼かれはエレミヤとおなじような言葉ことばをもって、この町まちとこの地ちにむかって預言よげんした。26:21 エホヤキム王おうと、そのすべての勇士ゆうしと、すべてのつかさたちはその言葉ことばを聞きいた。そして王おうは彼かれを殺ころそうと思おもったが、ウリヤはこれを聞きいて恐おそれ、エジプトに逃にげて行いったので、26:22 エホヤキム王おうは人ひとをエジプトにつかわした。すなわちアクボルの子こエルナタンと他たの数すう名めいの人ひとを、エジプトにつかわした。26:23 彼かれらはウリヤをエジプトから引ひき出だし、エホヤキム王おうのもとに連つれてきたので、王おうはつるぎをもって彼かれを殺ころし、その死体したいを共同きょうどう墓地ぼちに捨すてさせた。 26:24 しかしシャパンの子こアヒカムはエレミヤを助たすけ、民たみの手てに渡わたされて殺ころされることのないようにした。
25:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムの四年ねん(バビロンの王おうネブカデレザルの元年がんねん)にユダのすべての民たみについての言葉ことばがエレミヤに臨のぞんだ。
25:2 預言者よげんしゃエレミヤはこの言葉ことばをユダのすべての民たみとエルサレムに住すむすべての人ひとに告つげて言いった、
25:3 「ユダの王おうアモンの子こヨシヤの十三年ねんから今日こんにちにいたるまで二十三年ねんの間あいだ、主しゅの言葉ことばがわたしに臨のぞんだ。わたしはたゆまずにそれをあなたがたに語かたってきたが、あなたがたは聞きかなかった。
25:4 主しゅはたゆまず、そのしもべである預言者よげんしゃを、あなたがたにつかわされたが、あなたがたは聞きかずまた耳みみを傾かたむけて聞きこうともしなかった。
25:5 彼かれらは言いった、『あなたがたはおのおの今いまその悪あくの道みちと悪わるい行おこないを捨すてなさい。そうすれば主しゅが昔むかしからあなたがたと先祖せんぞたちとに与あたえられた地ちに永遠えいえんに住すむことができる。
25:6 あなたがたは、ほかの神かみに従したがって、それに仕つかえ、それを拝おがんではならない。あなたがたの手てで作つくったものをもって、わたしを怒いからせてはならない。このようなことをしないなら、わたしはあなたがたをそこなうことはない』と。
25:7 しかしあなたがたはわたしに聞きき従したがわず、あなたがたの手てで作つくった物ものをもって、わたしを怒いからせて自みずから害がいを招まねいたと、主しゅは言いわれる。
25:8 それゆえ万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたがわたしの言葉ことばに聞きき従したがわないゆえ、
25:9 見みよ、わたしは北きたの方ほうのすべての種族しゅぞくと、わたしのしもべであるバビロンの王おうネブカデレザルを呼よび寄よせて、この地ちとその民たみと、そのまわりの国々くにぐにを攻せめ滅ほろぼさせ、これを忌いみきらわれるものとし、人ひとの笑わらいものとし、永遠えいえんのはずかしめとすると、主しゅは言いわれる。
25:10 またわたしは喜よろこびの声こえ、楽たのしみの声こえ、花婿はなむこの声こえ、花嫁はなよめの声こえ、ひきうすの音おと、ともしびの光ひかりを彼かれらの中なかに絶たえさせる。
25:11 この地ちはみな滅ほろぼされて荒あれ地ちとなる。そしてその国々くにぐには七十年ねんの間あいだバビロンの王おうに仕つかえる。
25:12 主しゅは言いわれる、七十年ねんの終おわった後のちに、わたしはバビロンの王おうと、その民たみと、カルデヤびとの地ちを、その罪つみのために罰ばっし、永遠えいえんの荒あれ地ちとする。
25:13 わたしはあの地ちについて、わたしが語かたったすべての言葉ことばをその上うえに臨のぞませる。これはエレミヤが、万国ばんこくのことについて預言よげんしたものであって、みなこの書しょにしるされている。
25:14 多おおくの国々くにぐにと偉大いだいな王おうたちとは、彼かれらをさえ奴隷どれいとして仕つかえさせる。わたしは彼かれらの行おこないと、その手てのわざに従したがって報むくいる」。
25:15 イスラエルの神かみ、主しゅはわたしにこう仰おおせられた、「わたしの手てから、この怒いかりの杯さかずきを受うけて、わたしがあなたをつかわす国々くにぐにの民たみに飲のませなさい。
25:16 彼かれらは飲のんで、よろめき狂くるう。これはわたしが彼かれらのうちに、つるぎをつかわそうとしているからである」。
25:17 こうしてわたしは主しゅの手てから杯さかずきを受うけ、主しゅがわたしをつかわされた国々くにぐにの民たみに飲のませた。
25:18 すなわちエルサレムとユダのすべての町まちと、その王おうたちおよびそのつかさたちに飲のませて、それらを滅ほろぼし、荒あれ地ちとし、人ひとの笑わらいものとし、のろわれるものとした。今日こんにちのとおりである。
25:19 またエジプトの王おうパロとその家来けらいたち、その君きみたち、そのすべての民たみと、
25:20 もろもろの寄留きりゅうの異邦人いほうじん、およびウズの地ちのすべての王おうたち、およびペリシテびとの地ちのすべての王おうたち、(アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの残のこりの者もの)、
25:21 エドム、モアブ、アンモンの子孫しそん、
25:22 ツロのすべての王おうたち、シドンのすべての王おうたち、海うみのかなたの海沿うみぞいの地ちの王おうたち、
25:23 デダン、テマ、ブズおよびすべて髪かみの毛けのすみずみをそる者もの、
25:24 アラビヤのすべての王おうたち、荒野あらのの雑種ざっしゅの民たみのすべての王おうたち、
25:25 ジムリのすべての王おうたち、エラムのすべての王おうたち、メデアのすべての王おうたち、
25:26 北きたのすべての王おうたちの遠とおき者もの、近ちかき者ものもつぎつぎに、またすべて地ちのおもてにある世よの国々くにぐにの王おうたちもこの杯さかずきを飲のむ。そして彼かれらの次つぎにバビロンの王おうもこれを飲のむ。
25:27 「それであなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅ、イスラエルの神かみはこう仰おおせられる、飲のめ、酔よって吐はけ、倒たおれて再ふたたび立たつな、わたしがあなたがたのうちに、つるぎをつかわすからである』」。
25:28 「もし彼かれらがあなたの手てから杯さかずきを受うけて飲のむことをしないならば、あなたは彼かれらに言いいなさい、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、あなたがたは必かならず飲のまなければならない。
25:29 見みよ、わたしの名なをもって呼よばれるこの町まちにさえ災わざわいを下くだすのだ。どうしてあなたがたが罰ばつを免まぬかれることができようか。あなたがたは罰ばつを免まぬかれることはできない。わたしがつるぎを呼よび寄よせて、地ちに住すむすべての者ものを攻せめるからであると、万軍ばんぐんの主しゅは仰おおせられる』。
25:30 それゆえ、あなたは彼かれらにこのすべての言葉ことばを預言よげんして言いいなさい、 『主しゅは高たかい所ところから呼よばわり、その聖せいなるすまいから声こえを出だし、自分じぶんのすみかに向むかって大おおいに呼よばわり、地ちに住すむすべての者ものに向むかってぶどうを踏ふむ者もののように叫さけばれる。
25:31 叫さけびは地ちの果はてにまで響ひびきわたる。主しゅが国々くにぐにと争あらそい、すべての肉にくなる者ものをさばき、悪人あくにんをつるぎに渡わたすからであると、主しゅは言いわれる』。
25:32 万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、見みよ、国くにから国くにへ災わざわいが出でて行いく。大おおきなあらしが地ちの果はてからおこる。
25:33 その日ひ、主しゅに殺ころされる人々ひとびとは、地ちのこの果はてから、かの果はてに及およぶ。彼かれらは悲かなしまれず、集あつめられず、また葬ほうむられずに、地ちのおもてに糞土ふんどとなる。
25:34 牧者ぼくしゃよ、嘆なげき叫さけべ、群むれのかしらたちよ、灰はいの中なかにまろべ。あなたがたのほふられる日ひ、散ちらされる日ひが来きたからだ。あなたがたは選えらび分わけられた雄羊おひつじのように倒たおれる。
25:35 牧者ぼくしゃには、のがれ場ばなく、群むれのかしらたちは逃にげる所ところがない。
25:36 牧者ぼくしゃの叫さけび声ごえと、群むれのかしらたちの嘆なげきの声こえが聞きこえる。主しゅが彼かれらの牧場まきばを滅ほろぼしておられるからだ。
25:37 主しゅの激はげしい怒いかりによって、平和へいわな牧場まきばは荒あれていく。
25:38 ししのように彼かれはその巣すを出でた。主しゅのつるぎと、その激はげしい怒いかりによって、彼かれらの地ちは荒あれ地ちとなった」。
第26章 26:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムが世よを治おさめた初はじめのころ、主しゅからこの言葉ことばがあった、26:2 「主しゅはこう仰おおせられる、主しゅの宮みやの庭にわに立たち、わたしがあなたに命めいじて言いわせるすべての言葉ことばを、主しゅの宮みやで礼れい拝はいするために来きているユダの町々まちまちの人々ひとびとに告つげなさい。ひと言ことをも言いい残のこしておいてはならない。26:3 彼かれらが聞きいて、おのおのその悪わるい道みちを離はなれることがあるかも知しれない。そのとき、わたしは彼かれらの行おこないの悪わるいために、災わざわいを彼かれらに下くだそうとしたのを思おもいなおす。26:4 あなたは彼かれらに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわず、わたしがあなたがたの前まえに定さだめおいた律法りっぽうを行おこなわず、26:5 わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者よげんしゃの言葉ことばに聞きき従したがわないならば、(あなたがたは聞きき従したがわなかったが、)26:6 わたしはこの宮みやをシロのようにし、またこの町まちを地ちの万国ばんこくにのろわれるものとする』」。 26:7 祭司さいしと預言者よげんしゃおよびすべての民たみは、エレミヤが主しゅの宮みやでこれらの言葉ことばを語かたるのを聞きいた。26:8 エレミヤが主しゅに命めいじられたすべての言葉ことばを民たみに告つげ終おわった時とき、祭司さいしと預言者よげんしゃおよび民たみはみな彼かれを捕とらえて言いった、「あなたは死しななければならない。26:9 なぜあなたは主しゅの名なによって預言よげんし、この宮みやはシロのようになり、この町まちは荒あらされて住すむ人ひともなくなるであろうと言いったのか」と。民たみはみな主しゅの宮みやに集あつまってエレミヤを取とり囲かこんだ。 26:10 ユダのつかさたちはこの事ことを聞きいて王おうの宮殿きゅうでんを出でて主しゅの宮みやに上のぼり、主しゅの宮みやの「新あたらしい門もん」の入口いりぐちに座ざした。26:11 祭司さいしと預言者よげんしゃらは、つかさたちとすべての民たみに訴うったえて言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものです。あなたがたが自分じぶんの耳みみで聞きかれたように、この町まちに逆さからう預言よげんをしたのです」。 26:12 その時ときエレミヤは、つかさたちとすべての民たみに言いった、「主しゅはわたしをつかわし、この宮みやとこの町まちにむかって、預言よげんをさせられたので、そのすべての言葉ことばをあなたがたは聞きいた。26:13 それで、あなたがたは今いま、あなたがたの道みちと行おこないを改あらため、あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに聞きき従したがいなさい。そうするならば主しゅはあなたがたに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいなおされる。26:14 見みよ、わたしはあなたがたの手ての中なかにある。あなたがたの目めに、良よいと見みえ、正ただしいと思おもうことをわたしに行おこなうがよい。26:15 ただ明あきらかにこのことを知しっておきなさい。もしあなたがたがわたしを殺ころすならば、罪つみなき者ものの血ちはあなたがたの身みと、この町まちと、その住民じゅうみんとに帰きする。まことに主しゅがわたしをつかわして、このすべての言葉ことばをあなたがたの耳みみに、告つげさせられたからである」。 26:16 つかさたちと、すべての民たみとは、祭司さいしと預言者よげんしゃに言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものではない。われわれの神かみ、主しゅの名なによってわれわれに語かたったのである」。26:17 その時ときこの地ちの長老ちょうろうたち数人すうにんが立たって、そこに集あつまっているすべての者ものに告つげて言いった、26:18 「ユダの王おうヒゼキヤの世よに、モレシテびとミカはユダのすべての民たみに預言よげんして言いった、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、 シオンは畑はたけのように耕たがやされ、エルサレムは石塚いしづかとなり、宮みやの山やまは木きのおい茂しげる高たかい所ところとなる』。26:19 ユダの王おうヒゼキヤと、すべてのユダの人ひとは彼かれを殺ころそうとしたことがあろうか。ヒゼキヤは主しゅを恐おそれ、主しゅの恵めぐみを求もとめたので、主しゅは彼かれらに災わざわいを下くだすとお告つげになったのを思おもいなおされたではないか。しかし、われわれは、自分じぶんの身みに大おおきな災わざわいを招まねこうとしている」。 26:20 主しゅの名なによって預言よげんした人ひとがほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤの子こウリヤである。彼かれはエレミヤとおなじような言葉ことばをもって、この町まちとこの地ちにむかって預言よげんした。26:21 エホヤキム王おうと、そのすべての勇士ゆうしと、すべてのつかさたちはその言葉ことばを聞きいた。そして王おうは彼かれを殺ころそうと思おもったが、ウリヤはこれを聞きいて恐おそれ、エジプトに逃にげて行いったので、26:22 エホヤキム王おうは人ひとをエジプトにつかわした。すなわちアクボルの子こエルナタンと他たの数すう名めいの人ひとを、エジプトにつかわした。26:23 彼かれらはウリヤをエジプトから引ひき出だし、エホヤキム王おうのもとに連つれてきたので、王おうはつるぎをもって彼かれを殺ころし、その死体したいを共同きょうどう墓地ぼちに捨すてさせた。 26:24 しかしシャパンの子こアヒカムはエレミヤを助たすけ、民たみの手てに渡わたされて殺ころされることのないようにした。
26:1 ユダの王おうヨシヤの子こエホヤキムが世よを治おさめた初はじめのころ、主しゅからこの言葉ことばがあった、
26:2 「主しゅはこう仰おおせられる、主しゅの宮みやの庭にわに立たち、わたしがあなたに命めいじて言いわせるすべての言葉ことばを、主しゅの宮みやで礼れい拝はいするために来きているユダの町々まちまちの人々ひとびとに告つげなさい。ひと言ことをも言いい残のこしておいてはならない。
26:3 彼かれらが聞きいて、おのおのその悪わるい道みちを離はなれることがあるかも知しれない。そのとき、わたしは彼かれらの行おこないの悪わるいために、災わざわいを彼かれらに下くだそうとしたのを思おもいなおす。
26:4 あなたは彼かれらに言いいなさい、『主しゅはこう仰おおせられる、もしあなたがたがわたしに聞きき従したがわず、わたしがあなたがたの前まえに定さだめおいた律法りっぽうを行おこなわず、
26:5 わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者よげんしゃの言葉ことばに聞きき従したがわないならば、(あなたがたは聞きき従したがわなかったが、)
26:6 わたしはこの宮みやをシロのようにし、またこの町まちを地ちの万国ばんこくにのろわれるものとする』」。
26:7 祭司さいしと預言者よげんしゃおよびすべての民たみは、エレミヤが主しゅの宮みやでこれらの言葉ことばを語かたるのを聞きいた。
26:8 エレミヤが主しゅに命めいじられたすべての言葉ことばを民たみに告つげ終おわった時とき、祭司さいしと預言者よげんしゃおよび民たみはみな彼かれを捕とらえて言いった、「あなたは死しななければならない。
26:9 なぜあなたは主しゅの名なによって預言よげんし、この宮みやはシロのようになり、この町まちは荒あらされて住すむ人ひともなくなるであろうと言いったのか」と。民たみはみな主しゅの宮みやに集あつまってエレミヤを取とり囲かこんだ。
26:10 ユダのつかさたちはこの事ことを聞きいて王おうの宮殿きゅうでんを出でて主しゅの宮みやに上のぼり、主しゅの宮みやの「新あたらしい門もん」の入口いりぐちに座ざした。
26:11 祭司さいしと預言者よげんしゃらは、つかさたちとすべての民たみに訴うったえて言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものです。あなたがたが自分じぶんの耳みみで聞きかれたように、この町まちに逆さからう預言よげんをしたのです」。
26:12 その時ときエレミヤは、つかさたちとすべての民たみに言いった、「主しゅはわたしをつかわし、この宮みやとこの町まちにむかって、預言よげんをさせられたので、そのすべての言葉ことばをあなたがたは聞きいた。
26:13 それで、あなたがたは今いま、あなたがたの道みちと行おこないを改あらため、あなたがたの神かみ、主しゅの声こえに聞きき従したがいなさい。そうするならば主しゅはあなたがたに災わざわいを下くだそうとしたことを思おもいなおされる。
26:14 見みよ、わたしはあなたがたの手ての中なかにある。あなたがたの目めに、良よいと見みえ、正ただしいと思おもうことをわたしに行おこなうがよい。
26:15 ただ明あきらかにこのことを知しっておきなさい。もしあなたがたがわたしを殺ころすならば、罪つみなき者ものの血ちはあなたがたの身みと、この町まちと、その住民じゅうみんとに帰きする。まことに主しゅがわたしをつかわして、このすべての言葉ことばをあなたがたの耳みみに、告つげさせられたからである」。
26:16 つかさたちと、すべての民たみとは、祭司さいしと預言者よげんしゃに言いった、「この人ひとは死刑しけいに処しょすべき者ものではない。われわれの神かみ、主しゅの名なによってわれわれに語かたったのである」。
26:17 その時ときこの地ちの長老ちょうろうたち数人すうにんが立たって、そこに集あつまっているすべての者ものに告つげて言いった、
26:18 「ユダの王おうヒゼキヤの世よに、モレシテびとミカはユダのすべての民たみに預言よげんして言いった、『万軍ばんぐんの主しゅはこう仰おおせられる、 シオンは畑はたけのように耕たがやされ、エルサレムは石塚いしづかとなり、宮みやの山やまは木きのおい茂しげる高たかい所ところとなる』。
26:19 ユダの王おうヒゼキヤと、すべてのユダの人ひとは彼かれを殺ころそうとしたことがあろうか。ヒゼキヤは主しゅを恐おそれ、主しゅの恵めぐみを求もとめたので、主しゅは彼かれらに災わざわいを下くだすとお告つげになったのを思おもいなおされたではないか。しかし、われわれは、自分じぶんの身みに大おおきな災わざわいを招まねこうとしている」。
26:20 主しゅの名なによって預言よげんした人ひとがほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤの子こウリヤである。彼かれはエレミヤとおなじような言葉ことばをもって、この町まちとこの地ちにむかって預言よげんした。
26:21 エホヤキム王おうと、そのすべての勇士ゆうしと、すべてのつかさたちはその言葉ことばを聞きいた。そして王おうは彼かれを殺ころそうと思おもったが、ウリヤはこれを聞きいて恐おそれ、エジプトに逃にげて行いったので、
26:22 エホヤキム王おうは人ひとをエジプトにつかわした。すなわちアクボルの子こエルナタンと他たの数すう名めいの人ひとを、エジプトにつかわした。
26:23 彼かれらはウリヤをエジプトから引ひき出だし、エホヤキム王おうのもとに連つれてきたので、王おうはつるぎをもって彼かれを殺ころし、その死体したいを共同きょうどう墓地ぼちに捨すてさせた。
26:24 しかしシャパンの子こアヒカムはエレミヤを助たすけ、民たみの手てに渡わたされて殺ころされることのないようにした。