口語訳聖書(振り仮名付き)

章:  22  23  24  25  26  27  28

マタイによる福音ふくいんしょ

第22章    Mt-Audio 

22:1 イエスはまた、たとえかれらにかたってわれた、

22:2 「天国てんごくは、ひとりのおうがその王子おうじのために、こんえんもよおすようなものである。

22:3 おうはそのしもべたちをつかわして、このこんえんまねかれていたひとたちをばせたが、そのひとたちはこようとはしなかった。

22:4 そこでまた、ほかのしもべたちをつかわしてった、『まねかれたひとたちにいなさい。食事しょくじ用意よういができました。うしえたけものもほふられて、すべての用意よういができました。さあ、こんえんにおいでください』。

22:5 しかし、かれらはらぬかおをして、ひとりは自分じぶんはたけに、ひとりは自分じぶん商売しょうばいき、

22:6 またほかの人々ひとびとは、このしもべたちをつかまえて侮辱ぶじょくくわえたうえころしてしまった。

22:7 そこでおう立腹りっぷくし、軍隊ぐんたいおくってそれらの人殺ひとごろしどもをほろぼし、そのまちはらった。

22:8 それからしもべたちにった、『こんえん用意よういはできているが、まねかれていたのは、ふさわしくない人々ひとびとであった。

22:9 だから、まち大通おおどおりにって、出会であったひとはだれでもこんえんれてきなさい』。

22:10 そこで、しもべたちはみちって、出会であひとは、悪人あくにんでも善人ぜんにんでもみなあつめてきたので、こんえんせききゃくでいっぱいになった。

22:11 おうきゃくむかえようとしてはいってきたが、そこに礼服れいふくをつけていないひとりのひとて、

22:12 かれった、『ともよ、どうしてあなたは礼服れいふくをつけないで、ここにはいってきたのですか』。しかし、かれだまっていた。

22:13 そこで、おうはそばのものたちにった、『このもの手足てあしをしばって、そとくらやみにほうりせ。そこでさけんだり、がみをしたりするであろう』。

22:14 まねかれるものおおいが、えらばれるものすくない」。

22:15 そのときパリサイびとたちがきて、どうかしてイエスを言葉ことばのわなにかけようと、相談そうだんをした。

22:16 そして、かれらの弟子でしを、ヘロデとうものたちとともに、イエスのもとにつかわしてわせた、「先生せんせい、わたしたちはあなたが真実しんじつなかたであって、真理しんりもとづいてかみみちおしえ、また、ひとへだてをしないで、だれをもはばかられないことをっています。

22:17 それで、あなたはどうおもわれますか、こたえてください。カイザルに税金ぜいきんおさめてよいでしょうか、いけないでしょうか」。

22:18 イエスはかれらの悪意あくいってわれた、「偽善者ぎぜんしゃたちよ、なぜわたしをためそうとするのか。

22:19 ぜいおさめる貨幣かへいせなさい」。かれらはデナリ一つをってきた。

22:20 そこでイエスはわれた、「これは、だれの肖像しょうぞう、だれの記号きごうか」。

22:21 かれらは「カイザルのです」とこたえた。するとイエスはわれた、「それでは、カイザルのものはカイザルに、かみのものはかみかえしなさい」。

22:22 かれらはこれをいて驚嘆きょうたんし、イエスをのこしてった。

22:23 復活ふっかつということはないと主張しゅちょうしていたサドカイびとたちが、その、イエスのもとにきて質問しつもんした、

22:24 「先生せんせい、モーセはこうっています、『もし、あるひとがなくてんだなら、そのおとうとあにつまをめとって、あにのためにをもうけねばならない』。

22:25 さて、わたしたちのところに七にん兄弟きょうだいがありました。長男ちょうなんつまをめとったがんでしまい、そしてがなかったので、そのつまおとうとのこしました。

22:26 次男じなん三男さんなんも、ついに七にんともおなじことになりました。

22:27 最後さいごに、そのおんなにました。

22:28 すると復活ふっかつときには、このおんなは、七にんのうちだれのつまなのでしょうか。みんながこのおんなつまにしたのですが」。

22:29 イエスはこたえてわれた、「あなたがたは聖書せいしょかみちかららないから、おもちがいをしている。

22:30 復活ふっかつときには、かれらはめとったり、とついだりすることはない。かれらはてんにいる御使みつかいのようなものである。

22:31 また、死人しにん復活ふっかつについては、かみがあなたがたにわれた言葉ことばんだことがないのか。

22:32 『わたしはアブラハムのかみ、イサクのかみ、ヤコブのかみである』といてある。かみんだものかみではなく、きているものかみである」。

22:33 群衆ぐんしゅうはこれをいて、イエスのおしえおどろいた。

22:34 さて、パリサイびとたちは、イエスがサドカイびとたちをいこめられたといて、一緒いっしょあつまった。

22:35 そしてかれらのなかのひとりの律法りっぽう学者がくしゃが、イエスをためそうとして質問しつもんした、

22:36 「先生せんせい律法りっぽうなかで、どのいましめがいちばん大切たいせつなのですか」。

22:37 イエスはわれた、「『こころをつくし、精神せいしんをつくし、おもいをつくして、しゅなるあなたのかみあいせよ』。

22:38 これがいちばん大切たいせつな、だい一のいましめである。

22:39 だい二もこれと同様どうようである、『自分じぶんあいするようにあなたのとなびとあいせよ』。

22:40 これらの二つのいましめに、律法りっぽう全体ぜんたい預言者よげんしゃとが、かかっている」。

22:41 パリサイびとたちがあつまっていたとき、イエスはかれらにおたずねになった、

22:42 「あなたがたはキリストをどうおもうか。だれのなのか」。かれらは「ダビデのです」とこたえた。

22:43 イエスはわれた、「それではどうして、ダビデが御霊みたまかんじてキリストをしゅんでいるのか。

22:44 すなわち

しゅはわがしゅおおせになった、あなたのてきをあなたのあしもとにくときまでは、わたしのみぎしていなさい』。

22:45 このように、ダビデ自身じしんがキリストをしゅんでいるなら、キリストはどうしてダビデのであろうか」。

22:46 イエスにひとことでもこたえうるものは、なかったし、そのからもはや、すすんでイエスに質問しつもんするものも、いなくなった。 

第23章 

23:1 そのときイエスは、群衆ぐんしゅう弟子でしたちとにかたってわれた、

23:2 「律法りっぽう学者がくしゃとパリサイびととは、モーセのにすわっている。

23:3 だから、かれらがあなたがたにうことは、みなまもって実行じっこうしなさい。しかし、かれらのすることには、ならうな。かれらはうだけで、実行じっこうしないから。

23:4 また、おも荷物にもつをくくって人々ひとびとかたにのせるが、それをうごかすために、自分じぶんではゆびぽんそうとはしない。

23:5 そのすることは、すべてひとせるためである。すなわち、かれらは経札きょうふだ幅広はばひろくつくり、そのころものふさをおおきくし、

23:6 また、宴会えんかい上座じょうざ会堂かいどう上席じょうせきこのみ、

23:7 広場ひろばであいさつされることや、人々ひとびとから先生せんせいばれることをこのんでいる。

23:8 しかし、あなたがたは先生せんせいばれてはならない。あなたがたの先生せんせいは、ただひとりであって、あなたがたはみな兄弟きょうだいなのだから。

23:9 また、地上ちじょうのだれをも、ちちんではならない。あなたがたのちちはただひとり、すなわち、てんにいますちちである。

23:10 また、あなたがたは教師きょうしばれてはならない。あなたがたの教師きょうしはただひとり、すなわち、キリストである。

23:11 そこで、あなたがたのうちでいちばんえらものは、つかえるひとでなければならない。

23:12 だれでも自分じぶんたかくするものひくくされ、自分じぶんひくくするものたかくされるであろう。

23:13 偽善ぎぜん律法りっぽう学者がくしゃ、パリサイびとたちよ。あなたがたは、わざわいである。あなたがたは、天国てんごくざして人々ひとびとをはいらせない。自分じぶんもはいらないし、はいろうとするひとをはいらせもしない。〔

23:14 偽善ぎぜん律法りっぽう学者がくしゃ、パリサイびとたちよ。あなたがたは、わざわいである。あなたがたは、やもめたちのいえたおし、えのためにながいのりをする。だから、もっときびしいさばきをけるにちがいない。〕

23:15 偽善ぎぜん律法りっぽう学者がくしゃ、パリサイびとたちよ。あなたがたは、わざわいである。あなたがたはひとりの改宗者かいしゅうしゃをつくるために、うみりくとをめぐあるく。そして、つくったなら、かれ自分じぶんよりばいもひどい地獄じごくにする。

23:16 盲目もうもく案内あんないしゃたちよ。あなたがたは、わざわいである。あなたがたはう、『神殿しんでんをさしてちかうなら、そのままでよいが、神殿しんでん黄金こがねをさしてちかうなら、はた責任せきにんがある』と。

23:17 おろかな盲目もうもくひとたちよ。黄金こがねと、黄金こがね神聖しんせいにする神殿しんでんと、どちらが大事だいじなのか。

23:18 また、あなたがたはう、『祭壇さいだんをさしてちかうなら、そのままでよいが、そのうえそなものをさしてちかうなら、はた責任せきにんがある』と。

23:19 盲目もうもくひとたちよ。そなものそなもの神聖しんせいにする祭壇さいだんとどちらが大事だいじなのか。

23:20 祭壇さいだんをさしてちかものは、祭壇さいだんと、そのうえにあるすべてのものとをさしてちかうのである。

23:21 神殿しんでんをさしてちかものは、神殿しんでんとそのなかんでおられるかたとをさしてちかうのである。

23:22 また、てんをさしてちかものは、かみ御座みざとそのうえにすわっておられるかたとをさしてちかうのである。

23:23 偽善ぎぜん律法りっぽう学者がくしゃ、パリサイびとたちよ。あなたがたは、わざわいである。はっか、いのんど、クミンなどの薬味やくみの十ぶんの一をみやおさめておりながら、律法りっぽうなかでもっと重要じゅうような、公平こうへいとあわれみと忠実ちゅうじつとをのがしている。それもしなければならないが、これものがしてはならない。

23:24 盲目もうもく案内あんないしゃたちよ。あなたがたは、ぶよはこしているが、らくだはのみこんでいる。

23:25 偽善ぎぜん律法りっぽう学者がくしゃ、パリサイびとたちよ。あなたがたは、わざわいである。さかずきさらとの外側そとがわはきよめるが、内側うちがわ貪欲どんよく放縦ほうじゅうとでちている。

23:26 盲目もうもくなパリサイびとよ。まず、さかずき内側うちがわをきよめるがよい。そうすれば、外側そとがわきよくなるであろう。

23:27 偽善ぎぜん律法りっぽう学者がくしゃ、パリサイびとたちよ。あなたがたは、わざわいである。あなたがたはしろったはかている。外側そとがわうつくしくえるが、内側うちがわ死人しにんほねや、あらゆる不潔ふけつなものでいっぱいである。

23:28 このようにあなたがたも、外側そとがわひとただしくえるが、内側うちがわ偽善ぎぜん不法ふほうとでいっぱいである。

23:29 偽善ぎぜん律法りっぽう学者がくしゃ、パリサイびとたちよ。あなたがたは、わざわいである。あなたがたは預言者よげんしゃはかて、義人ぎじんかざてて、こうっている、

23:30 『もしわたしたちが先祖せんぞ時代じだいきていたなら、預言者よげんしゃながすことにくわわってはいなかっただろう』と。

23:31 このようにして、あなたがたは預言者よげんしゃころしたもの子孫しそんであることを、自分じぶん証明しょうめいしている。

23:32 あなたがたもまた先祖せんぞたちがしたあく枡目ますめたすがよい。

23:33 へびよ、まむしのらよ、どうして地獄じごく刑罰けいばつをのがれることができようか。

23:34 それだから、わたしは、預言者よげんしゃ知者ちしゃ律法りっぽう学者がくしゃたちをあなたがたにつかわすが、そのうちのあるものころし、また十字架じゅうじかにつけ、そのあるもの会堂かいどうでむちち、またまちからまちへと迫害はくがいしてくであろう。

23:35 こうして義人ぎじんアベルのから、聖所せいじょ祭壇さいだんとのあいだであなたがたがころしたバラキヤのザカリヤのいたるまで、地上ちじょうながされた義人ぎじんむくいが、ことごとくあなたがたにおよぶであろう。

23:36 よくっておく。これらのことのむくいは、みないま時代じだいおよぶであろう。

23:37 ああ、エルサレム、エルサレム、預言者よげんしゃたちをころし、おまえにつかわされたひとたちをいしころものよ。ちょうど、めんどりがつばさしたにそのひなをあつめるように、わたしはおまえのらをいくたびあつめようとしたことであろう。それだのに、おまえたちはおうじようとしなかった。

23:38 よ、おまえたちのいえ見捨みすてられてしまう。

23:39 わたしはっておく、

しゅ御名みなによってきたるものに、祝福しゅくふくあれ』
とおまえたちがときまでは、今後こんごふたたび、わたしにうことはないであろう」。 

第24章 

24:1 イエスがみやからこうとしておられると、弟子でしたちは近寄ちかよってきて、みや建物たてものにイエスの注意ちゅういうながした。

24:2 そこでイエスはかれらにむかってわれた、「あなたがたは、これらすべてのものをないか。よくっておく。そのいし一つでもくずされずに、そこにいしうえのこることもなくなるであろう」。

24:3 またオリブやまですわっておられると、弟子でしたちが、ひそかにみもとにきてった、「どうぞおはなしください。いつ、そんなことがおこるのでしょうか。あなたがまたおいでになるときや、おわりには、どんな前兆ぜんちょうがありますか」。

24:4 そこでイエスはこたえてわれた、「ひとまどわされないようにをつけなさい。

24:5 おおくのものがわたしののってあらわれ、自分じぶんがキリストだとって、おおくのひとまどわすであろう。

24:6 また、戦争せんそう戦争せんそうのうわさとをくであろう。注意ちゅういしていなさい、あわててはいけない。それはおこらねばならないが、まだおわりではない。

24:7 たみたみに、くにくに敵対てきたいしてがるであろう。またあちこちに、ききんがおこり、また地震じしんがあるであろう。

24:8 しかし、すべてこれらはみのくるしみのはじめである。

24:9 そのとき人々ひとびとは、あなたがたをくるしみにあわせ、またころすであろう。またあなたがたは、わたしののゆえにすべてのたみにくまれるであろう。

24:10 そのとき、おおくのひとがつまずき、またたがい裏切うらぎり、にくうであろう。

24:11 またおおくのにせ預言者よげんしゃおこって、おおくのひとまどわすであろう。

24:12 また不法ふほうがはびこるので、おおくのひとあいえるであろう。

24:13 しかし、最後さいごまでしのものすくわれる。

24:14 そしてこの御国みくに福音ふくいんは、すべてのたみたいしてあかしをするために、ぜん世界せかいつたえられるであろう。そしてそれから最後さいごるのである。

24:15 預言者よげんしゃダニエルによってわれたらすにくむべきものが、せいなる場所ばしょつのをたならば(読者どくしゃよ、さとれ)、

24:16 そのとき、ユダヤにいる人々ひとびとやまげよ。

24:17 屋上おくじょうにいるものは、いえからものをそうとしてしたにおりるな。

24:18 はたけにいるものは、上着うわぎりにあとへもどるな。

24:19 そのには、身重みおもおんな乳飲ちのをもつおんなとは、不幸ふこうである。

24:20 あなたがたのげるのが、ふゆまたは安息日あんそくにちにならないようにいのれ。

24:21 そのときには、はじめから現在げんざいいたるまで、かつてなく今後こんごもないようなおおきな患難かんなんおこるからである。

24:22 もしその期間きかんちぢめられないなら、すくわれるものはひとりもないであろう。しかし、選民せんみんのためには、その期間きかんちぢめられるであろう。

24:23 そのとき、だれかがあなたがたに『よ、ここにキリストがいる』、また、『あそこにいる』とっても、それをしんじるな。

24:24 にせキリストたちや、にせ預言者よげんしゃたちがおこって、おおいなるしるしと奇跡きせきとをおこない、できれば、選民せんみんをもまどわそうとするであろう。

24:25 よ、あなたがたにまえもってっておく。

24:26 だから、人々ひとびとが『よ、かれ荒野あらのにいる』とっても、くな。また『よ、へやのなかにいる』とっても、しんじるな。

24:27 ちょうど、いなずまがひがしから西にしにひらめきわたるように、ひとあらわれるであろう。

24:28 死体したいのあるところには、はげたかがあつまるものである。

24:29 しかし、そのときおこ患難かんなんのち、たちまちくらくなり、つきはそのひかりはなつことをやめ、ほしそらからち、天体てんたいうごかされるであろう。

24:30 そのとき、ひとのしるしがてんあらわれるであろう。またそのとき、のすべての民族みんぞくなげき、そしてちからおおいなる栄光えいこうとをもって、ひとてんくもってるのを、人々ひとびとるであろう。

24:31 また、かれおおいなるラッパのおととも御使みつかいたちをつかわして、てんのはてからはてにいたるまで、四方しほうからその選民せんみんあつめるであろう。

24:32 いちじくのからこのたとえまなびなさい。そのえだやわらかになり、るようになると、なつちかいことがわかる。

24:33 そのように、すべてこれらのことをたならば、ひと戸口とぐちまでちかづいているとりなさい。

24:34 よくいておきなさい。これらのことが、ことごとくおこるまでは、この時代じだいほろびることがない。

24:35 天地てんちほろびるであろう。しかしわたしの言葉ことばほろびることがない。

24:36 その、そのときは、だれもらない。てん御使みつかいたちも、またらない、ただちちだけがっておられる。

24:37 ひとあらわれるのも、ちょうどノアのときのようであろう。

24:38 すなわち、洪水こうずいまえ、ノアが箱舟はこぶねにはいるまで、人々ひとびとい、み、めとり、とつぎなどしていた。

24:39 そして洪水こうずいおそってきて、いっさいのものをさらってくまで、かれらはがつかなかった。ひとあらわれるのも、そのようであろう。

24:40 そのとき、ふたりのものはたけにいると、ひとりはられ、ひとりはのこされるであろう。

24:41 ふたりのおんながうすをひいていると、ひとりはられ、ひとりはのこされるであろう。

24:42 だから、をさましていなさい。いつのにあなたがたのしゅがこられるのか、あなたがたには、わからないからである。

24:43 このことをわきまえているがよい。いえ主人しゅじんは、盗賊とうぞくがいつごろるかわかっているなら、をさましていて、自分じぶんいえることをゆるさないであろう。

24:44 だから、あなたがたも用意よういをしていなさい。おもいがけないときひとるからである。

24:45 主人しゅじんがそのいえしもべたちのうえてて、ときおうじて食物しょくもつをそなえさせる忠実ちゅうじつ思慮しりょぶかしもべは、いったい、だれであろう。

24:46 主人しゅじんかえってきたとき、そのようにつとめているのをられるしもべは、さいわいである。

24:47 よくっておくが、主人しゅじんかれてて自分じぶんぜん財産ざいさん管理かんりさせるであろう。

24:48 もしそれがわるしもべであって、自分じぶん主人しゅじんかえりがおそいとこころなかおもい、

24:49 そのしもべ仲間なかまをたたきはじめ、また酒飲さけの仲間なかま一緒いっしょべたりんだりしているなら、

24:50 そのしもべ主人しゅじんおもいがけないがつかないときかえってきて、

24:51 かれ厳罰げんばつしょし、偽善者ぎぜんしゃたちとおなにあわせるであろう。かれはそこでさけんだり、がみをしたりするであろう。 

第25章 

25:1 そこで天国てんごくは、十にんのおとめがそれぞれあかりをにして、花婿はなむこむかえにくのにている。

25:2 そのなかの五にん思慮しりょあさく、五にん思慮しりょぶかものであった。

25:3 思慮しりょあさものたちは、あかりはっていたが、あぶら用意よういしていなかった。

25:4 しかし、思慮しりょぶかものたちは、自分じぶんたちのあかりと一緒いっしょに、れもののなかあぶら用意よういしていた。

25:5 花婿はなむこるのがおくれたので、かれらはみな居眠いねむりをして、てしまった。

25:6 夜中よなかに、『さあ、花婿はなむこだ、むかえになさい』とこえがした。

25:7 そのとき、おとめたちはみなきて、それぞれあかりをととのえた。

25:8 ところが、思慮しりょあさおんなたちが、思慮しりょぶかおんなたちにった、『あなたがたのあぶらをわたしたちにわけてください。わたしたちのあかりがえかかっていますから』。

25:9 すると、思慮しりょぶかおんなたちはこたえてった、『わたしたちとあなたがたとにりるだけは、多分たぶんないでしょう。みせって、あなたがたのふんをおいになるほうがよいでしょう』。

25:10 かれらがいにているうちに、花婿はなむこいた。そこで、用意よういのできていたおんなたちは、花婿はなむこ一緒いっしょこんえんのへやにはいり、そしてがしめられた。

25:11 そのあとで、ほかのおとめたちもきて、『ご主人様しゅじんさま、ご主人様しゅじんさま、どうぞ、あけてください』とった。

25:12 しかしかれこたえて、『はっきりうが、わたしはあなたがたをらない』とった。

25:13 だから、をさましていなさい。そのそのときが、あなたがたにはわからないからである。

25:14 また天国てんごくは、あるひとたびるとき、そのしもべどもをんで、自分じぶん財産ざいさんあづけるようなものである。

25:15 すなわち、それぞれの能力のうりょくおうじて、あるものには五タラント、あるものには二タラント、あるものには一タラントをあたえて、たびた。

25:16 五タラントをわたされたものは、すぐにって、それで商売しょうばいをして、ほかに五タラントをもうけた。

25:17 二タラントのもの同様どうようにして、ほかに二タラントをもうけた。

25:18 しかし、一タラントをわたされたものは、ってり、主人しゅじんかねかくしておいた。

25:19 だいぶときがたってから、これらのしもべ主人しゅじんかえってきて、かれらと計算けいさんをしはじめた。

25:20 すると五タラントをわたされたものすすて、ほかの五タラントをさししてった、『ご主人様しゅじんさま、あなたはわたしに五タラントをおあづけになりましたが、ごらんのとおり、ほかに五タラントをもうけました』。

25:21 主人しゅじんかれった、『忠実ちゅうじつしもべよ、よくやった。あなたはわずかなものに忠実ちゅうじつであったから、おおくのものを管理かんりさせよう。主人しゅじん一緒いっしょよろこんでくれ』。

25:22 二タラントのものすすった、『ご主人様しゅじんさま、あなたはわたしに二タラントをおあづけになりましたが、ごらんのとおり、ほかに二タラントをもうけました』。

25:23 主人しゅじんかれった、『忠実ちゅうじつしもべよ、よくやった。あなたはわずかなものに忠実ちゅうじつであったから、おおくのものを管理かんりさせよう。主人しゅじん一緒いっしょよろこんでくれ』。

25:24 一タラントをわたされたものすすった、『ご主人様しゅじんさま、わたしはあなたが、まかないところからり、らさないところからあつめるこくひとであることを承知しょうちしていました。

25:25 そこでおそろしさのあまり、って、あなたのタラントをなかかくしておきました。ごらんください。ここにあなたのおかねがございます』。

25:26 すると、主人しゅじんかれこたえてった、『わる怠惰たいだしもべよ、あなたはわたしが、まかないところからり、らさないところからあつめることをっているのか。

25:27 それなら、わたしのかね銀行ぎんこうあづけておくべきであった。そうしたら、わたしはかえってきて、利子りし一緒いっしょにわたしのかねかえしてもらえたであろうに。

25:28 さあ、そのタラントをこのものからりあげて、十タラントをっているものにやりなさい。

25:29 おおよそ、っているひとあたえられて、いよいよゆたかになるが、っていないひとは、っているものまでもげられるであろう。

25:30 このやくたないしもべそとくらところすがよい。かれは、そこでさけんだり、がみをしたりするであろう』。

25:31 ひと栄光えいこうなかにすべての御使みつかいたちをしたがえてるとき、かれはその栄光えいこうにつくであろう。

25:32 そして、すべての国民こくみんをそのまえあつめて、羊飼ひつじかいひつじとやぎとをけるように、かれらをよりけ、

25:33 ひつじみぎに、やぎをひだりにおくであろう。

25:34 そのとき、おうみぎにいる人々ひとびとうであろう、『わたしのちち祝福しゅくふくされたひとたちよ、さあ、はじめからあなたがたのために用意よういされている御国みくにけつぎなさい。

25:35 あなたがたは、わたしが空腹くうふくのときにべさせ、かわいていたときにませ、旅人たびびとであったときに宿やどし、

25:36 はだかであったときにせ、病気びょうきのときに見舞みまい、ごくにいたときにたずねてくれたからである』。

25:37 そのとき、ただしいものたちはこたえてうであろう、『しゅよ、いつ、わたしたちは、あなたが空腹くうふくであるのを食物しょくもつをめぐみ、かわいているのをませましたか。

25:38 いつあなたが旅人たびびとであるのを宿やどし、はだかなのをせましたか。

25:39 また、いつあなたが病気びょうきをし、ごくにいるのをて、あなたのところまいりましたか』。

25:40 すると、おうこたえてうであろう、『あなたがたによくっておく。わたしの兄弟きょうだいであるこれらのもっとちいさいもののひとりにしたのは、すなわち、わたしにしたのである』。

25:41 それから、ひだりにいる人々ひとびとにもうであろう、『のろわれたものどもよ、わたしをはなれて、悪魔あくまとその使つかいたちとのために用意よういされている永遠えいえんにはいってしまえ。

25:42 あなたがたは、わたしが空腹くうふくのときにべさせず、かわいていたときにませず、

25:43 旅人たびびとであったときに宿やどさず、はだかであったときにせず、また病気びょうきのときや、ごくにいたときに、わたしをたずねてくれなかったからである』。

25:44 そのとき、かれらもまたこたえてうであろう、『しゅよ、いつ、あなたが空腹くうふくであり、かわいておられ、旅人たびびとであり、はだかであり、病気びょうきであり、ごくにおられたのをて、わたしたちはお世話せわをしませんでしたか』。

25:45 そのとき、かれこたえてうであろう、『あなたがたによくっておく。これらのもっとちいさいもののひとりにしなかったのは、すなわち、わたしにしなかったのである』。

25:46 そしてかれらは永遠えいえん刑罰けいばつけ、ただしいもの永遠えいえん生命せいめいるであろう」。 

第26章 

26:1 イエスはこれらの言葉ことばをすべてかたえてから、弟子でしたちにわれた。

26:2 「あなたがたがっているとおり、ふつかののちには過越すぎこしまつりになるが、ひと十字架じゅうじかにつけられるためにわたされる」。

26:3 そのとき、祭司長さいしちょうたちやたみ長老ちょうろうたちが、カヤパという大祭司だいさいし中庭なかにわあつまり、

26:4 策略さくりゃくをもってイエスをとらえてころそうと相談そうだんした。

26:5 しかしかれらはった、「まつりあいだはいけない。民衆みんしゅうなかさわぎがおこるかもれない」。

26:6 さて、イエスがベタニヤで、らい病人びょうにんシモンのいえにおられたとき、

26:7 ひとりのおんなが、高価こうか香油こうゆれてある石膏せっこうのつぼをってきて、イエスに近寄ちかより、食事しょくじせきについておられたイエスのあたま香油こうゆそそぎかけた。

26:8 すると、弟子でしたちはこれをいきどおってった、「なんのためにこんなむだ使づかいをするのか。

26:9 それをたかって、まずしいひとたちにほどこすことができたのに」。

26:10 イエスはそれをいてかれらにわれた、「なぜ、おんなこまらせるのか。わたしによいことをしてくれたのだ。

26:11 まずしいひとたちはいつもあなたがたと一緒いっしょにいるが、わたしはいつも一緒いっしょにいるわけではない。

26:12 このおんながわたしのからだにこの香油こうゆそそいだのは、わたしのほうむりの用意よういをするためである。

26:13 よくきなさい。ぜん世界せかいのどこででも、この福音ふくいんつたえられるところでは、このおんなのしたこと記念きねんとしてかたられるであろう」。

26:14 ときに、十二弟子でしのひとりイスカリオテのユダというものが、祭司長さいしちょうたちのところにって

26:15 った、「かれをあなたがたにわたせば、いくらくださいますか」。すると、かれらは銀貨ぎんか三十まいかれ支払しはらった。

26:16 そのときから、ユダはイエスをきわたそうと、機会きかいをねらっていた。

26:17 さて、除酵祭じょこうさいだいにちに、弟子でしたちはイエスのもとにきてった、「過越すぎこし食事しょくじをなさるために、わたしたちはどこに用意よういをしたらよいでしょうか」。

26:18 イエスはわれた、「市内しないにはいり、かねてはなしてあるひとところっていなさい、『先生せんせいが、わたしのときちかづいた、あなたのいえ弟子でしたちと一緒いっしょ過越すぎこしまもろうと、っておられます』」。

26:19 弟子でしたちはイエスがめいじられたとおりにして、過越すぎこし用意よういをした。

26:20 夕方ゆうがたになって、イエスは十二弟子でし一緒いっしょ食事しょくじせきにつかれた。

26:21 そして、一同いちどう食事しょくじをしているときわれた、「とくにあなたがたにっておくが、あなたがたのうちのひとりが、わたしを裏切うらぎろうとしている」。

26:22 弟子でしたちは非常ひじょう心配しんぱいして、つぎつぎに「しゅよ、まさか、わたしではないでしょう」とした。

26:23 イエスはこたえてわれた、「わたしと一緒いっしょおなはちれているものが、わたしを裏切うらぎろうとしている。

26:24 たしかにひとは、自分じぶんについていてあるとおりにってく。しかし、ひと裏切うらぎるそのひとは、わざわいである。そのひとうまれなかったほうが、かれのためによかったであろう」。

26:25 イエスを裏切うらぎったユダがこたえてった、「先生せんせい、まさか、わたしではないでしょう」。イエスはわれた、「いや、あなただ」。

26:26 一同いちどう食事しょくじをしているとき、イエスはパンをり、祝福しゅくふくしてこれをさき、弟子でしたちにあたえてわれた、「ってべよ、これはわたしのからだである」。

26:27 またさかずきり、感謝かんしゃしてかれらにあたえてわれた、「みな、このさかずきからめ。

26:28 これは、つみのゆるしをさせるようにと、おおくのひとのためにながすわたしの契約けいやくである。

26:29 あなたがたにっておく。わたしのちちくにであなたがたとともに、あたらしくむそのまでは、わたしは今後こんごけっして、ぶどうのから つくったものをむことをしない」。

26:30 かれらは、さんびをうたったのち、オリブやまかけてった。

26:31 そのとき、イエスは弟子でしたちにわれた、「今夜こんや、あなたがたはみなわたしにつまずくであろう。『わたしは羊飼ひつじかいつ。そして、ひつじれはらされるであろう』と、いてあるからである。

26:32 しかしわたしは、よみがえってから、あなたがたよりさきにガリラヤへくであろう」。

26:33 するとペテロはイエスにこたえてった、「たとい、みんなのものがあなたにつまずいても、わたしはけっしてつまずきません」。

26:34 イエスはわれた、「よくあなたにっておく。今夜こんやにわとりまえに、あなたは三わたしをらないとうだろう」。

26:35 ペテロはった、「たといあなたと一緒いっしょなねばならなくなっても、あなたをらないなどとは、けっしてもうしません」。弟子でしたちもみなおなじようにった。

26:36 それから、イエスはかれらと一緒いっしょに、ゲツセマネというところかれた。そして弟子でしたちにわれた、「わたしがこうへっていのっているあいだ、ここにすわっていなさい」。

26:37 そしてペテロとゼベダイのふたりとをれてかれたが、かなしみをもよおしまたなやみはじめられた。

26:38 そのとき、かれらにわれた、「わたしはかなしみのあまりぬほどである。ここにっていて、わたしと一緒いっしょをさましていなさい」。

26:39 そしてすこすすんでき、うつぶしになり、いのってわれた、「わがちちよ、もしできることでしたらどうか、このさかずきをわたしかららせてください。しかし、わたしのおもいのままにではなく、みこころのままになさってください」。

26:40 それから、弟子でしたちのところにきてごらんになると、かれらがねむっていたので、ペテロにわれた、「あなたがたはそんなに、ひとときもわたしと一緒いっしょをさましていることが、できなかったのか。

26:41 誘惑ゆうわくおちいらないように、をさましていのっていなさい。こころねっしているが、肉体にくたいよわいのである」。

26:42 また二度目どめって、いのってわれた、「わがちちよ、このさかずきむほかにみちがないのでしたら、どうか、みこころがおこなわれますように」。

26:43 またきてごらんになると、かれらはまたねむっていた。そのおもくなっていたのである。

26:44 それでかれらをそのままにして、またって、三度目どめおな言葉ことばいのられた。

26:45 それから弟子でしたちのところかえってきて、われた、「まだねむっているのか、やすんでいるのか。よ、ときせまった。ひと罪人つみびとらのわたされるのだ。

26:46 て、さあこう。よ、わたしを裏切うらぎものちかづいてきた」。

26:47 そして、イエスがまだはなしておられるうちに、そこに、十二弟子でしのひとりのユダがきた。また祭司長さいしちょうたみ長老ちょうろうたちからおくられたおおぜいの群衆ぐんしゅうも、けんぼうとをってかれについてきた。

26:48 イエスを裏切うらぎったものが、あらかじめかれらに、「わたしの接吻せっぷんするものが、そのひとだ。そのひとをつかまえろ」と合図あいずをしておいた。

26:49 かれはすぐイエスに近寄ちかより、「先生せんせい、いかがですか」とって、イエスに接吻せっぷんした。

26:50 しかし、イエスはかれわれた、「ともよ、なんのためにきたのか」。このとき、人々ひとびとすすって、イエスにをかけてつかまえた。

26:51 すると、イエスと一緒いっしょにいたもののひとりが、ばしてけんき、そして大祭司だいさいししもべりかかって、その片耳かたみみおとした。

26:52 そこで、イエスはかれわれた、「あなたのけんをもとのところにおさめなさい。けんをとるものはみな、けんほろびる。

26:53 それとも、わたしがちちねがって、てん使つかいたちを十二軍団ぐんだん以上いじょうも、いまつかわしていただくことができないと、あなたはおもうのか。

26:54 しかし、それでは、こうならねばならないといてある聖書せいしょ言葉ことばは、どうして成就じょうじゅされようか」。

26:55 そのとき、イエスは群衆ぐんしゅうわれた、「あなたがたは強盗ごうとうにむかうように、けんぼうってわたしをとらえにきたのか。わたしは毎日まいにちみやですわっておしえていたのに、わたしをつかまえはしなかった。

26:56 しかし、すべてこうなったのは、預言者よげんしゃたちのいたことが、成就じょうじゅするためである」。そのとき、弟子でしたちはみなイエスを見捨みすててった。

26:57 さて、イエスをつかまえたひとたちは、大祭司だいさいしカヤパのところにイエスをれてった。そこには律法りっぽう学者がくしゃ長老ちょうろうたちがあつまっていた。

26:58 ペテロはとおくからイエスについて、大祭司だいさいし中庭なかにわまでき、そのなりゆきをとどけるために、なかにはいって下役したやくどもと一緒いっしょにすわっていた。

26:59 さて、祭司長さいしちょうたちとぜん議会ぎかいとは、イエスを死刑しけいにするため、イエスに不利ふり偽証ぎしょうもとめようとしていた。

26:60 そこでおおくの偽証者ぎしょうしゃてきたが、証拠しょうこがあがらなかった。しかし、最後さいごにふたりのものてきて

26:61 った、「このひとは、わたしはかみみやちこわし、三のちてることができる、といました」。

26:62 すると、大祭司だいさいしがってイエスにった、「なにこたえないのか。これらの人々ひとびとがあなたにたいして不利ふり証言しょうげんもうてているが、どうなのか」。

26:63 しかし、イエスはだまっておられた。そこで大祭司だいさいしった、「あなたはかみキリストなのかどうか、けるかみちかってわれわれにこたえよ」。

26:64 イエスはかれわれた、「あなたのうとおりである。しかし、わたしはっておく。あなたがたは、もなく、ひとちからあるものみぎし、てんくもってるのをるであろう」。

26:65 すると、大祭司だいさいしはそのころもいてった、「かれかみけがした。どうしてこれ以上いじょう証人しょうにん必要ひつようがあろう。あなたがたはいまこのけがしごといた。

26:66 あなたがたの意見いけんはどうか」。すると、かれらはこたえてった、「かれあたるものだ」。

26:67 それから、かれらはイエスのかおにつばきをかけて、こぶしでち、またあるひとのひらでたたいてった、

26:68 「キリストよ、いあててみよ、ったのはだれか」。

26:69 ペテロはそと中庭なかにわにすわっていた。するとひとりの女中じょちゅうかれのところにきて、「あなたもあのガリラヤびとイエスと一緒いっしょだった」とった。

26:70 するとペテロは、みんなのまえでそれをしてった、「あなたがなにっているのか、わからない」。

26:71 そうって入口いりぐちほうくと、ほかの女中じょちゅうかれて、そこにいる人々ひとびとにむかって、「このひとはナザレびとイエスと一緒いっしょだった」とった。

26:72 そこでかれふたたびそれをして、「そんなひとらない」とちかってった。

26:73 しばらくして、そこにっていた人々ひとびと近寄ちかよってきて、ペテロにった、「たしかにあなたもかれらの仲間なかまだ。言葉ことばづかいであなたのことがわかる」。

26:74 かれは「そのひとのことはなにらない」とって、はげしくちかいはじめた。するとすぐにわとりいた。

26:75 ペテロは「にわとりまえに、三わたしをらないとうであろう」とわれたイエスの言葉ことばおもし、そとはげしくいた。 

第27章 

27:1 けると、祭司長さいしちょうたち、たみ長老ちょうろうたち一同いちどうは、イエスをころそうとして協議きょうぎをこらしたうえ

27:2 イエスをしばってし、総督そうとくピラトにわたした。

27:3 そのとき、イエスを裏切うらぎったユダは、イエスがつみさだめられたのを後悔こうかいし、銀貨ぎんか三十まい祭司長さいしちょう長老ちょうろうたちにかえして

27:4 った、「わたしはつみのないひとるようなことをして、つみおかしました」。しかしかれらはった、「それは、われわれのったことか。自分じぶん始末しまつするがよい」。

27:5 そこで、かれ銀貨ぎんか聖所せいじょんでき、くびをつってんだ。

27:6 祭司長さいしちょうたちは、その銀貨ぎんかひろいあげてった、「これは代価だいかだから、みや金庫きんこれるのはよくない」。

27:7 そこでかれらは協議きょうぎうえ外国がいこくひと墓地ぼちにするために、そのかね陶器とうきはたけった。

27:8 そのために、このはたけ今日きょうまではたけばれている。

27:9 こうして預言者よげんしゃエレミヤによってわれた言葉ことばが、成就じょうじゅしたのである。すなわち、「かれらは、をつけられたもの、すなわち、イスラエルのらがをつけたものの代価だいか銀貨ぎんか三十をって、

27:10 しゅがおめいじになったように、陶器とうきはたけ代価だいかとして、そのかねあたえた」。

27:11 さて、イエスは総督そうとくまえたれた。すると総督そうとくはイエスにたずねてった、「あなたがユダヤじんおうであるか」。イエスは「そのとおりである」とわれた。

27:12 しかし、祭司長さいしちょう長老ちょうろうたちがうったえているあいだ、イエスはひとこともおこたえにならなかった。

27:13 するとピラトはった、「あんなにまで次々つぎつぎに、あなたに不利ふり証言しょうげんてているのが、あなたにはきこえないのか」。

27:14 しかし、総督そうとく非常ひじょう不思議ふしぎおもったほどに、イエスはなにわれても、ひとこともおこたえにならなかった。

27:15 さて、まつりのたびごとに、総督そうとく群衆ぐんしゅうねが囚人しゅうじんひとりを、ゆるしてやる慣例かんれいになっていた。

27:16 ときに、バラバという評判ひょうばん囚人しゅうじんがいた。

27:17 それで、かれらがあつまったとき、ピラトはった、「おまえたちは、だれをゆるしてほしいのか。バラバか、それとも、キリストといわれるイエスか」。

27:18 かれらがイエスをきわたしたのは、ねたみのためであることが、ピラトにはよくわかっていたからである。

27:19 また、ピラトが裁判さいばんせきについていたとき、そのつまひとかれのもとにつかわして、「あの義人ぎじんには関係かんけいしないでください。わたしはきょうゆめで、あのひとのためにさんざんくるしみましたから」とわせた。

27:20 しかし、祭司長さいしちょう長老ちょうろうたちは、バラバをゆるして、イエスをころしてもらうようにと、群衆ぐんしゅうせた。

27:21 総督そうとくかれらにむかってった、「ふたりのうち、どちらをゆるしてほしいのか」。かれらは「バラバのほうを」とった。

27:22 ピラトはった、「それではキリストといわれるイエスは、どうしたらよいか」。かれらはいっせいに「十字架じゅうじかにつけよ」とった。

27:23 しかし、ピラトはった、「あのひとは、いったい、どんな悪事あくじをしたのか」。するとかれらはいっそうはげしくさけんで、「十字架じゅうじかにつけよ」とった。

27:24 ピラトはのつけようがなく、かえって暴動ぼうどうになりそうなのをて、みずり、群衆ぐんしゅうまえあらってった、「このひとについて、わたしには責任せきにんがない。おまえたちが自分じぶん始末しまつをするがよい」。

27:25 すると、民衆みんしゅう全体ぜんたいこたえてった、「その責任せきにんは、われわれとわれわれの子孫しそんうえにかかってもよい」。

27:26 そこで、ピラトはバラバをゆるしてやり、イエスをむちったのち、十字架じゅうじかにつけるためにきわたした。

27:27 それから総督そうとく兵士へいしたちは、イエスを官邸かんていれてって、ぜん部隊ぶたいをイエスのまわりにあつめた。

27:28 そしてその上着うわぎをぬがせて、あか外套がいとうせ、

27:29 また、いばらでかんむりんでそのあたまにかぶらせ、みぎにはあしぼうたせ、それからそのまえにひざまずき、嘲弄ちょうろうして、「ユダヤじんおう、ばんざい」とった。

27:30 また、イエスにつばきをかけ、あしぼうりあげてそのあたまをたたいた。

27:31 こうしてイエスを嘲弄ちょうろうしたあげく、外套がいとうをはぎってもと上着うわぎせ、それから十字架じゅうじかにつけるためにした。

27:32 かれらがくと、シモンというのクレネびと出会であったので、イエスの十字架じゅうじか無理むりわせた。

27:33 そして、ゴルゴタ、すなわち、されこうべの、というところにきたとき、

27:34 かれらはにがみをまぜたぶどうしゅませようとしたが、イエスはそれをなめただけで、もうとされなかった。

27:35 かれらはイエスを十字架じゅうじかにつけてから、くじをいて、その着物きものけ、

27:36 そこにすわってイエスのばんをしていた。

27:37 そしてそのあたまうえほうに、「これはユダヤじんおうイエス」といた罪状ざいじょうきをかかげた。

27:38 同時どうじに、ふたりの強盗ごうとうがイエスと一緒いっしょに、ひとりはみぎに、ひとりはひだりに、十字架じゅうじかにつけられた。

27:39 そこをとおりかかったものたちは、あたまりながら、イエスをののしって

27:40 った、「神殿しんでんちこわして三のうちにてるものよ。もしかみなら、自分じぶんすくえ。そして十字架じゅうじかからおりてこい」。

27:41 祭司長さいしちょうたちもおなじように、律法りっぽう学者がくしゃ長老ちょうろうたちと一緒いっしょになって、嘲弄ちょうろうしてった、

27:42 「他人たにんすくったが、自分じぶん自身じしんすくうことができない。あれがイスラエルのおうなのだ。いま十字架じゅうじかからおりてみよ。そうしたらしんじよう。

27:43 かれかみにたよっているが、かみのおぼしめしがあれば、いますくってもらうがよい。自分じぶんかみだとっていたのだから」。

27:44 一緒いっしょ十字架じゅうじかにつけられた強盗ごうとうどもまでも、おなじようにイエスをののしった。

27:45 さて、ひるの十二から地上ちじょう全面ぜんめんくらくなって、三およんだ。

27:46 そして三ごろに、イエスは大声おおごえさけんで、「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」とわれた。それは「わがかみ、わがかみ、どうしてわたしをお見捨みすてになったのですか」という意味いみである。

27:47 すると、そこにっていたある人々ひとびとが、これをいてった、「あれはエリヤをんでいるのだ」。

27:48 するとすぐ、かれらのうちのひとりがはしって、海綿かいめんり、それにいぶどうしゅふくませてあしぼうにつけ、イエスにませようとした。

27:49 ほかの人々ひとびとった、「て、エリヤがかれすくいにるかどうか、ていよう」。

27:50 イエスはもう一度いちど大声おおごえさけんで、ついにいきをひきとられた。

27:51 するとよ、神殿しんでんまくうえからしたまで真二まっぷたつにけた。また地震じしんがあり、いわけ、

27:52 またはかけ、ねむっているおおくの聖徒せいとたちの死体したいかえった。

27:53 そしてイエスの復活ふっかつののち、はかからてきて、せいなるみやこにはいり、おおくのひとあらわれた。

27:54 百卒長ひゃくそつちょう、およびかれ一緒いっしょにイエスのばんをしていた人々ひとびとは、地震じしんや、いろいろのできごとを非常ひじょうおそれ、「まことに、このひとかみであった」とった。

27:55 また、そこにはとおくのほうからているおんなたちもおおくいた。かれらはイエスにつかえて、ガリラヤからしたがってきたひとたちであった。

27:56 そのなかには、マグダラのマリヤ、ヤコブとヨセフとのははマリヤ、またゼベダイのたちのははがいた。

27:57 夕方ゆうがたになってから、アリマタヤの金持かねもちで、ヨセフというひとがきた。かれもまたイエスの弟子でしであった。

27:58 このひとがピラトのところって、イエスのからだの引取ひきとりかたをねがった。そこで、ピラトはそれをわたすようにめいじた。

27:59 ヨセフは死体したいって、きれいな亜麻布あまぬのつつみ、

27:60 いわってつくったかれあたらしいはかおさめ、そしてはか入口いりぐちおおきいいしをころがしておいて、かえった。

27:61 マグダラのマリヤとほかのマリヤとが、はかにむかってそこにすわっていた。

27:62 あくる準備じゅんび翌日よくじつであったが、そのに、祭司長さいしちょう、パリサイびとたちは、ピラトのもとにあつまってった、

27:63 「長官ちょうかん、あのいつわものがまだきていたとき、『三のち自分じぶんはよみがえる』とったのを、おもしました。

27:64 ですから、三まではかばんをするように、さしずをしてください。そうしないと、弟子でしたちがきてかれぬすし、『イエスは死人しにんなかから、よみがえった』と、民衆みんしゅういふらすかもれません。そうなると、みんながまえよりも、もっとひどくだまされることになりましょう」。

27:65 ピラトはかれらにった、「番人ばんにんがいるから、ってできるかぎり、ばんをさせるがよい」。

27:66 そこで、かれらはっていし封印ふういんをし、番人ばんにんいてはかばんをさせた。 

第28章 

28:1 さて、安息日あんそくにちおわって、しゅうはじめのがたに、マグダラのマリヤとほかのマリヤとが、はかにきた。

28:2 すると、おおきな地震じしんおこった。それはしゅ使つかいてんからくだって、そこにきていしをわきへころがし、そのうえにすわったからである。

28:3 その姿すがたはいなずまのようにかがやき、そのころもゆきのように真白まっしろであった。

28:4 見張みはりをしていたひとたちは、おそろしさのあまふるえあがって、死人しにんのようになった。

28:5 この御使みつかいおんなたちにむかってった、「おそれることはない。あなたがたが十字架じゅうじかにおかかりになったイエスをさがしていることは、わたしにわかっているが、

28:6 もうここにはおられない。かねてわれたとおりに、よみがえられたのである。さあ、イエスがおさめられていた場所ばしょをごらんなさい。

28:7 そして、いそいでって、弟子でしたちにこうつたえなさい、『イエスは死人しにんなかからよみがえられた。よ、あなたがたよりさきにガリラヤへかれる。そこでおいできるであろう』。あなたがたに、これだけっておく」。

28:8 そこでおんなたちはおそれながらもおおよろこびで、いそいではかり、弟子でしたちにらせるためにはしってった。

28:9 すると、イエスはかれらに出会であって、「平安へいあんあれ」とわれたので、かれらは近寄ちかよりイエスのみあしをいだいてはいした。

28:10 そのとき、イエスはかれらにわれた、「おそれることはない。って兄弟きょうだいたちに、ガリラヤにけ、そこでわたしにえるであろう、とげなさい」。

28:11 おんなたちがおこなっているあいだに、番人ばんにんのうちのある人々ひとびとみやこかえって、いっさいの出来事できごと祭司長さいしちょうたちにはなした。

28:12 祭司長さいしちょうたちは長老ちょうろうたちとあつまって協議きょうぎをこらし、兵卒へいそつたちにたくさんのかねあたえてった、

28:13 「『弟子でしたちが夜中よなかにきて、われわれのているあいだかれぬすんだ』とえ。

28:14 万一まんいちこのことが総督そうとくみみにはいっても、われわれが総督そうとくいて、あなたがたに迷惑めいわくからないようにしよう」。

28:15 そこで、かれらはかねって、おしえられたとおりにした。そしてこのはなしは、今日きょういたるまでユダヤじんあいだにひろまっている。

28:16 さて、十一にん弟子でしたちはガリラヤにって、イエスがかれらにくようにめいじられたやまのぼった。

28:17 そして、イエスにってはいした。しかし、うたがものもいた。

28:18 イエスはかれらにちかづいてきてわれた、「わたしは、てんにおいてもにおいても、いっさいの権威けんいさづけられた。

28:19 それゆえに、あなたがたはって、すべての国民こくみん弟子でしとして、ちち聖霊せいれいとのによって、かれらにバプテスマをほどこし、

28:20 あなたがたにめいじておいたいっさいのことをまもるようにおしえよ。よ、わたしはおわりまで、いつもあなたがたとともにいるのである」。