口語訳聖書(振り仮名付き)

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使徒しと行伝ぎょうでん

第10章   Ac-Audio 

10:1 さて、カイザリヤにコルネリオというひとがいた。イタリヤたいばれた部隊ぶたい百卒長ひゃくそつちょうで、

10:2 信心しんじんぶかく、家族かぞく一同いちどうともかみうやまい、たみ数々かずかずほどこしをなし、えずかみいのりをしていた。

10:3 ある午後ごごごろ、かみ使つかいかれのところにきて、「コルネリオよ」とぶのを、まぼろしではっきりた。

10:4 かれ御使みつかいつめていたが、おそろしくなって、「しゅよ、なんでございますか」とった。すると御使みつかいった、「あなたのいのりほどこしはかみのみまえにとどいて、おぼえられている。

10:5 ついてはいま、ヨッパにひとをやって、ペテロとばれるシモンというひとまねきなさい。

10:6 このひとは、うみべにいえをもつかわなめしシモンというものきゃくとなっている」。

10:7 このおげをした御使みつかいったのち、コルネリオは、しもべふたりと、部下ぶかなか信心しんじんぶか兵卒へいそつひとりとをび、

10:8 いっさいのこと説明せつめいしてかせ、ヨッパへおくした。

10:9 翌日よくじつ、この三にんたびをつづけてまちちかくにきたころ、ペテロはいのりをするため屋上おくじょうにのぼった。ときひるの十二ごろであった。

10:10 かれ空腹くうふくをおぼえて、なにべたいとおもった。そして、人々ひとびと食事しょくじ用意よういをしているあいだに、夢心地ゆめごこちになった。

10:11 すると、てんひらけ、おおきなぬののようなものが、すみをつるされて、地上ちじょうりてるのをた。

10:12 そのなかには、地上ちじょうの四つあしうもの、またそらとりなど、各種かくしゅきものがはいっていた。

10:13 そしてこえかれきこえてきた、「ペテロよ。って、それらをほふってべなさい」。

10:14 ペテロはった、「しゅよ、それはできません。わたしはいままでに、きよくないもの、けがれたものは、何一なにひとべたことがありません」。

10:15 すると、こえが二度目どめにかかってきた、「かみがきよめたものを、きよくないなどとってはならない」。

10:16 こんなことが三もあってから、そのものはすぐてんげられた。

10:17 ペテロが、いままぼろしはなんのことだろうかと、ひとり思案しあんにくれていると、ちょうどそのとき、コルネリオからおくられたひとたちが、シモンのいえたずてて、その門口かどぐちっていた。

10:18 そしてこえをかけて、「ペテロとばれるシモンというかたが、こちらにおまりではございませんか」とたずねた。

10:19 ペテロはなおもまぼろしについて、おもいめぐらしていると、御霊みたまった、「ごらんなさい、三にんひとたちが、あなたをたずねてきている。

10:20 さあ、ってしたり、ためらわないで、かれらと一緒いっしょかけるがよい。わたしがかれらをよこしたのである」。

10:21 そこでペテロは、そのひとたちのところにりてってった、「わたしがおたずねのペテロです。どんなごようでおいでになったのですか」。

10:22 かれらはこたえた、「ただしいひとで、かみうやまい、ユダヤの全国民ぜんこくみん好感こうかんたれている百卒長ひゃくそつちょうコルネリオが、あなたをいえまねいておはなしうかがうようにとのおげを、せいなる御使みつかいからけましたので、まいりました」。

10:23 そこで、ペテロは、かれらをむかえてまらせた。

翌日よくじつ、ペテロはって、かれらとれだってはっした。ヨッパの兄弟きょうだいたち数人すうにん一緒いっしょった。

10:24 そのつぎに、一行いっこうはカイザリヤにいた。コルネリオは親族しんぞくしたしい友人ゆうじんたちをあつめて、っていた。

10:25 ペテロがいよいよ到着とうちゃくすると、コルネリオは出迎でむかえて、かれあしもとにひれしてはいした。

10:26 するとペテロは、かれおこしてった、「おちなさい。わたしもおな人間にんげんです」。

10:27 それからともはなしながら、へやにはいってくと、そこには、すでにおおぜいのひとあつまっていた。

10:28 ペテロはかれらにった、「あなたがたがっているとおり、ユダヤじん他国たこくひと交際こうさいしたり、出入でいりしたりすることは、きんじられています。ところが、かみは、どんな人間にんげんをもきよくないとか、けがれているとかってはならないと、わたしにおしめしになりました。

10:29 おまねきにあずかったときすこしもためらわずにまいったのは、そのためなのです。そこでうかがいますが、どういうわけで、わたしをまねいてくださったのですか」。

10:30 これにたいしてコルネリオがこたえた、「四まえ、ちょうどこの時刻じこくに、わたしが自宅じたく午後ごごいのりをしていますと、突然とつぜんかがやいたころもひとが、まえってもうしました、

10:31 『コルネリオよ、あなたのいのりきいれられ、あなたのほどこしはかみのみまえにおぼえられている。

10:32 そこでヨッパにひとおくってペテロとばれるシモンをまねきなさい。そのひとかわなめしシモンの海沿うみぞいのいえまっている』。

10:33 それで、早速さっそくあなたをおびしたのです。ようこそおいでくださいました。いまわたしたちは、しゅがあなたにおげになったことをのこらずうかがおうとして、みなかみのみまえにまかりているのです」。

10:34 そこでペテロはくちひらいてった、「かみひとをかたよりみないかたで、

10:35 かみうやまおこなものはどの国民こくみんでもけいれてくださることが、ほんとうによくわかってきました。

10:36 あなたがたは、かみがすべてのものしゅなるイエス・キリストによって平和へいわ福音ふくいんつたえて、イスラエルのらにおおくくださった御言みことばをごぞんじでしょう。

10:37 それは、ヨハネがバプテスマをいたのち、ガリラヤからはじまってユダヤ全土ぜんどにひろまった福音ふくいんべたものです。

10:38 かみはナザレのイエスに聖霊せいれいちからとをそそがれました。このイエスは、かみともにおられるので、よいはたらきをしながら、また悪魔あくまおさえつけられている人々ひとびとをことごとくいやしながら、巡回じゅんかいされました。

10:39 わたしたちは、イエスがこうしてユダヤじんやエルサレムでなさったすべてのことの証人しょうにんであります。人々ひとびとはこのイエスをにかけてころしたのです。

10:40 しかしかみはイエスを三によみがえらせ、

10:41 全部ぜんぶ人々ひとびとにではなかったが、わたしたち証人しょうにんとしてあらかじめえらばれたものたちにあらわれるようにしてくださいました。わたしたちは、イエスが死人しにんなかから復活ふっかつされたのちとも飲食いんしょくしました。

10:42 それから、イエスご自身じしん生者せいじゃ死者ししゃとの審判者しんぱんしゃとしてかみさだめられたかたであることを、人々ひとびとつたえ、またあかしするようにと、かみはわたしたちにおめいじになったのです。

10:43 預言者よげんしゃたちもみな、イエスをしんじるものはことごとく、そのによってつみのゆるしがけられると、あかしをしています」。

10:44 ペテロがこれらの言葉ことばをまだかたえないうちに、それをいていたみんなのひとたちに、聖霊せいれいがくだった。

10:45 割礼かつれいけている信者しんじゃで、ペテロについてきたひとたちは、異邦人いほうじんたちにも聖霊せいれい賜物たまものそそがれたのをて、おどろいた。

10:46 それは、かれらが異言いげんかたってかみをさんびしているのをいたからである。そこで、ペテロがした、

10:47 「このひとたちがわたしたちとおなじように聖霊せいれいけたからには、かれらにみずでバプテスマをさづけるのを、だれがこばみようか」。

10:48 こうって、ペテロはその人々ひとびとめいじて、イエス・キリストのによってバプテスマをけさせた。それから、かれらはペテロにねがって、なお数日すうじつのあいだ滞在たいざいしてもらった。 

第11章

11:1 さて、異邦人いほうじんたちもかみことばけいれたということが、使徒しとたちやユダヤにいる兄弟きょうだいたちにきこえてきた。

11:2 そこでペテロがエルサレムにのぼったとき、割礼かつれいおもんじるものたちがかれをとがめてった、

11:3 「あなたは、割礼かつれいのないひとたちのところにって、食事しょくじともにしたということだが」。

11:4 そこでペテロはくちひらいて、順序じゅんじょただしく説明せつめいしてった、

11:5 「わたしがヨッパのまちいのっていると、夢心地ゆめごこちになってまぼろした。おおきなぬののようなものが、すみをつるされて、てんからりてきて、わたしのところにとどいた。

11:6 注意ちゅういしてつめていると、地上ちじょうの四つあしけものうもの、そらとりなどが、はいっていた。

11:7 それからこえがして、『ペテロよ、って、それらをほふってべなさい』と、わたしにうのがきこえた。

11:8 わたしはった、『しゅよ、それはできません。わたしはいままでに、きよくないものやけがれたものをくちれたことが一度いちどもございません』。

11:9 すると、二度目どめてんからこえがかかってきた、『かみがきよめたものを、きよくないなどとってはならない』。

11:10 こんなことが三もあってから、全部ぜんぶのものがまたてんげられてしまった。

11:11 ちょうどそのとき、カイザリヤからつかわされてきた三にんひとが、わたしたちのまっていたいえいた。

11:12 御霊みたまがわたしに、ためらわずにかれらとともけとったので、ここにいる六にん兄弟きょうだいたちも、わたしと一緒いっしょかけてき、一同いちどうがそのひといえにはいった。

11:13 するとかれはわたしたちに、御使みつかいかれいえあらわれて、『ヨッパにひとをやって、ペテロとばれるシモンをまねきなさい。

11:14 このひとは、あなたとあなたのぜん家族かぞくとがすくわれる言葉ことばかたってくださるであろう』とげた次第しだいを、はなしてくれた。

11:15 そこでわたしがかたしたところ、聖霊せいれいが、ちょうど最初さいしょわたしたちのうえにくだったとおなじように、かれらのうえにくだった。

11:16 そのときわたしは、しゅが『ヨハネはみずでバプテスマをさづけたが、あなたがたは聖霊せいれいによってバプテスマをけるであろう』とおおせになった言葉ことばおもした。

11:17 このように、わたしたちがしゅイエス・キリストをしんじたときくださったのとおな賜物たまものを、かみかれらにもおあたえになったとすれば、わたしのようなものが、どうしてかみさまたげることができようか」。

11:18 人々ひとびとはこれをいてだまってしまった。それからかみをさんびして、「それではかみは、異邦人いほうじんにもいのちにいたる悔改くいあらためをおあたえになったのだ」とった。

11:19 さて、ステパノのことでおこった迫害はくがいのためにらされた人々ひとびとは、ピニケ、クプロ、アンテオケまでもすすんでったが、ユダヤじん以外いがいものには、だれにも御言みことばかたっていなかった。

11:20 ところが、そのなか数人すうにんのクプロびととクレネびとがいて、アンテオケにってからギリシヤじんにもびかけ、しゅイエスをつたえていた。

11:21 そして、しゅのみかれらとともにあったため、しんじてしゅ帰依きえするもののかずおおかった。

11:22 このうわさがエルサレムにある教会きょうかいつたわってきたので、教会きょうかいはバルナバをアンテオケにつかわした。

11:23 かれは、そこにいて、かみのめぐみをてよろこび、しゅたいする信仰しんこうるがないこころちつづけるようにと、みんなのものはげました。

11:24 かれ聖霊せいれい信仰しんこうとにちた立派りっぱひとであったからである。こうしてしゅくわわる人々ひとびとが、おおぜいになった。

11:25 そこでバルナバはサウロをさがしにタルソへかけてき、

11:26 かれつけたうえ、アンテオケにれてかえった。ふたりは、まる一ねん、ともどもに教会きょうかいあつまりをし、おおぜいの人々ひとびとおしえた。このアンテオケではじめて、弟子でしたちがクリスチャンとばれるようになった。

11:27 そのころ、預言者よげんしゃたちがエルサレムからアンテオケにくだってきた。

11:28 そのなかのひとりであるアガボというものって、世界中せかいじゅうだいききんがおこるだろうと、御霊みたまによって預言よげんしたところ、はたしてそれがクラウデオていときおこった。

11:29 そこで弟子でしたちは、それぞれのちからおうじて、ユダヤにんでいる兄弟きょうだいたちに援助えんじょおくることにめた。

11:30 そして、それをバルナバとサウロとのたくして、長老ちょうろうたちにおくりとどけた。 

第12章

12:1 そのころ、ヘロデおう教会きょうかいのあるものたちに圧迫あっぱくをのばし、

12:2 ヨハネの兄弟きょうだいヤコブをつるぎでころした。

12:3 そして、それがユダヤじんたちのにかなったのをて、さらにペテロをもとらえにかかった。それは除酵祭じょこうさいときのことであった。

12:4 ヘロデはペテロをとらえてごくとうじ、四にんくみ兵卒へいそつくみわたして、見張みはりをさせておいた。過越すぎこしまつりのあとで、かれ民衆みんしゅうまえすつもりであったのである。

12:5 こうして、ペテロはごくれられていた。教会きょうかいでは、かれのために熱心ねっしんいのりかみにささげられた。

12:6 ヘロデがかれそうとしていたそのよる、ペテロは二重にじゅうくさりにつながれ、ふたりの兵卒へいそつあいだかれてねむっていた。番兵ばんぺいたちは戸口とぐちごく見張みはっていた。

12:7 すると、突然とつぜんしゅ使つかいがそばにち、ひかり獄内ごくないてらした。そして御使みつかいはペテロのわきばらをつついておこし、「はやきあがりなさい」とった。するとくさりかれ両手りょうてから、はずれちた。

12:8 御使みつかいが「おびをしめ、くつをはきなさい」とったので、かれはそのとおりにした。それから「上着うわぎて、ついてきなさい」とわれたので、

12:9 ペテロはついてった。かれには御使みつかいのしわざが現実げんじつのこととはかんがえられず、ただまぼろしているようにおもわれた。

12:10 かれらはだい一、だい二の衛所えいしょとおりすぎて、まちけるてつもんのところにると、それがひとりでにひらいたので、そこをて一つの通路つうろすすんだとたんに、御使みつかいかれはなった。

12:11 そのときペテロはわれにかえってった、「いまはじめて、ほんとうのことがわかった。しゅ御使みつかいをつかわして、ヘロデのから、またユダヤじんたちのちもうけていたあらゆるわざわいから、わたしをすくしてくださったのだ」。

12:12 ペテロはこうとわかってから、マルコとばれているヨハネのははマリヤのいえった。そのいえにはおおぜいのひとあつまっていのっていた。

12:13 かれもんをたたいたところ、ロダという女中じょちゅう取次とりつぎにてきたが、

12:14 ペテロのこえだとわかると、よろこびのあまり、もんをあけもしないでいえみ、ペテロが門口かどぐちっていると報告ほうこくした。

12:15 人々ひとびとは「あなたはくるっている」とったが、彼女かのじょ自分じぶんうことに間違まちがいはないと、った。そこでかれらは「それでは、ペテロの御使みつかいだろう」とった。

12:16 しかし、ペテロがもんをたたきつづけるので、かれらがあけると、そこにペテロがいたのをおどろいた。

12:17 ペテロはってかれらをしずめ、しゅごくからかれしてくださった次第しだい説明せつめいし、「このことを、ヤコブやほかの兄弟きょうだいたちにつたえてください」とのこして、どこかほかのところった。

12:18 けると、兵卒へいそつたちのあいだに、ペテロはいったいどうなったのだろうと、たいへんなさわぎがおこった。

12:19 ヘロデはペテロをさがしてもつからないので、番兵ばんぺいたちを調しらべたうえ、かれらを死刑しけいしょするようにめいじ、そして、ユダヤからカイザリヤにくだってって、そこに滞在たいざいした。

12:20 さて、ツロとシドンとの人々ひとびとは、ヘロデのいかりにふれていたので、一同いちどううちそろっておうをおとずれ、おう侍従じじゅうかんブラストにりいって、和解わかいかたを依頼いらいした。かれらの地方ちほうが、おうくにから食糧しょくりょうていたからである。

12:21 さだめられたに、ヘロデはおうふくをまとって王座おうざにすわり、かれらにむかって演説えんぜつをした。

12:22 あつまった人々ひとびとは、「これはかみこえだ、人間にんげんこえではない」とさけびつづけた。

12:23 するとたちまち、しゅ使つかいかれった。かみ栄光えいこうすることをしなかったからである。かれむしにかまれていきえてしまった。

12:24 こうして、しゅことばはますますさかんにひろまってった。

12:25 バルナバとサウロとは、その任務にんむはたしたのち、マルコとばれていたヨハネをれて、エルサレムからかえってきた。 

第13章

13:1 さて、アンテオケにある教会きょうかいには、バルナバ、ニゲルとばれるシメオン、クレネびとルキオ、領主りょうしゅヘロデの乳兄弟ちきょうだいマナエン、およびサウロなどの預言者よげんしゃ教師きょうしがいた。

13:2 一同いちどうしゅ礼拝れいはいをささげ、断食だんじきをしていると、聖霊せいれいが「さあ、バルナバとサウロとを、わたしのためにせいべつして、かれらにさづけておいた仕事しごとあたらせなさい」とげた。

13:3 そこで一同いちどうは、断食だんじきいのりとをして、をふたりのうえにおいたのち出発しゅっぱつさせた。

13:4 ふたりは聖霊せいれいおくされて、セルキヤにくだり、そこからふねでクプロにわたった。

13:5 そしてサラミスにくと、ユダヤじんしょ会堂かいどうかみことばべはじめた。かれらはヨハネをたすとしてれていた。

13:6 しま全体ぜんたい巡回じゅんかいして、パポスまでったところ、そこでユダヤじん魔術まじゅつ、バルイエスというにせ預言者よげんしゃ出会であった。

13:7 かれ地方ちほう総督そうとくセルギオ・パウロのところに出入でいりをしていた。この総督そうとく賢明けんめいひとであって、バルナバとサウロとをまねいて、かみことばこうとした。

13:8 ところが魔術まじゅつエルマ(かれは「魔術まじゅつ」との)は、総督そうとく信仰しんこうからそらそうとして、しきりにふたりの邪魔じゃまをした。

13:9 サウロ、またのはパウロ、は聖霊せいれいたされ、かれをにらみつけて

13:10 った、「ああ、あらゆるいつわりと邪悪じゃあくとでかたまっている悪魔あくまよ、すべてただしいもののてきよ。しゅのまっすぐなみちげることをめないのか。

13:11 よ、しゅのみがおまえのうえおよんでいる。おまえはめくらになって、当分とうぶんひかりえなくなるのだ」。たちまち、かすみとやみとがかれにかかったため、かれさぐりしながら、いてくれるひとさがしまわった。

13:12 総督そうとくはこの出来事できごとて、しゅおしえにすっかりおどろき、そしてしんじた。

13:13 パウロとその一行いっこうは、パポスから船出ふなでして、パンフリヤのペルガにわたった。ここでヨハネは一行いっこうからいて、エルサレムにかえってしまった。

13:14 しかしふたりは、ペルガからさらにすすんで、ピシデヤのアンテオケにき、安息日あんそくにち会堂かいどうにはいってせきいた。

13:15 律法りっぽう預言よげんしょ朗読ろうどくがあったのち、会堂司かいどうづかさたちがかれらのところにひとをつかわして、「兄弟きょうだいたちよ、もしあなたがたのうち、どなたか、この人々ひとびとなに奨励しょうれい言葉ことばがありましたら、どうぞおはなください」とわせた。

13:16 そこでパウロがちあがり、りながらった。

「イスラエルのひとたち、ならびにかみうやまうかたがたよ、おください。

13:17 このたみイスラエルのかみは、わたしたちの先祖せんぞえらび、エジプトの滞在たいざいちゅう、このたみおおいなるものとし、みうでたかくさしげて、かれらをそのからみちびされた。

13:18 そしてやく四十ねんにわたって、荒野あらのかれらをはぐくみ、

13:19 カナンのでは七つの民族みんぞくほろぼし、そのかれらにゆずあたえられた。

13:20 それらのことがやく四百五十ねん年月ねんげつにわたった。そののちかみはさばきひとたちをおつかわしになり、預言者よげんしゃサムエルのときおよんだ。

13:21 そのとき人々ひとびとおう要求ようきゅうしたので、かみはベニヤミンぞくひと、キスのサウロを四十年間ねんかんかれらにおつかわしになった。

13:22 それからかみはサウロを退しりぞけ、ダビデをてておうとされたが、かれについてあかしをして、『わたしはエッサイのダビデをつけた。かれはわたしのこころにかなったひとで、わたしのおもうところを、ことごとく実行じっこうしてくれるであろう』とわれた。

13:23 かみ約束やくそくにしたがって、このダビデの子孫しそんなかから救主すくいぬしイエスをイスラエルにおくられたが、

13:24 そのこられるまえに、ヨハネがイスラエルのすべてのたみ悔改くいあらためのバプテスマを、あらかじめつたえていた。

13:25 ヨハネはその一生いっしょう行程こうていおわろうとするにあたってった、『わたしは、あなたがたがかんがえているようなものではない。しかし、わたしのあとからるかたがいる。わたしはそのくつをがせてあげるうちもない』。

13:26 兄弟きょうだいたち、アブラハムの子孫しそんのかたがた、ならびにみなさんのなかかみうやまひとたちよ。このすくい言葉ことばはわたしたちにおくられたのである。

13:27 エルサレムに人々ひとびとやその指導者しどうしゃたちは、イエスをみとめずにけいしょし、それによって、安息日あんそくにちごとに預言者よげんしゃ言葉ことば成就じょうじゅした。

13:28 また、なんらあた理由りゆういだせなかったのに、ピラトに強要きょうようしてイエスをころしてしまった。

13:29 そして、イエスについていてあることを、みななしげてから、人々ひとびとはイエスをからりおろしてはかほうむった。

13:30 しかし、かみはイエスを死人しにんなかから、よみがえらせたのである。

13:31 イエスは、ガリラヤからエルサレムへ一緒いっしょのぼったひとたちに、幾日いくにちものあいだあらわれ、そして、かれらはいまや、人々ひとびとたいしてイエスの証人しょうにんとなっている。

13:32 わたしたちは、かみ先祖せんぞたちにたいしてなされた約束やくそくを、ここにつたえているのである。

13:33 かみは、イエスをよみがえらせて、わたしたち子孫しそんにこの約束やくそくを、おはたしになった。それは詩篇しへんだいへんにも、『あなたこそは、わたしの。きょう、わたしはあなたをんだ』といてあるとおりである。

13:34 また、かみがイエスを死人しにんなかからよみがえらせて、いつまでもてることのないものとされたことについては、『わたしは、ダビデに約束やくそくしたたしかなせいなる祝福しゅくふくを、あなたがたにさづけよう』とわれた。

13:35 だから、ほかの箇所かしょでもこうっておられる、『あなたの聖者せいじゃてるようなことは、おゆるしにならないであろう』。

13:36 事実じじつ、ダビデは、その時代じだい人々ひとびとかみのみむねにしたがってつかえたが、やがてねむりにつき、先祖せんぞたちのなかくわえられて、ついにててしまった。

13:37 しかし、かみがよみがえらせたかたは、てることがなかったのである。

13:38 だから、兄弟きょうだいたちよ、このこと承知しょうちしておくがよい。すなわち、このイエスによるつみのゆるしの福音ふくいんが、いまやあなたがたにつたえられている。そして、モーセの律法りっぽうではとされることができなかったすべてのことについても、

13:39 しんじるものはもれなく、イエスによってとされるのである。

13:40 だから預言者よげんしゃたちのしょにかいてあるつぎのようなことが、あなたがたのおこらないようにをつけなさい。

13:41 『よ、あなどものたちよ。おどろけ、そしてほろれ。わたしは、あなたがたの時代じだいに一つのことをする。それは、ひとがどんなに説明せつめいしてかせても、あなたがたのとうていしんじないようなことなのである』」。

13:42 ふたりが会堂かいどうとき人々ひとびとつぎ安息日あんそくにちにも、これとおなはなしをしてくれるようにと、しきりにねがった。

13:43 そして集会しゅうかいおわってからも、おおぜいのユダヤじん信心しんじんぶか改宗者かいしゅうしゃたちが、パウロとバルナバとについてきたので、ふたりは、かれらがきつづきかみのめぐみにとどまっているようにと、きすすめた。

13:44 つぎ安息日あんそくにちには、ほとんど全市ぜんしをあげて、かみことばきにあつまってきた。

13:45 するとユダヤじんたちは、その群衆ぐんしゅうてねたましくおもい、パウロのかたることにくちぎたなく反対はんたいした。

13:46 パウロとバルナバとは大胆だいたんかたった、「かみことばは、まず、あなたがたにかたつたえられなければならなかった。しかし、あなたがたはそれを退しりぞけ、自分じぶん自身じしん永遠えいえんいのちにふさわしからぬものにしてしまったから、さあ、わたしたちはこれから方向ほうこうをかえて、異邦人いほうじんたちのほうくのだ。

13:47 しゅはわたしたちに、こうめいじておられる、

『わたしは、あなたをてて異邦人いほうじんひかりとした。あなたがはてまでもすくいをもたらすためである』」。

13:48 異邦人いほうじんたちはこれをいてよろこび、しゅ御言みことばをほめたたえてやまなかった。そして、永遠えいえんいのちにあずかるようにさだめられていたものは、みなしんじた。

13:49 こうして、しゅ御言みことばはこの地方ちほう全体ぜんたいにひろまってった。

13:50 ところが、ユダヤじんたちは、信心しんじんぶか貴婦人きふじんたちやまち有力ゆうりょくしゃたちを煽動せんどうして、パウロとバルナバを迫害はくがいさせ、ふたりをその地方ちほうからさせた。

13:51 ふたりは、かれらにけてあしのちりをはらおとして、イコニオムへった。

13:52 弟子でしたちは、ますますよろこびと聖霊せいれいとにたされていた。 

第14章

14:1 ふたりは、イコニオムでもおなじようにユダヤじん会堂かいどうにはいってかたった結果けっか、ユダヤじんやギリシヤじんおおぜいしんじた。

14:2 ところが、しんじなかったユダヤじんたちは異邦人いほうじんたちをそそのかして、兄弟きょうだいたちにたいして悪意あくいをいだかせた。

14:3 それにもかかわらず、ふたりはなが期間きかんをそこでごして、大胆だいたんしゅのことをかたった。しゅは、かれらのによってしるしと奇跡きせきとをおこなわせ、そのめぐみの言葉ことばをあかしされた。

14:4 そこでまち人々ひとびとが二わかれ、あるひとたちはユダヤじんがわにつき、あるひとたちは使徒しとがわについた。

14:5 そのとき異邦人いほうじんやユダヤじん役人やくにんたちと一緒いっしょになって反対はんたい運動うんどうおこし、使徒しとたちをはずかしめ、いしとうとしたので、

14:6 ふたりはそれとづいて、ルカオニヤの町々まちまち、ルステラ、デルベおよびその附近ふきんへのがれ、

14:7 そこできつづき福音ふくいんつたえた。

14:8 ところが、ルステラにあしのきかないひとが、すわっていた。かれうまれながらのあしなえで、あるいた経験けいけんまったくなかった。

14:9 このひとがパウロのかたるのをいていたが、パウロはかれをじっとて、いやされるほどの信仰しんこうかれにあるのをみとめ、

14:10 大声おおごえで「自分じぶんあしで、まっすぐにちなさい」とった。するとかれおどがってあるした。

14:11 群衆ぐんしゅうはパウロのしたことをて、こえりあげ、ルカオニヤの地方ちほうで、「神々かみがみ人間にんげん姿すがたをとって、わたしたちのところにおくだりになったのだ」とさけんだ。

14:12 かれらはバルナバをゼウスとび、パウロはおもにかたひとなので、かれをヘルメスとんだ。

14:13 そして、郊外こうがいにあるゼウス神殿しんでん祭司さいしが、群衆ぐんしゅうともに、ふたりに犠牲ぎせいをささげようとおもって、うし数頭すうとう花輪はなわとを門前もんぜんってきた。

14:14 ふたりの使徒しとバルナバとパウロとは、これをいて自分じぶん上着うわぎき、群衆ぐんしゅうなかんでき、さけんで

14:15 った、「みなさん、なぜこんなことをするのか。わたしたちとても、あなたがたとおなじような人間にんげんである。そして、あなたがたがこのようなにもつかぬものをてて、てんうみと、そのなかのすべてのものをお つくりになったけるかみかえるようにと、福音ふくいんいているものである。

14:16 かみった時代じだいには、すべての国々くにぐにひとが、それぞれのみちくままにしておかれたが、

14:17 それでも、ご自分じぶんのことをあかししないでおられたわけではない。すなわち、あなたがたのためにてんからあめらせ、みのりの季節きせつあたえ、食物しょくもつよろこびとで、あなたがたのこころたすなど、いろいろのめぐみをおあたえになっているのである」。

14:18 こうって、ふたりは、やっとのことで、群衆ぐんしゅう自分じぶんたちに犠牲ぎせいをささげるのを、おもとどまらせた。

14:19 ところが、あるユダヤじんたちはアンテオケやイコニオムからしかけてきて、群衆ぐんしゅう仲間なかまれたうえ、パウロをいしち、んでしまったとおもって、かれまちそときずりした。

14:20 しかし、弟子でしたちがパウロをかこんでいるあいだに、かれきあがってまちにはいってった。そして翌日よくじつには、バルナバと一緒いっしょにデルベにむかってかけた。

14:21 そのまち福音ふくいんつたえて、おおぜいのひと弟子でしとしたのち、ルステラ、イコニオム、アンテオケの町々まちまちかえってき、

14:22 弟子でしたちをちからづけ、信仰しんこうちつづけるようにと奨励しょうれいし、「わたしたちがかみくににはいるのには、おおくの苦難くなんなければならない」とかたった。

14:23 また教会きょうかいごとにかれらのために長老ちょうろうたちを任命にんめいし、断食だんじきをしていのり、かれらをそのしんじているしゅにゆだねた。

14:24 それから、ふたりはピシデヤを通過つうかしてパンフリヤにきたが、

14:25 ペルガで御言みことばかたったのち、アタリヤにくだり、

14:26 そこからふねでアンテオケにかえった。かれらがいまなしおわったはたらきのために、かみ祝福しゅくふくけておくされたのは、このアンテオケからであった。

14:27 かれらは到着とうちゃく早々そうそう教会きょうかい人々ひとびとあつめて、かみかれらとともにいてしてくださった数々かずかずのこと、また信仰しんこうもん異邦人いほうじんひらいてくださったことなどを、報告ほうこくした。

14:28 そして、ふたりはしばらくのあいだ弟子でしたちと一緒いっしょごした。 

第15章

15:1 さて、あるひとたちがユダヤからくだってきて、兄弟きょうだいたちに「あなたがたも、モーセの慣例かんれいにしたがって割礼かつれいけなければ、すくわれない」と、いていた。

15:2 そこで、パウロやバルナバとかれらとのあいだに、すくなからぬ紛糾ふんきゅう争論そうろんとがしょうじたので、パウロ、バルナバそのほか数人すうにんものがエルサレムにのぼり、使徒しとたちや長老ちょうろうたちと、この問題もんだいについて協議きょうぎすることになった。

15:3 かれらは教会きょうかい人々ひとびと見送みおくられ、ピニケ、サマリヤをとおって、みちすがら、異邦人いほうじんたちの改宗かいしゅう模様もようをくわしく説明せつめいし、すべての兄弟きょうだいたちをおおいによろこばせた。

15:4 エルサレムにくと、かれらは教会きょうかい使徒しとたち、長老ちょうろうたちにむかえられて、かみかれらとともにいてなされたことを、ことごとく報告ほうこくした。

15:5 ところが、パリサイから信仰しんこうにはいってきたひとたちがって、「異邦人いほうじんにも割礼かつれいほどこし、またモーセの律法りっぽうまもらせるべきである」と主張しゅちょうした。

15:6 そこで、使徒しとたちや長老ちょうろうたちが、この問題もんだいについて審議しんぎするためにあつまった。

15:7 はげしい争論そうろんがあったのち、ペテロがってった、「兄弟きょうだいたちよ、ご承知しょうちのとおり、異邦人いほうじんがわたしのくちから福音ふくいん言葉ことばいてしんじるようにと、かみはじめのころに、諸君しょくんなかからわたしをおえらびになったのである。

15:8 そして、ひとこころをごぞんじであるかみは、聖霊せいれいをわれわれにたまわったと同様どうようかれらにもたまわって、かれらにたいしてあかしをなし、

15:9 また、その信仰しんこうによってかれらのこころをきよめ、われわれとかれらとのあいだに、なんのけへだてもなさらなかった。

15:10 しかるに、諸君しょくんはなぜ、いまわれわれの先祖せんぞもわれわれ自身じしんも、いきれなかったくびきをあの弟子でしたちのくびにかけて、かみこころみるのか。

15:11 たしかに、しゅイエスのめぐみによって、われわれはすくわれるのだとしんじるが、かれらとても同様どうようである」。

15:12 すると、ぜん会衆かいしゅうだまってしまった。それから、バルナバとパウロとが、かれらをとおして異邦人いほうじんあいだかみおこなわれた数々かずかずのしるしと奇跡きせきのことを、説明せつめいするのをいた。

15:13 ふたりがかたえたのち、ヤコブはそれにおうじてべた、「兄弟きょうだいたちよ、わたしの意見いけんいていただきたい。

15:14 かみはじめに異邦人いほうじんたちをかえりみて、そのなかから御名みなたみえらされた次第しだいは、シメオンがすでに説明せつめいした。

15:15 預言者よげんしゃたちの言葉ことばも、それと一致いっちしている。すなわち、こういてある、

15:16 『そののち、わたしはかえってきて、たおれたダビデの幕屋まくやてかえ、くずれた箇所かしょ修理しゅうりし、それをなおそう。

15:17 のこっている人々ひとびとも、わたしのとなえているすべての異邦人いほうじんも、しゅたずもとめるようになるためである。

15:18 はじめからこれらのことらせておられるしゅが、こうおおせになった』。

15:19 そこで、わたしの意見いけんでは、異邦人いほうじんなかからかみ帰依きえしているひとたちに、わずらいをかけてはいけない。

15:20 ただ、偶像ぐうぞうそなえてけがれたものと、不品行ふひんこうと、ころしたものと、とを、けるようにと、かれらにおくることにしたい。

15:21 ふる時代じだいから、どのまちにもモーセの律法りっぽうつたえるものがいて、安息日あんそくにちごとにそれをしょ会堂かいどう朗読ろうどくするならわしであるから」。

15:22 そこで、使徒しとたちや長老ちょうろうたちは、ぜん教会きょうかい協議きょうぎしたすえ、おたがいなかから人々ひとびとえらんで、パウロやバルナバとともに、アンテオケに派遣はけんすることにめた。えらばれたのは、バルサバというユダとシラスとであったが、いずれも兄弟きょうだいたちのあいだおもんじられていたひとたちであった。

15:23 このひとたちにたくされた書面しょめんはこうである。

「あなたがたの兄弟きょうだいである使徒しとおよび長老ちょうろうたちから、アンテオケ、シリヤ、キリキヤにいる異邦人いほうじん兄弟きょうだいがたに、あいさつをおくる。

15:24 こちらからったあるものたちが、わたしたちからの指示しじもないのに、いろいろなことをって、あなたがたをさわがせ、あなたがたのこころみだしたとつたいた。

15:25 そこで、わたしたちは人々ひとびとえらんで、あいするバルナバおよびパウロとともに、あなたがたのもとに派遣はけんすることに、衆議しゅうぎ一決いっけつした。

15:26 このふたりは、われらのしゅイエス・キリストののために、そのいのちした人々ひとびとであるが、

15:27 かれらとともに、ユダとシラスとを派遣はけんする次第しだいである。このひとたちは、あなたがたに、おな趣旨しゅしのことを、口頭こうとうでもつたえるであろう。

15:28 すなわち、聖霊せいれいとわたしたちとは、つぎ必要ひつよう事項じこうのほかは、どんな負担ふたんをも、あなたがたにわせないことにめた。

15:29 それは、偶像ぐうぞうそなえたものと、と、ころしたものと、不品行ふひんこうとを、けるということである。これらのものからとおざかっておれば、それでよろしい。以上いじょう」。

15:30 さて、一行いっこう人々ひとびと見送みおくられて、アンテオケにくだってき、会衆かいしゅうあつめて、その書面しょめん手渡てわたした。

15:31 人々ひとびとはそれをんで、そのすすめの言葉ことばをよろこんだ。

15:32 ユダとシラスとはとも預言者よげんしゃであったので、おおくの言葉ことばをもって兄弟きょうだいたちをはげまし、またちからづけた。

15:33 ふたりは、しばらくのときを、そこでごしたのち兄弟きょうだいたちから、たび平安へいあんいのられて、見送みおくりをけ、自分じぶんらを派遣はけんした人々ひとびとのところにかえってった。〔

15:34 しかし、シラスだけは、きつづきとどまることにした。〕

15:35 パウロとバルナバとはアンテオケに滞在たいざいをつづけて、ほかのおおくのひとたちとともに、しゅ言葉ことばおしえかつつたえた。

15:36 幾日いくにちかののち、パウロはバルナバにった、「さあ、まえしゅ言葉ことばつたえたすべての町々まちまちにいる兄弟きょうだいたちを、また訪問ほうもんして、みんながどうしているかをてこようではないか」。

15:37 そこで、バルナバはマルコというヨハネも一緒いっしょれてくつもりでいた。

15:38 しかし、パウロは、まえにパンフリヤで一行いっこうからはなれて、はたらきをともにしなかったようなものは、れてかないがよいとかんがえた。

15:39 こうして激論げきろんおこり、その結果けっかふたりはたがいわかわかれになり、バルナバはマルコをれてクプロにわたってき、

15:40 パウロはシラスをえらび、兄弟きょうだいたちからしゅめぐみにゆだねられて、はっした。

15:41 そしてパウロは、シリヤ、キリキヤの地方ちほうをとおって、しょ教会きょうかいちからづけた。 

第16章

16:1 それから、かれはデルベにき、つぎにルステラにった。そこにテモテという弟子でしがいた。信者しんじゃのユダヤ婦人ふじんははとし、ギリシヤじんちちとしており、

16:2 ルステラとイコニオムの兄弟きょうだいたちのあいだで、評判ひょうばんのよい人物じんぶつであった。

16:3 パウロはこのテモテをれてきたかったので、その地方ちほうにいるユダヤじん手前てまえ、まずかれ割礼かつれいけさせた。かれちちがギリシヤじんであることは、みんなっていたからである。

16:4 それからかれらはとお町々まちまちで、エルサレムの使徒しとたちや長老ちょうろうたちのめた事項じこうまもるようにと、人々ひとびとにそれをわたした。

16:5 こうして、しょ教会きょうかいはその信仰しんこうつよめられ、ごとにかずしていった。

16:6 それからかれらは、アジヤで御言みことばかたることを聖霊せいれいきんじられたので、フルギヤ・ガラテヤ地方ちほうをとおってった。

16:7 そして、ムシヤのあたりにきてから、ビテニヤにすすんでこうとしたところ、イエスの御霊みたまがこれをゆるさなかった。

16:8 それで、ムシヤを通過つうかして、トロアスにくだってった。

16:9 ここでよる、パウロは一つのまぼろした。ひとりのマケドニヤびとって、「マケドニヤにわたってきて、わたしたちをたすけてください」と、かれ懇願こんがんするのであった。

16:10 パウロがこのまぼろしとき、これはかれらに福音ふくいんつたえるために、かみがわたしたちをおまねきになったのだと確信かくしんして、わたしたちは、ただちにマケドニヤにわたってくことにした。

16:11 そこで、わたしたちはトロアスから船出ふなでして、サモトラケに直航ちょっこうし、翌日よくじつネアポリスにいた。

16:12 そこからピリピへった。これはマケドニヤのこの地方ちほうだい一のまちで、植民しょくみん都市としであった。わたしたちは、このまち数日間すうじつかん滞在たいざいした。

16:13 ある安息日あんそくにちに、わたしたちはまちもんて、いのがあるとおもって、かわのほとりにった。そして、そこにすわり、あつまってきた婦人ふじんたちにはなしをした。

16:14 ところが、テアテラむらさきぬの商人しょうにんで、かみうやまうルデヤという婦人ふじんいていた。しゅ彼女かのじょこころひらいて、パウロのかたることにみみかたむけさせた。

16:15 そして、この婦人ふじんもその家族かぞくも、ともにバプテスマをけたが、そのとき彼女かのじょは「もし、わたしをしゅしんじるものとおおもいでしたら、どうぞ、わたしのいえにきてまってください」と懇望こんもうし、しいてわたしたちをつれてった。

16:16 あるとき、わたしたちが、いの途中とちゅううらないのれいにつかれたおんな奴隷どれい出会であった。彼女かのじょうらないをして、その主人しゅじんたちにおおくの利益りえきさせていたものである。

16:17 このおんなが、パウロやわたしたちのあとをってきては、「このひとたちは、いとたかかみしもべたちで、あなたがたにすくいみちつたえるかただ」と、さけすのであった。

16:18 そして、そんなことをいく日間にちかんもつづけていた。パウロはこまりはてて、そのれいにむかい「イエス・キリストのによってめいじる。そのおんなからけ」とった。すると、その瞬間しゅんかんれいおんなからった。

16:19 彼女かのじょ主人しゅじんたちは、自分じぶんらの利益りえきのぞみがえたのをて、パウロとシラスとをとらえ、役人やくにんわたすため広場ひろばきずってった。

16:20 それから、ふたりを長官ちょうかんたちのまえしてうったえた、「このひとたちはユダヤじんでありまして、わたしたちのまちをかきみだし、

16:21 わたしたちローマじんが、採用さいよう実行じっこうもしてはならない風習ふうしゅう宣伝せんでんしているのです」。

16:22 群衆ぐんしゅうもいっせいにって、ふたりをめたてたので、長官ちょうかんたちはふたりの上着うわぎをはぎり、むちでつことをめいじた。

16:23 それで、ふたりになにもむちをくわえさせたのち、ごくれ、獄吏ごくりにしっかりばんをするようにとめいじた。

16:24 獄吏ごくりはこの厳命げんめいけたので、ふたりをおく獄屋ごくやれ、そのあしあしかせをしっかとかけておいた。

16:25 真夜中まよなかごろ、パウロとシラスとは、かみいのり、さんびをうたいつづけたが、囚人しゅうじんたちはみみをすましてきいっていた。

16:26 ところが突然とつぜんおお地震じしんおこって、ごく土台どだいうごき、全部ぜんぶたちまちひらいて、みんなのものくさりけてしまった。

16:27 獄吏ごくりをさまし、ごくひらいてしまっているのをて、囚人しゅうじんたちがしたものとおもい、つるぎをいて自殺じさつしかけた。

16:28 そこでパウロは大声おおごえをあげてった、「自害じがいしてはいけない。われわれはみなひとりのこらず、ここにいる」。

16:29 すると、獄吏ごくりは、あかりをれたうえごくんできて、おののきながらパウロとシラスのまえにひれした。

16:30 それから、ふたりをそとしてった、「先生せんせいがた、わたしはすくわれるために、なにをすべきでしょうか」。

16:31 ふたりがった、「しゅイエスをしんじなさい。そうしたら、あなたもあなたの家族かぞくすくわれます」。

16:32 それから、かれとその家族かぞく一同いちどうとに、かみことばかたってかせた。

16:33 かれ真夜中まよなかにもかかわらず、ふたりをって、そのきずあらってやった。そして、その自分じぶん家族かぞくも、ひとりのこらずバプテスマをけ、

16:34 さらに、ふたりを自分じぶんいえ案内あんないして食事しょくじのもてなしをし、かみしんじるものとなったことを、ぜん家族かぞくともこころからよろこんだ。

16:35 けると、長官ちょうかんたちはけいらをつかわして、「あのひとたちを釈放しゃくほうせよ」とわせた。

16:36 そこで、獄吏ごくりはこの言葉ことばをパウロにつたえてった、「長官ちょうかんたちが、あなたがたを釈放しゃくほうさせるようにと、使つかいをよこしました。さあ、てきて、無事ぶじにおかえりなさい」。

16:37 ところが、パウロはけいらにった、「かれらは、ローマじんであるわれわれを、裁判さいばんにかけもせずに、公衆こうしゅうまえでむちったあげく、ごくれてしまった。しかるにいまになって、ひそかに、われわれをそうとするのか。それは、いけない。かれ自身じしんがここにきて、われわれをすべきである」。

16:38 けいらはこの言葉ことば長官ちょうかんたちに報告ほうこくした。すると長官ちょうかんたちは、ふたりがローマじんだといておそれ、

16:39 自分じぶんでやってきてわびたうえ、ふたりをごくからし、まちからるようにとたのんだ。

16:40 ふたりはごくて、ルデヤのいえった。そして、兄弟きょうだいたちにってすすめをなし、それからかけた。 

第17章

17:1 一行いっこうは、アムピポリスとアポロニヤとをとおって、テサロニケにった。ここにはユダヤじん会堂かいどうがあった。

17:2 パウロはれいによって、その会堂かいどうにはいってって、三つの安息日あんそくにちにわたり、聖書せいしょもとづいてかれらとろんじ、

17:3 キリストはかなら苦難くなんけ、そして死人しにんなかからよみがえるべきこと、また「わたしがあなたがたにつたえているこのイエスこそは、キリストである」とのことを、説明せつめいもし論証ろんしょうもした。

17:4 あるひとたちは納得なっとくがいって、パウロとシラスにしたがった。そのなかには、信心しんじんぶかいギリシヤじん多数たすうあり、貴婦人きふじんたちもすくなくなかった。

17:5 ところが、ユダヤじんたちは、それをねたんで、まちをぶらついているならずものらをあつめて暴動ぼうどうおこし、まちさわがせた。それからヤソンのいえおそい、ふたりを民衆みんしゅうまえにひっぱりそうと、しきりにさがした。

17:6 しかし、ふたりがつからないので、ヤソンと兄弟きょうだいたち数人すうにんを、当局者とうきょくしゃのところにきずってき、さけんでった、「天下てんかをかきまわしてきたこのひとたちが、ここにもはいりんでいます。

17:7 そのひとたちをヤソンが自分じぶんいえむかれました。この連中れんちゅうは、みなカイザルの詔勅しょうちょくにそむいて行動こうどうし、イエスというべつおうがいるなどとっています」。

17:8 これをいて、群衆ぐんしゅう当局者とうきょくしゃ不安ふあんかんじた。

17:9 そして、ヤソンやほかのものたちから、保証ほしょうきんったうえかれらを釈放しゃくほうした。

17:10 そこで、兄弟きょうだいたちはただちに、パウロとシラスとを、よるあいだにベレヤへおくした。ふたりはベレヤに到着とうちゃくすると、ユダヤじん会堂かいどうった。

17:11 ここにいるユダヤじんはテサロニケのものたちよりも素直すなおであって、こころからおしえけいれ、はたしてそのとおりかどうかをろうとして、日々ひび聖書せいしょ調しらべていた。

17:12 そういうわけで、かれらのうちのおおくのもの信者しんじゃになった。また、ギリシヤの貴婦人きふじん男子だんししんじたものも、すくなくなかった。

17:13 テサロニケのユダヤじんたちは、パウロがベレヤでもかみことばつたえていることをり、そこにもしかけてきて、群衆ぐんしゅう煽動せんどうしてさわがせた。

17:14 そこで、兄弟きょうだいたちは、ただちにパウロをおくして、うみべまでかせ、シラスとテモテとはベレヤに居残いのこった。

17:15 パウロを案内あんないしたひとたちは、かれをアテネまでれてき、テモテとシラスとになるべくはやるようにとのパウロの伝言でんごんけて、かえった。

17:16 さて、パウロはアテネでかれらをっているあいだに、市内しない偶像ぐうぞうがおびただしくあるのをて、こころいきどおりをかんじた。

17:17 そこでかれは、会堂かいどうではユダヤじん信心しんじんぶかひとたちとろんじ、広場ひろばでは毎日まいにちそこで出会であ人々ひとびと相手あいてろんじた。

17:18 また、エピクロスやストア哲学者てつがくしゃ数人すうにんも、パウロと議論ぎろんたたかわせていたが、そのなかのあるものたちがった、「このおしゃべりは、いったい、なにおうとしているのか」。また、ほかのものたちは、「あれは、異国いこく神々かみがみつたえようとしているらしい」とった。パウロが、イエスと復活ふっかつとを、つたえていたからであった。

17:19 そこで、かれらはパウロをアレオパゴスの評議所ひょうぎしょれてって、「きみかたっているあたらしいおしえがどんなものか、らせてもらえまいか。

17:20 きみがなんだかめずらしいことをわれわれにかせているので、それがなんのことなのかりたいとおもうのだ」とった。

17:21 いったい、アテネびともそこに滞在たいざいしている外国がいこくじんもみな、なに耳新みみあたらしいことをはなしたりいたりすることのみに、ときごしていたのである。

17:22 そこでパウロは、アレオパゴスの評議所ひょうぎしょのまんなかってった。

「アテネのひとたちよ、あなたがたは、あらゆるてんにおいて、すこぶる宗教しゅうきょうこころんでおられると、わたしはている。

17:23 じつは、わたしがみちとおりながら、あなたがたのおがむいろいろなものを、よくているうちに、『られないかみに』ときざまれた祭壇さいだんもあるのにがついた。そこで、あなたがたがらずにおがんでいるものを、いまらせてあげよう。

17:24 この世界せかいと、そのなかにある万物ばんぶつとをつくったかみは、天地てんちしゅであるのだから、つくったみやなどにはおみにならない。

17:25 また、なに不足ふそくでもしておるかのように、ひとによってつかえられる必要ひつようもない。かみは、すべての人々ひとびといのちいき万物ばんぶつとをあたえ、

17:26 また、ひとりのひとから、あらゆる民族みんぞくつくりだして、全面ぜんめんまわせ、それぞれに時代じだい区分くぶんし、国土こくど境界きょうかいさだめてくださったのである。

17:27 こうして、人々ひとびと熱心ねっしんもとめてさがしさえすれば、かみいだせるようにしてくださった。事実じじつかみはわれわれひとりびとりからとおはなれておいでになるのではない。

17:28 われわれはかみのうちにき、うごき、存在そんざいしているからである。あなたがたのある詩人しじんたちもったように、

『われわれも、たしかにその子孫しそんである』。

17:29 このように、われわれはかみ子孫しそんなのであるから、かみたるものを、人間にんげん技巧ぎこう空想くうそうきんぎんいしなどにけたものとおなじと、なすべきではない。

17:30 かみは、このような無知むち時代じだいを、これまでは見過みすごしにされていたが、いまはどこにおるひとでも、みなあらためなければならないことをめいじておられる。

17:31 かみは、をもってこの世界せかいをさばくためそのさだめ、おえらびになったかたによってそれをなしげようとされている。すなわち、このかたを死人しにんなかからよみがえらせ、その確証かくしょうをすべてのひとしめされたのである」。

17:32 死人しにんのよみがえりのことをくと、あるものたちはあざわらい、またあるものたちは、「このことについては、いずれまたくことにする」とった。

17:33 こうして、パウロはかれらのなかからった。

17:34 しかし、かれにしたがってしんじたものも、幾人いくにんかあった。そのなかには、アレオパゴスの裁判人さいばんにんデオヌシオとダマリスというおんな、また、その人々ひとびともいた。  

第18章

18:1 そののち、パウロはアテネをってコリントへった。

18:2 そこで、アクラというポントうまれのユダヤじんと、そのつまプリスキラとに出会であった。クラウデオていが、すべてのユダヤじんをローマから退去たいきょさせるようにと、命令めいれいしたため、かれらはちかごろイタリヤからてきたのである。

18:3 パウロはかれらのところにったが、たがい同業どうぎょうであったので、そのいえんで、一緒いっしょ仕事しごとをした。天幕てんまくつくりがその職業しょくぎょうであった。

18:4 パウロは安息日あんそくにちごとに会堂かいどうろんじては、ユダヤじんやギリシヤじん説得せっとくつとめた。

18:5 シラスとテモテが、マケドニヤからくだってきてからは、パウロは御言みことばつたえることに専念せんねんし、イエスがキリストであることを、ユダヤじんたちに力強ちからづよくあかしした。

18:6 しかし、かれらがこれに反抗はんこうしてののしりつづけたので、パウロは自分じぶん上着うわぎりはらって、かれらにった、「あなたがたのは、あなたがた自身じしんにかえれ。わたしには責任せきにんがない。いまからわたしは異邦人いほうじんほうく」。

18:7 こうって、かれはそこをり、テテオ・ユストというかみうやまひといえった。そのいえ会堂かいどうとなっていた。

18:8 会堂司かいどうづかさクリスポは、その家族かぞく一同いちどうともしゅしんじた。またおおくのコリントびとも、パウロのはなしいてしんじ、ぞくぞくとバプテスマをけた。

18:9 すると、あるまぼろしのうちにしゅがパウロにわれた、「おそれるな。かたりつづけよ、だまっているな。

18:10 あなたには、わたしがついている。だれもあなたをおそって、危害きがいくわえるようなことはない。このまちには、わたしのたみおおぜいいる」。

18:11 パウロは一ねん六かげつあいだここにこしをすえて、かみことばかれらのあいだおしえつづけた。

18:12 ところが、ガリオがアカヤの総督そうとくであったとき、ユダヤじんたちは一緒いっしょになってパウロをおそい、かれ法廷ほうていにひっぱってってうったえた、

18:13 「このひとは、律法りっぽうにそむいてかみおがむように、人々ひとびとをそそのかしています」。

18:14 パウロがくちひらこうとすると、ガリオはユダヤじんたちにった、「ユダヤじん諸君しょくんなに不法ふほう行為こういとか、悪質あくしつ犯罪はんざいとかのことなら、わたしは当然とうぜん諸君しょくんうったえをげもしようが、

18:15 これは諸君しょくん言葉ことば名称めいしょう律法りっぽうかんする問題もんだいなのだから、諸君しょくんみずから始末しまつするがよかろう。わたしはそんなこと裁判人さいばんにんにはなりたくない」。

18:16 こうって、かれらを法廷ほうていからいはらった。

18:17 そこで、みんなのものは、会堂司かいどうづかさソステネをとらえ、法廷ほうていまえちたたいた。ガリオはそれにたいして、そらぬかおをしていた。

18:18 さてパウロは、なお幾日いくにちものあいだ滞在たいざいしたのち兄弟きょうだいたちにわかれをげて、シリヤへ出帆しゅっぱんした。プリスキラとアクラも同行どうこうした。パウロは、かねてから、ある誓願せいがんてていたので、ケンクレヤであたまをそった。

18:19 一行いっこうがエペソにくと、パウロはふたりをそこにのこしておき、自分じぶんだけ会堂かいどうにはいって、ユダヤじんたちとろんじた。

18:20 人々ひとびとは、パウロにもっとながいあいだ滞在たいざいするようにねがったが、かれきいれないで、

18:21 「かみのみこころなら、またあなたがたのところにかえってこよう」とって、わかれをげ、エペソから船出ふなでした。

18:22 それから、カイザリヤで上陸じょうりくしてエルサレムにのぼり、教会きょうかいにあいさつしてから、アンテオケにくだってった。

18:23 そこにしばらくいてから、かれはまたかけ、ガラテヤおよびフルギヤの地方ちほう歴訪れきほうして、すべての弟子でしたちをちからづけた。

18:24 さて、アレキサンデリヤうまれで、聖書せいしょ精通せいつうし、しかも、雄弁ゆうべんなアポロというユダヤじんが、エペソにきた。

18:25 このひとしゅみちつうじており、また、れいえてイエスのことをくわしくかたったりおしえたりしていたが、ただヨハネのバプテスマしかっていなかった。

18:26 かれ会堂かいどう大胆だいたんかたはじめた。それをプリスキラとアクラとがいて、かれまねきいれ、さらにくわしくかみみちかせた。

18:27 それから、アポロがアカヤにわたりたいとおもっていたので、兄弟きょうだいたちはかれはげまし、先方せんぽう弟子でしたちに、かれをよくむかえるようにと、手紙てがみおくった。かれ到着とうちゃくして、すでにめぐみによって信者しんじゃになっていたひとたちに、おおいにちからになった。

18:28 かれはイエスがキリストであることを、聖書せいしょもとづいてしめし、公然こうぜんと、ユダヤじんたちをはげしい語調ごちょう論破ろんぱしたからである。