口語訳聖書(振り仮名付き)

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創世そうせい

第27章  Gn-Audio 

27:1 イサクは年老としおい、がかすんでえなくなったとき長子ちょうしエサウをんでった、「よ」。かれこたえてった、「ここにおります」。

27:2 イサクはった。「わたしは年老としおいて、いつぬかもれない。

27:3 それであなたの武器ぶき弓矢ゆみやをもってかけ、わたしのために、しかのにくをとってきて、

27:4 わたしのきなおいしいものつくり、ってきてべさせよ。わたしはまえにあなたを祝福しゅくふくしよう」。

27:5 イサクがそのエサウにかたるのをリベカはいていた。やがてエサウが、しかのにくようとかけたとき、

27:6 リベカはそのヤコブにった、「わたしはいていましたが、ちちあにエサウに、

27:7 『わたしのために、しかのにくをとってきて、おいしいものつくり、わたしにべさせよ。わたしはまえに、しゅまえであなたを祝福しゅくふくしよう』といました。

27:8 それで、よ、わたしの言葉ことばにしたがい、わたしのうとおりにしなさい。

27:9 れのところって、そこからやぎのいのを二とうわたしのところってきなさい。わたしはそれでちちのために、ちちきなおいしいものつくりましょう。

27:10 あなたはそれをってってちちべさせなさい。ちちまえにあなたを祝福しゅくふくするでしょう」。

27:11 ヤコブはははリベカにった、「あにエサウは毛深けぶかひとですが、わたしはなめらかです。

27:12 おそらくちちはわたしにさわってみるでしょう。そうすればわたしはちちあざむものおもわれ、祝福しゅくふくけず、かえってのろいをけるでしょう」。

27:13 ははかれった、「よ、あなたがうけるのろいはわたしがけます。ただ、わたしの言葉ことばしたがい、ってってきなさい」。

27:14 そこでかれってやぎのり、ははところってきたので、ははちちきなおいしいものつくった。

27:15 リベカはいえにあった長子ちょうしエサウの晴着はれぎって、おとうとヤコブにせ、

27:16 またやぎのかわくびのなめらかなところとにつけさせ、

27:17 彼女かのじょつくったおいしいものとパンとをそのヤコブのにわたした。

27:18 そこでヤコブはちちところってった、「ちちよ」。するとちちった、「わたしはここにいる。よ、あなたはだれか」。

27:19 ヤコブはちちった、「長子ちょうしエサウです。あなたがわたしにわれたとおりにいたしました。どうぞきて、すわってわたしのしかのにくべ、あなたみずからわたしを祝福しゅくふくしてください」。

27:20 イサクはそのった、「よ、どうしてあなたはこんなにはやれたのか」。かれった、「あなたのかみしゅがわたしにしあわせをさづけられたからです」。

27:21 イサクはヤコブにった、「よ、近寄ちかよりなさい。わたしは、さわってみて、あなたがたしかにわがエサウであるかどうかをみよう」。

27:22 ヤコブが、ちちイサクに近寄ちかよったので、イサクはかれにさわってみてった、「こえはヤコブのこえだが、はエサウのだ」。

27:23 ヤコブのあにエサウののように毛深けぶかかったため、イサクはヤコブをわけることができなかったので、かれ祝福しゅくふくした。

27:24 イサクはった、「あなたはたしかにわがエサウですか」。かれった、「そうです」。

27:25 イサクはった、「わたしのところってきなさい。わがのしかのにくべて、わたしみずから、あなたを祝福しゅくふくしよう」。ヤコブがそれをかれところってきたので、かれべた。またぶどうしゅってきたので、かれんだ。

27:26 そしてちちイサクはかれった、「よ、さあ、近寄ちかよってわたしにくちづけしなさい」。

27:27 かれ近寄ちかよってくちづけしたとき、イサクはその着物きもののかおりをかぎ、かれ祝福しゅくふくしてった、

「ああ、わがのかおりは、しゅ祝福しゅくふくされたのかおりのようだ。

27:28 どうかかみが、てんつゆと、えたところと、おおくの穀物こくもつと、あたらしいぶどうしゅとをあなたにたまわるように。

27:29 もろもろのたみはあなたにつかえ、もろもろのくにはあなたにをかがめる。あなたは兄弟きょうだいたちのしゅとなり、あなたのははらは、あなたにをかがめるであろう。あなたをのろうものはのろわれ、あなたを祝福しゅくふくするもの祝福しゅくふくされる」。

27:30 イサクがヤコブを祝福しゅくふくおわって、ヤコブがちちイサクのまえからくとすぐ、あにエサウがかりからかえってきた。

27:31 かれもまたおいしいものつくって、ちちところってきて、った、「ちちよ、きてあなたののしかのにくべ、あなたみずから、わたしを祝福しゅくふくしてください」。

27:32 ちちイサクはかれった、「あなたは、だれか」。かれった、「わたしはあなたの長子ちょうしエサウです」。

27:33 イサクははげしくふるえてった、「それでは、あのしかのにくって、わたしにってきたものはだれか。わたしはあなたがまえに、みんなべてかれ祝福しゅくふくした。ゆえにかれ祝福しゅくふくるであろう」。

27:34 エサウはちち言葉ことばいたとき大声おおごえをあげ、はげしくさけんで、ちちった、「ちちよ、わたしを、わたしをも祝福しゅくふくしてください」。

27:35 イサクはった、「あなたのおとうといつわってやってきて、あなたの祝福しゅくふくうばってしまった」。

27:36 エサウはった、「よくもヤコブとづけたものだ。かれは二までもわたしをおしのけた。さきには、わたしの長子ちょうし特権とっけんうばい、こんどはわたしの祝福しゅくふくうばった」。またった、「あなたはわたしのために祝福しゅくふくのこしておかれませんでしたか」。

27:37 イサクはこたえてエサウにった、「わたしはかれをあなたの主人しゅじんとし、兄弟きょうだいたちをみなしもべとしてかれあたえ、また穀物こくもつとぶどうしゅかれさづけた。わがよ、いまとなっては、あなたのためになにができようか」。

27:38 エサウはちちった、「ちちよ、あなたの祝福しゅくふくはただ一つだけですか。ちちよ、わたしを、わたしをも祝福しゅくふくしてください」。エサウはこえをあげていた。

27:39 ちちイサクはこたえてかれった、

「あなたのすみかはえたところからはなれ、またうえなるてんつゆからはなれるであろう。

27:40 あなたはつるぎをもってわたり、あなたのおとうとつかえるであろう。しかし、あなたがいさときくびから、そのくびきをおとすであろう」。

27:41 こうしてエサウはちちがヤコブにあたえた祝福しゅくふくのゆえにヤコブをにくんだ。エサウはこころうちった、「ちちとおくはないであろう。そのときおとうとヤコブをころそう」。

27:42 しかしリベカは長子ちょうしエサウのこの言葉ことばひとづてにいたので、ひとをやり、おとうとヤコブをんでった、「あにエサウはあなたをころそうとかんがえて、みずからなぐさめています。

27:43 よ、いまわたしの言葉ことばしたがって、すぐハランにいるわたしのあにラバンのもとにのがれ、

27:44 あなたのあにいかりがけるまで、しばらくかれところにいなさい。

27:45 あにいきどおりがけて、あなたのしたことあにわすれるようになったならば、わたしはひとをやって、あなたをそこからむかえましょう。どうして、わたしは一にちのうちにあなたがたふたりをうしなってよいでしょうか」。

27:46 リベカはイサクにった、「わたしはヘテびとのむすめどものことで、きているのがいやになりました。もしヤコブがこのの、あのむすめどものようなヘテびとのむすめつまにめとるなら、わたしはきていて、なにになりましょう」。 

第28章 

28:1 イサクはヤコブをんで、これを祝福しゅくふくし、めいじてった、「あなたはカナンのむすめつまにめとってはならない。

28:2 ってパダンアラムへき、あなたのははちちベトエルのいえって、そこであなたのははあにラバンのむすめつまにめとりなさい。

28:3 全能ぜんのうかみが、あなたを祝福しゅくふくし、おおくのさせ、かつふえさせて、おおくの国民こくみんとし、

28:4 またアブラハムの祝福しゅくふくをあなたと子孫しそんとにあたえて、かみがアブラハムにさづけられたあなたの寄留きりゅうがせてくださるように」。

28:5 こうしてイサクはヤコブをおくした。ヤコブはパダンアラムにかい、アラムびとベトエルので、ヤコブとエサウとのははリベカのあにラバンのもとへった。

28:6 さてエサウは、イサクがヤコブを祝福しゅくふくして、パダンアラムにつかわし、そこからつまをめとらせようとしたこと、かれ祝福しゅくふくし、めいじて「あなたはカナンのむすめつまにめとってはならない」とったこと、

28:7 そしてヤコブが父母ふぼ言葉ことばしたがって、パダンアラムへったことをったとき、

28:8 かれはカナンのむすめちちイサクのこころにかなわないのをた。

28:9 そこでエサウはイシマエルのところき、すでにあるつまたちのほかにアブラハムのイシマエルのむすめで、ネバヨテのいもうとマハラテをつまにめとった。

28:10 さてヤコブはベエルシバをって、ハランへかったが、

28:11 一つのところいたときれたので、そこに一ごし、そのところいしってまくらとし、そこにしてた。

28:12 ときかれゆめをみた。一つのはしごがうえっていて、そのいただきてんたっし、かみ使つかいたちがそれをのぼくだりしているのをた。

28:13 そしてしゅかれのそばにってわれた、「わたしはあなたのちちアブラハムのかみ、イサクのかみしゅである。あなたがしているを、あなたと子孫しそんとにあたえよう。

28:14 あなたの子孫しそんのちりのようにおおくなって、西にしひがしきたみなみにひろがり、しょぞくはあなたと子孫しそんとによって祝福しゅくふくをうけるであろう。

28:15 わたしはあなたとともにいて、あなたがどこへくにもあなたをまもり、あなたをこのかえるであろう。わたしはけっしてあなたをてず、あなたにかたったことおこなうであろう」。

28:16 ヤコブはねむりからさめてった、「まことにしゅがこのところにおられるのに、わたしはらなかった」。

28:17 そしてかれおそれてった、「これはなんというおそるべきところだろう。これはかみいえである。これはてんもんだ」。

28:18 ヤコブはあさはやくきて、まくらとしていたいしり、それをててはしらとし、そのいただきあぶらそそいで、

28:19 そのところをベテルとづけた。そのまちはじめはルズといった。

28:20 ヤコブはちかいをててった、「かみがわたしとともにいまし、わたしのくこのみちでわたしをまもり、べるパンと着物きものたまい、

28:21 やすらかにちちいえかえらせてくださるなら、しゅをわたしのかみといたしましょう。

28:22 またわたしがはしらてたこのいしかみいえといたしましょう。そしてあなたがくださるすべてのものの十ぶんの一を、わたしはかならずあなたにささげます」。 

第29章 

29:1 ヤコブはそのたびつづけてひがしたみった。

29:2 るとに一つの井戸いどがあって、そのかたわらにひつじの三つのれがしていた。人々ひとびとはその井戸いどかられにみずませるのであったが、井戸いどくちにはおおきないしがあった。

29:3 れがみなそこにあつまると、人々ひとびと井戸いどくちからいしをころがしてひつじみずませ、そのいしをまた井戸いどくちもとのところにかえしておくのである。

29:4 ヤコブは人々ひとびとった、「兄弟きょうだいたちよ、あなたがたはどこからこられたのですか」。かれらはった、「わたしたちはハランからです」。

29:5 ヤコブはかれらにった、「あなたがたはナホルのラバンをっていますか」。かれらはった、「っています」。

29:6 ヤコブはまたかれらにった、「かれ無事ぶじですか」。かれらはった、「無事ぶじです。御覧ごらんなさい。かれむすめラケルはいまひつじ一緒いっしょにここへきます」。

29:7 ヤコブはった、「はまだたかいし、家畜かちくあつめるときでもない。あなたがたはひつじみずませてから、またっていなさい」。

29:8 かれらはった、「わたしたちはそれはできないのです。れがみなあつまったうえで、井戸いどくちからいしをころがし、それからひつじみずませるのです」。

29:9 ヤコブがなおかれらとかたっているときに、ラケルはちちひつじ一緒いっしょにきた。彼女かのじょひつじっていたからである。

29:10 ヤコブはははあにラバンのむすめラケルとははあにラバンのひつじとをた。そしてヤコブはすすって井戸いどくちからいしをころがし、ははあにラバンのひつじみずませた。

29:11 ヤコブはラケルにくちづけし、こえをあげていた。

29:12 ヤコブはラケルに、自分じぶんがラケルのちちのおいであり、リベカのであることをげたので、彼女かのじょはしってってちちはなした。

29:13 ラバンはいもうとヤコブがきたというらせをくとすぐ、はしってってヤコブをむかえ、これをいてくちづけし、いえれてきた。そこでヤコブはすべてのことをラバンにはなした。

29:14 ラバンはかれった、「あなたはほんとうにわたしの骨肉こつにくです」。ヤコブは一かげつあいだかれともにいた。

29:15 ときにラバンはヤコブにった、「あなたはわたしのおいだからといって、ただでわたしのためにはたらくこともないでしょう。どんな報酬ほうしゅうのぞみますか、わたしにってください」。

29:16 さてラバンにはふたりのむすめがあった。あねはレアといい、いもうとはラケルといった。

29:17 レアはよわかったが、ラケルはうつくしくてあいらしかった。

29:18 ヤコブはラケルをあいしたので、「わたしは、あなたのいもうとむすめラケルのために七ねんあなたにつかえましょう」とった。

29:19 ラバンはった、「彼女かのじょ他人たにんにやるよりもあなたにやるほうがよい。わたしと一緒いっしょにいなさい」。

29:20 こうして、ヤコブは七ねんあいだラケルのためにはたらいたが、彼女かのじょあいしたので、ただ数日すうじつのようにおもわれた。

29:21 ヤコブはラバンにった、「期日きじつちたから、わたしのつまあたえて、つまところにはいらせてください」。

29:22 そこでラバンはそのところ人々ひとびとをみなあつめて、ふるまいをもうけた。

29:23 夕暮ゆうぐれとなったとき、むすめレアをヤコブのもとにれてきたので、ヤコブは彼女かのじょところにはいった。

29:24 ラバンはまた自分じぶんのつかえめジルパをむすめレアにつかえめとしてあたえた。

29:25 あさになって、ると、それはレアであったので、ヤコブはラバンにった、「あなたはどうしてこんなことをわたしにされたのですか。わたしはラケルのためにはたらいたのではありませんか。どうしてあなたはわたしをあざむいたのですか」。

29:26 ラバンはった、「いもうとあねよりさきにとつがせることはわれわれのくにではしません。

29:27 まずこのむすめのために一しゅうかんごしなさい。そうすればあのむすめもあなたにあげよう。あなたは、そのためさらに七ねんわたしにつかえなければならない」。

29:28 ヤコブはそのとおりにして、その一しゅうかんおわったので、ラバンはむすめラケルをもつまとしてかれあたえた。

29:29 ラバンはまた自分じぶんのつかえめビルハをむすめラケルにつかえめとしてあたえた。

29:30 ヤコブはまたラケルのところにはいった。かれはレアよりもラケルをあいして、さらに七ねんラバンにつかえた。

29:31 しゅはレアがきらわれるのをて、そのたいひらかれたが、ラケルは、みごもらなかった。

29:32 レアは、みごもってみ、をルベンとづけて、った、「しゅがわたしのなやみをかえりみられたから、いまおっともわたしをあいするだろう」。

29:33 彼女かのじょはまた、みごもってみ、「しゅはわたしがきらわれるのをおきになって、わたしにこのをもたまわった」とって、をシメオンとづけた。

29:34 彼女かのじょはまた、みごもってみ、「わたしはかれに三にんんだから、こんどこそはおっともわたしにしたしむだろう」とって、をレビとづけた。

29:35 彼女かのじょはまた、みごもってみ、「わたしはいましゅをほめたたえる」とってをユダとづけた。そこで彼女かのじょの、むことはやんだ。 

第30章 

30:1 ラケルは自分じぶんがヤコブにまないのをったときあねをねたんでヤコブにった、「わたしにどもをください。さもないと、わたしはにます」。

30:2 ヤコブはラケルにかいいかってった、「あなたのたいどもをやどらせないのはかみです。わたしがかみかわることができようか」。

30:3 ラケルはった、「わたしのつかえめビルハがいます。彼女かのじょところにおはいりなさい。彼女かのじょんで、わたしのひざにきます。そうすれば、わたしもまた彼女かのじょによってつでしょう」。

30:4 ラケルはつかえめビルハをかれあたえて、つまとさせたので、ヤコブは彼女かのじょところにはいった。

30:5 ビルハは、みごもってヤコブにんだ。

30:6 そこでラケルは、「かみはわたしのうったえにこたえ、またわたしのこえいて、わたしにたまわった」とって、をダンとづけた。

30:7 ラケルのつかえめビルハはまた、みごもってだい二のをヤコブにんだ。

30:8 そこでラケルは、「わたしははげしいあらそいで、あねあらそってった」とって、をナフタリとづけた。

30:9 さてレアは自分じぶんむことのやんだのをたとき、つかえめジルパをり、つまとしてヤコブにあたえた。

30:10 レアのつかえめジルパはヤコブにんだ。

30:11 そこでレアは、「幸運こううんがきた」とって、をガドとづけた。

30:12 レアのつかえめジルパはだい二のをヤコブにんだ。

30:13 そこでレアは、「わたしは、しあわせです。むすめたちはわたしをしあわせなものうでしょう」とって、をアセルとづけた。

30:14 さてルベンはむぎりのて、こいなすびをつけ、それをははレアのもとにってきた。ラケルはレアにった、「あなたのこいなすびをどうぞわたしにください」。

30:15 レアはラケルにった、「あなたがわたしのおっとったのはちいさなことでしょうか。そのうえ、あなたはまたわたしのこいなすびをもろうとするのですか」。ラケルはった、「それではあなたのこいなすびにえて、今夜こんやかれをあなたとともさせましょう」。

30:16 夕方ゆうがたになって、ヤコブがからかえってきたので、レアはかれ出迎でむかえてった、「わたしのこいなすびをもって、わたしがあなたをやとったのですから、あなたはわたしのところに、はいらなければなりません」。ヤコブはそのレアとともた。

30:17 かみはレアのねがいをかれたので、彼女かのじょはみごもって五番目ばんめをヤコブにんだ。

30:18 そこでレアは、「わたしがつかえめをおっとあたえたから、かみがわたしにそのあたいたまわったのです」とって、をイッサカルとづけた。

30:19 レアはまた、みごもって六番目ばんめをヤコブにんだ。

30:20 そこでレアは、「かみはわたしに賜物たまものをたまわった。わたしは六にんおっとんだから、いまこそかれはわたしと一緒いっしょむでしょう」とって、そのをゼブルンとづけた。

30:21 そののち彼女かのじょはひとりのむすめんで、をデナとづけた。

30:22 つぎかみはラケルをこころにとめられ、彼女かのじょねがいをき、そのたいひらかれたので、

30:23 彼女かのじょは、みごもっておとこみ、「かみはわたしのはじをすすいでくださった」とって、

30:24 をヨセフとづけ、「しゅがわたしに、なおひとりのくわえられるように」とった。

30:25 ラケルがヨセフをんだとき、ヤコブはラバンにった、「わたしをらせて、わたしの故郷こきょう、わたしのくにかせてください。

30:26 あなたにつかえてたわたしの妻子さいしを、わたしにあたえてかせてください。わたしがあなたのためにはたらいた骨折ほねおりは、あなたがごぞんじです」。

30:27 ラバンはかれった、「もし、あなたのこころにかなうなら、とどまってください。わたしはしゅがあなたのゆえに、わたしをめぐまれるしるしをました」。

30:28 またった、「あなたの報酬ほうしゅうもうてください。わたしはそれをはらいます」。

30:29 ヤコブはかれった、「わたしがどのようにあなたにつかえたか、またどのようにあなたの家畜かちくったかは、あなたがごぞんじです。

30:30 わたしがまえには、あなたのっておられたものはわずかでしたが、ふえておおくなりました。しゅはわたしのところどこでも、あなたをめぐまれました。しかし、いつになったらわたしも自分じぶんいえすようになるでしょうか」。

30:31 かれった、「なにをあなたにあげようか」。ヤコブはった、「なにもわたしにくださるにおよびません。もしあなたが、わたしのためにこの一つのことをしてくださるなら、わたしはいまあなたのれをい、まもりましょう。

30:32 わたしはきょう、あなたのれをみなまわってみて、そのなかからすべてぶちとまだらのひつじ、およびすべてくろ小羊こひつじと、やぎのなかのまだらのものと、ぶちのものとをうつしますが、これをわたしの報酬ほうしゅうとしましょう。

30:33 あとで、あなたがきて、あなたのまえでわたしの報酬ほうしゅうをしらべるとき、わたしのただしいこと証明しょうめいされるでしょう。もしも、やぎのなかにぶちのないもの、まだらでないものがあったり、小羊こひつじなかくろくないものがあれば、それはみなわたしがぬすんだものとなるでしょう」。

30:34 ラバンはった、「よろしい。あなたのわれるとおりにしましょう」。

30:35 そこでラバンはそのやぎのしまのあるもの、まだらのもの、すべてやぎのぶちのもの、まだらのもの、すべてしろみをおびているもの、またすべて小羊こひつじなかくろいものをうつしてらのにわたし、

30:36 ヤコブとのあいだに三へだたりをもうけた。ヤコブはラバンののこりのれをった。

30:37 ヤコブは、はこやなぎと、あめんどうと、すずかけののなまのえだり、かわをはいでそれにしろすじをつくり、えだしろところあらわし、

30:38 かわをはいだえだを、れがきてみずはち、すなわちみずぶねのなかに、れにかわせていた。れはみずみにきたときに、はらんだ。

30:39 すなわちれはえだまえで、はらんで、しまのあるもの、ぶちのもの、まだらのものをんだ。

30:40 ヤコブはその小羊こひつじべつにおいた。かれはまたれのかおをラバンのれのしまのあるものと、すべてくろいものとにかわせた。そして自分じぶんれをべつにまとめておいて、ラバンのれには、れなかった。

30:41 またれのつよいものが発情はつじょうしたときには、ヤコブはみずぶねのなかに、そのれのまえに、かのえだいて、えだあいだで、はらませた。

30:42 けれどもれのよわいもののときには、それをかなかった。こうしてよわいものはラバンのものとなり、つよいものはヤコブのものとなったので、

30:43 このひとおおいにみ、おおくのれと、男女だんじょ奴隷どれい、およびらくだ、ろばをつようになった。 

第31章 

31:1 さてヤコブはラバンのらが、「ヤコブはわれわれのちちものをことごとくうばい、ちちものによってあのすべてのとみたのだ」とっているのをいた。

31:2 またヤコブがラバンのかおるのに、それは自分じぶんたいして以前いぜんのようではなかった。

31:3 しゅはヤコブにわれた、「あなたの先祖せんぞくにかえり、親族しんぞくのもとにきなさい。わたしはあなたとともにいるであろう」。

31:4 そこでヤコブはひとをやって、ラケルとレアとを、にいる自分じぶんれのところにまねき、

31:5 彼女かのじょらにった、「わたしがあなたがたのちちかおるのに、わたしにたいして以前いぜんのようではない。しかし、わたしのちちかみはわたしとともにおられる。

31:6 あなたがたがっているように、わたしはちからのかぎり、あなたがたのちちつかえてきた。

31:7 しかし、あなたがたのちちはわたしをあざむいて、十もわたしの報酬ほうしゅうえた。けれどもかみかれがわたしにがいくわえることをおゆるしにならなかった。

31:8 もしかれが、『ぶちのものはあなたの報酬ほうしゅうだ』とえば、れはみなぶちのものをんだ。もしかれが、『しまのあるものはあなたの報酬ほうしゅうだ』とえば、れはみなしまのあるものをんだ。

31:9 こうしてかみはあなたがたのちち家畜かちくをとってわたしにあたえられた。

31:10 またれが発情はつじょうしたとき、わたしがゆめをあげてると、れのうえっているやぎはみなしまのあるもの、ぶちのもの、しもふりのものであった。

31:11 そのときかみ使つかいゆめなかでわたしにった、『ヤコブよ』。わたしはこたえた、『ここにおります』。

31:12 かみ使つかいった、『げててごらん。れのうえっているやぎはみなしまのあるもの、ぶちのもの、しもふりのものです。わたしはラバンがあなたにしたことをみなています。

31:13 わたしはベテルのかみです。かつてあなたはあそこではしらあぶらそそいで、わたしにちかいをてましたが、いまってこのて、あなたのうまれたくにかえりなさい』」。

31:14 ラケルとレアはこたえてった、「わたしたちのちちいえに、なおわたしたちのくべきぶん、またぎょうがありましょうか。

31:15 わたしたちはちち他人たにんのようにおもわれているではありませんか。かれはわたしたちをったばかりでなく、わたしたちのそのかねをさえ使つかたしたのです。

31:16 かみがわたしたちのちちからりあげられたとみは、みなわたしたちとわたしたちのどものものです。だから何事なにごとでもかみがあなたにおげになったことをしてください」。

31:17 そこでヤコブはって、らとつまたちをらくだにせ、

31:18 またすべての家畜かちく、すなわちかれがパダンアラムで家畜かちくと、すべての財産ざいさんたずさえて、カナンのにおるちちイサクのもとへおもむいた。

31:19 そのときラバンはひつじるためにていたので、ラケルはちち所有しょゆうのテラピムをぬすした。

31:20 またヤコブはアラムびとラバンをあざむき、自分じぶんるのをかれげなかった。

31:21 こうしてかれはすべてのものたずさえてげ、ってかわわたり、ギレアデの山地さんちかった。

31:22 三になって、ヤコブのったことが、ラバンにきこえたので、

31:23 かれ一族いちぞくひきいて、七日なぬかあいだそのあとをい、ギレアデの山地さんちいついた。

31:24 しかし、かみゆめにアラムびとラバンにあらわれてわれた、「あなたはこころしてヤコブに、よしあしをってはなりません」。

31:25 ラバンはついにヤコブにいついたが、ヤコブがやま天幕てんまくっていたので、ラバンも一族いちぞくともにギレアデのやま天幕てんまくった。

31:26 ラバンはヤコブにった、「あなたはなんということをしたのですか。あなたはわたしをあざむいてわたしのむすめたちをいくさのとりこのようにいてきました。

31:27 なぜあなたはわたしにげずに、ひそかにってわたしをあざむいたのですか。わたしはつづみことよろこうたってあなたをおくりだそうとしていたのに。

31:28 なぜわたしのまごむすめにわたしがくちづけするのをゆるさなかったのですか。あなたはおろかなことをしました。

31:29 わたしはあなたがたにがいくわえるちからをもっているが、あなたがたのちちかみ昨夜さくやわたしにげて、『おまえはこころして、ヤコブによしあしをうな』とわれました。

31:30 いまあなたがしたのはちちいえ非常ひじょうこいしくなったからでしょうが、なぜあなたはわたしのかみぬすんだのですか」。

31:31 ヤコブはラバンにこたえた、「たぶんあなたがむすめたちをわたしからうばいとるだろうとおもってわたしはおそれたからです。

31:32 だれのところにでもあなたのかみつかったら、そのものかしてはおきません。なにかあなたのものがわたしのところにあるか、われわれの一族いちぞくまえで、調しらべてみて、それをおりください」。ラケルがかみぬすんだことをヤコブはらなかったからである。

31:33 そこでラバンはヤコブの天幕てんまくにはいり、またレアの天幕てんまくにはいり、さらにふたりのはしための天幕てんまくにはいってみたが、つからなかったので、レアの天幕てんまくてラケルの天幕てんまくにはいった。

31:34 しかし、ラケルはすでにテラピムをって、らくだのくらのしたれ、そのうえにすわっていたので、ラバンは、くまなく天幕てんまくなかさがしたが、つからなかった。

31:35 そのときラケルはちちった、「わたしはおんなつねのことがあって、あなたのまえがることができません。わがしゅよ、どうかおいかりにならぬよう」。かれさがしたがテラピムはつからなかった。

31:36 そこでヤコブはいかってラバンをめた。そしてヤコブはラバンにった、「わたしにどんなあやまちがあり、どんなつみがあって、あなたはわたしのあとをはげしくったのですか。

31:37 あなたはわたしのものをことごとくさぐられたが、なにかあなたのいえものつかりましたか。それを、ここに、わたしの一族いちぞくと、あなたの一族いちぞくまえいて、われわれふたりのあいだをさばかせましょう。

31:38 わたしはこの二十ねん、あなたと一緒いっしょにいましたが、そのかんあなたのひつじやぎもみそこねたことはなく、またわたしはあなたのれの雄羊おひつじべたこともありませんでした。

31:39 また野獣やじゅうが、かみいたものは、あなたのもとにってこないで、自分じぶんでそれをつぐないました。またひるぬすまれたものも、よるぬすまれたものも、あなたはわたしにそのつぐないをもとめられました。

31:40 わたしのことをえば、ひるあつさに、よるさむさになやまされて、ねむることもできませんでした。

31:41 わたしはこの二十ねんあなたの家族かぞくのひとりでありました。わたしはあなたのふたりのむすめのために十四ねん、またあなたのれのために六ねん、あなたにつかえましたが、あなたはじゅうもわたしの報酬ほうしゅうえられました。

31:42 もし、わたしのちちかみ、アブラハムのかみ、イサクのかしこむものがわたしとともにおられなかったなら、あなたはきっとわたしを、かららせたでしょう。かみはわたしのなやみと、わたしの労苦ろうくとをかえりみられて昨夜さくやあなたをいましめられたのです」。

31:43 ラバンはこたえてヤコブにった、「むすめたちはわたしのむすめどもたちはわたしのまごです。またれはわたしのれ、あなたのるものはみなわたしのものです。これらのわたしのむすめたちのため、またかれらがんだどもたちのため、きょうわたしはなにをすることができましょうか。

31:44 さあ、それではわたしとあなたと契約けいやくむすんで、これをわたしとあなたとのあいだ証拠しょうことしましょう」。

31:45 そこでヤコブはいしり、それをててはしらとした。

31:46 ヤコブはまた一族いちぞくものった、「いしあつめてください」。かれらはいしって、一つの石塚いしづか つくった。こうしてかれらはその石塚いしづかのかたわらで食事しょくじをした。

31:47 ラバンはこれをエガル・サハドタとづけ、ヤコブはこれをガルエドとづけた。

31:48 そしてラバンはった、「この石塚いしづかはきょうわたしとあなたとのあいだ証拠しょうことなります」。それでそのはガルエドとばれた。

31:49 またミズパともばれた。かれがこうったからである、「われわれがたがいわかれたのちも、どうかしゅがわたしとあなたとのあいだ見守みまもられるように。

31:50 もしあなたがわたしのむすめ虐待ぎゃくたいしたり、わたしのむすめのほかにつまをめとることがあれば、たといそこにだれひとりいなくても、かみはわたしとあなたとのあいだ証人しょうにんでいらせられる」。

31:51 さらにラバンはヤコブにった、「あなたとわたしとのあいだにわたしがてたこの石塚いしづかをごらんなさい、このはしらをごらんなさい。

31:52 この石塚いしづかえてわたしがあなたにがいくわえず、またこの石塚いしづかとこのはしらえてあなたがわたしにがいくわえないように、どうかこの石塚いしづかがあかしとなり、このはしらがあかしとなるように。

31:53 どうかアブラハムのかみ、ナホルのかみかれらのちちかみがわれわれのあいだをさばかれるように」。ヤコブはちちイサクのかしこむものによってちかった。

31:54 そしてヤコブはやま犠牲ぎせいをささげ、一族いちぞくまねいて、食事しょくじをした。かれらは食事しょくじをしてやま宿やどった。

31:55 あくるあさラバンははやき、まごむすめたちにくちづけしてかれらを祝福しゅくふくし、っていえかえった。 

第32章 

32:1 さて、ヤコブが旅路たびじすすんだとき、かみ使つかいたちがかれった。

32:2 ヤコブはかれらをて、「これはかみ陣営じんえいです」とって、そのところをマハナイムとづけた。

32:3 ヤコブはセイルの、エドムのあにエサウのもとに、さきだって使者ししゃをつかわした。

32:4 すなわちそれにめいじてった、「あなたがたはわたしの主人しゅじんエサウにこういなさい、『あなたのしもべヤコブはこういました。わたしはラバンのもとに寄留きりゅうしていままでとどまりました。

32:5 わたしはうし、ろば、ひつじ男女だんじょ奴隷どれいっています。それでわがしゅもうげて、あなたのまえめぐみをようとひとをつかわしたのです』」。

32:6 使者ししゃはヤコブのもとにかえってった、「わたしたちはあなたのあにエサウのもとへきました。かれもまたあなたをむかえようと四百にんひきいてきます」。

32:7 そこでヤコブはおおいにおそれ、くるしみ、ともにいるたみおよびひつじうし、らくだを二つのくみけて、

32:8 った、「たとい、エサウがきて、一つのくみっても、のこりのくみはのがれるであろう」。

32:9 ヤコブはまたった、「ちちアブラハムのかみちちイサクのかみよ、かつてわたしに『おまえのくにかえり、おまえの親族しんぞくけ。わたしはおまえをめぐもう』とわれたしゅよ、

32:10 あなたがしもべにほどこされたすべてのめぐみとまことをわたしはけるにりないものです。わたしは、つえのほかなにたないでこのヨルダンをわたりましたが、いまは二つのくみにもなりました。

32:11 どうぞ、あにエサウのからわたしをおすくいください。わたしはかれがきて、わたしをち、はは子供こどもたちにまでおよぶのをおそれます。

32:12 あなたは、かつて、『わたしはかならずおまえをめぐみ、おまえの子孫しそんうみすなかぞえがたいほどおおくしよう』とわれました」。

32:13 かれはそのそこに宿やどり、もののうちからあにエサウへのおくものえらんだ。

32:14 すなわちやぎ二百、やぎ二十、ひつじ二百、雄羊おひつじ二十、

32:15 ちちらくだ三十とその雌牛めうし四十、雄牛おうし十、ろば二十、ろば十。

32:16 かれはこれらをそれぞれのれにけて、しもべたちのにわたし、しもべたちにった、「あなたがたはわたしのさきすすみなさい、そしてれとれとのあいだにはへだたりをおきなさい」。

32:17 また先頭せんとうものめいじてった、「もし、あにエサウがあなたにって『だれのしもべで、どこへくのか。あなたのまえにあるこれらのものはだれのものか』とたずねたら、

32:18 『あなたのしもべヤコブのもので、わがしゅエサウにおくるおくものです。かれもわたしたちのうしろにおります』といなさい」。

32:19 かれだい二のものにも、だい三のものにも、またれについてくすべてのものにもめいじてった、「あなたがたがエサウにうときは、おなじようにかれげて、

32:20 『あなたのしもべヤコブもわれわれのうしろにおります』といなさい」。ヤコブは、「わたしがさきにおくおくものをもってまずかれをなだめ、それから、かれかおよう。そうすれば、かれはわたしをむかえてくれるであろう」とおもったからである。

32:21 こうしておくものかれ先立さきだってわたり、かれはその宿営しゅくえいにやどった。

32:22 かれはそのきて、ふたりのつまとふたりのつかえめと十一にんどもとをれてヤボクのわたしをわたった。

32:23 すなわちかれらをみちびいてかわわたらせ、またかれものわたらせた。

32:24 ヤコブはひとりあとにのこったが、ひとりのひとが、夜明よあけまでかれ組打くみうちした。

32:25 ところでそのひとはヤコブにてないのをて、ヤコブのもものつがいにさわったので、ヤコブのもものつがいが、そのひと組打くみうちするあいだにはずれた。

32:26 そのひとった、「けるからわたしをらせてください」。ヤコブはこたえた、「わたしを祝福しゅくふくしてくださらないなら、あなたをらせません」。

32:27 そのひとかれった、「あなたのはなんといますか」。かれこたえた、「ヤコブです」。

32:28 そのひとった、「あなたはもはやをヤコブとわず、イスラエルといなさい。あなたがかみひととに、ちからあらそってったからです」。

32:29 ヤコブはたずねてった、「どうかわたしにあなたのらせてください」。するとそのひとは、「なぜあなたはわたしのをきくのですか」とったが、そのところかれ祝福しゅくふくした。

32:30 そこでヤコブはそのところをペニエルとづけてった、「わたしはかおかおをあわせてかみたが、なおきている」。

32:31 こうしてかれがペニエルをぎるときかれうえにのぼったが、かれはそのもものゆえにびっこをいていた。

32:32 そのため、イスラエルのらは今日こんにちまで、もものつがいのうえにあるこしすじべない。かのひとがヤコブのもものつがい、すなわちこしすじにさわったからである。 

第33章 

33:1 さてヤコブはをあげ、エサウが四百にんひきいてるのをた。そこでかれ子供こどもたちをけてレアとラケルとふたりのつかえめとにわたし、

33:2 つかえめとそのともたちをまっさきき、レアとそのともたちをつぎき、ラケルとヨセフを最後さいごいて、

33:3 みずからかれらのまえすすみ、七たびにかがめて、あにちかづいた。

33:4 するとエサウははしってきてむかえ、かれき、そのくびをかかえてくちづけし、ともいた。

33:5 エサウはをあげておんな子供こどもたちをった、「あなたと一緒いっしょにいるこれらのものはだれですか」。ヤコブはった、「かみがしもべにさづけられた子供こどもたちです」。

33:6 そこでつかえめたちはそのともたちととも近寄ちかよってお辞儀じぎした。

33:7 レアもまたそのともたちととも近寄ちかよってお辞儀じぎし、それからヨセフとラケルが近寄ちかよってお辞儀じぎした。

33:8 するとエサウはった、「わたしが出会であったあのすべてのれはどうしたのですか」。ヤコブはった、「わがしゅまえめぐみをるためです」。

33:9 エサウはった、「おとうとよ、わたしはじゅうぶんもっている。あなたのものはあなたのものにしなさい」。

33:10 ヤコブはった、「いいえ、もしわたしがあなたのまえめぐみをるなら、どうか、わたしのからおくものけてください。あなたがよろこんでわたしをむかえてくださるので、あなたのかおて、かみかおるようにおもいます。

33:11 どうかわたしがってきたおくものけてください。かみがわたしをめぐまれたので、わたしはじゅうぶんもっていますから」。こうしてかれがしいたので、かれった。

33:12 そしてエサウはった、「さあ、ってこう。わたしがさきく」。

33:13 ヤコブはかれった、「ごぞんじのように、子供こどもたちは、かよわく、またちちませているひつじうしをわたしが世話せわをしています。もし一にちでもあるかせぎたられはみなんでしまいます。

33:14 わがしゅよ、どうか、しもべのさきにおいでください。わたしはわたしのまえにいる家畜かちく子供こどもたちのあゆみにわせて、ゆっくりあるいてき、セイルでわがしゅ一緒いっしょになりましょう」。

33:15 エサウはった、「それならわたしがれているものどものうちいくひとかをあなたのもとにのこしましょう」。ヤコブはった、「いいえ、それにはおよびません。わがしゅまえめぐみをさせてください」。

33:16 そのエサウはセイルへの帰途きとについた。

33:17 ヤコブはってスコテにき、自分じぶんのためにいえて、また家畜かちくのために小屋こやつくった。これによってそのところはスコテとばれている。

33:18 こうしてヤコブはパダンアラムからきて、無事ぶじカナンののシケムのまちき、まちまえ宿営しゅくえいした。

33:19 かれ天幕てんまくった一部いちぶをシケムのちちハモルのらのから百ケシタでり、

33:20 そこに祭壇さいだんてて、これをエル・エロヘ・イスラエルとづけた。 

第34章 

34:1 レアがヤコブにんだむすめデナはそのおんなたちにおうとかけてったが、

34:2 そののつかさ、ヒビびとハモルのシケムが彼女かのじょて、れ、これとてはずかしめた。

34:3 かれふかくヤコブのむすめデナをしたい、このむすめあいして、ねんごろにむすめかたった。

34:4 シケムはちちハモルにった、「このむすめをわたしのつまにめとってください」。

34:5 さてヤコブはシケムが、むすめデナをけがしたことをいたけれども、そのらが家畜かちくれてにいたので、かれらのかえるまでだまっていた。

34:6 シケムのちちハモルはヤコブとはなおうと、ヤコブのところてきた。

34:7 ヤコブのらはからかえり、このこといて、かなしみ、かつ非常ひじょういかった。シケムがヤコブのむすめて、イスラエルにおろかなことをしたためで、こんなことは、してはならぬことだからである。

34:8 ハモルはかれらとかたってった、「わたしのシケムはあなたがたのむすめこころしたっています。どうか彼女かのじょかれつまにください。

34:9 あなたがたはわたしたちと婚姻こんいんし、あなたがたのむすめをわたしたちにあたえ、わたしたちのむすめをあなたがたにめとってください。

34:10 こうしてあなたがたとわたしたちとは一緒いっしょみましょう。はあなたがたのまえにあります。ここにんで取引とりひきし、ここで財産ざいさんなさい」。

34:11 シケムはまたデナのちち兄弟きょうだいたちとにった、「あなたがたのまえめぐみをさせてください。あなたがたがわたしにわれるものは、なんでもさしあげましょう。

34:12 たくさんの結納ゆいのうきんおくものとをおもとめになっても、あなたがたのわれるとおりさしあげます。ただこのむすめはわたしのつまにください」。

34:13 しかし、ヤコブのらはシケムがかれらのいもうとデナをけがしたので、シケムとそのちちハモルにいつわってこたえ、

34:14 かれらにった、「われわれは割礼かつれいけないものいもうとをやることはできません。それはわれわれのはじとするところですから。

34:15 ただ、こうなさればわれわれはあなたがたに同意どういします。もしあなたがたのうち男子だんしがみな割礼かつれいけて、われわれのようになるなら、

34:16 われわれのむすめをあなたがたにあたえ、あなたがたのむすめをわれわれにめとりましょう。そしてわれわれはあなたがたと一緒いっしょんで一つのたみとなりましょう。

34:17 けれども、もしあなたがたがわれわれにかず、割礼かつれいけないなら、われわれはむすめれてきます」。

34:18 かれらの言葉ことばがハモルとハモルのシケムとのこころにかなったので、

34:19 若者わかものは、ためらわずにこのことをした。かれがヤコブのむすめあいしたからである。またかれちちいえのうちで一ばんおもんじられたものであった。

34:20 そこでハモルとそのシケムとはまちもんき、まち人々ひとびとかたってった、

34:21 「この人々ひとびとはわれわれとしたしいから、このまわせて、ここで取引とりひきをさせよう。ひろく、かれらをいれるにじゅうぶんである。そしてわれわれはかれらのむすめつまにめとり、われわれのむすめかれらにあたえよう。

34:22 かれらが割礼かつれいけているように、もしわれわれのうちの男子だんしみな割礼かつれいけるなら、ただこのことだけで、この人々ひとびとはわれわれに同意どういし、われわれと一緒いっしょんで一つのたみとなるのだ。

34:23 そうすればかれらの家畜かちく財産ざいさんとすべてのけものとは、われわれのものとなるではないか。ただわれわれがかれらに同意どういすれば、かれらはわれわれと一緒いっしょむであろう」。

34:24 そこでまちもん出入でいりするものはみなハモルとそのシケムとにしたがって、まちもん出入でいりするすべての男子だんし割礼かつれいけた。

34:25 三になってかれらがいたみをおぼえているとき、ヤコブのふたりの、すなわちデナの兄弟きょうだいシメオンとレビとは、おのおのつるぎをって、不意ふいまちおそい、男子だんしをことごとくころし、

34:26 またつるぎのにかけてハモルとそのシケムとをころし、シケムのいえからデナをした。

34:27 そしてヤコブのらはころされた人々ひとびとをはぎ、まちをかすめた。かれらがいもうとけがしたからである。

34:28 すなわちひつじうし、ろばおよまちにあるものと、にあるもの、

34:29 ならびにすべてのざいうばい、そのおんなつまたちをみなとりこにし、いえなかにあるものをことごとくかすめた。

34:30 そこでヤコブはシメオンとレビとにった、「あなたがたはわたしをこの住民じゅうみん、カナンびととペリジびとにみきらわせ、わたしに迷惑めいわくをかけた。わたしは、人数にんずうすくないから、かれらがあつまってわたしをつならば、わたしも家族かぞくほろぼされるであろう」。

34:31 かれらはった、「わたしたちのいもうと遊女ゆうじょのようにかれあつかってよいのですか」。 

第35章 

35:1 ときにかみはヤコブにわれた、「あなたはってベテルにのぼり、そこにんで、あなたがさきにあにエサウのかおけてのがれるとき、あなたにあらわれたかみ祭壇さいだんつくりなさい」。

35:2 ヤコブは、その家族かぞくおよびともにいるすべてのものった、「あなたがたのうちにあることなる神々かみがみて、きよめて着物きもの着替きがえなさい。

35:3 われわれはってベテルにのぼり、そのところでわたしの苦難くなんにわたしにこたえ、かつわたしのみちともにおられたかみ祭壇さいだんつくろう」。

35:4 そこでかれらはっていることなる神々かみがみと、みみにつけている耳輪みみわをことごとくヤコブにあたえたので、ヤコブはこれをシケムのほとりにあるテレビンのしためた。

35:5 そしてかれらは、いでったが、おおいなるおそれが周囲しゅうい町々まちまちったので、ヤコブのらのあとをものはなかった。

35:6 こうしてヤコブはともにいたすべての人々ひとびと一緒いっしょにカナンのにあるルズ、すなわちベテルにきた。

35:7 かれはそこに祭壇さいだんきずき、そのところをエル・ベテルとづけた。かれあにかおけてのがれるときかみがそこでかれあらわれたからである。

35:8 ときにリベカのうばデボラがんで、ベテルのしもの、かしのしたほうむられた。これによってそのをアロン・バクテとばれた。

35:9 さてヤコブがパダンアラムからかえってきたときかみふたたかれあらわれてかれ祝福しゅくふくされた。

35:10 かみかれわれた、「あなたのはヤコブである。しかしあなたのをもはやヤコブとんではならない。あなたのをイスラエルとしなさい」。こうしてかれをイスラエルとづけられた。

35:11 かみはまたかれわれた、

「わたしは全能ぜんのうかみである。あなたはめよ、またふえよ。一つの国民こくみん、またおおくの国民こくみんがあなたからて、おうたちがあなたのからるであろう。

35:12 わたしはアブラハムとイサクとにあたえたを、あなたにあたえよう。またあなたののち子孫しそんにそのあたえよう」。

35:13 かみかれかたっておられたその場所ばしょからかれはなれてのぼられた。

35:14 そこでヤコブはかみ自分じぶんかたられたその場所ばしょに、一ぽんいしはしらて、そのうえ灌祭かんさいをささげ、またあぶらそそいだ。

35:15 そしてヤコブはかみ自分じぶんかたられたその場所ばしょをベテルとづけた。

35:16 こうしてかれらはベテルをったが、エフラタにくまでに、なおへだたりのあるところでラケルは産気さんけづき、そのさんおもかった。

35:17 その難産なんざんあたって、産婆さんば彼女かのじょった、「心配しんぱいすることはありません。今度こんどおとこです」。

35:18 彼女かのじょにのぞみ、たましいろうとするときをベノニとんだ。しかし、ちちはこれをベニヤミンとづけた。

35:19 ラケルはんでエフラタ、すなわちベツレヘムのみちほうむられた。

35:20 ヤコブはそのはかはしらてた。これはラケルのはかはしらであって、今日こんにちいたっている。

35:21 イスラエルはまた、いでってミグダル・エダルのこうに天幕てんまくった。

35:22 イスラエルがそのんでいたとき、ルベンはちちのそばめビルハのところへって、これとた。イスラエルはこれをいた。

さてヤコブのらは十二にんであった。

35:23 すなわちレアのらはヤコブの長子ちょうしルベンとシメオン、レビ、ユダ、イッサカル、ゼブルン。

35:24 ラケルのらはヨセフとベニヤミン。

35:25 ラケルのつかえめビルハのらはダンとナフタリ。

35:26 レアのつかえめジルパのらはガドとアセル。これらはヤコブのらであって、パダンアラムでかれうまれたものである。

35:27 ヤコブはキリアテ・アルバ、すなわちヘブロンのマムレにいるちちイサクのもとへった。ここはアブラハムとイサクとが寄留きりゅうしたところである。

35:28 イサクのとしは百八十さいであった。

35:29 イサクは年老としおい、ちていきえ、んで、そのたみくわえられた。そのエサウとヤコブとは、これをほうむった。 

第36章 

36:1 エサウ、すなわちエドムの系図けいずつぎのとおりである。

36:2 エサウはカナンのむすめたちのうちからつまをめとった。すなわちヘテびとエロンのむすめアダと、ヒビびとヂベオンのアナのむすめアホリバマとである。

36:3 また、イシマエルのむすめネバヨテのいもうとバスマテをめとった。

36:4 アダはエリパズをエサウにみ、バスマテはリウエルをみ、

36:5 アホリバマはエウシ、ヤラム、コラをんだ。これらはエサウのであって、カナンのかれうまれたものである。

36:6 エサウはつまむすめいえのすべてのひと家畜かちくとすべてのけもの、またカナンのたすべての財産ざいさんたずさえ、兄弟きょうだいヤコブをはなれてほかのった。

36:7 かれらの財産ざいさんおおくて、一緒いっしょにいることができなかったからである。すなわちかれらが寄留きりゅうしたかれらの家畜かちくのゆえに、かれらをささえることができなかったのである。

36:8 こうしてエサウはセイルの山地さんちんだ。エサウはすなわちエドムである。

36:9 セイルの山地さんちにおったエドムびとの先祖せんぞエサウの系図けいずつぎのとおりである。

36:10 エサウのらのつぎのとおりである。すなわちエサウのつまアダのはエリパズ。エサウのつまバスマテのはリウエル。

36:11 エリパズのらはテマン、オマル、ゼポ、ガタム、ケナズである。

36:12 テムナはエサウのエリパズのそばめで、アマレクをエリパズにんだ。これらはエサウのつまアダのらである。

36:13 リウエルのらはつぎのとおりである。すなわちナハテ、ゼラ、シャンマ、ミザであって、これらはエサウのつまバスマテのらである。

36:14 ヂベオンのアナのむすめで、エサウのつまアホリバマのらはつぎのとおりである。すなわち彼女かのじょはエウシ、ヤラム、コラをエサウにんだ。

36:15 エサウのらのなかで、ぞくちょうたるものつぎのとおりである。すなわちエサウの長子ちょうしエリパズのらはテマンの族長ぞくちょう、オマルの族長ぞくちょう、ゼポの族長ぞくちょう、ケナズの族長ぞくちょう

36:16 コラの族長ぞくちょう、ガタムの族長ぞくちょう、アマレクの族長ぞくちょうである。これらはエリパズから族長ぞくちょうで、エドムのにおった。これらはアダのらである。

36:17 エサウのリウエルのらはつぎのとおりである。すなわちナハテの族長ぞくちょう、ゼラの族長ぞくちょう、シャンマの族長ぞくちょう、ミザの族長ぞくちょう。これらはリウエルから族長ぞくちょうで、エドムのにおった。これらはエサウのつまバスマテのらである。

36:18 エサウのつまアホリバマのらはつぎのとおりである。すなわちエウシの族長ぞくちょう、ヤラムの族長ぞくちょう、コラの族長ぞくちょう。これらはアナのむすめで、エサウのつまアホリバマから族長ぞくちょうである。

36:19 これらはエサウすなわちエドムのらで、ぞくちょうたるものである。

36:20 この住民じゅうみんホリびとセイルのらはつぎのとおりである。すなわちロタン、ショバル、ヂベオン、アナ、

36:21 デション、エゼル、デシャン。これらはセイルのホリびとから族長ぞくちょうで、エドムのにおった。

36:22 ロタンのらはホリ、ヘマムであり、ロタンのいもうとはテムナであった。

36:23 ショバルのらはつぎのとおりである。すなわちアルワン、マナハテ、エバル、シポ、オナム。

36:24 ヂベオンのらはつぎのとおりである。すなわちアヤとアナ。このアナはちちヂベオンのろばをっていたとき荒野あらの温泉おんせん発見はっけんしたものである。

36:25 アナのらはつぎのとおりである。すなわちデションとアホリバマ。アホリバマはアナのむすめである。

36:26 デションのらはつぎのとおりである。すなわちヘムダン、エシバン、イテラン、ケラン。

36:27 エゼルのらはつぎのとおりである。すなわちビルハン、ザワン、アカン。

36:28 デシャンのらはつぎのとおりである。すなわちウズとアラン。

36:29 ホリびとから族長ぞくちょうつぎのとおりである。すなわちロタンの族長ぞくちょう、ショバルの族長ぞくちょう、ヂベオンの族長ぞくちょう、アナの族長ぞくちょう

36:30 デションの族長ぞくちょう、エゼルの族長ぞくちょう、デシャンの族長ぞくちょう。これらはホリびとから族長ぞくちょうであって、その氏族しぞくしたがってセイルのにおったものである。

36:31 イスラエルの人々ひとびとおさめるおうがまだなかったとき、エドムのおさめたおうたちはつぎのとおりである。

36:32 ベオルのベラはエドムをおさめ、そのみやこはデナバであった。

36:33 ベラがんで、ボズラのゼラのヨバブがこれにかわっておうとなった。

36:34 ヨバブがんで、テマンびとののホシャムがこれにかわっておうとなった。

36:35 ホシャムがんで、ベダデのハダデがこれにかわっておうとなった。かれはモアブのでミデアンをったものである。そのみやこはアビテであった。

36:36 ハダデがんで、マスレカのサムラがこれにかわっておうとなった。

36:37 サムラがんでユフラテかわのほとりにあるレホボテのサウルがこれにかわっておうとなった。

36:38 サウルがんでアクボルのバアル・ハナンがこれにかわっておうとなった。

36:39 アクボルのバアル・ハナンがんで、ハダルがこれにかわっておうとなった。そのみやこはパウであった。そのつまはメヘタベルといって、メザハブのむすめマテレデのむすめであった。

36:40 エサウから族長ぞくちょうは、その氏族しぞく住所じゅうしょしたがってえばつぎのとおりである。すなわちテムナの族長ぞくちょう、アルワの族長ぞくちょう、エテテの族長ぞくちょう

36:41 アホリバマの族長ぞくちょう、エラの族長ぞくちょう、ピノンの族長ぞくちょう

36:42 ケナズの族長ぞくちょう、テマンの族長ぞくちょう、ミブザルの族長ぞくちょう

36:43 マグデエルの族長ぞくちょう、イラムの族長ぞくちょう。これらはエドムの族長ぞくちょうたちであって、その領地りょうちうち住所じゅうしょしたがっていったものである。エドムびとの先祖せんぞはエサウである。  

第37章 

37:1 ヤコブはちち寄留きりゅう、すなわちカナンのんだ。

37:2 ヤコブの子孫しそんつぎのとおりである。

ヨセフは十七さいとき兄弟きょうだいたちとともひつじれをっていた。かれはまだ子供こどもで、ちちつまたちビルハとジルパとのらとともにいたが、ヨセフはかれらのわるいうわさをちちげた。

37:3 ヨセフは年寄としよであったから、イスラエルはのどのよりもかれあいして、かれのためにながそでの着物きものをつくった。

37:4 兄弟きょうだいたちはちちがどの兄弟きょうだいよりもかれあいするのをて、かれにくみ、おだやかにかれかたることができなかった。

37:5 あるとき、ヨセフはゆめて、それを兄弟きょうだいたちにはなしたので、かれらは、ますますかれにくんだ。

37:6 ヨセフはかれらにった、「どうぞわたしがゆめいてください。

37:7 わたしたちがはたけなかたばわえていたとき、わたしのたばきてつと、あなたがたのたばがまわりにきて、わたしのたばおがみました」。

37:8 すると兄弟きょうだいたちはかれかって、「あなたはほんとうにわたしたちのおうになるのか。あなたは実際じっさいわたしたちをおさめるのか」とって、かれゆめとその言葉ことばのゆえにますますかれにくんだ。

37:9 ヨセフはまた一つのゆめて、それを兄弟きょうだいたちにかたってった、「わたしはまたゆめました。つきと十一のほしとがわたしをおがみました」。

37:10 かれはこれをちち兄弟きょうだいたちにかたったので、ちちかれをとがめてった、「あなたがたそのゆめはどういうのか。ほんとうにわたしとあなたのははと、兄弟きょうだいたちとがってし、あなたをおがむのか」。

37:11 兄弟きょうだいたちはかれをねたんだ。しかしちちはこの言葉ことばこころにとめた。

37:12 さて兄弟きょうだいたちがシケムにって、ちちひつじれをっていたとき、

37:13 イスラエルはヨセフにった、「あなたの兄弟きょうだいたちはシケムでひつじっているではないか。さあ、あなたをかれらのところへつかわそう」。ヨセフはちちった、「はい、きます」。

37:14 ちちかれった、「どうか、って、あなたの兄弟きょうだいたちは無事ぶじであるか、またれは無事ぶじであるかてきて、わたしにらせてください」。ちちかれをヘブロンのたにからつかわしたので、かれはシケムにった。

37:15 ひとりのひとかれい、かれをさまよっていたので、そのひとかれたずねてった、「あなたはなにさがしているのですか」。

37:16 かれった、「兄弟きょうだいたちをさがしているのです。かれらが、どこでひつじっているのか、どうぞわたしにらせてください」。

37:17 そのひとった、「かれらはここをりました。かれらが『ドタンへこう』とうのをわたしはきました」。そこでヨセフは兄弟きょうだいたちのあとをってって、ドタンでかれらにった。

37:18 ヨセフがかれらにちかづかないうちに、かれらははるかにヨセフをて、これをころそうとはかり、

37:19 たがいった、「あの夢見ゆめみものがやってる。

37:20 さあ、かれころしてあなれ、わるけものかれったとおう。そしてかれゆめがどうなるかよう」。

37:21 ルベンはこれをいて、ヨセフをかれらのからすくそうとしてった、「われわれはかれいのちってはならない」。

37:22 ルベンはまたかれらにった、「ながしてはいけない。かれ荒野あらののこのあなれよう。かれをくだしてはならない」。これはヨセフをかれらのからすくいだしてちちかえすためであった。

37:23 さて、ヨセフが兄弟きょうだいたちのもとへくと、かれらはヨセフの着物きものかれていたながそでの着物きものをはぎとり、

37:24 かれとらえてあなれた。そのあなはからで、そのなかみずはなかった。

37:25 こうしてかれらはすわってパンをべた。ときかれらがをあげてると、イシマエルびとの隊商たいしょうが、らくだに香料こうりょうと、乳香にゅうこうと、もつやくとをわせてエジプトへくだこうとギレアデからやってきた。  

37:26 そこでユダは兄弟きょうだいたちにった、「われわれがおとうところし、そのかくしてなにえきがあろう。

37:27 さあ、われわれはかれをイシマエルびとにろう。かれはわれわれの兄弟きょうだい、われわれのにくだから、かれくだしてはならない」。兄弟きょうだいたちはこれをれた。

37:28 ときにミデアンびとの商人しょうにんたちがとおりかかったので、かれらはヨセフをあなからげ、ぎん二十シケルでヨセフをイシマエルびとにった。かれらはヨセフをエジプトへれてった。

37:29 さてルベンはあなかえってたが、ヨセフがあななかにいなかったので、かれ衣服いふくき、

37:30 兄弟きょうだいたちのもとにかえってった、「あのはいない。ああ、わたしはどこへくことができよう」。

37:31 かれらはヨセフの着物きものり、やぎをころして、着物きものをそのひたし、

37:32 そのながそでの着物きものちちかえってった、「わたしたちはこれをつけましたが、これはあなたの着物きものか、どうかさだめてください」。

37:33 ちちはこれをさだめてった、「わが着物きものだ。わるけものかれったのだ。たしかにヨセフはかみかれたのだ」。

37:34 そこでヤコブは衣服いふくき、荒布あらぬのこしにまとって、ながあいだそののためになげいた。

37:35 らとむすめらとはみなってかれなぐさめようとしたが、かれなぐさめられるのをこばんでった、「いや、わたしはなげきながら陰府よみくだって、わがのもとへこう」。こうしてちちかれのためにいた。

37:36 さて、かのミデアンびとらはエジプトでパロの役人やくにん侍衛じえいちょうポテパルにヨセフをった。