口語訳聖書(振り仮名付き)
章: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
ヨシュア記き
第1章 Js-Audio
1:1 主しゅのしもべモーセが死しんだ後のち、主しゅはモーセの従者じゅうしゃ、ヌンの子こヨシュアに言いわれた、
1:2 「わたしのしもべモーセは死しんだ。それゆえ、今いまあなたと、このすべての民たみとは、共ともに立たって、このヨルダンを渡わたり、わたしがイスラエルの人々ひとびとに与あたえる地ちに行いきなさい。
1:3 あなたがたが、足あしの裏うらで踏ふむ所ところはみな、わたしがモーセに約束やくそくしたように、あなたがたに与あたえるであろう。
1:4 あなたがたの領域りょういきは、荒野あらのからレバノンに及および、また大川おおかわユフラテからヘテびとの全ぜん地ちにわたり、日ひの入いる方ほうの大海たいかいに達たっするであろう。
1:5 あなたが生いきながらえる日ひの間あいだ、あなたに当あたることのできる者ものは、ひとりもないであろう。わたしは、モーセと共ともにいたように、あなたと共ともにおるであろう。わたしはあなたを見放みはなすことも、見捨みすてることもしない。
1:6 強つよく、また雄々おおしくあれ。あなたはこの民たみに、わたしが彼かれらに与あたえると、その先祖せんぞたちに誓ちかった地ちを獲えさせなければならない。
1:7 ただ強つよく、また雄々おおしくあって、わたしのしもべモーセがあなたに命めいじた律法りっぽうをことごとく守まもって行おこない、これを離はなれて右みぎにも左ひだりにも曲まがってはならない。それはすべてあなたが行いくところで、勝利しょうりを得えるためである。
1:8 この律法りっぽうの書しょをあなたの口くちから離はなすことなく、昼ひるも夜よるもそれを思おもい、そのうちにしるされていることを、ことごとく守まもって行おこなわなければならない。そうするならば、あなたの道みちは栄さかえ、あなたは勝利しょうりを得えるであろう。
1:9 わたしはあなたに命めいじたではないか。強つよく、また雄々おおしくあれ。あなたがどこへ行いくにも、あなたの神かみ、主しゅが共ともにおられるゆえ、恐おそれてはならない、おののいてはならない」。
1:10 そこでヨシュアは民たみのつかさたちに命めいじて言いった、
1:11 「宿営しゅくえいのなかを巡めぐって民たみに命めいじて言いいなさい、『糧食りょうしょくの備そなえをしなさい。三日かのうちに、あなたがたはこのヨルダンを渡わたって、あなたがたの神かみ、主しゅがあなたがたに与あたえて獲えさせようとされる地ちを獲えるために、進すすみ行いかなければならないからである』」。
1:12 ヨシュアはまたルベンびと、ガドびと、およびマナセの半はん部族ぶぞくに言いった、
1:13 「主しゅのしもべモーセがあなたがたに命めいじて、『あなたがたの神かみ、主しゅはあなたがたのために安息あんそくの場所ばしょを備そなえ、この地ちをあなたがたに賜たまわるであろう』と言いった言葉ことばを記憶きおくしなさい。
1:14 あなたがたの妻子さいしと家畜かちくとは、モーセがあなたがたに与あたえたヨルダンのこちら側がわの地ちにとどまらなければならない。しかし、あなたがたのうちの勇士ゆうしはみな武装ぶそうして、兄弟きょうだいたちの先さきに立たって渡わたり、これを助たすけなければならない。
1:15 そして主しゅがあなたがたに賜たまわったように、あなたがたの兄弟きょうだいたちにも安息あんそくを賜たまわり、彼かれらもあなたがたの神かみ、主しゅが賜たまわる地ちを獲えるようになるならば、あなたがたは、主しゅのしもべモーセから与あたえられた、ヨルダンのこちら側がわ、日ひの出での方ほうにある、あなたがたの所有しょゆうの地ちに帰かえって、それを保たもつことができるであろう」。
1:16 彼かれらはヨシュアに答こたえた、「あなたがわれわれに命めいじられたことをみな行おこないます。あなたがつかわされる所ところへは、どこへでも行いきます。
1:17 われわれはすべてのことをモーセに聞きき従したがったように、あなたに聞きき従したがいます。ただ、どうぞ、あなたの神かみ、主しゅがモーセと共ともにおられたように、あなたと共ともにおられますように。
1:18 だれであっても、あなたの命令めいれいにそむき、あなたの命めいじられる言葉ことばに聞きき従したがわないものがあれば、生いかしてはおきません。ただ、強つよく、また雄々おおしくあってください」。
第2章 2:1 ヌンの子こヨシュアは、シッテムから、ひそかにふたりの斥候せっこうをつかわして彼かれらに言いった、「行いって、その地ち、特とくにエリコを探さぐりなさい」。彼かれらは行いって、名なをラハブという遊女ゆうじょの家いえにはいり、そこに泊とまったが、2:2 エリコの王おうに、「イスラエルの人々ひとびとのうちの数すう名めいの者ものが今夜こんやこの地ちを探さぐるために、はいってきました」と言いう者ものがあったので、2:3 エリコの王おうは人ひとをやってラハブに言いった、「あなたの所ところにきて、あなたの家いえにはいった人々ひとびとをここへ出だしなさい。彼かれらはこの国くにのすべてを探さぐるためにきたのです」。2:4 しかし、女おんなはすでにそのふたりの人ひとを入いれて彼かれらを隠かくしていた。そして彼女かのじょは言いった、「確たしかにその人々ひとびとはわたしの所ところにきました。しかし、わたしはその人々ひとびとがどこからきたのか知しりませんでしたが、2:5 たそがれ時とき、門もんの閉とじるころに、その人々ひとびとは出でて行いきました。どこへ行いったのかわたしは知しりません。急いそいであとを追おいなさい。追おいつけるでしょう」。2:6 その実じつ、彼女かのじょはすでに彼かれらを連つれて屋根やねにのぼり、屋上おくじょうに並ならべてあった亜麻あまの茎くきの中なかに彼かれらを隠かくしていたのである。2:7 そこでその人々ひとびとは彼かれらのあとを追おってヨルダンの道みちを進すすみ、渡わたし場ばへ向むかった。あとを追おう者ものが出でて行いくとすぐ門もんは閉とざされた。 2:8 ふたりの人ひとがまだ寝ねないうち、ラハブは屋上おくじょうにのぼって彼かれらの所ところにきた。2:9 そして彼かれらに言いった、「主しゅがこの地ちをあなたがたに賜たまわったこと、わたしたちがあなたがたをひじょうに恐おそれていること、そしてこの地ちの民たみがみなあなたがたの前まえに震ふるえおののいていることをわたしは知しっています。2:10 あなたがたがエジプトから出でてこられた時とき、主しゅがあなたがたの前まえで紅海こうかいの水みずを干ほされたこと、およびあなたがたが、ヨルダンの向むこう側がわにいたアモリびとのふたりの王おうシホンとオグにされたこと、すなわちふたりを、全滅ぜんめつされたことを、わたしたちは聞きいたからです。2:11 わたしたちはそれを聞きくと、心こころは消きえ、あなたがたのゆえに人々ひとびとは全まったく勇気ゆうきを失うしなってしまいました。あなたがたの神かみ、主しゅは上うえの天てんにも、下したの地ちにも、神かみでいらせられるからです。2:12 それで、どうか、わたしがあなたがたを親切しんせつに扱あつかったように、あなたがたも、わたしの父ちちの家いえを親切しんせつに扱あつかわれることをいま主しゅをさして誓ちかい、確たしかなしるしをください。2:13 そしてわたしの父母ふぼ、兄弟きょうだい、姉妹しまいおよびすべて彼かれらに属ぞくするものを生いきながらえさせ、わたしたちの命いのちを救すくって、死しを免まぬかれさせてください」。2:14 ふたりの人ひとは彼女かのじょに言いった、「もしあなたがたが、われわれのこのことを他たに漏もらさないならば、われわれは命いのちにかけて、あなたがたを救すくいます。また主しゅがわれわれにこの地ちを賜たまわる時とき、あなたがたを親切しんせつに扱あつかい、真実しんじつをつくしましょう」。 2:15 そこでラハブは綱つなをもって彼かれらを窓まどからつりおろした。その家いえが町まちの城壁じょうへきの上うえに建たっていて、彼女かのじょはその城壁じょうへきの上うえに住すんでいたからである。2:16 ラハブは彼かれらに言いった、「追手おってに会あわないように、あなたがたは山やまへ行いって、三日かの間あいだそこに身みを隠かくし、追手おっての帰かえって行いくのを待まって、それから去さって行いきなさい」。2:17 ふたりの人ひとは彼女かのじょに言いった、「あなたがわれわれに誓ちかわせたこの誓ちかいについて、われわれは罪つみを犯おかしません。2:18 われわれがこの地ちに討うち入いる時とき、わたしたちをつりおろした窓まどに、この赤あかい糸いとのひもを結むすびつけ、またあなたの父母ふぼ、兄弟きょうだい、およびあなたの父ちちの家族かぞくをみなあなたの家いえに集あつめなさい。2:19 ひとりでも家いえの戸口とぐちから外そとへ出でて、血ちを流ながされることがあれば、その責せめはその人ひと自身じしんのこうべに帰きすでしょう。われわれに罪つみはありません。しかしあなたの家いえの中なかにいる人ひとに手てをかけて血ちを流ながすことがあれば、その責せめはわれわれのこうべに帰きすでしょう。2:20 またあなたが、われわれのこのことを他たに漏もらすならば、あなたがわれわれに誓ちかわせた誓ちかいについては、われわれに罪つみはありません」。2:21 ラハブは言いった、「あなたがたの仰おおせのとおりにいたしましょう」。こうして彼かれらを送おくり出だしたので、彼かれらは去さった。そして彼女かのじょは赤あかいひもを窓まどに結むすんだ。 2:22 彼かれらは立たち去さって山やまにはいり、追手おってが帰かえるのを待まって、三日かの間あいだそこにとどまった。追手おっては彼かれらをあまねく道みちに捜さがしたが、ついに見みつけることができなかった。2:23 こうしてふたりの人ひとはまた山やまを下くだり、川かわを渡わたって、ヌンの子こヨシュアのもとにきて、その身みに起たったことをつぶさに述のべた。2:24 そしてヨシュアに言いった、「ほんとうに主しゅはこの国くにをことごとくわれわれの手てにお与あたえになりました。この国くにの住民じゅうみんはみなわれわれの前まえに震ふるえおののいています」。 第3章 3:1 ヨシュアは朝あさ早はやく起おき、イスラエルの人々ひとびとすべてとともにシッテムを出立しゅったつして、ヨルダンに行いき、それを渡わたらずに、そこに宿やどった。3:2 三日かの後のち、つかさたちは宿営しゅくえいの中なかを行いき巡めぐり、3:3 民たみに命めいじて言いった、「レビびとである祭司さいしたちが、あなたがたの神かみ、主しゅの契約けいやくの箱はこをかきあげるのを見みるならば、あなたがたはその所ところを出立しゅったつして、そのあとに従したがわなければならない。3:4 そうすれば、あなたがたは行いくべき道みちを知しることができるであろう。あなたがたは前まえにこの道みちをとおったことがないからである。しかし、あなたがたと箱はことの間あいだには、おおよそ二千キュビトの距離きょりをおかなければならない。それに近ちかづいてはならない」。3:5 ヨシュアはまた民たみに言いった、「あなたがたは身みを清きよめなさい。あす、主しゅがあなたがたのうちに不思議ふしぎを行おこなわれるからである」。3:6 ヨシュアは祭司さいしたちに言いった、「契約けいやくの箱はこをかき、民たみに先立さきだって渡わたりなさい」。そこで彼かれらは契約けいやくの箱はこをかき、民たみに先立さきだって進すすんだ。 3:7 主しゅはヨシュアに言いわれた、「きょうからわたしはすべてのイスラエルの前まえにあなたを尊たっとい者ものとするであろう。こうしてわたしがモーセと共ともにいたように、あなたとともにおることを彼かれらに知しらせるであろう。3:8 あなたは契約けいやくの箱はこをかく祭司さいしたちに命めいじて言いわなければならない、『あなたがたは、ヨルダンの水みずぎわへ行いくと、すぐ、ヨルダンの中なかに立たちとどまらなければならない』」。3:9 ヨシュアはイスラエルの人々ひとびとに言いった、「あなたがたはここに近ちかづいて、あなたがたの神かみ、主しゅの言葉ことばを聞ききなさい」。3:10 そしてヨシュアは言いった、「生いける神かみがあなたがたのうちにおいでになり、あなたがたの前まえから、カナンびと、ヘテびと、ヒビびと、ペリジびと、ギルガシびと、アモリびと、エブスびとを、必かならず追おい払はらわれることを、次つぎのことによって、あなたがたは知しるであろう。3:11 ごらんなさい。全ぜん地ちの主しゅの契約けいやくの箱はこは、あなたがたに先立さきだってヨルダンを渡わたろうとしている。3:12 それゆえ、今いま、イスラエルの部族ぶぞくのうちから、部族ぶぞくごとにひとりずつ、合あわせて十二人にんを選えらびなさい。3:13 全ぜん地ちの主しゅなる神かみの箱はこをかく祭司さいしたちの足あしの裏うらが、ヨルダンの水みずの中なかに踏ふみとどまる時とき、ヨルダンの水みずは流ながれをせきとめられ、上うえから流ながれくだる水みずはとどまって、うず高たかくなるであろう」。 3:14 こうして民たみはヨルダンを渡わたろうとして天幕てんまくをいで立たち、祭司さいしたちは契約けいやくの箱はこをかき、民たみに先立さきだって行いったが、3:15 箱はこをかく者ものがヨルダンにきて、箱はこをかく祭司さいしたちの足あしが水みずぎわにひたると同時どうじに、――ヨルダンは刈入かりいれの間あいだ中ぢゅう、岸きし一面いちめんにあふれるのであるが、――3:16 上うえから流ながれくだる水みずはとどまって、はるか遠とおくのザレタンのかたわらにある町まちアダムのあたりで、うず高たかく立たち、アラバの海うみすなわち塩しおの海うみの方ほうに流ながれくだる水みずは全まったくせきとめられたので、民たみはエリコに向むかって渡わたった。3:17 すべてのイスラエルが、かわいた地ちを渡わたって行いく間あいだ、主しゅの契約けいやくの箱はこをかく祭司さいしたちは、ヨルダンの中なかのかわいた地ちに立たっていた。そしてついに民たみはみなヨルダンを渡わたり終おわった。 第4章 4:1 民たみが皆みな、ヨルダンを渡わたり終おわった時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、4:2 「民たみのうちから、部族ぶぞくごとにひとりずつ、合あわせて十二人にんを選えらび、4:3 彼かれらに命めいじて言いいなさい、『ヨルダンの中なかで祭司さいしたちが足あしを踏ふみとどめたその所ところから、石いし十二を取とり、それを携たずさえて渡わたり、今夜こんやあなたがたが宿やどる場所ばしょにすえなさい』」。4:4 そこでヨシュアはイスラエルの人々ひとびとのうちから、部族ぶぞくごとに、ひとりずつ、かねて定さだめておいた十二人にんの者ものを召めし寄よせ、4:5 ヨシュアは彼かれらに言いった、「あなたがたの神かみ、主しゅの契約けいやくの箱はこの前まえに立たって行いき、ヨルダンの中なかに進すすみ入はいり、イスラエルの人々ひとびとの部族ぶぞくの数かずにしたがって、おのおの石いし一つを取とり上あげ、肩かたにのせて運はこびなさい。4:6 これはあなたがたのうちに、しるしとなるであろう。後のちの日ひになって、あなたがたの子こどもたちが、『これらの石いしは、どうしたわけですか』と問とうならば、4:7 その時ときあなたがたは彼かれらに、むかしヨルダンの水みずが、主しゅの契約けいやくの箱はこの前まえで、せきとめられたこと、すなわちその箱はこがヨルダンを渡わたった時とき、ヨルダンの水みずが、せきとめられたことを告つげなければならない。こうして、それらの石いしは永久えいきゅうにイスラエルの人々ひとびとの記念きねんとなるであろう」。 4:8 イスラエルの人々ひとびとはヨシュアが命めいじたようにし、主しゅがヨシュアに言いわれたように、イスラエルの人々ひとびとの部族ぶぞくの数かずにしたがって、ヨルダンの中なかから十二の石いしを取とり、それを携たずさえて渡わたり、彼かれらの宿やどる場所ばしょへ行いって、そこにすえた。4:9 ヨシュアはまたヨルダンの中なかで、契約けいやくの箱はこをかく祭司さいしたちが、足あしを踏ふみとどめた所ところに、十二の石いしを立たてたが、今日こんにちまで、そこに残のこっている。4:10 箱はこをかく祭司さいしたちは、主しゅがヨシュアに命めいじて、民たみに告つげさせられた事ことが、すべて行おこなわれてしまうまで、ヨルダンの中なかに立たっていた。すべてモーセがヨシュアに命めいじたとおりである。民たみは急いそいで渡わたった。4:11 民たみがみな渡わたり終おわった時とき、主しゅの箱はこと祭司さいしたちとは、民たみの見みる前まえで渡わたった。4:12 ルベンの子孫しそんとガドの子孫しそん、およびマナセの部族ぶぞくの半なかばは、モーセが彼かれらに命めいじていたように武装ぶそうして、イスラエルの人々ひとびとに先立さきだって渡わたり、4:13 戦たたかいのために武装ぶそうしたおおよそ四万の者ものが戦たたかうため、主しゅの前まえに渡わたって、エリコの平野へいやに着ついた。4:14 この日ひ、主しゅはイスラエルのすべての人ひとの前まえにヨシュアを尊たっとい者ものとされたので、彼かれらはみなモーセを敬うやまったように、ヨシュアを一生いっしょうのあいだ敬うやまった。 4:15 主しゅはヨシュアに言いわれた、4:16 「あかしの箱はこをかく祭司さいしたちに命めいじて、ヨルダンから上あがってこさせなさい」。4:17 ヨシュアは祭司さいしたちに命めいじて言いった、「ヨルダンから上あがってきなさい」。4:18 主しゅの契約けいやくの箱はこをかく祭司さいしたちはヨルダンの中なかから上あがってきたが、祭司さいしたちの足あしの裏うらがかわいた地ちにあがると同時どうじに、ヨルダンの水みずはもとの所ところに流ながれかえって、以前いぜんのように、その岸きしにことごとくあふれた。 4:19 民たみは正月しょうがつの十日かに、ヨルダンから上あがってきて、エリコの東ひがしの境さかいにあるギルガルに宿営しゅくえいした。4:20 そしてヨシュアは、人々ひとびとがヨルダンから取とってきた十二の石いしをギルガルに立たて、4:21 イスラエルの人々ひとびとに言いった、「後のちの日ひにあなたがたの子こどもたちが、その父ちちに『これらの石いしは、どうしたわけですか』とたずねたならば、4:22 『むかしイスラエルがこのヨルダンを、かわいた地ちにされて渡わたったのだ』と言いって、その子こどもたちに知しらせなければならない。4:23 すなわちあなたがたの神かみ、主しゅはヨルダンの水みずを、あなたがたのために干ほしからして、あなたがたを渡わたらせてくださった。それはあたかも、あなたがたの神かみ、主しゅが、われわれのために紅海こうかいを干ほしからして、われわれを渡わたらせてくださったのと同おなじである。4:24 このようにされたのは、地ちのすべての民たみに、主しゅの手てに力ちからのあることを知しらせ、あなたがたの神かみ、主しゅをつねに恐おそれさせるためである」。 第5章 5:1 ヨルダンの向むこう側がわ、すなわち西にしの方ほうにおるアモリびとの王おうたちと、海うみべにおるカナンびとの王おうたちとは皆みな、主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえで、ヨルダンの水みずを干ほしからして、彼かれらを渡わたらせられたと聞きいて、イスラエルの人々ひとびとのゆえに、心こころは消きえ、彼かれらのうちに、もはや元気げんきもなくなった。 5:2 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「火打石ひうちいしの小刀こがたなを造つくり、重かさねてまたイスラエルの人々ひとびとに割礼かつれいを行おこないなさい」。5:3 そこでヨシュアは火打石ひうちいしの小刀こがたなを造つくり、陽よう皮ひの丘おかで、イスラエルの人々ひとびとに割礼かつれいを行おこなった。5:4 ヨシュアが人々ひとびとに割礼かつれいを行おこなった理由りゆうはこうである。エジプトから出でてきた民たみのうちの、すべての男子だんし、すなわち、いくさびとたちは皆みな、エジプトを出でた後のち、途中とちゅう、荒野あらので死しんだが、5:5 その出でてきた民たみは皆みな、割礼かつれいを受うけた者ものであった。しかし、エジプトを出でた後のちに、途中とちゅう、荒野あらので生うまれた民たみは、みな割礼かつれいを受うけていなかった。5:6 イスラエルの人々ひとびとは四十年ねんの間あいだ、荒野あらのを歩あるいていて、そのエジプトから出でてきた民たみ、すなわち、いくさびとたちは、みな死しに絶たえた。これは彼かれらが主しゅの声こえに聞きき従したがわなかったので、主しゅは彼かれらの先祖せんぞたちに誓ちかって、われわれに与あたえると仰おおせられた地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる地ちを、彼かれらに見みさせないと誓ちかわれたからである。5:7 ヨシュアが割礼かつれいを行おこなったのは、この人々ひとびとについで起おこされたその子こどもたちであった。彼かれらは途中とちゅうで割礼かつれいを受うけていなかったので、無む割礼かつれいの者ものであったからである。 5:8 すべての民たみに割礼かつれいを行おこなうことが終おわったので、民たみは宿営しゅくえいのうちの自分じぶんの所ところにとどまって傷きずの直なおるのを待まった。5:9 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「きょう、わたしはエジプトのはずかしめを、あなたがたからころがし去さった」。それでその所ところの名なは、今日こんにちまでギルガルと呼よばれている。 5:10 イスラエルの人々ひとびとはギルガルに宿営しゅくえいしていたが、その月つきの十四日かの夕暮ゆうぐれ、エリコの平野へいやで過越すぎこしの祭まつりを行おこなった。5:11 そして過越すぎこしの祭まつりの翌日よくじつ、その地ちの穀物こくもつ、すなわち種たね入いれぬパンおよびいり麦むぎを、その日ひに食たべたが、5:12 その地ちの穀物こくもつを食たべた翌日よくじつから、マナの降ふることはやみ、イスラエルの人々ひとびとは、もはやマナを獲えなかった。その年としはカナンの地ちの産物さんぶつを食たべた。 5:13 ヨシュアがエリコの近ちかくにいたとき、目めを上あげて見みると、ひとりの人ひとが抜ぬき身みのつるぎを手てに持もち、こちらに向むかって立たっていたので、ヨシュアはその人ひとのところへ行いって言いった、「あなたはわれわれを助たすけるのですか。それともわれわれの敵てきを助たすけるのですか」。5:14 彼かれは言いった、「いや、わたしは主しゅの軍勢ぐんぜいの将しょうとして今いまきたのだ」。ヨシュアは地ちにひれ伏ふし拝はいして言いった、「わが主しゅは何なにをしもべに告つげようとされるのですか」。5:15 すると主しゅの軍勢ぐんぜいの将しょうはヨシュアに言いった、「あなたの足あしのくつを脱ぬぎなさい。あなたが立たっている所ところは聖せいなる所ところである」。ヨシュアはそのようにした。 第6章 6:1 さてエリコは、イスラエルの人々ひとびとのゆえに、かたく閉とざして、出入でいりするものがなかった。6:2 主しゅはヨシュアに言いわれた、「見みよ、わたしはエリコと、その王おうおよび大だい勇士ゆうしを、あなたの手てにわたしている。6:3 あなたがた、いくさびとはみな、町まちを巡めぐって、町まちの周囲しゅういを一度ど回まわらなければならない。六日むいかの間あいだそのようにしなければならない。6:4 七人にんの祭司さいしたちは、おのおの雄羊おひつじの角つののラッパを携たずさえて、箱はこに先立さきだたなければならない。そして七日なぬか目めには七度ど町まちを巡めぐり、祭司さいしたちはラッパを吹ふき鳴ならさなければならない。6:5 そして祭司さいしたちが雄羊おひつじの角つのを長ながく吹ふき鳴ならし、そのラッパの音おとが、あなたがたに聞きこえる時とき、民たみはみな大声おおごえに呼よばわり、叫さけばなければならない。そうすれば、町まちの周囲しゅういの石いしがきは、くずれ落おち、民たみはみなただちに進すすんで、攻せめ上のぼることができる」。6:6 ヌンの子こヨシュアは祭司さいしたちを召めして言いった、「あなたがたは契約けいやくの箱はこをかき、七人にんの祭司さいしたちは雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅの箱はこに先立さきだたなければならない」。6:7 そして民たみに言いった、「あなたがたは進すすんで行いって町まちを巡めぐりなさい。武装ぶそうした者ものは主しゅの箱はこに先立さきだって進すすまなければならない」。 6:8 ヨシュアが民たみに命めいじたように、七人にんの祭司さいしたちは、雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅに先立さきだって進すすみ、ラッパを吹ふき鳴ならした。主しゅの契約けいやくの箱はこはそのあとに従したがった。6:9 武装ぶそうした者ものはラッパを吹ふき鳴ならす祭司さいしたちに先立さきだって行いき、しんがりは箱はこに従したがった。ラッパは絶たえ間まなく鳴なり響ひびいた。6:10 しかし、ヨシュアは民たみに命めいじて言いった、「あなたがたは呼よばわってはならない。あなたがたの声こえを聞きこえさせてはならない。また口くちから言葉ことばを出だしてはならない。ただ、わたしが呼よばわれと命めいじる日ひに、あなたがたは呼よばわらなければならない」。6:11 こうして主しゅの箱はこを持もって、町まちを巡めぐらせ、その周囲しゅういを一度ど回まわらせた。人々ひとびとは宿営しゅくえいに帰かえり、夜よるを宿営しゅくえいで過すごした。 6:12 翌朝よくあさヨシュアは早はやく起おき、祭司さいしたちは主しゅの箱はこをかき、6:13 七人にんの祭司さいしたちは、雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅの箱はこに先立さきだち、絶たえず、ラッパを吹ふき鳴ならして進すすみ、武装ぶそうした者ものはこれに先立さきだって行いき、しんがりは主しゅの箱はこに従したがった。ラッパは絶たえ間まなく鳴なり響ひびいた。6:14 その次つぎの日ひにも、町まちの周囲しゅういを一度ど巡めぐって宿営しゅくえいに帰かえった。六日むいかの間あいだそのようにした。 6:15 七日なぬか目めには、夜明よあけに、早はやく起おき、同おなじようにして、町まちを七度どめぐった。町まちを七度どめぐったのはこの日ひだけであった。6:16 七度目どめに、祭司さいしたちがラッパを吹ふいた時とき、ヨシュアは民たみに言いった、「呼よばわりなさい。主しゅはこの町まちをあなたがたに賜たまわった。6:17 この町まちと、その中なかのすべてのものは、主しゅへの奉納物ほうのうぶつとして滅ほろぼされなければならない。ただし遊女ゆうじょラハブと、その家いえに共ともにおる者ものはみな生いかしておかなければならない。われわれが送おくった使者ししゃたちをかくまったからである。6:18 また、あなたがたは、奉納物ほうのうぶつに手てを触ふれてはならない。奉納ほうのうに当あたり、その奉納物ほうのうぶつをみずから取とって、イスラエルの宿営しゅくえいを、滅ほろぼさるべきものとし、それを悩なやますことのないためである。6:19 ただし、銀ぎんと金きん、青銅せいどうと鉄てつの器うつわは、みな主しゅに聖せいなる物ものであるから、主しゅの倉くらに携たずさえ入いれなければならない」。6:20 そこで民たみは呼よばわり、祭司さいしたちはラッパを吹ふき鳴ならした。民たみはラッパの音おとを聞きくと同時どうじに、みな大声おおごえをあげて呼よばわったので、石いしがきはくずれ落おちた。そこで民たみはみな、すぐに上のぼって町まちにはいり、町まちを攻せめ取とった。6:21 そして町まちにあるものは、男おとこも、女おんなも、若わかい者ものも、老おいた者ものも、また牛うし、羊ひつじ、ろばをも、ことごとくつるぎにかけて滅ほろぼした。 6:22 その時ときヨシュアは、この地ちを探さぐったふたりの人ひとに言いった、「あの遊女ゆうじょの家いえにはいって、その女おんなと彼女かのじょに属ぞくするすべてのものを連つれ出だし、彼女かのじょに誓ちかったようにしなさい」。6:23 斥候せっこうとなったその若わかい人ひとたちははいって、ラハブとその父母ふぼ、兄弟きょうだい、そのほか彼女かのじょに属ぞくするすべてのものを連つれ出だし、その親族しんぞくをみな連つれ出だして、イスラエルの宿営しゅくえいの外そとに置おいた。6:24 そして火ひで町まちとその中なかのすべてのものを焼やいた。ただ、銀ぎんと金きん、青銅せいどうと鉄てつの器うつわは、主しゅの家いえの倉くらに納おさめた。6:25 しかし、遊女ゆうじょラハブとその父ちちの家いえの一族いちぞくと彼女かのじょに属ぞくするすべてのものとは、ヨシュアが生いかしておいたので、ラハブは今日こんにちまでイスラエルのうちに住すんでいる。これはヨシュアがエリコを探さぐらせるためにつかわした使者ししゃたちをかくまったためである。 6:26 ヨシュアは、その時とき、人々ひとびとに誓ちかいを立たてて言いった、「おおよそ立たって、このエリコの町まちを再建さいけんする人ひとは、主しゅの前まえにのろわれるであろう。 その礎いしずえをすえる人ひとは長子ちょうしを失うしない、その門もんを建たてる人ひとは末すえの子こを失うしなうであろう」。6:27 主しゅはヨシュアと共ともにおられ、ヨシュアの名声めいせいは、あまねくその地ちに広ひろがった。 第7章 7:1 しかし、イスラエルの人々ひとびとは奉納物ほうのうぶつについて罪つみを犯おかした。すなわちユダの部族ぶぞくのうちの、ゼラの子こザブデの子こであるカルミの子こアカンが奉納物ほうのうぶつを取とったのである。それで主しゅはイスラエルの人々ひとびとにむかって怒いかりを発はっせられた。 7:2 ヨシュアはエリコから人々ひとびとをつかわし、ベテルの東ひがし、ベテアベンの近ちかくにあるアイに行いかせようとして、その人々ひとびとに言いった、「上のぼって行いって、かの地ちを探さぐってきなさい」。人々ひとびとは上のぼって行いって、アイを探さぐったが、7:3 ヨシュアのもとに帰かえってきて言いった、「民たみをことごとく行いかせるには及およびません。ただ二、三千人にんを上のぼらせて、アイを撃うたせなさい。彼かれらは少すくないのですから、民たみをことごとくあそこへやってほねおりをさせるには及およびません」。7:4 そこで民たみのうち、おおよそ三千人にんがそこに上のぼったが、ついにアイの人々ひとびとの前まえから逃にげ出だした。7:5 アイの人々ひとびとは彼かれらのうち、おおよそ三十六人にんを殺ころし、更さらに彼かれらを門もんの前まえからシバリムまで追おって、下くだり坂ざかで彼かれらを殺ころしたので、民たみの心こころは消きえて水みずのようになった。 7:6 そのためヨシュアは衣服いふくを裂さき、イスラエルの長老ちょうろうたちと共ともに、主しゅの箱はこの前まえで、夕方ゆうがたまで地ちにひれ伏ふし、ちりをかぶった。7:7 ヨシュアは言いった、「ああ、主しゅなる神かみよ、あなたはなにゆえ、この民たみにヨルダンを渡わたらせ、われわれをアモリびとの手てに渡わたして滅ほろぼさせられるのですか。われわれはヨルダンの向むこうに、安やすんじてとどまればよかったのです。7:8 ああ、主しゅよ。イスラエルがすでに敵てきに背せをむけた今いまとなって、わたしはまた何なにを言いい得えましょう。7:9 カナンびと、およびこの地ちに住すむすべてのものは、これを聞きいて、われわれを攻せめかこみ、われわれの名なを地ちから断たち去さってしまうでしょう。それであなたは、あなたの大おおいなる名なのために、何なにをしようとされるのですか」。 7:10 主しゅはヨシュアに言いわれた、「立たちなさい。あなたはどうして、そのようにひれ伏ふしているのか。7:11 イスラエルは罪つみを犯おかし、わたしが彼かれらに命めいじておいた契約けいやくを破やぶった。彼かれらは奉納物ほうのうぶつを取とり、盗ぬすみ、かつ偽いつわって、それを自分じぶんの所有物しょゆうぶつのうちに入いれた。7:12 それでイスラエルの人々ひとびとは敵てきに当あたることができず、敵てきに背せをむけた。彼かれらも滅ほろぼされるべきものとなったからである。あなたがたが、その滅ほろぼされるべきものを、あなたがたのうちから滅ほろぼし去さるのでなければ、わたしはもはやあなたがたとは共ともにいないであろう。7:13 立たって、民たみを清きよめて言いいなさい、『あなたがたは身みを清きよめて、あすのために備そなえなさい。イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、「イスラエルよ、あなたがたのうちに、滅ほろぼされるべきものがある。その滅ほろぼされるべきものを、あなたがたのうちから除のぞき去さるまでは、敵てきに当あたることはできないであろう」。7:14 それゆえ、あすの朝あさ、あなたがたは部族ぶぞくごとに進すすみ出でなければならない。そして主しゅがくじを当あてられる部族ぶぞくは、氏族しぞくごとに進すすみいで、主しゅがくじを当あてられる氏族しぞくは、家族かぞくごとに進すすみいで、主しゅがくじを当あてられる家族かぞくは、男おとこひとりびとり進すすみ出でなければならない。7:15 そしてその滅ほろぼされるべきものを持もっていて、くじを当あてられた者ものは、その持もち物もの全部ぜんぶと共ともに、火ひで焼やかれなければならない。主しゅの契約けいやくを破やぶりイスラエルのうちに愚おろかなことを行おこなったからである』」。 7:16 こうしてヨシュアは朝あさ早はやく起おき、イスラエルを部族ぶぞくごとに進すすみ出ださせたところ、ユダの部族ぶぞくがくじに当あたり、7:17 ユダのもろもろの氏族しぞくを進すすみ出ださせたところ、ゼラびとの氏族しぞくが、くじに当あたった。ゼラびとの氏族しぞくを家族かぞくごとに進すすみ出ださせたところ、ザブデの家族かぞくが、くじに当あたった。7:18 ザブデの家族かぞくを男おとこひとりびとり進すすみ出ださせたところ、アカンがくじに当あたった。アカンはユダの部族ぶぞくのうちの、ゼラの子こ、ザブデの子こなるカルミの子こである。7:19 その時ときヨシュアはアカンに言いった、「わが子こよ、イスラエルの神かみ、主しゅに栄光えいこうを帰きし、また主しゅをさんびし、あなたのしたことを今いまわたしに告つげなさい。わたしに隠かくしてはならない」。7:20 アカンはヨシュアに答こたえた、「ほんとうにわたしはイスラエルの神かみ、主しゅに対たいして罪つみを犯おかしました。わたしがしたのはこうです。7:21 わたしはぶんどり物もののうちに、シナルの美うつくしい外套がいとう一枚まいと銀ぎん二百シケルと、目方めかた五十シケルの金きんの延のべ棒ぼう一本ぽんのあるのを見みて、ほしくなり、それを取とりました。わたしの天幕てんまくの中なかに、地ちに隠かくしてあります。銀ぎんはその下したにあります」。 7:22 そこでヨシュアは使者ししゃたちをつかわした。使者ししゃたちが天幕てんまくに走はしっていって見みると、それは彼かれの天幕てんまくに隠かくしてあって、銀ぎんもその下したにあった。7:23 彼かれらはそれを天幕てんまくの中なかから取とり出だして、ヨシュアとイスラエルのすべての人々ひとびとの所ところに携たずさえてきたので、それを主しゅの前まえに置おいた。7:24 ヨシュアはすべてのイスラエルびとと共ともに、ゼラの子こアカンを捕とらえ、かの銀ぎんと外套がいとうと金きんの延のべ棒ぼう、および彼かれのむすこ、娘むすめ、牛うし、ろば、羊ひつじ、天幕てんまくなど、彼かれの持もち物ものをことごとく取とって、アコルの谷たにへ引ひいていった。7:25 そしてヨシュアは言いった、「なぜあなたはわれわれを悩なやましたのか。主しゅは、きょう、あなたを悩なやまされるであろう」。やがてすべてのイスラエルびとは石いしで彼かれを撃うち殺ころし、また彼かれの家族かぞくをも石いしで撃うち殺ころし、火ひをもって焼やいた。7:26 そしてアカンの上うえに石塚いしづかを大おおきく積つみ上あげたが、それは今日こんにちまで残のこっている。そして主しゅは激はげしい怒いかりをやめられたが、このことによって、その所ところの名なは今日こんにちまでアコルの谷たにと呼よばれている。 第8章 8:1 主しゅはヨシュアに言いわれた、「恐おそれてはならない、おののいてはならない。いくさびとを皆みな、率ひきい、立たって、アイに攻せめ上のぼりなさい。わたしはアイの王おうとその民たみ、その町まち、その地ちをあなたの手てに授さづける。8:2 あなたは、さきにエリコとその王おうにしたとおり、アイとその王おうとにしなければならない。ただし、ぶんどり物ものと家畜かちくとは戦利せんり品ひんとしてあなたがたのものとすることができるであろう。あなたはまず、町まちのうしろに伏兵ふくへいを置おきなさい」。 8:3 ヨシュアは立たって、すべてのいくさびとと共ともに、アイに攻せめ上のぼろうとして、まず大だい勇士ゆうし三万人にんを選えらび、それを夜よるのうちにつかわした。8:4 ヨシュアは彼かれらに命めいじて言いった、「あなたがたは町まちに向むかって、町まちのうしろに伏ふせていなければならない。町まちを遠とおく離はなれないで、みな備そなえをしていなければならない。8:5 わたしとわたしに従したがう民たみとは皆みな共ともに、町まちに攻せめ寄よせよう。そして彼かれらが前まえのようにわれわれにむかって出でてくるとき、われわれは彼かれらの前まえから逃にげるであろう。8:6 そうすれば彼かれらはわれわれを追おって出でてくるであろうから、われわれはついに彼かれらを町まちからおびき出だすことができる。彼かれらは言いうであろう、『この人々ひとびとはまた前まえのように、われわれの前まえから逃にげていく』。こうしてわれわれは彼かれらの前まえから逃にげるであろう。8:7 その時とき、あなたがたは伏ふせている所ところから立たち上あがって、町まちを取とらなければならない。あなたがたの神かみ、主しゅがそれをあなたがたの手てに与あたえられるからである。8:8 あなたがたが、町まちを取とったならば、町まちに火ひを放はなち、主しゅが命めいじられたようにしなければならない。わたしはこう、あなたがたに命めいじるのである」。8:9 そうしてヨシュアが彼かれらをつかわしたので、彼かれらはアイの西方せいほう、ベテルとアイの間あいだの待まち伏ぶせする場所ばしょに行いって身みを伏ふせた。ヨシュアはその夜よる、民たみの中なかに宿やどった。 8:10 ヨシュアは明あくる朝あさ、早はやく起おきて、民たみを集あつめ、イスラエルの長老ちょうろうたちと共ともに、民たみに先立さきだって、アイに上のぼっていった。8:11 彼かれと共ともにいたいくさびとたちもみな上のぼっていって、町まちの前まえに近ちかづき、アイの北きたに陣じんを取とった。彼かれらとアイの間あいだには、一つの谷たにがあった。8:12 ヨシュアはおおよそ五千人にんをとって、町まちの西方せいほう、ベテルとアイの間あいだに、伏ふせておいた。8:13 こうして民たみの主力しゅりょくを町まちの北きたにおき、しんがりを町まちの西にしにおいた。ヨシュアはその夜よ、谷たにの中なかで宿やどった。8:14 アイの王おうはこれを見みて、すべての民たみと共ともに、急いそいで、早はやく起おき、アラバに行いく下くだり坂ざかに進すすみ出でて、イスラエルと戦たたかった。しかし、王おうは町まちのうしろに、すきをうかがう伏兵ふくへいのおることを知しらなかった。8:15 ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとと共ともに、彼かれらに打うち破やぶられたふりをして、荒野あらのの方向ほうこうへ逃にげだしたので、8:16 その町まちの民たみはみな呼よばわり集あつまって彼かれらのあとを追おい、ヨシュアのあとを追おって町まちからおびき出だされ、8:17 アイにもベテルにも残のこっているものはひとりもなく、みな出でてイスラエルのあとを追おい、町まちを開あけ放はなして、イスラエルのあとを追おった。 8:18 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「あなたの手てにあるなげやりを、アイの方ほうにさし伸のべなさい。わたしはその町まちをあなたの手てに与あたえるであろう」。そこでヨシュアが手てにしていたなげやりを、アイの方ほうにさし伸のべると、8:19 伏兵ふくへいはたちまちその場所ばしょから立たち上あがり、ヨシュアが手てをのべると同時どうじに、走はしって町まちに入はいり、それを取とって、ただちに町まちに火ひをかけた。8:20 それでアイの人々ひとびとが、うしろをふり返かえって見みると、町まちの焼やける煙けむりが天てんに立たちのぼっていたので、こちらへもあちらへも逃にげるすべがなかった。荒野あらのへ逃にげていった民たみも身みをかえして、追おってきた者ものに迫せまった。8:21 ヨシュアとすべてのイスラエルびとは、伏兵ふくへいが町まちを取とり、町まちの焼やける煙けむりが立たち上のぼるのを見みて、身みをかえしてアイの人々ひとびとを撃うった。8:22 また町まちを取とったものは町まちを出でて彼かれらに向むかったので、彼かれらは、こちらとあちらとからイスラエルの中なかにはさまれた。こうしてイスラエルびとが彼かれらを撃うったので、生いき残のこったもの、逃にげおおせたものは、ひとりもなかった。8:23 そしてアイの王おうを生いけどりにして、ヨシュアのもとへ連つれてきた。 8:24 イスラエルびとは、荒野あらのに追撃ついげきしてきたアイの住民じゅうみんをことごとく野ので殺ころし、つるぎをもってひとりも残のこさず撃うち倒たおしてのち、皆みなアイに帰かえり、つるぎをもってその町まちを撃うち滅ほろぼした。8:25 その日ひアイの人々ひとびとはことごとく倒たおれた。その数かずは男女だんじょあわせて一万二千人にんであった。8:26 ヨシュアはアイの住民じゅうみんをことごとく滅ほろぼしつくすまでは、なげやりをさし伸のべた手てを引ひっこめなかった。8:27 ただし、その町まちの家畜かちくおよび、ぶんどり品ひんはイスラエルびとが自分じぶんたちの戦利せんり品ひんとして取とった。主しゅがヨシュアに命めいじられた言葉ことばにしたがったのである。8:28 こうしてヨシュアはアイを焼やいて、永久えいきゅうに荒塚あらつかとしたが、それは今日こんにちまで荒あれ地ちとなっている。8:29 ヨシュアはまた、アイの王おうを夕方ゆうがたまで木きに掛かけてさらし、日ひの入いるころ、命めいじて、その死体したいを木きから取とりおろし、町まちの門もんの入口いりぐちに投なげすて、その上うえに石いしの大塚おおつかを積つみ上あげさせたが、それは今日こんにちまで残のこっている。 8:30 そしてヨシュアはエバル山やまにイスラエルの神かみ、主しゅのために一つの祭壇さいだんを築きずいた。8:31 これは主しゅのしもべモーセがイスラエルの人々ひとびとに命めいじたことにもとづき、モーセの律法りっぽうの書しょにしるされているように、鉄てつの道具どうぐを当あてない自然しぜんのままの石いしの祭壇さいだんであって、人々ひとびとはその上うえで、主しゅに燔祭はんさいをささげ、酬恩祭しゅうおんさいを供そなえた。8:32 その所ところで、ヨシュアはまたモーセの書かきしるした律法りっぽうを、イスラエルの人々ひとびとの前まえで、石いしに書かき写うつした。8:33 こうしてすべてのイスラエルびとは、本国ほんごく人じんも、寄留きりゅうの他国たこく人じんも、長老ちょうろう、つかさびと、さばきびとと共ともに、主しゅの契約けいやくの箱はこをかくレビびとである祭司さいしたちの前まえで、箱はこのこなたとかなたに分わかれて、半なかばはゲリジム山やまの前まえに、半なかばはエバル山やまの前まえに立たった。これは主しゅのしもべモーセがさきに命めいじたように、イスラエルの民たみを祝福しゅくふくするためであった。8:34 そして後のち、ヨシュアはすべての律法りっぽうの書しょにしるされている所ところにしたがって、祝福しゅくふくと、のろいとに関かんする律法りっぽうの言葉ことばをことごとく読よんだ。8:35 モーセが命めいじたすべての言葉ことばのうち、ヨシュアがイスラエルの全ぜん会衆かいしゅうおよび女おんなと子こどもたち、ならびにイスラエルのうちに住すむ寄留きりゅうの他国たこく人じんの前まえで、読よまなかったものは一つもなかった。 第9章 9:1 さて、ヨルダンの西側にしがわの、山地さんち、平地へいち、およびレバノンまでの大海たいかいの沿岸えんがんに住すむもろもろの王おうたち、すなわちヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの王おうたちは、これを聞きいて、9:2 心こころを合あわせ、相あい集あつまって、ヨシュアおよびイスラエルと戦たたかおうとした。 9:3 しかし、ギベオンの住民じゅうみんたちは、ヨシュアがエリコとアイにおこなったことを聞きいて、9:4 自分じぶんたちも策略さくりゃくをめぐらし、行いって食料しょくりょう品ひんを準備じゅんびし、古ふるびた袋ふくろと、古ふるびて破やぶれたのを繕つくろったぶどう酒しゅの皮かわ袋ぶくろとを、ろばに負おわせ、9:5 繕つくろった古ふるぐつを足あしにはき、古ふるびた着物きものを身みにつけた。彼かれらの食料しょくりょうのパンは、みなかわいて、砕くだけていた。9:6 彼かれらはギルガルの陣営じんえいのヨシュアの所ところにきて、彼かれとイスラエルの人々ひとびとに言いった、「われわれは遠とおい国くにからまいりました。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」。9:7 しかし、イスラエルの人々ひとびとはそのヒビびとたちに言いった、「あなたがたはわれわれのうちに住すんでいるのかも知しれないから、われわれはどうしてあなたがたと契約けいやくが結むすべましょう」。9:8 彼かれらはヨシュアに言いった、「われわれはあなたのしもべです」。ヨシュアは彼かれらに言いった、「あなたがたはだれですか。どこからきたのですか」。9:9 彼かれらはヨシュアに言いった、「しもべどもはあなたの神かみ、主しゅの名なのゆえに、ひじょうに遠とおい国くにからまいりました。われわれは主しゅの名声めいせい、および主しゅがエジプトで行おこなわれたすべての事ことを聞きき、9:10 また主しゅがヨルダンの向むこう側がわにいたアモリびとのふたりの王おう、すなわちヘシボンの王おうシホン、およびアシタロテにおったバシャンの王おうオグに行おこなわれたすべてのことを聞きいたからです。9:11 それで、われわれの長老ちょうろうたち、および国くにの住民じゅうみんはみなわれわれに言いいました、『おまえたちは旅路たびじの食料しょくりょうを手てに携たずさえていって、彼かれらに会あって言いいなさい、「われわれはあなたがたのしもべです。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」』。9:12 ここにあるこのパンは、あなたがたの所ところに来くるため、われわれが出立しゅったつする日ひに、おのおの家いえから、まだあたたかなのを旅たびの食料しょくりょうとして準備じゅんびしたのですが、今いまはもうかわいて砕くだけています。9:13 またぶどう酒しゅを満みたしたこれらの皮かわ袋ぶくろも、新あたらしかったのですが、破やぶれました。われわれのこの着物きものも、くつも、旅路たびじがひじょうに長ながかったので、古ふるびてしまいました」。9:14 そこでイスラエルの人々ひとびとは彼かれらの食料しょくりょう品ひんを共ともに食たべ、主しゅのさしずを求もとめようとはしなかった。9:15 そしてヨシュアは彼かれらと和わを講こうじ、契約けいやくを結むすんで、彼かれらを生いかしておいた。会衆かいしゅうの長ちょうたちは彼かれらに誓ちかいを立たてた。 9:16 契約けいやくを結むすんで三日かの後のちに、彼かれらはその人々ひとびとが近ちかくの人々ひとびとで、自分じぶんたちのうちに住すんでいるということを聞きいた。9:17 イスラエルの人々ひとびとは進すすんで、三日か目めにその町々まちまちに着ついた。その町々まちまちとは、ギベオン、ケピラ、ベエロテおよびキリアテ・ヤリムであった。9:18 ところで会衆かいしゅうの長ちょうたちが、すでにイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかいを立たてていたので、イスラエルの人々ひとびとは彼かれらを殺ころさなかった。そこで会衆かいしゅうはみな、長ちょうたちにむかってつぶやいた。9:19 しかし、長ちょうたちは皆みな、全ぜん会衆かいしゅうに言いった、「われわれはイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかった。それゆえ今いま、彼かれらに触ふれてはならない。9:20 われわれは、こうして彼かれらを生いかしておこう。そうすれば、われわれが彼かれらに立たてた誓ちかいのゆえに、怒いかりがわれわれに臨のぞむことはないであろう」。9:21 長ちょうたちはまた人々ひとびとに「彼かれらを生いかしておこう」と言いったので、彼かれらはついに、全ぜん会衆かいしゅうのために、たきぎを切きり、水みずをくむものとなった。長ちょうたちが彼かれらに言いったとおりである。 9:22 ヨシュアは彼かれらを呼よび寄よせて言いった、「あなたがたは、われわれのうちに住すみながら、なぜ『われわれはあなたがたからは遠とおく離はなれている』と言いって、われわれをだましたのか。9:23 それであなたがたは今いまのろわれ、奴隷どれいとなってわたしの神かみの家いえのために、たきぎを切きり、水みずをくむものが、絶たえずあなたがたのうちから出でるであろう」。9:24 彼かれらはヨシュアに答こたえて言いった、「あなたの神かみ、主しゅがそのしもべモーセに、この地ちをことごとくあなたがたに与あたえ、この地ちに住すむ民たみをことごとくあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さるようにと、お命めいじになったことを、しもべどもは明あきらかに伝つたえ聞ききましたので、あなたがたのゆえに、命いのちが危あやういと、われわれは非常ひじょうに恐おそれて、このことをしたのです。9:25 われわれは、今いま、あなたの手てのうちにあります。われわれにあなたがして良よいと思おもい、正ただしいと思おもうことをしてください」。9:26 そこでヨシュアは、彼かれらにそのようにし、彼かれらをイスラエルの人々ひとびとの手てから救すくって殺ころさせなかった。9:27 しかし、ヨシュアは、その日ひ、彼かれらを、会衆かいしゅうのため、また主しゅの祭壇さいだんのため、主しゅが選えらばれる場所ばしょで、たきぎを切きり、水みずをくむ者ものとした。これは今日こんにちまでつづいている。 第10章 10:1 エルサレムの王おうアドニゼデクは、ヨシュアがアイを攻せめ取とって、それを全まったく滅ほろぼし、さきにエリコとその王おうとにしたように、アイとその王おうにもしたこと、またギベオンの住民じゅうみんが、イスラエルと和わを講こうじて、そのうちにおることを聞きき、10:2 大おおいに恐おそれた。それは、ギベオンが大おおきな町まちであって、王おうの都みやこにもひとしいものであり、またアイより大おおきくて、そのうちの人々ひとびとが、すべて強つよかったからである。10:3 それでエルサレムの王おうアドニゼデクは、ヘブロンの王おうホハム、ヤルムテの王おうピラム、ラキシの王おうヤピア、およびエグロンの王おうデビルに人ひとをつかわして言いった、10:4 「わたしの所ところに上のぼってきて、わたしを助たすけてください。われわれはギベオンを撃うちましょう。ギベオンはヨシュアおよびイスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじたからです」。10:5 アモリびとの五人にんの王おう、すなわちエルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうは兵へいを集あつめ、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて上のぼってきて、ギベオンに向むかって陣じんを取とり、それを攻せめて戦たたかった。 10:6 ギベオンの人々ひとびとは、ギルガルの陣営じんえいに人ひとをつかわし、ヨシュアに言いった、「あなたの手てを引ひかないで、しもべどもを助たすけてください。早はやく、われわれの所ところに上のぼってきて、われわれを救すくい、助たすけてください。山地さんちに住すむアモリびとの王おうたちがみな集あつまって、われわれを攻せめるからです」。10:7 そこでヨシュアはすべてのいくさびとと、すべての大だい勇士ゆうしを率ひきいて、ギルガルから上のぼって行いった。10:8 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらを恐おそれてはならない。わたしが彼かれらをあなたの手てにわたしたからである。彼かれらのうちには、あなたに当あたることのできるものは、ひとりもないであろう」。10:9 ヨシュアは、ギルガルから、よもすがら進すすみのぼって、にわかに彼かれらに攻せめよせたところ、10:10 主しゅは彼かれらを、イスラエルの前まえに、恐おそれあわてさせられたので、イスラエルはギベオンで彼かれらをおびただしく撃うち殺ころし、ベテホロンの上のぼり坂ざかをとおって逃にげる彼かれらを、アゼカとマッケダまで追撃ついげきした。10:11 彼かれらがイスラエルの前まえから逃にげ走はしって、ベテホロンの下くだり坂ざかをおりていた時とき、主しゅは天てんから彼かれらの上うえに大石おおいしを降ふらし、アゼカにいたるまでもそうされたので、多おおくの人々ひとびとが死しんだ。イスラエルの人々ひとびとがつるぎをもって殺ころしたものよりも、雹ひょうに打うたれて死しんだもののほうが多おおかった。 10:12 主しゅがアモリびとをイスラエルの人々ひとびとにわたされた日ひに、ヨシュアはイスラエルの人々ひとびとの前まえで主しゅにむかって言いった、 「日ひよ、ギベオンの上うえにとどまれ、月つきよ、アヤロンの谷たににやすらえ」。10:13 民たみがその敵てきを撃うち破やぶるまで、日ひはとどまり、月つきは動うごかなかった。これはヤシャルの書しょにしるされているではないか。日ひが天てんの中空ちゅうくうにとどまって、急いそいで没ぼっしなかったこと、おおよそ一日にちであった。10:14 これより先さきにも、あとにも、主しゅがこのように人ひとの言葉ことばを聞ききいれられた日ひは一日にちもなかった。主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたからである。 10:15 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとと共ともにギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 10:16 かの五人にんの王おうたちは逃にげて行いって、マッケダのほら穴あなに隠かくれたが、10:17 五人にんの王おうたちがマッケダのほら穴あなにかくれているのが見みつかったと、ヨシュアに告つげる者ものがあったので、10:18 ヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちに大石おおいしをころがし、そのそばに人ひとを置おいて、守まもらせなさい。10:19 ただし、あなたがたは、そこにとどまらないで、敵てきのあとを追おい、そのしんがりを撃うち、彼かれらをその町まちにはいらせてはならない。あなたがたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたがたの手てに渡わたされたからである」。10:20 ヨシュアとイスラエルの人々ひとびとは、大おおいに彼かれらを撃うち殺ころし、ついに彼かれらを滅ほろぼしつくしたが、彼かれらのうちのがれて生いき残のこった者ものどもは、堅固けんごな町々まちまちに逃にげこんだので、10:21 民たみはみな安やすらかにマッケダの陣営じんえいのヨシュアのもとに帰かえってきたが、イスラエルの人々ひとびとにむかって舌したを鳴ならす者ものはひとりもなかった。 10:22 その時ときヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちを開ひらいて、ほら穴あなから、かの五人にんの王おうたちを、わたしのもとにひき出だしなさい」。10:23 やがて、そのようにして、かの五人にんの王おうたち、すなわち、エルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうを、ほら穴あなから彼かれのもとにひき出だした。10:24 この王おうたちをヨシュアのもとにひき出だした時とき、ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとを呼よび寄よせ、自分じぶんと共ともに行いったいくさびとの長ちょうたちに言いった、「近寄ちかよって、この王おうたちのくびに足あしをかけなさい」。そこで近寄ちかよって、その王おうたちのくびに足あしをかけたので、10:25 ヨシュアは彼かれらに言いった、「恐おそれおののいてはならない。強つよくまた雄々おおしくあれ。あなたがたが攻せめて戦たたかうすべての敵てきには、主しゅがこのようにされるのである」。10:26 そして後のちヨシュアは彼かれらを撃うって死しなせ、五本ほんの木きにかけて、夕暮ゆうぐれまで木きの上うえにさらして置おいたが、10:27 日ひの入いるころになって、ヨシュアが命めいじたので、これを木きからおろし、彼かれらが隠かくれていたほら穴あなに投なげ入いれ、ほら穴あなの口くちに大石おおいしを置おいた。これは今日こんにちまで残のこっている。 10:28 その日ひヨシュアはマッケダを取とり、つるぎをもって、それと、その王おうとを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、エリコの王おうにしたように、マッケダの王おうにもした。 10:29 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、マッケダからリブナに進すすみ、リブナを攻せめて戦たたかった。10:30 主しゅが、それと、その王おうをも、イスラエルの手てに渡わたされたので、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼして、ひとりもその中なかに残のこさず、エリコの王おうにしたように、その王おうにもした。 10:31 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、リブナからラキシに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:32 主しゅがラキシをイスラエルの手てに渡わたされたので、ふつか目めにこれを取とり、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼした。すべてリブナにしたとおりであった。 10:33 その時とき、ゲゼルの王おうホラムが、ラキシを助たすけるために上のぼってきたので、ヨシュアは彼かれと、その民たみとを撃うち滅ほろぼして、ついにひとりも残のこさなかった。 10:34 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ラキシからエグロンに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:35 その日ひこれを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとくその日ひに滅ほろぼした。すべてラキシにしたとおりであった。 10:36 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、エグロンからヘブロンに進すすみ上のぼり、これを攻せめて戦たたかい、10:37 それを取とって、それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちと、その中なかのすべての人ひとを、つるぎをもって撃うち滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。すべてエグロンにしたとおりであった。すなわち、それとその中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼした。 10:38 またヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、デビルへひきかえし、これを攻せめて戦たたかい、10:39 それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちを取とり、つるぎをもってそれを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。彼かれがデビルと、その王おうにしたことは、ヘブロンにしたとおりであり、またリブナと、その王おうにしたとおりであった。 10:40 こうしてヨシュアはその地ちの全部ぜんぶ、すなわち、山地さんち、ネゲブ、平地へいち、および山腹さんぷくの地ちと、そのすべての王おうたちを撃うち滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、すべて息いきのあるものは、ことごとく滅ほろぼした。イスラエルの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりであった。10:41 ヨシュアはカデシ・バルネアからガザまでの国々くにぐに、およびゴセンの全ぜん地ちを撃うち滅ほろぼして、ギベオンにまで及およんだ。10:42 イスラエルの神かみ、主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたので、ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、その地ちをいちどきに取とった。10:43 そしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 第11章 11:1 ハゾルの王おうヤビンは、これを聞きいて、マドンの王おうヨバブ、シムロンの王おう、およびアクサフの王おう、11:2 また北きたの山地さんち、キンネロテの南みなみのアラバ、平地へいち、西にしの方ほうのドルの高地こうちにおる王おうたち、11:3 すなわち、東西とうざいのカナンびと、アモリびと、ヘテびと、ペリジびと、山地さんちのエブスびと、ミヅパの地ちにあるヘルモンのふもとのヒビびとに使者ししゃをつかわした。11:4 そして彼かれらは、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて出でてきた。その大軍たいぐんは浜はまべの砂すなのように数多かずおおく、馬うまと戦車せんしゃも、ひじょうに多おおかった。11:5 これらの王おうたちはみな軍ぐんを集あつめ、進すすんできて、共ともにメロムの水みずのほとりに陣じんをしき、イスラエルと戦たたかおうとした。11:6 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらのゆえに恐おそれてはならない。あすの今いまごろ、わたしは彼かれらを皆みなイスラエルに渡わたして、ことごとく殺ころさせるであろう。あなたは彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やかなければならない」。11:7 そこでヨシュアは、すべてのいくさびとを率ひきいて、にわかにメロムの水みずのほとりにおし寄よせ、彼かれらを襲おそった。11:8 主しゅは彼かれらをイスラエルの手てに渡わたされたので、これを撃うち破やぶり、大だいシドンおよびミスレポテ・マイムまで、これを追撃ついげきし、東ひがしの方ほうでは、ミヅパの谷たにまで彼かれらを追おい、ついにひとりも残のこさず撃うちとった。11:9 ヨシュアは主しゅが命めいじられたとおりに彼かれらに行おこない、彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やいた。 11:10 その時とき、ヨシュアはひきかえして、ハゾルを取とり、つるぎをもって、その王おうを撃うった。ハゾルは昔むかし、これらすべての国々くにぐにの盟主めいしゅであったからである。11:11 彼かれらはつるぎをもって、その中なかのすべての人ひとを撃うち、ことごとくそれを滅ほろぼし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。そして火ひをもってハゾルを焼やいた。11:12 ヨシュアはこれらの王おうたちのすべての町々まちまち、およびその諸王しょおうを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、ことごとく滅ほろぼした。主しゅのしもべモーセが命めいじたとおりであった。11:13 ただし、丘おかの上うえに立たっている町々まちまちをイスラエルは焼やかなかった。ヨシュアはただハゾルだけを焼やいた。11:14 これらの町まちのすべてのぶんどり物ものと家畜かちくとは、イスラエルの人々ひとびとが戦利せんり品ひんとして取とったが、人ひとはみなつるぎをもって、滅ほろぼし尽つくし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。11:15 主しゅがそのしもべモーセに命めいじられたように、モーセはヨシュアに命めいじたが、ヨシュアはそのとおりにおこなった。すべて主しゅがモーセに命めいじられたことで、ヨシュアが行おこなわなかったことは一つもなかった。 11:16 こうしてヨシュアはその全ぜん地ち、すなわち、山地さんち、ネゲブの全ぜん地ち、ゴセンの全ぜん地ち、平地へいち、アラバならびにイスラエルの山地さんちと平地へいちを取とり、11:17 セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やまから、ヘルモン山やまのふもとのレバノンの谷たににあるバアルガデまでを獲えた。そしてそれらの王おうたちを、ことごとく捕とらえて、撃うち殺ころした。11:18 ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、長ながいあいだ戦たたかった。11:19 ギベオンの住民じゅうみんヒビびとのほかには、イスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじた町まちは一つもなかった。町々まちまちはみな戦争せんそうをして、攻せめ取とったものであった。11:20 彼かれらが心こころをかたくなにして、イスラエルに攻せめよせたのは、もともと主しゅがそうさせられたので、彼かれらがのろわれた者ものとなり、あわれみを受うけず、ことごとく滅ほろぼされるためであった。主しゅがモーセに命めいじられたとおりである。 11:21 その時とき、ヨシュアはまた行いって、山地さんち、ヘブロン、デビル、アナブ、ユダのすべての山地さんち、イスラエルのすべての山地さんちから、アナクびとを断たち、彼かれらの町々まちまちをも共ともに滅ほろぼした。11:22 それでイスラエルの人々ひとびとの地ちに、アナクびとは、ひとりもいなくなった。ただガサ、ガテ、アシドドには、少すこし残のこっているだけであった。11:23 こうしてヨシュアはその地ちを、ことごとく取とった。すべて主しゅがモーセに告つげられたとおりである。そしてヨシュアはイスラエルの部族ぶぞくにそれぞれの分ぶんを与あたえて、嗣し業ぎょうとさせた。こうしてその地ちに戦争せんそうはやんだ。 第12章 12:1 さてヨルダンの向むこう側がわ、日ひの出での方ほうで、アルノンの谷たにからヘルモン山やままで、および東ひがしアラバの全土ぜんどのうちで、イスラエルの人々ひとびとが撃うち滅ほろぼして地ちを取とった国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。12:2 まず、アモリびとの王おうシホン。彼かれはヘシボンに住すみ、その領地りょうちは、アルノンの谷たにのほとりにあるアロエル、および谷たにの中なかの町まちから、ギレアデの半なかばを占しめて、アンモンびととの境さかいであるヤボク川かわに達たっし、12:3 東ひがしの方ほうではアラバをキンネレテの湖みずうみまで占しめ、またアラバの海うみすなわち塩しおの海うみの東ひがしにおよび、ベテエシモテの道みちを経へて、南みなみはピスガの山やまのふもとに達たっした。12:4 次つぎにレパイムの生いき残のこりのひとりであったバシャンの王おうオグ。彼かれはアシタロテとエデレイとに住すみ、12:5 ヘルモン山やま、サレカ、およびバシャンの全土ぜんどを領りょうしたので、ゲシュルびと、およびマアカびとと境さかいを接せっし、またギレアデの半なかばを領りょうしたので、ヘシボンの王おうシホンと境さかいを接せっしていた。12:6 主しゅのしもべモーセと、イスラエルの人々ひとびととが、彼かれらを撃うち滅ほろぼし、そして主しゅのしもべモーセは、これらの地ちを、ルベンびと、ガドびと、およびマナセの半はん部族ぶぞくに与あたえて所有しょゆうとさせた。 12:7 ヨルダンのこちら側がわ、西にしの方ほうにあって、レバノンの谷たににあるバアルガデから、セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やままでの間あいだで、ヨシュアと、イスラエルの人々ひとびととが、撃うち滅ほろぼした国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。ヨシュアは彼かれらの地ちをイスラエルの部族ぶぞくに、それぞれの分ぶんを与あたえて嗣し業ぎょうとさせた。12:8 これは、山地さんち、平地へいち、アラバ、山腹さんぷく、荒野あらの、およびネゲブであって、ヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの所領しょりょうであった。12:9 エリコの王おうひとり。ベテルのほとりのアイの王おうひとり。12:10 エルサレムの王おうひとり。ヘブロンの王おうひとり。12:11 ヤルムテの王おうひとり。ラキシの王おうひとり。12:12 エグロンの王おうひとり。ゲゼルの王おうひとり。12:13 デビルの王おうひとり。ゲデルの王おうひとり。12:14 ホルマの王おうひとり。アラデの王おうひとり。12:15 リブナの王おうひとり。アドラムの王おうひとり。12:16 マッケダの王おうひとり。ベテルの王おうひとり。12:17 タップアの王おうひとり。ヘペルの王おうひとり。12:18 アペクの王おうひとり。シャロンの王おうひとり。12:19 マドンの王おうひとり。ハゾルの王おうひとり。12:20 シムロン・メロンの王おうひとり。アクサフの王おうひとり。12:21 タアナクの王おうひとり。メギドの王おうひとり。12:22 ケデシの王おうひとり。カルメルのヨクネアムの王おうひとり。12:23 ドルの高地こうちにおるドルの王おうひとり。ガリラヤのゴイイムの王おうひとり。12:24 テルザの王おうひとり。合あわせて三十一王おうである。
2:1 ヌンの子こヨシュアは、シッテムから、ひそかにふたりの斥候せっこうをつかわして彼かれらに言いった、「行いって、その地ち、特とくにエリコを探さぐりなさい」。彼かれらは行いって、名なをラハブという遊女ゆうじょの家いえにはいり、そこに泊とまったが、
2:2 エリコの王おうに、「イスラエルの人々ひとびとのうちの数すう名めいの者ものが今夜こんやこの地ちを探さぐるために、はいってきました」と言いう者ものがあったので、
2:3 エリコの王おうは人ひとをやってラハブに言いった、「あなたの所ところにきて、あなたの家いえにはいった人々ひとびとをここへ出だしなさい。彼かれらはこの国くにのすべてを探さぐるためにきたのです」。
2:4 しかし、女おんなはすでにそのふたりの人ひとを入いれて彼かれらを隠かくしていた。そして彼女かのじょは言いった、「確たしかにその人々ひとびとはわたしの所ところにきました。しかし、わたしはその人々ひとびとがどこからきたのか知しりませんでしたが、
2:5 たそがれ時とき、門もんの閉とじるころに、その人々ひとびとは出でて行いきました。どこへ行いったのかわたしは知しりません。急いそいであとを追おいなさい。追おいつけるでしょう」。
2:6 その実じつ、彼女かのじょはすでに彼かれらを連つれて屋根やねにのぼり、屋上おくじょうに並ならべてあった亜麻あまの茎くきの中なかに彼かれらを隠かくしていたのである。
2:7 そこでその人々ひとびとは彼かれらのあとを追おってヨルダンの道みちを進すすみ、渡わたし場ばへ向むかった。あとを追おう者ものが出でて行いくとすぐ門もんは閉とざされた。
2:8 ふたりの人ひとがまだ寝ねないうち、ラハブは屋上おくじょうにのぼって彼かれらの所ところにきた。
2:9 そして彼かれらに言いった、「主しゅがこの地ちをあなたがたに賜たまわったこと、わたしたちがあなたがたをひじょうに恐おそれていること、そしてこの地ちの民たみがみなあなたがたの前まえに震ふるえおののいていることをわたしは知しっています。
2:10 あなたがたがエジプトから出でてこられた時とき、主しゅがあなたがたの前まえで紅海こうかいの水みずを干ほされたこと、およびあなたがたが、ヨルダンの向むこう側がわにいたアモリびとのふたりの王おうシホンとオグにされたこと、すなわちふたりを、全滅ぜんめつされたことを、わたしたちは聞きいたからです。
2:11 わたしたちはそれを聞きくと、心こころは消きえ、あなたがたのゆえに人々ひとびとは全まったく勇気ゆうきを失うしなってしまいました。あなたがたの神かみ、主しゅは上うえの天てんにも、下したの地ちにも、神かみでいらせられるからです。
2:12 それで、どうか、わたしがあなたがたを親切しんせつに扱あつかったように、あなたがたも、わたしの父ちちの家いえを親切しんせつに扱あつかわれることをいま主しゅをさして誓ちかい、確たしかなしるしをください。
2:13 そしてわたしの父母ふぼ、兄弟きょうだい、姉妹しまいおよびすべて彼かれらに属ぞくするものを生いきながらえさせ、わたしたちの命いのちを救すくって、死しを免まぬかれさせてください」。
2:14 ふたりの人ひとは彼女かのじょに言いった、「もしあなたがたが、われわれのこのことを他たに漏もらさないならば、われわれは命いのちにかけて、あなたがたを救すくいます。また主しゅがわれわれにこの地ちを賜たまわる時とき、あなたがたを親切しんせつに扱あつかい、真実しんじつをつくしましょう」。
2:15 そこでラハブは綱つなをもって彼かれらを窓まどからつりおろした。その家いえが町まちの城壁じょうへきの上うえに建たっていて、彼女かのじょはその城壁じょうへきの上うえに住すんでいたからである。
2:16 ラハブは彼かれらに言いった、「追手おってに会あわないように、あなたがたは山やまへ行いって、三日かの間あいだそこに身みを隠かくし、追手おっての帰かえって行いくのを待まって、それから去さって行いきなさい」。
2:17 ふたりの人ひとは彼女かのじょに言いった、「あなたがわれわれに誓ちかわせたこの誓ちかいについて、われわれは罪つみを犯おかしません。
2:18 われわれがこの地ちに討うち入いる時とき、わたしたちをつりおろした窓まどに、この赤あかい糸いとのひもを結むすびつけ、またあなたの父母ふぼ、兄弟きょうだい、およびあなたの父ちちの家族かぞくをみなあなたの家いえに集あつめなさい。
2:19 ひとりでも家いえの戸口とぐちから外そとへ出でて、血ちを流ながされることがあれば、その責せめはその人ひと自身じしんのこうべに帰きすでしょう。われわれに罪つみはありません。しかしあなたの家いえの中なかにいる人ひとに手てをかけて血ちを流ながすことがあれば、その責せめはわれわれのこうべに帰きすでしょう。
2:20 またあなたが、われわれのこのことを他たに漏もらすならば、あなたがわれわれに誓ちかわせた誓ちかいについては、われわれに罪つみはありません」。
2:21 ラハブは言いった、「あなたがたの仰おおせのとおりにいたしましょう」。こうして彼かれらを送おくり出だしたので、彼かれらは去さった。そして彼女かのじょは赤あかいひもを窓まどに結むすんだ。
2:22 彼かれらは立たち去さって山やまにはいり、追手おってが帰かえるのを待まって、三日かの間あいだそこにとどまった。追手おっては彼かれらをあまねく道みちに捜さがしたが、ついに見みつけることができなかった。
2:23 こうしてふたりの人ひとはまた山やまを下くだり、川かわを渡わたって、ヌンの子こヨシュアのもとにきて、その身みに起たったことをつぶさに述のべた。
2:24 そしてヨシュアに言いった、「ほんとうに主しゅはこの国くにをことごとくわれわれの手てにお与あたえになりました。この国くにの住民じゅうみんはみなわれわれの前まえに震ふるえおののいています」。
第3章 3:1 ヨシュアは朝あさ早はやく起おき、イスラエルの人々ひとびとすべてとともにシッテムを出立しゅったつして、ヨルダンに行いき、それを渡わたらずに、そこに宿やどった。3:2 三日かの後のち、つかさたちは宿営しゅくえいの中なかを行いき巡めぐり、3:3 民たみに命めいじて言いった、「レビびとである祭司さいしたちが、あなたがたの神かみ、主しゅの契約けいやくの箱はこをかきあげるのを見みるならば、あなたがたはその所ところを出立しゅったつして、そのあとに従したがわなければならない。3:4 そうすれば、あなたがたは行いくべき道みちを知しることができるであろう。あなたがたは前まえにこの道みちをとおったことがないからである。しかし、あなたがたと箱はことの間あいだには、おおよそ二千キュビトの距離きょりをおかなければならない。それに近ちかづいてはならない」。3:5 ヨシュアはまた民たみに言いった、「あなたがたは身みを清きよめなさい。あす、主しゅがあなたがたのうちに不思議ふしぎを行おこなわれるからである」。3:6 ヨシュアは祭司さいしたちに言いった、「契約けいやくの箱はこをかき、民たみに先立さきだって渡わたりなさい」。そこで彼かれらは契約けいやくの箱はこをかき、民たみに先立さきだって進すすんだ。 3:7 主しゅはヨシュアに言いわれた、「きょうからわたしはすべてのイスラエルの前まえにあなたを尊たっとい者ものとするであろう。こうしてわたしがモーセと共ともにいたように、あなたとともにおることを彼かれらに知しらせるであろう。3:8 あなたは契約けいやくの箱はこをかく祭司さいしたちに命めいじて言いわなければならない、『あなたがたは、ヨルダンの水みずぎわへ行いくと、すぐ、ヨルダンの中なかに立たちとどまらなければならない』」。3:9 ヨシュアはイスラエルの人々ひとびとに言いった、「あなたがたはここに近ちかづいて、あなたがたの神かみ、主しゅの言葉ことばを聞ききなさい」。3:10 そしてヨシュアは言いった、「生いける神かみがあなたがたのうちにおいでになり、あなたがたの前まえから、カナンびと、ヘテびと、ヒビびと、ペリジびと、ギルガシびと、アモリびと、エブスびとを、必かならず追おい払はらわれることを、次つぎのことによって、あなたがたは知しるであろう。3:11 ごらんなさい。全ぜん地ちの主しゅの契約けいやくの箱はこは、あなたがたに先立さきだってヨルダンを渡わたろうとしている。3:12 それゆえ、今いま、イスラエルの部族ぶぞくのうちから、部族ぶぞくごとにひとりずつ、合あわせて十二人にんを選えらびなさい。3:13 全ぜん地ちの主しゅなる神かみの箱はこをかく祭司さいしたちの足あしの裏うらが、ヨルダンの水みずの中なかに踏ふみとどまる時とき、ヨルダンの水みずは流ながれをせきとめられ、上うえから流ながれくだる水みずはとどまって、うず高たかくなるであろう」。 3:14 こうして民たみはヨルダンを渡わたろうとして天幕てんまくをいで立たち、祭司さいしたちは契約けいやくの箱はこをかき、民たみに先立さきだって行いったが、3:15 箱はこをかく者ものがヨルダンにきて、箱はこをかく祭司さいしたちの足あしが水みずぎわにひたると同時どうじに、――ヨルダンは刈入かりいれの間あいだ中ぢゅう、岸きし一面いちめんにあふれるのであるが、――3:16 上うえから流ながれくだる水みずはとどまって、はるか遠とおくのザレタンのかたわらにある町まちアダムのあたりで、うず高たかく立たち、アラバの海うみすなわち塩しおの海うみの方ほうに流ながれくだる水みずは全まったくせきとめられたので、民たみはエリコに向むかって渡わたった。3:17 すべてのイスラエルが、かわいた地ちを渡わたって行いく間あいだ、主しゅの契約けいやくの箱はこをかく祭司さいしたちは、ヨルダンの中なかのかわいた地ちに立たっていた。そしてついに民たみはみなヨルダンを渡わたり終おわった。 第4章 4:1 民たみが皆みな、ヨルダンを渡わたり終おわった時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、4:2 「民たみのうちから、部族ぶぞくごとにひとりずつ、合あわせて十二人にんを選えらび、4:3 彼かれらに命めいじて言いいなさい、『ヨルダンの中なかで祭司さいしたちが足あしを踏ふみとどめたその所ところから、石いし十二を取とり、それを携たずさえて渡わたり、今夜こんやあなたがたが宿やどる場所ばしょにすえなさい』」。4:4 そこでヨシュアはイスラエルの人々ひとびとのうちから、部族ぶぞくごとに、ひとりずつ、かねて定さだめておいた十二人にんの者ものを召めし寄よせ、4:5 ヨシュアは彼かれらに言いった、「あなたがたの神かみ、主しゅの契約けいやくの箱はこの前まえに立たって行いき、ヨルダンの中なかに進すすみ入はいり、イスラエルの人々ひとびとの部族ぶぞくの数かずにしたがって、おのおの石いし一つを取とり上あげ、肩かたにのせて運はこびなさい。4:6 これはあなたがたのうちに、しるしとなるであろう。後のちの日ひになって、あなたがたの子こどもたちが、『これらの石いしは、どうしたわけですか』と問とうならば、4:7 その時ときあなたがたは彼かれらに、むかしヨルダンの水みずが、主しゅの契約けいやくの箱はこの前まえで、せきとめられたこと、すなわちその箱はこがヨルダンを渡わたった時とき、ヨルダンの水みずが、せきとめられたことを告つげなければならない。こうして、それらの石いしは永久えいきゅうにイスラエルの人々ひとびとの記念きねんとなるであろう」。 4:8 イスラエルの人々ひとびとはヨシュアが命めいじたようにし、主しゅがヨシュアに言いわれたように、イスラエルの人々ひとびとの部族ぶぞくの数かずにしたがって、ヨルダンの中なかから十二の石いしを取とり、それを携たずさえて渡わたり、彼かれらの宿やどる場所ばしょへ行いって、そこにすえた。4:9 ヨシュアはまたヨルダンの中なかで、契約けいやくの箱はこをかく祭司さいしたちが、足あしを踏ふみとどめた所ところに、十二の石いしを立たてたが、今日こんにちまで、そこに残のこっている。4:10 箱はこをかく祭司さいしたちは、主しゅがヨシュアに命めいじて、民たみに告つげさせられた事ことが、すべて行おこなわれてしまうまで、ヨルダンの中なかに立たっていた。すべてモーセがヨシュアに命めいじたとおりである。民たみは急いそいで渡わたった。4:11 民たみがみな渡わたり終おわった時とき、主しゅの箱はこと祭司さいしたちとは、民たみの見みる前まえで渡わたった。4:12 ルベンの子孫しそんとガドの子孫しそん、およびマナセの部族ぶぞくの半なかばは、モーセが彼かれらに命めいじていたように武装ぶそうして、イスラエルの人々ひとびとに先立さきだって渡わたり、4:13 戦たたかいのために武装ぶそうしたおおよそ四万の者ものが戦たたかうため、主しゅの前まえに渡わたって、エリコの平野へいやに着ついた。4:14 この日ひ、主しゅはイスラエルのすべての人ひとの前まえにヨシュアを尊たっとい者ものとされたので、彼かれらはみなモーセを敬うやまったように、ヨシュアを一生いっしょうのあいだ敬うやまった。 4:15 主しゅはヨシュアに言いわれた、4:16 「あかしの箱はこをかく祭司さいしたちに命めいじて、ヨルダンから上あがってこさせなさい」。4:17 ヨシュアは祭司さいしたちに命めいじて言いった、「ヨルダンから上あがってきなさい」。4:18 主しゅの契約けいやくの箱はこをかく祭司さいしたちはヨルダンの中なかから上あがってきたが、祭司さいしたちの足あしの裏うらがかわいた地ちにあがると同時どうじに、ヨルダンの水みずはもとの所ところに流ながれかえって、以前いぜんのように、その岸きしにことごとくあふれた。 4:19 民たみは正月しょうがつの十日かに、ヨルダンから上あがってきて、エリコの東ひがしの境さかいにあるギルガルに宿営しゅくえいした。4:20 そしてヨシュアは、人々ひとびとがヨルダンから取とってきた十二の石いしをギルガルに立たて、4:21 イスラエルの人々ひとびとに言いった、「後のちの日ひにあなたがたの子こどもたちが、その父ちちに『これらの石いしは、どうしたわけですか』とたずねたならば、4:22 『むかしイスラエルがこのヨルダンを、かわいた地ちにされて渡わたったのだ』と言いって、その子こどもたちに知しらせなければならない。4:23 すなわちあなたがたの神かみ、主しゅはヨルダンの水みずを、あなたがたのために干ほしからして、あなたがたを渡わたらせてくださった。それはあたかも、あなたがたの神かみ、主しゅが、われわれのために紅海こうかいを干ほしからして、われわれを渡わたらせてくださったのと同おなじである。4:24 このようにされたのは、地ちのすべての民たみに、主しゅの手てに力ちからのあることを知しらせ、あなたがたの神かみ、主しゅをつねに恐おそれさせるためである」。 第5章 5:1 ヨルダンの向むこう側がわ、すなわち西にしの方ほうにおるアモリびとの王おうたちと、海うみべにおるカナンびとの王おうたちとは皆みな、主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえで、ヨルダンの水みずを干ほしからして、彼かれらを渡わたらせられたと聞きいて、イスラエルの人々ひとびとのゆえに、心こころは消きえ、彼かれらのうちに、もはや元気げんきもなくなった。 5:2 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「火打石ひうちいしの小刀こがたなを造つくり、重かさねてまたイスラエルの人々ひとびとに割礼かつれいを行おこないなさい」。5:3 そこでヨシュアは火打石ひうちいしの小刀こがたなを造つくり、陽よう皮ひの丘おかで、イスラエルの人々ひとびとに割礼かつれいを行おこなった。5:4 ヨシュアが人々ひとびとに割礼かつれいを行おこなった理由りゆうはこうである。エジプトから出でてきた民たみのうちの、すべての男子だんし、すなわち、いくさびとたちは皆みな、エジプトを出でた後のち、途中とちゅう、荒野あらので死しんだが、5:5 その出でてきた民たみは皆みな、割礼かつれいを受うけた者ものであった。しかし、エジプトを出でた後のちに、途中とちゅう、荒野あらので生うまれた民たみは、みな割礼かつれいを受うけていなかった。5:6 イスラエルの人々ひとびとは四十年ねんの間あいだ、荒野あらのを歩あるいていて、そのエジプトから出でてきた民たみ、すなわち、いくさびとたちは、みな死しに絶たえた。これは彼かれらが主しゅの声こえに聞きき従したがわなかったので、主しゅは彼かれらの先祖せんぞたちに誓ちかって、われわれに与あたえると仰おおせられた地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる地ちを、彼かれらに見みさせないと誓ちかわれたからである。5:7 ヨシュアが割礼かつれいを行おこなったのは、この人々ひとびとについで起おこされたその子こどもたちであった。彼かれらは途中とちゅうで割礼かつれいを受うけていなかったので、無む割礼かつれいの者ものであったからである。 5:8 すべての民たみに割礼かつれいを行おこなうことが終おわったので、民たみは宿営しゅくえいのうちの自分じぶんの所ところにとどまって傷きずの直なおるのを待まった。5:9 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「きょう、わたしはエジプトのはずかしめを、あなたがたからころがし去さった」。それでその所ところの名なは、今日こんにちまでギルガルと呼よばれている。 5:10 イスラエルの人々ひとびとはギルガルに宿営しゅくえいしていたが、その月つきの十四日かの夕暮ゆうぐれ、エリコの平野へいやで過越すぎこしの祭まつりを行おこなった。5:11 そして過越すぎこしの祭まつりの翌日よくじつ、その地ちの穀物こくもつ、すなわち種たね入いれぬパンおよびいり麦むぎを、その日ひに食たべたが、5:12 その地ちの穀物こくもつを食たべた翌日よくじつから、マナの降ふることはやみ、イスラエルの人々ひとびとは、もはやマナを獲えなかった。その年としはカナンの地ちの産物さんぶつを食たべた。 5:13 ヨシュアがエリコの近ちかくにいたとき、目めを上あげて見みると、ひとりの人ひとが抜ぬき身みのつるぎを手てに持もち、こちらに向むかって立たっていたので、ヨシュアはその人ひとのところへ行いって言いった、「あなたはわれわれを助たすけるのですか。それともわれわれの敵てきを助たすけるのですか」。5:14 彼かれは言いった、「いや、わたしは主しゅの軍勢ぐんぜいの将しょうとして今いまきたのだ」。ヨシュアは地ちにひれ伏ふし拝はいして言いった、「わが主しゅは何なにをしもべに告つげようとされるのですか」。5:15 すると主しゅの軍勢ぐんぜいの将しょうはヨシュアに言いった、「あなたの足あしのくつを脱ぬぎなさい。あなたが立たっている所ところは聖せいなる所ところである」。ヨシュアはそのようにした。 第6章 6:1 さてエリコは、イスラエルの人々ひとびとのゆえに、かたく閉とざして、出入でいりするものがなかった。6:2 主しゅはヨシュアに言いわれた、「見みよ、わたしはエリコと、その王おうおよび大だい勇士ゆうしを、あなたの手てにわたしている。6:3 あなたがた、いくさびとはみな、町まちを巡めぐって、町まちの周囲しゅういを一度ど回まわらなければならない。六日むいかの間あいだそのようにしなければならない。6:4 七人にんの祭司さいしたちは、おのおの雄羊おひつじの角つののラッパを携たずさえて、箱はこに先立さきだたなければならない。そして七日なぬか目めには七度ど町まちを巡めぐり、祭司さいしたちはラッパを吹ふき鳴ならさなければならない。6:5 そして祭司さいしたちが雄羊おひつじの角つのを長ながく吹ふき鳴ならし、そのラッパの音おとが、あなたがたに聞きこえる時とき、民たみはみな大声おおごえに呼よばわり、叫さけばなければならない。そうすれば、町まちの周囲しゅういの石いしがきは、くずれ落おち、民たみはみなただちに進すすんで、攻せめ上のぼることができる」。6:6 ヌンの子こヨシュアは祭司さいしたちを召めして言いった、「あなたがたは契約けいやくの箱はこをかき、七人にんの祭司さいしたちは雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅの箱はこに先立さきだたなければならない」。6:7 そして民たみに言いった、「あなたがたは進すすんで行いって町まちを巡めぐりなさい。武装ぶそうした者ものは主しゅの箱はこに先立さきだって進すすまなければならない」。 6:8 ヨシュアが民たみに命めいじたように、七人にんの祭司さいしたちは、雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅに先立さきだって進すすみ、ラッパを吹ふき鳴ならした。主しゅの契約けいやくの箱はこはそのあとに従したがった。6:9 武装ぶそうした者ものはラッパを吹ふき鳴ならす祭司さいしたちに先立さきだって行いき、しんがりは箱はこに従したがった。ラッパは絶たえ間まなく鳴なり響ひびいた。6:10 しかし、ヨシュアは民たみに命めいじて言いった、「あなたがたは呼よばわってはならない。あなたがたの声こえを聞きこえさせてはならない。また口くちから言葉ことばを出だしてはならない。ただ、わたしが呼よばわれと命めいじる日ひに、あなたがたは呼よばわらなければならない」。6:11 こうして主しゅの箱はこを持もって、町まちを巡めぐらせ、その周囲しゅういを一度ど回まわらせた。人々ひとびとは宿営しゅくえいに帰かえり、夜よるを宿営しゅくえいで過すごした。 6:12 翌朝よくあさヨシュアは早はやく起おき、祭司さいしたちは主しゅの箱はこをかき、6:13 七人にんの祭司さいしたちは、雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅの箱はこに先立さきだち、絶たえず、ラッパを吹ふき鳴ならして進すすみ、武装ぶそうした者ものはこれに先立さきだって行いき、しんがりは主しゅの箱はこに従したがった。ラッパは絶たえ間まなく鳴なり響ひびいた。6:14 その次つぎの日ひにも、町まちの周囲しゅういを一度ど巡めぐって宿営しゅくえいに帰かえった。六日むいかの間あいだそのようにした。 6:15 七日なぬか目めには、夜明よあけに、早はやく起おき、同おなじようにして、町まちを七度どめぐった。町まちを七度どめぐったのはこの日ひだけであった。6:16 七度目どめに、祭司さいしたちがラッパを吹ふいた時とき、ヨシュアは民たみに言いった、「呼よばわりなさい。主しゅはこの町まちをあなたがたに賜たまわった。6:17 この町まちと、その中なかのすべてのものは、主しゅへの奉納物ほうのうぶつとして滅ほろぼされなければならない。ただし遊女ゆうじょラハブと、その家いえに共ともにおる者ものはみな生いかしておかなければならない。われわれが送おくった使者ししゃたちをかくまったからである。6:18 また、あなたがたは、奉納物ほうのうぶつに手てを触ふれてはならない。奉納ほうのうに当あたり、その奉納物ほうのうぶつをみずから取とって、イスラエルの宿営しゅくえいを、滅ほろぼさるべきものとし、それを悩なやますことのないためである。6:19 ただし、銀ぎんと金きん、青銅せいどうと鉄てつの器うつわは、みな主しゅに聖せいなる物ものであるから、主しゅの倉くらに携たずさえ入いれなければならない」。6:20 そこで民たみは呼よばわり、祭司さいしたちはラッパを吹ふき鳴ならした。民たみはラッパの音おとを聞きくと同時どうじに、みな大声おおごえをあげて呼よばわったので、石いしがきはくずれ落おちた。そこで民たみはみな、すぐに上のぼって町まちにはいり、町まちを攻せめ取とった。6:21 そして町まちにあるものは、男おとこも、女おんなも、若わかい者ものも、老おいた者ものも、また牛うし、羊ひつじ、ろばをも、ことごとくつるぎにかけて滅ほろぼした。 6:22 その時ときヨシュアは、この地ちを探さぐったふたりの人ひとに言いった、「あの遊女ゆうじょの家いえにはいって、その女おんなと彼女かのじょに属ぞくするすべてのものを連つれ出だし、彼女かのじょに誓ちかったようにしなさい」。6:23 斥候せっこうとなったその若わかい人ひとたちははいって、ラハブとその父母ふぼ、兄弟きょうだい、そのほか彼女かのじょに属ぞくするすべてのものを連つれ出だし、その親族しんぞくをみな連つれ出だして、イスラエルの宿営しゅくえいの外そとに置おいた。6:24 そして火ひで町まちとその中なかのすべてのものを焼やいた。ただ、銀ぎんと金きん、青銅せいどうと鉄てつの器うつわは、主しゅの家いえの倉くらに納おさめた。6:25 しかし、遊女ゆうじょラハブとその父ちちの家いえの一族いちぞくと彼女かのじょに属ぞくするすべてのものとは、ヨシュアが生いかしておいたので、ラハブは今日こんにちまでイスラエルのうちに住すんでいる。これはヨシュアがエリコを探さぐらせるためにつかわした使者ししゃたちをかくまったためである。 6:26 ヨシュアは、その時とき、人々ひとびとに誓ちかいを立たてて言いった、「おおよそ立たって、このエリコの町まちを再建さいけんする人ひとは、主しゅの前まえにのろわれるであろう。 その礎いしずえをすえる人ひとは長子ちょうしを失うしない、その門もんを建たてる人ひとは末すえの子こを失うしなうであろう」。6:27 主しゅはヨシュアと共ともにおられ、ヨシュアの名声めいせいは、あまねくその地ちに広ひろがった。 第7章 7:1 しかし、イスラエルの人々ひとびとは奉納物ほうのうぶつについて罪つみを犯おかした。すなわちユダの部族ぶぞくのうちの、ゼラの子こザブデの子こであるカルミの子こアカンが奉納物ほうのうぶつを取とったのである。それで主しゅはイスラエルの人々ひとびとにむかって怒いかりを発はっせられた。 7:2 ヨシュアはエリコから人々ひとびとをつかわし、ベテルの東ひがし、ベテアベンの近ちかくにあるアイに行いかせようとして、その人々ひとびとに言いった、「上のぼって行いって、かの地ちを探さぐってきなさい」。人々ひとびとは上のぼって行いって、アイを探さぐったが、7:3 ヨシュアのもとに帰かえってきて言いった、「民たみをことごとく行いかせるには及およびません。ただ二、三千人にんを上のぼらせて、アイを撃うたせなさい。彼かれらは少すくないのですから、民たみをことごとくあそこへやってほねおりをさせるには及およびません」。7:4 そこで民たみのうち、おおよそ三千人にんがそこに上のぼったが、ついにアイの人々ひとびとの前まえから逃にげ出だした。7:5 アイの人々ひとびとは彼かれらのうち、おおよそ三十六人にんを殺ころし、更さらに彼かれらを門もんの前まえからシバリムまで追おって、下くだり坂ざかで彼かれらを殺ころしたので、民たみの心こころは消きえて水みずのようになった。 7:6 そのためヨシュアは衣服いふくを裂さき、イスラエルの長老ちょうろうたちと共ともに、主しゅの箱はこの前まえで、夕方ゆうがたまで地ちにひれ伏ふし、ちりをかぶった。7:7 ヨシュアは言いった、「ああ、主しゅなる神かみよ、あなたはなにゆえ、この民たみにヨルダンを渡わたらせ、われわれをアモリびとの手てに渡わたして滅ほろぼさせられるのですか。われわれはヨルダンの向むこうに、安やすんじてとどまればよかったのです。7:8 ああ、主しゅよ。イスラエルがすでに敵てきに背せをむけた今いまとなって、わたしはまた何なにを言いい得えましょう。7:9 カナンびと、およびこの地ちに住すむすべてのものは、これを聞きいて、われわれを攻せめかこみ、われわれの名なを地ちから断たち去さってしまうでしょう。それであなたは、あなたの大おおいなる名なのために、何なにをしようとされるのですか」。 7:10 主しゅはヨシュアに言いわれた、「立たちなさい。あなたはどうして、そのようにひれ伏ふしているのか。7:11 イスラエルは罪つみを犯おかし、わたしが彼かれらに命めいじておいた契約けいやくを破やぶった。彼かれらは奉納物ほうのうぶつを取とり、盗ぬすみ、かつ偽いつわって、それを自分じぶんの所有物しょゆうぶつのうちに入いれた。7:12 それでイスラエルの人々ひとびとは敵てきに当あたることができず、敵てきに背せをむけた。彼かれらも滅ほろぼされるべきものとなったからである。あなたがたが、その滅ほろぼされるべきものを、あなたがたのうちから滅ほろぼし去さるのでなければ、わたしはもはやあなたがたとは共ともにいないであろう。7:13 立たって、民たみを清きよめて言いいなさい、『あなたがたは身みを清きよめて、あすのために備そなえなさい。イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、「イスラエルよ、あなたがたのうちに、滅ほろぼされるべきものがある。その滅ほろぼされるべきものを、あなたがたのうちから除のぞき去さるまでは、敵てきに当あたることはできないであろう」。7:14 それゆえ、あすの朝あさ、あなたがたは部族ぶぞくごとに進すすみ出でなければならない。そして主しゅがくじを当あてられる部族ぶぞくは、氏族しぞくごとに進すすみいで、主しゅがくじを当あてられる氏族しぞくは、家族かぞくごとに進すすみいで、主しゅがくじを当あてられる家族かぞくは、男おとこひとりびとり進すすみ出でなければならない。7:15 そしてその滅ほろぼされるべきものを持もっていて、くじを当あてられた者ものは、その持もち物もの全部ぜんぶと共ともに、火ひで焼やかれなければならない。主しゅの契約けいやくを破やぶりイスラエルのうちに愚おろかなことを行おこなったからである』」。 7:16 こうしてヨシュアは朝あさ早はやく起おき、イスラエルを部族ぶぞくごとに進すすみ出ださせたところ、ユダの部族ぶぞくがくじに当あたり、7:17 ユダのもろもろの氏族しぞくを進すすみ出ださせたところ、ゼラびとの氏族しぞくが、くじに当あたった。ゼラびとの氏族しぞくを家族かぞくごとに進すすみ出ださせたところ、ザブデの家族かぞくが、くじに当あたった。7:18 ザブデの家族かぞくを男おとこひとりびとり進すすみ出ださせたところ、アカンがくじに当あたった。アカンはユダの部族ぶぞくのうちの、ゼラの子こ、ザブデの子こなるカルミの子こである。7:19 その時ときヨシュアはアカンに言いった、「わが子こよ、イスラエルの神かみ、主しゅに栄光えいこうを帰きし、また主しゅをさんびし、あなたのしたことを今いまわたしに告つげなさい。わたしに隠かくしてはならない」。7:20 アカンはヨシュアに答こたえた、「ほんとうにわたしはイスラエルの神かみ、主しゅに対たいして罪つみを犯おかしました。わたしがしたのはこうです。7:21 わたしはぶんどり物もののうちに、シナルの美うつくしい外套がいとう一枚まいと銀ぎん二百シケルと、目方めかた五十シケルの金きんの延のべ棒ぼう一本ぽんのあるのを見みて、ほしくなり、それを取とりました。わたしの天幕てんまくの中なかに、地ちに隠かくしてあります。銀ぎんはその下したにあります」。 7:22 そこでヨシュアは使者ししゃたちをつかわした。使者ししゃたちが天幕てんまくに走はしっていって見みると、それは彼かれの天幕てんまくに隠かくしてあって、銀ぎんもその下したにあった。7:23 彼かれらはそれを天幕てんまくの中なかから取とり出だして、ヨシュアとイスラエルのすべての人々ひとびとの所ところに携たずさえてきたので、それを主しゅの前まえに置おいた。7:24 ヨシュアはすべてのイスラエルびとと共ともに、ゼラの子こアカンを捕とらえ、かの銀ぎんと外套がいとうと金きんの延のべ棒ぼう、および彼かれのむすこ、娘むすめ、牛うし、ろば、羊ひつじ、天幕てんまくなど、彼かれの持もち物ものをことごとく取とって、アコルの谷たにへ引ひいていった。7:25 そしてヨシュアは言いった、「なぜあなたはわれわれを悩なやましたのか。主しゅは、きょう、あなたを悩なやまされるであろう」。やがてすべてのイスラエルびとは石いしで彼かれを撃うち殺ころし、また彼かれの家族かぞくをも石いしで撃うち殺ころし、火ひをもって焼やいた。7:26 そしてアカンの上うえに石塚いしづかを大おおきく積つみ上あげたが、それは今日こんにちまで残のこっている。そして主しゅは激はげしい怒いかりをやめられたが、このことによって、その所ところの名なは今日こんにちまでアコルの谷たにと呼よばれている。 第8章 8:1 主しゅはヨシュアに言いわれた、「恐おそれてはならない、おののいてはならない。いくさびとを皆みな、率ひきい、立たって、アイに攻せめ上のぼりなさい。わたしはアイの王おうとその民たみ、その町まち、その地ちをあなたの手てに授さづける。8:2 あなたは、さきにエリコとその王おうにしたとおり、アイとその王おうとにしなければならない。ただし、ぶんどり物ものと家畜かちくとは戦利せんり品ひんとしてあなたがたのものとすることができるであろう。あなたはまず、町まちのうしろに伏兵ふくへいを置おきなさい」。 8:3 ヨシュアは立たって、すべてのいくさびとと共ともに、アイに攻せめ上のぼろうとして、まず大だい勇士ゆうし三万人にんを選えらび、それを夜よるのうちにつかわした。8:4 ヨシュアは彼かれらに命めいじて言いった、「あなたがたは町まちに向むかって、町まちのうしろに伏ふせていなければならない。町まちを遠とおく離はなれないで、みな備そなえをしていなければならない。8:5 わたしとわたしに従したがう民たみとは皆みな共ともに、町まちに攻せめ寄よせよう。そして彼かれらが前まえのようにわれわれにむかって出でてくるとき、われわれは彼かれらの前まえから逃にげるであろう。8:6 そうすれば彼かれらはわれわれを追おって出でてくるであろうから、われわれはついに彼かれらを町まちからおびき出だすことができる。彼かれらは言いうであろう、『この人々ひとびとはまた前まえのように、われわれの前まえから逃にげていく』。こうしてわれわれは彼かれらの前まえから逃にげるであろう。8:7 その時とき、あなたがたは伏ふせている所ところから立たち上あがって、町まちを取とらなければならない。あなたがたの神かみ、主しゅがそれをあなたがたの手てに与あたえられるからである。8:8 あなたがたが、町まちを取とったならば、町まちに火ひを放はなち、主しゅが命めいじられたようにしなければならない。わたしはこう、あなたがたに命めいじるのである」。8:9 そうしてヨシュアが彼かれらをつかわしたので、彼かれらはアイの西方せいほう、ベテルとアイの間あいだの待まち伏ぶせする場所ばしょに行いって身みを伏ふせた。ヨシュアはその夜よる、民たみの中なかに宿やどった。 8:10 ヨシュアは明あくる朝あさ、早はやく起おきて、民たみを集あつめ、イスラエルの長老ちょうろうたちと共ともに、民たみに先立さきだって、アイに上のぼっていった。8:11 彼かれと共ともにいたいくさびとたちもみな上のぼっていって、町まちの前まえに近ちかづき、アイの北きたに陣じんを取とった。彼かれらとアイの間あいだには、一つの谷たにがあった。8:12 ヨシュアはおおよそ五千人にんをとって、町まちの西方せいほう、ベテルとアイの間あいだに、伏ふせておいた。8:13 こうして民たみの主力しゅりょくを町まちの北きたにおき、しんがりを町まちの西にしにおいた。ヨシュアはその夜よ、谷たにの中なかで宿やどった。8:14 アイの王おうはこれを見みて、すべての民たみと共ともに、急いそいで、早はやく起おき、アラバに行いく下くだり坂ざかに進すすみ出でて、イスラエルと戦たたかった。しかし、王おうは町まちのうしろに、すきをうかがう伏兵ふくへいのおることを知しらなかった。8:15 ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとと共ともに、彼かれらに打うち破やぶられたふりをして、荒野あらのの方向ほうこうへ逃にげだしたので、8:16 その町まちの民たみはみな呼よばわり集あつまって彼かれらのあとを追おい、ヨシュアのあとを追おって町まちからおびき出だされ、8:17 アイにもベテルにも残のこっているものはひとりもなく、みな出でてイスラエルのあとを追おい、町まちを開あけ放はなして、イスラエルのあとを追おった。 8:18 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「あなたの手てにあるなげやりを、アイの方ほうにさし伸のべなさい。わたしはその町まちをあなたの手てに与あたえるであろう」。そこでヨシュアが手てにしていたなげやりを、アイの方ほうにさし伸のべると、8:19 伏兵ふくへいはたちまちその場所ばしょから立たち上あがり、ヨシュアが手てをのべると同時どうじに、走はしって町まちに入はいり、それを取とって、ただちに町まちに火ひをかけた。8:20 それでアイの人々ひとびとが、うしろをふり返かえって見みると、町まちの焼やける煙けむりが天てんに立たちのぼっていたので、こちらへもあちらへも逃にげるすべがなかった。荒野あらのへ逃にげていった民たみも身みをかえして、追おってきた者ものに迫せまった。8:21 ヨシュアとすべてのイスラエルびとは、伏兵ふくへいが町まちを取とり、町まちの焼やける煙けむりが立たち上のぼるのを見みて、身みをかえしてアイの人々ひとびとを撃うった。8:22 また町まちを取とったものは町まちを出でて彼かれらに向むかったので、彼かれらは、こちらとあちらとからイスラエルの中なかにはさまれた。こうしてイスラエルびとが彼かれらを撃うったので、生いき残のこったもの、逃にげおおせたものは、ひとりもなかった。8:23 そしてアイの王おうを生いけどりにして、ヨシュアのもとへ連つれてきた。 8:24 イスラエルびとは、荒野あらのに追撃ついげきしてきたアイの住民じゅうみんをことごとく野ので殺ころし、つるぎをもってひとりも残のこさず撃うち倒たおしてのち、皆みなアイに帰かえり、つるぎをもってその町まちを撃うち滅ほろぼした。8:25 その日ひアイの人々ひとびとはことごとく倒たおれた。その数かずは男女だんじょあわせて一万二千人にんであった。8:26 ヨシュアはアイの住民じゅうみんをことごとく滅ほろぼしつくすまでは、なげやりをさし伸のべた手てを引ひっこめなかった。8:27 ただし、その町まちの家畜かちくおよび、ぶんどり品ひんはイスラエルびとが自分じぶんたちの戦利せんり品ひんとして取とった。主しゅがヨシュアに命めいじられた言葉ことばにしたがったのである。8:28 こうしてヨシュアはアイを焼やいて、永久えいきゅうに荒塚あらつかとしたが、それは今日こんにちまで荒あれ地ちとなっている。8:29 ヨシュアはまた、アイの王おうを夕方ゆうがたまで木きに掛かけてさらし、日ひの入いるころ、命めいじて、その死体したいを木きから取とりおろし、町まちの門もんの入口いりぐちに投なげすて、その上うえに石いしの大塚おおつかを積つみ上あげさせたが、それは今日こんにちまで残のこっている。 8:30 そしてヨシュアはエバル山やまにイスラエルの神かみ、主しゅのために一つの祭壇さいだんを築きずいた。8:31 これは主しゅのしもべモーセがイスラエルの人々ひとびとに命めいじたことにもとづき、モーセの律法りっぽうの書しょにしるされているように、鉄てつの道具どうぐを当あてない自然しぜんのままの石いしの祭壇さいだんであって、人々ひとびとはその上うえで、主しゅに燔祭はんさいをささげ、酬恩祭しゅうおんさいを供そなえた。8:32 その所ところで、ヨシュアはまたモーセの書かきしるした律法りっぽうを、イスラエルの人々ひとびとの前まえで、石いしに書かき写うつした。8:33 こうしてすべてのイスラエルびとは、本国ほんごく人じんも、寄留きりゅうの他国たこく人じんも、長老ちょうろう、つかさびと、さばきびとと共ともに、主しゅの契約けいやくの箱はこをかくレビびとである祭司さいしたちの前まえで、箱はこのこなたとかなたに分わかれて、半なかばはゲリジム山やまの前まえに、半なかばはエバル山やまの前まえに立たった。これは主しゅのしもべモーセがさきに命めいじたように、イスラエルの民たみを祝福しゅくふくするためであった。8:34 そして後のち、ヨシュアはすべての律法りっぽうの書しょにしるされている所ところにしたがって、祝福しゅくふくと、のろいとに関かんする律法りっぽうの言葉ことばをことごとく読よんだ。8:35 モーセが命めいじたすべての言葉ことばのうち、ヨシュアがイスラエルの全ぜん会衆かいしゅうおよび女おんなと子こどもたち、ならびにイスラエルのうちに住すむ寄留きりゅうの他国たこく人じんの前まえで、読よまなかったものは一つもなかった。 第9章 9:1 さて、ヨルダンの西側にしがわの、山地さんち、平地へいち、およびレバノンまでの大海たいかいの沿岸えんがんに住すむもろもろの王おうたち、すなわちヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの王おうたちは、これを聞きいて、9:2 心こころを合あわせ、相あい集あつまって、ヨシュアおよびイスラエルと戦たたかおうとした。 9:3 しかし、ギベオンの住民じゅうみんたちは、ヨシュアがエリコとアイにおこなったことを聞きいて、9:4 自分じぶんたちも策略さくりゃくをめぐらし、行いって食料しょくりょう品ひんを準備じゅんびし、古ふるびた袋ふくろと、古ふるびて破やぶれたのを繕つくろったぶどう酒しゅの皮かわ袋ぶくろとを、ろばに負おわせ、9:5 繕つくろった古ふるぐつを足あしにはき、古ふるびた着物きものを身みにつけた。彼かれらの食料しょくりょうのパンは、みなかわいて、砕くだけていた。9:6 彼かれらはギルガルの陣営じんえいのヨシュアの所ところにきて、彼かれとイスラエルの人々ひとびとに言いった、「われわれは遠とおい国くにからまいりました。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」。9:7 しかし、イスラエルの人々ひとびとはそのヒビびとたちに言いった、「あなたがたはわれわれのうちに住すんでいるのかも知しれないから、われわれはどうしてあなたがたと契約けいやくが結むすべましょう」。9:8 彼かれらはヨシュアに言いった、「われわれはあなたのしもべです」。ヨシュアは彼かれらに言いった、「あなたがたはだれですか。どこからきたのですか」。9:9 彼かれらはヨシュアに言いった、「しもべどもはあなたの神かみ、主しゅの名なのゆえに、ひじょうに遠とおい国くにからまいりました。われわれは主しゅの名声めいせい、および主しゅがエジプトで行おこなわれたすべての事ことを聞きき、9:10 また主しゅがヨルダンの向むこう側がわにいたアモリびとのふたりの王おう、すなわちヘシボンの王おうシホン、およびアシタロテにおったバシャンの王おうオグに行おこなわれたすべてのことを聞きいたからです。9:11 それで、われわれの長老ちょうろうたち、および国くにの住民じゅうみんはみなわれわれに言いいました、『おまえたちは旅路たびじの食料しょくりょうを手てに携たずさえていって、彼かれらに会あって言いいなさい、「われわれはあなたがたのしもべです。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」』。9:12 ここにあるこのパンは、あなたがたの所ところに来くるため、われわれが出立しゅったつする日ひに、おのおの家いえから、まだあたたかなのを旅たびの食料しょくりょうとして準備じゅんびしたのですが、今いまはもうかわいて砕くだけています。9:13 またぶどう酒しゅを満みたしたこれらの皮かわ袋ぶくろも、新あたらしかったのですが、破やぶれました。われわれのこの着物きものも、くつも、旅路たびじがひじょうに長ながかったので、古ふるびてしまいました」。9:14 そこでイスラエルの人々ひとびとは彼かれらの食料しょくりょう品ひんを共ともに食たべ、主しゅのさしずを求もとめようとはしなかった。9:15 そしてヨシュアは彼かれらと和わを講こうじ、契約けいやくを結むすんで、彼かれらを生いかしておいた。会衆かいしゅうの長ちょうたちは彼かれらに誓ちかいを立たてた。 9:16 契約けいやくを結むすんで三日かの後のちに、彼かれらはその人々ひとびとが近ちかくの人々ひとびとで、自分じぶんたちのうちに住すんでいるということを聞きいた。9:17 イスラエルの人々ひとびとは進すすんで、三日か目めにその町々まちまちに着ついた。その町々まちまちとは、ギベオン、ケピラ、ベエロテおよびキリアテ・ヤリムであった。9:18 ところで会衆かいしゅうの長ちょうたちが、すでにイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかいを立たてていたので、イスラエルの人々ひとびとは彼かれらを殺ころさなかった。そこで会衆かいしゅうはみな、長ちょうたちにむかってつぶやいた。9:19 しかし、長ちょうたちは皆みな、全ぜん会衆かいしゅうに言いった、「われわれはイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかった。それゆえ今いま、彼かれらに触ふれてはならない。9:20 われわれは、こうして彼かれらを生いかしておこう。そうすれば、われわれが彼かれらに立たてた誓ちかいのゆえに、怒いかりがわれわれに臨のぞむことはないであろう」。9:21 長ちょうたちはまた人々ひとびとに「彼かれらを生いかしておこう」と言いったので、彼かれらはついに、全ぜん会衆かいしゅうのために、たきぎを切きり、水みずをくむものとなった。長ちょうたちが彼かれらに言いったとおりである。 9:22 ヨシュアは彼かれらを呼よび寄よせて言いった、「あなたがたは、われわれのうちに住すみながら、なぜ『われわれはあなたがたからは遠とおく離はなれている』と言いって、われわれをだましたのか。9:23 それであなたがたは今いまのろわれ、奴隷どれいとなってわたしの神かみの家いえのために、たきぎを切きり、水みずをくむものが、絶たえずあなたがたのうちから出でるであろう」。9:24 彼かれらはヨシュアに答こたえて言いった、「あなたの神かみ、主しゅがそのしもべモーセに、この地ちをことごとくあなたがたに与あたえ、この地ちに住すむ民たみをことごとくあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さるようにと、お命めいじになったことを、しもべどもは明あきらかに伝つたえ聞ききましたので、あなたがたのゆえに、命いのちが危あやういと、われわれは非常ひじょうに恐おそれて、このことをしたのです。9:25 われわれは、今いま、あなたの手てのうちにあります。われわれにあなたがして良よいと思おもい、正ただしいと思おもうことをしてください」。9:26 そこでヨシュアは、彼かれらにそのようにし、彼かれらをイスラエルの人々ひとびとの手てから救すくって殺ころさせなかった。9:27 しかし、ヨシュアは、その日ひ、彼かれらを、会衆かいしゅうのため、また主しゅの祭壇さいだんのため、主しゅが選えらばれる場所ばしょで、たきぎを切きり、水みずをくむ者ものとした。これは今日こんにちまでつづいている。 第10章 10:1 エルサレムの王おうアドニゼデクは、ヨシュアがアイを攻せめ取とって、それを全まったく滅ほろぼし、さきにエリコとその王おうとにしたように、アイとその王おうにもしたこと、またギベオンの住民じゅうみんが、イスラエルと和わを講こうじて、そのうちにおることを聞きき、10:2 大おおいに恐おそれた。それは、ギベオンが大おおきな町まちであって、王おうの都みやこにもひとしいものであり、またアイより大おおきくて、そのうちの人々ひとびとが、すべて強つよかったからである。10:3 それでエルサレムの王おうアドニゼデクは、ヘブロンの王おうホハム、ヤルムテの王おうピラム、ラキシの王おうヤピア、およびエグロンの王おうデビルに人ひとをつかわして言いった、10:4 「わたしの所ところに上のぼってきて、わたしを助たすけてください。われわれはギベオンを撃うちましょう。ギベオンはヨシュアおよびイスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじたからです」。10:5 アモリびとの五人にんの王おう、すなわちエルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうは兵へいを集あつめ、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて上のぼってきて、ギベオンに向むかって陣じんを取とり、それを攻せめて戦たたかった。 10:6 ギベオンの人々ひとびとは、ギルガルの陣営じんえいに人ひとをつかわし、ヨシュアに言いった、「あなたの手てを引ひかないで、しもべどもを助たすけてください。早はやく、われわれの所ところに上のぼってきて、われわれを救すくい、助たすけてください。山地さんちに住すむアモリびとの王おうたちがみな集あつまって、われわれを攻せめるからです」。10:7 そこでヨシュアはすべてのいくさびとと、すべての大だい勇士ゆうしを率ひきいて、ギルガルから上のぼって行いった。10:8 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらを恐おそれてはならない。わたしが彼かれらをあなたの手てにわたしたからである。彼かれらのうちには、あなたに当あたることのできるものは、ひとりもないであろう」。10:9 ヨシュアは、ギルガルから、よもすがら進すすみのぼって、にわかに彼かれらに攻せめよせたところ、10:10 主しゅは彼かれらを、イスラエルの前まえに、恐おそれあわてさせられたので、イスラエルはギベオンで彼かれらをおびただしく撃うち殺ころし、ベテホロンの上のぼり坂ざかをとおって逃にげる彼かれらを、アゼカとマッケダまで追撃ついげきした。10:11 彼かれらがイスラエルの前まえから逃にげ走はしって、ベテホロンの下くだり坂ざかをおりていた時とき、主しゅは天てんから彼かれらの上うえに大石おおいしを降ふらし、アゼカにいたるまでもそうされたので、多おおくの人々ひとびとが死しんだ。イスラエルの人々ひとびとがつるぎをもって殺ころしたものよりも、雹ひょうに打うたれて死しんだもののほうが多おおかった。 10:12 主しゅがアモリびとをイスラエルの人々ひとびとにわたされた日ひに、ヨシュアはイスラエルの人々ひとびとの前まえで主しゅにむかって言いった、 「日ひよ、ギベオンの上うえにとどまれ、月つきよ、アヤロンの谷たににやすらえ」。10:13 民たみがその敵てきを撃うち破やぶるまで、日ひはとどまり、月つきは動うごかなかった。これはヤシャルの書しょにしるされているではないか。日ひが天てんの中空ちゅうくうにとどまって、急いそいで没ぼっしなかったこと、おおよそ一日にちであった。10:14 これより先さきにも、あとにも、主しゅがこのように人ひとの言葉ことばを聞ききいれられた日ひは一日にちもなかった。主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたからである。 10:15 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとと共ともにギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 10:16 かの五人にんの王おうたちは逃にげて行いって、マッケダのほら穴あなに隠かくれたが、10:17 五人にんの王おうたちがマッケダのほら穴あなにかくれているのが見みつかったと、ヨシュアに告つげる者ものがあったので、10:18 ヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちに大石おおいしをころがし、そのそばに人ひとを置おいて、守まもらせなさい。10:19 ただし、あなたがたは、そこにとどまらないで、敵てきのあとを追おい、そのしんがりを撃うち、彼かれらをその町まちにはいらせてはならない。あなたがたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたがたの手てに渡わたされたからである」。10:20 ヨシュアとイスラエルの人々ひとびとは、大おおいに彼かれらを撃うち殺ころし、ついに彼かれらを滅ほろぼしつくしたが、彼かれらのうちのがれて生いき残のこった者ものどもは、堅固けんごな町々まちまちに逃にげこんだので、10:21 民たみはみな安やすらかにマッケダの陣営じんえいのヨシュアのもとに帰かえってきたが、イスラエルの人々ひとびとにむかって舌したを鳴ならす者ものはひとりもなかった。 10:22 その時ときヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちを開ひらいて、ほら穴あなから、かの五人にんの王おうたちを、わたしのもとにひき出だしなさい」。10:23 やがて、そのようにして、かの五人にんの王おうたち、すなわち、エルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうを、ほら穴あなから彼かれのもとにひき出だした。10:24 この王おうたちをヨシュアのもとにひき出だした時とき、ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとを呼よび寄よせ、自分じぶんと共ともに行いったいくさびとの長ちょうたちに言いった、「近寄ちかよって、この王おうたちのくびに足あしをかけなさい」。そこで近寄ちかよって、その王おうたちのくびに足あしをかけたので、10:25 ヨシュアは彼かれらに言いった、「恐おそれおののいてはならない。強つよくまた雄々おおしくあれ。あなたがたが攻せめて戦たたかうすべての敵てきには、主しゅがこのようにされるのである」。10:26 そして後のちヨシュアは彼かれらを撃うって死しなせ、五本ほんの木きにかけて、夕暮ゆうぐれまで木きの上うえにさらして置おいたが、10:27 日ひの入いるころになって、ヨシュアが命めいじたので、これを木きからおろし、彼かれらが隠かくれていたほら穴あなに投なげ入いれ、ほら穴あなの口くちに大石おおいしを置おいた。これは今日こんにちまで残のこっている。 10:28 その日ひヨシュアはマッケダを取とり、つるぎをもって、それと、その王おうとを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、エリコの王おうにしたように、マッケダの王おうにもした。 10:29 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、マッケダからリブナに進すすみ、リブナを攻せめて戦たたかった。10:30 主しゅが、それと、その王おうをも、イスラエルの手てに渡わたされたので、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼして、ひとりもその中なかに残のこさず、エリコの王おうにしたように、その王おうにもした。 10:31 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、リブナからラキシに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:32 主しゅがラキシをイスラエルの手てに渡わたされたので、ふつか目めにこれを取とり、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼした。すべてリブナにしたとおりであった。 10:33 その時とき、ゲゼルの王おうホラムが、ラキシを助たすけるために上のぼってきたので、ヨシュアは彼かれと、その民たみとを撃うち滅ほろぼして、ついにひとりも残のこさなかった。 10:34 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ラキシからエグロンに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:35 その日ひこれを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとくその日ひに滅ほろぼした。すべてラキシにしたとおりであった。 10:36 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、エグロンからヘブロンに進すすみ上のぼり、これを攻せめて戦たたかい、10:37 それを取とって、それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちと、その中なかのすべての人ひとを、つるぎをもって撃うち滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。すべてエグロンにしたとおりであった。すなわち、それとその中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼした。 10:38 またヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、デビルへひきかえし、これを攻せめて戦たたかい、10:39 それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちを取とり、つるぎをもってそれを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。彼かれがデビルと、その王おうにしたことは、ヘブロンにしたとおりであり、またリブナと、その王おうにしたとおりであった。 10:40 こうしてヨシュアはその地ちの全部ぜんぶ、すなわち、山地さんち、ネゲブ、平地へいち、および山腹さんぷくの地ちと、そのすべての王おうたちを撃うち滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、すべて息いきのあるものは、ことごとく滅ほろぼした。イスラエルの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりであった。10:41 ヨシュアはカデシ・バルネアからガザまでの国々くにぐに、およびゴセンの全ぜん地ちを撃うち滅ほろぼして、ギベオンにまで及およんだ。10:42 イスラエルの神かみ、主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたので、ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、その地ちをいちどきに取とった。10:43 そしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 第11章 11:1 ハゾルの王おうヤビンは、これを聞きいて、マドンの王おうヨバブ、シムロンの王おう、およびアクサフの王おう、11:2 また北きたの山地さんち、キンネロテの南みなみのアラバ、平地へいち、西にしの方ほうのドルの高地こうちにおる王おうたち、11:3 すなわち、東西とうざいのカナンびと、アモリびと、ヘテびと、ペリジびと、山地さんちのエブスびと、ミヅパの地ちにあるヘルモンのふもとのヒビびとに使者ししゃをつかわした。11:4 そして彼かれらは、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて出でてきた。その大軍たいぐんは浜はまべの砂すなのように数多かずおおく、馬うまと戦車せんしゃも、ひじょうに多おおかった。11:5 これらの王おうたちはみな軍ぐんを集あつめ、進すすんできて、共ともにメロムの水みずのほとりに陣じんをしき、イスラエルと戦たたかおうとした。11:6 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらのゆえに恐おそれてはならない。あすの今いまごろ、わたしは彼かれらを皆みなイスラエルに渡わたして、ことごとく殺ころさせるであろう。あなたは彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やかなければならない」。11:7 そこでヨシュアは、すべてのいくさびとを率ひきいて、にわかにメロムの水みずのほとりにおし寄よせ、彼かれらを襲おそった。11:8 主しゅは彼かれらをイスラエルの手てに渡わたされたので、これを撃うち破やぶり、大だいシドンおよびミスレポテ・マイムまで、これを追撃ついげきし、東ひがしの方ほうでは、ミヅパの谷たにまで彼かれらを追おい、ついにひとりも残のこさず撃うちとった。11:9 ヨシュアは主しゅが命めいじられたとおりに彼かれらに行おこない、彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やいた。 11:10 その時とき、ヨシュアはひきかえして、ハゾルを取とり、つるぎをもって、その王おうを撃うった。ハゾルは昔むかし、これらすべての国々くにぐにの盟主めいしゅであったからである。11:11 彼かれらはつるぎをもって、その中なかのすべての人ひとを撃うち、ことごとくそれを滅ほろぼし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。そして火ひをもってハゾルを焼やいた。11:12 ヨシュアはこれらの王おうたちのすべての町々まちまち、およびその諸王しょおうを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、ことごとく滅ほろぼした。主しゅのしもべモーセが命めいじたとおりであった。11:13 ただし、丘おかの上うえに立たっている町々まちまちをイスラエルは焼やかなかった。ヨシュアはただハゾルだけを焼やいた。11:14 これらの町まちのすべてのぶんどり物ものと家畜かちくとは、イスラエルの人々ひとびとが戦利せんり品ひんとして取とったが、人ひとはみなつるぎをもって、滅ほろぼし尽つくし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。11:15 主しゅがそのしもべモーセに命めいじられたように、モーセはヨシュアに命めいじたが、ヨシュアはそのとおりにおこなった。すべて主しゅがモーセに命めいじられたことで、ヨシュアが行おこなわなかったことは一つもなかった。 11:16 こうしてヨシュアはその全ぜん地ち、すなわち、山地さんち、ネゲブの全ぜん地ち、ゴセンの全ぜん地ち、平地へいち、アラバならびにイスラエルの山地さんちと平地へいちを取とり、11:17 セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やまから、ヘルモン山やまのふもとのレバノンの谷たににあるバアルガデまでを獲えた。そしてそれらの王おうたちを、ことごとく捕とらえて、撃うち殺ころした。11:18 ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、長ながいあいだ戦たたかった。11:19 ギベオンの住民じゅうみんヒビびとのほかには、イスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじた町まちは一つもなかった。町々まちまちはみな戦争せんそうをして、攻せめ取とったものであった。11:20 彼かれらが心こころをかたくなにして、イスラエルに攻せめよせたのは、もともと主しゅがそうさせられたので、彼かれらがのろわれた者ものとなり、あわれみを受うけず、ことごとく滅ほろぼされるためであった。主しゅがモーセに命めいじられたとおりである。 11:21 その時とき、ヨシュアはまた行いって、山地さんち、ヘブロン、デビル、アナブ、ユダのすべての山地さんち、イスラエルのすべての山地さんちから、アナクびとを断たち、彼かれらの町々まちまちをも共ともに滅ほろぼした。11:22 それでイスラエルの人々ひとびとの地ちに、アナクびとは、ひとりもいなくなった。ただガサ、ガテ、アシドドには、少すこし残のこっているだけであった。11:23 こうしてヨシュアはその地ちを、ことごとく取とった。すべて主しゅがモーセに告つげられたとおりである。そしてヨシュアはイスラエルの部族ぶぞくにそれぞれの分ぶんを与あたえて、嗣し業ぎょうとさせた。こうしてその地ちに戦争せんそうはやんだ。 第12章 12:1 さてヨルダンの向むこう側がわ、日ひの出での方ほうで、アルノンの谷たにからヘルモン山やままで、および東ひがしアラバの全土ぜんどのうちで、イスラエルの人々ひとびとが撃うち滅ほろぼして地ちを取とった国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。12:2 まず、アモリびとの王おうシホン。彼かれはヘシボンに住すみ、その領地りょうちは、アルノンの谷たにのほとりにあるアロエル、および谷たにの中なかの町まちから、ギレアデの半なかばを占しめて、アンモンびととの境さかいであるヤボク川かわに達たっし、12:3 東ひがしの方ほうではアラバをキンネレテの湖みずうみまで占しめ、またアラバの海うみすなわち塩しおの海うみの東ひがしにおよび、ベテエシモテの道みちを経へて、南みなみはピスガの山やまのふもとに達たっした。12:4 次つぎにレパイムの生いき残のこりのひとりであったバシャンの王おうオグ。彼かれはアシタロテとエデレイとに住すみ、12:5 ヘルモン山やま、サレカ、およびバシャンの全土ぜんどを領りょうしたので、ゲシュルびと、およびマアカびとと境さかいを接せっし、またギレアデの半なかばを領りょうしたので、ヘシボンの王おうシホンと境さかいを接せっしていた。12:6 主しゅのしもべモーセと、イスラエルの人々ひとびととが、彼かれらを撃うち滅ほろぼし、そして主しゅのしもべモーセは、これらの地ちを、ルベンびと、ガドびと、およびマナセの半はん部族ぶぞくに与あたえて所有しょゆうとさせた。 12:7 ヨルダンのこちら側がわ、西にしの方ほうにあって、レバノンの谷たににあるバアルガデから、セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やままでの間あいだで、ヨシュアと、イスラエルの人々ひとびととが、撃うち滅ほろぼした国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。ヨシュアは彼かれらの地ちをイスラエルの部族ぶぞくに、それぞれの分ぶんを与あたえて嗣し業ぎょうとさせた。12:8 これは、山地さんち、平地へいち、アラバ、山腹さんぷく、荒野あらの、およびネゲブであって、ヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの所領しょりょうであった。12:9 エリコの王おうひとり。ベテルのほとりのアイの王おうひとり。12:10 エルサレムの王おうひとり。ヘブロンの王おうひとり。12:11 ヤルムテの王おうひとり。ラキシの王おうひとり。12:12 エグロンの王おうひとり。ゲゼルの王おうひとり。12:13 デビルの王おうひとり。ゲデルの王おうひとり。12:14 ホルマの王おうひとり。アラデの王おうひとり。12:15 リブナの王おうひとり。アドラムの王おうひとり。12:16 マッケダの王おうひとり。ベテルの王おうひとり。12:17 タップアの王おうひとり。ヘペルの王おうひとり。12:18 アペクの王おうひとり。シャロンの王おうひとり。12:19 マドンの王おうひとり。ハゾルの王おうひとり。12:20 シムロン・メロンの王おうひとり。アクサフの王おうひとり。12:21 タアナクの王おうひとり。メギドの王おうひとり。12:22 ケデシの王おうひとり。カルメルのヨクネアムの王おうひとり。12:23 ドルの高地こうちにおるドルの王おうひとり。ガリラヤのゴイイムの王おうひとり。12:24 テルザの王おうひとり。合あわせて三十一王おうである。
3:1 ヨシュアは朝あさ早はやく起おき、イスラエルの人々ひとびとすべてとともにシッテムを出立しゅったつして、ヨルダンに行いき、それを渡わたらずに、そこに宿やどった。
3:2 三日かの後のち、つかさたちは宿営しゅくえいの中なかを行いき巡めぐり、
3:3 民たみに命めいじて言いった、「レビびとである祭司さいしたちが、あなたがたの神かみ、主しゅの契約けいやくの箱はこをかきあげるのを見みるならば、あなたがたはその所ところを出立しゅったつして、そのあとに従したがわなければならない。
3:4 そうすれば、あなたがたは行いくべき道みちを知しることができるであろう。あなたがたは前まえにこの道みちをとおったことがないからである。しかし、あなたがたと箱はことの間あいだには、おおよそ二千キュビトの距離きょりをおかなければならない。それに近ちかづいてはならない」。
3:5 ヨシュアはまた民たみに言いった、「あなたがたは身みを清きよめなさい。あす、主しゅがあなたがたのうちに不思議ふしぎを行おこなわれるからである」。
3:6 ヨシュアは祭司さいしたちに言いった、「契約けいやくの箱はこをかき、民たみに先立さきだって渡わたりなさい」。そこで彼かれらは契約けいやくの箱はこをかき、民たみに先立さきだって進すすんだ。
3:7 主しゅはヨシュアに言いわれた、「きょうからわたしはすべてのイスラエルの前まえにあなたを尊たっとい者ものとするであろう。こうしてわたしがモーセと共ともにいたように、あなたとともにおることを彼かれらに知しらせるであろう。
3:8 あなたは契約けいやくの箱はこをかく祭司さいしたちに命めいじて言いわなければならない、『あなたがたは、ヨルダンの水みずぎわへ行いくと、すぐ、ヨルダンの中なかに立たちとどまらなければならない』」。
3:9 ヨシュアはイスラエルの人々ひとびとに言いった、「あなたがたはここに近ちかづいて、あなたがたの神かみ、主しゅの言葉ことばを聞ききなさい」。
3:10 そしてヨシュアは言いった、「生いける神かみがあなたがたのうちにおいでになり、あなたがたの前まえから、カナンびと、ヘテびと、ヒビびと、ペリジびと、ギルガシびと、アモリびと、エブスびとを、必かならず追おい払はらわれることを、次つぎのことによって、あなたがたは知しるであろう。
3:11 ごらんなさい。全ぜん地ちの主しゅの契約けいやくの箱はこは、あなたがたに先立さきだってヨルダンを渡わたろうとしている。
3:12 それゆえ、今いま、イスラエルの部族ぶぞくのうちから、部族ぶぞくごとにひとりずつ、合あわせて十二人にんを選えらびなさい。
3:13 全ぜん地ちの主しゅなる神かみの箱はこをかく祭司さいしたちの足あしの裏うらが、ヨルダンの水みずの中なかに踏ふみとどまる時とき、ヨルダンの水みずは流ながれをせきとめられ、上うえから流ながれくだる水みずはとどまって、うず高たかくなるであろう」。
3:14 こうして民たみはヨルダンを渡わたろうとして天幕てんまくをいで立たち、祭司さいしたちは契約けいやくの箱はこをかき、民たみに先立さきだって行いったが、
3:15 箱はこをかく者ものがヨルダンにきて、箱はこをかく祭司さいしたちの足あしが水みずぎわにひたると同時どうじに、――ヨルダンは刈入かりいれの間あいだ中ぢゅう、岸きし一面いちめんにあふれるのであるが、――
3:16 上うえから流ながれくだる水みずはとどまって、はるか遠とおくのザレタンのかたわらにある町まちアダムのあたりで、うず高たかく立たち、アラバの海うみすなわち塩しおの海うみの方ほうに流ながれくだる水みずは全まったくせきとめられたので、民たみはエリコに向むかって渡わたった。
3:17 すべてのイスラエルが、かわいた地ちを渡わたって行いく間あいだ、主しゅの契約けいやくの箱はこをかく祭司さいしたちは、ヨルダンの中なかのかわいた地ちに立たっていた。そしてついに民たみはみなヨルダンを渡わたり終おわった。
第4章 4:1 民たみが皆みな、ヨルダンを渡わたり終おわった時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、4:2 「民たみのうちから、部族ぶぞくごとにひとりずつ、合あわせて十二人にんを選えらび、4:3 彼かれらに命めいじて言いいなさい、『ヨルダンの中なかで祭司さいしたちが足あしを踏ふみとどめたその所ところから、石いし十二を取とり、それを携たずさえて渡わたり、今夜こんやあなたがたが宿やどる場所ばしょにすえなさい』」。4:4 そこでヨシュアはイスラエルの人々ひとびとのうちから、部族ぶぞくごとに、ひとりずつ、かねて定さだめておいた十二人にんの者ものを召めし寄よせ、4:5 ヨシュアは彼かれらに言いった、「あなたがたの神かみ、主しゅの契約けいやくの箱はこの前まえに立たって行いき、ヨルダンの中なかに進すすみ入はいり、イスラエルの人々ひとびとの部族ぶぞくの数かずにしたがって、おのおの石いし一つを取とり上あげ、肩かたにのせて運はこびなさい。4:6 これはあなたがたのうちに、しるしとなるであろう。後のちの日ひになって、あなたがたの子こどもたちが、『これらの石いしは、どうしたわけですか』と問とうならば、4:7 その時ときあなたがたは彼かれらに、むかしヨルダンの水みずが、主しゅの契約けいやくの箱はこの前まえで、せきとめられたこと、すなわちその箱はこがヨルダンを渡わたった時とき、ヨルダンの水みずが、せきとめられたことを告つげなければならない。こうして、それらの石いしは永久えいきゅうにイスラエルの人々ひとびとの記念きねんとなるであろう」。 4:8 イスラエルの人々ひとびとはヨシュアが命めいじたようにし、主しゅがヨシュアに言いわれたように、イスラエルの人々ひとびとの部族ぶぞくの数かずにしたがって、ヨルダンの中なかから十二の石いしを取とり、それを携たずさえて渡わたり、彼かれらの宿やどる場所ばしょへ行いって、そこにすえた。4:9 ヨシュアはまたヨルダンの中なかで、契約けいやくの箱はこをかく祭司さいしたちが、足あしを踏ふみとどめた所ところに、十二の石いしを立たてたが、今日こんにちまで、そこに残のこっている。4:10 箱はこをかく祭司さいしたちは、主しゅがヨシュアに命めいじて、民たみに告つげさせられた事ことが、すべて行おこなわれてしまうまで、ヨルダンの中なかに立たっていた。すべてモーセがヨシュアに命めいじたとおりである。民たみは急いそいで渡わたった。4:11 民たみがみな渡わたり終おわった時とき、主しゅの箱はこと祭司さいしたちとは、民たみの見みる前まえで渡わたった。4:12 ルベンの子孫しそんとガドの子孫しそん、およびマナセの部族ぶぞくの半なかばは、モーセが彼かれらに命めいじていたように武装ぶそうして、イスラエルの人々ひとびとに先立さきだって渡わたり、4:13 戦たたかいのために武装ぶそうしたおおよそ四万の者ものが戦たたかうため、主しゅの前まえに渡わたって、エリコの平野へいやに着ついた。4:14 この日ひ、主しゅはイスラエルのすべての人ひとの前まえにヨシュアを尊たっとい者ものとされたので、彼かれらはみなモーセを敬うやまったように、ヨシュアを一生いっしょうのあいだ敬うやまった。 4:15 主しゅはヨシュアに言いわれた、4:16 「あかしの箱はこをかく祭司さいしたちに命めいじて、ヨルダンから上あがってこさせなさい」。4:17 ヨシュアは祭司さいしたちに命めいじて言いった、「ヨルダンから上あがってきなさい」。4:18 主しゅの契約けいやくの箱はこをかく祭司さいしたちはヨルダンの中なかから上あがってきたが、祭司さいしたちの足あしの裏うらがかわいた地ちにあがると同時どうじに、ヨルダンの水みずはもとの所ところに流ながれかえって、以前いぜんのように、その岸きしにことごとくあふれた。 4:19 民たみは正月しょうがつの十日かに、ヨルダンから上あがってきて、エリコの東ひがしの境さかいにあるギルガルに宿営しゅくえいした。4:20 そしてヨシュアは、人々ひとびとがヨルダンから取とってきた十二の石いしをギルガルに立たて、4:21 イスラエルの人々ひとびとに言いった、「後のちの日ひにあなたがたの子こどもたちが、その父ちちに『これらの石いしは、どうしたわけですか』とたずねたならば、4:22 『むかしイスラエルがこのヨルダンを、かわいた地ちにされて渡わたったのだ』と言いって、その子こどもたちに知しらせなければならない。4:23 すなわちあなたがたの神かみ、主しゅはヨルダンの水みずを、あなたがたのために干ほしからして、あなたがたを渡わたらせてくださった。それはあたかも、あなたがたの神かみ、主しゅが、われわれのために紅海こうかいを干ほしからして、われわれを渡わたらせてくださったのと同おなじである。4:24 このようにされたのは、地ちのすべての民たみに、主しゅの手てに力ちからのあることを知しらせ、あなたがたの神かみ、主しゅをつねに恐おそれさせるためである」。 第5章 5:1 ヨルダンの向むこう側がわ、すなわち西にしの方ほうにおるアモリびとの王おうたちと、海うみべにおるカナンびとの王おうたちとは皆みな、主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえで、ヨルダンの水みずを干ほしからして、彼かれらを渡わたらせられたと聞きいて、イスラエルの人々ひとびとのゆえに、心こころは消きえ、彼かれらのうちに、もはや元気げんきもなくなった。 5:2 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「火打石ひうちいしの小刀こがたなを造つくり、重かさねてまたイスラエルの人々ひとびとに割礼かつれいを行おこないなさい」。5:3 そこでヨシュアは火打石ひうちいしの小刀こがたなを造つくり、陽よう皮ひの丘おかで、イスラエルの人々ひとびとに割礼かつれいを行おこなった。5:4 ヨシュアが人々ひとびとに割礼かつれいを行おこなった理由りゆうはこうである。エジプトから出でてきた民たみのうちの、すべての男子だんし、すなわち、いくさびとたちは皆みな、エジプトを出でた後のち、途中とちゅう、荒野あらので死しんだが、5:5 その出でてきた民たみは皆みな、割礼かつれいを受うけた者ものであった。しかし、エジプトを出でた後のちに、途中とちゅう、荒野あらので生うまれた民たみは、みな割礼かつれいを受うけていなかった。5:6 イスラエルの人々ひとびとは四十年ねんの間あいだ、荒野あらのを歩あるいていて、そのエジプトから出でてきた民たみ、すなわち、いくさびとたちは、みな死しに絶たえた。これは彼かれらが主しゅの声こえに聞きき従したがわなかったので、主しゅは彼かれらの先祖せんぞたちに誓ちかって、われわれに与あたえると仰おおせられた地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる地ちを、彼かれらに見みさせないと誓ちかわれたからである。5:7 ヨシュアが割礼かつれいを行おこなったのは、この人々ひとびとについで起おこされたその子こどもたちであった。彼かれらは途中とちゅうで割礼かつれいを受うけていなかったので、無む割礼かつれいの者ものであったからである。 5:8 すべての民たみに割礼かつれいを行おこなうことが終おわったので、民たみは宿営しゅくえいのうちの自分じぶんの所ところにとどまって傷きずの直なおるのを待まった。5:9 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「きょう、わたしはエジプトのはずかしめを、あなたがたからころがし去さった」。それでその所ところの名なは、今日こんにちまでギルガルと呼よばれている。 5:10 イスラエルの人々ひとびとはギルガルに宿営しゅくえいしていたが、その月つきの十四日かの夕暮ゆうぐれ、エリコの平野へいやで過越すぎこしの祭まつりを行おこなった。5:11 そして過越すぎこしの祭まつりの翌日よくじつ、その地ちの穀物こくもつ、すなわち種たね入いれぬパンおよびいり麦むぎを、その日ひに食たべたが、5:12 その地ちの穀物こくもつを食たべた翌日よくじつから、マナの降ふることはやみ、イスラエルの人々ひとびとは、もはやマナを獲えなかった。その年としはカナンの地ちの産物さんぶつを食たべた。 5:13 ヨシュアがエリコの近ちかくにいたとき、目めを上あげて見みると、ひとりの人ひとが抜ぬき身みのつるぎを手てに持もち、こちらに向むかって立たっていたので、ヨシュアはその人ひとのところへ行いって言いった、「あなたはわれわれを助たすけるのですか。それともわれわれの敵てきを助たすけるのですか」。5:14 彼かれは言いった、「いや、わたしは主しゅの軍勢ぐんぜいの将しょうとして今いまきたのだ」。ヨシュアは地ちにひれ伏ふし拝はいして言いった、「わが主しゅは何なにをしもべに告つげようとされるのですか」。5:15 すると主しゅの軍勢ぐんぜいの将しょうはヨシュアに言いった、「あなたの足あしのくつを脱ぬぎなさい。あなたが立たっている所ところは聖せいなる所ところである」。ヨシュアはそのようにした。 第6章 6:1 さてエリコは、イスラエルの人々ひとびとのゆえに、かたく閉とざして、出入でいりするものがなかった。6:2 主しゅはヨシュアに言いわれた、「見みよ、わたしはエリコと、その王おうおよび大だい勇士ゆうしを、あなたの手てにわたしている。6:3 あなたがた、いくさびとはみな、町まちを巡めぐって、町まちの周囲しゅういを一度ど回まわらなければならない。六日むいかの間あいだそのようにしなければならない。6:4 七人にんの祭司さいしたちは、おのおの雄羊おひつじの角つののラッパを携たずさえて、箱はこに先立さきだたなければならない。そして七日なぬか目めには七度ど町まちを巡めぐり、祭司さいしたちはラッパを吹ふき鳴ならさなければならない。6:5 そして祭司さいしたちが雄羊おひつじの角つのを長ながく吹ふき鳴ならし、そのラッパの音おとが、あなたがたに聞きこえる時とき、民たみはみな大声おおごえに呼よばわり、叫さけばなければならない。そうすれば、町まちの周囲しゅういの石いしがきは、くずれ落おち、民たみはみなただちに進すすんで、攻せめ上のぼることができる」。6:6 ヌンの子こヨシュアは祭司さいしたちを召めして言いった、「あなたがたは契約けいやくの箱はこをかき、七人にんの祭司さいしたちは雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅの箱はこに先立さきだたなければならない」。6:7 そして民たみに言いった、「あなたがたは進すすんで行いって町まちを巡めぐりなさい。武装ぶそうした者ものは主しゅの箱はこに先立さきだって進すすまなければならない」。 6:8 ヨシュアが民たみに命めいじたように、七人にんの祭司さいしたちは、雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅに先立さきだって進すすみ、ラッパを吹ふき鳴ならした。主しゅの契約けいやくの箱はこはそのあとに従したがった。6:9 武装ぶそうした者ものはラッパを吹ふき鳴ならす祭司さいしたちに先立さきだって行いき、しんがりは箱はこに従したがった。ラッパは絶たえ間まなく鳴なり響ひびいた。6:10 しかし、ヨシュアは民たみに命めいじて言いった、「あなたがたは呼よばわってはならない。あなたがたの声こえを聞きこえさせてはならない。また口くちから言葉ことばを出だしてはならない。ただ、わたしが呼よばわれと命めいじる日ひに、あなたがたは呼よばわらなければならない」。6:11 こうして主しゅの箱はこを持もって、町まちを巡めぐらせ、その周囲しゅういを一度ど回まわらせた。人々ひとびとは宿営しゅくえいに帰かえり、夜よるを宿営しゅくえいで過すごした。 6:12 翌朝よくあさヨシュアは早はやく起おき、祭司さいしたちは主しゅの箱はこをかき、6:13 七人にんの祭司さいしたちは、雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅの箱はこに先立さきだち、絶たえず、ラッパを吹ふき鳴ならして進すすみ、武装ぶそうした者ものはこれに先立さきだって行いき、しんがりは主しゅの箱はこに従したがった。ラッパは絶たえ間まなく鳴なり響ひびいた。6:14 その次つぎの日ひにも、町まちの周囲しゅういを一度ど巡めぐって宿営しゅくえいに帰かえった。六日むいかの間あいだそのようにした。 6:15 七日なぬか目めには、夜明よあけに、早はやく起おき、同おなじようにして、町まちを七度どめぐった。町まちを七度どめぐったのはこの日ひだけであった。6:16 七度目どめに、祭司さいしたちがラッパを吹ふいた時とき、ヨシュアは民たみに言いった、「呼よばわりなさい。主しゅはこの町まちをあなたがたに賜たまわった。6:17 この町まちと、その中なかのすべてのものは、主しゅへの奉納物ほうのうぶつとして滅ほろぼされなければならない。ただし遊女ゆうじょラハブと、その家いえに共ともにおる者ものはみな生いかしておかなければならない。われわれが送おくった使者ししゃたちをかくまったからである。6:18 また、あなたがたは、奉納物ほうのうぶつに手てを触ふれてはならない。奉納ほうのうに当あたり、その奉納物ほうのうぶつをみずから取とって、イスラエルの宿営しゅくえいを、滅ほろぼさるべきものとし、それを悩なやますことのないためである。6:19 ただし、銀ぎんと金きん、青銅せいどうと鉄てつの器うつわは、みな主しゅに聖せいなる物ものであるから、主しゅの倉くらに携たずさえ入いれなければならない」。6:20 そこで民たみは呼よばわり、祭司さいしたちはラッパを吹ふき鳴ならした。民たみはラッパの音おとを聞きくと同時どうじに、みな大声おおごえをあげて呼よばわったので、石いしがきはくずれ落おちた。そこで民たみはみな、すぐに上のぼって町まちにはいり、町まちを攻せめ取とった。6:21 そして町まちにあるものは、男おとこも、女おんなも、若わかい者ものも、老おいた者ものも、また牛うし、羊ひつじ、ろばをも、ことごとくつるぎにかけて滅ほろぼした。 6:22 その時ときヨシュアは、この地ちを探さぐったふたりの人ひとに言いった、「あの遊女ゆうじょの家いえにはいって、その女おんなと彼女かのじょに属ぞくするすべてのものを連つれ出だし、彼女かのじょに誓ちかったようにしなさい」。6:23 斥候せっこうとなったその若わかい人ひとたちははいって、ラハブとその父母ふぼ、兄弟きょうだい、そのほか彼女かのじょに属ぞくするすべてのものを連つれ出だし、その親族しんぞくをみな連つれ出だして、イスラエルの宿営しゅくえいの外そとに置おいた。6:24 そして火ひで町まちとその中なかのすべてのものを焼やいた。ただ、銀ぎんと金きん、青銅せいどうと鉄てつの器うつわは、主しゅの家いえの倉くらに納おさめた。6:25 しかし、遊女ゆうじょラハブとその父ちちの家いえの一族いちぞくと彼女かのじょに属ぞくするすべてのものとは、ヨシュアが生いかしておいたので、ラハブは今日こんにちまでイスラエルのうちに住すんでいる。これはヨシュアがエリコを探さぐらせるためにつかわした使者ししゃたちをかくまったためである。 6:26 ヨシュアは、その時とき、人々ひとびとに誓ちかいを立たてて言いった、「おおよそ立たって、このエリコの町まちを再建さいけんする人ひとは、主しゅの前まえにのろわれるであろう。 その礎いしずえをすえる人ひとは長子ちょうしを失うしない、その門もんを建たてる人ひとは末すえの子こを失うしなうであろう」。6:27 主しゅはヨシュアと共ともにおられ、ヨシュアの名声めいせいは、あまねくその地ちに広ひろがった。 第7章 7:1 しかし、イスラエルの人々ひとびとは奉納物ほうのうぶつについて罪つみを犯おかした。すなわちユダの部族ぶぞくのうちの、ゼラの子こザブデの子こであるカルミの子こアカンが奉納物ほうのうぶつを取とったのである。それで主しゅはイスラエルの人々ひとびとにむかって怒いかりを発はっせられた。 7:2 ヨシュアはエリコから人々ひとびとをつかわし、ベテルの東ひがし、ベテアベンの近ちかくにあるアイに行いかせようとして、その人々ひとびとに言いった、「上のぼって行いって、かの地ちを探さぐってきなさい」。人々ひとびとは上のぼって行いって、アイを探さぐったが、7:3 ヨシュアのもとに帰かえってきて言いった、「民たみをことごとく行いかせるには及およびません。ただ二、三千人にんを上のぼらせて、アイを撃うたせなさい。彼かれらは少すくないのですから、民たみをことごとくあそこへやってほねおりをさせるには及およびません」。7:4 そこで民たみのうち、おおよそ三千人にんがそこに上のぼったが、ついにアイの人々ひとびとの前まえから逃にげ出だした。7:5 アイの人々ひとびとは彼かれらのうち、おおよそ三十六人にんを殺ころし、更さらに彼かれらを門もんの前まえからシバリムまで追おって、下くだり坂ざかで彼かれらを殺ころしたので、民たみの心こころは消きえて水みずのようになった。 7:6 そのためヨシュアは衣服いふくを裂さき、イスラエルの長老ちょうろうたちと共ともに、主しゅの箱はこの前まえで、夕方ゆうがたまで地ちにひれ伏ふし、ちりをかぶった。7:7 ヨシュアは言いった、「ああ、主しゅなる神かみよ、あなたはなにゆえ、この民たみにヨルダンを渡わたらせ、われわれをアモリびとの手てに渡わたして滅ほろぼさせられるのですか。われわれはヨルダンの向むこうに、安やすんじてとどまればよかったのです。7:8 ああ、主しゅよ。イスラエルがすでに敵てきに背せをむけた今いまとなって、わたしはまた何なにを言いい得えましょう。7:9 カナンびと、およびこの地ちに住すむすべてのものは、これを聞きいて、われわれを攻せめかこみ、われわれの名なを地ちから断たち去さってしまうでしょう。それであなたは、あなたの大おおいなる名なのために、何なにをしようとされるのですか」。 7:10 主しゅはヨシュアに言いわれた、「立たちなさい。あなたはどうして、そのようにひれ伏ふしているのか。7:11 イスラエルは罪つみを犯おかし、わたしが彼かれらに命めいじておいた契約けいやくを破やぶった。彼かれらは奉納物ほうのうぶつを取とり、盗ぬすみ、かつ偽いつわって、それを自分じぶんの所有物しょゆうぶつのうちに入いれた。7:12 それでイスラエルの人々ひとびとは敵てきに当あたることができず、敵てきに背せをむけた。彼かれらも滅ほろぼされるべきものとなったからである。あなたがたが、その滅ほろぼされるべきものを、あなたがたのうちから滅ほろぼし去さるのでなければ、わたしはもはやあなたがたとは共ともにいないであろう。7:13 立たって、民たみを清きよめて言いいなさい、『あなたがたは身みを清きよめて、あすのために備そなえなさい。イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、「イスラエルよ、あなたがたのうちに、滅ほろぼされるべきものがある。その滅ほろぼされるべきものを、あなたがたのうちから除のぞき去さるまでは、敵てきに当あたることはできないであろう」。7:14 それゆえ、あすの朝あさ、あなたがたは部族ぶぞくごとに進すすみ出でなければならない。そして主しゅがくじを当あてられる部族ぶぞくは、氏族しぞくごとに進すすみいで、主しゅがくじを当あてられる氏族しぞくは、家族かぞくごとに進すすみいで、主しゅがくじを当あてられる家族かぞくは、男おとこひとりびとり進すすみ出でなければならない。7:15 そしてその滅ほろぼされるべきものを持もっていて、くじを当あてられた者ものは、その持もち物もの全部ぜんぶと共ともに、火ひで焼やかれなければならない。主しゅの契約けいやくを破やぶりイスラエルのうちに愚おろかなことを行おこなったからである』」。 7:16 こうしてヨシュアは朝あさ早はやく起おき、イスラエルを部族ぶぞくごとに進すすみ出ださせたところ、ユダの部族ぶぞくがくじに当あたり、7:17 ユダのもろもろの氏族しぞくを進すすみ出ださせたところ、ゼラびとの氏族しぞくが、くじに当あたった。ゼラびとの氏族しぞくを家族かぞくごとに進すすみ出ださせたところ、ザブデの家族かぞくが、くじに当あたった。7:18 ザブデの家族かぞくを男おとこひとりびとり進すすみ出ださせたところ、アカンがくじに当あたった。アカンはユダの部族ぶぞくのうちの、ゼラの子こ、ザブデの子こなるカルミの子こである。7:19 その時ときヨシュアはアカンに言いった、「わが子こよ、イスラエルの神かみ、主しゅに栄光えいこうを帰きし、また主しゅをさんびし、あなたのしたことを今いまわたしに告つげなさい。わたしに隠かくしてはならない」。7:20 アカンはヨシュアに答こたえた、「ほんとうにわたしはイスラエルの神かみ、主しゅに対たいして罪つみを犯おかしました。わたしがしたのはこうです。7:21 わたしはぶんどり物もののうちに、シナルの美うつくしい外套がいとう一枚まいと銀ぎん二百シケルと、目方めかた五十シケルの金きんの延のべ棒ぼう一本ぽんのあるのを見みて、ほしくなり、それを取とりました。わたしの天幕てんまくの中なかに、地ちに隠かくしてあります。銀ぎんはその下したにあります」。 7:22 そこでヨシュアは使者ししゃたちをつかわした。使者ししゃたちが天幕てんまくに走はしっていって見みると、それは彼かれの天幕てんまくに隠かくしてあって、銀ぎんもその下したにあった。7:23 彼かれらはそれを天幕てんまくの中なかから取とり出だして、ヨシュアとイスラエルのすべての人々ひとびとの所ところに携たずさえてきたので、それを主しゅの前まえに置おいた。7:24 ヨシュアはすべてのイスラエルびとと共ともに、ゼラの子こアカンを捕とらえ、かの銀ぎんと外套がいとうと金きんの延のべ棒ぼう、および彼かれのむすこ、娘むすめ、牛うし、ろば、羊ひつじ、天幕てんまくなど、彼かれの持もち物ものをことごとく取とって、アコルの谷たにへ引ひいていった。7:25 そしてヨシュアは言いった、「なぜあなたはわれわれを悩なやましたのか。主しゅは、きょう、あなたを悩なやまされるであろう」。やがてすべてのイスラエルびとは石いしで彼かれを撃うち殺ころし、また彼かれの家族かぞくをも石いしで撃うち殺ころし、火ひをもって焼やいた。7:26 そしてアカンの上うえに石塚いしづかを大おおきく積つみ上あげたが、それは今日こんにちまで残のこっている。そして主しゅは激はげしい怒いかりをやめられたが、このことによって、その所ところの名なは今日こんにちまでアコルの谷たにと呼よばれている。 第8章 8:1 主しゅはヨシュアに言いわれた、「恐おそれてはならない、おののいてはならない。いくさびとを皆みな、率ひきい、立たって、アイに攻せめ上のぼりなさい。わたしはアイの王おうとその民たみ、その町まち、その地ちをあなたの手てに授さづける。8:2 あなたは、さきにエリコとその王おうにしたとおり、アイとその王おうとにしなければならない。ただし、ぶんどり物ものと家畜かちくとは戦利せんり品ひんとしてあなたがたのものとすることができるであろう。あなたはまず、町まちのうしろに伏兵ふくへいを置おきなさい」。 8:3 ヨシュアは立たって、すべてのいくさびとと共ともに、アイに攻せめ上のぼろうとして、まず大だい勇士ゆうし三万人にんを選えらび、それを夜よるのうちにつかわした。8:4 ヨシュアは彼かれらに命めいじて言いった、「あなたがたは町まちに向むかって、町まちのうしろに伏ふせていなければならない。町まちを遠とおく離はなれないで、みな備そなえをしていなければならない。8:5 わたしとわたしに従したがう民たみとは皆みな共ともに、町まちに攻せめ寄よせよう。そして彼かれらが前まえのようにわれわれにむかって出でてくるとき、われわれは彼かれらの前まえから逃にげるであろう。8:6 そうすれば彼かれらはわれわれを追おって出でてくるであろうから、われわれはついに彼かれらを町まちからおびき出だすことができる。彼かれらは言いうであろう、『この人々ひとびとはまた前まえのように、われわれの前まえから逃にげていく』。こうしてわれわれは彼かれらの前まえから逃にげるであろう。8:7 その時とき、あなたがたは伏ふせている所ところから立たち上あがって、町まちを取とらなければならない。あなたがたの神かみ、主しゅがそれをあなたがたの手てに与あたえられるからである。8:8 あなたがたが、町まちを取とったならば、町まちに火ひを放はなち、主しゅが命めいじられたようにしなければならない。わたしはこう、あなたがたに命めいじるのである」。8:9 そうしてヨシュアが彼かれらをつかわしたので、彼かれらはアイの西方せいほう、ベテルとアイの間あいだの待まち伏ぶせする場所ばしょに行いって身みを伏ふせた。ヨシュアはその夜よる、民たみの中なかに宿やどった。 8:10 ヨシュアは明あくる朝あさ、早はやく起おきて、民たみを集あつめ、イスラエルの長老ちょうろうたちと共ともに、民たみに先立さきだって、アイに上のぼっていった。8:11 彼かれと共ともにいたいくさびとたちもみな上のぼっていって、町まちの前まえに近ちかづき、アイの北きたに陣じんを取とった。彼かれらとアイの間あいだには、一つの谷たにがあった。8:12 ヨシュアはおおよそ五千人にんをとって、町まちの西方せいほう、ベテルとアイの間あいだに、伏ふせておいた。8:13 こうして民たみの主力しゅりょくを町まちの北きたにおき、しんがりを町まちの西にしにおいた。ヨシュアはその夜よ、谷たにの中なかで宿やどった。8:14 アイの王おうはこれを見みて、すべての民たみと共ともに、急いそいで、早はやく起おき、アラバに行いく下くだり坂ざかに進すすみ出でて、イスラエルと戦たたかった。しかし、王おうは町まちのうしろに、すきをうかがう伏兵ふくへいのおることを知しらなかった。8:15 ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとと共ともに、彼かれらに打うち破やぶられたふりをして、荒野あらのの方向ほうこうへ逃にげだしたので、8:16 その町まちの民たみはみな呼よばわり集あつまって彼かれらのあとを追おい、ヨシュアのあとを追おって町まちからおびき出だされ、8:17 アイにもベテルにも残のこっているものはひとりもなく、みな出でてイスラエルのあとを追おい、町まちを開あけ放はなして、イスラエルのあとを追おった。 8:18 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「あなたの手てにあるなげやりを、アイの方ほうにさし伸のべなさい。わたしはその町まちをあなたの手てに与あたえるであろう」。そこでヨシュアが手てにしていたなげやりを、アイの方ほうにさし伸のべると、8:19 伏兵ふくへいはたちまちその場所ばしょから立たち上あがり、ヨシュアが手てをのべると同時どうじに、走はしって町まちに入はいり、それを取とって、ただちに町まちに火ひをかけた。8:20 それでアイの人々ひとびとが、うしろをふり返かえって見みると、町まちの焼やける煙けむりが天てんに立たちのぼっていたので、こちらへもあちらへも逃にげるすべがなかった。荒野あらのへ逃にげていった民たみも身みをかえして、追おってきた者ものに迫せまった。8:21 ヨシュアとすべてのイスラエルびとは、伏兵ふくへいが町まちを取とり、町まちの焼やける煙けむりが立たち上のぼるのを見みて、身みをかえしてアイの人々ひとびとを撃うった。8:22 また町まちを取とったものは町まちを出でて彼かれらに向むかったので、彼かれらは、こちらとあちらとからイスラエルの中なかにはさまれた。こうしてイスラエルびとが彼かれらを撃うったので、生いき残のこったもの、逃にげおおせたものは、ひとりもなかった。8:23 そしてアイの王おうを生いけどりにして、ヨシュアのもとへ連つれてきた。 8:24 イスラエルびとは、荒野あらのに追撃ついげきしてきたアイの住民じゅうみんをことごとく野ので殺ころし、つるぎをもってひとりも残のこさず撃うち倒たおしてのち、皆みなアイに帰かえり、つるぎをもってその町まちを撃うち滅ほろぼした。8:25 その日ひアイの人々ひとびとはことごとく倒たおれた。その数かずは男女だんじょあわせて一万二千人にんであった。8:26 ヨシュアはアイの住民じゅうみんをことごとく滅ほろぼしつくすまでは、なげやりをさし伸のべた手てを引ひっこめなかった。8:27 ただし、その町まちの家畜かちくおよび、ぶんどり品ひんはイスラエルびとが自分じぶんたちの戦利せんり品ひんとして取とった。主しゅがヨシュアに命めいじられた言葉ことばにしたがったのである。8:28 こうしてヨシュアはアイを焼やいて、永久えいきゅうに荒塚あらつかとしたが、それは今日こんにちまで荒あれ地ちとなっている。8:29 ヨシュアはまた、アイの王おうを夕方ゆうがたまで木きに掛かけてさらし、日ひの入いるころ、命めいじて、その死体したいを木きから取とりおろし、町まちの門もんの入口いりぐちに投なげすて、その上うえに石いしの大塚おおつかを積つみ上あげさせたが、それは今日こんにちまで残のこっている。 8:30 そしてヨシュアはエバル山やまにイスラエルの神かみ、主しゅのために一つの祭壇さいだんを築きずいた。8:31 これは主しゅのしもべモーセがイスラエルの人々ひとびとに命めいじたことにもとづき、モーセの律法りっぽうの書しょにしるされているように、鉄てつの道具どうぐを当あてない自然しぜんのままの石いしの祭壇さいだんであって、人々ひとびとはその上うえで、主しゅに燔祭はんさいをささげ、酬恩祭しゅうおんさいを供そなえた。8:32 その所ところで、ヨシュアはまたモーセの書かきしるした律法りっぽうを、イスラエルの人々ひとびとの前まえで、石いしに書かき写うつした。8:33 こうしてすべてのイスラエルびとは、本国ほんごく人じんも、寄留きりゅうの他国たこく人じんも、長老ちょうろう、つかさびと、さばきびとと共ともに、主しゅの契約けいやくの箱はこをかくレビびとである祭司さいしたちの前まえで、箱はこのこなたとかなたに分わかれて、半なかばはゲリジム山やまの前まえに、半なかばはエバル山やまの前まえに立たった。これは主しゅのしもべモーセがさきに命めいじたように、イスラエルの民たみを祝福しゅくふくするためであった。8:34 そして後のち、ヨシュアはすべての律法りっぽうの書しょにしるされている所ところにしたがって、祝福しゅくふくと、のろいとに関かんする律法りっぽうの言葉ことばをことごとく読よんだ。8:35 モーセが命めいじたすべての言葉ことばのうち、ヨシュアがイスラエルの全ぜん会衆かいしゅうおよび女おんなと子こどもたち、ならびにイスラエルのうちに住すむ寄留きりゅうの他国たこく人じんの前まえで、読よまなかったものは一つもなかった。 第9章 9:1 さて、ヨルダンの西側にしがわの、山地さんち、平地へいち、およびレバノンまでの大海たいかいの沿岸えんがんに住すむもろもろの王おうたち、すなわちヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの王おうたちは、これを聞きいて、9:2 心こころを合あわせ、相あい集あつまって、ヨシュアおよびイスラエルと戦たたかおうとした。 9:3 しかし、ギベオンの住民じゅうみんたちは、ヨシュアがエリコとアイにおこなったことを聞きいて、9:4 自分じぶんたちも策略さくりゃくをめぐらし、行いって食料しょくりょう品ひんを準備じゅんびし、古ふるびた袋ふくろと、古ふるびて破やぶれたのを繕つくろったぶどう酒しゅの皮かわ袋ぶくろとを、ろばに負おわせ、9:5 繕つくろった古ふるぐつを足あしにはき、古ふるびた着物きものを身みにつけた。彼かれらの食料しょくりょうのパンは、みなかわいて、砕くだけていた。9:6 彼かれらはギルガルの陣営じんえいのヨシュアの所ところにきて、彼かれとイスラエルの人々ひとびとに言いった、「われわれは遠とおい国くにからまいりました。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」。9:7 しかし、イスラエルの人々ひとびとはそのヒビびとたちに言いった、「あなたがたはわれわれのうちに住すんでいるのかも知しれないから、われわれはどうしてあなたがたと契約けいやくが結むすべましょう」。9:8 彼かれらはヨシュアに言いった、「われわれはあなたのしもべです」。ヨシュアは彼かれらに言いった、「あなたがたはだれですか。どこからきたのですか」。9:9 彼かれらはヨシュアに言いった、「しもべどもはあなたの神かみ、主しゅの名なのゆえに、ひじょうに遠とおい国くにからまいりました。われわれは主しゅの名声めいせい、および主しゅがエジプトで行おこなわれたすべての事ことを聞きき、9:10 また主しゅがヨルダンの向むこう側がわにいたアモリびとのふたりの王おう、すなわちヘシボンの王おうシホン、およびアシタロテにおったバシャンの王おうオグに行おこなわれたすべてのことを聞きいたからです。9:11 それで、われわれの長老ちょうろうたち、および国くにの住民じゅうみんはみなわれわれに言いいました、『おまえたちは旅路たびじの食料しょくりょうを手てに携たずさえていって、彼かれらに会あって言いいなさい、「われわれはあなたがたのしもべです。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」』。9:12 ここにあるこのパンは、あなたがたの所ところに来くるため、われわれが出立しゅったつする日ひに、おのおの家いえから、まだあたたかなのを旅たびの食料しょくりょうとして準備じゅんびしたのですが、今いまはもうかわいて砕くだけています。9:13 またぶどう酒しゅを満みたしたこれらの皮かわ袋ぶくろも、新あたらしかったのですが、破やぶれました。われわれのこの着物きものも、くつも、旅路たびじがひじょうに長ながかったので、古ふるびてしまいました」。9:14 そこでイスラエルの人々ひとびとは彼かれらの食料しょくりょう品ひんを共ともに食たべ、主しゅのさしずを求もとめようとはしなかった。9:15 そしてヨシュアは彼かれらと和わを講こうじ、契約けいやくを結むすんで、彼かれらを生いかしておいた。会衆かいしゅうの長ちょうたちは彼かれらに誓ちかいを立たてた。 9:16 契約けいやくを結むすんで三日かの後のちに、彼かれらはその人々ひとびとが近ちかくの人々ひとびとで、自分じぶんたちのうちに住すんでいるということを聞きいた。9:17 イスラエルの人々ひとびとは進すすんで、三日か目めにその町々まちまちに着ついた。その町々まちまちとは、ギベオン、ケピラ、ベエロテおよびキリアテ・ヤリムであった。9:18 ところで会衆かいしゅうの長ちょうたちが、すでにイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかいを立たてていたので、イスラエルの人々ひとびとは彼かれらを殺ころさなかった。そこで会衆かいしゅうはみな、長ちょうたちにむかってつぶやいた。9:19 しかし、長ちょうたちは皆みな、全ぜん会衆かいしゅうに言いった、「われわれはイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかった。それゆえ今いま、彼かれらに触ふれてはならない。9:20 われわれは、こうして彼かれらを生いかしておこう。そうすれば、われわれが彼かれらに立たてた誓ちかいのゆえに、怒いかりがわれわれに臨のぞむことはないであろう」。9:21 長ちょうたちはまた人々ひとびとに「彼かれらを生いかしておこう」と言いったので、彼かれらはついに、全ぜん会衆かいしゅうのために、たきぎを切きり、水みずをくむものとなった。長ちょうたちが彼かれらに言いったとおりである。 9:22 ヨシュアは彼かれらを呼よび寄よせて言いった、「あなたがたは、われわれのうちに住すみながら、なぜ『われわれはあなたがたからは遠とおく離はなれている』と言いって、われわれをだましたのか。9:23 それであなたがたは今いまのろわれ、奴隷どれいとなってわたしの神かみの家いえのために、たきぎを切きり、水みずをくむものが、絶たえずあなたがたのうちから出でるであろう」。9:24 彼かれらはヨシュアに答こたえて言いった、「あなたの神かみ、主しゅがそのしもべモーセに、この地ちをことごとくあなたがたに与あたえ、この地ちに住すむ民たみをことごとくあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さるようにと、お命めいじになったことを、しもべどもは明あきらかに伝つたえ聞ききましたので、あなたがたのゆえに、命いのちが危あやういと、われわれは非常ひじょうに恐おそれて、このことをしたのです。9:25 われわれは、今いま、あなたの手てのうちにあります。われわれにあなたがして良よいと思おもい、正ただしいと思おもうことをしてください」。9:26 そこでヨシュアは、彼かれらにそのようにし、彼かれらをイスラエルの人々ひとびとの手てから救すくって殺ころさせなかった。9:27 しかし、ヨシュアは、その日ひ、彼かれらを、会衆かいしゅうのため、また主しゅの祭壇さいだんのため、主しゅが選えらばれる場所ばしょで、たきぎを切きり、水みずをくむ者ものとした。これは今日こんにちまでつづいている。 第10章 10:1 エルサレムの王おうアドニゼデクは、ヨシュアがアイを攻せめ取とって、それを全まったく滅ほろぼし、さきにエリコとその王おうとにしたように、アイとその王おうにもしたこと、またギベオンの住民じゅうみんが、イスラエルと和わを講こうじて、そのうちにおることを聞きき、10:2 大おおいに恐おそれた。それは、ギベオンが大おおきな町まちであって、王おうの都みやこにもひとしいものであり、またアイより大おおきくて、そのうちの人々ひとびとが、すべて強つよかったからである。10:3 それでエルサレムの王おうアドニゼデクは、ヘブロンの王おうホハム、ヤルムテの王おうピラム、ラキシの王おうヤピア、およびエグロンの王おうデビルに人ひとをつかわして言いった、10:4 「わたしの所ところに上のぼってきて、わたしを助たすけてください。われわれはギベオンを撃うちましょう。ギベオンはヨシュアおよびイスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじたからです」。10:5 アモリびとの五人にんの王おう、すなわちエルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうは兵へいを集あつめ、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて上のぼってきて、ギベオンに向むかって陣じんを取とり、それを攻せめて戦たたかった。 10:6 ギベオンの人々ひとびとは、ギルガルの陣営じんえいに人ひとをつかわし、ヨシュアに言いった、「あなたの手てを引ひかないで、しもべどもを助たすけてください。早はやく、われわれの所ところに上のぼってきて、われわれを救すくい、助たすけてください。山地さんちに住すむアモリびとの王おうたちがみな集あつまって、われわれを攻せめるからです」。10:7 そこでヨシュアはすべてのいくさびとと、すべての大だい勇士ゆうしを率ひきいて、ギルガルから上のぼって行いった。10:8 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらを恐おそれてはならない。わたしが彼かれらをあなたの手てにわたしたからである。彼かれらのうちには、あなたに当あたることのできるものは、ひとりもないであろう」。10:9 ヨシュアは、ギルガルから、よもすがら進すすみのぼって、にわかに彼かれらに攻せめよせたところ、10:10 主しゅは彼かれらを、イスラエルの前まえに、恐おそれあわてさせられたので、イスラエルはギベオンで彼かれらをおびただしく撃うち殺ころし、ベテホロンの上のぼり坂ざかをとおって逃にげる彼かれらを、アゼカとマッケダまで追撃ついげきした。10:11 彼かれらがイスラエルの前まえから逃にげ走はしって、ベテホロンの下くだり坂ざかをおりていた時とき、主しゅは天てんから彼かれらの上うえに大石おおいしを降ふらし、アゼカにいたるまでもそうされたので、多おおくの人々ひとびとが死しんだ。イスラエルの人々ひとびとがつるぎをもって殺ころしたものよりも、雹ひょうに打うたれて死しんだもののほうが多おおかった。 10:12 主しゅがアモリびとをイスラエルの人々ひとびとにわたされた日ひに、ヨシュアはイスラエルの人々ひとびとの前まえで主しゅにむかって言いった、 「日ひよ、ギベオンの上うえにとどまれ、月つきよ、アヤロンの谷たににやすらえ」。10:13 民たみがその敵てきを撃うち破やぶるまで、日ひはとどまり、月つきは動うごかなかった。これはヤシャルの書しょにしるされているではないか。日ひが天てんの中空ちゅうくうにとどまって、急いそいで没ぼっしなかったこと、おおよそ一日にちであった。10:14 これより先さきにも、あとにも、主しゅがこのように人ひとの言葉ことばを聞ききいれられた日ひは一日にちもなかった。主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたからである。 10:15 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとと共ともにギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 10:16 かの五人にんの王おうたちは逃にげて行いって、マッケダのほら穴あなに隠かくれたが、10:17 五人にんの王おうたちがマッケダのほら穴あなにかくれているのが見みつかったと、ヨシュアに告つげる者ものがあったので、10:18 ヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちに大石おおいしをころがし、そのそばに人ひとを置おいて、守まもらせなさい。10:19 ただし、あなたがたは、そこにとどまらないで、敵てきのあとを追おい、そのしんがりを撃うち、彼かれらをその町まちにはいらせてはならない。あなたがたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたがたの手てに渡わたされたからである」。10:20 ヨシュアとイスラエルの人々ひとびとは、大おおいに彼かれらを撃うち殺ころし、ついに彼かれらを滅ほろぼしつくしたが、彼かれらのうちのがれて生いき残のこった者ものどもは、堅固けんごな町々まちまちに逃にげこんだので、10:21 民たみはみな安やすらかにマッケダの陣営じんえいのヨシュアのもとに帰かえってきたが、イスラエルの人々ひとびとにむかって舌したを鳴ならす者ものはひとりもなかった。 10:22 その時ときヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちを開ひらいて、ほら穴あなから、かの五人にんの王おうたちを、わたしのもとにひき出だしなさい」。10:23 やがて、そのようにして、かの五人にんの王おうたち、すなわち、エルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうを、ほら穴あなから彼かれのもとにひき出だした。10:24 この王おうたちをヨシュアのもとにひき出だした時とき、ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとを呼よび寄よせ、自分じぶんと共ともに行いったいくさびとの長ちょうたちに言いった、「近寄ちかよって、この王おうたちのくびに足あしをかけなさい」。そこで近寄ちかよって、その王おうたちのくびに足あしをかけたので、10:25 ヨシュアは彼かれらに言いった、「恐おそれおののいてはならない。強つよくまた雄々おおしくあれ。あなたがたが攻せめて戦たたかうすべての敵てきには、主しゅがこのようにされるのである」。10:26 そして後のちヨシュアは彼かれらを撃うって死しなせ、五本ほんの木きにかけて、夕暮ゆうぐれまで木きの上うえにさらして置おいたが、10:27 日ひの入いるころになって、ヨシュアが命めいじたので、これを木きからおろし、彼かれらが隠かくれていたほら穴あなに投なげ入いれ、ほら穴あなの口くちに大石おおいしを置おいた。これは今日こんにちまで残のこっている。 10:28 その日ひヨシュアはマッケダを取とり、つるぎをもって、それと、その王おうとを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、エリコの王おうにしたように、マッケダの王おうにもした。 10:29 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、マッケダからリブナに進すすみ、リブナを攻せめて戦たたかった。10:30 主しゅが、それと、その王おうをも、イスラエルの手てに渡わたされたので、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼして、ひとりもその中なかに残のこさず、エリコの王おうにしたように、その王おうにもした。 10:31 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、リブナからラキシに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:32 主しゅがラキシをイスラエルの手てに渡わたされたので、ふつか目めにこれを取とり、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼした。すべてリブナにしたとおりであった。 10:33 その時とき、ゲゼルの王おうホラムが、ラキシを助たすけるために上のぼってきたので、ヨシュアは彼かれと、その民たみとを撃うち滅ほろぼして、ついにひとりも残のこさなかった。 10:34 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ラキシからエグロンに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:35 その日ひこれを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとくその日ひに滅ほろぼした。すべてラキシにしたとおりであった。 10:36 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、エグロンからヘブロンに進すすみ上のぼり、これを攻せめて戦たたかい、10:37 それを取とって、それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちと、その中なかのすべての人ひとを、つるぎをもって撃うち滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。すべてエグロンにしたとおりであった。すなわち、それとその中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼした。 10:38 またヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、デビルへひきかえし、これを攻せめて戦たたかい、10:39 それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちを取とり、つるぎをもってそれを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。彼かれがデビルと、その王おうにしたことは、ヘブロンにしたとおりであり、またリブナと、その王おうにしたとおりであった。 10:40 こうしてヨシュアはその地ちの全部ぜんぶ、すなわち、山地さんち、ネゲブ、平地へいち、および山腹さんぷくの地ちと、そのすべての王おうたちを撃うち滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、すべて息いきのあるものは、ことごとく滅ほろぼした。イスラエルの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりであった。10:41 ヨシュアはカデシ・バルネアからガザまでの国々くにぐに、およびゴセンの全ぜん地ちを撃うち滅ほろぼして、ギベオンにまで及およんだ。10:42 イスラエルの神かみ、主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたので、ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、その地ちをいちどきに取とった。10:43 そしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 第11章 11:1 ハゾルの王おうヤビンは、これを聞きいて、マドンの王おうヨバブ、シムロンの王おう、およびアクサフの王おう、11:2 また北きたの山地さんち、キンネロテの南みなみのアラバ、平地へいち、西にしの方ほうのドルの高地こうちにおる王おうたち、11:3 すなわち、東西とうざいのカナンびと、アモリびと、ヘテびと、ペリジびと、山地さんちのエブスびと、ミヅパの地ちにあるヘルモンのふもとのヒビびとに使者ししゃをつかわした。11:4 そして彼かれらは、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて出でてきた。その大軍たいぐんは浜はまべの砂すなのように数多かずおおく、馬うまと戦車せんしゃも、ひじょうに多おおかった。11:5 これらの王おうたちはみな軍ぐんを集あつめ、進すすんできて、共ともにメロムの水みずのほとりに陣じんをしき、イスラエルと戦たたかおうとした。11:6 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらのゆえに恐おそれてはならない。あすの今いまごろ、わたしは彼かれらを皆みなイスラエルに渡わたして、ことごとく殺ころさせるであろう。あなたは彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やかなければならない」。11:7 そこでヨシュアは、すべてのいくさびとを率ひきいて、にわかにメロムの水みずのほとりにおし寄よせ、彼かれらを襲おそった。11:8 主しゅは彼かれらをイスラエルの手てに渡わたされたので、これを撃うち破やぶり、大だいシドンおよびミスレポテ・マイムまで、これを追撃ついげきし、東ひがしの方ほうでは、ミヅパの谷たにまで彼かれらを追おい、ついにひとりも残のこさず撃うちとった。11:9 ヨシュアは主しゅが命めいじられたとおりに彼かれらに行おこない、彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やいた。 11:10 その時とき、ヨシュアはひきかえして、ハゾルを取とり、つるぎをもって、その王おうを撃うった。ハゾルは昔むかし、これらすべての国々くにぐにの盟主めいしゅであったからである。11:11 彼かれらはつるぎをもって、その中なかのすべての人ひとを撃うち、ことごとくそれを滅ほろぼし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。そして火ひをもってハゾルを焼やいた。11:12 ヨシュアはこれらの王おうたちのすべての町々まちまち、およびその諸王しょおうを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、ことごとく滅ほろぼした。主しゅのしもべモーセが命めいじたとおりであった。11:13 ただし、丘おかの上うえに立たっている町々まちまちをイスラエルは焼やかなかった。ヨシュアはただハゾルだけを焼やいた。11:14 これらの町まちのすべてのぶんどり物ものと家畜かちくとは、イスラエルの人々ひとびとが戦利せんり品ひんとして取とったが、人ひとはみなつるぎをもって、滅ほろぼし尽つくし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。11:15 主しゅがそのしもべモーセに命めいじられたように、モーセはヨシュアに命めいじたが、ヨシュアはそのとおりにおこなった。すべて主しゅがモーセに命めいじられたことで、ヨシュアが行おこなわなかったことは一つもなかった。 11:16 こうしてヨシュアはその全ぜん地ち、すなわち、山地さんち、ネゲブの全ぜん地ち、ゴセンの全ぜん地ち、平地へいち、アラバならびにイスラエルの山地さんちと平地へいちを取とり、11:17 セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やまから、ヘルモン山やまのふもとのレバノンの谷たににあるバアルガデまでを獲えた。そしてそれらの王おうたちを、ことごとく捕とらえて、撃うち殺ころした。11:18 ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、長ながいあいだ戦たたかった。11:19 ギベオンの住民じゅうみんヒビびとのほかには、イスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじた町まちは一つもなかった。町々まちまちはみな戦争せんそうをして、攻せめ取とったものであった。11:20 彼かれらが心こころをかたくなにして、イスラエルに攻せめよせたのは、もともと主しゅがそうさせられたので、彼かれらがのろわれた者ものとなり、あわれみを受うけず、ことごとく滅ほろぼされるためであった。主しゅがモーセに命めいじられたとおりである。 11:21 その時とき、ヨシュアはまた行いって、山地さんち、ヘブロン、デビル、アナブ、ユダのすべての山地さんち、イスラエルのすべての山地さんちから、アナクびとを断たち、彼かれらの町々まちまちをも共ともに滅ほろぼした。11:22 それでイスラエルの人々ひとびとの地ちに、アナクびとは、ひとりもいなくなった。ただガサ、ガテ、アシドドには、少すこし残のこっているだけであった。11:23 こうしてヨシュアはその地ちを、ことごとく取とった。すべて主しゅがモーセに告つげられたとおりである。そしてヨシュアはイスラエルの部族ぶぞくにそれぞれの分ぶんを与あたえて、嗣し業ぎょうとさせた。こうしてその地ちに戦争せんそうはやんだ。 第12章 12:1 さてヨルダンの向むこう側がわ、日ひの出での方ほうで、アルノンの谷たにからヘルモン山やままで、および東ひがしアラバの全土ぜんどのうちで、イスラエルの人々ひとびとが撃うち滅ほろぼして地ちを取とった国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。12:2 まず、アモリびとの王おうシホン。彼かれはヘシボンに住すみ、その領地りょうちは、アルノンの谷たにのほとりにあるアロエル、および谷たにの中なかの町まちから、ギレアデの半なかばを占しめて、アンモンびととの境さかいであるヤボク川かわに達たっし、12:3 東ひがしの方ほうではアラバをキンネレテの湖みずうみまで占しめ、またアラバの海うみすなわち塩しおの海うみの東ひがしにおよび、ベテエシモテの道みちを経へて、南みなみはピスガの山やまのふもとに達たっした。12:4 次つぎにレパイムの生いき残のこりのひとりであったバシャンの王おうオグ。彼かれはアシタロテとエデレイとに住すみ、12:5 ヘルモン山やま、サレカ、およびバシャンの全土ぜんどを領りょうしたので、ゲシュルびと、およびマアカびとと境さかいを接せっし、またギレアデの半なかばを領りょうしたので、ヘシボンの王おうシホンと境さかいを接せっしていた。12:6 主しゅのしもべモーセと、イスラエルの人々ひとびととが、彼かれらを撃うち滅ほろぼし、そして主しゅのしもべモーセは、これらの地ちを、ルベンびと、ガドびと、およびマナセの半はん部族ぶぞくに与あたえて所有しょゆうとさせた。 12:7 ヨルダンのこちら側がわ、西にしの方ほうにあって、レバノンの谷たににあるバアルガデから、セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やままでの間あいだで、ヨシュアと、イスラエルの人々ひとびととが、撃うち滅ほろぼした国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。ヨシュアは彼かれらの地ちをイスラエルの部族ぶぞくに、それぞれの分ぶんを与あたえて嗣し業ぎょうとさせた。12:8 これは、山地さんち、平地へいち、アラバ、山腹さんぷく、荒野あらの、およびネゲブであって、ヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの所領しょりょうであった。12:9 エリコの王おうひとり。ベテルのほとりのアイの王おうひとり。12:10 エルサレムの王おうひとり。ヘブロンの王おうひとり。12:11 ヤルムテの王おうひとり。ラキシの王おうひとり。12:12 エグロンの王おうひとり。ゲゼルの王おうひとり。12:13 デビルの王おうひとり。ゲデルの王おうひとり。12:14 ホルマの王おうひとり。アラデの王おうひとり。12:15 リブナの王おうひとり。アドラムの王おうひとり。12:16 マッケダの王おうひとり。ベテルの王おうひとり。12:17 タップアの王おうひとり。ヘペルの王おうひとり。12:18 アペクの王おうひとり。シャロンの王おうひとり。12:19 マドンの王おうひとり。ハゾルの王おうひとり。12:20 シムロン・メロンの王おうひとり。アクサフの王おうひとり。12:21 タアナクの王おうひとり。メギドの王おうひとり。12:22 ケデシの王おうひとり。カルメルのヨクネアムの王おうひとり。12:23 ドルの高地こうちにおるドルの王おうひとり。ガリラヤのゴイイムの王おうひとり。12:24 テルザの王おうひとり。合あわせて三十一王おうである。
4:1 民たみが皆みな、ヨルダンを渡わたり終おわった時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、
4:2 「民たみのうちから、部族ぶぞくごとにひとりずつ、合あわせて十二人にんを選えらび、
4:3 彼かれらに命めいじて言いいなさい、『ヨルダンの中なかで祭司さいしたちが足あしを踏ふみとどめたその所ところから、石いし十二を取とり、それを携たずさえて渡わたり、今夜こんやあなたがたが宿やどる場所ばしょにすえなさい』」。
4:4 そこでヨシュアはイスラエルの人々ひとびとのうちから、部族ぶぞくごとに、ひとりずつ、かねて定さだめておいた十二人にんの者ものを召めし寄よせ、
4:5 ヨシュアは彼かれらに言いった、「あなたがたの神かみ、主しゅの契約けいやくの箱はこの前まえに立たって行いき、ヨルダンの中なかに進すすみ入はいり、イスラエルの人々ひとびとの部族ぶぞくの数かずにしたがって、おのおの石いし一つを取とり上あげ、肩かたにのせて運はこびなさい。
4:6 これはあなたがたのうちに、しるしとなるであろう。後のちの日ひになって、あなたがたの子こどもたちが、『これらの石いしは、どうしたわけですか』と問とうならば、
4:7 その時ときあなたがたは彼かれらに、むかしヨルダンの水みずが、主しゅの契約けいやくの箱はこの前まえで、せきとめられたこと、すなわちその箱はこがヨルダンを渡わたった時とき、ヨルダンの水みずが、せきとめられたことを告つげなければならない。こうして、それらの石いしは永久えいきゅうにイスラエルの人々ひとびとの記念きねんとなるであろう」。
4:8 イスラエルの人々ひとびとはヨシュアが命めいじたようにし、主しゅがヨシュアに言いわれたように、イスラエルの人々ひとびとの部族ぶぞくの数かずにしたがって、ヨルダンの中なかから十二の石いしを取とり、それを携たずさえて渡わたり、彼かれらの宿やどる場所ばしょへ行いって、そこにすえた。
4:9 ヨシュアはまたヨルダンの中なかで、契約けいやくの箱はこをかく祭司さいしたちが、足あしを踏ふみとどめた所ところに、十二の石いしを立たてたが、今日こんにちまで、そこに残のこっている。
4:10 箱はこをかく祭司さいしたちは、主しゅがヨシュアに命めいじて、民たみに告つげさせられた事ことが、すべて行おこなわれてしまうまで、ヨルダンの中なかに立たっていた。すべてモーセがヨシュアに命めいじたとおりである。民たみは急いそいで渡わたった。
4:11 民たみがみな渡わたり終おわった時とき、主しゅの箱はこと祭司さいしたちとは、民たみの見みる前まえで渡わたった。
4:12 ルベンの子孫しそんとガドの子孫しそん、およびマナセの部族ぶぞくの半なかばは、モーセが彼かれらに命めいじていたように武装ぶそうして、イスラエルの人々ひとびとに先立さきだって渡わたり、
4:13 戦たたかいのために武装ぶそうしたおおよそ四万の者ものが戦たたかうため、主しゅの前まえに渡わたって、エリコの平野へいやに着ついた。
4:14 この日ひ、主しゅはイスラエルのすべての人ひとの前まえにヨシュアを尊たっとい者ものとされたので、彼かれらはみなモーセを敬うやまったように、ヨシュアを一生いっしょうのあいだ敬うやまった。
4:15 主しゅはヨシュアに言いわれた、
4:16 「あかしの箱はこをかく祭司さいしたちに命めいじて、ヨルダンから上あがってこさせなさい」。
4:17 ヨシュアは祭司さいしたちに命めいじて言いった、「ヨルダンから上あがってきなさい」。
4:18 主しゅの契約けいやくの箱はこをかく祭司さいしたちはヨルダンの中なかから上あがってきたが、祭司さいしたちの足あしの裏うらがかわいた地ちにあがると同時どうじに、ヨルダンの水みずはもとの所ところに流ながれかえって、以前いぜんのように、その岸きしにことごとくあふれた。
4:19 民たみは正月しょうがつの十日かに、ヨルダンから上あがってきて、エリコの東ひがしの境さかいにあるギルガルに宿営しゅくえいした。
4:20 そしてヨシュアは、人々ひとびとがヨルダンから取とってきた十二の石いしをギルガルに立たて、
4:21 イスラエルの人々ひとびとに言いった、「後のちの日ひにあなたがたの子こどもたちが、その父ちちに『これらの石いしは、どうしたわけですか』とたずねたならば、
4:22 『むかしイスラエルがこのヨルダンを、かわいた地ちにされて渡わたったのだ』と言いって、その子こどもたちに知しらせなければならない。
4:23 すなわちあなたがたの神かみ、主しゅはヨルダンの水みずを、あなたがたのために干ほしからして、あなたがたを渡わたらせてくださった。それはあたかも、あなたがたの神かみ、主しゅが、われわれのために紅海こうかいを干ほしからして、われわれを渡わたらせてくださったのと同おなじである。
4:24 このようにされたのは、地ちのすべての民たみに、主しゅの手てに力ちからのあることを知しらせ、あなたがたの神かみ、主しゅをつねに恐おそれさせるためである」。
第5章 5:1 ヨルダンの向むこう側がわ、すなわち西にしの方ほうにおるアモリびとの王おうたちと、海うみべにおるカナンびとの王おうたちとは皆みな、主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえで、ヨルダンの水みずを干ほしからして、彼かれらを渡わたらせられたと聞きいて、イスラエルの人々ひとびとのゆえに、心こころは消きえ、彼かれらのうちに、もはや元気げんきもなくなった。 5:2 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「火打石ひうちいしの小刀こがたなを造つくり、重かさねてまたイスラエルの人々ひとびとに割礼かつれいを行おこないなさい」。5:3 そこでヨシュアは火打石ひうちいしの小刀こがたなを造つくり、陽よう皮ひの丘おかで、イスラエルの人々ひとびとに割礼かつれいを行おこなった。5:4 ヨシュアが人々ひとびとに割礼かつれいを行おこなった理由りゆうはこうである。エジプトから出でてきた民たみのうちの、すべての男子だんし、すなわち、いくさびとたちは皆みな、エジプトを出でた後のち、途中とちゅう、荒野あらので死しんだが、5:5 その出でてきた民たみは皆みな、割礼かつれいを受うけた者ものであった。しかし、エジプトを出でた後のちに、途中とちゅう、荒野あらので生うまれた民たみは、みな割礼かつれいを受うけていなかった。5:6 イスラエルの人々ひとびとは四十年ねんの間あいだ、荒野あらのを歩あるいていて、そのエジプトから出でてきた民たみ、すなわち、いくさびとたちは、みな死しに絶たえた。これは彼かれらが主しゅの声こえに聞きき従したがわなかったので、主しゅは彼かれらの先祖せんぞたちに誓ちかって、われわれに与あたえると仰おおせられた地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる地ちを、彼かれらに見みさせないと誓ちかわれたからである。5:7 ヨシュアが割礼かつれいを行おこなったのは、この人々ひとびとについで起おこされたその子こどもたちであった。彼かれらは途中とちゅうで割礼かつれいを受うけていなかったので、無む割礼かつれいの者ものであったからである。 5:8 すべての民たみに割礼かつれいを行おこなうことが終おわったので、民たみは宿営しゅくえいのうちの自分じぶんの所ところにとどまって傷きずの直なおるのを待まった。5:9 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「きょう、わたしはエジプトのはずかしめを、あなたがたからころがし去さった」。それでその所ところの名なは、今日こんにちまでギルガルと呼よばれている。 5:10 イスラエルの人々ひとびとはギルガルに宿営しゅくえいしていたが、その月つきの十四日かの夕暮ゆうぐれ、エリコの平野へいやで過越すぎこしの祭まつりを行おこなった。5:11 そして過越すぎこしの祭まつりの翌日よくじつ、その地ちの穀物こくもつ、すなわち種たね入いれぬパンおよびいり麦むぎを、その日ひに食たべたが、5:12 その地ちの穀物こくもつを食たべた翌日よくじつから、マナの降ふることはやみ、イスラエルの人々ひとびとは、もはやマナを獲えなかった。その年としはカナンの地ちの産物さんぶつを食たべた。 5:13 ヨシュアがエリコの近ちかくにいたとき、目めを上あげて見みると、ひとりの人ひとが抜ぬき身みのつるぎを手てに持もち、こちらに向むかって立たっていたので、ヨシュアはその人ひとのところへ行いって言いった、「あなたはわれわれを助たすけるのですか。それともわれわれの敵てきを助たすけるのですか」。5:14 彼かれは言いった、「いや、わたしは主しゅの軍勢ぐんぜいの将しょうとして今いまきたのだ」。ヨシュアは地ちにひれ伏ふし拝はいして言いった、「わが主しゅは何なにをしもべに告つげようとされるのですか」。5:15 すると主しゅの軍勢ぐんぜいの将しょうはヨシュアに言いった、「あなたの足あしのくつを脱ぬぎなさい。あなたが立たっている所ところは聖せいなる所ところである」。ヨシュアはそのようにした。 第6章 6:1 さてエリコは、イスラエルの人々ひとびとのゆえに、かたく閉とざして、出入でいりするものがなかった。6:2 主しゅはヨシュアに言いわれた、「見みよ、わたしはエリコと、その王おうおよび大だい勇士ゆうしを、あなたの手てにわたしている。6:3 あなたがた、いくさびとはみな、町まちを巡めぐって、町まちの周囲しゅういを一度ど回まわらなければならない。六日むいかの間あいだそのようにしなければならない。6:4 七人にんの祭司さいしたちは、おのおの雄羊おひつじの角つののラッパを携たずさえて、箱はこに先立さきだたなければならない。そして七日なぬか目めには七度ど町まちを巡めぐり、祭司さいしたちはラッパを吹ふき鳴ならさなければならない。6:5 そして祭司さいしたちが雄羊おひつじの角つのを長ながく吹ふき鳴ならし、そのラッパの音おとが、あなたがたに聞きこえる時とき、民たみはみな大声おおごえに呼よばわり、叫さけばなければならない。そうすれば、町まちの周囲しゅういの石いしがきは、くずれ落おち、民たみはみなただちに進すすんで、攻せめ上のぼることができる」。6:6 ヌンの子こヨシュアは祭司さいしたちを召めして言いった、「あなたがたは契約けいやくの箱はこをかき、七人にんの祭司さいしたちは雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅの箱はこに先立さきだたなければならない」。6:7 そして民たみに言いった、「あなたがたは進すすんで行いって町まちを巡めぐりなさい。武装ぶそうした者ものは主しゅの箱はこに先立さきだって進すすまなければならない」。 6:8 ヨシュアが民たみに命めいじたように、七人にんの祭司さいしたちは、雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅに先立さきだって進すすみ、ラッパを吹ふき鳴ならした。主しゅの契約けいやくの箱はこはそのあとに従したがった。6:9 武装ぶそうした者ものはラッパを吹ふき鳴ならす祭司さいしたちに先立さきだって行いき、しんがりは箱はこに従したがった。ラッパは絶たえ間まなく鳴なり響ひびいた。6:10 しかし、ヨシュアは民たみに命めいじて言いった、「あなたがたは呼よばわってはならない。あなたがたの声こえを聞きこえさせてはならない。また口くちから言葉ことばを出だしてはならない。ただ、わたしが呼よばわれと命めいじる日ひに、あなたがたは呼よばわらなければならない」。6:11 こうして主しゅの箱はこを持もって、町まちを巡めぐらせ、その周囲しゅういを一度ど回まわらせた。人々ひとびとは宿営しゅくえいに帰かえり、夜よるを宿営しゅくえいで過すごした。 6:12 翌朝よくあさヨシュアは早はやく起おき、祭司さいしたちは主しゅの箱はこをかき、6:13 七人にんの祭司さいしたちは、雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅの箱はこに先立さきだち、絶たえず、ラッパを吹ふき鳴ならして進すすみ、武装ぶそうした者ものはこれに先立さきだって行いき、しんがりは主しゅの箱はこに従したがった。ラッパは絶たえ間まなく鳴なり響ひびいた。6:14 その次つぎの日ひにも、町まちの周囲しゅういを一度ど巡めぐって宿営しゅくえいに帰かえった。六日むいかの間あいだそのようにした。 6:15 七日なぬか目めには、夜明よあけに、早はやく起おき、同おなじようにして、町まちを七度どめぐった。町まちを七度どめぐったのはこの日ひだけであった。6:16 七度目どめに、祭司さいしたちがラッパを吹ふいた時とき、ヨシュアは民たみに言いった、「呼よばわりなさい。主しゅはこの町まちをあなたがたに賜たまわった。6:17 この町まちと、その中なかのすべてのものは、主しゅへの奉納物ほうのうぶつとして滅ほろぼされなければならない。ただし遊女ゆうじょラハブと、その家いえに共ともにおる者ものはみな生いかしておかなければならない。われわれが送おくった使者ししゃたちをかくまったからである。6:18 また、あなたがたは、奉納物ほうのうぶつに手てを触ふれてはならない。奉納ほうのうに当あたり、その奉納物ほうのうぶつをみずから取とって、イスラエルの宿営しゅくえいを、滅ほろぼさるべきものとし、それを悩なやますことのないためである。6:19 ただし、銀ぎんと金きん、青銅せいどうと鉄てつの器うつわは、みな主しゅに聖せいなる物ものであるから、主しゅの倉くらに携たずさえ入いれなければならない」。6:20 そこで民たみは呼よばわり、祭司さいしたちはラッパを吹ふき鳴ならした。民たみはラッパの音おとを聞きくと同時どうじに、みな大声おおごえをあげて呼よばわったので、石いしがきはくずれ落おちた。そこで民たみはみな、すぐに上のぼって町まちにはいり、町まちを攻せめ取とった。6:21 そして町まちにあるものは、男おとこも、女おんなも、若わかい者ものも、老おいた者ものも、また牛うし、羊ひつじ、ろばをも、ことごとくつるぎにかけて滅ほろぼした。 6:22 その時ときヨシュアは、この地ちを探さぐったふたりの人ひとに言いった、「あの遊女ゆうじょの家いえにはいって、その女おんなと彼女かのじょに属ぞくするすべてのものを連つれ出だし、彼女かのじょに誓ちかったようにしなさい」。6:23 斥候せっこうとなったその若わかい人ひとたちははいって、ラハブとその父母ふぼ、兄弟きょうだい、そのほか彼女かのじょに属ぞくするすべてのものを連つれ出だし、その親族しんぞくをみな連つれ出だして、イスラエルの宿営しゅくえいの外そとに置おいた。6:24 そして火ひで町まちとその中なかのすべてのものを焼やいた。ただ、銀ぎんと金きん、青銅せいどうと鉄てつの器うつわは、主しゅの家いえの倉くらに納おさめた。6:25 しかし、遊女ゆうじょラハブとその父ちちの家いえの一族いちぞくと彼女かのじょに属ぞくするすべてのものとは、ヨシュアが生いかしておいたので、ラハブは今日こんにちまでイスラエルのうちに住すんでいる。これはヨシュアがエリコを探さぐらせるためにつかわした使者ししゃたちをかくまったためである。 6:26 ヨシュアは、その時とき、人々ひとびとに誓ちかいを立たてて言いった、「おおよそ立たって、このエリコの町まちを再建さいけんする人ひとは、主しゅの前まえにのろわれるであろう。 その礎いしずえをすえる人ひとは長子ちょうしを失うしない、その門もんを建たてる人ひとは末すえの子こを失うしなうであろう」。6:27 主しゅはヨシュアと共ともにおられ、ヨシュアの名声めいせいは、あまねくその地ちに広ひろがった。 第7章 7:1 しかし、イスラエルの人々ひとびとは奉納物ほうのうぶつについて罪つみを犯おかした。すなわちユダの部族ぶぞくのうちの、ゼラの子こザブデの子こであるカルミの子こアカンが奉納物ほうのうぶつを取とったのである。それで主しゅはイスラエルの人々ひとびとにむかって怒いかりを発はっせられた。 7:2 ヨシュアはエリコから人々ひとびとをつかわし、ベテルの東ひがし、ベテアベンの近ちかくにあるアイに行いかせようとして、その人々ひとびとに言いった、「上のぼって行いって、かの地ちを探さぐってきなさい」。人々ひとびとは上のぼって行いって、アイを探さぐったが、7:3 ヨシュアのもとに帰かえってきて言いった、「民たみをことごとく行いかせるには及およびません。ただ二、三千人にんを上のぼらせて、アイを撃うたせなさい。彼かれらは少すくないのですから、民たみをことごとくあそこへやってほねおりをさせるには及およびません」。7:4 そこで民たみのうち、おおよそ三千人にんがそこに上のぼったが、ついにアイの人々ひとびとの前まえから逃にげ出だした。7:5 アイの人々ひとびとは彼かれらのうち、おおよそ三十六人にんを殺ころし、更さらに彼かれらを門もんの前まえからシバリムまで追おって、下くだり坂ざかで彼かれらを殺ころしたので、民たみの心こころは消きえて水みずのようになった。 7:6 そのためヨシュアは衣服いふくを裂さき、イスラエルの長老ちょうろうたちと共ともに、主しゅの箱はこの前まえで、夕方ゆうがたまで地ちにひれ伏ふし、ちりをかぶった。7:7 ヨシュアは言いった、「ああ、主しゅなる神かみよ、あなたはなにゆえ、この民たみにヨルダンを渡わたらせ、われわれをアモリびとの手てに渡わたして滅ほろぼさせられるのですか。われわれはヨルダンの向むこうに、安やすんじてとどまればよかったのです。7:8 ああ、主しゅよ。イスラエルがすでに敵てきに背せをむけた今いまとなって、わたしはまた何なにを言いい得えましょう。7:9 カナンびと、およびこの地ちに住すむすべてのものは、これを聞きいて、われわれを攻せめかこみ、われわれの名なを地ちから断たち去さってしまうでしょう。それであなたは、あなたの大おおいなる名なのために、何なにをしようとされるのですか」。 7:10 主しゅはヨシュアに言いわれた、「立たちなさい。あなたはどうして、そのようにひれ伏ふしているのか。7:11 イスラエルは罪つみを犯おかし、わたしが彼かれらに命めいじておいた契約けいやくを破やぶった。彼かれらは奉納物ほうのうぶつを取とり、盗ぬすみ、かつ偽いつわって、それを自分じぶんの所有物しょゆうぶつのうちに入いれた。7:12 それでイスラエルの人々ひとびとは敵てきに当あたることができず、敵てきに背せをむけた。彼かれらも滅ほろぼされるべきものとなったからである。あなたがたが、その滅ほろぼされるべきものを、あなたがたのうちから滅ほろぼし去さるのでなければ、わたしはもはやあなたがたとは共ともにいないであろう。7:13 立たって、民たみを清きよめて言いいなさい、『あなたがたは身みを清きよめて、あすのために備そなえなさい。イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、「イスラエルよ、あなたがたのうちに、滅ほろぼされるべきものがある。その滅ほろぼされるべきものを、あなたがたのうちから除のぞき去さるまでは、敵てきに当あたることはできないであろう」。7:14 それゆえ、あすの朝あさ、あなたがたは部族ぶぞくごとに進すすみ出でなければならない。そして主しゅがくじを当あてられる部族ぶぞくは、氏族しぞくごとに進すすみいで、主しゅがくじを当あてられる氏族しぞくは、家族かぞくごとに進すすみいで、主しゅがくじを当あてられる家族かぞくは、男おとこひとりびとり進すすみ出でなければならない。7:15 そしてその滅ほろぼされるべきものを持もっていて、くじを当あてられた者ものは、その持もち物もの全部ぜんぶと共ともに、火ひで焼やかれなければならない。主しゅの契約けいやくを破やぶりイスラエルのうちに愚おろかなことを行おこなったからである』」。 7:16 こうしてヨシュアは朝あさ早はやく起おき、イスラエルを部族ぶぞくごとに進すすみ出ださせたところ、ユダの部族ぶぞくがくじに当あたり、7:17 ユダのもろもろの氏族しぞくを進すすみ出ださせたところ、ゼラびとの氏族しぞくが、くじに当あたった。ゼラびとの氏族しぞくを家族かぞくごとに進すすみ出ださせたところ、ザブデの家族かぞくが、くじに当あたった。7:18 ザブデの家族かぞくを男おとこひとりびとり進すすみ出ださせたところ、アカンがくじに当あたった。アカンはユダの部族ぶぞくのうちの、ゼラの子こ、ザブデの子こなるカルミの子こである。7:19 その時ときヨシュアはアカンに言いった、「わが子こよ、イスラエルの神かみ、主しゅに栄光えいこうを帰きし、また主しゅをさんびし、あなたのしたことを今いまわたしに告つげなさい。わたしに隠かくしてはならない」。7:20 アカンはヨシュアに答こたえた、「ほんとうにわたしはイスラエルの神かみ、主しゅに対たいして罪つみを犯おかしました。わたしがしたのはこうです。7:21 わたしはぶんどり物もののうちに、シナルの美うつくしい外套がいとう一枚まいと銀ぎん二百シケルと、目方めかた五十シケルの金きんの延のべ棒ぼう一本ぽんのあるのを見みて、ほしくなり、それを取とりました。わたしの天幕てんまくの中なかに、地ちに隠かくしてあります。銀ぎんはその下したにあります」。 7:22 そこでヨシュアは使者ししゃたちをつかわした。使者ししゃたちが天幕てんまくに走はしっていって見みると、それは彼かれの天幕てんまくに隠かくしてあって、銀ぎんもその下したにあった。7:23 彼かれらはそれを天幕てんまくの中なかから取とり出だして、ヨシュアとイスラエルのすべての人々ひとびとの所ところに携たずさえてきたので、それを主しゅの前まえに置おいた。7:24 ヨシュアはすべてのイスラエルびとと共ともに、ゼラの子こアカンを捕とらえ、かの銀ぎんと外套がいとうと金きんの延のべ棒ぼう、および彼かれのむすこ、娘むすめ、牛うし、ろば、羊ひつじ、天幕てんまくなど、彼かれの持もち物ものをことごとく取とって、アコルの谷たにへ引ひいていった。7:25 そしてヨシュアは言いった、「なぜあなたはわれわれを悩なやましたのか。主しゅは、きょう、あなたを悩なやまされるであろう」。やがてすべてのイスラエルびとは石いしで彼かれを撃うち殺ころし、また彼かれの家族かぞくをも石いしで撃うち殺ころし、火ひをもって焼やいた。7:26 そしてアカンの上うえに石塚いしづかを大おおきく積つみ上あげたが、それは今日こんにちまで残のこっている。そして主しゅは激はげしい怒いかりをやめられたが、このことによって、その所ところの名なは今日こんにちまでアコルの谷たにと呼よばれている。 第8章 8:1 主しゅはヨシュアに言いわれた、「恐おそれてはならない、おののいてはならない。いくさびとを皆みな、率ひきい、立たって、アイに攻せめ上のぼりなさい。わたしはアイの王おうとその民たみ、その町まち、その地ちをあなたの手てに授さづける。8:2 あなたは、さきにエリコとその王おうにしたとおり、アイとその王おうとにしなければならない。ただし、ぶんどり物ものと家畜かちくとは戦利せんり品ひんとしてあなたがたのものとすることができるであろう。あなたはまず、町まちのうしろに伏兵ふくへいを置おきなさい」。 8:3 ヨシュアは立たって、すべてのいくさびとと共ともに、アイに攻せめ上のぼろうとして、まず大だい勇士ゆうし三万人にんを選えらび、それを夜よるのうちにつかわした。8:4 ヨシュアは彼かれらに命めいじて言いった、「あなたがたは町まちに向むかって、町まちのうしろに伏ふせていなければならない。町まちを遠とおく離はなれないで、みな備そなえをしていなければならない。8:5 わたしとわたしに従したがう民たみとは皆みな共ともに、町まちに攻せめ寄よせよう。そして彼かれらが前まえのようにわれわれにむかって出でてくるとき、われわれは彼かれらの前まえから逃にげるであろう。8:6 そうすれば彼かれらはわれわれを追おって出でてくるであろうから、われわれはついに彼かれらを町まちからおびき出だすことができる。彼かれらは言いうであろう、『この人々ひとびとはまた前まえのように、われわれの前まえから逃にげていく』。こうしてわれわれは彼かれらの前まえから逃にげるであろう。8:7 その時とき、あなたがたは伏ふせている所ところから立たち上あがって、町まちを取とらなければならない。あなたがたの神かみ、主しゅがそれをあなたがたの手てに与あたえられるからである。8:8 あなたがたが、町まちを取とったならば、町まちに火ひを放はなち、主しゅが命めいじられたようにしなければならない。わたしはこう、あなたがたに命めいじるのである」。8:9 そうしてヨシュアが彼かれらをつかわしたので、彼かれらはアイの西方せいほう、ベテルとアイの間あいだの待まち伏ぶせする場所ばしょに行いって身みを伏ふせた。ヨシュアはその夜よる、民たみの中なかに宿やどった。 8:10 ヨシュアは明あくる朝あさ、早はやく起おきて、民たみを集あつめ、イスラエルの長老ちょうろうたちと共ともに、民たみに先立さきだって、アイに上のぼっていった。8:11 彼かれと共ともにいたいくさびとたちもみな上のぼっていって、町まちの前まえに近ちかづき、アイの北きたに陣じんを取とった。彼かれらとアイの間あいだには、一つの谷たにがあった。8:12 ヨシュアはおおよそ五千人にんをとって、町まちの西方せいほう、ベテルとアイの間あいだに、伏ふせておいた。8:13 こうして民たみの主力しゅりょくを町まちの北きたにおき、しんがりを町まちの西にしにおいた。ヨシュアはその夜よ、谷たにの中なかで宿やどった。8:14 アイの王おうはこれを見みて、すべての民たみと共ともに、急いそいで、早はやく起おき、アラバに行いく下くだり坂ざかに進すすみ出でて、イスラエルと戦たたかった。しかし、王おうは町まちのうしろに、すきをうかがう伏兵ふくへいのおることを知しらなかった。8:15 ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとと共ともに、彼かれらに打うち破やぶられたふりをして、荒野あらのの方向ほうこうへ逃にげだしたので、8:16 その町まちの民たみはみな呼よばわり集あつまって彼かれらのあとを追おい、ヨシュアのあとを追おって町まちからおびき出だされ、8:17 アイにもベテルにも残のこっているものはひとりもなく、みな出でてイスラエルのあとを追おい、町まちを開あけ放はなして、イスラエルのあとを追おった。 8:18 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「あなたの手てにあるなげやりを、アイの方ほうにさし伸のべなさい。わたしはその町まちをあなたの手てに与あたえるであろう」。そこでヨシュアが手てにしていたなげやりを、アイの方ほうにさし伸のべると、8:19 伏兵ふくへいはたちまちその場所ばしょから立たち上あがり、ヨシュアが手てをのべると同時どうじに、走はしって町まちに入はいり、それを取とって、ただちに町まちに火ひをかけた。8:20 それでアイの人々ひとびとが、うしろをふり返かえって見みると、町まちの焼やける煙けむりが天てんに立たちのぼっていたので、こちらへもあちらへも逃にげるすべがなかった。荒野あらのへ逃にげていった民たみも身みをかえして、追おってきた者ものに迫せまった。8:21 ヨシュアとすべてのイスラエルびとは、伏兵ふくへいが町まちを取とり、町まちの焼やける煙けむりが立たち上のぼるのを見みて、身みをかえしてアイの人々ひとびとを撃うった。8:22 また町まちを取とったものは町まちを出でて彼かれらに向むかったので、彼かれらは、こちらとあちらとからイスラエルの中なかにはさまれた。こうしてイスラエルびとが彼かれらを撃うったので、生いき残のこったもの、逃にげおおせたものは、ひとりもなかった。8:23 そしてアイの王おうを生いけどりにして、ヨシュアのもとへ連つれてきた。 8:24 イスラエルびとは、荒野あらのに追撃ついげきしてきたアイの住民じゅうみんをことごとく野ので殺ころし、つるぎをもってひとりも残のこさず撃うち倒たおしてのち、皆みなアイに帰かえり、つるぎをもってその町まちを撃うち滅ほろぼした。8:25 その日ひアイの人々ひとびとはことごとく倒たおれた。その数かずは男女だんじょあわせて一万二千人にんであった。8:26 ヨシュアはアイの住民じゅうみんをことごとく滅ほろぼしつくすまでは、なげやりをさし伸のべた手てを引ひっこめなかった。8:27 ただし、その町まちの家畜かちくおよび、ぶんどり品ひんはイスラエルびとが自分じぶんたちの戦利せんり品ひんとして取とった。主しゅがヨシュアに命めいじられた言葉ことばにしたがったのである。8:28 こうしてヨシュアはアイを焼やいて、永久えいきゅうに荒塚あらつかとしたが、それは今日こんにちまで荒あれ地ちとなっている。8:29 ヨシュアはまた、アイの王おうを夕方ゆうがたまで木きに掛かけてさらし、日ひの入いるころ、命めいじて、その死体したいを木きから取とりおろし、町まちの門もんの入口いりぐちに投なげすて、その上うえに石いしの大塚おおつかを積つみ上あげさせたが、それは今日こんにちまで残のこっている。 8:30 そしてヨシュアはエバル山やまにイスラエルの神かみ、主しゅのために一つの祭壇さいだんを築きずいた。8:31 これは主しゅのしもべモーセがイスラエルの人々ひとびとに命めいじたことにもとづき、モーセの律法りっぽうの書しょにしるされているように、鉄てつの道具どうぐを当あてない自然しぜんのままの石いしの祭壇さいだんであって、人々ひとびとはその上うえで、主しゅに燔祭はんさいをささげ、酬恩祭しゅうおんさいを供そなえた。8:32 その所ところで、ヨシュアはまたモーセの書かきしるした律法りっぽうを、イスラエルの人々ひとびとの前まえで、石いしに書かき写うつした。8:33 こうしてすべてのイスラエルびとは、本国ほんごく人じんも、寄留きりゅうの他国たこく人じんも、長老ちょうろう、つかさびと、さばきびとと共ともに、主しゅの契約けいやくの箱はこをかくレビびとである祭司さいしたちの前まえで、箱はこのこなたとかなたに分わかれて、半なかばはゲリジム山やまの前まえに、半なかばはエバル山やまの前まえに立たった。これは主しゅのしもべモーセがさきに命めいじたように、イスラエルの民たみを祝福しゅくふくするためであった。8:34 そして後のち、ヨシュアはすべての律法りっぽうの書しょにしるされている所ところにしたがって、祝福しゅくふくと、のろいとに関かんする律法りっぽうの言葉ことばをことごとく読よんだ。8:35 モーセが命めいじたすべての言葉ことばのうち、ヨシュアがイスラエルの全ぜん会衆かいしゅうおよび女おんなと子こどもたち、ならびにイスラエルのうちに住すむ寄留きりゅうの他国たこく人じんの前まえで、読よまなかったものは一つもなかった。 第9章 9:1 さて、ヨルダンの西側にしがわの、山地さんち、平地へいち、およびレバノンまでの大海たいかいの沿岸えんがんに住すむもろもろの王おうたち、すなわちヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの王おうたちは、これを聞きいて、9:2 心こころを合あわせ、相あい集あつまって、ヨシュアおよびイスラエルと戦たたかおうとした。 9:3 しかし、ギベオンの住民じゅうみんたちは、ヨシュアがエリコとアイにおこなったことを聞きいて、9:4 自分じぶんたちも策略さくりゃくをめぐらし、行いって食料しょくりょう品ひんを準備じゅんびし、古ふるびた袋ふくろと、古ふるびて破やぶれたのを繕つくろったぶどう酒しゅの皮かわ袋ぶくろとを、ろばに負おわせ、9:5 繕つくろった古ふるぐつを足あしにはき、古ふるびた着物きものを身みにつけた。彼かれらの食料しょくりょうのパンは、みなかわいて、砕くだけていた。9:6 彼かれらはギルガルの陣営じんえいのヨシュアの所ところにきて、彼かれとイスラエルの人々ひとびとに言いった、「われわれは遠とおい国くにからまいりました。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」。9:7 しかし、イスラエルの人々ひとびとはそのヒビびとたちに言いった、「あなたがたはわれわれのうちに住すんでいるのかも知しれないから、われわれはどうしてあなたがたと契約けいやくが結むすべましょう」。9:8 彼かれらはヨシュアに言いった、「われわれはあなたのしもべです」。ヨシュアは彼かれらに言いった、「あなたがたはだれですか。どこからきたのですか」。9:9 彼かれらはヨシュアに言いった、「しもべどもはあなたの神かみ、主しゅの名なのゆえに、ひじょうに遠とおい国くにからまいりました。われわれは主しゅの名声めいせい、および主しゅがエジプトで行おこなわれたすべての事ことを聞きき、9:10 また主しゅがヨルダンの向むこう側がわにいたアモリびとのふたりの王おう、すなわちヘシボンの王おうシホン、およびアシタロテにおったバシャンの王おうオグに行おこなわれたすべてのことを聞きいたからです。9:11 それで、われわれの長老ちょうろうたち、および国くにの住民じゅうみんはみなわれわれに言いいました、『おまえたちは旅路たびじの食料しょくりょうを手てに携たずさえていって、彼かれらに会あって言いいなさい、「われわれはあなたがたのしもべです。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」』。9:12 ここにあるこのパンは、あなたがたの所ところに来くるため、われわれが出立しゅったつする日ひに、おのおの家いえから、まだあたたかなのを旅たびの食料しょくりょうとして準備じゅんびしたのですが、今いまはもうかわいて砕くだけています。9:13 またぶどう酒しゅを満みたしたこれらの皮かわ袋ぶくろも、新あたらしかったのですが、破やぶれました。われわれのこの着物きものも、くつも、旅路たびじがひじょうに長ながかったので、古ふるびてしまいました」。9:14 そこでイスラエルの人々ひとびとは彼かれらの食料しょくりょう品ひんを共ともに食たべ、主しゅのさしずを求もとめようとはしなかった。9:15 そしてヨシュアは彼かれらと和わを講こうじ、契約けいやくを結むすんで、彼かれらを生いかしておいた。会衆かいしゅうの長ちょうたちは彼かれらに誓ちかいを立たてた。 9:16 契約けいやくを結むすんで三日かの後のちに、彼かれらはその人々ひとびとが近ちかくの人々ひとびとで、自分じぶんたちのうちに住すんでいるということを聞きいた。9:17 イスラエルの人々ひとびとは進すすんで、三日か目めにその町々まちまちに着ついた。その町々まちまちとは、ギベオン、ケピラ、ベエロテおよびキリアテ・ヤリムであった。9:18 ところで会衆かいしゅうの長ちょうたちが、すでにイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかいを立たてていたので、イスラエルの人々ひとびとは彼かれらを殺ころさなかった。そこで会衆かいしゅうはみな、長ちょうたちにむかってつぶやいた。9:19 しかし、長ちょうたちは皆みな、全ぜん会衆かいしゅうに言いった、「われわれはイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかった。それゆえ今いま、彼かれらに触ふれてはならない。9:20 われわれは、こうして彼かれらを生いかしておこう。そうすれば、われわれが彼かれらに立たてた誓ちかいのゆえに、怒いかりがわれわれに臨のぞむことはないであろう」。9:21 長ちょうたちはまた人々ひとびとに「彼かれらを生いかしておこう」と言いったので、彼かれらはついに、全ぜん会衆かいしゅうのために、たきぎを切きり、水みずをくむものとなった。長ちょうたちが彼かれらに言いったとおりである。 9:22 ヨシュアは彼かれらを呼よび寄よせて言いった、「あなたがたは、われわれのうちに住すみながら、なぜ『われわれはあなたがたからは遠とおく離はなれている』と言いって、われわれをだましたのか。9:23 それであなたがたは今いまのろわれ、奴隷どれいとなってわたしの神かみの家いえのために、たきぎを切きり、水みずをくむものが、絶たえずあなたがたのうちから出でるであろう」。9:24 彼かれらはヨシュアに答こたえて言いった、「あなたの神かみ、主しゅがそのしもべモーセに、この地ちをことごとくあなたがたに与あたえ、この地ちに住すむ民たみをことごとくあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さるようにと、お命めいじになったことを、しもべどもは明あきらかに伝つたえ聞ききましたので、あなたがたのゆえに、命いのちが危あやういと、われわれは非常ひじょうに恐おそれて、このことをしたのです。9:25 われわれは、今いま、あなたの手てのうちにあります。われわれにあなたがして良よいと思おもい、正ただしいと思おもうことをしてください」。9:26 そこでヨシュアは、彼かれらにそのようにし、彼かれらをイスラエルの人々ひとびとの手てから救すくって殺ころさせなかった。9:27 しかし、ヨシュアは、その日ひ、彼かれらを、会衆かいしゅうのため、また主しゅの祭壇さいだんのため、主しゅが選えらばれる場所ばしょで、たきぎを切きり、水みずをくむ者ものとした。これは今日こんにちまでつづいている。 第10章 10:1 エルサレムの王おうアドニゼデクは、ヨシュアがアイを攻せめ取とって、それを全まったく滅ほろぼし、さきにエリコとその王おうとにしたように、アイとその王おうにもしたこと、またギベオンの住民じゅうみんが、イスラエルと和わを講こうじて、そのうちにおることを聞きき、10:2 大おおいに恐おそれた。それは、ギベオンが大おおきな町まちであって、王おうの都みやこにもひとしいものであり、またアイより大おおきくて、そのうちの人々ひとびとが、すべて強つよかったからである。10:3 それでエルサレムの王おうアドニゼデクは、ヘブロンの王おうホハム、ヤルムテの王おうピラム、ラキシの王おうヤピア、およびエグロンの王おうデビルに人ひとをつかわして言いった、10:4 「わたしの所ところに上のぼってきて、わたしを助たすけてください。われわれはギベオンを撃うちましょう。ギベオンはヨシュアおよびイスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじたからです」。10:5 アモリびとの五人にんの王おう、すなわちエルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうは兵へいを集あつめ、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて上のぼってきて、ギベオンに向むかって陣じんを取とり、それを攻せめて戦たたかった。 10:6 ギベオンの人々ひとびとは、ギルガルの陣営じんえいに人ひとをつかわし、ヨシュアに言いった、「あなたの手てを引ひかないで、しもべどもを助たすけてください。早はやく、われわれの所ところに上のぼってきて、われわれを救すくい、助たすけてください。山地さんちに住すむアモリびとの王おうたちがみな集あつまって、われわれを攻せめるからです」。10:7 そこでヨシュアはすべてのいくさびとと、すべての大だい勇士ゆうしを率ひきいて、ギルガルから上のぼって行いった。10:8 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらを恐おそれてはならない。わたしが彼かれらをあなたの手てにわたしたからである。彼かれらのうちには、あなたに当あたることのできるものは、ひとりもないであろう」。10:9 ヨシュアは、ギルガルから、よもすがら進すすみのぼって、にわかに彼かれらに攻せめよせたところ、10:10 主しゅは彼かれらを、イスラエルの前まえに、恐おそれあわてさせられたので、イスラエルはギベオンで彼かれらをおびただしく撃うち殺ころし、ベテホロンの上のぼり坂ざかをとおって逃にげる彼かれらを、アゼカとマッケダまで追撃ついげきした。10:11 彼かれらがイスラエルの前まえから逃にげ走はしって、ベテホロンの下くだり坂ざかをおりていた時とき、主しゅは天てんから彼かれらの上うえに大石おおいしを降ふらし、アゼカにいたるまでもそうされたので、多おおくの人々ひとびとが死しんだ。イスラエルの人々ひとびとがつるぎをもって殺ころしたものよりも、雹ひょうに打うたれて死しんだもののほうが多おおかった。 10:12 主しゅがアモリびとをイスラエルの人々ひとびとにわたされた日ひに、ヨシュアはイスラエルの人々ひとびとの前まえで主しゅにむかって言いった、 「日ひよ、ギベオンの上うえにとどまれ、月つきよ、アヤロンの谷たににやすらえ」。10:13 民たみがその敵てきを撃うち破やぶるまで、日ひはとどまり、月つきは動うごかなかった。これはヤシャルの書しょにしるされているではないか。日ひが天てんの中空ちゅうくうにとどまって、急いそいで没ぼっしなかったこと、おおよそ一日にちであった。10:14 これより先さきにも、あとにも、主しゅがこのように人ひとの言葉ことばを聞ききいれられた日ひは一日にちもなかった。主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたからである。 10:15 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとと共ともにギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 10:16 かの五人にんの王おうたちは逃にげて行いって、マッケダのほら穴あなに隠かくれたが、10:17 五人にんの王おうたちがマッケダのほら穴あなにかくれているのが見みつかったと、ヨシュアに告つげる者ものがあったので、10:18 ヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちに大石おおいしをころがし、そのそばに人ひとを置おいて、守まもらせなさい。10:19 ただし、あなたがたは、そこにとどまらないで、敵てきのあとを追おい、そのしんがりを撃うち、彼かれらをその町まちにはいらせてはならない。あなたがたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたがたの手てに渡わたされたからである」。10:20 ヨシュアとイスラエルの人々ひとびとは、大おおいに彼かれらを撃うち殺ころし、ついに彼かれらを滅ほろぼしつくしたが、彼かれらのうちのがれて生いき残のこった者ものどもは、堅固けんごな町々まちまちに逃にげこんだので、10:21 民たみはみな安やすらかにマッケダの陣営じんえいのヨシュアのもとに帰かえってきたが、イスラエルの人々ひとびとにむかって舌したを鳴ならす者ものはひとりもなかった。 10:22 その時ときヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちを開ひらいて、ほら穴あなから、かの五人にんの王おうたちを、わたしのもとにひき出だしなさい」。10:23 やがて、そのようにして、かの五人にんの王おうたち、すなわち、エルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうを、ほら穴あなから彼かれのもとにひき出だした。10:24 この王おうたちをヨシュアのもとにひき出だした時とき、ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとを呼よび寄よせ、自分じぶんと共ともに行いったいくさびとの長ちょうたちに言いった、「近寄ちかよって、この王おうたちのくびに足あしをかけなさい」。そこで近寄ちかよって、その王おうたちのくびに足あしをかけたので、10:25 ヨシュアは彼かれらに言いった、「恐おそれおののいてはならない。強つよくまた雄々おおしくあれ。あなたがたが攻せめて戦たたかうすべての敵てきには、主しゅがこのようにされるのである」。10:26 そして後のちヨシュアは彼かれらを撃うって死しなせ、五本ほんの木きにかけて、夕暮ゆうぐれまで木きの上うえにさらして置おいたが、10:27 日ひの入いるころになって、ヨシュアが命めいじたので、これを木きからおろし、彼かれらが隠かくれていたほら穴あなに投なげ入いれ、ほら穴あなの口くちに大石おおいしを置おいた。これは今日こんにちまで残のこっている。 10:28 その日ひヨシュアはマッケダを取とり、つるぎをもって、それと、その王おうとを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、エリコの王おうにしたように、マッケダの王おうにもした。 10:29 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、マッケダからリブナに進すすみ、リブナを攻せめて戦たたかった。10:30 主しゅが、それと、その王おうをも、イスラエルの手てに渡わたされたので、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼして、ひとりもその中なかに残のこさず、エリコの王おうにしたように、その王おうにもした。 10:31 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、リブナからラキシに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:32 主しゅがラキシをイスラエルの手てに渡わたされたので、ふつか目めにこれを取とり、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼした。すべてリブナにしたとおりであった。 10:33 その時とき、ゲゼルの王おうホラムが、ラキシを助たすけるために上のぼってきたので、ヨシュアは彼かれと、その民たみとを撃うち滅ほろぼして、ついにひとりも残のこさなかった。 10:34 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ラキシからエグロンに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:35 その日ひこれを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとくその日ひに滅ほろぼした。すべてラキシにしたとおりであった。 10:36 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、エグロンからヘブロンに進すすみ上のぼり、これを攻せめて戦たたかい、10:37 それを取とって、それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちと、その中なかのすべての人ひとを、つるぎをもって撃うち滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。すべてエグロンにしたとおりであった。すなわち、それとその中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼした。 10:38 またヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、デビルへひきかえし、これを攻せめて戦たたかい、10:39 それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちを取とり、つるぎをもってそれを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。彼かれがデビルと、その王おうにしたことは、ヘブロンにしたとおりであり、またリブナと、その王おうにしたとおりであった。 10:40 こうしてヨシュアはその地ちの全部ぜんぶ、すなわち、山地さんち、ネゲブ、平地へいち、および山腹さんぷくの地ちと、そのすべての王おうたちを撃うち滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、すべて息いきのあるものは、ことごとく滅ほろぼした。イスラエルの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりであった。10:41 ヨシュアはカデシ・バルネアからガザまでの国々くにぐに、およびゴセンの全ぜん地ちを撃うち滅ほろぼして、ギベオンにまで及およんだ。10:42 イスラエルの神かみ、主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたので、ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、その地ちをいちどきに取とった。10:43 そしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 第11章 11:1 ハゾルの王おうヤビンは、これを聞きいて、マドンの王おうヨバブ、シムロンの王おう、およびアクサフの王おう、11:2 また北きたの山地さんち、キンネロテの南みなみのアラバ、平地へいち、西にしの方ほうのドルの高地こうちにおる王おうたち、11:3 すなわち、東西とうざいのカナンびと、アモリびと、ヘテびと、ペリジびと、山地さんちのエブスびと、ミヅパの地ちにあるヘルモンのふもとのヒビびとに使者ししゃをつかわした。11:4 そして彼かれらは、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて出でてきた。その大軍たいぐんは浜はまべの砂すなのように数多かずおおく、馬うまと戦車せんしゃも、ひじょうに多おおかった。11:5 これらの王おうたちはみな軍ぐんを集あつめ、進すすんできて、共ともにメロムの水みずのほとりに陣じんをしき、イスラエルと戦たたかおうとした。11:6 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらのゆえに恐おそれてはならない。あすの今いまごろ、わたしは彼かれらを皆みなイスラエルに渡わたして、ことごとく殺ころさせるであろう。あなたは彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やかなければならない」。11:7 そこでヨシュアは、すべてのいくさびとを率ひきいて、にわかにメロムの水みずのほとりにおし寄よせ、彼かれらを襲おそった。11:8 主しゅは彼かれらをイスラエルの手てに渡わたされたので、これを撃うち破やぶり、大だいシドンおよびミスレポテ・マイムまで、これを追撃ついげきし、東ひがしの方ほうでは、ミヅパの谷たにまで彼かれらを追おい、ついにひとりも残のこさず撃うちとった。11:9 ヨシュアは主しゅが命めいじられたとおりに彼かれらに行おこない、彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やいた。 11:10 その時とき、ヨシュアはひきかえして、ハゾルを取とり、つるぎをもって、その王おうを撃うった。ハゾルは昔むかし、これらすべての国々くにぐにの盟主めいしゅであったからである。11:11 彼かれらはつるぎをもって、その中なかのすべての人ひとを撃うち、ことごとくそれを滅ほろぼし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。そして火ひをもってハゾルを焼やいた。11:12 ヨシュアはこれらの王おうたちのすべての町々まちまち、およびその諸王しょおうを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、ことごとく滅ほろぼした。主しゅのしもべモーセが命めいじたとおりであった。11:13 ただし、丘おかの上うえに立たっている町々まちまちをイスラエルは焼やかなかった。ヨシュアはただハゾルだけを焼やいた。11:14 これらの町まちのすべてのぶんどり物ものと家畜かちくとは、イスラエルの人々ひとびとが戦利せんり品ひんとして取とったが、人ひとはみなつるぎをもって、滅ほろぼし尽つくし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。11:15 主しゅがそのしもべモーセに命めいじられたように、モーセはヨシュアに命めいじたが、ヨシュアはそのとおりにおこなった。すべて主しゅがモーセに命めいじられたことで、ヨシュアが行おこなわなかったことは一つもなかった。 11:16 こうしてヨシュアはその全ぜん地ち、すなわち、山地さんち、ネゲブの全ぜん地ち、ゴセンの全ぜん地ち、平地へいち、アラバならびにイスラエルの山地さんちと平地へいちを取とり、11:17 セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やまから、ヘルモン山やまのふもとのレバノンの谷たににあるバアルガデまでを獲えた。そしてそれらの王おうたちを、ことごとく捕とらえて、撃うち殺ころした。11:18 ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、長ながいあいだ戦たたかった。11:19 ギベオンの住民じゅうみんヒビびとのほかには、イスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじた町まちは一つもなかった。町々まちまちはみな戦争せんそうをして、攻せめ取とったものであった。11:20 彼かれらが心こころをかたくなにして、イスラエルに攻せめよせたのは、もともと主しゅがそうさせられたので、彼かれらがのろわれた者ものとなり、あわれみを受うけず、ことごとく滅ほろぼされるためであった。主しゅがモーセに命めいじられたとおりである。 11:21 その時とき、ヨシュアはまた行いって、山地さんち、ヘブロン、デビル、アナブ、ユダのすべての山地さんち、イスラエルのすべての山地さんちから、アナクびとを断たち、彼かれらの町々まちまちをも共ともに滅ほろぼした。11:22 それでイスラエルの人々ひとびとの地ちに、アナクびとは、ひとりもいなくなった。ただガサ、ガテ、アシドドには、少すこし残のこっているだけであった。11:23 こうしてヨシュアはその地ちを、ことごとく取とった。すべて主しゅがモーセに告つげられたとおりである。そしてヨシュアはイスラエルの部族ぶぞくにそれぞれの分ぶんを与あたえて、嗣し業ぎょうとさせた。こうしてその地ちに戦争せんそうはやんだ。 第12章 12:1 さてヨルダンの向むこう側がわ、日ひの出での方ほうで、アルノンの谷たにからヘルモン山やままで、および東ひがしアラバの全土ぜんどのうちで、イスラエルの人々ひとびとが撃うち滅ほろぼして地ちを取とった国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。12:2 まず、アモリびとの王おうシホン。彼かれはヘシボンに住すみ、その領地りょうちは、アルノンの谷たにのほとりにあるアロエル、および谷たにの中なかの町まちから、ギレアデの半なかばを占しめて、アンモンびととの境さかいであるヤボク川かわに達たっし、12:3 東ひがしの方ほうではアラバをキンネレテの湖みずうみまで占しめ、またアラバの海うみすなわち塩しおの海うみの東ひがしにおよび、ベテエシモテの道みちを経へて、南みなみはピスガの山やまのふもとに達たっした。12:4 次つぎにレパイムの生いき残のこりのひとりであったバシャンの王おうオグ。彼かれはアシタロテとエデレイとに住すみ、12:5 ヘルモン山やま、サレカ、およびバシャンの全土ぜんどを領りょうしたので、ゲシュルびと、およびマアカびとと境さかいを接せっし、またギレアデの半なかばを領りょうしたので、ヘシボンの王おうシホンと境さかいを接せっしていた。12:6 主しゅのしもべモーセと、イスラエルの人々ひとびととが、彼かれらを撃うち滅ほろぼし、そして主しゅのしもべモーセは、これらの地ちを、ルベンびと、ガドびと、およびマナセの半はん部族ぶぞくに与あたえて所有しょゆうとさせた。 12:7 ヨルダンのこちら側がわ、西にしの方ほうにあって、レバノンの谷たににあるバアルガデから、セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やままでの間あいだで、ヨシュアと、イスラエルの人々ひとびととが、撃うち滅ほろぼした国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。ヨシュアは彼かれらの地ちをイスラエルの部族ぶぞくに、それぞれの分ぶんを与あたえて嗣し業ぎょうとさせた。12:8 これは、山地さんち、平地へいち、アラバ、山腹さんぷく、荒野あらの、およびネゲブであって、ヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの所領しょりょうであった。12:9 エリコの王おうひとり。ベテルのほとりのアイの王おうひとり。12:10 エルサレムの王おうひとり。ヘブロンの王おうひとり。12:11 ヤルムテの王おうひとり。ラキシの王おうひとり。12:12 エグロンの王おうひとり。ゲゼルの王おうひとり。12:13 デビルの王おうひとり。ゲデルの王おうひとり。12:14 ホルマの王おうひとり。アラデの王おうひとり。12:15 リブナの王おうひとり。アドラムの王おうひとり。12:16 マッケダの王おうひとり。ベテルの王おうひとり。12:17 タップアの王おうひとり。ヘペルの王おうひとり。12:18 アペクの王おうひとり。シャロンの王おうひとり。12:19 マドンの王おうひとり。ハゾルの王おうひとり。12:20 シムロン・メロンの王おうひとり。アクサフの王おうひとり。12:21 タアナクの王おうひとり。メギドの王おうひとり。12:22 ケデシの王おうひとり。カルメルのヨクネアムの王おうひとり。12:23 ドルの高地こうちにおるドルの王おうひとり。ガリラヤのゴイイムの王おうひとり。12:24 テルザの王おうひとり。合あわせて三十一王おうである。
5:1 ヨルダンの向むこう側がわ、すなわち西にしの方ほうにおるアモリびとの王おうたちと、海うみべにおるカナンびとの王おうたちとは皆みな、主しゅがイスラエルの人々ひとびとの前まえで、ヨルダンの水みずを干ほしからして、彼かれらを渡わたらせられたと聞きいて、イスラエルの人々ひとびとのゆえに、心こころは消きえ、彼かれらのうちに、もはや元気げんきもなくなった。
5:2 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「火打石ひうちいしの小刀こがたなを造つくり、重かさねてまたイスラエルの人々ひとびとに割礼かつれいを行おこないなさい」。
5:3 そこでヨシュアは火打石ひうちいしの小刀こがたなを造つくり、陽よう皮ひの丘おかで、イスラエルの人々ひとびとに割礼かつれいを行おこなった。
5:4 ヨシュアが人々ひとびとに割礼かつれいを行おこなった理由りゆうはこうである。エジプトから出でてきた民たみのうちの、すべての男子だんし、すなわち、いくさびとたちは皆みな、エジプトを出でた後のち、途中とちゅう、荒野あらので死しんだが、
5:5 その出でてきた民たみは皆みな、割礼かつれいを受うけた者ものであった。しかし、エジプトを出でた後のちに、途中とちゅう、荒野あらので生うまれた民たみは、みな割礼かつれいを受うけていなかった。
5:6 イスラエルの人々ひとびとは四十年ねんの間あいだ、荒野あらのを歩あるいていて、そのエジプトから出でてきた民たみ、すなわち、いくさびとたちは、みな死しに絶たえた。これは彼かれらが主しゅの声こえに聞きき従したがわなかったので、主しゅは彼かれらの先祖せんぞたちに誓ちかって、われわれに与あたえると仰おおせられた地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる地ちを、彼かれらに見みさせないと誓ちかわれたからである。
5:7 ヨシュアが割礼かつれいを行おこなったのは、この人々ひとびとについで起おこされたその子こどもたちであった。彼かれらは途中とちゅうで割礼かつれいを受うけていなかったので、無む割礼かつれいの者ものであったからである。
5:8 すべての民たみに割礼かつれいを行おこなうことが終おわったので、民たみは宿営しゅくえいのうちの自分じぶんの所ところにとどまって傷きずの直なおるのを待まった。
5:9 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「きょう、わたしはエジプトのはずかしめを、あなたがたからころがし去さった」。それでその所ところの名なは、今日こんにちまでギルガルと呼よばれている。
5:10 イスラエルの人々ひとびとはギルガルに宿営しゅくえいしていたが、その月つきの十四日かの夕暮ゆうぐれ、エリコの平野へいやで過越すぎこしの祭まつりを行おこなった。
5:11 そして過越すぎこしの祭まつりの翌日よくじつ、その地ちの穀物こくもつ、すなわち種たね入いれぬパンおよびいり麦むぎを、その日ひに食たべたが、
5:12 その地ちの穀物こくもつを食たべた翌日よくじつから、マナの降ふることはやみ、イスラエルの人々ひとびとは、もはやマナを獲えなかった。その年としはカナンの地ちの産物さんぶつを食たべた。
5:13 ヨシュアがエリコの近ちかくにいたとき、目めを上あげて見みると、ひとりの人ひとが抜ぬき身みのつるぎを手てに持もち、こちらに向むかって立たっていたので、ヨシュアはその人ひとのところへ行いって言いった、「あなたはわれわれを助たすけるのですか。それともわれわれの敵てきを助たすけるのですか」。
5:14 彼かれは言いった、「いや、わたしは主しゅの軍勢ぐんぜいの将しょうとして今いまきたのだ」。ヨシュアは地ちにひれ伏ふし拝はいして言いった、「わが主しゅは何なにをしもべに告つげようとされるのですか」。
5:15 すると主しゅの軍勢ぐんぜいの将しょうはヨシュアに言いった、「あなたの足あしのくつを脱ぬぎなさい。あなたが立たっている所ところは聖せいなる所ところである」。ヨシュアはそのようにした。
第6章 6:1 さてエリコは、イスラエルの人々ひとびとのゆえに、かたく閉とざして、出入でいりするものがなかった。6:2 主しゅはヨシュアに言いわれた、「見みよ、わたしはエリコと、その王おうおよび大だい勇士ゆうしを、あなたの手てにわたしている。6:3 あなたがた、いくさびとはみな、町まちを巡めぐって、町まちの周囲しゅういを一度ど回まわらなければならない。六日むいかの間あいだそのようにしなければならない。6:4 七人にんの祭司さいしたちは、おのおの雄羊おひつじの角つののラッパを携たずさえて、箱はこに先立さきだたなければならない。そして七日なぬか目めには七度ど町まちを巡めぐり、祭司さいしたちはラッパを吹ふき鳴ならさなければならない。6:5 そして祭司さいしたちが雄羊おひつじの角つのを長ながく吹ふき鳴ならし、そのラッパの音おとが、あなたがたに聞きこえる時とき、民たみはみな大声おおごえに呼よばわり、叫さけばなければならない。そうすれば、町まちの周囲しゅういの石いしがきは、くずれ落おち、民たみはみなただちに進すすんで、攻せめ上のぼることができる」。6:6 ヌンの子こヨシュアは祭司さいしたちを召めして言いった、「あなたがたは契約けいやくの箱はこをかき、七人にんの祭司さいしたちは雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅの箱はこに先立さきだたなければならない」。6:7 そして民たみに言いった、「あなたがたは進すすんで行いって町まちを巡めぐりなさい。武装ぶそうした者ものは主しゅの箱はこに先立さきだって進すすまなければならない」。 6:8 ヨシュアが民たみに命めいじたように、七人にんの祭司さいしたちは、雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅに先立さきだって進すすみ、ラッパを吹ふき鳴ならした。主しゅの契約けいやくの箱はこはそのあとに従したがった。6:9 武装ぶそうした者ものはラッパを吹ふき鳴ならす祭司さいしたちに先立さきだって行いき、しんがりは箱はこに従したがった。ラッパは絶たえ間まなく鳴なり響ひびいた。6:10 しかし、ヨシュアは民たみに命めいじて言いった、「あなたがたは呼よばわってはならない。あなたがたの声こえを聞きこえさせてはならない。また口くちから言葉ことばを出だしてはならない。ただ、わたしが呼よばわれと命めいじる日ひに、あなたがたは呼よばわらなければならない」。6:11 こうして主しゅの箱はこを持もって、町まちを巡めぐらせ、その周囲しゅういを一度ど回まわらせた。人々ひとびとは宿営しゅくえいに帰かえり、夜よるを宿営しゅくえいで過すごした。 6:12 翌朝よくあさヨシュアは早はやく起おき、祭司さいしたちは主しゅの箱はこをかき、6:13 七人にんの祭司さいしたちは、雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅの箱はこに先立さきだち、絶たえず、ラッパを吹ふき鳴ならして進すすみ、武装ぶそうした者ものはこれに先立さきだって行いき、しんがりは主しゅの箱はこに従したがった。ラッパは絶たえ間まなく鳴なり響ひびいた。6:14 その次つぎの日ひにも、町まちの周囲しゅういを一度ど巡めぐって宿営しゅくえいに帰かえった。六日むいかの間あいだそのようにした。 6:15 七日なぬか目めには、夜明よあけに、早はやく起おき、同おなじようにして、町まちを七度どめぐった。町まちを七度どめぐったのはこの日ひだけであった。6:16 七度目どめに、祭司さいしたちがラッパを吹ふいた時とき、ヨシュアは民たみに言いった、「呼よばわりなさい。主しゅはこの町まちをあなたがたに賜たまわった。6:17 この町まちと、その中なかのすべてのものは、主しゅへの奉納物ほうのうぶつとして滅ほろぼされなければならない。ただし遊女ゆうじょラハブと、その家いえに共ともにおる者ものはみな生いかしておかなければならない。われわれが送おくった使者ししゃたちをかくまったからである。6:18 また、あなたがたは、奉納物ほうのうぶつに手てを触ふれてはならない。奉納ほうのうに当あたり、その奉納物ほうのうぶつをみずから取とって、イスラエルの宿営しゅくえいを、滅ほろぼさるべきものとし、それを悩なやますことのないためである。6:19 ただし、銀ぎんと金きん、青銅せいどうと鉄てつの器うつわは、みな主しゅに聖せいなる物ものであるから、主しゅの倉くらに携たずさえ入いれなければならない」。6:20 そこで民たみは呼よばわり、祭司さいしたちはラッパを吹ふき鳴ならした。民たみはラッパの音おとを聞きくと同時どうじに、みな大声おおごえをあげて呼よばわったので、石いしがきはくずれ落おちた。そこで民たみはみな、すぐに上のぼって町まちにはいり、町まちを攻せめ取とった。6:21 そして町まちにあるものは、男おとこも、女おんなも、若わかい者ものも、老おいた者ものも、また牛うし、羊ひつじ、ろばをも、ことごとくつるぎにかけて滅ほろぼした。 6:22 その時ときヨシュアは、この地ちを探さぐったふたりの人ひとに言いった、「あの遊女ゆうじょの家いえにはいって、その女おんなと彼女かのじょに属ぞくするすべてのものを連つれ出だし、彼女かのじょに誓ちかったようにしなさい」。6:23 斥候せっこうとなったその若わかい人ひとたちははいって、ラハブとその父母ふぼ、兄弟きょうだい、そのほか彼女かのじょに属ぞくするすべてのものを連つれ出だし、その親族しんぞくをみな連つれ出だして、イスラエルの宿営しゅくえいの外そとに置おいた。6:24 そして火ひで町まちとその中なかのすべてのものを焼やいた。ただ、銀ぎんと金きん、青銅せいどうと鉄てつの器うつわは、主しゅの家いえの倉くらに納おさめた。6:25 しかし、遊女ゆうじょラハブとその父ちちの家いえの一族いちぞくと彼女かのじょに属ぞくするすべてのものとは、ヨシュアが生いかしておいたので、ラハブは今日こんにちまでイスラエルのうちに住すんでいる。これはヨシュアがエリコを探さぐらせるためにつかわした使者ししゃたちをかくまったためである。 6:26 ヨシュアは、その時とき、人々ひとびとに誓ちかいを立たてて言いった、「おおよそ立たって、このエリコの町まちを再建さいけんする人ひとは、主しゅの前まえにのろわれるであろう。 その礎いしずえをすえる人ひとは長子ちょうしを失うしない、その門もんを建たてる人ひとは末すえの子こを失うしなうであろう」。6:27 主しゅはヨシュアと共ともにおられ、ヨシュアの名声めいせいは、あまねくその地ちに広ひろがった。 第7章 7:1 しかし、イスラエルの人々ひとびとは奉納物ほうのうぶつについて罪つみを犯おかした。すなわちユダの部族ぶぞくのうちの、ゼラの子こザブデの子こであるカルミの子こアカンが奉納物ほうのうぶつを取とったのである。それで主しゅはイスラエルの人々ひとびとにむかって怒いかりを発はっせられた。 7:2 ヨシュアはエリコから人々ひとびとをつかわし、ベテルの東ひがし、ベテアベンの近ちかくにあるアイに行いかせようとして、その人々ひとびとに言いった、「上のぼって行いって、かの地ちを探さぐってきなさい」。人々ひとびとは上のぼって行いって、アイを探さぐったが、7:3 ヨシュアのもとに帰かえってきて言いった、「民たみをことごとく行いかせるには及およびません。ただ二、三千人にんを上のぼらせて、アイを撃うたせなさい。彼かれらは少すくないのですから、民たみをことごとくあそこへやってほねおりをさせるには及およびません」。7:4 そこで民たみのうち、おおよそ三千人にんがそこに上のぼったが、ついにアイの人々ひとびとの前まえから逃にげ出だした。7:5 アイの人々ひとびとは彼かれらのうち、おおよそ三十六人にんを殺ころし、更さらに彼かれらを門もんの前まえからシバリムまで追おって、下くだり坂ざかで彼かれらを殺ころしたので、民たみの心こころは消きえて水みずのようになった。 7:6 そのためヨシュアは衣服いふくを裂さき、イスラエルの長老ちょうろうたちと共ともに、主しゅの箱はこの前まえで、夕方ゆうがたまで地ちにひれ伏ふし、ちりをかぶった。7:7 ヨシュアは言いった、「ああ、主しゅなる神かみよ、あなたはなにゆえ、この民たみにヨルダンを渡わたらせ、われわれをアモリびとの手てに渡わたして滅ほろぼさせられるのですか。われわれはヨルダンの向むこうに、安やすんじてとどまればよかったのです。7:8 ああ、主しゅよ。イスラエルがすでに敵てきに背せをむけた今いまとなって、わたしはまた何なにを言いい得えましょう。7:9 カナンびと、およびこの地ちに住すむすべてのものは、これを聞きいて、われわれを攻せめかこみ、われわれの名なを地ちから断たち去さってしまうでしょう。それであなたは、あなたの大おおいなる名なのために、何なにをしようとされるのですか」。 7:10 主しゅはヨシュアに言いわれた、「立たちなさい。あなたはどうして、そのようにひれ伏ふしているのか。7:11 イスラエルは罪つみを犯おかし、わたしが彼かれらに命めいじておいた契約けいやくを破やぶった。彼かれらは奉納物ほうのうぶつを取とり、盗ぬすみ、かつ偽いつわって、それを自分じぶんの所有物しょゆうぶつのうちに入いれた。7:12 それでイスラエルの人々ひとびとは敵てきに当あたることができず、敵てきに背せをむけた。彼かれらも滅ほろぼされるべきものとなったからである。あなたがたが、その滅ほろぼされるべきものを、あなたがたのうちから滅ほろぼし去さるのでなければ、わたしはもはやあなたがたとは共ともにいないであろう。7:13 立たって、民たみを清きよめて言いいなさい、『あなたがたは身みを清きよめて、あすのために備そなえなさい。イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、「イスラエルよ、あなたがたのうちに、滅ほろぼされるべきものがある。その滅ほろぼされるべきものを、あなたがたのうちから除のぞき去さるまでは、敵てきに当あたることはできないであろう」。7:14 それゆえ、あすの朝あさ、あなたがたは部族ぶぞくごとに進すすみ出でなければならない。そして主しゅがくじを当あてられる部族ぶぞくは、氏族しぞくごとに進すすみいで、主しゅがくじを当あてられる氏族しぞくは、家族かぞくごとに進すすみいで、主しゅがくじを当あてられる家族かぞくは、男おとこひとりびとり進すすみ出でなければならない。7:15 そしてその滅ほろぼされるべきものを持もっていて、くじを当あてられた者ものは、その持もち物もの全部ぜんぶと共ともに、火ひで焼やかれなければならない。主しゅの契約けいやくを破やぶりイスラエルのうちに愚おろかなことを行おこなったからである』」。 7:16 こうしてヨシュアは朝あさ早はやく起おき、イスラエルを部族ぶぞくごとに進すすみ出ださせたところ、ユダの部族ぶぞくがくじに当あたり、7:17 ユダのもろもろの氏族しぞくを進すすみ出ださせたところ、ゼラびとの氏族しぞくが、くじに当あたった。ゼラびとの氏族しぞくを家族かぞくごとに進すすみ出ださせたところ、ザブデの家族かぞくが、くじに当あたった。7:18 ザブデの家族かぞくを男おとこひとりびとり進すすみ出ださせたところ、アカンがくじに当あたった。アカンはユダの部族ぶぞくのうちの、ゼラの子こ、ザブデの子こなるカルミの子こである。7:19 その時ときヨシュアはアカンに言いった、「わが子こよ、イスラエルの神かみ、主しゅに栄光えいこうを帰きし、また主しゅをさんびし、あなたのしたことを今いまわたしに告つげなさい。わたしに隠かくしてはならない」。7:20 アカンはヨシュアに答こたえた、「ほんとうにわたしはイスラエルの神かみ、主しゅに対たいして罪つみを犯おかしました。わたしがしたのはこうです。7:21 わたしはぶんどり物もののうちに、シナルの美うつくしい外套がいとう一枚まいと銀ぎん二百シケルと、目方めかた五十シケルの金きんの延のべ棒ぼう一本ぽんのあるのを見みて、ほしくなり、それを取とりました。わたしの天幕てんまくの中なかに、地ちに隠かくしてあります。銀ぎんはその下したにあります」。 7:22 そこでヨシュアは使者ししゃたちをつかわした。使者ししゃたちが天幕てんまくに走はしっていって見みると、それは彼かれの天幕てんまくに隠かくしてあって、銀ぎんもその下したにあった。7:23 彼かれらはそれを天幕てんまくの中なかから取とり出だして、ヨシュアとイスラエルのすべての人々ひとびとの所ところに携たずさえてきたので、それを主しゅの前まえに置おいた。7:24 ヨシュアはすべてのイスラエルびとと共ともに、ゼラの子こアカンを捕とらえ、かの銀ぎんと外套がいとうと金きんの延のべ棒ぼう、および彼かれのむすこ、娘むすめ、牛うし、ろば、羊ひつじ、天幕てんまくなど、彼かれの持もち物ものをことごとく取とって、アコルの谷たにへ引ひいていった。7:25 そしてヨシュアは言いった、「なぜあなたはわれわれを悩なやましたのか。主しゅは、きょう、あなたを悩なやまされるであろう」。やがてすべてのイスラエルびとは石いしで彼かれを撃うち殺ころし、また彼かれの家族かぞくをも石いしで撃うち殺ころし、火ひをもって焼やいた。7:26 そしてアカンの上うえに石塚いしづかを大おおきく積つみ上あげたが、それは今日こんにちまで残のこっている。そして主しゅは激はげしい怒いかりをやめられたが、このことによって、その所ところの名なは今日こんにちまでアコルの谷たにと呼よばれている。 第8章 8:1 主しゅはヨシュアに言いわれた、「恐おそれてはならない、おののいてはならない。いくさびとを皆みな、率ひきい、立たって、アイに攻せめ上のぼりなさい。わたしはアイの王おうとその民たみ、その町まち、その地ちをあなたの手てに授さづける。8:2 あなたは、さきにエリコとその王おうにしたとおり、アイとその王おうとにしなければならない。ただし、ぶんどり物ものと家畜かちくとは戦利せんり品ひんとしてあなたがたのものとすることができるであろう。あなたはまず、町まちのうしろに伏兵ふくへいを置おきなさい」。 8:3 ヨシュアは立たって、すべてのいくさびとと共ともに、アイに攻せめ上のぼろうとして、まず大だい勇士ゆうし三万人にんを選えらび、それを夜よるのうちにつかわした。8:4 ヨシュアは彼かれらに命めいじて言いった、「あなたがたは町まちに向むかって、町まちのうしろに伏ふせていなければならない。町まちを遠とおく離はなれないで、みな備そなえをしていなければならない。8:5 わたしとわたしに従したがう民たみとは皆みな共ともに、町まちに攻せめ寄よせよう。そして彼かれらが前まえのようにわれわれにむかって出でてくるとき、われわれは彼かれらの前まえから逃にげるであろう。8:6 そうすれば彼かれらはわれわれを追おって出でてくるであろうから、われわれはついに彼かれらを町まちからおびき出だすことができる。彼かれらは言いうであろう、『この人々ひとびとはまた前まえのように、われわれの前まえから逃にげていく』。こうしてわれわれは彼かれらの前まえから逃にげるであろう。8:7 その時とき、あなたがたは伏ふせている所ところから立たち上あがって、町まちを取とらなければならない。あなたがたの神かみ、主しゅがそれをあなたがたの手てに与あたえられるからである。8:8 あなたがたが、町まちを取とったならば、町まちに火ひを放はなち、主しゅが命めいじられたようにしなければならない。わたしはこう、あなたがたに命めいじるのである」。8:9 そうしてヨシュアが彼かれらをつかわしたので、彼かれらはアイの西方せいほう、ベテルとアイの間あいだの待まち伏ぶせする場所ばしょに行いって身みを伏ふせた。ヨシュアはその夜よる、民たみの中なかに宿やどった。 8:10 ヨシュアは明あくる朝あさ、早はやく起おきて、民たみを集あつめ、イスラエルの長老ちょうろうたちと共ともに、民たみに先立さきだって、アイに上のぼっていった。8:11 彼かれと共ともにいたいくさびとたちもみな上のぼっていって、町まちの前まえに近ちかづき、アイの北きたに陣じんを取とった。彼かれらとアイの間あいだには、一つの谷たにがあった。8:12 ヨシュアはおおよそ五千人にんをとって、町まちの西方せいほう、ベテルとアイの間あいだに、伏ふせておいた。8:13 こうして民たみの主力しゅりょくを町まちの北きたにおき、しんがりを町まちの西にしにおいた。ヨシュアはその夜よ、谷たにの中なかで宿やどった。8:14 アイの王おうはこれを見みて、すべての民たみと共ともに、急いそいで、早はやく起おき、アラバに行いく下くだり坂ざかに進すすみ出でて、イスラエルと戦たたかった。しかし、王おうは町まちのうしろに、すきをうかがう伏兵ふくへいのおることを知しらなかった。8:15 ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとと共ともに、彼かれらに打うち破やぶられたふりをして、荒野あらのの方向ほうこうへ逃にげだしたので、8:16 その町まちの民たみはみな呼よばわり集あつまって彼かれらのあとを追おい、ヨシュアのあとを追おって町まちからおびき出だされ、8:17 アイにもベテルにも残のこっているものはひとりもなく、みな出でてイスラエルのあとを追おい、町まちを開あけ放はなして、イスラエルのあとを追おった。 8:18 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「あなたの手てにあるなげやりを、アイの方ほうにさし伸のべなさい。わたしはその町まちをあなたの手てに与あたえるであろう」。そこでヨシュアが手てにしていたなげやりを、アイの方ほうにさし伸のべると、8:19 伏兵ふくへいはたちまちその場所ばしょから立たち上あがり、ヨシュアが手てをのべると同時どうじに、走はしって町まちに入はいり、それを取とって、ただちに町まちに火ひをかけた。8:20 それでアイの人々ひとびとが、うしろをふり返かえって見みると、町まちの焼やける煙けむりが天てんに立たちのぼっていたので、こちらへもあちらへも逃にげるすべがなかった。荒野あらのへ逃にげていった民たみも身みをかえして、追おってきた者ものに迫せまった。8:21 ヨシュアとすべてのイスラエルびとは、伏兵ふくへいが町まちを取とり、町まちの焼やける煙けむりが立たち上のぼるのを見みて、身みをかえしてアイの人々ひとびとを撃うった。8:22 また町まちを取とったものは町まちを出でて彼かれらに向むかったので、彼かれらは、こちらとあちらとからイスラエルの中なかにはさまれた。こうしてイスラエルびとが彼かれらを撃うったので、生いき残のこったもの、逃にげおおせたものは、ひとりもなかった。8:23 そしてアイの王おうを生いけどりにして、ヨシュアのもとへ連つれてきた。 8:24 イスラエルびとは、荒野あらのに追撃ついげきしてきたアイの住民じゅうみんをことごとく野ので殺ころし、つるぎをもってひとりも残のこさず撃うち倒たおしてのち、皆みなアイに帰かえり、つるぎをもってその町まちを撃うち滅ほろぼした。8:25 その日ひアイの人々ひとびとはことごとく倒たおれた。その数かずは男女だんじょあわせて一万二千人にんであった。8:26 ヨシュアはアイの住民じゅうみんをことごとく滅ほろぼしつくすまでは、なげやりをさし伸のべた手てを引ひっこめなかった。8:27 ただし、その町まちの家畜かちくおよび、ぶんどり品ひんはイスラエルびとが自分じぶんたちの戦利せんり品ひんとして取とった。主しゅがヨシュアに命めいじられた言葉ことばにしたがったのである。8:28 こうしてヨシュアはアイを焼やいて、永久えいきゅうに荒塚あらつかとしたが、それは今日こんにちまで荒あれ地ちとなっている。8:29 ヨシュアはまた、アイの王おうを夕方ゆうがたまで木きに掛かけてさらし、日ひの入いるころ、命めいじて、その死体したいを木きから取とりおろし、町まちの門もんの入口いりぐちに投なげすて、その上うえに石いしの大塚おおつかを積つみ上あげさせたが、それは今日こんにちまで残のこっている。 8:30 そしてヨシュアはエバル山やまにイスラエルの神かみ、主しゅのために一つの祭壇さいだんを築きずいた。8:31 これは主しゅのしもべモーセがイスラエルの人々ひとびとに命めいじたことにもとづき、モーセの律法りっぽうの書しょにしるされているように、鉄てつの道具どうぐを当あてない自然しぜんのままの石いしの祭壇さいだんであって、人々ひとびとはその上うえで、主しゅに燔祭はんさいをささげ、酬恩祭しゅうおんさいを供そなえた。8:32 その所ところで、ヨシュアはまたモーセの書かきしるした律法りっぽうを、イスラエルの人々ひとびとの前まえで、石いしに書かき写うつした。8:33 こうしてすべてのイスラエルびとは、本国ほんごく人じんも、寄留きりゅうの他国たこく人じんも、長老ちょうろう、つかさびと、さばきびとと共ともに、主しゅの契約けいやくの箱はこをかくレビびとである祭司さいしたちの前まえで、箱はこのこなたとかなたに分わかれて、半なかばはゲリジム山やまの前まえに、半なかばはエバル山やまの前まえに立たった。これは主しゅのしもべモーセがさきに命めいじたように、イスラエルの民たみを祝福しゅくふくするためであった。8:34 そして後のち、ヨシュアはすべての律法りっぽうの書しょにしるされている所ところにしたがって、祝福しゅくふくと、のろいとに関かんする律法りっぽうの言葉ことばをことごとく読よんだ。8:35 モーセが命めいじたすべての言葉ことばのうち、ヨシュアがイスラエルの全ぜん会衆かいしゅうおよび女おんなと子こどもたち、ならびにイスラエルのうちに住すむ寄留きりゅうの他国たこく人じんの前まえで、読よまなかったものは一つもなかった。 第9章 9:1 さて、ヨルダンの西側にしがわの、山地さんち、平地へいち、およびレバノンまでの大海たいかいの沿岸えんがんに住すむもろもろの王おうたち、すなわちヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの王おうたちは、これを聞きいて、9:2 心こころを合あわせ、相あい集あつまって、ヨシュアおよびイスラエルと戦たたかおうとした。 9:3 しかし、ギベオンの住民じゅうみんたちは、ヨシュアがエリコとアイにおこなったことを聞きいて、9:4 自分じぶんたちも策略さくりゃくをめぐらし、行いって食料しょくりょう品ひんを準備じゅんびし、古ふるびた袋ふくろと、古ふるびて破やぶれたのを繕つくろったぶどう酒しゅの皮かわ袋ぶくろとを、ろばに負おわせ、9:5 繕つくろった古ふるぐつを足あしにはき、古ふるびた着物きものを身みにつけた。彼かれらの食料しょくりょうのパンは、みなかわいて、砕くだけていた。9:6 彼かれらはギルガルの陣営じんえいのヨシュアの所ところにきて、彼かれとイスラエルの人々ひとびとに言いった、「われわれは遠とおい国くにからまいりました。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」。9:7 しかし、イスラエルの人々ひとびとはそのヒビびとたちに言いった、「あなたがたはわれわれのうちに住すんでいるのかも知しれないから、われわれはどうしてあなたがたと契約けいやくが結むすべましょう」。9:8 彼かれらはヨシュアに言いった、「われわれはあなたのしもべです」。ヨシュアは彼かれらに言いった、「あなたがたはだれですか。どこからきたのですか」。9:9 彼かれらはヨシュアに言いった、「しもべどもはあなたの神かみ、主しゅの名なのゆえに、ひじょうに遠とおい国くにからまいりました。われわれは主しゅの名声めいせい、および主しゅがエジプトで行おこなわれたすべての事ことを聞きき、9:10 また主しゅがヨルダンの向むこう側がわにいたアモリびとのふたりの王おう、すなわちヘシボンの王おうシホン、およびアシタロテにおったバシャンの王おうオグに行おこなわれたすべてのことを聞きいたからです。9:11 それで、われわれの長老ちょうろうたち、および国くにの住民じゅうみんはみなわれわれに言いいました、『おまえたちは旅路たびじの食料しょくりょうを手てに携たずさえていって、彼かれらに会あって言いいなさい、「われわれはあなたがたのしもべです。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」』。9:12 ここにあるこのパンは、あなたがたの所ところに来くるため、われわれが出立しゅったつする日ひに、おのおの家いえから、まだあたたかなのを旅たびの食料しょくりょうとして準備じゅんびしたのですが、今いまはもうかわいて砕くだけています。9:13 またぶどう酒しゅを満みたしたこれらの皮かわ袋ぶくろも、新あたらしかったのですが、破やぶれました。われわれのこの着物きものも、くつも、旅路たびじがひじょうに長ながかったので、古ふるびてしまいました」。9:14 そこでイスラエルの人々ひとびとは彼かれらの食料しょくりょう品ひんを共ともに食たべ、主しゅのさしずを求もとめようとはしなかった。9:15 そしてヨシュアは彼かれらと和わを講こうじ、契約けいやくを結むすんで、彼かれらを生いかしておいた。会衆かいしゅうの長ちょうたちは彼かれらに誓ちかいを立たてた。 9:16 契約けいやくを結むすんで三日かの後のちに、彼かれらはその人々ひとびとが近ちかくの人々ひとびとで、自分じぶんたちのうちに住すんでいるということを聞きいた。9:17 イスラエルの人々ひとびとは進すすんで、三日か目めにその町々まちまちに着ついた。その町々まちまちとは、ギベオン、ケピラ、ベエロテおよびキリアテ・ヤリムであった。9:18 ところで会衆かいしゅうの長ちょうたちが、すでにイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかいを立たてていたので、イスラエルの人々ひとびとは彼かれらを殺ころさなかった。そこで会衆かいしゅうはみな、長ちょうたちにむかってつぶやいた。9:19 しかし、長ちょうたちは皆みな、全ぜん会衆かいしゅうに言いった、「われわれはイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかった。それゆえ今いま、彼かれらに触ふれてはならない。9:20 われわれは、こうして彼かれらを生いかしておこう。そうすれば、われわれが彼かれらに立たてた誓ちかいのゆえに、怒いかりがわれわれに臨のぞむことはないであろう」。9:21 長ちょうたちはまた人々ひとびとに「彼かれらを生いかしておこう」と言いったので、彼かれらはついに、全ぜん会衆かいしゅうのために、たきぎを切きり、水みずをくむものとなった。長ちょうたちが彼かれらに言いったとおりである。 9:22 ヨシュアは彼かれらを呼よび寄よせて言いった、「あなたがたは、われわれのうちに住すみながら、なぜ『われわれはあなたがたからは遠とおく離はなれている』と言いって、われわれをだましたのか。9:23 それであなたがたは今いまのろわれ、奴隷どれいとなってわたしの神かみの家いえのために、たきぎを切きり、水みずをくむものが、絶たえずあなたがたのうちから出でるであろう」。9:24 彼かれらはヨシュアに答こたえて言いった、「あなたの神かみ、主しゅがそのしもべモーセに、この地ちをことごとくあなたがたに与あたえ、この地ちに住すむ民たみをことごとくあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さるようにと、お命めいじになったことを、しもべどもは明あきらかに伝つたえ聞ききましたので、あなたがたのゆえに、命いのちが危あやういと、われわれは非常ひじょうに恐おそれて、このことをしたのです。9:25 われわれは、今いま、あなたの手てのうちにあります。われわれにあなたがして良よいと思おもい、正ただしいと思おもうことをしてください」。9:26 そこでヨシュアは、彼かれらにそのようにし、彼かれらをイスラエルの人々ひとびとの手てから救すくって殺ころさせなかった。9:27 しかし、ヨシュアは、その日ひ、彼かれらを、会衆かいしゅうのため、また主しゅの祭壇さいだんのため、主しゅが選えらばれる場所ばしょで、たきぎを切きり、水みずをくむ者ものとした。これは今日こんにちまでつづいている。 第10章 10:1 エルサレムの王おうアドニゼデクは、ヨシュアがアイを攻せめ取とって、それを全まったく滅ほろぼし、さきにエリコとその王おうとにしたように、アイとその王おうにもしたこと、またギベオンの住民じゅうみんが、イスラエルと和わを講こうじて、そのうちにおることを聞きき、10:2 大おおいに恐おそれた。それは、ギベオンが大おおきな町まちであって、王おうの都みやこにもひとしいものであり、またアイより大おおきくて、そのうちの人々ひとびとが、すべて強つよかったからである。10:3 それでエルサレムの王おうアドニゼデクは、ヘブロンの王おうホハム、ヤルムテの王おうピラム、ラキシの王おうヤピア、およびエグロンの王おうデビルに人ひとをつかわして言いった、10:4 「わたしの所ところに上のぼってきて、わたしを助たすけてください。われわれはギベオンを撃うちましょう。ギベオンはヨシュアおよびイスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじたからです」。10:5 アモリびとの五人にんの王おう、すなわちエルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうは兵へいを集あつめ、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて上のぼってきて、ギベオンに向むかって陣じんを取とり、それを攻せめて戦たたかった。 10:6 ギベオンの人々ひとびとは、ギルガルの陣営じんえいに人ひとをつかわし、ヨシュアに言いった、「あなたの手てを引ひかないで、しもべどもを助たすけてください。早はやく、われわれの所ところに上のぼってきて、われわれを救すくい、助たすけてください。山地さんちに住すむアモリびとの王おうたちがみな集あつまって、われわれを攻せめるからです」。10:7 そこでヨシュアはすべてのいくさびとと、すべての大だい勇士ゆうしを率ひきいて、ギルガルから上のぼって行いった。10:8 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらを恐おそれてはならない。わたしが彼かれらをあなたの手てにわたしたからである。彼かれらのうちには、あなたに当あたることのできるものは、ひとりもないであろう」。10:9 ヨシュアは、ギルガルから、よもすがら進すすみのぼって、にわかに彼かれらに攻せめよせたところ、10:10 主しゅは彼かれらを、イスラエルの前まえに、恐おそれあわてさせられたので、イスラエルはギベオンで彼かれらをおびただしく撃うち殺ころし、ベテホロンの上のぼり坂ざかをとおって逃にげる彼かれらを、アゼカとマッケダまで追撃ついげきした。10:11 彼かれらがイスラエルの前まえから逃にげ走はしって、ベテホロンの下くだり坂ざかをおりていた時とき、主しゅは天てんから彼かれらの上うえに大石おおいしを降ふらし、アゼカにいたるまでもそうされたので、多おおくの人々ひとびとが死しんだ。イスラエルの人々ひとびとがつるぎをもって殺ころしたものよりも、雹ひょうに打うたれて死しんだもののほうが多おおかった。 10:12 主しゅがアモリびとをイスラエルの人々ひとびとにわたされた日ひに、ヨシュアはイスラエルの人々ひとびとの前まえで主しゅにむかって言いった、 「日ひよ、ギベオンの上うえにとどまれ、月つきよ、アヤロンの谷たににやすらえ」。10:13 民たみがその敵てきを撃うち破やぶるまで、日ひはとどまり、月つきは動うごかなかった。これはヤシャルの書しょにしるされているではないか。日ひが天てんの中空ちゅうくうにとどまって、急いそいで没ぼっしなかったこと、おおよそ一日にちであった。10:14 これより先さきにも、あとにも、主しゅがこのように人ひとの言葉ことばを聞ききいれられた日ひは一日にちもなかった。主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたからである。 10:15 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとと共ともにギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 10:16 かの五人にんの王おうたちは逃にげて行いって、マッケダのほら穴あなに隠かくれたが、10:17 五人にんの王おうたちがマッケダのほら穴あなにかくれているのが見みつかったと、ヨシュアに告つげる者ものがあったので、10:18 ヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちに大石おおいしをころがし、そのそばに人ひとを置おいて、守まもらせなさい。10:19 ただし、あなたがたは、そこにとどまらないで、敵てきのあとを追おい、そのしんがりを撃うち、彼かれらをその町まちにはいらせてはならない。あなたがたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたがたの手てに渡わたされたからである」。10:20 ヨシュアとイスラエルの人々ひとびとは、大おおいに彼かれらを撃うち殺ころし、ついに彼かれらを滅ほろぼしつくしたが、彼かれらのうちのがれて生いき残のこった者ものどもは、堅固けんごな町々まちまちに逃にげこんだので、10:21 民たみはみな安やすらかにマッケダの陣営じんえいのヨシュアのもとに帰かえってきたが、イスラエルの人々ひとびとにむかって舌したを鳴ならす者ものはひとりもなかった。 10:22 その時ときヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちを開ひらいて、ほら穴あなから、かの五人にんの王おうたちを、わたしのもとにひき出だしなさい」。10:23 やがて、そのようにして、かの五人にんの王おうたち、すなわち、エルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうを、ほら穴あなから彼かれのもとにひき出だした。10:24 この王おうたちをヨシュアのもとにひき出だした時とき、ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとを呼よび寄よせ、自分じぶんと共ともに行いったいくさびとの長ちょうたちに言いった、「近寄ちかよって、この王おうたちのくびに足あしをかけなさい」。そこで近寄ちかよって、その王おうたちのくびに足あしをかけたので、10:25 ヨシュアは彼かれらに言いった、「恐おそれおののいてはならない。強つよくまた雄々おおしくあれ。あなたがたが攻せめて戦たたかうすべての敵てきには、主しゅがこのようにされるのである」。10:26 そして後のちヨシュアは彼かれらを撃うって死しなせ、五本ほんの木きにかけて、夕暮ゆうぐれまで木きの上うえにさらして置おいたが、10:27 日ひの入いるころになって、ヨシュアが命めいじたので、これを木きからおろし、彼かれらが隠かくれていたほら穴あなに投なげ入いれ、ほら穴あなの口くちに大石おおいしを置おいた。これは今日こんにちまで残のこっている。 10:28 その日ひヨシュアはマッケダを取とり、つるぎをもって、それと、その王おうとを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、エリコの王おうにしたように、マッケダの王おうにもした。 10:29 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、マッケダからリブナに進すすみ、リブナを攻せめて戦たたかった。10:30 主しゅが、それと、その王おうをも、イスラエルの手てに渡わたされたので、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼして、ひとりもその中なかに残のこさず、エリコの王おうにしたように、その王おうにもした。 10:31 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、リブナからラキシに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:32 主しゅがラキシをイスラエルの手てに渡わたされたので、ふつか目めにこれを取とり、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼした。すべてリブナにしたとおりであった。 10:33 その時とき、ゲゼルの王おうホラムが、ラキシを助たすけるために上のぼってきたので、ヨシュアは彼かれと、その民たみとを撃うち滅ほろぼして、ついにひとりも残のこさなかった。 10:34 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ラキシからエグロンに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:35 その日ひこれを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとくその日ひに滅ほろぼした。すべてラキシにしたとおりであった。 10:36 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、エグロンからヘブロンに進すすみ上のぼり、これを攻せめて戦たたかい、10:37 それを取とって、それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちと、その中なかのすべての人ひとを、つるぎをもって撃うち滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。すべてエグロンにしたとおりであった。すなわち、それとその中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼした。 10:38 またヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、デビルへひきかえし、これを攻せめて戦たたかい、10:39 それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちを取とり、つるぎをもってそれを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。彼かれがデビルと、その王おうにしたことは、ヘブロンにしたとおりであり、またリブナと、その王おうにしたとおりであった。 10:40 こうしてヨシュアはその地ちの全部ぜんぶ、すなわち、山地さんち、ネゲブ、平地へいち、および山腹さんぷくの地ちと、そのすべての王おうたちを撃うち滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、すべて息いきのあるものは、ことごとく滅ほろぼした。イスラエルの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりであった。10:41 ヨシュアはカデシ・バルネアからガザまでの国々くにぐに、およびゴセンの全ぜん地ちを撃うち滅ほろぼして、ギベオンにまで及およんだ。10:42 イスラエルの神かみ、主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたので、ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、その地ちをいちどきに取とった。10:43 そしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 第11章 11:1 ハゾルの王おうヤビンは、これを聞きいて、マドンの王おうヨバブ、シムロンの王おう、およびアクサフの王おう、11:2 また北きたの山地さんち、キンネロテの南みなみのアラバ、平地へいち、西にしの方ほうのドルの高地こうちにおる王おうたち、11:3 すなわち、東西とうざいのカナンびと、アモリびと、ヘテびと、ペリジびと、山地さんちのエブスびと、ミヅパの地ちにあるヘルモンのふもとのヒビびとに使者ししゃをつかわした。11:4 そして彼かれらは、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて出でてきた。その大軍たいぐんは浜はまべの砂すなのように数多かずおおく、馬うまと戦車せんしゃも、ひじょうに多おおかった。11:5 これらの王おうたちはみな軍ぐんを集あつめ、進すすんできて、共ともにメロムの水みずのほとりに陣じんをしき、イスラエルと戦たたかおうとした。11:6 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらのゆえに恐おそれてはならない。あすの今いまごろ、わたしは彼かれらを皆みなイスラエルに渡わたして、ことごとく殺ころさせるであろう。あなたは彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やかなければならない」。11:7 そこでヨシュアは、すべてのいくさびとを率ひきいて、にわかにメロムの水みずのほとりにおし寄よせ、彼かれらを襲おそった。11:8 主しゅは彼かれらをイスラエルの手てに渡わたされたので、これを撃うち破やぶり、大だいシドンおよびミスレポテ・マイムまで、これを追撃ついげきし、東ひがしの方ほうでは、ミヅパの谷たにまで彼かれらを追おい、ついにひとりも残のこさず撃うちとった。11:9 ヨシュアは主しゅが命めいじられたとおりに彼かれらに行おこない、彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やいた。 11:10 その時とき、ヨシュアはひきかえして、ハゾルを取とり、つるぎをもって、その王おうを撃うった。ハゾルは昔むかし、これらすべての国々くにぐにの盟主めいしゅであったからである。11:11 彼かれらはつるぎをもって、その中なかのすべての人ひとを撃うち、ことごとくそれを滅ほろぼし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。そして火ひをもってハゾルを焼やいた。11:12 ヨシュアはこれらの王おうたちのすべての町々まちまち、およびその諸王しょおうを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、ことごとく滅ほろぼした。主しゅのしもべモーセが命めいじたとおりであった。11:13 ただし、丘おかの上うえに立たっている町々まちまちをイスラエルは焼やかなかった。ヨシュアはただハゾルだけを焼やいた。11:14 これらの町まちのすべてのぶんどり物ものと家畜かちくとは、イスラエルの人々ひとびとが戦利せんり品ひんとして取とったが、人ひとはみなつるぎをもって、滅ほろぼし尽つくし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。11:15 主しゅがそのしもべモーセに命めいじられたように、モーセはヨシュアに命めいじたが、ヨシュアはそのとおりにおこなった。すべて主しゅがモーセに命めいじられたことで、ヨシュアが行おこなわなかったことは一つもなかった。 11:16 こうしてヨシュアはその全ぜん地ち、すなわち、山地さんち、ネゲブの全ぜん地ち、ゴセンの全ぜん地ち、平地へいち、アラバならびにイスラエルの山地さんちと平地へいちを取とり、11:17 セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やまから、ヘルモン山やまのふもとのレバノンの谷たににあるバアルガデまでを獲えた。そしてそれらの王おうたちを、ことごとく捕とらえて、撃うち殺ころした。11:18 ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、長ながいあいだ戦たたかった。11:19 ギベオンの住民じゅうみんヒビびとのほかには、イスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじた町まちは一つもなかった。町々まちまちはみな戦争せんそうをして、攻せめ取とったものであった。11:20 彼かれらが心こころをかたくなにして、イスラエルに攻せめよせたのは、もともと主しゅがそうさせられたので、彼かれらがのろわれた者ものとなり、あわれみを受うけず、ことごとく滅ほろぼされるためであった。主しゅがモーセに命めいじられたとおりである。 11:21 その時とき、ヨシュアはまた行いって、山地さんち、ヘブロン、デビル、アナブ、ユダのすべての山地さんち、イスラエルのすべての山地さんちから、アナクびとを断たち、彼かれらの町々まちまちをも共ともに滅ほろぼした。11:22 それでイスラエルの人々ひとびとの地ちに、アナクびとは、ひとりもいなくなった。ただガサ、ガテ、アシドドには、少すこし残のこっているだけであった。11:23 こうしてヨシュアはその地ちを、ことごとく取とった。すべて主しゅがモーセに告つげられたとおりである。そしてヨシュアはイスラエルの部族ぶぞくにそれぞれの分ぶんを与あたえて、嗣し業ぎょうとさせた。こうしてその地ちに戦争せんそうはやんだ。 第12章 12:1 さてヨルダンの向むこう側がわ、日ひの出での方ほうで、アルノンの谷たにからヘルモン山やままで、および東ひがしアラバの全土ぜんどのうちで、イスラエルの人々ひとびとが撃うち滅ほろぼして地ちを取とった国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。12:2 まず、アモリびとの王おうシホン。彼かれはヘシボンに住すみ、その領地りょうちは、アルノンの谷たにのほとりにあるアロエル、および谷たにの中なかの町まちから、ギレアデの半なかばを占しめて、アンモンびととの境さかいであるヤボク川かわに達たっし、12:3 東ひがしの方ほうではアラバをキンネレテの湖みずうみまで占しめ、またアラバの海うみすなわち塩しおの海うみの東ひがしにおよび、ベテエシモテの道みちを経へて、南みなみはピスガの山やまのふもとに達たっした。12:4 次つぎにレパイムの生いき残のこりのひとりであったバシャンの王おうオグ。彼かれはアシタロテとエデレイとに住すみ、12:5 ヘルモン山やま、サレカ、およびバシャンの全土ぜんどを領りょうしたので、ゲシュルびと、およびマアカびとと境さかいを接せっし、またギレアデの半なかばを領りょうしたので、ヘシボンの王おうシホンと境さかいを接せっしていた。12:6 主しゅのしもべモーセと、イスラエルの人々ひとびととが、彼かれらを撃うち滅ほろぼし、そして主しゅのしもべモーセは、これらの地ちを、ルベンびと、ガドびと、およびマナセの半はん部族ぶぞくに与あたえて所有しょゆうとさせた。 12:7 ヨルダンのこちら側がわ、西にしの方ほうにあって、レバノンの谷たににあるバアルガデから、セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やままでの間あいだで、ヨシュアと、イスラエルの人々ひとびととが、撃うち滅ほろぼした国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。ヨシュアは彼かれらの地ちをイスラエルの部族ぶぞくに、それぞれの分ぶんを与あたえて嗣し業ぎょうとさせた。12:8 これは、山地さんち、平地へいち、アラバ、山腹さんぷく、荒野あらの、およびネゲブであって、ヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの所領しょりょうであった。12:9 エリコの王おうひとり。ベテルのほとりのアイの王おうひとり。12:10 エルサレムの王おうひとり。ヘブロンの王おうひとり。12:11 ヤルムテの王おうひとり。ラキシの王おうひとり。12:12 エグロンの王おうひとり。ゲゼルの王おうひとり。12:13 デビルの王おうひとり。ゲデルの王おうひとり。12:14 ホルマの王おうひとり。アラデの王おうひとり。12:15 リブナの王おうひとり。アドラムの王おうひとり。12:16 マッケダの王おうひとり。ベテルの王おうひとり。12:17 タップアの王おうひとり。ヘペルの王おうひとり。12:18 アペクの王おうひとり。シャロンの王おうひとり。12:19 マドンの王おうひとり。ハゾルの王おうひとり。12:20 シムロン・メロンの王おうひとり。アクサフの王おうひとり。12:21 タアナクの王おうひとり。メギドの王おうひとり。12:22 ケデシの王おうひとり。カルメルのヨクネアムの王おうひとり。12:23 ドルの高地こうちにおるドルの王おうひとり。ガリラヤのゴイイムの王おうひとり。12:24 テルザの王おうひとり。合あわせて三十一王おうである。
6:1 さてエリコは、イスラエルの人々ひとびとのゆえに、かたく閉とざして、出入でいりするものがなかった。
6:2 主しゅはヨシュアに言いわれた、「見みよ、わたしはエリコと、その王おうおよび大だい勇士ゆうしを、あなたの手てにわたしている。
6:3 あなたがた、いくさびとはみな、町まちを巡めぐって、町まちの周囲しゅういを一度ど回まわらなければならない。六日むいかの間あいだそのようにしなければならない。
6:4 七人にんの祭司さいしたちは、おのおの雄羊おひつじの角つののラッパを携たずさえて、箱はこに先立さきだたなければならない。そして七日なぬか目めには七度ど町まちを巡めぐり、祭司さいしたちはラッパを吹ふき鳴ならさなければならない。
6:5 そして祭司さいしたちが雄羊おひつじの角つのを長ながく吹ふき鳴ならし、そのラッパの音おとが、あなたがたに聞きこえる時とき、民たみはみな大声おおごえに呼よばわり、叫さけばなければならない。そうすれば、町まちの周囲しゅういの石いしがきは、くずれ落おち、民たみはみなただちに進すすんで、攻せめ上のぼることができる」。
6:6 ヌンの子こヨシュアは祭司さいしたちを召めして言いった、「あなたがたは契約けいやくの箱はこをかき、七人にんの祭司さいしたちは雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅの箱はこに先立さきだたなければならない」。
6:7 そして民たみに言いった、「あなたがたは進すすんで行いって町まちを巡めぐりなさい。武装ぶそうした者ものは主しゅの箱はこに先立さきだって進すすまなければならない」。
6:8 ヨシュアが民たみに命めいじたように、七人にんの祭司さいしたちは、雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅに先立さきだって進すすみ、ラッパを吹ふき鳴ならした。主しゅの契約けいやくの箱はこはそのあとに従したがった。
6:9 武装ぶそうした者ものはラッパを吹ふき鳴ならす祭司さいしたちに先立さきだって行いき、しんがりは箱はこに従したがった。ラッパは絶たえ間まなく鳴なり響ひびいた。
6:10 しかし、ヨシュアは民たみに命めいじて言いった、「あなたがたは呼よばわってはならない。あなたがたの声こえを聞きこえさせてはならない。また口くちから言葉ことばを出だしてはならない。ただ、わたしが呼よばわれと命めいじる日ひに、あなたがたは呼よばわらなければならない」。
6:11 こうして主しゅの箱はこを持もって、町まちを巡めぐらせ、その周囲しゅういを一度ど回まわらせた。人々ひとびとは宿営しゅくえいに帰かえり、夜よるを宿営しゅくえいで過すごした。
6:12 翌朝よくあさヨシュアは早はやく起おき、祭司さいしたちは主しゅの箱はこをかき、
6:13 七人にんの祭司さいしたちは、雄羊おひつじの角つののラッパ七本ほんを携たずさえて、主しゅの箱はこに先立さきだち、絶たえず、ラッパを吹ふき鳴ならして進すすみ、武装ぶそうした者ものはこれに先立さきだって行いき、しんがりは主しゅの箱はこに従したがった。ラッパは絶たえ間まなく鳴なり響ひびいた。
6:14 その次つぎの日ひにも、町まちの周囲しゅういを一度ど巡めぐって宿営しゅくえいに帰かえった。六日むいかの間あいだそのようにした。
6:15 七日なぬか目めには、夜明よあけに、早はやく起おき、同おなじようにして、町まちを七度どめぐった。町まちを七度どめぐったのはこの日ひだけであった。
6:16 七度目どめに、祭司さいしたちがラッパを吹ふいた時とき、ヨシュアは民たみに言いった、「呼よばわりなさい。主しゅはこの町まちをあなたがたに賜たまわった。
6:17 この町まちと、その中なかのすべてのものは、主しゅへの奉納物ほうのうぶつとして滅ほろぼされなければならない。ただし遊女ゆうじょラハブと、その家いえに共ともにおる者ものはみな生いかしておかなければならない。われわれが送おくった使者ししゃたちをかくまったからである。
6:18 また、あなたがたは、奉納物ほうのうぶつに手てを触ふれてはならない。奉納ほうのうに当あたり、その奉納物ほうのうぶつをみずから取とって、イスラエルの宿営しゅくえいを、滅ほろぼさるべきものとし、それを悩なやますことのないためである。
6:19 ただし、銀ぎんと金きん、青銅せいどうと鉄てつの器うつわは、みな主しゅに聖せいなる物ものであるから、主しゅの倉くらに携たずさえ入いれなければならない」。
6:20 そこで民たみは呼よばわり、祭司さいしたちはラッパを吹ふき鳴ならした。民たみはラッパの音おとを聞きくと同時どうじに、みな大声おおごえをあげて呼よばわったので、石いしがきはくずれ落おちた。そこで民たみはみな、すぐに上のぼって町まちにはいり、町まちを攻せめ取とった。
6:21 そして町まちにあるものは、男おとこも、女おんなも、若わかい者ものも、老おいた者ものも、また牛うし、羊ひつじ、ろばをも、ことごとくつるぎにかけて滅ほろぼした。
6:22 その時ときヨシュアは、この地ちを探さぐったふたりの人ひとに言いった、「あの遊女ゆうじょの家いえにはいって、その女おんなと彼女かのじょに属ぞくするすべてのものを連つれ出だし、彼女かのじょに誓ちかったようにしなさい」。
6:23 斥候せっこうとなったその若わかい人ひとたちははいって、ラハブとその父母ふぼ、兄弟きょうだい、そのほか彼女かのじょに属ぞくするすべてのものを連つれ出だし、その親族しんぞくをみな連つれ出だして、イスラエルの宿営しゅくえいの外そとに置おいた。
6:24 そして火ひで町まちとその中なかのすべてのものを焼やいた。ただ、銀ぎんと金きん、青銅せいどうと鉄てつの器うつわは、主しゅの家いえの倉くらに納おさめた。
6:25 しかし、遊女ゆうじょラハブとその父ちちの家いえの一族いちぞくと彼女かのじょに属ぞくするすべてのものとは、ヨシュアが生いかしておいたので、ラハブは今日こんにちまでイスラエルのうちに住すんでいる。これはヨシュアがエリコを探さぐらせるためにつかわした使者ししゃたちをかくまったためである。
6:26 ヨシュアは、その時とき、人々ひとびとに誓ちかいを立たてて言いった、「おおよそ立たって、このエリコの町まちを再建さいけんする人ひとは、主しゅの前まえにのろわれるであろう。
6:27 主しゅはヨシュアと共ともにおられ、ヨシュアの名声めいせいは、あまねくその地ちに広ひろがった。
第7章 7:1 しかし、イスラエルの人々ひとびとは奉納物ほうのうぶつについて罪つみを犯おかした。すなわちユダの部族ぶぞくのうちの、ゼラの子こザブデの子こであるカルミの子こアカンが奉納物ほうのうぶつを取とったのである。それで主しゅはイスラエルの人々ひとびとにむかって怒いかりを発はっせられた。 7:2 ヨシュアはエリコから人々ひとびとをつかわし、ベテルの東ひがし、ベテアベンの近ちかくにあるアイに行いかせようとして、その人々ひとびとに言いった、「上のぼって行いって、かの地ちを探さぐってきなさい」。人々ひとびとは上のぼって行いって、アイを探さぐったが、7:3 ヨシュアのもとに帰かえってきて言いった、「民たみをことごとく行いかせるには及およびません。ただ二、三千人にんを上のぼらせて、アイを撃うたせなさい。彼かれらは少すくないのですから、民たみをことごとくあそこへやってほねおりをさせるには及およびません」。7:4 そこで民たみのうち、おおよそ三千人にんがそこに上のぼったが、ついにアイの人々ひとびとの前まえから逃にげ出だした。7:5 アイの人々ひとびとは彼かれらのうち、おおよそ三十六人にんを殺ころし、更さらに彼かれらを門もんの前まえからシバリムまで追おって、下くだり坂ざかで彼かれらを殺ころしたので、民たみの心こころは消きえて水みずのようになった。 7:6 そのためヨシュアは衣服いふくを裂さき、イスラエルの長老ちょうろうたちと共ともに、主しゅの箱はこの前まえで、夕方ゆうがたまで地ちにひれ伏ふし、ちりをかぶった。7:7 ヨシュアは言いった、「ああ、主しゅなる神かみよ、あなたはなにゆえ、この民たみにヨルダンを渡わたらせ、われわれをアモリびとの手てに渡わたして滅ほろぼさせられるのですか。われわれはヨルダンの向むこうに、安やすんじてとどまればよかったのです。7:8 ああ、主しゅよ。イスラエルがすでに敵てきに背せをむけた今いまとなって、わたしはまた何なにを言いい得えましょう。7:9 カナンびと、およびこの地ちに住すむすべてのものは、これを聞きいて、われわれを攻せめかこみ、われわれの名なを地ちから断たち去さってしまうでしょう。それであなたは、あなたの大おおいなる名なのために、何なにをしようとされるのですか」。 7:10 主しゅはヨシュアに言いわれた、「立たちなさい。あなたはどうして、そのようにひれ伏ふしているのか。7:11 イスラエルは罪つみを犯おかし、わたしが彼かれらに命めいじておいた契約けいやくを破やぶった。彼かれらは奉納物ほうのうぶつを取とり、盗ぬすみ、かつ偽いつわって、それを自分じぶんの所有物しょゆうぶつのうちに入いれた。7:12 それでイスラエルの人々ひとびとは敵てきに当あたることができず、敵てきに背せをむけた。彼かれらも滅ほろぼされるべきものとなったからである。あなたがたが、その滅ほろぼされるべきものを、あなたがたのうちから滅ほろぼし去さるのでなければ、わたしはもはやあなたがたとは共ともにいないであろう。7:13 立たって、民たみを清きよめて言いいなさい、『あなたがたは身みを清きよめて、あすのために備そなえなさい。イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、「イスラエルよ、あなたがたのうちに、滅ほろぼされるべきものがある。その滅ほろぼされるべきものを、あなたがたのうちから除のぞき去さるまでは、敵てきに当あたることはできないであろう」。7:14 それゆえ、あすの朝あさ、あなたがたは部族ぶぞくごとに進すすみ出でなければならない。そして主しゅがくじを当あてられる部族ぶぞくは、氏族しぞくごとに進すすみいで、主しゅがくじを当あてられる氏族しぞくは、家族かぞくごとに進すすみいで、主しゅがくじを当あてられる家族かぞくは、男おとこひとりびとり進すすみ出でなければならない。7:15 そしてその滅ほろぼされるべきものを持もっていて、くじを当あてられた者ものは、その持もち物もの全部ぜんぶと共ともに、火ひで焼やかれなければならない。主しゅの契約けいやくを破やぶりイスラエルのうちに愚おろかなことを行おこなったからである』」。 7:16 こうしてヨシュアは朝あさ早はやく起おき、イスラエルを部族ぶぞくごとに進すすみ出ださせたところ、ユダの部族ぶぞくがくじに当あたり、7:17 ユダのもろもろの氏族しぞくを進すすみ出ださせたところ、ゼラびとの氏族しぞくが、くじに当あたった。ゼラびとの氏族しぞくを家族かぞくごとに進すすみ出ださせたところ、ザブデの家族かぞくが、くじに当あたった。7:18 ザブデの家族かぞくを男おとこひとりびとり進すすみ出ださせたところ、アカンがくじに当あたった。アカンはユダの部族ぶぞくのうちの、ゼラの子こ、ザブデの子こなるカルミの子こである。7:19 その時ときヨシュアはアカンに言いった、「わが子こよ、イスラエルの神かみ、主しゅに栄光えいこうを帰きし、また主しゅをさんびし、あなたのしたことを今いまわたしに告つげなさい。わたしに隠かくしてはならない」。7:20 アカンはヨシュアに答こたえた、「ほんとうにわたしはイスラエルの神かみ、主しゅに対たいして罪つみを犯おかしました。わたしがしたのはこうです。7:21 わたしはぶんどり物もののうちに、シナルの美うつくしい外套がいとう一枚まいと銀ぎん二百シケルと、目方めかた五十シケルの金きんの延のべ棒ぼう一本ぽんのあるのを見みて、ほしくなり、それを取とりました。わたしの天幕てんまくの中なかに、地ちに隠かくしてあります。銀ぎんはその下したにあります」。 7:22 そこでヨシュアは使者ししゃたちをつかわした。使者ししゃたちが天幕てんまくに走はしっていって見みると、それは彼かれの天幕てんまくに隠かくしてあって、銀ぎんもその下したにあった。7:23 彼かれらはそれを天幕てんまくの中なかから取とり出だして、ヨシュアとイスラエルのすべての人々ひとびとの所ところに携たずさえてきたので、それを主しゅの前まえに置おいた。7:24 ヨシュアはすべてのイスラエルびとと共ともに、ゼラの子こアカンを捕とらえ、かの銀ぎんと外套がいとうと金きんの延のべ棒ぼう、および彼かれのむすこ、娘むすめ、牛うし、ろば、羊ひつじ、天幕てんまくなど、彼かれの持もち物ものをことごとく取とって、アコルの谷たにへ引ひいていった。7:25 そしてヨシュアは言いった、「なぜあなたはわれわれを悩なやましたのか。主しゅは、きょう、あなたを悩なやまされるであろう」。やがてすべてのイスラエルびとは石いしで彼かれを撃うち殺ころし、また彼かれの家族かぞくをも石いしで撃うち殺ころし、火ひをもって焼やいた。7:26 そしてアカンの上うえに石塚いしづかを大おおきく積つみ上あげたが、それは今日こんにちまで残のこっている。そして主しゅは激はげしい怒いかりをやめられたが、このことによって、その所ところの名なは今日こんにちまでアコルの谷たにと呼よばれている。 第8章 8:1 主しゅはヨシュアに言いわれた、「恐おそれてはならない、おののいてはならない。いくさびとを皆みな、率ひきい、立たって、アイに攻せめ上のぼりなさい。わたしはアイの王おうとその民たみ、その町まち、その地ちをあなたの手てに授さづける。8:2 あなたは、さきにエリコとその王おうにしたとおり、アイとその王おうとにしなければならない。ただし、ぶんどり物ものと家畜かちくとは戦利せんり品ひんとしてあなたがたのものとすることができるであろう。あなたはまず、町まちのうしろに伏兵ふくへいを置おきなさい」。 8:3 ヨシュアは立たって、すべてのいくさびとと共ともに、アイに攻せめ上のぼろうとして、まず大だい勇士ゆうし三万人にんを選えらび、それを夜よるのうちにつかわした。8:4 ヨシュアは彼かれらに命めいじて言いった、「あなたがたは町まちに向むかって、町まちのうしろに伏ふせていなければならない。町まちを遠とおく離はなれないで、みな備そなえをしていなければならない。8:5 わたしとわたしに従したがう民たみとは皆みな共ともに、町まちに攻せめ寄よせよう。そして彼かれらが前まえのようにわれわれにむかって出でてくるとき、われわれは彼かれらの前まえから逃にげるであろう。8:6 そうすれば彼かれらはわれわれを追おって出でてくるであろうから、われわれはついに彼かれらを町まちからおびき出だすことができる。彼かれらは言いうであろう、『この人々ひとびとはまた前まえのように、われわれの前まえから逃にげていく』。こうしてわれわれは彼かれらの前まえから逃にげるであろう。8:7 その時とき、あなたがたは伏ふせている所ところから立たち上あがって、町まちを取とらなければならない。あなたがたの神かみ、主しゅがそれをあなたがたの手てに与あたえられるからである。8:8 あなたがたが、町まちを取とったならば、町まちに火ひを放はなち、主しゅが命めいじられたようにしなければならない。わたしはこう、あなたがたに命めいじるのである」。8:9 そうしてヨシュアが彼かれらをつかわしたので、彼かれらはアイの西方せいほう、ベテルとアイの間あいだの待まち伏ぶせする場所ばしょに行いって身みを伏ふせた。ヨシュアはその夜よる、民たみの中なかに宿やどった。 8:10 ヨシュアは明あくる朝あさ、早はやく起おきて、民たみを集あつめ、イスラエルの長老ちょうろうたちと共ともに、民たみに先立さきだって、アイに上のぼっていった。8:11 彼かれと共ともにいたいくさびとたちもみな上のぼっていって、町まちの前まえに近ちかづき、アイの北きたに陣じんを取とった。彼かれらとアイの間あいだには、一つの谷たにがあった。8:12 ヨシュアはおおよそ五千人にんをとって、町まちの西方せいほう、ベテルとアイの間あいだに、伏ふせておいた。8:13 こうして民たみの主力しゅりょくを町まちの北きたにおき、しんがりを町まちの西にしにおいた。ヨシュアはその夜よ、谷たにの中なかで宿やどった。8:14 アイの王おうはこれを見みて、すべての民たみと共ともに、急いそいで、早はやく起おき、アラバに行いく下くだり坂ざかに進すすみ出でて、イスラエルと戦たたかった。しかし、王おうは町まちのうしろに、すきをうかがう伏兵ふくへいのおることを知しらなかった。8:15 ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとと共ともに、彼かれらに打うち破やぶられたふりをして、荒野あらのの方向ほうこうへ逃にげだしたので、8:16 その町まちの民たみはみな呼よばわり集あつまって彼かれらのあとを追おい、ヨシュアのあとを追おって町まちからおびき出だされ、8:17 アイにもベテルにも残のこっているものはひとりもなく、みな出でてイスラエルのあとを追おい、町まちを開あけ放はなして、イスラエルのあとを追おった。 8:18 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「あなたの手てにあるなげやりを、アイの方ほうにさし伸のべなさい。わたしはその町まちをあなたの手てに与あたえるであろう」。そこでヨシュアが手てにしていたなげやりを、アイの方ほうにさし伸のべると、8:19 伏兵ふくへいはたちまちその場所ばしょから立たち上あがり、ヨシュアが手てをのべると同時どうじに、走はしって町まちに入はいり、それを取とって、ただちに町まちに火ひをかけた。8:20 それでアイの人々ひとびとが、うしろをふり返かえって見みると、町まちの焼やける煙けむりが天てんに立たちのぼっていたので、こちらへもあちらへも逃にげるすべがなかった。荒野あらのへ逃にげていった民たみも身みをかえして、追おってきた者ものに迫せまった。8:21 ヨシュアとすべてのイスラエルびとは、伏兵ふくへいが町まちを取とり、町まちの焼やける煙けむりが立たち上のぼるのを見みて、身みをかえしてアイの人々ひとびとを撃うった。8:22 また町まちを取とったものは町まちを出でて彼かれらに向むかったので、彼かれらは、こちらとあちらとからイスラエルの中なかにはさまれた。こうしてイスラエルびとが彼かれらを撃うったので、生いき残のこったもの、逃にげおおせたものは、ひとりもなかった。8:23 そしてアイの王おうを生いけどりにして、ヨシュアのもとへ連つれてきた。 8:24 イスラエルびとは、荒野あらのに追撃ついげきしてきたアイの住民じゅうみんをことごとく野ので殺ころし、つるぎをもってひとりも残のこさず撃うち倒たおしてのち、皆みなアイに帰かえり、つるぎをもってその町まちを撃うち滅ほろぼした。8:25 その日ひアイの人々ひとびとはことごとく倒たおれた。その数かずは男女だんじょあわせて一万二千人にんであった。8:26 ヨシュアはアイの住民じゅうみんをことごとく滅ほろぼしつくすまでは、なげやりをさし伸のべた手てを引ひっこめなかった。8:27 ただし、その町まちの家畜かちくおよび、ぶんどり品ひんはイスラエルびとが自分じぶんたちの戦利せんり品ひんとして取とった。主しゅがヨシュアに命めいじられた言葉ことばにしたがったのである。8:28 こうしてヨシュアはアイを焼やいて、永久えいきゅうに荒塚あらつかとしたが、それは今日こんにちまで荒あれ地ちとなっている。8:29 ヨシュアはまた、アイの王おうを夕方ゆうがたまで木きに掛かけてさらし、日ひの入いるころ、命めいじて、その死体したいを木きから取とりおろし、町まちの門もんの入口いりぐちに投なげすて、その上うえに石いしの大塚おおつかを積つみ上あげさせたが、それは今日こんにちまで残のこっている。 8:30 そしてヨシュアはエバル山やまにイスラエルの神かみ、主しゅのために一つの祭壇さいだんを築きずいた。8:31 これは主しゅのしもべモーセがイスラエルの人々ひとびとに命めいじたことにもとづき、モーセの律法りっぽうの書しょにしるされているように、鉄てつの道具どうぐを当あてない自然しぜんのままの石いしの祭壇さいだんであって、人々ひとびとはその上うえで、主しゅに燔祭はんさいをささげ、酬恩祭しゅうおんさいを供そなえた。8:32 その所ところで、ヨシュアはまたモーセの書かきしるした律法りっぽうを、イスラエルの人々ひとびとの前まえで、石いしに書かき写うつした。8:33 こうしてすべてのイスラエルびとは、本国ほんごく人じんも、寄留きりゅうの他国たこく人じんも、長老ちょうろう、つかさびと、さばきびとと共ともに、主しゅの契約けいやくの箱はこをかくレビびとである祭司さいしたちの前まえで、箱はこのこなたとかなたに分わかれて、半なかばはゲリジム山やまの前まえに、半なかばはエバル山やまの前まえに立たった。これは主しゅのしもべモーセがさきに命めいじたように、イスラエルの民たみを祝福しゅくふくするためであった。8:34 そして後のち、ヨシュアはすべての律法りっぽうの書しょにしるされている所ところにしたがって、祝福しゅくふくと、のろいとに関かんする律法りっぽうの言葉ことばをことごとく読よんだ。8:35 モーセが命めいじたすべての言葉ことばのうち、ヨシュアがイスラエルの全ぜん会衆かいしゅうおよび女おんなと子こどもたち、ならびにイスラエルのうちに住すむ寄留きりゅうの他国たこく人じんの前まえで、読よまなかったものは一つもなかった。 第9章 9:1 さて、ヨルダンの西側にしがわの、山地さんち、平地へいち、およびレバノンまでの大海たいかいの沿岸えんがんに住すむもろもろの王おうたち、すなわちヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの王おうたちは、これを聞きいて、9:2 心こころを合あわせ、相あい集あつまって、ヨシュアおよびイスラエルと戦たたかおうとした。 9:3 しかし、ギベオンの住民じゅうみんたちは、ヨシュアがエリコとアイにおこなったことを聞きいて、9:4 自分じぶんたちも策略さくりゃくをめぐらし、行いって食料しょくりょう品ひんを準備じゅんびし、古ふるびた袋ふくろと、古ふるびて破やぶれたのを繕つくろったぶどう酒しゅの皮かわ袋ぶくろとを、ろばに負おわせ、9:5 繕つくろった古ふるぐつを足あしにはき、古ふるびた着物きものを身みにつけた。彼かれらの食料しょくりょうのパンは、みなかわいて、砕くだけていた。9:6 彼かれらはギルガルの陣営じんえいのヨシュアの所ところにきて、彼かれとイスラエルの人々ひとびとに言いった、「われわれは遠とおい国くにからまいりました。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」。9:7 しかし、イスラエルの人々ひとびとはそのヒビびとたちに言いった、「あなたがたはわれわれのうちに住すんでいるのかも知しれないから、われわれはどうしてあなたがたと契約けいやくが結むすべましょう」。9:8 彼かれらはヨシュアに言いった、「われわれはあなたのしもべです」。ヨシュアは彼かれらに言いった、「あなたがたはだれですか。どこからきたのですか」。9:9 彼かれらはヨシュアに言いった、「しもべどもはあなたの神かみ、主しゅの名なのゆえに、ひじょうに遠とおい国くにからまいりました。われわれは主しゅの名声めいせい、および主しゅがエジプトで行おこなわれたすべての事ことを聞きき、9:10 また主しゅがヨルダンの向むこう側がわにいたアモリびとのふたりの王おう、すなわちヘシボンの王おうシホン、およびアシタロテにおったバシャンの王おうオグに行おこなわれたすべてのことを聞きいたからです。9:11 それで、われわれの長老ちょうろうたち、および国くにの住民じゅうみんはみなわれわれに言いいました、『おまえたちは旅路たびじの食料しょくりょうを手てに携たずさえていって、彼かれらに会あって言いいなさい、「われわれはあなたがたのしもべです。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」』。9:12 ここにあるこのパンは、あなたがたの所ところに来くるため、われわれが出立しゅったつする日ひに、おのおの家いえから、まだあたたかなのを旅たびの食料しょくりょうとして準備じゅんびしたのですが、今いまはもうかわいて砕くだけています。9:13 またぶどう酒しゅを満みたしたこれらの皮かわ袋ぶくろも、新あたらしかったのですが、破やぶれました。われわれのこの着物きものも、くつも、旅路たびじがひじょうに長ながかったので、古ふるびてしまいました」。9:14 そこでイスラエルの人々ひとびとは彼かれらの食料しょくりょう品ひんを共ともに食たべ、主しゅのさしずを求もとめようとはしなかった。9:15 そしてヨシュアは彼かれらと和わを講こうじ、契約けいやくを結むすんで、彼かれらを生いかしておいた。会衆かいしゅうの長ちょうたちは彼かれらに誓ちかいを立たてた。 9:16 契約けいやくを結むすんで三日かの後のちに、彼かれらはその人々ひとびとが近ちかくの人々ひとびとで、自分じぶんたちのうちに住すんでいるということを聞きいた。9:17 イスラエルの人々ひとびとは進すすんで、三日か目めにその町々まちまちに着ついた。その町々まちまちとは、ギベオン、ケピラ、ベエロテおよびキリアテ・ヤリムであった。9:18 ところで会衆かいしゅうの長ちょうたちが、すでにイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかいを立たてていたので、イスラエルの人々ひとびとは彼かれらを殺ころさなかった。そこで会衆かいしゅうはみな、長ちょうたちにむかってつぶやいた。9:19 しかし、長ちょうたちは皆みな、全ぜん会衆かいしゅうに言いった、「われわれはイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかった。それゆえ今いま、彼かれらに触ふれてはならない。9:20 われわれは、こうして彼かれらを生いかしておこう。そうすれば、われわれが彼かれらに立たてた誓ちかいのゆえに、怒いかりがわれわれに臨のぞむことはないであろう」。9:21 長ちょうたちはまた人々ひとびとに「彼かれらを生いかしておこう」と言いったので、彼かれらはついに、全ぜん会衆かいしゅうのために、たきぎを切きり、水みずをくむものとなった。長ちょうたちが彼かれらに言いったとおりである。 9:22 ヨシュアは彼かれらを呼よび寄よせて言いった、「あなたがたは、われわれのうちに住すみながら、なぜ『われわれはあなたがたからは遠とおく離はなれている』と言いって、われわれをだましたのか。9:23 それであなたがたは今いまのろわれ、奴隷どれいとなってわたしの神かみの家いえのために、たきぎを切きり、水みずをくむものが、絶たえずあなたがたのうちから出でるであろう」。9:24 彼かれらはヨシュアに答こたえて言いった、「あなたの神かみ、主しゅがそのしもべモーセに、この地ちをことごとくあなたがたに与あたえ、この地ちに住すむ民たみをことごとくあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さるようにと、お命めいじになったことを、しもべどもは明あきらかに伝つたえ聞ききましたので、あなたがたのゆえに、命いのちが危あやういと、われわれは非常ひじょうに恐おそれて、このことをしたのです。9:25 われわれは、今いま、あなたの手てのうちにあります。われわれにあなたがして良よいと思おもい、正ただしいと思おもうことをしてください」。9:26 そこでヨシュアは、彼かれらにそのようにし、彼かれらをイスラエルの人々ひとびとの手てから救すくって殺ころさせなかった。9:27 しかし、ヨシュアは、その日ひ、彼かれらを、会衆かいしゅうのため、また主しゅの祭壇さいだんのため、主しゅが選えらばれる場所ばしょで、たきぎを切きり、水みずをくむ者ものとした。これは今日こんにちまでつづいている。 第10章 10:1 エルサレムの王おうアドニゼデクは、ヨシュアがアイを攻せめ取とって、それを全まったく滅ほろぼし、さきにエリコとその王おうとにしたように、アイとその王おうにもしたこと、またギベオンの住民じゅうみんが、イスラエルと和わを講こうじて、そのうちにおることを聞きき、10:2 大おおいに恐おそれた。それは、ギベオンが大おおきな町まちであって、王おうの都みやこにもひとしいものであり、またアイより大おおきくて、そのうちの人々ひとびとが、すべて強つよかったからである。10:3 それでエルサレムの王おうアドニゼデクは、ヘブロンの王おうホハム、ヤルムテの王おうピラム、ラキシの王おうヤピア、およびエグロンの王おうデビルに人ひとをつかわして言いった、10:4 「わたしの所ところに上のぼってきて、わたしを助たすけてください。われわれはギベオンを撃うちましょう。ギベオンはヨシュアおよびイスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじたからです」。10:5 アモリびとの五人にんの王おう、すなわちエルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうは兵へいを集あつめ、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて上のぼってきて、ギベオンに向むかって陣じんを取とり、それを攻せめて戦たたかった。 10:6 ギベオンの人々ひとびとは、ギルガルの陣営じんえいに人ひとをつかわし、ヨシュアに言いった、「あなたの手てを引ひかないで、しもべどもを助たすけてください。早はやく、われわれの所ところに上のぼってきて、われわれを救すくい、助たすけてください。山地さんちに住すむアモリびとの王おうたちがみな集あつまって、われわれを攻せめるからです」。10:7 そこでヨシュアはすべてのいくさびとと、すべての大だい勇士ゆうしを率ひきいて、ギルガルから上のぼって行いった。10:8 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらを恐おそれてはならない。わたしが彼かれらをあなたの手てにわたしたからである。彼かれらのうちには、あなたに当あたることのできるものは、ひとりもないであろう」。10:9 ヨシュアは、ギルガルから、よもすがら進すすみのぼって、にわかに彼かれらに攻せめよせたところ、10:10 主しゅは彼かれらを、イスラエルの前まえに、恐おそれあわてさせられたので、イスラエルはギベオンで彼かれらをおびただしく撃うち殺ころし、ベテホロンの上のぼり坂ざかをとおって逃にげる彼かれらを、アゼカとマッケダまで追撃ついげきした。10:11 彼かれらがイスラエルの前まえから逃にげ走はしって、ベテホロンの下くだり坂ざかをおりていた時とき、主しゅは天てんから彼かれらの上うえに大石おおいしを降ふらし、アゼカにいたるまでもそうされたので、多おおくの人々ひとびとが死しんだ。イスラエルの人々ひとびとがつるぎをもって殺ころしたものよりも、雹ひょうに打うたれて死しんだもののほうが多おおかった。 10:12 主しゅがアモリびとをイスラエルの人々ひとびとにわたされた日ひに、ヨシュアはイスラエルの人々ひとびとの前まえで主しゅにむかって言いった、 「日ひよ、ギベオンの上うえにとどまれ、月つきよ、アヤロンの谷たににやすらえ」。10:13 民たみがその敵てきを撃うち破やぶるまで、日ひはとどまり、月つきは動うごかなかった。これはヤシャルの書しょにしるされているではないか。日ひが天てんの中空ちゅうくうにとどまって、急いそいで没ぼっしなかったこと、おおよそ一日にちであった。10:14 これより先さきにも、あとにも、主しゅがこのように人ひとの言葉ことばを聞ききいれられた日ひは一日にちもなかった。主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたからである。 10:15 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとと共ともにギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 10:16 かの五人にんの王おうたちは逃にげて行いって、マッケダのほら穴あなに隠かくれたが、10:17 五人にんの王おうたちがマッケダのほら穴あなにかくれているのが見みつかったと、ヨシュアに告つげる者ものがあったので、10:18 ヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちに大石おおいしをころがし、そのそばに人ひとを置おいて、守まもらせなさい。10:19 ただし、あなたがたは、そこにとどまらないで、敵てきのあとを追おい、そのしんがりを撃うち、彼かれらをその町まちにはいらせてはならない。あなたがたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたがたの手てに渡わたされたからである」。10:20 ヨシュアとイスラエルの人々ひとびとは、大おおいに彼かれらを撃うち殺ころし、ついに彼かれらを滅ほろぼしつくしたが、彼かれらのうちのがれて生いき残のこった者ものどもは、堅固けんごな町々まちまちに逃にげこんだので、10:21 民たみはみな安やすらかにマッケダの陣営じんえいのヨシュアのもとに帰かえってきたが、イスラエルの人々ひとびとにむかって舌したを鳴ならす者ものはひとりもなかった。 10:22 その時ときヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちを開ひらいて、ほら穴あなから、かの五人にんの王おうたちを、わたしのもとにひき出だしなさい」。10:23 やがて、そのようにして、かの五人にんの王おうたち、すなわち、エルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうを、ほら穴あなから彼かれのもとにひき出だした。10:24 この王おうたちをヨシュアのもとにひき出だした時とき、ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとを呼よび寄よせ、自分じぶんと共ともに行いったいくさびとの長ちょうたちに言いった、「近寄ちかよって、この王おうたちのくびに足あしをかけなさい」。そこで近寄ちかよって、その王おうたちのくびに足あしをかけたので、10:25 ヨシュアは彼かれらに言いった、「恐おそれおののいてはならない。強つよくまた雄々おおしくあれ。あなたがたが攻せめて戦たたかうすべての敵てきには、主しゅがこのようにされるのである」。10:26 そして後のちヨシュアは彼かれらを撃うって死しなせ、五本ほんの木きにかけて、夕暮ゆうぐれまで木きの上うえにさらして置おいたが、10:27 日ひの入いるころになって、ヨシュアが命めいじたので、これを木きからおろし、彼かれらが隠かくれていたほら穴あなに投なげ入いれ、ほら穴あなの口くちに大石おおいしを置おいた。これは今日こんにちまで残のこっている。 10:28 その日ひヨシュアはマッケダを取とり、つるぎをもって、それと、その王おうとを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、エリコの王おうにしたように、マッケダの王おうにもした。 10:29 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、マッケダからリブナに進すすみ、リブナを攻せめて戦たたかった。10:30 主しゅが、それと、その王おうをも、イスラエルの手てに渡わたされたので、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼして、ひとりもその中なかに残のこさず、エリコの王おうにしたように、その王おうにもした。 10:31 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、リブナからラキシに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:32 主しゅがラキシをイスラエルの手てに渡わたされたので、ふつか目めにこれを取とり、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼした。すべてリブナにしたとおりであった。 10:33 その時とき、ゲゼルの王おうホラムが、ラキシを助たすけるために上のぼってきたので、ヨシュアは彼かれと、その民たみとを撃うち滅ほろぼして、ついにひとりも残のこさなかった。 10:34 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ラキシからエグロンに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:35 その日ひこれを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとくその日ひに滅ほろぼした。すべてラキシにしたとおりであった。 10:36 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、エグロンからヘブロンに進すすみ上のぼり、これを攻せめて戦たたかい、10:37 それを取とって、それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちと、その中なかのすべての人ひとを、つるぎをもって撃うち滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。すべてエグロンにしたとおりであった。すなわち、それとその中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼした。 10:38 またヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、デビルへひきかえし、これを攻せめて戦たたかい、10:39 それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちを取とり、つるぎをもってそれを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。彼かれがデビルと、その王おうにしたことは、ヘブロンにしたとおりであり、またリブナと、その王おうにしたとおりであった。 10:40 こうしてヨシュアはその地ちの全部ぜんぶ、すなわち、山地さんち、ネゲブ、平地へいち、および山腹さんぷくの地ちと、そのすべての王おうたちを撃うち滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、すべて息いきのあるものは、ことごとく滅ほろぼした。イスラエルの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりであった。10:41 ヨシュアはカデシ・バルネアからガザまでの国々くにぐに、およびゴセンの全ぜん地ちを撃うち滅ほろぼして、ギベオンにまで及およんだ。10:42 イスラエルの神かみ、主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたので、ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、その地ちをいちどきに取とった。10:43 そしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 第11章 11:1 ハゾルの王おうヤビンは、これを聞きいて、マドンの王おうヨバブ、シムロンの王おう、およびアクサフの王おう、11:2 また北きたの山地さんち、キンネロテの南みなみのアラバ、平地へいち、西にしの方ほうのドルの高地こうちにおる王おうたち、11:3 すなわち、東西とうざいのカナンびと、アモリびと、ヘテびと、ペリジびと、山地さんちのエブスびと、ミヅパの地ちにあるヘルモンのふもとのヒビびとに使者ししゃをつかわした。11:4 そして彼かれらは、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて出でてきた。その大軍たいぐんは浜はまべの砂すなのように数多かずおおく、馬うまと戦車せんしゃも、ひじょうに多おおかった。11:5 これらの王おうたちはみな軍ぐんを集あつめ、進すすんできて、共ともにメロムの水みずのほとりに陣じんをしき、イスラエルと戦たたかおうとした。11:6 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらのゆえに恐おそれてはならない。あすの今いまごろ、わたしは彼かれらを皆みなイスラエルに渡わたして、ことごとく殺ころさせるであろう。あなたは彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やかなければならない」。11:7 そこでヨシュアは、すべてのいくさびとを率ひきいて、にわかにメロムの水みずのほとりにおし寄よせ、彼かれらを襲おそった。11:8 主しゅは彼かれらをイスラエルの手てに渡わたされたので、これを撃うち破やぶり、大だいシドンおよびミスレポテ・マイムまで、これを追撃ついげきし、東ひがしの方ほうでは、ミヅパの谷たにまで彼かれらを追おい、ついにひとりも残のこさず撃うちとった。11:9 ヨシュアは主しゅが命めいじられたとおりに彼かれらに行おこない、彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やいた。 11:10 その時とき、ヨシュアはひきかえして、ハゾルを取とり、つるぎをもって、その王おうを撃うった。ハゾルは昔むかし、これらすべての国々くにぐにの盟主めいしゅであったからである。11:11 彼かれらはつるぎをもって、その中なかのすべての人ひとを撃うち、ことごとくそれを滅ほろぼし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。そして火ひをもってハゾルを焼やいた。11:12 ヨシュアはこれらの王おうたちのすべての町々まちまち、およびその諸王しょおうを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、ことごとく滅ほろぼした。主しゅのしもべモーセが命めいじたとおりであった。11:13 ただし、丘おかの上うえに立たっている町々まちまちをイスラエルは焼やかなかった。ヨシュアはただハゾルだけを焼やいた。11:14 これらの町まちのすべてのぶんどり物ものと家畜かちくとは、イスラエルの人々ひとびとが戦利せんり品ひんとして取とったが、人ひとはみなつるぎをもって、滅ほろぼし尽つくし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。11:15 主しゅがそのしもべモーセに命めいじられたように、モーセはヨシュアに命めいじたが、ヨシュアはそのとおりにおこなった。すべて主しゅがモーセに命めいじられたことで、ヨシュアが行おこなわなかったことは一つもなかった。 11:16 こうしてヨシュアはその全ぜん地ち、すなわち、山地さんち、ネゲブの全ぜん地ち、ゴセンの全ぜん地ち、平地へいち、アラバならびにイスラエルの山地さんちと平地へいちを取とり、11:17 セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やまから、ヘルモン山やまのふもとのレバノンの谷たににあるバアルガデまでを獲えた。そしてそれらの王おうたちを、ことごとく捕とらえて、撃うち殺ころした。11:18 ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、長ながいあいだ戦たたかった。11:19 ギベオンの住民じゅうみんヒビびとのほかには、イスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじた町まちは一つもなかった。町々まちまちはみな戦争せんそうをして、攻せめ取とったものであった。11:20 彼かれらが心こころをかたくなにして、イスラエルに攻せめよせたのは、もともと主しゅがそうさせられたので、彼かれらがのろわれた者ものとなり、あわれみを受うけず、ことごとく滅ほろぼされるためであった。主しゅがモーセに命めいじられたとおりである。 11:21 その時とき、ヨシュアはまた行いって、山地さんち、ヘブロン、デビル、アナブ、ユダのすべての山地さんち、イスラエルのすべての山地さんちから、アナクびとを断たち、彼かれらの町々まちまちをも共ともに滅ほろぼした。11:22 それでイスラエルの人々ひとびとの地ちに、アナクびとは、ひとりもいなくなった。ただガサ、ガテ、アシドドには、少すこし残のこっているだけであった。11:23 こうしてヨシュアはその地ちを、ことごとく取とった。すべて主しゅがモーセに告つげられたとおりである。そしてヨシュアはイスラエルの部族ぶぞくにそれぞれの分ぶんを与あたえて、嗣し業ぎょうとさせた。こうしてその地ちに戦争せんそうはやんだ。 第12章 12:1 さてヨルダンの向むこう側がわ、日ひの出での方ほうで、アルノンの谷たにからヘルモン山やままで、および東ひがしアラバの全土ぜんどのうちで、イスラエルの人々ひとびとが撃うち滅ほろぼして地ちを取とった国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。12:2 まず、アモリびとの王おうシホン。彼かれはヘシボンに住すみ、その領地りょうちは、アルノンの谷たにのほとりにあるアロエル、および谷たにの中なかの町まちから、ギレアデの半なかばを占しめて、アンモンびととの境さかいであるヤボク川かわに達たっし、12:3 東ひがしの方ほうではアラバをキンネレテの湖みずうみまで占しめ、またアラバの海うみすなわち塩しおの海うみの東ひがしにおよび、ベテエシモテの道みちを経へて、南みなみはピスガの山やまのふもとに達たっした。12:4 次つぎにレパイムの生いき残のこりのひとりであったバシャンの王おうオグ。彼かれはアシタロテとエデレイとに住すみ、12:5 ヘルモン山やま、サレカ、およびバシャンの全土ぜんどを領りょうしたので、ゲシュルびと、およびマアカびとと境さかいを接せっし、またギレアデの半なかばを領りょうしたので、ヘシボンの王おうシホンと境さかいを接せっしていた。12:6 主しゅのしもべモーセと、イスラエルの人々ひとびととが、彼かれらを撃うち滅ほろぼし、そして主しゅのしもべモーセは、これらの地ちを、ルベンびと、ガドびと、およびマナセの半はん部族ぶぞくに与あたえて所有しょゆうとさせた。 12:7 ヨルダンのこちら側がわ、西にしの方ほうにあって、レバノンの谷たににあるバアルガデから、セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やままでの間あいだで、ヨシュアと、イスラエルの人々ひとびととが、撃うち滅ほろぼした国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。ヨシュアは彼かれらの地ちをイスラエルの部族ぶぞくに、それぞれの分ぶんを与あたえて嗣し業ぎょうとさせた。12:8 これは、山地さんち、平地へいち、アラバ、山腹さんぷく、荒野あらの、およびネゲブであって、ヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの所領しょりょうであった。12:9 エリコの王おうひとり。ベテルのほとりのアイの王おうひとり。12:10 エルサレムの王おうひとり。ヘブロンの王おうひとり。12:11 ヤルムテの王おうひとり。ラキシの王おうひとり。12:12 エグロンの王おうひとり。ゲゼルの王おうひとり。12:13 デビルの王おうひとり。ゲデルの王おうひとり。12:14 ホルマの王おうひとり。アラデの王おうひとり。12:15 リブナの王おうひとり。アドラムの王おうひとり。12:16 マッケダの王おうひとり。ベテルの王おうひとり。12:17 タップアの王おうひとり。ヘペルの王おうひとり。12:18 アペクの王おうひとり。シャロンの王おうひとり。12:19 マドンの王おうひとり。ハゾルの王おうひとり。12:20 シムロン・メロンの王おうひとり。アクサフの王おうひとり。12:21 タアナクの王おうひとり。メギドの王おうひとり。12:22 ケデシの王おうひとり。カルメルのヨクネアムの王おうひとり。12:23 ドルの高地こうちにおるドルの王おうひとり。ガリラヤのゴイイムの王おうひとり。12:24 テルザの王おうひとり。合あわせて三十一王おうである。
7:1 しかし、イスラエルの人々ひとびとは奉納物ほうのうぶつについて罪つみを犯おかした。すなわちユダの部族ぶぞくのうちの、ゼラの子こザブデの子こであるカルミの子こアカンが奉納物ほうのうぶつを取とったのである。それで主しゅはイスラエルの人々ひとびとにむかって怒いかりを発はっせられた。
7:2 ヨシュアはエリコから人々ひとびとをつかわし、ベテルの東ひがし、ベテアベンの近ちかくにあるアイに行いかせようとして、その人々ひとびとに言いった、「上のぼって行いって、かの地ちを探さぐってきなさい」。人々ひとびとは上のぼって行いって、アイを探さぐったが、
7:3 ヨシュアのもとに帰かえってきて言いった、「民たみをことごとく行いかせるには及およびません。ただ二、三千人にんを上のぼらせて、アイを撃うたせなさい。彼かれらは少すくないのですから、民たみをことごとくあそこへやってほねおりをさせるには及およびません」。
7:4 そこで民たみのうち、おおよそ三千人にんがそこに上のぼったが、ついにアイの人々ひとびとの前まえから逃にげ出だした。
7:5 アイの人々ひとびとは彼かれらのうち、おおよそ三十六人にんを殺ころし、更さらに彼かれらを門もんの前まえからシバリムまで追おって、下くだり坂ざかで彼かれらを殺ころしたので、民たみの心こころは消きえて水みずのようになった。
7:6 そのためヨシュアは衣服いふくを裂さき、イスラエルの長老ちょうろうたちと共ともに、主しゅの箱はこの前まえで、夕方ゆうがたまで地ちにひれ伏ふし、ちりをかぶった。
7:7 ヨシュアは言いった、「ああ、主しゅなる神かみよ、あなたはなにゆえ、この民たみにヨルダンを渡わたらせ、われわれをアモリびとの手てに渡わたして滅ほろぼさせられるのですか。われわれはヨルダンの向むこうに、安やすんじてとどまればよかったのです。
7:8 ああ、主しゅよ。イスラエルがすでに敵てきに背せをむけた今いまとなって、わたしはまた何なにを言いい得えましょう。
7:9 カナンびと、およびこの地ちに住すむすべてのものは、これを聞きいて、われわれを攻せめかこみ、われわれの名なを地ちから断たち去さってしまうでしょう。それであなたは、あなたの大おおいなる名なのために、何なにをしようとされるのですか」。
7:10 主しゅはヨシュアに言いわれた、「立たちなさい。あなたはどうして、そのようにひれ伏ふしているのか。
7:11 イスラエルは罪つみを犯おかし、わたしが彼かれらに命めいじておいた契約けいやくを破やぶった。彼かれらは奉納物ほうのうぶつを取とり、盗ぬすみ、かつ偽いつわって、それを自分じぶんの所有物しょゆうぶつのうちに入いれた。
7:12 それでイスラエルの人々ひとびとは敵てきに当あたることができず、敵てきに背せをむけた。彼かれらも滅ほろぼされるべきものとなったからである。あなたがたが、その滅ほろぼされるべきものを、あなたがたのうちから滅ほろぼし去さるのでなければ、わたしはもはやあなたがたとは共ともにいないであろう。
7:13 立たって、民たみを清きよめて言いいなさい、『あなたがたは身みを清きよめて、あすのために備そなえなさい。イスラエルの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、「イスラエルよ、あなたがたのうちに、滅ほろぼされるべきものがある。その滅ほろぼされるべきものを、あなたがたのうちから除のぞき去さるまでは、敵てきに当あたることはできないであろう」。
7:14 それゆえ、あすの朝あさ、あなたがたは部族ぶぞくごとに進すすみ出でなければならない。そして主しゅがくじを当あてられる部族ぶぞくは、氏族しぞくごとに進すすみいで、主しゅがくじを当あてられる氏族しぞくは、家族かぞくごとに進すすみいで、主しゅがくじを当あてられる家族かぞくは、男おとこひとりびとり進すすみ出でなければならない。
7:15 そしてその滅ほろぼされるべきものを持もっていて、くじを当あてられた者ものは、その持もち物もの全部ぜんぶと共ともに、火ひで焼やかれなければならない。主しゅの契約けいやくを破やぶりイスラエルのうちに愚おろかなことを行おこなったからである』」。
7:16 こうしてヨシュアは朝あさ早はやく起おき、イスラエルを部族ぶぞくごとに進すすみ出ださせたところ、ユダの部族ぶぞくがくじに当あたり、
7:17 ユダのもろもろの氏族しぞくを進すすみ出ださせたところ、ゼラびとの氏族しぞくが、くじに当あたった。ゼラびとの氏族しぞくを家族かぞくごとに進すすみ出ださせたところ、ザブデの家族かぞくが、くじに当あたった。
7:18 ザブデの家族かぞくを男おとこひとりびとり進すすみ出ださせたところ、アカンがくじに当あたった。アカンはユダの部族ぶぞくのうちの、ゼラの子こ、ザブデの子こなるカルミの子こである。
7:19 その時ときヨシュアはアカンに言いった、「わが子こよ、イスラエルの神かみ、主しゅに栄光えいこうを帰きし、また主しゅをさんびし、あなたのしたことを今いまわたしに告つげなさい。わたしに隠かくしてはならない」。
7:20 アカンはヨシュアに答こたえた、「ほんとうにわたしはイスラエルの神かみ、主しゅに対たいして罪つみを犯おかしました。わたしがしたのはこうです。
7:21 わたしはぶんどり物もののうちに、シナルの美うつくしい外套がいとう一枚まいと銀ぎん二百シケルと、目方めかた五十シケルの金きんの延のべ棒ぼう一本ぽんのあるのを見みて、ほしくなり、それを取とりました。わたしの天幕てんまくの中なかに、地ちに隠かくしてあります。銀ぎんはその下したにあります」。
7:22 そこでヨシュアは使者ししゃたちをつかわした。使者ししゃたちが天幕てんまくに走はしっていって見みると、それは彼かれの天幕てんまくに隠かくしてあって、銀ぎんもその下したにあった。
7:23 彼かれらはそれを天幕てんまくの中なかから取とり出だして、ヨシュアとイスラエルのすべての人々ひとびとの所ところに携たずさえてきたので、それを主しゅの前まえに置おいた。
7:24 ヨシュアはすべてのイスラエルびとと共ともに、ゼラの子こアカンを捕とらえ、かの銀ぎんと外套がいとうと金きんの延のべ棒ぼう、および彼かれのむすこ、娘むすめ、牛うし、ろば、羊ひつじ、天幕てんまくなど、彼かれの持もち物ものをことごとく取とって、アコルの谷たにへ引ひいていった。
7:25 そしてヨシュアは言いった、「なぜあなたはわれわれを悩なやましたのか。主しゅは、きょう、あなたを悩なやまされるであろう」。やがてすべてのイスラエルびとは石いしで彼かれを撃うち殺ころし、また彼かれの家族かぞくをも石いしで撃うち殺ころし、火ひをもって焼やいた。
7:26 そしてアカンの上うえに石塚いしづかを大おおきく積つみ上あげたが、それは今日こんにちまで残のこっている。そして主しゅは激はげしい怒いかりをやめられたが、このことによって、その所ところの名なは今日こんにちまでアコルの谷たにと呼よばれている。
第8章 8:1 主しゅはヨシュアに言いわれた、「恐おそれてはならない、おののいてはならない。いくさびとを皆みな、率ひきい、立たって、アイに攻せめ上のぼりなさい。わたしはアイの王おうとその民たみ、その町まち、その地ちをあなたの手てに授さづける。8:2 あなたは、さきにエリコとその王おうにしたとおり、アイとその王おうとにしなければならない。ただし、ぶんどり物ものと家畜かちくとは戦利せんり品ひんとしてあなたがたのものとすることができるであろう。あなたはまず、町まちのうしろに伏兵ふくへいを置おきなさい」。 8:3 ヨシュアは立たって、すべてのいくさびとと共ともに、アイに攻せめ上のぼろうとして、まず大だい勇士ゆうし三万人にんを選えらび、それを夜よるのうちにつかわした。8:4 ヨシュアは彼かれらに命めいじて言いった、「あなたがたは町まちに向むかって、町まちのうしろに伏ふせていなければならない。町まちを遠とおく離はなれないで、みな備そなえをしていなければならない。8:5 わたしとわたしに従したがう民たみとは皆みな共ともに、町まちに攻せめ寄よせよう。そして彼かれらが前まえのようにわれわれにむかって出でてくるとき、われわれは彼かれらの前まえから逃にげるであろう。8:6 そうすれば彼かれらはわれわれを追おって出でてくるであろうから、われわれはついに彼かれらを町まちからおびき出だすことができる。彼かれらは言いうであろう、『この人々ひとびとはまた前まえのように、われわれの前まえから逃にげていく』。こうしてわれわれは彼かれらの前まえから逃にげるであろう。8:7 その時とき、あなたがたは伏ふせている所ところから立たち上あがって、町まちを取とらなければならない。あなたがたの神かみ、主しゅがそれをあなたがたの手てに与あたえられるからである。8:8 あなたがたが、町まちを取とったならば、町まちに火ひを放はなち、主しゅが命めいじられたようにしなければならない。わたしはこう、あなたがたに命めいじるのである」。8:9 そうしてヨシュアが彼かれらをつかわしたので、彼かれらはアイの西方せいほう、ベテルとアイの間あいだの待まち伏ぶせする場所ばしょに行いって身みを伏ふせた。ヨシュアはその夜よる、民たみの中なかに宿やどった。 8:10 ヨシュアは明あくる朝あさ、早はやく起おきて、民たみを集あつめ、イスラエルの長老ちょうろうたちと共ともに、民たみに先立さきだって、アイに上のぼっていった。8:11 彼かれと共ともにいたいくさびとたちもみな上のぼっていって、町まちの前まえに近ちかづき、アイの北きたに陣じんを取とった。彼かれらとアイの間あいだには、一つの谷たにがあった。8:12 ヨシュアはおおよそ五千人にんをとって、町まちの西方せいほう、ベテルとアイの間あいだに、伏ふせておいた。8:13 こうして民たみの主力しゅりょくを町まちの北きたにおき、しんがりを町まちの西にしにおいた。ヨシュアはその夜よ、谷たにの中なかで宿やどった。8:14 アイの王おうはこれを見みて、すべての民たみと共ともに、急いそいで、早はやく起おき、アラバに行いく下くだり坂ざかに進すすみ出でて、イスラエルと戦たたかった。しかし、王おうは町まちのうしろに、すきをうかがう伏兵ふくへいのおることを知しらなかった。8:15 ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとと共ともに、彼かれらに打うち破やぶられたふりをして、荒野あらのの方向ほうこうへ逃にげだしたので、8:16 その町まちの民たみはみな呼よばわり集あつまって彼かれらのあとを追おい、ヨシュアのあとを追おって町まちからおびき出だされ、8:17 アイにもベテルにも残のこっているものはひとりもなく、みな出でてイスラエルのあとを追おい、町まちを開あけ放はなして、イスラエルのあとを追おった。 8:18 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「あなたの手てにあるなげやりを、アイの方ほうにさし伸のべなさい。わたしはその町まちをあなたの手てに与あたえるであろう」。そこでヨシュアが手てにしていたなげやりを、アイの方ほうにさし伸のべると、8:19 伏兵ふくへいはたちまちその場所ばしょから立たち上あがり、ヨシュアが手てをのべると同時どうじに、走はしって町まちに入はいり、それを取とって、ただちに町まちに火ひをかけた。8:20 それでアイの人々ひとびとが、うしろをふり返かえって見みると、町まちの焼やける煙けむりが天てんに立たちのぼっていたので、こちらへもあちらへも逃にげるすべがなかった。荒野あらのへ逃にげていった民たみも身みをかえして、追おってきた者ものに迫せまった。8:21 ヨシュアとすべてのイスラエルびとは、伏兵ふくへいが町まちを取とり、町まちの焼やける煙けむりが立たち上のぼるのを見みて、身みをかえしてアイの人々ひとびとを撃うった。8:22 また町まちを取とったものは町まちを出でて彼かれらに向むかったので、彼かれらは、こちらとあちらとからイスラエルの中なかにはさまれた。こうしてイスラエルびとが彼かれらを撃うったので、生いき残のこったもの、逃にげおおせたものは、ひとりもなかった。8:23 そしてアイの王おうを生いけどりにして、ヨシュアのもとへ連つれてきた。 8:24 イスラエルびとは、荒野あらのに追撃ついげきしてきたアイの住民じゅうみんをことごとく野ので殺ころし、つるぎをもってひとりも残のこさず撃うち倒たおしてのち、皆みなアイに帰かえり、つるぎをもってその町まちを撃うち滅ほろぼした。8:25 その日ひアイの人々ひとびとはことごとく倒たおれた。その数かずは男女だんじょあわせて一万二千人にんであった。8:26 ヨシュアはアイの住民じゅうみんをことごとく滅ほろぼしつくすまでは、なげやりをさし伸のべた手てを引ひっこめなかった。8:27 ただし、その町まちの家畜かちくおよび、ぶんどり品ひんはイスラエルびとが自分じぶんたちの戦利せんり品ひんとして取とった。主しゅがヨシュアに命めいじられた言葉ことばにしたがったのである。8:28 こうしてヨシュアはアイを焼やいて、永久えいきゅうに荒塚あらつかとしたが、それは今日こんにちまで荒あれ地ちとなっている。8:29 ヨシュアはまた、アイの王おうを夕方ゆうがたまで木きに掛かけてさらし、日ひの入いるころ、命めいじて、その死体したいを木きから取とりおろし、町まちの門もんの入口いりぐちに投なげすて、その上うえに石いしの大塚おおつかを積つみ上あげさせたが、それは今日こんにちまで残のこっている。 8:30 そしてヨシュアはエバル山やまにイスラエルの神かみ、主しゅのために一つの祭壇さいだんを築きずいた。8:31 これは主しゅのしもべモーセがイスラエルの人々ひとびとに命めいじたことにもとづき、モーセの律法りっぽうの書しょにしるされているように、鉄てつの道具どうぐを当あてない自然しぜんのままの石いしの祭壇さいだんであって、人々ひとびとはその上うえで、主しゅに燔祭はんさいをささげ、酬恩祭しゅうおんさいを供そなえた。8:32 その所ところで、ヨシュアはまたモーセの書かきしるした律法りっぽうを、イスラエルの人々ひとびとの前まえで、石いしに書かき写うつした。8:33 こうしてすべてのイスラエルびとは、本国ほんごく人じんも、寄留きりゅうの他国たこく人じんも、長老ちょうろう、つかさびと、さばきびとと共ともに、主しゅの契約けいやくの箱はこをかくレビびとである祭司さいしたちの前まえで、箱はこのこなたとかなたに分わかれて、半なかばはゲリジム山やまの前まえに、半なかばはエバル山やまの前まえに立たった。これは主しゅのしもべモーセがさきに命めいじたように、イスラエルの民たみを祝福しゅくふくするためであった。8:34 そして後のち、ヨシュアはすべての律法りっぽうの書しょにしるされている所ところにしたがって、祝福しゅくふくと、のろいとに関かんする律法りっぽうの言葉ことばをことごとく読よんだ。8:35 モーセが命めいじたすべての言葉ことばのうち、ヨシュアがイスラエルの全ぜん会衆かいしゅうおよび女おんなと子こどもたち、ならびにイスラエルのうちに住すむ寄留きりゅうの他国たこく人じんの前まえで、読よまなかったものは一つもなかった。 第9章 9:1 さて、ヨルダンの西側にしがわの、山地さんち、平地へいち、およびレバノンまでの大海たいかいの沿岸えんがんに住すむもろもろの王おうたち、すなわちヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの王おうたちは、これを聞きいて、9:2 心こころを合あわせ、相あい集あつまって、ヨシュアおよびイスラエルと戦たたかおうとした。 9:3 しかし、ギベオンの住民じゅうみんたちは、ヨシュアがエリコとアイにおこなったことを聞きいて、9:4 自分じぶんたちも策略さくりゃくをめぐらし、行いって食料しょくりょう品ひんを準備じゅんびし、古ふるびた袋ふくろと、古ふるびて破やぶれたのを繕つくろったぶどう酒しゅの皮かわ袋ぶくろとを、ろばに負おわせ、9:5 繕つくろった古ふるぐつを足あしにはき、古ふるびた着物きものを身みにつけた。彼かれらの食料しょくりょうのパンは、みなかわいて、砕くだけていた。9:6 彼かれらはギルガルの陣営じんえいのヨシュアの所ところにきて、彼かれとイスラエルの人々ひとびとに言いった、「われわれは遠とおい国くにからまいりました。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」。9:7 しかし、イスラエルの人々ひとびとはそのヒビびとたちに言いった、「あなたがたはわれわれのうちに住すんでいるのかも知しれないから、われわれはどうしてあなたがたと契約けいやくが結むすべましょう」。9:8 彼かれらはヨシュアに言いった、「われわれはあなたのしもべです」。ヨシュアは彼かれらに言いった、「あなたがたはだれですか。どこからきたのですか」。9:9 彼かれらはヨシュアに言いった、「しもべどもはあなたの神かみ、主しゅの名なのゆえに、ひじょうに遠とおい国くにからまいりました。われわれは主しゅの名声めいせい、および主しゅがエジプトで行おこなわれたすべての事ことを聞きき、9:10 また主しゅがヨルダンの向むこう側がわにいたアモリびとのふたりの王おう、すなわちヘシボンの王おうシホン、およびアシタロテにおったバシャンの王おうオグに行おこなわれたすべてのことを聞きいたからです。9:11 それで、われわれの長老ちょうろうたち、および国くにの住民じゅうみんはみなわれわれに言いいました、『おまえたちは旅路たびじの食料しょくりょうを手てに携たずさえていって、彼かれらに会あって言いいなさい、「われわれはあなたがたのしもべです。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」』。9:12 ここにあるこのパンは、あなたがたの所ところに来くるため、われわれが出立しゅったつする日ひに、おのおの家いえから、まだあたたかなのを旅たびの食料しょくりょうとして準備じゅんびしたのですが、今いまはもうかわいて砕くだけています。9:13 またぶどう酒しゅを満みたしたこれらの皮かわ袋ぶくろも、新あたらしかったのですが、破やぶれました。われわれのこの着物きものも、くつも、旅路たびじがひじょうに長ながかったので、古ふるびてしまいました」。9:14 そこでイスラエルの人々ひとびとは彼かれらの食料しょくりょう品ひんを共ともに食たべ、主しゅのさしずを求もとめようとはしなかった。9:15 そしてヨシュアは彼かれらと和わを講こうじ、契約けいやくを結むすんで、彼かれらを生いかしておいた。会衆かいしゅうの長ちょうたちは彼かれらに誓ちかいを立たてた。 9:16 契約けいやくを結むすんで三日かの後のちに、彼かれらはその人々ひとびとが近ちかくの人々ひとびとで、自分じぶんたちのうちに住すんでいるということを聞きいた。9:17 イスラエルの人々ひとびとは進すすんで、三日か目めにその町々まちまちに着ついた。その町々まちまちとは、ギベオン、ケピラ、ベエロテおよびキリアテ・ヤリムであった。9:18 ところで会衆かいしゅうの長ちょうたちが、すでにイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかいを立たてていたので、イスラエルの人々ひとびとは彼かれらを殺ころさなかった。そこで会衆かいしゅうはみな、長ちょうたちにむかってつぶやいた。9:19 しかし、長ちょうたちは皆みな、全ぜん会衆かいしゅうに言いった、「われわれはイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかった。それゆえ今いま、彼かれらに触ふれてはならない。9:20 われわれは、こうして彼かれらを生いかしておこう。そうすれば、われわれが彼かれらに立たてた誓ちかいのゆえに、怒いかりがわれわれに臨のぞむことはないであろう」。9:21 長ちょうたちはまた人々ひとびとに「彼かれらを生いかしておこう」と言いったので、彼かれらはついに、全ぜん会衆かいしゅうのために、たきぎを切きり、水みずをくむものとなった。長ちょうたちが彼かれらに言いったとおりである。 9:22 ヨシュアは彼かれらを呼よび寄よせて言いった、「あなたがたは、われわれのうちに住すみながら、なぜ『われわれはあなたがたからは遠とおく離はなれている』と言いって、われわれをだましたのか。9:23 それであなたがたは今いまのろわれ、奴隷どれいとなってわたしの神かみの家いえのために、たきぎを切きり、水みずをくむものが、絶たえずあなたがたのうちから出でるであろう」。9:24 彼かれらはヨシュアに答こたえて言いった、「あなたの神かみ、主しゅがそのしもべモーセに、この地ちをことごとくあなたがたに与あたえ、この地ちに住すむ民たみをことごとくあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さるようにと、お命めいじになったことを、しもべどもは明あきらかに伝つたえ聞ききましたので、あなたがたのゆえに、命いのちが危あやういと、われわれは非常ひじょうに恐おそれて、このことをしたのです。9:25 われわれは、今いま、あなたの手てのうちにあります。われわれにあなたがして良よいと思おもい、正ただしいと思おもうことをしてください」。9:26 そこでヨシュアは、彼かれらにそのようにし、彼かれらをイスラエルの人々ひとびとの手てから救すくって殺ころさせなかった。9:27 しかし、ヨシュアは、その日ひ、彼かれらを、会衆かいしゅうのため、また主しゅの祭壇さいだんのため、主しゅが選えらばれる場所ばしょで、たきぎを切きり、水みずをくむ者ものとした。これは今日こんにちまでつづいている。 第10章 10:1 エルサレムの王おうアドニゼデクは、ヨシュアがアイを攻せめ取とって、それを全まったく滅ほろぼし、さきにエリコとその王おうとにしたように、アイとその王おうにもしたこと、またギベオンの住民じゅうみんが、イスラエルと和わを講こうじて、そのうちにおることを聞きき、10:2 大おおいに恐おそれた。それは、ギベオンが大おおきな町まちであって、王おうの都みやこにもひとしいものであり、またアイより大おおきくて、そのうちの人々ひとびとが、すべて強つよかったからである。10:3 それでエルサレムの王おうアドニゼデクは、ヘブロンの王おうホハム、ヤルムテの王おうピラム、ラキシの王おうヤピア、およびエグロンの王おうデビルに人ひとをつかわして言いった、10:4 「わたしの所ところに上のぼってきて、わたしを助たすけてください。われわれはギベオンを撃うちましょう。ギベオンはヨシュアおよびイスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじたからです」。10:5 アモリびとの五人にんの王おう、すなわちエルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうは兵へいを集あつめ、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて上のぼってきて、ギベオンに向むかって陣じんを取とり、それを攻せめて戦たたかった。 10:6 ギベオンの人々ひとびとは、ギルガルの陣営じんえいに人ひとをつかわし、ヨシュアに言いった、「あなたの手てを引ひかないで、しもべどもを助たすけてください。早はやく、われわれの所ところに上のぼってきて、われわれを救すくい、助たすけてください。山地さんちに住すむアモリびとの王おうたちがみな集あつまって、われわれを攻せめるからです」。10:7 そこでヨシュアはすべてのいくさびとと、すべての大だい勇士ゆうしを率ひきいて、ギルガルから上のぼって行いった。10:8 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらを恐おそれてはならない。わたしが彼かれらをあなたの手てにわたしたからである。彼かれらのうちには、あなたに当あたることのできるものは、ひとりもないであろう」。10:9 ヨシュアは、ギルガルから、よもすがら進すすみのぼって、にわかに彼かれらに攻せめよせたところ、10:10 主しゅは彼かれらを、イスラエルの前まえに、恐おそれあわてさせられたので、イスラエルはギベオンで彼かれらをおびただしく撃うち殺ころし、ベテホロンの上のぼり坂ざかをとおって逃にげる彼かれらを、アゼカとマッケダまで追撃ついげきした。10:11 彼かれらがイスラエルの前まえから逃にげ走はしって、ベテホロンの下くだり坂ざかをおりていた時とき、主しゅは天てんから彼かれらの上うえに大石おおいしを降ふらし、アゼカにいたるまでもそうされたので、多おおくの人々ひとびとが死しんだ。イスラエルの人々ひとびとがつるぎをもって殺ころしたものよりも、雹ひょうに打うたれて死しんだもののほうが多おおかった。 10:12 主しゅがアモリびとをイスラエルの人々ひとびとにわたされた日ひに、ヨシュアはイスラエルの人々ひとびとの前まえで主しゅにむかって言いった、 「日ひよ、ギベオンの上うえにとどまれ、月つきよ、アヤロンの谷たににやすらえ」。10:13 民たみがその敵てきを撃うち破やぶるまで、日ひはとどまり、月つきは動うごかなかった。これはヤシャルの書しょにしるされているではないか。日ひが天てんの中空ちゅうくうにとどまって、急いそいで没ぼっしなかったこと、おおよそ一日にちであった。10:14 これより先さきにも、あとにも、主しゅがこのように人ひとの言葉ことばを聞ききいれられた日ひは一日にちもなかった。主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたからである。 10:15 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとと共ともにギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 10:16 かの五人にんの王おうたちは逃にげて行いって、マッケダのほら穴あなに隠かくれたが、10:17 五人にんの王おうたちがマッケダのほら穴あなにかくれているのが見みつかったと、ヨシュアに告つげる者ものがあったので、10:18 ヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちに大石おおいしをころがし、そのそばに人ひとを置おいて、守まもらせなさい。10:19 ただし、あなたがたは、そこにとどまらないで、敵てきのあとを追おい、そのしんがりを撃うち、彼かれらをその町まちにはいらせてはならない。あなたがたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたがたの手てに渡わたされたからである」。10:20 ヨシュアとイスラエルの人々ひとびとは、大おおいに彼かれらを撃うち殺ころし、ついに彼かれらを滅ほろぼしつくしたが、彼かれらのうちのがれて生いき残のこった者ものどもは、堅固けんごな町々まちまちに逃にげこんだので、10:21 民たみはみな安やすらかにマッケダの陣営じんえいのヨシュアのもとに帰かえってきたが、イスラエルの人々ひとびとにむかって舌したを鳴ならす者ものはひとりもなかった。 10:22 その時ときヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちを開ひらいて、ほら穴あなから、かの五人にんの王おうたちを、わたしのもとにひき出だしなさい」。10:23 やがて、そのようにして、かの五人にんの王おうたち、すなわち、エルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうを、ほら穴あなから彼かれのもとにひき出だした。10:24 この王おうたちをヨシュアのもとにひき出だした時とき、ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとを呼よび寄よせ、自分じぶんと共ともに行いったいくさびとの長ちょうたちに言いった、「近寄ちかよって、この王おうたちのくびに足あしをかけなさい」。そこで近寄ちかよって、その王おうたちのくびに足あしをかけたので、10:25 ヨシュアは彼かれらに言いった、「恐おそれおののいてはならない。強つよくまた雄々おおしくあれ。あなたがたが攻せめて戦たたかうすべての敵てきには、主しゅがこのようにされるのである」。10:26 そして後のちヨシュアは彼かれらを撃うって死しなせ、五本ほんの木きにかけて、夕暮ゆうぐれまで木きの上うえにさらして置おいたが、10:27 日ひの入いるころになって、ヨシュアが命めいじたので、これを木きからおろし、彼かれらが隠かくれていたほら穴あなに投なげ入いれ、ほら穴あなの口くちに大石おおいしを置おいた。これは今日こんにちまで残のこっている。 10:28 その日ひヨシュアはマッケダを取とり、つるぎをもって、それと、その王おうとを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、エリコの王おうにしたように、マッケダの王おうにもした。 10:29 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、マッケダからリブナに進すすみ、リブナを攻せめて戦たたかった。10:30 主しゅが、それと、その王おうをも、イスラエルの手てに渡わたされたので、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼして、ひとりもその中なかに残のこさず、エリコの王おうにしたように、その王おうにもした。 10:31 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、リブナからラキシに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:32 主しゅがラキシをイスラエルの手てに渡わたされたので、ふつか目めにこれを取とり、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼした。すべてリブナにしたとおりであった。 10:33 その時とき、ゲゼルの王おうホラムが、ラキシを助たすけるために上のぼってきたので、ヨシュアは彼かれと、その民たみとを撃うち滅ほろぼして、ついにひとりも残のこさなかった。 10:34 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ラキシからエグロンに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:35 その日ひこれを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとくその日ひに滅ほろぼした。すべてラキシにしたとおりであった。 10:36 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、エグロンからヘブロンに進すすみ上のぼり、これを攻せめて戦たたかい、10:37 それを取とって、それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちと、その中なかのすべての人ひとを、つるぎをもって撃うち滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。すべてエグロンにしたとおりであった。すなわち、それとその中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼした。 10:38 またヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、デビルへひきかえし、これを攻せめて戦たたかい、10:39 それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちを取とり、つるぎをもってそれを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。彼かれがデビルと、その王おうにしたことは、ヘブロンにしたとおりであり、またリブナと、その王おうにしたとおりであった。 10:40 こうしてヨシュアはその地ちの全部ぜんぶ、すなわち、山地さんち、ネゲブ、平地へいち、および山腹さんぷくの地ちと、そのすべての王おうたちを撃うち滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、すべて息いきのあるものは、ことごとく滅ほろぼした。イスラエルの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりであった。10:41 ヨシュアはカデシ・バルネアからガザまでの国々くにぐに、およびゴセンの全ぜん地ちを撃うち滅ほろぼして、ギベオンにまで及およんだ。10:42 イスラエルの神かみ、主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたので、ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、その地ちをいちどきに取とった。10:43 そしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 第11章 11:1 ハゾルの王おうヤビンは、これを聞きいて、マドンの王おうヨバブ、シムロンの王おう、およびアクサフの王おう、11:2 また北きたの山地さんち、キンネロテの南みなみのアラバ、平地へいち、西にしの方ほうのドルの高地こうちにおる王おうたち、11:3 すなわち、東西とうざいのカナンびと、アモリびと、ヘテびと、ペリジびと、山地さんちのエブスびと、ミヅパの地ちにあるヘルモンのふもとのヒビびとに使者ししゃをつかわした。11:4 そして彼かれらは、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて出でてきた。その大軍たいぐんは浜はまべの砂すなのように数多かずおおく、馬うまと戦車せんしゃも、ひじょうに多おおかった。11:5 これらの王おうたちはみな軍ぐんを集あつめ、進すすんできて、共ともにメロムの水みずのほとりに陣じんをしき、イスラエルと戦たたかおうとした。11:6 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらのゆえに恐おそれてはならない。あすの今いまごろ、わたしは彼かれらを皆みなイスラエルに渡わたして、ことごとく殺ころさせるであろう。あなたは彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やかなければならない」。11:7 そこでヨシュアは、すべてのいくさびとを率ひきいて、にわかにメロムの水みずのほとりにおし寄よせ、彼かれらを襲おそった。11:8 主しゅは彼かれらをイスラエルの手てに渡わたされたので、これを撃うち破やぶり、大だいシドンおよびミスレポテ・マイムまで、これを追撃ついげきし、東ひがしの方ほうでは、ミヅパの谷たにまで彼かれらを追おい、ついにひとりも残のこさず撃うちとった。11:9 ヨシュアは主しゅが命めいじられたとおりに彼かれらに行おこない、彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やいた。 11:10 その時とき、ヨシュアはひきかえして、ハゾルを取とり、つるぎをもって、その王おうを撃うった。ハゾルは昔むかし、これらすべての国々くにぐにの盟主めいしゅであったからである。11:11 彼かれらはつるぎをもって、その中なかのすべての人ひとを撃うち、ことごとくそれを滅ほろぼし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。そして火ひをもってハゾルを焼やいた。11:12 ヨシュアはこれらの王おうたちのすべての町々まちまち、およびその諸王しょおうを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、ことごとく滅ほろぼした。主しゅのしもべモーセが命めいじたとおりであった。11:13 ただし、丘おかの上うえに立たっている町々まちまちをイスラエルは焼やかなかった。ヨシュアはただハゾルだけを焼やいた。11:14 これらの町まちのすべてのぶんどり物ものと家畜かちくとは、イスラエルの人々ひとびとが戦利せんり品ひんとして取とったが、人ひとはみなつるぎをもって、滅ほろぼし尽つくし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。11:15 主しゅがそのしもべモーセに命めいじられたように、モーセはヨシュアに命めいじたが、ヨシュアはそのとおりにおこなった。すべて主しゅがモーセに命めいじられたことで、ヨシュアが行おこなわなかったことは一つもなかった。 11:16 こうしてヨシュアはその全ぜん地ち、すなわち、山地さんち、ネゲブの全ぜん地ち、ゴセンの全ぜん地ち、平地へいち、アラバならびにイスラエルの山地さんちと平地へいちを取とり、11:17 セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やまから、ヘルモン山やまのふもとのレバノンの谷たににあるバアルガデまでを獲えた。そしてそれらの王おうたちを、ことごとく捕とらえて、撃うち殺ころした。11:18 ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、長ながいあいだ戦たたかった。11:19 ギベオンの住民じゅうみんヒビびとのほかには、イスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじた町まちは一つもなかった。町々まちまちはみな戦争せんそうをして、攻せめ取とったものであった。11:20 彼かれらが心こころをかたくなにして、イスラエルに攻せめよせたのは、もともと主しゅがそうさせられたので、彼かれらがのろわれた者ものとなり、あわれみを受うけず、ことごとく滅ほろぼされるためであった。主しゅがモーセに命めいじられたとおりである。 11:21 その時とき、ヨシュアはまた行いって、山地さんち、ヘブロン、デビル、アナブ、ユダのすべての山地さんち、イスラエルのすべての山地さんちから、アナクびとを断たち、彼かれらの町々まちまちをも共ともに滅ほろぼした。11:22 それでイスラエルの人々ひとびとの地ちに、アナクびとは、ひとりもいなくなった。ただガサ、ガテ、アシドドには、少すこし残のこっているだけであった。11:23 こうしてヨシュアはその地ちを、ことごとく取とった。すべて主しゅがモーセに告つげられたとおりである。そしてヨシュアはイスラエルの部族ぶぞくにそれぞれの分ぶんを与あたえて、嗣し業ぎょうとさせた。こうしてその地ちに戦争せんそうはやんだ。 第12章 12:1 さてヨルダンの向むこう側がわ、日ひの出での方ほうで、アルノンの谷たにからヘルモン山やままで、および東ひがしアラバの全土ぜんどのうちで、イスラエルの人々ひとびとが撃うち滅ほろぼして地ちを取とった国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。12:2 まず、アモリびとの王おうシホン。彼かれはヘシボンに住すみ、その領地りょうちは、アルノンの谷たにのほとりにあるアロエル、および谷たにの中なかの町まちから、ギレアデの半なかばを占しめて、アンモンびととの境さかいであるヤボク川かわに達たっし、12:3 東ひがしの方ほうではアラバをキンネレテの湖みずうみまで占しめ、またアラバの海うみすなわち塩しおの海うみの東ひがしにおよび、ベテエシモテの道みちを経へて、南みなみはピスガの山やまのふもとに達たっした。12:4 次つぎにレパイムの生いき残のこりのひとりであったバシャンの王おうオグ。彼かれはアシタロテとエデレイとに住すみ、12:5 ヘルモン山やま、サレカ、およびバシャンの全土ぜんどを領りょうしたので、ゲシュルびと、およびマアカびとと境さかいを接せっし、またギレアデの半なかばを領りょうしたので、ヘシボンの王おうシホンと境さかいを接せっしていた。12:6 主しゅのしもべモーセと、イスラエルの人々ひとびととが、彼かれらを撃うち滅ほろぼし、そして主しゅのしもべモーセは、これらの地ちを、ルベンびと、ガドびと、およびマナセの半はん部族ぶぞくに与あたえて所有しょゆうとさせた。 12:7 ヨルダンのこちら側がわ、西にしの方ほうにあって、レバノンの谷たににあるバアルガデから、セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やままでの間あいだで、ヨシュアと、イスラエルの人々ひとびととが、撃うち滅ほろぼした国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。ヨシュアは彼かれらの地ちをイスラエルの部族ぶぞくに、それぞれの分ぶんを与あたえて嗣し業ぎょうとさせた。12:8 これは、山地さんち、平地へいち、アラバ、山腹さんぷく、荒野あらの、およびネゲブであって、ヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの所領しょりょうであった。12:9 エリコの王おうひとり。ベテルのほとりのアイの王おうひとり。12:10 エルサレムの王おうひとり。ヘブロンの王おうひとり。12:11 ヤルムテの王おうひとり。ラキシの王おうひとり。12:12 エグロンの王おうひとり。ゲゼルの王おうひとり。12:13 デビルの王おうひとり。ゲデルの王おうひとり。12:14 ホルマの王おうひとり。アラデの王おうひとり。12:15 リブナの王おうひとり。アドラムの王おうひとり。12:16 マッケダの王おうひとり。ベテルの王おうひとり。12:17 タップアの王おうひとり。ヘペルの王おうひとり。12:18 アペクの王おうひとり。シャロンの王おうひとり。12:19 マドンの王おうひとり。ハゾルの王おうひとり。12:20 シムロン・メロンの王おうひとり。アクサフの王おうひとり。12:21 タアナクの王おうひとり。メギドの王おうひとり。12:22 ケデシの王おうひとり。カルメルのヨクネアムの王おうひとり。12:23 ドルの高地こうちにおるドルの王おうひとり。ガリラヤのゴイイムの王おうひとり。12:24 テルザの王おうひとり。合あわせて三十一王おうである。
8:1 主しゅはヨシュアに言いわれた、「恐おそれてはならない、おののいてはならない。いくさびとを皆みな、率ひきい、立たって、アイに攻せめ上のぼりなさい。わたしはアイの王おうとその民たみ、その町まち、その地ちをあなたの手てに授さづける。
8:2 あなたは、さきにエリコとその王おうにしたとおり、アイとその王おうとにしなければならない。ただし、ぶんどり物ものと家畜かちくとは戦利せんり品ひんとしてあなたがたのものとすることができるであろう。あなたはまず、町まちのうしろに伏兵ふくへいを置おきなさい」。
8:3 ヨシュアは立たって、すべてのいくさびとと共ともに、アイに攻せめ上のぼろうとして、まず大だい勇士ゆうし三万人にんを選えらび、それを夜よるのうちにつかわした。
8:4 ヨシュアは彼かれらに命めいじて言いった、「あなたがたは町まちに向むかって、町まちのうしろに伏ふせていなければならない。町まちを遠とおく離はなれないで、みな備そなえをしていなければならない。
8:5 わたしとわたしに従したがう民たみとは皆みな共ともに、町まちに攻せめ寄よせよう。そして彼かれらが前まえのようにわれわれにむかって出でてくるとき、われわれは彼かれらの前まえから逃にげるであろう。
8:6 そうすれば彼かれらはわれわれを追おって出でてくるであろうから、われわれはついに彼かれらを町まちからおびき出だすことができる。彼かれらは言いうであろう、『この人々ひとびとはまた前まえのように、われわれの前まえから逃にげていく』。こうしてわれわれは彼かれらの前まえから逃にげるであろう。
8:7 その時とき、あなたがたは伏ふせている所ところから立たち上あがって、町まちを取とらなければならない。あなたがたの神かみ、主しゅがそれをあなたがたの手てに与あたえられるからである。
8:8 あなたがたが、町まちを取とったならば、町まちに火ひを放はなち、主しゅが命めいじられたようにしなければならない。わたしはこう、あなたがたに命めいじるのである」。
8:9 そうしてヨシュアが彼かれらをつかわしたので、彼かれらはアイの西方せいほう、ベテルとアイの間あいだの待まち伏ぶせする場所ばしょに行いって身みを伏ふせた。ヨシュアはその夜よる、民たみの中なかに宿やどった。
8:10 ヨシュアは明あくる朝あさ、早はやく起おきて、民たみを集あつめ、イスラエルの長老ちょうろうたちと共ともに、民たみに先立さきだって、アイに上のぼっていった。
8:11 彼かれと共ともにいたいくさびとたちもみな上のぼっていって、町まちの前まえに近ちかづき、アイの北きたに陣じんを取とった。彼かれらとアイの間あいだには、一つの谷たにがあった。
8:12 ヨシュアはおおよそ五千人にんをとって、町まちの西方せいほう、ベテルとアイの間あいだに、伏ふせておいた。
8:13 こうして民たみの主力しゅりょくを町まちの北きたにおき、しんがりを町まちの西にしにおいた。ヨシュアはその夜よ、谷たにの中なかで宿やどった。
8:14 アイの王おうはこれを見みて、すべての民たみと共ともに、急いそいで、早はやく起おき、アラバに行いく下くだり坂ざかに進すすみ出でて、イスラエルと戦たたかった。しかし、王おうは町まちのうしろに、すきをうかがう伏兵ふくへいのおることを知しらなかった。
8:15 ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとと共ともに、彼かれらに打うち破やぶられたふりをして、荒野あらのの方向ほうこうへ逃にげだしたので、
8:16 その町まちの民たみはみな呼よばわり集あつまって彼かれらのあとを追おい、ヨシュアのあとを追おって町まちからおびき出だされ、
8:17 アイにもベテルにも残のこっているものはひとりもなく、みな出でてイスラエルのあとを追おい、町まちを開あけ放はなして、イスラエルのあとを追おった。
8:18 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「あなたの手てにあるなげやりを、アイの方ほうにさし伸のべなさい。わたしはその町まちをあなたの手てに与あたえるであろう」。そこでヨシュアが手てにしていたなげやりを、アイの方ほうにさし伸のべると、
8:19 伏兵ふくへいはたちまちその場所ばしょから立たち上あがり、ヨシュアが手てをのべると同時どうじに、走はしって町まちに入はいり、それを取とって、ただちに町まちに火ひをかけた。
8:20 それでアイの人々ひとびとが、うしろをふり返かえって見みると、町まちの焼やける煙けむりが天てんに立たちのぼっていたので、こちらへもあちらへも逃にげるすべがなかった。荒野あらのへ逃にげていった民たみも身みをかえして、追おってきた者ものに迫せまった。
8:21 ヨシュアとすべてのイスラエルびとは、伏兵ふくへいが町まちを取とり、町まちの焼やける煙けむりが立たち上のぼるのを見みて、身みをかえしてアイの人々ひとびとを撃うった。
8:22 また町まちを取とったものは町まちを出でて彼かれらに向むかったので、彼かれらは、こちらとあちらとからイスラエルの中なかにはさまれた。こうしてイスラエルびとが彼かれらを撃うったので、生いき残のこったもの、逃にげおおせたものは、ひとりもなかった。
8:23 そしてアイの王おうを生いけどりにして、ヨシュアのもとへ連つれてきた。
8:24 イスラエルびとは、荒野あらのに追撃ついげきしてきたアイの住民じゅうみんをことごとく野ので殺ころし、つるぎをもってひとりも残のこさず撃うち倒たおしてのち、皆みなアイに帰かえり、つるぎをもってその町まちを撃うち滅ほろぼした。
8:25 その日ひアイの人々ひとびとはことごとく倒たおれた。その数かずは男女だんじょあわせて一万二千人にんであった。
8:26 ヨシュアはアイの住民じゅうみんをことごとく滅ほろぼしつくすまでは、なげやりをさし伸のべた手てを引ひっこめなかった。
8:27 ただし、その町まちの家畜かちくおよび、ぶんどり品ひんはイスラエルびとが自分じぶんたちの戦利せんり品ひんとして取とった。主しゅがヨシュアに命めいじられた言葉ことばにしたがったのである。
8:28 こうしてヨシュアはアイを焼やいて、永久えいきゅうに荒塚あらつかとしたが、それは今日こんにちまで荒あれ地ちとなっている。
8:29 ヨシュアはまた、アイの王おうを夕方ゆうがたまで木きに掛かけてさらし、日ひの入いるころ、命めいじて、その死体したいを木きから取とりおろし、町まちの門もんの入口いりぐちに投なげすて、その上うえに石いしの大塚おおつかを積つみ上あげさせたが、それは今日こんにちまで残のこっている。
8:30 そしてヨシュアはエバル山やまにイスラエルの神かみ、主しゅのために一つの祭壇さいだんを築きずいた。
8:31 これは主しゅのしもべモーセがイスラエルの人々ひとびとに命めいじたことにもとづき、モーセの律法りっぽうの書しょにしるされているように、鉄てつの道具どうぐを当あてない自然しぜんのままの石いしの祭壇さいだんであって、人々ひとびとはその上うえで、主しゅに燔祭はんさいをささげ、酬恩祭しゅうおんさいを供そなえた。
8:32 その所ところで、ヨシュアはまたモーセの書かきしるした律法りっぽうを、イスラエルの人々ひとびとの前まえで、石いしに書かき写うつした。
8:33 こうしてすべてのイスラエルびとは、本国ほんごく人じんも、寄留きりゅうの他国たこく人じんも、長老ちょうろう、つかさびと、さばきびとと共ともに、主しゅの契約けいやくの箱はこをかくレビびとである祭司さいしたちの前まえで、箱はこのこなたとかなたに分わかれて、半なかばはゲリジム山やまの前まえに、半なかばはエバル山やまの前まえに立たった。これは主しゅのしもべモーセがさきに命めいじたように、イスラエルの民たみを祝福しゅくふくするためであった。
8:34 そして後のち、ヨシュアはすべての律法りっぽうの書しょにしるされている所ところにしたがって、祝福しゅくふくと、のろいとに関かんする律法りっぽうの言葉ことばをことごとく読よんだ。
8:35 モーセが命めいじたすべての言葉ことばのうち、ヨシュアがイスラエルの全ぜん会衆かいしゅうおよび女おんなと子こどもたち、ならびにイスラエルのうちに住すむ寄留きりゅうの他国たこく人じんの前まえで、読よまなかったものは一つもなかった。
第9章 9:1 さて、ヨルダンの西側にしがわの、山地さんち、平地へいち、およびレバノンまでの大海たいかいの沿岸えんがんに住すむもろもろの王おうたち、すなわちヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの王おうたちは、これを聞きいて、9:2 心こころを合あわせ、相あい集あつまって、ヨシュアおよびイスラエルと戦たたかおうとした。 9:3 しかし、ギベオンの住民じゅうみんたちは、ヨシュアがエリコとアイにおこなったことを聞きいて、9:4 自分じぶんたちも策略さくりゃくをめぐらし、行いって食料しょくりょう品ひんを準備じゅんびし、古ふるびた袋ふくろと、古ふるびて破やぶれたのを繕つくろったぶどう酒しゅの皮かわ袋ぶくろとを、ろばに負おわせ、9:5 繕つくろった古ふるぐつを足あしにはき、古ふるびた着物きものを身みにつけた。彼かれらの食料しょくりょうのパンは、みなかわいて、砕くだけていた。9:6 彼かれらはギルガルの陣営じんえいのヨシュアの所ところにきて、彼かれとイスラエルの人々ひとびとに言いった、「われわれは遠とおい国くにからまいりました。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」。9:7 しかし、イスラエルの人々ひとびとはそのヒビびとたちに言いった、「あなたがたはわれわれのうちに住すんでいるのかも知しれないから、われわれはどうしてあなたがたと契約けいやくが結むすべましょう」。9:8 彼かれらはヨシュアに言いった、「われわれはあなたのしもべです」。ヨシュアは彼かれらに言いった、「あなたがたはだれですか。どこからきたのですか」。9:9 彼かれらはヨシュアに言いった、「しもべどもはあなたの神かみ、主しゅの名なのゆえに、ひじょうに遠とおい国くにからまいりました。われわれは主しゅの名声めいせい、および主しゅがエジプトで行おこなわれたすべての事ことを聞きき、9:10 また主しゅがヨルダンの向むこう側がわにいたアモリびとのふたりの王おう、すなわちヘシボンの王おうシホン、およびアシタロテにおったバシャンの王おうオグに行おこなわれたすべてのことを聞きいたからです。9:11 それで、われわれの長老ちょうろうたち、および国くにの住民じゅうみんはみなわれわれに言いいました、『おまえたちは旅路たびじの食料しょくりょうを手てに携たずさえていって、彼かれらに会あって言いいなさい、「われわれはあなたがたのしもべです。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」』。9:12 ここにあるこのパンは、あなたがたの所ところに来くるため、われわれが出立しゅったつする日ひに、おのおの家いえから、まだあたたかなのを旅たびの食料しょくりょうとして準備じゅんびしたのですが、今いまはもうかわいて砕くだけています。9:13 またぶどう酒しゅを満みたしたこれらの皮かわ袋ぶくろも、新あたらしかったのですが、破やぶれました。われわれのこの着物きものも、くつも、旅路たびじがひじょうに長ながかったので、古ふるびてしまいました」。9:14 そこでイスラエルの人々ひとびとは彼かれらの食料しょくりょう品ひんを共ともに食たべ、主しゅのさしずを求もとめようとはしなかった。9:15 そしてヨシュアは彼かれらと和わを講こうじ、契約けいやくを結むすんで、彼かれらを生いかしておいた。会衆かいしゅうの長ちょうたちは彼かれらに誓ちかいを立たてた。 9:16 契約けいやくを結むすんで三日かの後のちに、彼かれらはその人々ひとびとが近ちかくの人々ひとびとで、自分じぶんたちのうちに住すんでいるということを聞きいた。9:17 イスラエルの人々ひとびとは進すすんで、三日か目めにその町々まちまちに着ついた。その町々まちまちとは、ギベオン、ケピラ、ベエロテおよびキリアテ・ヤリムであった。9:18 ところで会衆かいしゅうの長ちょうたちが、すでにイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかいを立たてていたので、イスラエルの人々ひとびとは彼かれらを殺ころさなかった。そこで会衆かいしゅうはみな、長ちょうたちにむかってつぶやいた。9:19 しかし、長ちょうたちは皆みな、全ぜん会衆かいしゅうに言いった、「われわれはイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかった。それゆえ今いま、彼かれらに触ふれてはならない。9:20 われわれは、こうして彼かれらを生いかしておこう。そうすれば、われわれが彼かれらに立たてた誓ちかいのゆえに、怒いかりがわれわれに臨のぞむことはないであろう」。9:21 長ちょうたちはまた人々ひとびとに「彼かれらを生いかしておこう」と言いったので、彼かれらはついに、全ぜん会衆かいしゅうのために、たきぎを切きり、水みずをくむものとなった。長ちょうたちが彼かれらに言いったとおりである。 9:22 ヨシュアは彼かれらを呼よび寄よせて言いった、「あなたがたは、われわれのうちに住すみながら、なぜ『われわれはあなたがたからは遠とおく離はなれている』と言いって、われわれをだましたのか。9:23 それであなたがたは今いまのろわれ、奴隷どれいとなってわたしの神かみの家いえのために、たきぎを切きり、水みずをくむものが、絶たえずあなたがたのうちから出でるであろう」。9:24 彼かれらはヨシュアに答こたえて言いった、「あなたの神かみ、主しゅがそのしもべモーセに、この地ちをことごとくあなたがたに与あたえ、この地ちに住すむ民たみをことごとくあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さるようにと、お命めいじになったことを、しもべどもは明あきらかに伝つたえ聞ききましたので、あなたがたのゆえに、命いのちが危あやういと、われわれは非常ひじょうに恐おそれて、このことをしたのです。9:25 われわれは、今いま、あなたの手てのうちにあります。われわれにあなたがして良よいと思おもい、正ただしいと思おもうことをしてください」。9:26 そこでヨシュアは、彼かれらにそのようにし、彼かれらをイスラエルの人々ひとびとの手てから救すくって殺ころさせなかった。9:27 しかし、ヨシュアは、その日ひ、彼かれらを、会衆かいしゅうのため、また主しゅの祭壇さいだんのため、主しゅが選えらばれる場所ばしょで、たきぎを切きり、水みずをくむ者ものとした。これは今日こんにちまでつづいている。 第10章 10:1 エルサレムの王おうアドニゼデクは、ヨシュアがアイを攻せめ取とって、それを全まったく滅ほろぼし、さきにエリコとその王おうとにしたように、アイとその王おうにもしたこと、またギベオンの住民じゅうみんが、イスラエルと和わを講こうじて、そのうちにおることを聞きき、10:2 大おおいに恐おそれた。それは、ギベオンが大おおきな町まちであって、王おうの都みやこにもひとしいものであり、またアイより大おおきくて、そのうちの人々ひとびとが、すべて強つよかったからである。10:3 それでエルサレムの王おうアドニゼデクは、ヘブロンの王おうホハム、ヤルムテの王おうピラム、ラキシの王おうヤピア、およびエグロンの王おうデビルに人ひとをつかわして言いった、10:4 「わたしの所ところに上のぼってきて、わたしを助たすけてください。われわれはギベオンを撃うちましょう。ギベオンはヨシュアおよびイスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじたからです」。10:5 アモリびとの五人にんの王おう、すなわちエルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうは兵へいを集あつめ、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて上のぼってきて、ギベオンに向むかって陣じんを取とり、それを攻せめて戦たたかった。 10:6 ギベオンの人々ひとびとは、ギルガルの陣営じんえいに人ひとをつかわし、ヨシュアに言いった、「あなたの手てを引ひかないで、しもべどもを助たすけてください。早はやく、われわれの所ところに上のぼってきて、われわれを救すくい、助たすけてください。山地さんちに住すむアモリびとの王おうたちがみな集あつまって、われわれを攻せめるからです」。10:7 そこでヨシュアはすべてのいくさびとと、すべての大だい勇士ゆうしを率ひきいて、ギルガルから上のぼって行いった。10:8 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらを恐おそれてはならない。わたしが彼かれらをあなたの手てにわたしたからである。彼かれらのうちには、あなたに当あたることのできるものは、ひとりもないであろう」。10:9 ヨシュアは、ギルガルから、よもすがら進すすみのぼって、にわかに彼かれらに攻せめよせたところ、10:10 主しゅは彼かれらを、イスラエルの前まえに、恐おそれあわてさせられたので、イスラエルはギベオンで彼かれらをおびただしく撃うち殺ころし、ベテホロンの上のぼり坂ざかをとおって逃にげる彼かれらを、アゼカとマッケダまで追撃ついげきした。10:11 彼かれらがイスラエルの前まえから逃にげ走はしって、ベテホロンの下くだり坂ざかをおりていた時とき、主しゅは天てんから彼かれらの上うえに大石おおいしを降ふらし、アゼカにいたるまでもそうされたので、多おおくの人々ひとびとが死しんだ。イスラエルの人々ひとびとがつるぎをもって殺ころしたものよりも、雹ひょうに打うたれて死しんだもののほうが多おおかった。 10:12 主しゅがアモリびとをイスラエルの人々ひとびとにわたされた日ひに、ヨシュアはイスラエルの人々ひとびとの前まえで主しゅにむかって言いった、 「日ひよ、ギベオンの上うえにとどまれ、月つきよ、アヤロンの谷たににやすらえ」。10:13 民たみがその敵てきを撃うち破やぶるまで、日ひはとどまり、月つきは動うごかなかった。これはヤシャルの書しょにしるされているではないか。日ひが天てんの中空ちゅうくうにとどまって、急いそいで没ぼっしなかったこと、おおよそ一日にちであった。10:14 これより先さきにも、あとにも、主しゅがこのように人ひとの言葉ことばを聞ききいれられた日ひは一日にちもなかった。主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたからである。 10:15 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとと共ともにギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 10:16 かの五人にんの王おうたちは逃にげて行いって、マッケダのほら穴あなに隠かくれたが、10:17 五人にんの王おうたちがマッケダのほら穴あなにかくれているのが見みつかったと、ヨシュアに告つげる者ものがあったので、10:18 ヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちに大石おおいしをころがし、そのそばに人ひとを置おいて、守まもらせなさい。10:19 ただし、あなたがたは、そこにとどまらないで、敵てきのあとを追おい、そのしんがりを撃うち、彼かれらをその町まちにはいらせてはならない。あなたがたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたがたの手てに渡わたされたからである」。10:20 ヨシュアとイスラエルの人々ひとびとは、大おおいに彼かれらを撃うち殺ころし、ついに彼かれらを滅ほろぼしつくしたが、彼かれらのうちのがれて生いき残のこった者ものどもは、堅固けんごな町々まちまちに逃にげこんだので、10:21 民たみはみな安やすらかにマッケダの陣営じんえいのヨシュアのもとに帰かえってきたが、イスラエルの人々ひとびとにむかって舌したを鳴ならす者ものはひとりもなかった。 10:22 その時ときヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちを開ひらいて、ほら穴あなから、かの五人にんの王おうたちを、わたしのもとにひき出だしなさい」。10:23 やがて、そのようにして、かの五人にんの王おうたち、すなわち、エルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうを、ほら穴あなから彼かれのもとにひき出だした。10:24 この王おうたちをヨシュアのもとにひき出だした時とき、ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとを呼よび寄よせ、自分じぶんと共ともに行いったいくさびとの長ちょうたちに言いった、「近寄ちかよって、この王おうたちのくびに足あしをかけなさい」。そこで近寄ちかよって、その王おうたちのくびに足あしをかけたので、10:25 ヨシュアは彼かれらに言いった、「恐おそれおののいてはならない。強つよくまた雄々おおしくあれ。あなたがたが攻せめて戦たたかうすべての敵てきには、主しゅがこのようにされるのである」。10:26 そして後のちヨシュアは彼かれらを撃うって死しなせ、五本ほんの木きにかけて、夕暮ゆうぐれまで木きの上うえにさらして置おいたが、10:27 日ひの入いるころになって、ヨシュアが命めいじたので、これを木きからおろし、彼かれらが隠かくれていたほら穴あなに投なげ入いれ、ほら穴あなの口くちに大石おおいしを置おいた。これは今日こんにちまで残のこっている。 10:28 その日ひヨシュアはマッケダを取とり、つるぎをもって、それと、その王おうとを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、エリコの王おうにしたように、マッケダの王おうにもした。 10:29 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、マッケダからリブナに進すすみ、リブナを攻せめて戦たたかった。10:30 主しゅが、それと、その王おうをも、イスラエルの手てに渡わたされたので、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼして、ひとりもその中なかに残のこさず、エリコの王おうにしたように、その王おうにもした。 10:31 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、リブナからラキシに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:32 主しゅがラキシをイスラエルの手てに渡わたされたので、ふつか目めにこれを取とり、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼした。すべてリブナにしたとおりであった。 10:33 その時とき、ゲゼルの王おうホラムが、ラキシを助たすけるために上のぼってきたので、ヨシュアは彼かれと、その民たみとを撃うち滅ほろぼして、ついにひとりも残のこさなかった。 10:34 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ラキシからエグロンに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:35 その日ひこれを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとくその日ひに滅ほろぼした。すべてラキシにしたとおりであった。 10:36 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、エグロンからヘブロンに進すすみ上のぼり、これを攻せめて戦たたかい、10:37 それを取とって、それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちと、その中なかのすべての人ひとを、つるぎをもって撃うち滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。すべてエグロンにしたとおりであった。すなわち、それとその中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼした。 10:38 またヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、デビルへひきかえし、これを攻せめて戦たたかい、10:39 それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちを取とり、つるぎをもってそれを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。彼かれがデビルと、その王おうにしたことは、ヘブロンにしたとおりであり、またリブナと、その王おうにしたとおりであった。 10:40 こうしてヨシュアはその地ちの全部ぜんぶ、すなわち、山地さんち、ネゲブ、平地へいち、および山腹さんぷくの地ちと、そのすべての王おうたちを撃うち滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、すべて息いきのあるものは、ことごとく滅ほろぼした。イスラエルの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりであった。10:41 ヨシュアはカデシ・バルネアからガザまでの国々くにぐに、およびゴセンの全ぜん地ちを撃うち滅ほろぼして、ギベオンにまで及およんだ。10:42 イスラエルの神かみ、主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたので、ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、その地ちをいちどきに取とった。10:43 そしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 第11章 11:1 ハゾルの王おうヤビンは、これを聞きいて、マドンの王おうヨバブ、シムロンの王おう、およびアクサフの王おう、11:2 また北きたの山地さんち、キンネロテの南みなみのアラバ、平地へいち、西にしの方ほうのドルの高地こうちにおる王おうたち、11:3 すなわち、東西とうざいのカナンびと、アモリびと、ヘテびと、ペリジびと、山地さんちのエブスびと、ミヅパの地ちにあるヘルモンのふもとのヒビびとに使者ししゃをつかわした。11:4 そして彼かれらは、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて出でてきた。その大軍たいぐんは浜はまべの砂すなのように数多かずおおく、馬うまと戦車せんしゃも、ひじょうに多おおかった。11:5 これらの王おうたちはみな軍ぐんを集あつめ、進すすんできて、共ともにメロムの水みずのほとりに陣じんをしき、イスラエルと戦たたかおうとした。11:6 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらのゆえに恐おそれてはならない。あすの今いまごろ、わたしは彼かれらを皆みなイスラエルに渡わたして、ことごとく殺ころさせるであろう。あなたは彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やかなければならない」。11:7 そこでヨシュアは、すべてのいくさびとを率ひきいて、にわかにメロムの水みずのほとりにおし寄よせ、彼かれらを襲おそった。11:8 主しゅは彼かれらをイスラエルの手てに渡わたされたので、これを撃うち破やぶり、大だいシドンおよびミスレポテ・マイムまで、これを追撃ついげきし、東ひがしの方ほうでは、ミヅパの谷たにまで彼かれらを追おい、ついにひとりも残のこさず撃うちとった。11:9 ヨシュアは主しゅが命めいじられたとおりに彼かれらに行おこない、彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やいた。 11:10 その時とき、ヨシュアはひきかえして、ハゾルを取とり、つるぎをもって、その王おうを撃うった。ハゾルは昔むかし、これらすべての国々くにぐにの盟主めいしゅであったからである。11:11 彼かれらはつるぎをもって、その中なかのすべての人ひとを撃うち、ことごとくそれを滅ほろぼし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。そして火ひをもってハゾルを焼やいた。11:12 ヨシュアはこれらの王おうたちのすべての町々まちまち、およびその諸王しょおうを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、ことごとく滅ほろぼした。主しゅのしもべモーセが命めいじたとおりであった。11:13 ただし、丘おかの上うえに立たっている町々まちまちをイスラエルは焼やかなかった。ヨシュアはただハゾルだけを焼やいた。11:14 これらの町まちのすべてのぶんどり物ものと家畜かちくとは、イスラエルの人々ひとびとが戦利せんり品ひんとして取とったが、人ひとはみなつるぎをもって、滅ほろぼし尽つくし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。11:15 主しゅがそのしもべモーセに命めいじられたように、モーセはヨシュアに命めいじたが、ヨシュアはそのとおりにおこなった。すべて主しゅがモーセに命めいじられたことで、ヨシュアが行おこなわなかったことは一つもなかった。 11:16 こうしてヨシュアはその全ぜん地ち、すなわち、山地さんち、ネゲブの全ぜん地ち、ゴセンの全ぜん地ち、平地へいち、アラバならびにイスラエルの山地さんちと平地へいちを取とり、11:17 セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やまから、ヘルモン山やまのふもとのレバノンの谷たににあるバアルガデまでを獲えた。そしてそれらの王おうたちを、ことごとく捕とらえて、撃うち殺ころした。11:18 ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、長ながいあいだ戦たたかった。11:19 ギベオンの住民じゅうみんヒビびとのほかには、イスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじた町まちは一つもなかった。町々まちまちはみな戦争せんそうをして、攻せめ取とったものであった。11:20 彼かれらが心こころをかたくなにして、イスラエルに攻せめよせたのは、もともと主しゅがそうさせられたので、彼かれらがのろわれた者ものとなり、あわれみを受うけず、ことごとく滅ほろぼされるためであった。主しゅがモーセに命めいじられたとおりである。 11:21 その時とき、ヨシュアはまた行いって、山地さんち、ヘブロン、デビル、アナブ、ユダのすべての山地さんち、イスラエルのすべての山地さんちから、アナクびとを断たち、彼かれらの町々まちまちをも共ともに滅ほろぼした。11:22 それでイスラエルの人々ひとびとの地ちに、アナクびとは、ひとりもいなくなった。ただガサ、ガテ、アシドドには、少すこし残のこっているだけであった。11:23 こうしてヨシュアはその地ちを、ことごとく取とった。すべて主しゅがモーセに告つげられたとおりである。そしてヨシュアはイスラエルの部族ぶぞくにそれぞれの分ぶんを与あたえて、嗣し業ぎょうとさせた。こうしてその地ちに戦争せんそうはやんだ。 第12章 12:1 さてヨルダンの向むこう側がわ、日ひの出での方ほうで、アルノンの谷たにからヘルモン山やままで、および東ひがしアラバの全土ぜんどのうちで、イスラエルの人々ひとびとが撃うち滅ほろぼして地ちを取とった国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。12:2 まず、アモリびとの王おうシホン。彼かれはヘシボンに住すみ、その領地りょうちは、アルノンの谷たにのほとりにあるアロエル、および谷たにの中なかの町まちから、ギレアデの半なかばを占しめて、アンモンびととの境さかいであるヤボク川かわに達たっし、12:3 東ひがしの方ほうではアラバをキンネレテの湖みずうみまで占しめ、またアラバの海うみすなわち塩しおの海うみの東ひがしにおよび、ベテエシモテの道みちを経へて、南みなみはピスガの山やまのふもとに達たっした。12:4 次つぎにレパイムの生いき残のこりのひとりであったバシャンの王おうオグ。彼かれはアシタロテとエデレイとに住すみ、12:5 ヘルモン山やま、サレカ、およびバシャンの全土ぜんどを領りょうしたので、ゲシュルびと、およびマアカびとと境さかいを接せっし、またギレアデの半なかばを領りょうしたので、ヘシボンの王おうシホンと境さかいを接せっしていた。12:6 主しゅのしもべモーセと、イスラエルの人々ひとびととが、彼かれらを撃うち滅ほろぼし、そして主しゅのしもべモーセは、これらの地ちを、ルベンびと、ガドびと、およびマナセの半はん部族ぶぞくに与あたえて所有しょゆうとさせた。 12:7 ヨルダンのこちら側がわ、西にしの方ほうにあって、レバノンの谷たににあるバアルガデから、セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やままでの間あいだで、ヨシュアと、イスラエルの人々ひとびととが、撃うち滅ほろぼした国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。ヨシュアは彼かれらの地ちをイスラエルの部族ぶぞくに、それぞれの分ぶんを与あたえて嗣し業ぎょうとさせた。12:8 これは、山地さんち、平地へいち、アラバ、山腹さんぷく、荒野あらの、およびネゲブであって、ヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの所領しょりょうであった。12:9 エリコの王おうひとり。ベテルのほとりのアイの王おうひとり。12:10 エルサレムの王おうひとり。ヘブロンの王おうひとり。12:11 ヤルムテの王おうひとり。ラキシの王おうひとり。12:12 エグロンの王おうひとり。ゲゼルの王おうひとり。12:13 デビルの王おうひとり。ゲデルの王おうひとり。12:14 ホルマの王おうひとり。アラデの王おうひとり。12:15 リブナの王おうひとり。アドラムの王おうひとり。12:16 マッケダの王おうひとり。ベテルの王おうひとり。12:17 タップアの王おうひとり。ヘペルの王おうひとり。12:18 アペクの王おうひとり。シャロンの王おうひとり。12:19 マドンの王おうひとり。ハゾルの王おうひとり。12:20 シムロン・メロンの王おうひとり。アクサフの王おうひとり。12:21 タアナクの王おうひとり。メギドの王おうひとり。12:22 ケデシの王おうひとり。カルメルのヨクネアムの王おうひとり。12:23 ドルの高地こうちにおるドルの王おうひとり。ガリラヤのゴイイムの王おうひとり。12:24 テルザの王おうひとり。合あわせて三十一王おうである。
9:1 さて、ヨルダンの西側にしがわの、山地さんち、平地へいち、およびレバノンまでの大海たいかいの沿岸えんがんに住すむもろもろの王おうたち、すなわちヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの王おうたちは、これを聞きいて、
9:2 心こころを合あわせ、相あい集あつまって、ヨシュアおよびイスラエルと戦たたかおうとした。
9:3 しかし、ギベオンの住民じゅうみんたちは、ヨシュアがエリコとアイにおこなったことを聞きいて、
9:4 自分じぶんたちも策略さくりゃくをめぐらし、行いって食料しょくりょう品ひんを準備じゅんびし、古ふるびた袋ふくろと、古ふるびて破やぶれたのを繕つくろったぶどう酒しゅの皮かわ袋ぶくろとを、ろばに負おわせ、
9:5 繕つくろった古ふるぐつを足あしにはき、古ふるびた着物きものを身みにつけた。彼かれらの食料しょくりょうのパンは、みなかわいて、砕くだけていた。
9:6 彼かれらはギルガルの陣営じんえいのヨシュアの所ところにきて、彼かれとイスラエルの人々ひとびとに言いった、「われわれは遠とおい国くにからまいりました。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」。
9:7 しかし、イスラエルの人々ひとびとはそのヒビびとたちに言いった、「あなたがたはわれわれのうちに住すんでいるのかも知しれないから、われわれはどうしてあなたがたと契約けいやくが結むすべましょう」。
9:8 彼かれらはヨシュアに言いった、「われわれはあなたのしもべです」。ヨシュアは彼かれらに言いった、「あなたがたはだれですか。どこからきたのですか」。
9:9 彼かれらはヨシュアに言いった、「しもべどもはあなたの神かみ、主しゅの名なのゆえに、ひじょうに遠とおい国くにからまいりました。われわれは主しゅの名声めいせい、および主しゅがエジプトで行おこなわれたすべての事ことを聞きき、
9:10 また主しゅがヨルダンの向むこう側がわにいたアモリびとのふたりの王おう、すなわちヘシボンの王おうシホン、およびアシタロテにおったバシャンの王おうオグに行おこなわれたすべてのことを聞きいたからです。
9:11 それで、われわれの長老ちょうろうたち、および国くにの住民じゅうみんはみなわれわれに言いいました、『おまえたちは旅路たびじの食料しょくりょうを手てに携たずさえていって、彼かれらに会あって言いいなさい、「われわれはあなたがたのしもべです。それで今いまわれわれと契約けいやくを結むすんでください」』。
9:12 ここにあるこのパンは、あなたがたの所ところに来くるため、われわれが出立しゅったつする日ひに、おのおの家いえから、まだあたたかなのを旅たびの食料しょくりょうとして準備じゅんびしたのですが、今いまはもうかわいて砕くだけています。
9:13 またぶどう酒しゅを満みたしたこれらの皮かわ袋ぶくろも、新あたらしかったのですが、破やぶれました。われわれのこの着物きものも、くつも、旅路たびじがひじょうに長ながかったので、古ふるびてしまいました」。
9:14 そこでイスラエルの人々ひとびとは彼かれらの食料しょくりょう品ひんを共ともに食たべ、主しゅのさしずを求もとめようとはしなかった。
9:15 そしてヨシュアは彼かれらと和わを講こうじ、契約けいやくを結むすんで、彼かれらを生いかしておいた。会衆かいしゅうの長ちょうたちは彼かれらに誓ちかいを立たてた。
9:16 契約けいやくを結むすんで三日かの後のちに、彼かれらはその人々ひとびとが近ちかくの人々ひとびとで、自分じぶんたちのうちに住すんでいるということを聞きいた。
9:17 イスラエルの人々ひとびとは進すすんで、三日か目めにその町々まちまちに着ついた。その町々まちまちとは、ギベオン、ケピラ、ベエロテおよびキリアテ・ヤリムであった。
9:18 ところで会衆かいしゅうの長ちょうたちが、すでにイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかいを立たてていたので、イスラエルの人々ひとびとは彼かれらを殺ころさなかった。そこで会衆かいしゅうはみな、長ちょうたちにむかってつぶやいた。
9:19 しかし、長ちょうたちは皆みな、全ぜん会衆かいしゅうに言いった、「われわれはイスラエルの神かみ、主しゅをさして彼かれらに誓ちかった。それゆえ今いま、彼かれらに触ふれてはならない。
9:20 われわれは、こうして彼かれらを生いかしておこう。そうすれば、われわれが彼かれらに立たてた誓ちかいのゆえに、怒いかりがわれわれに臨のぞむことはないであろう」。
9:21 長ちょうたちはまた人々ひとびとに「彼かれらを生いかしておこう」と言いったので、彼かれらはついに、全ぜん会衆かいしゅうのために、たきぎを切きり、水みずをくむものとなった。長ちょうたちが彼かれらに言いったとおりである。
9:22 ヨシュアは彼かれらを呼よび寄よせて言いった、「あなたがたは、われわれのうちに住すみながら、なぜ『われわれはあなたがたからは遠とおく離はなれている』と言いって、われわれをだましたのか。
9:23 それであなたがたは今いまのろわれ、奴隷どれいとなってわたしの神かみの家いえのために、たきぎを切きり、水みずをくむものが、絶たえずあなたがたのうちから出でるであろう」。
9:24 彼かれらはヨシュアに答こたえて言いった、「あなたの神かみ、主しゅがそのしもべモーセに、この地ちをことごとくあなたがたに与あたえ、この地ちに住すむ民たみをことごとくあなたがたの前まえから滅ほろぼし去さるようにと、お命めいじになったことを、しもべどもは明あきらかに伝つたえ聞ききましたので、あなたがたのゆえに、命いのちが危あやういと、われわれは非常ひじょうに恐おそれて、このことをしたのです。
9:25 われわれは、今いま、あなたの手てのうちにあります。われわれにあなたがして良よいと思おもい、正ただしいと思おもうことをしてください」。
9:26 そこでヨシュアは、彼かれらにそのようにし、彼かれらをイスラエルの人々ひとびとの手てから救すくって殺ころさせなかった。
9:27 しかし、ヨシュアは、その日ひ、彼かれらを、会衆かいしゅうのため、また主しゅの祭壇さいだんのため、主しゅが選えらばれる場所ばしょで、たきぎを切きり、水みずをくむ者ものとした。これは今日こんにちまでつづいている。
第10章 10:1 エルサレムの王おうアドニゼデクは、ヨシュアがアイを攻せめ取とって、それを全まったく滅ほろぼし、さきにエリコとその王おうとにしたように、アイとその王おうにもしたこと、またギベオンの住民じゅうみんが、イスラエルと和わを講こうじて、そのうちにおることを聞きき、10:2 大おおいに恐おそれた。それは、ギベオンが大おおきな町まちであって、王おうの都みやこにもひとしいものであり、またアイより大おおきくて、そのうちの人々ひとびとが、すべて強つよかったからである。10:3 それでエルサレムの王おうアドニゼデクは、ヘブロンの王おうホハム、ヤルムテの王おうピラム、ラキシの王おうヤピア、およびエグロンの王おうデビルに人ひとをつかわして言いった、10:4 「わたしの所ところに上のぼってきて、わたしを助たすけてください。われわれはギベオンを撃うちましょう。ギベオンはヨシュアおよびイスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじたからです」。10:5 アモリびとの五人にんの王おう、すなわちエルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうは兵へいを集あつめ、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて上のぼってきて、ギベオンに向むかって陣じんを取とり、それを攻せめて戦たたかった。 10:6 ギベオンの人々ひとびとは、ギルガルの陣営じんえいに人ひとをつかわし、ヨシュアに言いった、「あなたの手てを引ひかないで、しもべどもを助たすけてください。早はやく、われわれの所ところに上のぼってきて、われわれを救すくい、助たすけてください。山地さんちに住すむアモリびとの王おうたちがみな集あつまって、われわれを攻せめるからです」。10:7 そこでヨシュアはすべてのいくさびとと、すべての大だい勇士ゆうしを率ひきいて、ギルガルから上のぼって行いった。10:8 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらを恐おそれてはならない。わたしが彼かれらをあなたの手てにわたしたからである。彼かれらのうちには、あなたに当あたることのできるものは、ひとりもないであろう」。10:9 ヨシュアは、ギルガルから、よもすがら進すすみのぼって、にわかに彼かれらに攻せめよせたところ、10:10 主しゅは彼かれらを、イスラエルの前まえに、恐おそれあわてさせられたので、イスラエルはギベオンで彼かれらをおびただしく撃うち殺ころし、ベテホロンの上のぼり坂ざかをとおって逃にげる彼かれらを、アゼカとマッケダまで追撃ついげきした。10:11 彼かれらがイスラエルの前まえから逃にげ走はしって、ベテホロンの下くだり坂ざかをおりていた時とき、主しゅは天てんから彼かれらの上うえに大石おおいしを降ふらし、アゼカにいたるまでもそうされたので、多おおくの人々ひとびとが死しんだ。イスラエルの人々ひとびとがつるぎをもって殺ころしたものよりも、雹ひょうに打うたれて死しんだもののほうが多おおかった。 10:12 主しゅがアモリびとをイスラエルの人々ひとびとにわたされた日ひに、ヨシュアはイスラエルの人々ひとびとの前まえで主しゅにむかって言いった、 「日ひよ、ギベオンの上うえにとどまれ、月つきよ、アヤロンの谷たににやすらえ」。10:13 民たみがその敵てきを撃うち破やぶるまで、日ひはとどまり、月つきは動うごかなかった。これはヤシャルの書しょにしるされているではないか。日ひが天てんの中空ちゅうくうにとどまって、急いそいで没ぼっしなかったこと、おおよそ一日にちであった。10:14 これより先さきにも、あとにも、主しゅがこのように人ひとの言葉ことばを聞ききいれられた日ひは一日にちもなかった。主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたからである。 10:15 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとと共ともにギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 10:16 かの五人にんの王おうたちは逃にげて行いって、マッケダのほら穴あなに隠かくれたが、10:17 五人にんの王おうたちがマッケダのほら穴あなにかくれているのが見みつかったと、ヨシュアに告つげる者ものがあったので、10:18 ヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちに大石おおいしをころがし、そのそばに人ひとを置おいて、守まもらせなさい。10:19 ただし、あなたがたは、そこにとどまらないで、敵てきのあとを追おい、そのしんがりを撃うち、彼かれらをその町まちにはいらせてはならない。あなたがたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたがたの手てに渡わたされたからである」。10:20 ヨシュアとイスラエルの人々ひとびとは、大おおいに彼かれらを撃うち殺ころし、ついに彼かれらを滅ほろぼしつくしたが、彼かれらのうちのがれて生いき残のこった者ものどもは、堅固けんごな町々まちまちに逃にげこんだので、10:21 民たみはみな安やすらかにマッケダの陣営じんえいのヨシュアのもとに帰かえってきたが、イスラエルの人々ひとびとにむかって舌したを鳴ならす者ものはひとりもなかった。 10:22 その時ときヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちを開ひらいて、ほら穴あなから、かの五人にんの王おうたちを、わたしのもとにひき出だしなさい」。10:23 やがて、そのようにして、かの五人にんの王おうたち、すなわち、エルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうを、ほら穴あなから彼かれのもとにひき出だした。10:24 この王おうたちをヨシュアのもとにひき出だした時とき、ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとを呼よび寄よせ、自分じぶんと共ともに行いったいくさびとの長ちょうたちに言いった、「近寄ちかよって、この王おうたちのくびに足あしをかけなさい」。そこで近寄ちかよって、その王おうたちのくびに足あしをかけたので、10:25 ヨシュアは彼かれらに言いった、「恐おそれおののいてはならない。強つよくまた雄々おおしくあれ。あなたがたが攻せめて戦たたかうすべての敵てきには、主しゅがこのようにされるのである」。10:26 そして後のちヨシュアは彼かれらを撃うって死しなせ、五本ほんの木きにかけて、夕暮ゆうぐれまで木きの上うえにさらして置おいたが、10:27 日ひの入いるころになって、ヨシュアが命めいじたので、これを木きからおろし、彼かれらが隠かくれていたほら穴あなに投なげ入いれ、ほら穴あなの口くちに大石おおいしを置おいた。これは今日こんにちまで残のこっている。 10:28 その日ひヨシュアはマッケダを取とり、つるぎをもって、それと、その王おうとを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、エリコの王おうにしたように、マッケダの王おうにもした。 10:29 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、マッケダからリブナに進すすみ、リブナを攻せめて戦たたかった。10:30 主しゅが、それと、その王おうをも、イスラエルの手てに渡わたされたので、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼして、ひとりもその中なかに残のこさず、エリコの王おうにしたように、その王おうにもした。 10:31 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、リブナからラキシに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:32 主しゅがラキシをイスラエルの手てに渡わたされたので、ふつか目めにこれを取とり、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼした。すべてリブナにしたとおりであった。 10:33 その時とき、ゲゼルの王おうホラムが、ラキシを助たすけるために上のぼってきたので、ヨシュアは彼かれと、その民たみとを撃うち滅ほろぼして、ついにひとりも残のこさなかった。 10:34 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ラキシからエグロンに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。10:35 その日ひこれを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとくその日ひに滅ほろぼした。すべてラキシにしたとおりであった。 10:36 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、エグロンからヘブロンに進すすみ上のぼり、これを攻せめて戦たたかい、10:37 それを取とって、それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちと、その中なかのすべての人ひとを、つるぎをもって撃うち滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。すべてエグロンにしたとおりであった。すなわち、それとその中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼした。 10:38 またヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、デビルへひきかえし、これを攻せめて戦たたかい、10:39 それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちを取とり、つるぎをもってそれを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。彼かれがデビルと、その王おうにしたことは、ヘブロンにしたとおりであり、またリブナと、その王おうにしたとおりであった。 10:40 こうしてヨシュアはその地ちの全部ぜんぶ、すなわち、山地さんち、ネゲブ、平地へいち、および山腹さんぷくの地ちと、そのすべての王おうたちを撃うち滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、すべて息いきのあるものは、ことごとく滅ほろぼした。イスラエルの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりであった。10:41 ヨシュアはカデシ・バルネアからガザまでの国々くにぐに、およびゴセンの全ぜん地ちを撃うち滅ほろぼして、ギベオンにまで及およんだ。10:42 イスラエルの神かみ、主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたので、ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、その地ちをいちどきに取とった。10:43 そしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ギルガルの陣営じんえいに帰かえった。 第11章 11:1 ハゾルの王おうヤビンは、これを聞きいて、マドンの王おうヨバブ、シムロンの王おう、およびアクサフの王おう、11:2 また北きたの山地さんち、キンネロテの南みなみのアラバ、平地へいち、西にしの方ほうのドルの高地こうちにおる王おうたち、11:3 すなわち、東西とうざいのカナンびと、アモリびと、ヘテびと、ペリジびと、山地さんちのエブスびと、ミヅパの地ちにあるヘルモンのふもとのヒビびとに使者ししゃをつかわした。11:4 そして彼かれらは、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて出でてきた。その大軍たいぐんは浜はまべの砂すなのように数多かずおおく、馬うまと戦車せんしゃも、ひじょうに多おおかった。11:5 これらの王おうたちはみな軍ぐんを集あつめ、進すすんできて、共ともにメロムの水みずのほとりに陣じんをしき、イスラエルと戦たたかおうとした。11:6 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらのゆえに恐おそれてはならない。あすの今いまごろ、わたしは彼かれらを皆みなイスラエルに渡わたして、ことごとく殺ころさせるであろう。あなたは彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やかなければならない」。11:7 そこでヨシュアは、すべてのいくさびとを率ひきいて、にわかにメロムの水みずのほとりにおし寄よせ、彼かれらを襲おそった。11:8 主しゅは彼かれらをイスラエルの手てに渡わたされたので、これを撃うち破やぶり、大だいシドンおよびミスレポテ・マイムまで、これを追撃ついげきし、東ひがしの方ほうでは、ミヅパの谷たにまで彼かれらを追おい、ついにひとりも残のこさず撃うちとった。11:9 ヨシュアは主しゅが命めいじられたとおりに彼かれらに行おこない、彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やいた。 11:10 その時とき、ヨシュアはひきかえして、ハゾルを取とり、つるぎをもって、その王おうを撃うった。ハゾルは昔むかし、これらすべての国々くにぐにの盟主めいしゅであったからである。11:11 彼かれらはつるぎをもって、その中なかのすべての人ひとを撃うち、ことごとくそれを滅ほろぼし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。そして火ひをもってハゾルを焼やいた。11:12 ヨシュアはこれらの王おうたちのすべての町々まちまち、およびその諸王しょおうを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、ことごとく滅ほろぼした。主しゅのしもべモーセが命めいじたとおりであった。11:13 ただし、丘おかの上うえに立たっている町々まちまちをイスラエルは焼やかなかった。ヨシュアはただハゾルだけを焼やいた。11:14 これらの町まちのすべてのぶんどり物ものと家畜かちくとは、イスラエルの人々ひとびとが戦利せんり品ひんとして取とったが、人ひとはみなつるぎをもって、滅ほろぼし尽つくし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。11:15 主しゅがそのしもべモーセに命めいじられたように、モーセはヨシュアに命めいじたが、ヨシュアはそのとおりにおこなった。すべて主しゅがモーセに命めいじられたことで、ヨシュアが行おこなわなかったことは一つもなかった。 11:16 こうしてヨシュアはその全ぜん地ち、すなわち、山地さんち、ネゲブの全ぜん地ち、ゴセンの全ぜん地ち、平地へいち、アラバならびにイスラエルの山地さんちと平地へいちを取とり、11:17 セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やまから、ヘルモン山やまのふもとのレバノンの谷たににあるバアルガデまでを獲えた。そしてそれらの王おうたちを、ことごとく捕とらえて、撃うち殺ころした。11:18 ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、長ながいあいだ戦たたかった。11:19 ギベオンの住民じゅうみんヒビびとのほかには、イスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじた町まちは一つもなかった。町々まちまちはみな戦争せんそうをして、攻せめ取とったものであった。11:20 彼かれらが心こころをかたくなにして、イスラエルに攻せめよせたのは、もともと主しゅがそうさせられたので、彼かれらがのろわれた者ものとなり、あわれみを受うけず、ことごとく滅ほろぼされるためであった。主しゅがモーセに命めいじられたとおりである。 11:21 その時とき、ヨシュアはまた行いって、山地さんち、ヘブロン、デビル、アナブ、ユダのすべての山地さんち、イスラエルのすべての山地さんちから、アナクびとを断たち、彼かれらの町々まちまちをも共ともに滅ほろぼした。11:22 それでイスラエルの人々ひとびとの地ちに、アナクびとは、ひとりもいなくなった。ただガサ、ガテ、アシドドには、少すこし残のこっているだけであった。11:23 こうしてヨシュアはその地ちを、ことごとく取とった。すべて主しゅがモーセに告つげられたとおりである。そしてヨシュアはイスラエルの部族ぶぞくにそれぞれの分ぶんを与あたえて、嗣し業ぎょうとさせた。こうしてその地ちに戦争せんそうはやんだ。 第12章 12:1 さてヨルダンの向むこう側がわ、日ひの出での方ほうで、アルノンの谷たにからヘルモン山やままで、および東ひがしアラバの全土ぜんどのうちで、イスラエルの人々ひとびとが撃うち滅ほろぼして地ちを取とった国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。12:2 まず、アモリびとの王おうシホン。彼かれはヘシボンに住すみ、その領地りょうちは、アルノンの谷たにのほとりにあるアロエル、および谷たにの中なかの町まちから、ギレアデの半なかばを占しめて、アンモンびととの境さかいであるヤボク川かわに達たっし、12:3 東ひがしの方ほうではアラバをキンネレテの湖みずうみまで占しめ、またアラバの海うみすなわち塩しおの海うみの東ひがしにおよび、ベテエシモテの道みちを経へて、南みなみはピスガの山やまのふもとに達たっした。12:4 次つぎにレパイムの生いき残のこりのひとりであったバシャンの王おうオグ。彼かれはアシタロテとエデレイとに住すみ、12:5 ヘルモン山やま、サレカ、およびバシャンの全土ぜんどを領りょうしたので、ゲシュルびと、およびマアカびとと境さかいを接せっし、またギレアデの半なかばを領りょうしたので、ヘシボンの王おうシホンと境さかいを接せっしていた。12:6 主しゅのしもべモーセと、イスラエルの人々ひとびととが、彼かれらを撃うち滅ほろぼし、そして主しゅのしもべモーセは、これらの地ちを、ルベンびと、ガドびと、およびマナセの半はん部族ぶぞくに与あたえて所有しょゆうとさせた。 12:7 ヨルダンのこちら側がわ、西にしの方ほうにあって、レバノンの谷たににあるバアルガデから、セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やままでの間あいだで、ヨシュアと、イスラエルの人々ひとびととが、撃うち滅ほろぼした国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。ヨシュアは彼かれらの地ちをイスラエルの部族ぶぞくに、それぞれの分ぶんを与あたえて嗣し業ぎょうとさせた。12:8 これは、山地さんち、平地へいち、アラバ、山腹さんぷく、荒野あらの、およびネゲブであって、ヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの所領しょりょうであった。12:9 エリコの王おうひとり。ベテルのほとりのアイの王おうひとり。12:10 エルサレムの王おうひとり。ヘブロンの王おうひとり。12:11 ヤルムテの王おうひとり。ラキシの王おうひとり。12:12 エグロンの王おうひとり。ゲゼルの王おうひとり。12:13 デビルの王おうひとり。ゲデルの王おうひとり。12:14 ホルマの王おうひとり。アラデの王おうひとり。12:15 リブナの王おうひとり。アドラムの王おうひとり。12:16 マッケダの王おうひとり。ベテルの王おうひとり。12:17 タップアの王おうひとり。ヘペルの王おうひとり。12:18 アペクの王おうひとり。シャロンの王おうひとり。12:19 マドンの王おうひとり。ハゾルの王おうひとり。12:20 シムロン・メロンの王おうひとり。アクサフの王おうひとり。12:21 タアナクの王おうひとり。メギドの王おうひとり。12:22 ケデシの王おうひとり。カルメルのヨクネアムの王おうひとり。12:23 ドルの高地こうちにおるドルの王おうひとり。ガリラヤのゴイイムの王おうひとり。12:24 テルザの王おうひとり。合あわせて三十一王おうである。
10:1 エルサレムの王おうアドニゼデクは、ヨシュアがアイを攻せめ取とって、それを全まったく滅ほろぼし、さきにエリコとその王おうとにしたように、アイとその王おうにもしたこと、またギベオンの住民じゅうみんが、イスラエルと和わを講こうじて、そのうちにおることを聞きき、
10:2 大おおいに恐おそれた。それは、ギベオンが大おおきな町まちであって、王おうの都みやこにもひとしいものであり、またアイより大おおきくて、そのうちの人々ひとびとが、すべて強つよかったからである。
10:3 それでエルサレムの王おうアドニゼデクは、ヘブロンの王おうホハム、ヤルムテの王おうピラム、ラキシの王おうヤピア、およびエグロンの王おうデビルに人ひとをつかわして言いった、
10:4 「わたしの所ところに上のぼってきて、わたしを助たすけてください。われわれはギベオンを撃うちましょう。ギベオンはヨシュアおよびイスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじたからです」。
10:5 アモリびとの五人にんの王おう、すなわちエルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうは兵へいを集あつめ、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて上のぼってきて、ギベオンに向むかって陣じんを取とり、それを攻せめて戦たたかった。
10:6 ギベオンの人々ひとびとは、ギルガルの陣営じんえいに人ひとをつかわし、ヨシュアに言いった、「あなたの手てを引ひかないで、しもべどもを助たすけてください。早はやく、われわれの所ところに上のぼってきて、われわれを救すくい、助たすけてください。山地さんちに住すむアモリびとの王おうたちがみな集あつまって、われわれを攻せめるからです」。
10:7 そこでヨシュアはすべてのいくさびとと、すべての大だい勇士ゆうしを率ひきいて、ギルガルから上のぼって行いった。
10:8 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらを恐おそれてはならない。わたしが彼かれらをあなたの手てにわたしたからである。彼かれらのうちには、あなたに当あたることのできるものは、ひとりもないであろう」。
10:9 ヨシュアは、ギルガルから、よもすがら進すすみのぼって、にわかに彼かれらに攻せめよせたところ、
10:10 主しゅは彼かれらを、イスラエルの前まえに、恐おそれあわてさせられたので、イスラエルはギベオンで彼かれらをおびただしく撃うち殺ころし、ベテホロンの上のぼり坂ざかをとおって逃にげる彼かれらを、アゼカとマッケダまで追撃ついげきした。
10:11 彼かれらがイスラエルの前まえから逃にげ走はしって、ベテホロンの下くだり坂ざかをおりていた時とき、主しゅは天てんから彼かれらの上うえに大石おおいしを降ふらし、アゼカにいたるまでもそうされたので、多おおくの人々ひとびとが死しんだ。イスラエルの人々ひとびとがつるぎをもって殺ころしたものよりも、雹ひょうに打うたれて死しんだもののほうが多おおかった。
10:12 主しゅがアモリびとをイスラエルの人々ひとびとにわたされた日ひに、ヨシュアはイスラエルの人々ひとびとの前まえで主しゅにむかって言いった、
10:13 民たみがその敵てきを撃うち破やぶるまで、日ひはとどまり、月つきは動うごかなかった。
10:14 これより先さきにも、あとにも、主しゅがこのように人ひとの言葉ことばを聞ききいれられた日ひは一日にちもなかった。主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたからである。
10:15 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとと共ともにギルガルの陣営じんえいに帰かえった。
10:16 かの五人にんの王おうたちは逃にげて行いって、マッケダのほら穴あなに隠かくれたが、
10:17 五人にんの王おうたちがマッケダのほら穴あなにかくれているのが見みつかったと、ヨシュアに告つげる者ものがあったので、
10:18 ヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちに大石おおいしをころがし、そのそばに人ひとを置おいて、守まもらせなさい。
10:19 ただし、あなたがたは、そこにとどまらないで、敵てきのあとを追おい、そのしんがりを撃うち、彼かれらをその町まちにはいらせてはならない。あなたがたの神かみ、主しゅが彼かれらをあなたがたの手てに渡わたされたからである」。
10:20 ヨシュアとイスラエルの人々ひとびとは、大おおいに彼かれらを撃うち殺ころし、ついに彼かれらを滅ほろぼしつくしたが、彼かれらのうちのがれて生いき残のこった者ものどもは、堅固けんごな町々まちまちに逃にげこんだので、
10:21 民たみはみな安やすらかにマッケダの陣営じんえいのヨシュアのもとに帰かえってきたが、イスラエルの人々ひとびとにむかって舌したを鳴ならす者ものはひとりもなかった。
10:22 その時ときヨシュアは言いった、「ほら穴あなの口くちを開ひらいて、ほら穴あなから、かの五人にんの王おうたちを、わたしのもとにひき出だしなさい」。
10:23 やがて、そのようにして、かの五人にんの王おうたち、すなわち、エルサレムの王おう、ヘブロンの王おう、ヤルムテの王おう、ラキシの王おう、およびエグロンの王おうを、ほら穴あなから彼かれのもとにひき出だした。
10:24 この王おうたちをヨシュアのもとにひき出だした時とき、ヨシュアはイスラエルのすべての人々ひとびとを呼よび寄よせ、自分じぶんと共ともに行いったいくさびとの長ちょうたちに言いった、「近寄ちかよって、この王おうたちのくびに足あしをかけなさい」。そこで近寄ちかよって、その王おうたちのくびに足あしをかけたので、
10:25 ヨシュアは彼かれらに言いった、「恐おそれおののいてはならない。強つよくまた雄々おおしくあれ。あなたがたが攻せめて戦たたかうすべての敵てきには、主しゅがこのようにされるのである」。
10:26 そして後のちヨシュアは彼かれらを撃うって死しなせ、五本ほんの木きにかけて、夕暮ゆうぐれまで木きの上うえにさらして置おいたが、
10:27 日ひの入いるころになって、ヨシュアが命めいじたので、これを木きからおろし、彼かれらが隠かくれていたほら穴あなに投なげ入いれ、ほら穴あなの口くちに大石おおいしを置おいた。これは今日こんにちまで残のこっている。
10:28 その日ひヨシュアはマッケダを取とり、つるぎをもって、それと、その王おうとを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、エリコの王おうにしたように、マッケダの王おうにもした。
10:29 こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、マッケダからリブナに進すすみ、リブナを攻せめて戦たたかった。
10:30 主しゅが、それと、その王おうをも、イスラエルの手てに渡わたされたので、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼして、ひとりもその中なかに残のこさず、エリコの王おうにしたように、その王おうにもした。
10:31 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、リブナからラキシに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。
10:32 主しゅがラキシをイスラエルの手てに渡わたされたので、ふつか目めにこれを取とり、つるぎをもって、それと、その中なかのすべての人ひとを撃うち滅ほろぼした。すべてリブナにしたとおりであった。
10:33 その時とき、ゲゼルの王おうホラムが、ラキシを助たすけるために上のぼってきたので、ヨシュアは彼かれと、その民たみとを撃うち滅ほろぼして、ついにひとりも残のこさなかった。
10:34 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ラキシからエグロンに進すすみ、これに向むかって陣じんをしき、攻せめ戦たたかった。
10:35 その日ひこれを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとくその日ひに滅ほろぼした。すべてラキシにしたとおりであった。
10:36 ヨシュアはまたイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、エグロンからヘブロンに進すすみ上のぼり、これを攻せめて戦たたかい、
10:37 それを取とって、それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちと、その中なかのすべての人ひとを、つるぎをもって撃うち滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。すべてエグロンにしたとおりであった。すなわち、それとその中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼした。
10:38 またヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、デビルへひきかえし、これを攻せめて戦たたかい、
10:39 それと、その王おう、およびそのすべての町々まちまちを取とり、つるぎをもってそれを撃うち、その中なかのすべての人ひとを、ことごとく滅ほろぼし、ひとりも残のこさなかった。彼かれがデビルと、その王おうにしたことは、ヘブロンにしたとおりであり、またリブナと、その王おうにしたとおりであった。
10:40 こうしてヨシュアはその地ちの全部ぜんぶ、すなわち、山地さんち、ネゲブ、平地へいち、および山腹さんぷくの地ちと、そのすべての王おうたちを撃うち滅ほろぼして、ひとりも残のこさず、すべて息いきのあるものは、ことごとく滅ほろぼした。イスラエルの神かみ、主しゅが命めいじられたとおりであった。
10:41 ヨシュアはカデシ・バルネアからガザまでの国々くにぐに、およびゴセンの全ぜん地ちを撃うち滅ほろぼして、ギベオンにまで及およんだ。
10:42 イスラエルの神かみ、主しゅがイスラエルのために戦たたかわれたので、ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、その地ちをいちどきに取とった。
10:43 そしてヨシュアはイスラエルのすべての人ひとを率ひきいて、ギルガルの陣営じんえいに帰かえった。
第11章 11:1 ハゾルの王おうヤビンは、これを聞きいて、マドンの王おうヨバブ、シムロンの王おう、およびアクサフの王おう、11:2 また北きたの山地さんち、キンネロテの南みなみのアラバ、平地へいち、西にしの方ほうのドルの高地こうちにおる王おうたち、11:3 すなわち、東西とうざいのカナンびと、アモリびと、ヘテびと、ペリジびと、山地さんちのエブスびと、ミヅパの地ちにあるヘルモンのふもとのヒビびとに使者ししゃをつかわした。11:4 そして彼かれらは、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて出でてきた。その大軍たいぐんは浜はまべの砂すなのように数多かずおおく、馬うまと戦車せんしゃも、ひじょうに多おおかった。11:5 これらの王おうたちはみな軍ぐんを集あつめ、進すすんできて、共ともにメロムの水みずのほとりに陣じんをしき、イスラエルと戦たたかおうとした。11:6 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらのゆえに恐おそれてはならない。あすの今いまごろ、わたしは彼かれらを皆みなイスラエルに渡わたして、ことごとく殺ころさせるであろう。あなたは彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やかなければならない」。11:7 そこでヨシュアは、すべてのいくさびとを率ひきいて、にわかにメロムの水みずのほとりにおし寄よせ、彼かれらを襲おそった。11:8 主しゅは彼かれらをイスラエルの手てに渡わたされたので、これを撃うち破やぶり、大だいシドンおよびミスレポテ・マイムまで、これを追撃ついげきし、東ひがしの方ほうでは、ミヅパの谷たにまで彼かれらを追おい、ついにひとりも残のこさず撃うちとった。11:9 ヨシュアは主しゅが命めいじられたとおりに彼かれらに行おこない、彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やいた。 11:10 その時とき、ヨシュアはひきかえして、ハゾルを取とり、つるぎをもって、その王おうを撃うった。ハゾルは昔むかし、これらすべての国々くにぐにの盟主めいしゅであったからである。11:11 彼かれらはつるぎをもって、その中なかのすべての人ひとを撃うち、ことごとくそれを滅ほろぼし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。そして火ひをもってハゾルを焼やいた。11:12 ヨシュアはこれらの王おうたちのすべての町々まちまち、およびその諸王しょおうを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、ことごとく滅ほろぼした。主しゅのしもべモーセが命めいじたとおりであった。11:13 ただし、丘おかの上うえに立たっている町々まちまちをイスラエルは焼やかなかった。ヨシュアはただハゾルだけを焼やいた。11:14 これらの町まちのすべてのぶんどり物ものと家畜かちくとは、イスラエルの人々ひとびとが戦利せんり品ひんとして取とったが、人ひとはみなつるぎをもって、滅ほろぼし尽つくし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。11:15 主しゅがそのしもべモーセに命めいじられたように、モーセはヨシュアに命めいじたが、ヨシュアはそのとおりにおこなった。すべて主しゅがモーセに命めいじられたことで、ヨシュアが行おこなわなかったことは一つもなかった。 11:16 こうしてヨシュアはその全ぜん地ち、すなわち、山地さんち、ネゲブの全ぜん地ち、ゴセンの全ぜん地ち、平地へいち、アラバならびにイスラエルの山地さんちと平地へいちを取とり、11:17 セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やまから、ヘルモン山やまのふもとのレバノンの谷たににあるバアルガデまでを獲えた。そしてそれらの王おうたちを、ことごとく捕とらえて、撃うち殺ころした。11:18 ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、長ながいあいだ戦たたかった。11:19 ギベオンの住民じゅうみんヒビびとのほかには、イスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじた町まちは一つもなかった。町々まちまちはみな戦争せんそうをして、攻せめ取とったものであった。11:20 彼かれらが心こころをかたくなにして、イスラエルに攻せめよせたのは、もともと主しゅがそうさせられたので、彼かれらがのろわれた者ものとなり、あわれみを受うけず、ことごとく滅ほろぼされるためであった。主しゅがモーセに命めいじられたとおりである。 11:21 その時とき、ヨシュアはまた行いって、山地さんち、ヘブロン、デビル、アナブ、ユダのすべての山地さんち、イスラエルのすべての山地さんちから、アナクびとを断たち、彼かれらの町々まちまちをも共ともに滅ほろぼした。11:22 それでイスラエルの人々ひとびとの地ちに、アナクびとは、ひとりもいなくなった。ただガサ、ガテ、アシドドには、少すこし残のこっているだけであった。11:23 こうしてヨシュアはその地ちを、ことごとく取とった。すべて主しゅがモーセに告つげられたとおりである。そしてヨシュアはイスラエルの部族ぶぞくにそれぞれの分ぶんを与あたえて、嗣し業ぎょうとさせた。こうしてその地ちに戦争せんそうはやんだ。 第12章 12:1 さてヨルダンの向むこう側がわ、日ひの出での方ほうで、アルノンの谷たにからヘルモン山やままで、および東ひがしアラバの全土ぜんどのうちで、イスラエルの人々ひとびとが撃うち滅ほろぼして地ちを取とった国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。12:2 まず、アモリびとの王おうシホン。彼かれはヘシボンに住すみ、その領地りょうちは、アルノンの谷たにのほとりにあるアロエル、および谷たにの中なかの町まちから、ギレアデの半なかばを占しめて、アンモンびととの境さかいであるヤボク川かわに達たっし、12:3 東ひがしの方ほうではアラバをキンネレテの湖みずうみまで占しめ、またアラバの海うみすなわち塩しおの海うみの東ひがしにおよび、ベテエシモテの道みちを経へて、南みなみはピスガの山やまのふもとに達たっした。12:4 次つぎにレパイムの生いき残のこりのひとりであったバシャンの王おうオグ。彼かれはアシタロテとエデレイとに住すみ、12:5 ヘルモン山やま、サレカ、およびバシャンの全土ぜんどを領りょうしたので、ゲシュルびと、およびマアカびとと境さかいを接せっし、またギレアデの半なかばを領りょうしたので、ヘシボンの王おうシホンと境さかいを接せっしていた。12:6 主しゅのしもべモーセと、イスラエルの人々ひとびととが、彼かれらを撃うち滅ほろぼし、そして主しゅのしもべモーセは、これらの地ちを、ルベンびと、ガドびと、およびマナセの半はん部族ぶぞくに与あたえて所有しょゆうとさせた。 12:7 ヨルダンのこちら側がわ、西にしの方ほうにあって、レバノンの谷たににあるバアルガデから、セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やままでの間あいだで、ヨシュアと、イスラエルの人々ひとびととが、撃うち滅ほろぼした国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。ヨシュアは彼かれらの地ちをイスラエルの部族ぶぞくに、それぞれの分ぶんを与あたえて嗣し業ぎょうとさせた。12:8 これは、山地さんち、平地へいち、アラバ、山腹さんぷく、荒野あらの、およびネゲブであって、ヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの所領しょりょうであった。12:9 エリコの王おうひとり。ベテルのほとりのアイの王おうひとり。12:10 エルサレムの王おうひとり。ヘブロンの王おうひとり。12:11 ヤルムテの王おうひとり。ラキシの王おうひとり。12:12 エグロンの王おうひとり。ゲゼルの王おうひとり。12:13 デビルの王おうひとり。ゲデルの王おうひとり。12:14 ホルマの王おうひとり。アラデの王おうひとり。12:15 リブナの王おうひとり。アドラムの王おうひとり。12:16 マッケダの王おうひとり。ベテルの王おうひとり。12:17 タップアの王おうひとり。ヘペルの王おうひとり。12:18 アペクの王おうひとり。シャロンの王おうひとり。12:19 マドンの王おうひとり。ハゾルの王おうひとり。12:20 シムロン・メロンの王おうひとり。アクサフの王おうひとり。12:21 タアナクの王おうひとり。メギドの王おうひとり。12:22 ケデシの王おうひとり。カルメルのヨクネアムの王おうひとり。12:23 ドルの高地こうちにおるドルの王おうひとり。ガリラヤのゴイイムの王おうひとり。12:24 テルザの王おうひとり。合あわせて三十一王おうである。
11:1 ハゾルの王おうヤビンは、これを聞きいて、マドンの王おうヨバブ、シムロンの王おう、およびアクサフの王おう、
11:2 また北きたの山地さんち、キンネロテの南みなみのアラバ、平地へいち、西にしの方ほうのドルの高地こうちにおる王おうたち、
11:3 すなわち、東西とうざいのカナンびと、アモリびと、ヘテびと、ペリジびと、山地さんちのエブスびと、ミヅパの地ちにあるヘルモンのふもとのヒビびとに使者ししゃをつかわした。
11:4 そして彼かれらは、そのすべての軍勢ぐんぜいを率ひきいて出でてきた。その大軍たいぐんは浜はまべの砂すなのように数多かずおおく、馬うまと戦車せんしゃも、ひじょうに多おおかった。
11:5 これらの王おうたちはみな軍ぐんを集あつめ、進すすんできて、共ともにメロムの水みずのほとりに陣じんをしき、イスラエルと戦たたかおうとした。
11:6 その時とき、主しゅはヨシュアに言いわれた、「彼かれらのゆえに恐おそれてはならない。あすの今いまごろ、わたしは彼かれらを皆みなイスラエルに渡わたして、ことごとく殺ころさせるであろう。あなたは彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やかなければならない」。
11:7 そこでヨシュアは、すべてのいくさびとを率ひきいて、にわかにメロムの水みずのほとりにおし寄よせ、彼かれらを襲おそった。
11:8 主しゅは彼かれらをイスラエルの手てに渡わたされたので、これを撃うち破やぶり、大だいシドンおよびミスレポテ・マイムまで、これを追撃ついげきし、東ひがしの方ほうでは、ミヅパの谷たにまで彼かれらを追おい、ついにひとりも残のこさず撃うちとった。
11:9 ヨシュアは主しゅが命めいじられたとおりに彼かれらに行おこない、彼かれらの馬うまの足あしの筋すじを切きり、戦車せんしゃを火ひで焼やいた。
11:10 その時とき、ヨシュアはひきかえして、ハゾルを取とり、つるぎをもって、その王おうを撃うった。ハゾルは昔むかし、これらすべての国々くにぐにの盟主めいしゅであったからである。
11:11 彼かれらはつるぎをもって、その中なかのすべての人ひとを撃うち、ことごとくそれを滅ほろぼし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。そして火ひをもってハゾルを焼やいた。
11:12 ヨシュアはこれらの王おうたちのすべての町々まちまち、およびその諸王しょおうを取とり、つるぎをもって、これを撃うち、ことごとく滅ほろぼした。主しゅのしもべモーセが命めいじたとおりであった。
11:13 ただし、丘おかの上うえに立たっている町々まちまちをイスラエルは焼やかなかった。ヨシュアはただハゾルだけを焼やいた。
11:14 これらの町まちのすべてのぶんどり物ものと家畜かちくとは、イスラエルの人々ひとびとが戦利せんり品ひんとして取とったが、人ひとはみなつるぎをもって、滅ほろぼし尽つくし、息いきのあるものは、ひとりも残のこさなかった。
11:15 主しゅがそのしもべモーセに命めいじられたように、モーセはヨシュアに命めいじたが、ヨシュアはそのとおりにおこなった。すべて主しゅがモーセに命めいじられたことで、ヨシュアが行おこなわなかったことは一つもなかった。
11:16 こうしてヨシュアはその全ぜん地ち、すなわち、山地さんち、ネゲブの全ぜん地ち、ゴセンの全ぜん地ち、平地へいち、アラバならびにイスラエルの山地さんちと平地へいちを取とり、
11:17 セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やまから、ヘルモン山やまのふもとのレバノンの谷たににあるバアルガデまでを獲えた。そしてそれらの王おうたちを、ことごとく捕とらえて、撃うち殺ころした。
11:18 ヨシュアはこれらすべての王おうたちと、長ながいあいだ戦たたかった。
11:19 ギベオンの住民じゅうみんヒビびとのほかには、イスラエルの人々ひとびとと和わを講こうじた町まちは一つもなかった。町々まちまちはみな戦争せんそうをして、攻せめ取とったものであった。
11:20 彼かれらが心こころをかたくなにして、イスラエルに攻せめよせたのは、もともと主しゅがそうさせられたので、彼かれらがのろわれた者ものとなり、あわれみを受うけず、ことごとく滅ほろぼされるためであった。主しゅがモーセに命めいじられたとおりである。
11:21 その時とき、ヨシュアはまた行いって、山地さんち、ヘブロン、デビル、アナブ、ユダのすべての山地さんち、イスラエルのすべての山地さんちから、アナクびとを断たち、彼かれらの町々まちまちをも共ともに滅ほろぼした。
11:22 それでイスラエルの人々ひとびとの地ちに、アナクびとは、ひとりもいなくなった。ただガサ、ガテ、アシドドには、少すこし残のこっているだけであった。
11:23 こうしてヨシュアはその地ちを、ことごとく取とった。すべて主しゅがモーセに告つげられたとおりである。そしてヨシュアはイスラエルの部族ぶぞくにそれぞれの分ぶんを与あたえて、嗣し業ぎょうとさせた。こうしてその地ちに戦争せんそうはやんだ。
第12章 12:1 さてヨルダンの向むこう側がわ、日ひの出での方ほうで、アルノンの谷たにからヘルモン山やままで、および東ひがしアラバの全土ぜんどのうちで、イスラエルの人々ひとびとが撃うち滅ほろぼして地ちを取とった国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。12:2 まず、アモリびとの王おうシホン。彼かれはヘシボンに住すみ、その領地りょうちは、アルノンの谷たにのほとりにあるアロエル、および谷たにの中なかの町まちから、ギレアデの半なかばを占しめて、アンモンびととの境さかいであるヤボク川かわに達たっし、12:3 東ひがしの方ほうではアラバをキンネレテの湖みずうみまで占しめ、またアラバの海うみすなわち塩しおの海うみの東ひがしにおよび、ベテエシモテの道みちを経へて、南みなみはピスガの山やまのふもとに達たっした。12:4 次つぎにレパイムの生いき残のこりのひとりであったバシャンの王おうオグ。彼かれはアシタロテとエデレイとに住すみ、12:5 ヘルモン山やま、サレカ、およびバシャンの全土ぜんどを領りょうしたので、ゲシュルびと、およびマアカびとと境さかいを接せっし、またギレアデの半なかばを領りょうしたので、ヘシボンの王おうシホンと境さかいを接せっしていた。12:6 主しゅのしもべモーセと、イスラエルの人々ひとびととが、彼かれらを撃うち滅ほろぼし、そして主しゅのしもべモーセは、これらの地ちを、ルベンびと、ガドびと、およびマナセの半はん部族ぶぞくに与あたえて所有しょゆうとさせた。 12:7 ヨルダンのこちら側がわ、西にしの方ほうにあって、レバノンの谷たににあるバアルガデから、セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やままでの間あいだで、ヨシュアと、イスラエルの人々ひとびととが、撃うち滅ほろぼした国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。ヨシュアは彼かれらの地ちをイスラエルの部族ぶぞくに、それぞれの分ぶんを与あたえて嗣し業ぎょうとさせた。12:8 これは、山地さんち、平地へいち、アラバ、山腹さんぷく、荒野あらの、およびネゲブであって、ヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの所領しょりょうであった。12:9 エリコの王おうひとり。ベテルのほとりのアイの王おうひとり。12:10 エルサレムの王おうひとり。ヘブロンの王おうひとり。12:11 ヤルムテの王おうひとり。ラキシの王おうひとり。12:12 エグロンの王おうひとり。ゲゼルの王おうひとり。12:13 デビルの王おうひとり。ゲデルの王おうひとり。12:14 ホルマの王おうひとり。アラデの王おうひとり。12:15 リブナの王おうひとり。アドラムの王おうひとり。12:16 マッケダの王おうひとり。ベテルの王おうひとり。12:17 タップアの王おうひとり。ヘペルの王おうひとり。12:18 アペクの王おうひとり。シャロンの王おうひとり。12:19 マドンの王おうひとり。ハゾルの王おうひとり。12:20 シムロン・メロンの王おうひとり。アクサフの王おうひとり。12:21 タアナクの王おうひとり。メギドの王おうひとり。12:22 ケデシの王おうひとり。カルメルのヨクネアムの王おうひとり。12:23 ドルの高地こうちにおるドルの王おうひとり。ガリラヤのゴイイムの王おうひとり。12:24 テルザの王おうひとり。合あわせて三十一王おうである。
12:1 さてヨルダンの向むこう側がわ、日ひの出での方ほうで、アルノンの谷たにからヘルモン山やままで、および東ひがしアラバの全土ぜんどのうちで、イスラエルの人々ひとびとが撃うち滅ほろぼして地ちを取とった国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。
12:2 まず、アモリびとの王おうシホン。彼かれはヘシボンに住すみ、その領地りょうちは、アルノンの谷たにのほとりにあるアロエル、および谷たにの中なかの町まちから、ギレアデの半なかばを占しめて、アンモンびととの境さかいであるヤボク川かわに達たっし、
12:3 東ひがしの方ほうではアラバをキンネレテの湖みずうみまで占しめ、またアラバの海うみすなわち塩しおの海うみの東ひがしにおよび、ベテエシモテの道みちを経へて、南みなみはピスガの山やまのふもとに達たっした。
12:4 次つぎにレパイムの生いき残のこりのひとりであったバシャンの王おうオグ。彼かれはアシタロテとエデレイとに住すみ、
12:5 ヘルモン山やま、サレカ、およびバシャンの全土ぜんどを領りょうしたので、ゲシュルびと、およびマアカびとと境さかいを接せっし、またギレアデの半なかばを領りょうしたので、ヘシボンの王おうシホンと境さかいを接せっしていた。
12:6 主しゅのしもべモーセと、イスラエルの人々ひとびととが、彼かれらを撃うち滅ほろぼし、そして主しゅのしもべモーセは、これらの地ちを、ルベンびと、ガドびと、およびマナセの半はん部族ぶぞくに与あたえて所有しょゆうとさせた。
12:7 ヨルダンのこちら側がわ、西にしの方ほうにあって、レバノンの谷たににあるバアルガデから、セイルへ上のぼって行いく道みちのハラク山やままでの間あいだで、ヨシュアと、イスラエルの人々ひとびととが、撃うち滅ほろぼした国くにの王おうたちは、次つぎのとおりである。ヨシュアは彼かれらの地ちをイスラエルの部族ぶぞくに、それぞれの分ぶんを与あたえて嗣し業ぎょうとさせた。
12:8 これは、山地さんち、平地へいち、アラバ、山腹さんぷく、荒野あらの、およびネゲブであって、ヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの所領しょりょうであった。
12:9 エリコの王おうひとり。ベテルのほとりのアイの王おうひとり。
12:10 エルサレムの王おうひとり。ヘブロンの王おうひとり。
12:11 ヤルムテの王おうひとり。ラキシの王おうひとり。
12:12 エグロンの王おうひとり。ゲゼルの王おうひとり。
12:13 デビルの王おうひとり。ゲデルの王おうひとり。
12:14 ホルマの王おうひとり。アラデの王おうひとり。
12:15 リブナの王おうひとり。アドラムの王おうひとり。
12:16 マッケダの王おうひとり。ベテルの王おうひとり。
12:17 タップアの王おうひとり。ヘペルの王おうひとり。
12:18 アペクの王おうひとり。シャロンの王おうひとり。
12:19 マドンの王おうひとり。ハゾルの王おうひとり。
12:20 シムロン・メロンの王おうひとり。アクサフの王おうひとり。
12:21 タアナクの王おうひとり。メギドの王おうひとり。
12:22 ケデシの王おうひとり。カルメルのヨクネアムの王おうひとり。
12:23 ドルの高地こうちにおるドルの王おうひとり。ガリラヤのゴイイムの王おうひとり。
12:24 テルザの王おうひとり。合あわせて三十一王おうである。