口語訳聖書(振り仮名付き)

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創世そうせい

第16章    Gn-Audio 

16:1 アブラムのつまサライはまなかった。彼女かのじょにひとりのつかえめがあった。エジプトのおんなをハガルといった。

16:2 サライはアブラムにった、「しゅはわたしにをおさづけになりません。どうぞ、わたしのつかえめのところにおはいりください。彼女かのじょによってわたしはをもつことになるでしょう」。アブラムはサライの言葉ことばきいれた。

16:3 アブラムのつまサライはそのつかえめエジプトのおんなハガルをとって、おっとアブラムにつまとしてあたえた。これはアブラムがカナンのに十ねんんだのちであった。

16:4 かれはハガルのところにはいり、ハガルはをはらんだ。彼女かのじょ自分じぶんのはらんだのをて、おんな主人しゅじん見下みさげるようになった。

16:5 そこでサライはアブラムにった、「わたしがけたがいはあなたの責任せきにんです。わたしのつかえめをあなたのふところにあたえたのに、彼女かのじょ自分じぶんのはらんだのをて、わたしを見下さげます。どうか、しゅがあなたとわたしのあいだをおさばきになるように」。

16:6 アブラムはサライにった、「あなたのつかえめはあなたののうちにある。あなたのきなように彼女かのじょにしなさい」。そしてサライが彼女かのじょくるしめたので、彼女かのじょはサライのかおけてげた。

16:7 しゅ使つかい荒野あらのにあるいずみのほとり、すなわちシュルのみちにあるいずみのほとりで、彼女かのじょい、

16:8 そしてった、「サライのつかえめハガルよ、あなたはどこからきたのですか、またどこへくのですか」。彼女かのじょった、「わたしはおんな主人しゅじんサライのかおけてげているのです」。

16:9 しゅ使つかい彼女かのじょった、「あなたはおんな主人しゅじんのもとにかえって、そのまかせなさい」。

16:10 しゅ使つかいはまた彼女かのじょった、「わたしはおおいにあなたの子孫しそんして、かぞえきれないほどにおおくしましょう」。

16:11 しゅ使つかいはまた彼女かのじょった、「あなたは、みごもっています。あなたはおとこむでしょう。をイシマエルとづけなさい。しゅがあなたのくるしみをかれたのです。

16:12 かれろばのようなひととなり、そのはすべてのひとさからい、すべてのひとかれさからい、かれはすべての兄弟きょうだいてきしてむでしょう」。

16:13 そこで、ハガルは自分じぶんかたられたしゅんで、「あなたはエル・ロイです」とった。彼女かのじょが「ここでも、わたしをていられるかたのうしろをおがめたのか」とったことによる。

16:14 それでその井戸いどは「ベエル・ラハイ・ロイ」とばれた。これはカデシとベレデのあいだにある。

16:15 ハガルはアブラムにおとこんだ。アブラムはハガルがんだをイシマエルとづけた。

16:16 ハガルがイシマエルをアブラムにんだとき、アブラムは八十六さいであった。 

第17章 

17:1 アブラムの九十九さいときしゅはアブラムにあらわれてわれた、

「わたしは全能ぜんのうかみである。あなたはわたしのまえあゆみ、まったものであれ。

17:2 わたしはあなたと契約けいやくむすび、おおいにあなたの子孫しそんすであろう」。

17:3 アブラムは、ひれした。かみはまたかれわれた、

17:4 「わたしはあなたと契約けいやくむすぶ。あなたはおおくの国民こくみんちちとなるであろう。

17:5 あなたのは、もはやアブラムとはわれず、あなたのはアブラハムとばれるであろう。わたしはあなたをおおくの国民こくみんちちとするからである。

17:6 わたしはあなたにおおくの子孫しそんさせ、国々くにぐにたみをあなたからおこそう。また、おうたちもあなたからるであろう。

17:7 わたしはあなたおよのち代々よよ子孫しそん契約けいやくてて、永遠えいえん契約けいやくとし、あなたとのち子孫しそんとのかみとなるであろう。

17:8 わたしはあなたとのち子孫しそんとにあなたの宿やどっているこの、すなわちカナンのぜん永久えいきゅう所有しょゆうとしてあたえる。そしてわたしはかれらのかみとなるであろう」。

17:9 かみはまたアブラハムにわれた、「あなたとのち子孫しそんとはとも代々よよわたしの契約けいやくまもらなければならない。あなたがたのうち

17:10 男子だんしはみな割礼かつれいをうけなければならない。これはわたしとあなたがたおよのち子孫しそんとのあいだのわたしの契約けいやくであって、あなたがたのまもるべきものである。

17:11 あなたがたはまえかわ割礼かつれいけなければならない。それがわたしとあなたがたとのあいだ契約けいやくのしるしとなるであろう。

17:12 あなたがたのうちの男子だんしはみな代々よよいえうまれたものも、また異邦人いほうじんからぎんった、あなたの子孫しそんでないものも、うまれて八割礼かつれいけなければならない。

17:13 あなたのいえうまれたものも、あなたがぎんったものかなら割礼かつれいけなければならない。こうしてわたしの契約けいやくはあなたがたのにあって永遠えいえん契約けいやくとなるであろう。

17:14 割礼かつれいけない男子だんし、すなわちまえかわらないものはわたしの契約けいやくやぶるゆえ、そのひとたみのうちからたれるであろう」。

17:15 かみはまたアブラハムにわれた、「あなたのつまサライは、もはやをサライといわず、をサラといなさい。

17:16 わたしは彼女かのじょ祝福しゅくふくし、また彼女かのじょによって、あなたにひとりのおとこさづけよう。わたしは彼女かのじょ祝福しゅくふくし、彼女かのじょ国々くにぐにたみははとしよう。彼女かのじょから、もろもろのたみおうたちがるであろう」。

17:17 アブラハムはひれしてわらい、こころなかった、「百さいものにどうしてうまれよう。サラはまた九十さいにもなって、どうしてむことができようか」。

17:18 そしてアブラハムはかみった、「どうかイシマエルがあなたのまえきながらえますように」。

17:19 かみわれた、「いや、あなたのつまサラはあなたにおとこむでしょう。をイサクとづけなさい。わたしはかれ契約けいやくてて、のち子孫しそんのために永遠えいえん契約けいやくとしよう。

17:20 またイシマエルについてはあなたのねがいをいた。わたしはかれ祝福しゅくふくしておおくの子孫しそんさせ、おおいにそれをすであろう。かれは十二にんきみたちをむであろう。わたしはかれおおいなる国民こくみんとしよう。

17:21 しかしわたしは来年らいねんいまごろサラがあなたにむイサクと、わたしの契約けいやくてるであろう」。

17:22 かみはアブラハムとかたえ、かれはなれて、のぼられた。

17:23 アブラハムはかみ自分じぶんわれたように、このそのイシマエルと、すべていえうまれたものおよびすべてぎんったもの、すなわちアブラハムのいえ人々ひとびとのうち、すべての男子だんしれてきて、まえかわ割礼かつれいほどこした。

17:24 アブラハムがまえかわ割礼かつれいけたときは九十九さい

17:25 そのイシマエルがまえかわ割礼かつれいけたときは十三さいであった。

17:26 このアブラハムとそのイシマエルは割礼かつれいけた。

17:27 またそのいえ人々ひとびといえうまれたものも、ぎん異邦人いほうじんからったものみなかれとも割礼かつれいけた。 

第18章 

18:1 しゅはマムレのテレビンののかたわらでアブラハムにあらわれられた。それはひるあついころで、かれ天幕てんまく入口いりぐちにすわっていたが、

18:2 げてると、三にんひとかれかってっていた。かれはこれをて、天幕てんまく入口いりぐちからはしってってかれらをむかえ、をかがめて、

18:3 った、「わがしゅよ、もしわたしがあなたのまえめぐみをているなら、どうぞしもべをとおごさないでください。

18:4 みずをすこしってこさせますから、あなたがたはあしあらって、このしたでおやすみください。

18:5 わたしは一口ひとくちのパンをってきます。元気げんきをつけて、それからおかけください。せっかくしもべのところにおいでになったのですから」。かれらはった、「お言葉ことばどおりにしてください」。

18:6 そこでアブラハムはいそいで天幕てんまくり、サラのところってった、「いそいでこまかい麦粉むぎこ三セヤをとり、こねてパンをつくりなさい」。

18:7 アブラハムはうしれにはしってき、やわらかなうしって若者わかものわたしたので、いそいで調理ちょうりした。

18:8 そしてアブラハムは凝乳ぎょうにゅう牛乳ぎゅうにゅうおよびうし調理ちょうりしたものをって、かれらのまえそなえ、したかれらのかたわらにって給仕きゅうじし、かれらは食事しょくじした。

18:9 かれらはアブラハムにった、「あなたのつまサラはどこにおられますか」。かれった、「天幕てんまくなかです」。

18:10 そのひとりがった、「来年らいねんはる、わたしはかならずあなたのところかえってきましょう。そのとき、あなたのつまサラにはおとこうまれているでしょう」。サラはうしろのほう天幕てんまく入口いりぐちいていた。

18:11 さてアブラハムとサラとはとしがすすみ、老人ろうじんとなり、サラはおんなつきのものが、すでにまっていた。

18:12 それでサラはこころなかわらってった、「わたしはおとろえ、主人しゅじんもまた老人ろうじんであるのに、わたしにたのしみなどありえようか」。

18:13 しゅはアブラハムにわれた、「なぜサラは、わたしは老人ろうじんであるのに、どうしてむことができようかとってわらったのか。

18:14 しゅにとって不可能ふかのうなことがありましょうか。来年らいねんはるさだめのときに、わたしはあなたのところかえってきます。そのときサラにはおとこうまれているでしょう」。

18:15 サラはおそれたので、これをしてった、「わたしはわらいません」。しゅわれた、「いや、あなたはわらいました」。

18:16 その人々ひとびとはそこをってソドムのほうかったので、アブラハムはかれらを見送みおくってともった。

18:17 ときしゅわれた、「わたしのしようとすることをアブラハムにかくしてよいであろうか。

18:18 アブラハムはかならおおきなつよ国民こくみんとなって、のすべてのたみがみな、かれによって祝福しゅくふくけるのではないか。

18:19 わたしはかれのちらと家族かぞくとにめいじてしゅみちまもらせ、正義せいぎ公道こうどうとをおこなわせるためにかれったのである。これはしゅがかつてアブラハムについてったことかれうえのぞませるためである」。

18:20 しゅはまたわれた、「ソドムとゴモラのさけびはおおきく、またそのつみ非常ひじょうおもいので、

18:21 わたしはいまくだって、わたしにとどいたさけびのとおりに、すべてかれらがおこなっているかどうかをて、それをろう」。

18:22 その人々ひとびとはそこからめぐらしてソドムのほうったが、アブラハムはなお、しゅまえっていた。

18:23 アブラハムは近寄ちかよってった、「まことにあなたはただしいものを、わるもの一緒いっしょほろぼされるのですか。

18:24 たとい、あのまちに五十にんただしいものがあっても、あなたはなお、そのところほろぼし、そのなかにいる五十にんただしいもののためにこれをゆるされないのですか。

18:25 ただしいものわるものとを一緒いっしょころすようなことを、あなたはけっしてなさらないでしょう。ただしいものわるものとをおなじようにすることも、あなたはけっしてなさらないでしょう。ぜんをさばくもの公義こうぎおこなうべきではありませんか」。

18:26 しゅわれた、「もしソドムでまちなかに五十にんただしいものがあったら、その人々ひとびとのためにそのところをすべてゆるそう」。

18:27 アブラハムはこたえてった、「わたしはちりはいぎませんが、あえてわがしゅもうします。

18:28 もし五十にんただしいもののうち五にんけたなら、その五にんけたためにまちまったほろぼされますか」。しゅわれた、「もしそこに四十五にんいたら、ほろぼさないであろう」。

18:29 アブラハムはまたかさねてしゅった、「もしそこに四十にんいたら」。しゅわれた、「その四十にんのために、これをしないであろう」。

18:30 アブラハムはった、「わがしゅよ、どうかおいかりにならぬよう。わたしはもうします。もしそこに三十にんいたら」。しゅわれた、「そこに三十にんいたら、これをしないであろう」。

18:31 アブラハムはった、「いまわたしはあえてわがしゅもうします。もしそこに二十にんいたら」。しゅわれた、「わたしはその二十にんのためにほろぼさないであろう」。

18:32 アブラハムはった、「わがしゅよ、どうかおいかりにならぬよう。わたしはいま一もうします、もしそこに十にんいたら」。しゅわれた、「わたしはその十にんのためにほろぼさないであろう」。

18:33 しゅはアブラハムとかたおわり、ってかれた。アブラハムは自分じぶんところかえった。 

第19章 

19:1 そのふたりのみ使つかい夕暮ゆうぐれにソドムにいた。そのときロトはソドムのもんにすわっていた。ロトはかれらをて、ってむかえ、して、

19:2 った、「わがしゅよ、どうぞしもべのいえ立寄たちよってあしあらい、おまりください。そしてあさはやきておちください」。かれらはった、「いや、われわれは広場ひろばごします」。

19:3 しかしロトがしいてすすめたので、かれらはついにかれところり、いえにはいった。ロトはかれらのためにふるまいをもうけ、たねれぬパンをいてべさせた。

19:4 ところがかれらのないうちに、ソドムのまち人々ひとびとは、わかもの老人ろうじんも、たみがみな四方しほうからきて、そのいえかこみ、

19:5 ロトにさけんでった、「今夜こんやおまえのところにきた人々ひとびとはどこにいるか。それをここにしなさい。われわれはかれらをるであろう」。

19:6 ロトは入口いりぐちにおるかれらのところき、うしろのじて、

19:7 った、「兄弟きょうだいたちよ、どうかわることはしないでください。

19:8 わたしにまだおとこらないむすめがふたりあります。わたしはこれをあなたがたに、さししますから、きなようにしてください。ただ、わたしの屋根やねしたにはいったこのひとたちには、なにもしないでください」。

19:9 かれらはった、「退しりぞけ」。またった、「このおとこわたってきたよそものであるのに、いつも、さばきびとになろうとする。それで、われわれはかれらにくわえるよりも、おまえにおおくのがいくわえよう」。かれらはロトのはげしくせまり、すすってやぶろうとした。

19:10 そのとき、かのふたりはべてロトをいえうちれ、じた。

19:11 そしていえ入口いりぐちにおる人々ひとびとを、老若ろうにゃくべつなくってをくらましたので、かれらは入口いりぐちさがすのにつかれた。

19:12 ふたりはロトにった、「ほかにあなたの身内みうちものがここにおりますか。あなたのむこ、むすこ、むすめおよびこのまちにおるあなたの身内みうちものを、みなここからしなさい。

19:13 われわれがこのところほろぼそうとしているからです。人々ひとびとさけびがしゅまえおおきくなり、しゅはこのところほろぼすために、われわれをつかわされたのです」。

19:14 そこでロトはって、そのむすめたちをめとるむこたちにげてった、「ってこのところからなさい。しゅがこのまちほろぼされます」。しかしそれはむこたちにはたわむむれごとにおもえた。

19:15 けて、み使つかいたちはロトをうながしてった  「って、ここにいるあなたのつまとふたりのむすめとをしなさい。そうしなければ、あなたもこのまち不義ふぎのためにほろぼされるでしょう」。

19:16 かれはためらっていたが、しゅかれにあわれみをほどこされたので、かのふたりはかれと、そのつまと、ふたりのむすめってし、まちそといた。

19:17 かれらをそとしたときそのひとりはった、「のがれて、自分じぶんいのちすくいなさい。うしろをふりかえっててはならない。低地ていちにはどこにもまってはならない。やまにのがれなさい。そうしなければ、あなたはほろびます」。

19:18 ロトはかれらにった、「わがしゅよ、どうか、そうさせないでください。

19:19 しもべはすでにあなたのまえめぐみをました。あなたはわたしのいのちすくって、おおいなるいつくしみをほどこされました。しかしわたしはやままではのがれることができません。わざわいせまってわたしはぬでしょう。

19:20 あのまちをごらんなさい。げていくのにちかく、またちいさいまちです。どうかわたしをそこにのがれさせてください。それはちいさいではありませんか。そうすればわたしのいのちたすかるでしょう」。

19:21 み使つかいかれった、「わたしはこのことでもあなたのねがいをいれて、あなたのうそのまちほろぼしません。

19:22 いそいでそこへのがれなさい。あなたがそこにくまでは、わたしは何事なにごともすることができません」。これによって、そのまちはゾアルとばれた。

19:23 ロトがゾアルにいたときうえにのぼった。

19:24 しゅ硫黄いおうとをしゅところすなわちてんからソドムとゴモラのうえらせて、

19:25 これらのまちと、すべての低地ていちと、その町々まちまちのすべての住民じゅうみんと、そのにはえているものを、ことごとくほろぼされた。

19:26 しかしロトのつまはうしろをかえりみたのでしおはしらになった。

19:27 アブラハムはあさはやき、さきにしゅまえったところって、

19:28 ソドムとゴモラのほう、および低地ていち全面ぜんめんをながめると、そのけむりが、かまどのけむりのようにちのぼっていた。

19:29 こうしてかみ低地ていち町々まちまちをこぼたれたとき、すなわちロトのんでいた町々まちまちほろぼされたときかみはアブラハムをおぼえて、そのほろびのなかからロトをすくされた。

19:30 ロトはゾアルをのぼり、ふたりのむすめともやまんだ。ゾアルにむのをおそれたからである。かれはふたりのむすめともに、ほらあななかんだ。

19:31 ときあねいもうとった、「わたしたちのちちい、またこのにはのならわしのように、わたしたちのところおとこはいません。

19:32 さあ、ちちさけませ、ともて、ちちによってのこしましょう」。

19:33 彼女かのじょたちはそのちちさけませ、あねがはいってちちともた。ロトはむすめたのも、きたのもらなかった。

19:34 あくるあねいもうとった、「わたしは昨夜さくやちちました。わたしたちは今夜こんやもまたちちさけませましょう。そしてあなたがはいってともなさい。わたしたちはちちによってのこしましょう」。

19:35 かれらはそのもまたちちさけませ、いもうとってちちともた。ロトはむすめたのも、きたのもらなかった。

19:36 こうしてロトのふたりのむすめたちはちちによってはらんだ。

19:37 あねむすめみ、そのをモアブとづけた。これはいまのモアブびとの先祖せんぞである。

19:38 いもうともまたんで、そのをベニアンミとづけた。これはいまのアンモンびとの先祖せんぞである。 

第20章 

20:1 アブラハムはそこからネゲブのうつって、カデシとシュルのあいだんだ。かれがゲラルにとどまっていたとき

20:2 アブラハムはつまサラのことを、「これはわたしのいもうとです」とったので、ゲラルのおうアビメレクは、ひとをつかわしてサラをれた。

20:3 ところがかみゆめにアビメレクにのぞんでわれた、「あなたはれたあのおんなのゆえになねばならない。彼女かのじょおっとのあるである」。

20:4 アビメレクはまだ彼女かのじょちかづいていなかったのでった、「しゅよ、あなたはただしいたみでもころされるのですか。

20:5 かれはわたしに、これはわたしのいもうとですとったではありませんか。また彼女かのじょ自分じぶんで、かれはわたしのあにですといました。わたしはこころきよく、もいさぎよく、このことをしました」。

20:6 かみはまたゆめかれわれた、「そうです、あなたがきよこころをもってこのことをしたのをっていたから、わたしもあなたをまもって、わたしにたいしてつみおかさせず、彼女かのじょにふれることをゆるさなかったのです。

20:7 いまかれつまかえしなさい。かれ預言者よげんしゃですから、あなたのためにいのって、いのちたもたせるでしょう。もしかえさないなら、あなたも身内みうちものもみなかならぬとらなければなりません」。

20:8 そこでアビメレクはあさはやき、しもべたちをことごとくあつめて、これらのことをみなかたかせたので、人々ひとびと非常ひじょうおそれた。

20:9 そしてアビメレクはアブラハムをしてった、「あなたはわれわれになにをするのですか。あなたにたいしてわたしがどんなつみおかしたために、あなたはわたしとわたしのくにとに、おおきなつみわせるのですか。あなたはしてはならぬことをわたしにしたのです」。

20:10 アビメレクはまたアブラハムにった、「あなたはなんとおもって、このことをしたのですか」。

20:11 アブラハムはった、「このところにはかみおそれるということが、まったくないので、わたしのつまのゆえに人々ひとびとがわたしをころすとおもったからです。

20:12 また彼女かのじょはほんとうにわたしのいもうとなのです。わたしのちちむすめですが、ははむすめではありません。そして、わたしのつまになったのです。

20:13 かみがわたしにちちいえはなれて、めぐらせたとき、わたしは彼女かのじょに、あなたはわたしたちのくさきざきでわたしをあにであるとってください。これはあなたがわたしにほどこめぐみであるといました」。

20:14 そこでアビメレクはひつじうしおよび男女だんじょ奴隷どれいってアブラハムにあたえ、そのつまサラをかれかえした。

20:15 そしてアビメレクはった、「わたしのはあなたのまえにあります。あなたのきなところみなさい」。

20:16 またサラにった、「わたしはあなたのあにぎんせんシケルをあたえました。これはあなたのったすべてのことについて、あなたにつぐないをするものです。こうしてすべてのひとにあなたはただしいとみとめられます」。

20:17 そこでアブラハムはかみいのった。かみはアビメレクとそのつまおよび、はしためたちをいやされたので、かれらはむようになった。

20:18 これはしゅがさきにアブラハムのつまサラのゆえに、アビメレクのいえのすべてのものたいを、かたくざされたからである。 

第21章 

21:1 しゅは、さきにわれたようにサラをかえりみ、げられたようにサラにおこなわれた。

21:2 サラはみごもり、かみがアブラハムにげられたときになって、年老としおいたアブラハムにおとこんだ。

21:3 アブラハムはうまれた、サラがんだおとこをイサクとづけた。

21:4 アブラハムはかみめいじられたように八にそのイサクに割礼かつれいほどこした。

21:5 アブラハムはそのイサクがうまれたときさいであった。

21:6 そしてサラはった、「かみはわたしをわらわせてくださった。ものみなわたしのことでわらうでしょう」。

21:7 またった、「サラがちちませるだろうと、だれがアブラハムにたであろう。それなのに、わたしはかれとしとってから、んだ」。

21:8 さて、おさなごはそだって乳離ちばなれした。イサクが乳離ちばなれしたにアブラハムはさかんなふるまいをもうけた。

21:9 サラはエジプトのおんなハガルのアブラハムにんだが、自分じぶんイサクとあそぶのをて、

21:10 アブラハムにった、「このはしためとそのしてください。このはしためのはわたしのイサクとともに、世継よつぎとなるべきものではありません」。

21:11 このことで、アブラハムはそののために非常ひじょう心配しんぱいした。

21:12 かみはアブラハムにわれた、「あのわらべのため、またあなたのはしためのために心配しんぱいすることはない。サラがあなたにうことはすべてきいれなさい。イサクにうまれるものが、あなたの子孫しそんとなえられるからです。

21:13 しかし、はしためのもあなたのですから、これをも、一つの国民こくみんとします」。

21:14 そこでアブラハムはくるあさはやくきて、パンとみずかわぶくろとをり、ハガルにあたえて、かたわせ、そのれてらせた。ハガルはってベエルシバの荒野あらのにさまよった。

21:15 やがてかわぶくろみずきたので、彼女かのじょはそのしたにおき、

21:16 「わたしはこのぬのをるにしのびない」とって、とどくほどはなれてき、子供こどもほういてすわった。彼女かのじょ子供こどもほういてすわったとき、子供こどもこえをあげていた。

21:17 かみはわらべのこえかれ、かみ使つかいてんからハガルをんでった、「ハガルよ、どうしたのか。おそれてはいけない。かみはあそこにいるわらべのこえかれた。

21:18 ってき、わらべをげてあなたのきなさい。わたしはかれおおいなる国民こくみんとするであろう」。

21:19 かみがハガルのひらかれたので、彼女かのじょみず井戸いどのあるのをた。彼女かのじょってかわぶくろみずたし、わらべにませた。

21:20 かみはわらべとともにいまし、わらべは成長せいちょうした。かれ荒野あらのんでゆみものとなった。

21:21 かれはパランの荒野あらのんだ。ははかれのためにエジプトのくにからつまむかえた。

21:22 そのころアビメレクとその軍勢ぐんぜいちょうピコルはアブラハムにった、「あなたが何事なにごとをなさっても、かみはあなたとともにおられる。

21:23 それゆえ、いまここでわたしをも、わたしのをも、まごをもあざむかないと、かみをさしてわたしにちかってください。わたしがあなたに親切しんせつにしたように、あなたもわたしと、このあなたの寄留きりゅうとに、しなければなりません」。

21:24 アブラハムはった、「わたしはちかいます」。

21:25 アブラハムはアビメレクの家来けらいたちが、みず井戸いどうばったことについてアビメルクをめた。

21:26 しかしアビメレクはった、「だれがこのことをしたかわたしはりません。あなたもわたしにげたことはなく、わたしもきょうまできませんでした」。

21:27 そこでアブラハムはひつじうしとをってアビメレクにあたえ、ふたりは契約けいやくむすんだ。

21:28 アブラハムがめす小羊こひつじとうけていたところ、

21:29 アビメレクはアブラハムにった、「あなたがこれらのめす小羊こひつじとうけていたのは、なんのためですか」。

21:30 アブラハムはった、「あなたはわたしのからこれらのめす小羊こひつじとうって、わたしがこの井戸いどったことの証拠しょうことしてください」。

21:31 これによってそのところをベエルシバとづけた。かれらがふたりそこでちかいをしたからである。

21:32 このようにかれらはベエルシバで契約けいやくむすび、アビメレクとその軍勢ぐんぜいちょうピコルはってペリシテのかえった。

21:33 アブラハムはベエルシバに一ぽんのぎょりゅうのえ、そのところ永遠えいえんかみしゅんだ。

21:34 こうしてアブラハムはながあいだペリシテびとのにとどまった。 

第22章 

22:1 これらのことのちかみはアブラハムをこころみてかれわれた、「アブラハムよ」。かれった、「ここにおります」。

22:2 かみわれた、「あなたの、あなたのあいするひとりイサクをれてモリヤのき、わたしがしめやまかれ燔祭はんさいとしてささげなさい」。

22:3 アブラハムはあさはやくきて、ろばにくらをき、ふたりの若者わかものと、そのイサクとをれ、また燔祭はんさいのたきぎをり、ってかみしめされたところかけた。

22:4 三に、アブラハムはをあげて、はるかにその場所ばしょた。

22:5 そこでアブラハムは若者わかものたちにった、「あなたがたは、ろばと一緒いっしょにここにいなさい。わたしとわらべはこうへって礼拝れいはいし、そののち、あなたがたのところかえってきます」。

22:6 アブラハムは燔祭はんさいのたきぎをって、そのイサクにわせ、刃物はものとをって、ふたり一緒いっしょった。

22:7 やがてイサクはちちアブラハムにった、「ちちよ」。かれこたえた、「よ、わたしはここにいます」。イサクはった、「とたきぎとはありますが、燔祭はんさい小羊こひつじはどこにありますか」。

22:8 アブラハムはった、「よ、かみみずから燔祭はんさい小羊こひつじそなえてくださるであろう」。こうしてふたりは一緒いっしょった。

22:9 かれらがかみしめされた場所ばしょにきたとき、アブラハムはそこに祭壇さいだんきずき、たきぎをならべ、そのイサクをしばって祭壇さいだんのたきぎのうえせた。

22:10 そしてアブラハムがべ、刃物はものってそのころそうとしたとき

22:11 しゅ使つかいてんからかれんでった、「アブラハムよ、アブラハムよ」。かれこたえた、「はい、ここにおります」。

22:12 み使つかいった、「わらべをにかけてはならない。またなにかれにしてはならない。あなたの、あなたのひとりをさえ、わたしのためにしまないので、あなたがかみおそれるものであることをわたしはいまった」。

22:13 このときアブラハムがをあげてると、うしろに、つのをやぶにけている一とう雄羊おひつじがいた。アブラハムはってその雄羊おひつじとらえ、それをそののかわりに燔祭はんさいとしてささげた。

22:14 それでアブラハムはそのところをアドナイ・エレとんだ。これにより、人々ひとびと今日こんにちもなお「しゅやまそなえあり」とう。

22:15 しゅ使つかいふたたてんからアブラハムをんで、

22:16 った、「しゅわれた、『わたしは自分じぶんをさしてちかう。あなたがこのことをし、あなたの、あなたのひとりをもしまなかったので、

22:17 わたしはおおいにあなたを祝福しゅくふくし、おおいにあなたの子孫しそんをふやして、てんほしのように、はまべのすなのようにする。あなたの子孫しそんてきもんり、

22:18 またのもろもろの国民こくみんはあなたの子孫しそんによって祝福しゅくふくるであろう。あなたがわたしの言葉ことばしたがったからである』」。

22:19 アブラハムは若者わかものたちのところかえり、みなって、ともにベエルシバへった。そしてアブラハムはベエルシバにんだ。

22:20 これらのことのち、あるひとがアブラハムにげてった、「ミルカもまたあなたの兄弟きょうだいナホルにどもをみました。

22:21 長男ちょうなんはウヅ、おとうとはブズ、つぎはアラムのちちケムエル、

22:22 つぎはケセデ、ハゾ、ピルダシ、エデラフ、ベトエルです」。

22:23 ベトエルのはリベカであって、これら八にんはミルカがアブラハムの兄弟きょうだいナホルにんだのである。

22:24 ナホルのそばめで、をルマというおんなもまたテバ、ガハム、タハシおよびマアカをんだ。 

第23章 

23:1 サラの一生いっしょうは百二十七ねんであった。これがサラのきながらえたとしである。

23:2 サラはカナンののキリアテ・アルバすなわちヘブロンでんだ。アブラハムはなかにはいってサラのためにかなしみいた。

23:3 アブラハムは死人しにんのそばからって、ヘテの人々ひとびとった、

23:4 「わたしはあなたがたのうちのたびもの寄留者きりゅうしゃですが、わたしの死人しにんしてほうむるため、あなたがたのうちにわたしの所有しょゆうとして一つの墓地ぼちをください」。

23:5 ヘテの人々ひとびとはアブラハムにこたえてった、

23:6 「わがしゅよ、おきなさい。あなたはわれわれのうちにおられて、かみのような主君しゅくんです。われわれの墓地ぼちもっとところにあなたの死人しにんほうむりなさい。その墓地ぼちこばんで、あなたにその死人しにんほうむらせないものはわれわれのうちには、ひとりもないでしょう」。

23:7 アブラハムはちあがり、そのたみヘテの人々ひとびとれいをして、

23:8 かれらにった、「もしわたしの死人しにんほうむるのに同意どういされるなら、わたしのねがいをいれて、わたしのためにゾハルのエフロンにたのみ、

23:9 かれっているはたけはしのマクペラのほらあなをじゅうぶんな代価だいかでわたしにあたえ、あなたがたのうちに墓地ぼちたせてください」。

23:10 ときにエフロンはヘテの人々ひとびとのうちにすわっていた。そこでヘテびとエフロンはヘテの人々ひとびと、すなわちすべてそのまちもんにはいる人々ひとびといているところで、アブラハムにこたえてった、

23:11 「いいえ、わがしゅよ、おきなさい。わたしはあのはたけをあなたにさしあげます。またそのなかにあるほらあなもさしあげます。わたしのたみ人々ひとびとまえで、それをさしあげます。あなたの死人しにんほうむりなさい」。

23:12 アブラハムはそのたみまえれいをし、

23:13 そのたみいているところでエフロンにった、「あなたがそれを承諾しょうだくされるなら、おきなさい。わたしはそのはたけ代価だいかはらいます。おりください。わたしの死人しにんをそこにほうむりましょう」。

23:14 エフロンはアブラハムにこたえてった、

23:15 「わがしゅよ、おきなさい。あのぎん四百シケルですが、これはわたしとあなたのあいだで、なにほどのことでしょう。あなたの死人しにんほうむりなさい」。

23:16 そこでアブラハムはエフロンの言葉ことばにしたがい、エフロンがヘテの人々ひとびといているところでったぎん、すなわち商人しょうにん通用つうようぎん四百シケルをはかってエフロンにあたえた。

23:17 こうしてマムレのまえのマクペラにあるエフロンのはたけは、はたけも、そのなかのほらあなも、はたけなかおよびその周囲しゅういさかいにあるすべてのみな

23:18 ヘテの人々ひとびとまえ、すなわちそのまちもんにはいるすべての人々ひとびとまえで、アブラハムの所有しょゆうまった。

23:19 そののち、アブラハムはそのつまサラをカナンのにあるマムレ、すなわちヘブロンのまえのマクペラのはたけのほらあなほうむった。

23:20 このようにはたけとそのなかにあるほらあなとはヘテの人々ひとびとによってアブラハムの所有しょゆう墓地ぼちさだめられた。 

第24章 

24:1 アブラハムはとしすすんで老人ろうじんとなった。しゅはすべてのことにアブラハムをめぐまれた。

24:2 さてアブラハムは所有しょゆうのすべてを管理かんりさせていたいえ年長ねんちょうのしもべにった、「あなたのをわたしのもものしたれなさい。

24:3 わたしはあなたに天地てんちかみしゅをさしてちかわせる。あなたはわたしがいま一緒いっしょんでいるカナンびとのうちから、むすめをわたしのつまにめとってはならない。

24:4 あなたはわたしのくにき、親族しんぞくところって、わたしのイサクのためにつまをめとらなければならない」。

24:5 しもべはかれった、「もしそのおんながわたしについてこのることをこのまないときは、わたしはあなたのをあなたの出身しゅっしんかえるべきでしょうか」。

24:6 アブラハムはかれった、「わたしのけっしてこうへかえってはならない。

24:7 てんかみしゅはわたしをちちいえ親族しんぞくからみちびしてわたしにかたり、わたしにちかって、おまえの子孫しそんにこのあたえるとわれた。しゅは、み使つかいをあなたのまえにつかわされるであろう。あなたはあそこからわたしのつまをめとらねばならない。

24:8 けれどもそのおんながあなたについてることをこのまないなら、あなたはこのちかいをかれる。ただわたしのこうへかえってはならない」。

24:9 そこでしもべは主人しゅじんアブラハムのもものしたれ、このことについてかれちかった。

24:10 しもべは主人しゅじんのらくだのうちから十とうのらくだをってかけた。すなわち主人しゅじんのさまざまのものたずさえ、ってアラム・ナハライムにむかい、ナホルのまちった。

24:11 かれはらくだをまちそとの、みず井戸いどのそばにさせた。とき夕暮ゆうぐれで、おんなたちがみずをくみに時刻じこくであった。

24:12 かれった、「主人しゅじんアブラハムのかみしゅよ、どうか、きょう、わたしにしあわせをさづけ、主人しゅじんアブラハムにめぐみをほどこしてください。

24:13 わたしはいずみのそばにっています。まち人々ひとびとむすめたちがみずをくみにてきたとき、

24:14 むすめかって『おねがいです、あなたのみずがめをかたむけてわたしにませてください』とい、むすめこたえて、『おみください。あなたのらくだにもませましょう』とったなら、そのものこそ、あなたがしもべイサクのためにさだめられたものということにしてください。わたしはこれによって、あなたがわたしの主人しゅじんめぐみをほどこされることをりましょう」。

24:15 かれがまだおわらないうちに、アブラハムの兄弟きょうだいナホルのつまミルカのベトエルのむすめリベカが、みずがめをかたせててきた。

24:16 そのむすめ非常ひじょううつくしく、おとこらぬ処女しょじょであった。彼女かのじょいずみりて、みずがめをたし、がってきたとき

24:17 しもべははしって、彼女かのじょってった、「おねがいです。あなたのみずがめのみずすこませてください」。

24:18 すると彼女かのじょは「わがしゅよ、おみください」とって、いそいでみずがめを自分じぶんりおろしてかれませた。

24:19 ませおわって、彼女かのじょった、「あなたのらくだもみなおわるまで、わたしはみずをくみましょう」。

24:20 彼女かのじょいそいでかめのみずみずぶねにあけ、ふたたみずをくみに井戸いどはしってって、すべてのらくだのためにみずをくんだ。

24:21 そのかんそのひとしゅかれたび祝福しゅくふくされるか、どうかをろうと、だまって彼女かのじょつめていた。

24:22 らくだがおわったとき、そのひとおもはんシケルのきん鼻輪はなわ一つと、おもさ十シケルのきん腕輪うでわ二つをって、

24:23 った、「あなたはだれのむすめか、わたしにはなしてください。あなたのちちいえにわたしどものまる場所ばしょがありましょうか」。

24:24 彼女かのじょかれった、「わたしはナホルのつまミルカのベトエルのむすめです」。

24:25 またかれった、「わたしどもには、わらも、飼葉かいばもたくさんあります。またまる場所ばしょもあります」。

24:26 そのひととうげ、しゅはいして、

24:27 った、「主人しゅじんアブラハムのかみしゅはほむべきかな。しゅはわたしの主人しゅじんにいつくしみと、まこととをしまれなかった。そしてしゅたびにあるわたしを主人しゅじん兄弟きょうだいいえみちびかれた」。

24:28 むすめはしってって、ははいえのものにこれらのことげた。

24:29 リベカにひとりのあにがあって、をラバンといった。ラバンはいずみのそばにいるそのひとところはしってった。

24:30 かれ鼻輪はなわいもうとにある腕輪うでわとを、またいもうとリベカが「そのひとはわたしにこうった」というのをいて、そのひとところってみると、そのひといずみのほとりで、らくだのそばにっていた。

24:31 そこでそのひとった、「しゅ祝福しゅくふくされたひとよ、おはいりください。なぜそとっておられますか。わたしはいえ準備じゅんびし、らくだのためにも場所ばしょ準備じゅんびしておきました」。

24:32 そのひといえにはいった。ラバンはらくだのいて、わらと飼葉かいばをらくだにあたえ、またみずあたえてそのひとあしと、その従者じゅうしゃたちのあしあらわせた。

24:33 そしてかれまえ食物しょくもつそなえたが、かれった、「わたしは用向ようむきをはなすまではべません」。ラバンはった、「おはなしください」。

24:34 そこでかれった、「わたしはアブラハムのしもべです。

24:35 しゅはわたしの主人しゅじんおおいに祝福しゅくふくして、おおいなるものとされました。しゅはまたかれひつじうしぎんきん男女だんじょ奴隷どれい、らくだ、ろばをあたえられました。

24:36 主人しゅじんつまサラは年老としおいてから、主人しゅじんおとこみました。主人しゅじんはその所有しょゆうみなこれにあたえました。

24:37 ところで主人しゅじんはわたしにちかわせていました、『わたしのんでいるのカナンびとのむすめを、わたしのつまにめとってはならない。

24:38 おまえはわたしのちちいえ親族しんぞくところって、わたしのつまをめとらなければならない』。

24:39 わたしは主人しゅじんいました、『もしそのおんながわたしについてこないときはどういたしましょうか』。

24:40 主人しゅじんはわたしにいました、『わたしのつかえているしゅは、み使つかいをおまえと一緒いっしょにつかわして、おまえのたびにさいわいをあたえられるであろう。おまえはわたしの親族しんぞく、わたしのちちいえからわたしのつまをめとらなければならない。

24:41 そのとき、おまえはわたしにしたちかいからかれるであろう。またおまえがわたしの親族しんぞくときかれらがおまえにそのむすめあたえないなら、おまえはわたしにしたちかいからかれるであろう』。

24:42 わたしはきょう、いずみのところにきていました、『主人しゅじんアブラハムのかみしゅよ、どうかいまわたしのゆくみちにさいわいをあたえてください。

24:43 わたしはこのいずみのそばにっていますが、みずをくみにてくるむすめかって、「おねがいです。あなたのみずがめのみずすこませてください」とい、

24:44 「おみください。あなたのらくだのためにも、くみましょう」とわたしにうなら、そのむすめこそ、しゅがわたしの主人しゅじんのためにさだめられたおんなということにしてください』。

24:45 わたしがこころのうちでそうおわらないうちに、リベカがみずがめをかたせててきて、みずをくみにいずみりたので、わたしは『おねがいです、ませてください』といますと、

24:46 彼女かのじょいそいでみずがめをかたからおろし、『おみください。わたしはあなたのらくだにもませましょう』といました。それでわたしはみましたが、彼女かのじょはらくだにもませました。

24:47 わたしは彼女かのじょたずねて、『あなたはだれのむすめですか』といますと、『ナホルとそのつまミルカのベトエルのむすめです』とこたえました。そこでわたしは彼女かのじょはな鼻輪はなわをつけ、腕輪うでわをつけました。

24:48 そしてわたしはあたまをさげてしゅはいし、主人しゅじんアブラハムのかみしゅをほめたたえました。しゅ主人しゅじん兄弟きょうだいむすめにめとらせようと、わたしをただしいみちみちびかれたからです。

24:49 あなたがたが、もしわたしの主人しゅじんにいつくしみと、まことをつくそうとおもわれるなら、そうとわたしにおはなしください。そうでなければ、そうでないとおはなしください。それによってわたしはみぎひだりめましょう」。

24:50 ラバンとベトエルはこたえてった、「このことしゅからたことですから、わたしどもはあなたによしあしをうことができません。

24:51 リベカがここにおりますかられてって、しゅわれたように、あなたの主人しゅじんつまにしてください」。

24:52 アブラハムのしもべはかれらの言葉ことばいて、し、しゅはいした。

24:53 そしてしもべはぎんかざりと、きんかざり、および衣服いふくしてリベカにあたえ、そのあにははとにもあたいたか品々しなじなあたえた。

24:54 かれ従者じゅうしゃたちはいして宿やどったが、あくるあさかれらがきたとき、しもべはった、「わたしを主人しゅじんのもとにかえらせてください」。

24:55 リベカのあにははとはった、「むすめ数日すうじつすくなくとも十、わたしどもとともにいて、それからかせましょう」。

24:56 しもべはかれらにった、「しゅはわたしのみちにさいわいをあたえられましたから、わたしをきとめずに、主人しゅじんのもとにかえらせてください」。

24:57 かれらはった、「むすめんでいてみましょう」。

24:58 かれらはリベカをんでった、「あなたはこのひと一緒いっしょきますか」。彼女かのじょった、「きます」。

24:59 そこでかれらはいもうとリベカと、そのうばと、アブラハムのしもべと、その従者じゅうしゃとをおくらせた。

24:60 かれらはリベカを祝福しゅくふくして彼女かのじょった、

いもうとよ、あなたは、ちよろずのひとははとなれ。あなたの子孫しそんはそのてきもんれ」。

24:61 リベカはって侍女じじょたちとともにらくだにり、そのひとしたがってった。しもべはリベカをれてった。

24:62 さてイサクはベエル・ラハイ・ロイからきて、ネゲブのんでいた。

24:63 イサクは夕暮ゆうぐれあるいていたが、をあげて、らくだのるのをた。

24:64 リベカはをあげてイサクを、らくだからおりて、

24:65 しもべにった、「わたしたちにかって、あるいてるあのひとはだれでしょう」。しもべはった、「あれはわたしの主人しゅじんです」。するとリベカは、被衣かずきをおおった。

24:66 しもべは自分じぶんがしたことのすべてをイサクにはなした。

24:67 イサクはリベカを天幕てんまくれてき、リベカをめとってつまとし、彼女かのじょあいした。こうしてイサクははは死後しごなぐさめをた。 

第25章 

25:1 アブラハムはふたたつまをめとった。をケトラという。

25:2 彼女かのじょはジムラン、ヨクシャン、メダン、ミデアン、イシバクおよびシュワをんだ。

25:3 ヨクシャンのはシバとデダン。デダンの子孫しそんはアシュリびと、レトシびと、レウミびとである。

25:4 ミデアンの子孫しそんはエパ、エペル、ヘノク、アビダ、エルダアであって、これらはみなケトラの子孫しそんであった。

25:5 アブラハムはその所有しょゆうをことごとくイサクにあたえた。

25:6 またそのそばめたちのらにもアブラハムはものあたえ、なおきているあいだかれらをそのイサクからはなして、ひがしほうひがしくにうつらせた。

25:7 アブラハムのきながらえたとしは百七十五ねんである。

25:8 アブラハムは高齢こうれいたっし、老人ろうじんとなり、としちていきえ、んでそのたみくわえられた。

25:9 そのイサクとイシマエルはかれをヘテびとゾハルのエフロンのはたけにあるマクペラのほらあなほうむった。これはマムレのかいにあり、

25:10 アブラハムがヘテの人々ひとびとから、ったはたけであって、そこにアブラハムとそのつまサラがほうむられた。

25:11 アブラハムがんだのちかみはそのイサクを祝福しゅくふくされた。イサクはベエル・ラハイ・ロイのほとりにんだ。

25:12 サラのつかえめエジプトびとハガルがアブラハムにんだアブラハムのイシマエルの系図けいずつぎのとおりである。

25:13 イシマエルのらの世代せだいにしたがって、そのをいえばつぎのとおりである。すなわちイシマエルの長子ちょうしはネバヨテ、つぎはケダル、アデビエル、ミブサム、

25:14 ミシマ、ドマ、マッサ、

25:15 ハダデ、テマ、エトル、ネフシ、ケデマ。

25:16 これはイシマエルのらであり、むら宿営しゅくえいとによるであって、その氏族しぞくによる十二にんきみたちである。

25:17 イシマエルのよわいは百三十七ねんである。かれいきえてに、そのたみくわえられた。

25:18 イシマエルのらはハビラからエジプトのひがし、シュルまでのあいだんで、アシュルにおよんだ。イシマエルはすべての兄弟きょうだいひがしんだ。

25:19 アブラハムのイサクの系図けいずつぎのとおりである。アブラハムのはイサクであって、

25:20 イサクは四十さいとき、パダンアラムのアラムびとベトエルのむすめで、アラムびとラバンのいもうとリベカをつまにめとった。

25:21 イサクはつままなかったので、つまのためにしゅいのねがった。しゅはそのねがいをかれ、つまリベカはみごもった。

25:22 ところがそのらが胎内たいないったので、リベカはった、「こんなことでは、わたしはどうなるでしょう」。彼女かのじょってしゅたずねた。

25:23 しゅ彼女かのじょわれた、

「二つの国民こくみんがあなたの胎内たいないにあり、二つのたみがあなたのはらからわかれてる。一つのたみたみよりもつよく、あにおとうとつかえるであろう」。

25:24 彼女かのじょ出産しゅっさんがきたとき、胎内たいないにはふたごがあった。

25:25 さきにたのはあかくて全身ぜんしんごろものようであった。それでをエサウとづけた。

25:26 そののちおとうとた。そのはエサウのかかとをつかんでいた。それでをヤコブとづけた。リベカがかれらをんだとき、イサクは六十さいであった。

25:27 さてそのらは成長せいちょうし、エサウはたくみな狩猟者しゅりょうしゃとなり、ひととなったが、ヤコブはおだやかなひとで、天幕てんまくんでいた。

25:28 イサクは、しかのにくきだったので、エサウをあいしたが、リベカはヤコブをあいした。

25:29 あるヤコブが、あつものをていたとき、エサウはつかれてからかえってきた。

25:30 エサウはヤコブにった、「わたしはつかれた。おねがいだ。あかいもの、そのあかいものをわたしにべさせてくれ」。かれをエドムとばれたのはこのためである。

25:31 ヤコブはった、「まずあなたの長子ちょうし特権とっけんをわたしにりなさい」。

25:32 エサウはった、「わたしはにそうだ。長子ちょうし特権とっけんなどわたしになにになろう」。

25:33 ヤコブはまたった、「まずわたしにちかいなさい」。かれちかって長子ちょうし特権とっけんをヤコブにった。

25:34 そこでヤコブはパンとレンズまめのあつものとをエサウにあたえたので、かれいして、った。このようにしてエサウは長子ちょうし特権とっけんかろんじた。 

第26章 

26:1 アブラハムのときにあったはじめのききんのほか、またききんがそのくににあったので、イサクはゲラルにいるペリシテびとのおうアビメレクのところった。

26:2 そのときしゅかれあらわれてわれた、「エジプトへくだってはならない。わたしがあなたにしめにとどまりなさい。

26:3 あなたがこのにとどまるなら、わたしはあなたとともにいて、あなたを祝福しゅくふくし、これらのくにをことごとくあなたと、あなたの子孫しそんとにあたえ、わたしがあなたのちちアブラハムにちかったちかいをはたそう。

26:4 またわたしはあなたの子孫しそんしててんほしのようにし、あなたの子孫しそんにこれらのをみなあたえよう。そしてのすべての国民こくみんはあなたの子孫しそんによって祝福しゅくふくをえるであろう。

26:5 アブラハムがわたしの言葉ことばにしたがってわたしのさとしと、いましめと、さだめと、おきてとをまもったからである」。

26:6 こうしてイサクはゲラルにんだ。

26:7 そのところ人々ひとびとかれつまのことをたずねたとき、「彼女かのじょはわたしのいもうとです」とかれった。リベカはうつくしかったので、そのところ人々ひとびとがリベカのゆえに自分じぶんころすかもしれないとおもって、「わたしのつまです」とうのをおそれたからである。

26:8 イサクはながらくそこにいたが、あるペリシテびとのおうアビメレクはまどからそとをながめていて、イサクがそのつまリベカとたわむれているのをた。

26:9 そこでアビメレクはイサクをしてった、「彼女かのじょたしかにあなたのつまです。あなたはどうして『彼女かのじょはわたしのいもうとです』とわれたのですか」。イサクはかれった、「わたしは彼女かのじょのゆえにころされるかもしれないとおもったからです」。

26:10 アビメレクはった、「あなたはどうしてこんなことをわれわれにされたのですか。たみのひとりが軽々かるがるしくあなたのつまるようなことがあれば、そのときあなたはわれわれにつみわせるでしょう」。

26:11 それでアビメレクはすべてのたみめいじてった、「このひと、またはそのつまにさわるものかならななければならない」。

26:12 イサクはそのたねをまいて、そのとしに百ばい収穫しゅうかくた。このようにしゅかれ祝福しゅくふくされたので、

26:13 かれみ、またますますさかえて非常ひじょう裕福ゆうふくになり、

26:14 ひつじれ、うしおよおおくのしもべをつようになったので、ペリシテびとはかれをねたんだ。

26:15 またペリシテびとはかれちちアブラハムのときに、ちちのしもべたちがったすべての井戸いどをふさぎ、つちめた。

26:16 アビメレクはイサクにった、「あなたはわれわれよりも、はるかにつよくなられたから、われわれのところってください」。

26:17 イサクはそこをり、ゲラルのたに天幕てんまくってそのところんだ。

26:18 そしてイサクはちちアブラハムのとき人々ひとびとったみず井戸いどふたたった。アブラハムの死後しご、ペリシテびとがふさいだからである。イサクはちちがつけたにしたがってそれらにをつけた。

26:19 しかしイサクのしもべたちがたになかって、そこにわきみず井戸いどつけたとき、

26:20 ゲラルの羊飼ひつじかいたちは、「このみずはわれわれのものだ」とって、イサクの羊飼ひつじかいたちとあらそったので、イサクはその井戸いどをエセクとづけた。かれらがかれあらそったからである。

26:21 かれらはまた一つの井戸いどったが、これをもあらそったので、をシテナとづけた。

26:22 イサクはそこからうつってまた一つの井戸いどったが、かれらはこれをあらそわなかったので、そのをレホボテとづけてった、「いましゅがわれわれの場所ばしょひろげられたから、われわれはこのにふえるであろう」。

26:23 かれはそこからベエルシバにのぼった。

26:24 そのしゅかれあらわれてわれた、「わたしはあなたのちちアブラハムのかみである。あなたはおそれてはならない。わたしはあなたとともにおって、あなたを祝福しゅくふくし、わたしのしもべアブラハムのゆえにあなたの子孫しそんすであろう」。

26:25 それでかれはそのところ祭壇さいだんきずいて、しゅび、そこに天幕てんまくった。またイサクのしもべたちはそこに一つの井戸いどった。

26:26 ときにアビメレクがそのともアホザテと、軍勢ぐんぜいちょうピコルとともにゲラルからイサクのもとにきたので、

26:27 イサクはかれらにった、「あなたがたはわたしをにくんで、あなたがたのなかからわたしをされたのに、どうしてわたしのところにこられたのですか」。

26:28 かれらはった、「われわれはしゅがあなたとともにおられるのを、はっきりましたので、いまわれわれのあいだ、すなわちわれわれとあなたとのあいだに一つのちかいをてて、あなたと契約けいやく結ぼむすぼうとおもいます。

26:29 われわれはあなたにがいくわえたことはなく、ただことだけをして、やすらかにらせたのですから、あなたはわれわれにわることをしてはなりません。まことにあなたはしゅ祝福しゅくふくされたかたです」。

26:30 そこでイサクはかれらのためにふるまいをもうけた。かれらはいし、

26:31 あくるあさ、はやくきてたがいちかった。こうしてイサクはかれらをらせたので、かれらはイサクのもとからおだやかにった。

26:32 その、イサクのしもべたちがきて、自分じぶんたちがった井戸いどについてかれげてった、「わたしたちはみずつけました」。

26:33 イサクはそれをシバとづけた。これによってそのまち今日こんにちにいたるまでベエルシバといわれている。

26:34 エサウは四十さいとき、ヘテびとベエリのむすめユデテとヘテびとエロンのむすめバスマテとをつまにめとった。

26:35 彼女かのじょたちはイサクとリベカにとってこころいたみとなった。