口語訳聖書(振り仮名付き)
章: 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27
歴代志れきだいし下げ
第15章 2Ch-Audio
15:1 時ときに神かみの霊れいがオデデの子こアザリヤに臨のぞんだので、
15:2 彼かれは出でていってアサを迎むかえ、これに言いった、「アサおよびユダとベニヤミンの人々ひとびとよ、わたしに聞ききなさい。あなたがたが主しゅと共ともにおる間あいだは、主しゅもあなたがたと共ともにおられます。あなたがたが、もし彼かれを求もとめるならば、彼かれに会あうでしょう。しかし、彼かれを捨すてるならば、彼かれもあなたがたを捨すてられるでしょう。
15:3 そもそも、イスラエルには長ながい間あいだ、まことの神かみがなく、教おしえをなす祭司さいしもなく、律法りっぽうもなかった。
15:4 しかし、悩なやみの時とき、彼かれらがイスラエルの神かみ、主しゅに立たち返かえり、彼かれを求もとめたので彼かれに会あった。
15:5 そのころは、出でる者ものにも入いる者ものにも、平安へいあんがなく、大おおいなる騒乱そうらんが国々くにぐにのすべての住民じゅうみんを悩なやました。
15:6 国くには国くにに、町まちは町まちに撃うち砕くだかれた。神かみがもろもろの悩なやみをもって彼かれらを苦くるしめられたからです。
15:7 しかしあなたがたは勇気ゆうきを出だしなさい。手てを弱よわくしてはならない。あなたがたのわざには報むくいがあるからです」。
15:8 アサはこれらの言葉ことばすなわちオデデの子こアザリヤの預言よげんを聞きいて勇気ゆうきを得え、憎にくむべき偶像ぐうぞうをユダとベニヤミンの全ぜん地ちから除のぞき、また彼かれがエフライムの山地さんちで得えた町々まちまちから除のぞき、主しゅの宮みやの廊ろうの前まえにあった主しゅの祭壇さいだんを再興さいこうした。
15:9 彼かれはまたユダとベニヤミンの人々ひとびとおよびエフライム、マナセ、シメオンから来きて、彼かれらの間あいだに寄留きりゅうしていた者ものを集あつめた。その神かみ、主しゅがアサと共ともにおられるのを見みて、イスラエルからアサのもとに下くだった者ものが多おおくあったからである。
15:10 彼かれらはアサの治世ちせいの十五年ねんの三月がつにエルサレムに集あつまり、
15:11 携たずさえてきたぶんどり物もののうちから牛うし七百頭とう、羊ひつじ七千頭とうをその日ひ主しゅにささげた。
15:12 そして彼かれらは契約けいやくを結むすび、心こころをつくし、精神せいしんをつくして先祖せんぞの神かみ、主しゅを求もとめることと、
15:13 すべてイスラエルの神かみ、主しゅを求もとめない者ものは老幼ろうよう男女だんじょの別べつなく殺ころさるべきことを約やくした。
15:14 そして彼かれらは大声おおごえをあげて叫さけび、ラッパを吹ふき、角笛つのぶえを鳴ならして、主しゅに誓ちかいを立たてた。
15:15 ユダは皆みなその誓ちかいを喜よろこんだ。彼かれらは心こころをつくして誓ちかいを立たて、精神せいしんをつくして主しゅを求もとめたので、主しゅは彼かれらに会あい、四方しほうで彼かれらに安息あんそくを賜たまわった。
15:16 アサ王おうの母ははマアカがアシラのために憎にくむべき像ぞうを造つくったので、アサは彼女かのじょをおとして太后たいこうとせず、その憎にくむべき像ぞうを切きり倒たおして粉々こなごなに砕くだき、キデロン川かわでそれを焼やいた。
15:17 ただし高たかき所ところはイスラエルから除のぞかなかったが、アサの心こころは一生いっしょうの間あいだ、正ただしかった。
15:18 彼かれはまた、その父ちちのささげた物ものおよび自分じぶんのささげた物もの、すなわち銀ぎん、金きん並ならびに器物うつわものなどを主しゅの宮みやに携たずさえ入いれた。
15:19 そしてアサの治世ちせいの三十五年ねんまでは再ふたたび戦争せんそうがなかった。
第16章 16:1 アサの治世ちせいの三十六年ねんにイスラエルの王おうバアシャはユダに攻せめ上のぼり、ユダの王おうアサの所ところにだれをも出入でいりさせないためにラマを築きずいた。16:2 そこでアサは主しゅの宮みやと王おうの家いえの宝蔵ほうぞうから金銀きんぎんを取とり出だし、ダマスコに住すんでいるスリヤの王おうベネハダデに贈おくって言いった、16:3 「わたしの父ちちとあなたの父ちちの間あいだのように、わたしとあなたの間あいだに同盟どうめいを結むすびましょう。わたしはあなたに金銀きんぎんを贈おくります。行いって、あなたとイスラエルの王おうバアシャとの同盟どうめいを破やぶり、彼かれをわたしから撤退てったいさせてください」。16:4 ベネハダデはアサ王おうの言いうことを聞きき、自分じぶんの軍勢ぐんぜいの長ちょうたちをつかわしてイスラエルの町々まちまちを攻せめ、イヨンとダンとアベル・マイムおよびナフタリのすべての倉くらの町まちを撃うった。16:5 バアシャはこれを聞きいて、ラマを築きずくことをやめ、その工事こうじを廃はいした。16:6 そこでアサ王おうはユダの全国ぜんこくの人々ひとびとを引ひき連つれ、バアシャがラマを建たてるために用もちいた石いしと木材もくざいを運はこんでこさせ、それをもってゲバとミヅパを建たてた。 16:7 そのころ先見者せんけんしゃハナニがユダの王おうアサのもとに来きて言いった、「あなたがスリヤの王おうに寄より頼たのんで、あなたの神かみ、主しゅに寄より頼たのまなかったので、スリヤ王おうの軍勢ぐんぜいはあなたの手てからのがれてしまった。16:8 かのエチオピヤびとと、リビアびとは大軍たいぐんで、その戦車せんしゃと騎兵きへいは、はなはだ多おおかったではないか。しかしあなたが主しゅに寄より頼たのんだので、主しゅは彼かれらをあなたの手てに渡わたされた。16:9 主しゅの目めはあまねく全ぜん地ちを行いきめぐり、自分じぶんに向むかって心こころを全まっとうする者もののために力ちからをあらわされる。今度こんどの事ことでは、あなたは愚おろかな事ことをした。ゆえにこの後のち、あなたに戦争せんそうが臨のぞむであろう」。16:10 するとアサはその先見者せんけんしゃを怒いかって、獄屋ごくやに入いれた。この事ことのために激はげしく彼かれを怒いかったからである。アサはまたそのころ民たみのある者ものをしえたげた。 16:11 見みよ、アサの始終しじゅうの行為こういは、ユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされている。16:12 アサはその治世ちせいの三十九年ねんに足あしを病やみ、その病やまいは激はげしくなったが、その病やまいの時ときにも、主しゅを求もとめないで医者いしゃを求もとめた。16:13 アサは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむり、その治世ちせいの四十一年ねんに死しんだ。16:14 人々ひとびとは彼かれが自分じぶんのためにダビデの町まちに掘ほっておいた墓はかに葬ほうむり、製せい香こうの術じゅつをもって造つくった様々さまざまの香料こうりょうを満みたした床とこに横よこたえ、彼かれのためにおびただしく香こうをたいた。 第17章 17:1 アサの子こヨシャパテがアサに代かわって王おうとなり、イスラエルに向むかって自分じぶんを強つよくし、17:2 ユダのすべての堅固けんごな町々まちまちに軍隊ぐんたいを置おき、またユダの地ちおよびその父ちちアサが取とったエフライムの町々まちまちに守備しゅび隊たいを置おいた。17:3 主しゅはヨシャパテと共ともにおられた。彼かれがその父ちちダビデの最初さいしょの道みちに歩あゆんで、バアルに求もとめず、17:4 その父ちちの神かみに求もとめて、その戒いましめに歩あゆみ、イスラエルの行おこないにならわなかったからである。17:5 それゆえ、主しゅは国くにを彼かれの手てに堅かたく立たてられ、またユダの人々ひとびとは皆みなヨシャパテに贈おくり物ものを持もってきた。彼かれは大おおいなる富とみと誉ほまれとを得えた。17:6 そこで彼かれは主しゅの道みちに心こころを励はげまし、さらに高たかき所ところとアシラ像ぞうとをユダから除のぞいた。 17:7 彼かれはまたその治世ちせいの三年ねんに、つかさたちベネハイル、オバデヤ、ゼカリヤ、ネタンエルおよびミカヤをつかわしてユダの町々まちまちで教おしえさせ、17:8 また彼かれらと共ともにレビびとのうちからシマヤ、ネタニヤ、ゼバデヤ、アサヘル、セミラモテ、ヨナタン、アドニヤ、トビヤ、トバドニヤをつかわし、またこれらのレビびとと共ともに祭司さいしエリシャマとヨラムをもつかわした。17:9 彼かれらは主しゅの律法りっぽうの書しょを携たずさえて、ユダで教おしえをなし、またユダの町々まちまちをことごとく巡回じゅんかいして、民たみの間あいだに教おしえをなした。 17:10 そこでユダの周囲しゅういの国々くにぐには皆みな主しゅを恐おそれ、ヨシャパテと戦たたかうことをしなかった。17:11 また、ペリシテびとのうちで贈おくり物ものや、みつぎの銀ぎんをヨシャパテの所ところに持もってくる者ものがあり、またアラビヤびとは雄羊おひつじ七千七百頭とう、雄おやぎ七千七百頭とうを彼かれに持もってきた。17:12 こうしてヨシャパテはますます大おおいになり、ユダに要害ようがいおよび倉くらの町まちを建たて、17:13 ユダの町々まちまちに多おおくの軍需ぐんじゅ品ひんを持もち、またエルサレムに大だい勇士ゆうしである軍人ぐんじんたちを持もっていた。17:14 彼かれらをその氏族しぞくによって数かぞえれば次つぎのとおりである。すなわちユダから出でた千人にんの長ちょうのうちでは、アデナという軍ぐん長ちょうと彼かれに従したがう大だい勇士ゆうし三十万人にん、17:15 その次つぎは軍ぐん長ちょうヨハナンと彼かれに従したがう者もの二十八万まん人にん、17:16 その次つぎは喜よろこんでその身みを主しゅにささげた者ものジクリの子こアマジヤと彼かれに従したがう大だい勇士ゆうし二十万人にん。17:17 ベニヤミンから出でた者もののうちでは、エリアダという大だい勇士ゆうしと彼かれに従したがう弓ゆみおよび盾たてを持もつ者もの二十万人にん、17:18 その次つぎはヨザバデと彼かれに従したがう戦たたかいの備そなえある者もの十八万まん人にんである。17:19 これらは皆みな王おうに仕つかえる者ものたちで、このほかにまたユダ全国ぜんこくの堅固けんごな町々まちまちに、王おうが駐在ちゅうざいさせた者ものがあった。 第18章 18:1 ヨシャパテは大おおいなる富とみと誉ほまれとをもち、アハブと縁ふちを結むすんだ。18:2 彼かれは数年すうねんの後のち、サマリヤに下くだって、アハブをおとずれた。アハブは彼かれと彼かれに従したがってきた民たみのために羊ひつじと牛うしを多おおくほふり、ラモテ・ギレアデに一緒いっしょに攻せめ上のぼることを彼かれにすすめた。18:3 イスラエルの王おうアハブはユダの王おうヨシャパテに言いった、「あなたはわたしと一緒いっしょにラモテ・ギレアデに攻せめて行いきますか」。ヨシャパテは答こたえた、「わたしはあなたと一つです、わたしの民たみはあなたの民たみと一つです。わたしはあなたと一緒いっしょに戦たたかいに臨のぞみましょう」。 18:4 ヨシャパテはまたイスラエルの王おうに言いった、「まず主しゅの言葉ことばを求もとめなさい」。18:5 そこでイスラエルの王おうは預言者よげんしゃ四百人にんを集あつめて彼かれらに言いった、「われわれはラモテ・ギレアデに、戦たたかいに行いくべきか、あるいは控ひかえるべきか」。彼かれらは言いった、「上のぼって行いきなさい。神かみはそれを王おうの手てにわたされるでしょう」。18:6 ヨシャパテは言いった、「ほかにわれわれが問とうべき主しゅの預言者よげんしゃはここにいませんか」。18:7 イスラエルの王おうはヨシャパテに言いった、「ほかになおひとりいます。われわれはこの人ひとによって主しゅに問とうことができますが、彼かれはわたしについて良よい事ことを預言よげんしたことがなく、常つねに悪わるいことだけを預言よげんするので、わたしは彼かれを憎にくみます。その者ものはイムラの子こミカヤです」。ヨシャパテは言いった、「王おうよ、そうは言いわないでください」。18:8 そこでイスラエルの王おうはひとりの役人やくにんを呼よんで、「イムラの子こミカヤを急いそいで連つれてきなさい」と言いった。18:9 さてイスラエルの王おうおよびユダの王おうヨシャパテは王おうの衣ころもを着きて、サマリヤの門もんの入口いりぐちの広場ひろばにおのおのその玉座ぎょくざに座ざし、預言者よげんしゃたちは皆みなその前まえで預言よげんしていた。18:10 ケナアナの子こゼデキヤは鉄てつの角つのを造つくって言いった、「主しゅはこう仰おおせられます、『あなたはこれらの角つのをもってスリヤびとを突ついて滅ほろぼし尽つくしなさい』」。18:11 預言者よげんしゃたちは皆みなそのように預言よげんして言いった、「ラモテ・ギレアデに上のぼっていって勝利しょうりを得えなさい。主しゅはそれを王おうの手てにわたされるでしょう」。 18:12 さてミカヤを呼よびに行いった使者ししゃは彼かれに言いった、「預言者よげんしゃたちは一致いっちして王おうに良よい事ことを言いいました。どうぞ、あなたの言葉ことばも、彼かれらのひとりの言葉ことばのようにし、良よい事ことを言いってください」。18:13 ミカヤは言いった、「主しゅは生いきておられる。わが神かみの言いわれることをわたしは申もうします」。18:14 彼かれが王おうの所ところへ行いくと、王おうは彼かれに言いった、「ミカヤよ、われわれはラモテ・ギレアデに戦たたかいに行いくべきか、あるいは控ひかえるべきか」。彼かれは言いった、「上のぼって行いって勝利しょうりを得えなさい。彼かれらはあなたの手てにわたされるでしょう」。18:15 しかし王おうは彼かれに言いった、「幾いくたびあなたを誓ちかわせたら、あなたは主しゅの名なをもって、ただ真実しんじつのみをわたしに告つげるだろうか」。18:16 彼かれは言いった、「わたしはイスラエルが皆みな牧者ぼくしゃのない羊ひつじのように山やまに散ちっているのを見みました。すると主しゅは『これらの者ものは主人しゅじんをもっていない。彼かれらをそれぞれ安やすらかに、その家いえに帰かえらせよ』と言いわれました」。18:17 イスラエルの王おうはヨシャパテに言いった、「わたしはあなたに、彼かれはわたしについて良よい事ことを預言よげんせず、ただ悪わるい事ことだけを預言よげんすると告つげたではありませんか」。18:18 ミカヤは言いった、「それだから主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。わたしは主しゅがその玉座ぎょくざに座ざし、天てんの万軍ばんぐんがその右左みぎひだりに立たっているのを見みたが、18:19 主しゅは、『だれがイスラエルの王おうアハブをいざなって、ラモテ・ギレアデに上のぼらせ、彼かれを倒たおれさせるであろうか』と言いわれた。するとひとりは、こうしようと言いい、ひとりは、ああしようと言いった。18:20 その時とき一つの霊れいが進すすみ出でて、主しゅの前まえに立たち、『わたしが彼かれをいざないましょう』と言いったので、主しゅは彼かれに『何なにをもってするか』と言いわれた。18:21 彼かれは『わたしが出でて行いって、偽いつわりを言いう霊れいとなって、すべての預言者よげんしゃの口くちに宿やどりましょう』と言いった。そこで主しゅは『おまえは彼かれをいざなって、それをなし遂とげるであろう。出でて行いって、そうしなさい』と言いわれた。18:22 それゆえ、主しゅは偽いつわりを言いう霊れいをこの預言者よげんしゃたちの口くちに入いれ、また主しゅはあなたについて災わざわいを告つげられたのです」。 18:23 するとケナアナの子こゼデキヤが近寄ちかよってミカヤのほおを打うって言いった、「主しゅの霊れいがどの道みちからわたしを離はなれて行いって、あなたに語かたりましたか」。18:24 ミカヤは言いった、「あなたが奥おくの間あいだにはいって身みを隠かくす日ひに見みるでしょう」。18:25 イスラエルの王おうは言いった、「ミカヤを捕とらえ、町まちのつかさアモンと王おうの子こヨアシの所ところへ引ひいて行いって、18:26 言いいなさい、『王おうはこう言いう、この者ものを獄屋ごくやに入いれ、少すこしばかりのパンと水みずをもって彼かれを養やしない、わたしが勝利しょうりを得えて帰かえってくるのを待まて』と」。18:27 ミカヤは言いった、「あなたがもし勝利しょうりを得えて帰かえるならば、主しゅはわたしによって語かたられなかったのです」。また彼かれは言いった、「あなたがたすべての民たみよ、聞ききなさい」。 18:28 こうしてイスラエルの王おうとユダの王おうヨシャパテは、ラモテ・ギレアデに上のぼった。18:29 イスラエルの王おうはヨシャパテに言いった、「わたしは姿すがたを変かえて戦たたかいに行いきましょう。しかしあなたは王おうの衣ころもを着つけなさい」。イスラエルの王おうは姿すがたを変かえて戦たたかいに行いった。18:30 さて、スリヤの王おうは、その戦車せんしゃ隊長たいちょうたちに命めいじて言いった、「あなたがたは小ちいさい者ものとも、大おおきい者ものとも戦たたかってはならない。ただイスラエルの王おうとのみ戦たたかいなさい」。18:31 戦車せんしゃ隊長たいちょうらはヨシャパテを見みたとき、これはきっとイスラエルの王おうだと思おもったので、身みを巡めぐらしてこれと戦たたかおうとした。しかしヨシャパテが呼よばわったので、主しゅはこれを助たすけられた。すなわち神かみは敵てきを彼かれから離はなれさせられた。18:32 戦車せんしゃ隊長たいちょうらは彼かれがイスラエルの王おうでないのを見みたので、彼かれを追おうことをやめて引ひき返かえした。18:33 しかし、ひとりの人ひとが、なにごころなく弓ゆみを引ひいて、イスラエルの王おうの胸当むねあてと、くさずりの間あいだを射いたので、彼かれはその車くるまの御者ぎょしゃに言いった、「わたしは傷きずを受うけたから、車くるまをめぐらして、わたしを軍中ぐんちゅうから運はこび出だせ」。18:34 その日ひ戦たたかいは激はげしくなった。イスラエルの王おうは車くるまの中なかに自分じぶんをささえて立たち、夕暮ゆうぐれまでスリヤびとに向むかっていたが、日ひの入いるころになって死しんだ。 第19章 19:1 ユダの王おうヨシャパテは、つつがなくエルサレムの自分じぶんの家いえに帰かえった。19:2 そのとき、先見者せんけんしゃハナニの子こエヒウが出でてヨシャパテを迎むかえて言いった、「あなたは悪人あくにんを助たすけ、主しゅを憎にくむ者ものを愛あいしてよいのですか。それゆえ怒いかりが主しゅの前まえから出でて、あなたの上うえに臨のぞみます。19:3 しかしあなたには、なお良よい事こともあります。あなたはアシラ像ぞうを国くにの中なかから除のぞき、心こころを傾かたむけて神かみを求もとめられました」。 19:4 ヨシャパテはエルサレムに住すんでいたが、また出でて、ベエルシバからエフライムの山地さんちまで民たみの中なかを巡めぐり、先祖せんぞたちの神かみ、主しゅに彼かれらを導みちびき返かえした。19:5 彼かれはまたユダの国中くにぢゅう、すべての堅固けんごな町まちごとに裁判人さいばんにんを置おいた。19:6 そして裁判人さいばんにんたちに言いった、「あなたがたは自分じぶんのする事ことに気きをつけなさい。あなたがたは人ひとのために裁判さいばんするのではなく、主しゅのためにするのです。あなたがたが裁判さいばんする時ときには、主しゅはあなたがたと共ともにおられます。19:7 だからあなたがたは主しゅを恐おそれ、慎つつしんで行おこないなさい。われわれの神かみ、主しゅには不義ふぎがなく、人ひとをかたより見みることなく、まいないを取とることもないからです」。 19:8 ヨシャパテはまたレビびと、祭司さいし、およびイスラエルの氏族しぞくの長ちょうたちを選えらんでエルサレムに置おき、主しゅのために裁判さいばんを行おこない、争議そうぎの解決かいけつに当あたらせた。彼かれらはエルサレムに居住きょじゅうした。19:9 ヨシャパテは彼かれらに命めいじて言いった、「あなたがたは主しゅを恐おそれ、真実しんじつと真心まごころとをもって行おこなわなければならない。19:10 すべてその町々まちまちに住すんでいるあなたがたの兄弟きょうだいたちから、血ちを流ながした事ことまたは律法りっぽうと戒いましめ、定さだめとおきてなどの事ことについて訴うったえてきたならば、彼かれらをさとして、主しゅの前まえに罪つみを犯おかさせず、怒いかりがあなたがたと、あなたがたの兄弟きょうだいたちに臨のぞまないようにしなさい。そのようにすれば、あなたがたは罪つみを犯おかすことがないでしょう。19:11 見みよ、祭司さいし長ちょうアマリヤは、あなたがたの上うえにいて、主しゅの事ことをすべてつかさどり、イシマエルの子こ、ユダの家いえのつかさゼバデヤは王おうの事ことをすべてつかさどり、またレビびとはあなたがたの前まえにあって役人やくにんとなります。雄々おおしく行動こうどうしなさい。主しゅは正直しょうじきな人ひとと共ともにおられます」。 第20章 20:1 この後のちモアブびと、アンモンびとおよびメウニびとらがヨシャパテと戦たたかおうと攻せめてきた。20:2 その時ときある人ひとがきて、ヨシャパテに告つげて言いった、「海うみのかなたのエドムから大軍たいぐんがあなたに攻せめて来きます。見みよ、彼かれらはハザゾン・タマル(すなわちエンゲデ)にいます」。20:3 そこでヨシャパテは恐おそれ、主しゅに顔かおを向むけて助たすけを求もとめ、ユダ全国ぜんこくに断食だんじきをふれさせた。20:4 それでユダはこぞって集あつまり、主しゅの助たすけを求もとめた。すなわちユダのすべての町まちから人々ひとびとが来きて主しゅを求もとめた。 20:5 そこでヨシャパテは主しゅの宮みやの新あたらしい庭にわの前まえで、ユダとエルサレムの会衆かいしゅうの中なかに立たって、20:6 言いった、「われわれの先祖せんぞの神かみ、主しゅよ、あなたは天てんにいます神かみではありませんか。異邦人いほうじんのすべての国くにを治おさめられるではありませんか。あなたの手てには力ちからがあり、勢いきおいがあって、あなたに逆さからいうる者ものはありません。20:7 われわれの神かみよ、あなたはこの国くにの民たみをあなたの民たみイスラエルの前まえから追おい払はらって、あなたの友ともアブラハムの子孫しそんに、これを永遠えいえんに与あたえられたではありませんか。20:8 彼かれらはここに住すみ、あなたの名なのためにここに聖所せいじょを建たてて言いいました、20:9 『つるぎ、審判しんぱん、疫病えきびょう、ききんなどの災わざわいがわれわれに臨のぞむ時とき、われわれはこの宮みやの前まえに立たって、あなたの前まえにおり、その悩なやみの中なかであなたに呼よばわります。すると、あなたは聞きいて助たすけられます。あなたの名なはこの宮みやにあるからです』と。20:10 今いまアンモン、モアブ、およびセイル山やまの人々ひとびとをごらんなさい。昔むかしイスラエルがエジプトの国くにから出でてきた時とき、あなたはイスラエルに彼かれらを侵おかすことをゆるされなかったので、イスラエルは彼かれらを離はなれて、滅ほろぼしませんでした。20:11 彼かれらがわれわれに報むくいるところをごらんください。彼かれらは来きて、あなたがわれわれに賜たまわったあなたの領地りょうちからわれわれを追おい払はらおうとしています。20:12 われわれの神かみよ、あなたは彼かれらをさばかれないのですか。われわれはこのように攻せめて来くる大軍たいぐんに当あたる力ちからがなく、またいかになすべきかを知しりません。ただ、あなたを仰あおぎ望のぞむのみです」。 20:13 ユダの人々ひとびとはその幼おさな子こ、その妻つま、および子供こどもたちと共ともに皆みな主しゅの前まえに立たっていた。20:14 その時とき主しゅの霊れいが会衆かいしゅうの中なかでアサフの子孫しそんであるレビびとヤハジエルに臨のぞんだ。ヤハジエルはゼカリヤの子こ、ゼカリヤはベナヤの子こ、ベナヤはエイエルの子こ、エイエルはマッタニヤの子こである。20:15 ヤハジエルは言いった、「ユダの人々ひとびと、エルサレムの住民じゅうみん、およびヨシャパテ王おうよ、聞ききなさい。主しゅはあなたがたにこう仰おおせられる、『この大軍たいぐんのために恐おそれてはならない。おののいてはならない。これはあなたがたの戦たたかいではなく、主しゅの戦たたかいだからである。20:16 あす、彼かれらの所ところへ攻せめ下くだりなさい。見みよ、彼かれらはヂヅの坂さかから上のぼって来くる。あなたがたはエルエルの野のの東ひがし、谷たにの端たんでこれに会あうであろう。20:17 この戦たたかいには、あなたがたは戦たたかうに及およばない。ユダおよびエルサレムよ、あなたがたは進すすみ出でて立たち、あなたがたと共ともにおられる主しゅの勝利しょうりを見みなさい。恐おそれてはならない。おののいてはならない。あす、彼かれらの所ところに攻せめて行いきなさい。主しゅはあなたがたと共ともにおられるからである』」。 20:18 ヨシャパテは地ちにひれ伏ふした。ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの民たみも主しゅの前まえに伏ふして、主しゅを拝はいした。20:19 その時ときコハテびとの子孫しそん、およびコラびとの子孫しそんであるレビびとが立たち上あがり、大声おおごえをあげてイスラエルの神かみ、主しゅをさんびした。 20:20 彼かれらは朝あさ早はやく起おきてテコアの野のに出でて行いった。その出でて行いくとき、ヨシャパテは立たって言いった、「ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの民たみよ、わたしに聞ききなさい。あなたがたの神かみ、主しゅを信しんじなさい。そうすればあなたがたは堅かたく立たつことができる。主しゅの預言者よげんしゃを信しんじなさい。そうすればあなたがたは成功せいこうするでしょう」。20:21 彼かれはまた民たみと相談そうだんして人々ひとびとを任命にんめいし、聖せいなる飾かざりを着つけて軍勢ぐんぜいの前まえに進すすませ、主しゅに向むかって歌うたをうたい、かつさんびさせ、 「主しゅに感謝かんしゃせよ、そのいつくしみはとこしえに絶たえることがない」と言いわせた。20:22 そして彼かれらが歌うたをうたい、さんびし始はじめた時とき、主しゅは伏兵ふくへいを設もうけ、かのユダに攻せめてきたアンモン、モアブ、セイル山やまの人々ひとびとに向むかわせられたので、彼かれらは打うち敗やぶられた。20:23 すなわちアンモンとモアブの人々ひとびとは立たち上あがって、セイル山やまの民たみに敵てきし、彼かれらを殺ころして全まったく滅ほろぼしたが、セイルの民たみを殺ころし尽つくすに及およんで、彼かれらもおのおの互たがいに助たすけて滅ほろぼしあった。 20:24 ユダの人々ひとびとは野のの物見ものみやぐらへ行いって、かの群衆ぐんしゅうを見みたが、地ちに倒たおれた死体したいだけであって、ひとりものがれた者ものはなかった。20:25 それでヨシャパテとその民たみは彼かれらの物ものを奪うばうために来きて見みると、多数たすうの家畜かちく、財宝ざいほう、衣服いふくおよび宝石ほうせきなどおびただしくあったので、おのおのそれをはぎ取とったが、運はこびきれないほどたくさんで、かすめ取とるに三日かもかかった。それほど物ものが多おおかったのである。20:26 四日か目めに彼かれらはベラカの谷たにに集あつまり、その所ところで主しゅを祝福しゅくふくした。それでその所ところの名なを今日こんにちまでベラカの谷たにと呼よんでいる。20:27 そしてユダとエルサレムの人々ひとびとは皆みなヨシャパテを先さきに立たて、喜よろこんでエルサレムに帰かえってきた。主しゅが彼かれらにその敵てきのことによって喜よろこびを与あたえられたからである。20:28 すなわち彼かれらは立琴たてごと、琴ことおよびラッパをもってエルサレムの主しゅの宮みやに来きた。20:29 そしてもろもろの国くにの民たみは主しゅがイスラエルの敵てきと戦たたかわれたことを聞きいて神かみを恐おそれた。20:30 こうして神かみが四方しほうに安息あんそくを賜たまわったので、ヨシャパテの国くには穏おだやかであった。 20:31 このようにヨシャパテはユダを治おさめた。彼かれは三十五歳さいの時とき、王おうとなり、二十五年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。彼かれの母ははの名なはアズバといってシルヒの娘むすめである。20:32 ヨシャパテは父ちちアサの道みちを歩あゆんでそれを離はなれず、主しゅの目めに正ただしいと見みられることを行おこなった。20:33 しかし高たかき所ところは除のぞかず、また民たみはその先祖せんぞの神かみに心こころを傾かたむけなかった。 20:34 ヨシャパテのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ハナニの子こエヒウの書しょにしるされ、イスラエルの列れつ王おうの書しょに載のせられてある。 20:35 この後のちユダの王おうヨシャパテはイスラエルの王おうアハジヤと相あい結むすんだ。アハジヤは悪あくを行おこなった。20:36 ヨシャパテはタルシシへ行いく船ふねを造つくるためにアハジヤと相あい結むすび、エジオン・ゲベルで一緒いっしょに船ふね数隻すうせきを つくった。20:37 その時ときマレシャのドダワの子こエリエゼルはヨシャパテに向むかって預言よげんし、「あなたはアハジヤと相あい結むすんだので、主しゅはあなたの造つくった物ものをこわされます」と言いったが、その船ふねは難破なんぱして、タルシシへ行いくことができなかった。 第21章 21:1 ヨシャパテは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむり、先祖せんぞたちと共ともにダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こヨラムが代かわって王おうとなった。21:2 ヨシャパテの子こであるその兄弟きょうだいたちはアザリヤ、エヒエル、ゼカリヤ、アザリヤ、ミカエルおよびシパテヤで、皆みなユダの王おうヨシャパテの子こたちであった。21:3 その父ちちは彼かれらに金きん、銀ぎん、宝物ほうもつの賜物たまものを多おおく与あたえ、またユダの要害ようがいの町々まちまちを与あたえたが、ヨラムは長子ちょうしなので、国くにはヨラムに与あたえた。21:4 ヨラムはその父ちちの位くらいに登のぼって強つよくなった時とき、その兄弟きょうだいたちをことごとくつるぎにかけて殺ころし、またユダのつかさたち数人すうにんを殺ころした。21:5 ヨラムは位くらいについた時とき三十二歳さいで、エルサレムで八年ねんの間あいだ世よを治おさめた。21:6 彼かれはアハブの家いえがしたようにイスラエルの王おうたちの道みちに歩あゆんだ。アハブの娘むすめを妻つまとしたからである。このように彼かれは主しゅの目めの前まえに悪あくをおこなったが、21:7 主しゅはさきにダビデと結むすばれた契約けいやくのゆえに、また彼かれとその子孫しそんとにながく、ともしびを与あたえると約束やくそくされたことによって、ダビデの家いえを滅ほろぼすことを好このまれなかった。 21:8 ヨラムの世よにエドムがそむいて、ユダの支配しはいを脱だっし、みずから王おうを立たてたので、21:9 ヨラムはその将校しょうこうたち、およびすべての戦車せんしゃを従したがえて渡わたって行いき、夜よるのうちに立たち上あがって、自分じぶんを包囲ほういしているエドムびととその戦車せんしゃの隊長たいちょうたちを撃うった。21:10 エドムはこのようにそむいてユダの支配しはいを脱だっし、今日こんにちに至いたっている。そのころリブナもまたそむいてユダの支配しはいを脱だっした。ヨラムが先祖せんぞたちの神かみ、主しゅを捨すてたからである。 21:11 彼かれはまたユダの山地さんちに高たかき所ところを造つくって、エルサレムの民たみに姦淫かんいんを行おこなわせ、ユダを惑まどわした。21:12 その時とき預言者よげんしゃエリヤから次つぎのような一通つうの手紙てがみがヨラムのもとに来きた、「あなたの先祖せんぞダビデの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、『あなたは父ちちヨシャパテの道みちに歩あゆまず、またユダの王おうアサの道みちに歩あゆまないで、21:13 イスラエルの王おうたちの道みちに歩あゆみ、ユダとエルサレムの民たみに、かのアハブの家いえがイスラエルに姦淫かんいんを行おこなわせたように、姦淫かんいんを行おこなわせ、またあなたの父ちちの家いえの者もので、あなたにまさっているあなたの兄弟きょうだいたちを殺ころしたゆえ、21:14 主しゅは大おおいなる災わざわいをもってあなたの民たみと子供こどもと妻つまたちと、すべての所有しょゆうを撃うたれる。21:15 あなたはまた内臓ないぞうの病気びょうきにかかって大病たいびょうになり、それが日ひに日ひに重おもくなって、ついに内臓ないぞうが出でるようになる』」。 21:16 その時とき、主しゅはヨラムに対たいしてエチオピヤびとの近ちかくに住すんでいるペリシテびととアラビヤびとの霊れいを振ふり起おこされたので、21:17 彼かれらはユダに攻せめ上のぼって、これを侵おかし、王おうの家いえにある貨か財ざいをことごとく奪うばい去さり、またヨラムの子供こどもと妻つまたちをも奪うばい去さったので、末すえの子こエホアハズのほかには、ひとりも残のこった者ものがなかった。 21:18 このもろもろの事ことの後のち、主しゅは彼かれを撃うって内臓ないぞうにいえがたい病気びょうきを起おこさせられた。21:19 時ときがたって、二年ねんの終おわりになり、その内臓ないぞうが病気びょうきのために出でて、重おもい病苦びょうくによって死しんだ。民たみは彼かれの先祖せんぞのために香こうをたいたように、彼かれのために香こうをたかなかった。21:20 ヨラムはその位くらいについた時とき三十二歳さいで、八年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめ、ついに死しんだ。ひとりも彼かれを惜おしむ者ものがなかった。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうたちの墓はかにではなかった。 第22章 22:1 エルサレムの民たみはヨラムの末すえの子こアハジヤを彼かれの代かわりに王おうとした。かつてアラビヤびとと一緒いっしょに陣営じんえいに攻せめてきた一隊たいの者ものが上うえの子こたちをことごとく殺ころしたので、ユダの王おうヨラムの子こアハジヤが王おうとなったのである。22:2 アハジヤは王おうとなった時とき四十二歳さいで、エルサレムで一年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははオムリの娘むすめで名なをアタリヤといった。22:3 アハジヤもまたアハブの家いえの道みちに歩あゆんだ。その母ははが彼かれの相談そうだん相手あいてとなって悪あくを行おこなわせたからである。22:4 彼かれはまたアハブの家いえがしたように主しゅの目めの前まえに悪あくを行おこなった。すなわちその父ちちが死しんだ後のち、アハブの家いえの者ものがその相談役そうだんやくとなったので、彼かれはついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。22:5 アハジヤはまた彼かれらの勧すすめに従したがって、イスラエルの王おうアハブの子こヨラムと共ともにラモテ・ギレアデへ行いき、スリヤの王おうハザエルと戦たたかったが、スリヤびとはヨラムに傷きずを負おわせた。22:6 そこでヨラムはスリヤの王おうハザエルと戦たたかった時とき、ラマで負おったその傷きずをいやすためにエズレルに帰かえった。ユダの王おうヨラムの子こアハジヤはアハブの子こヨラムが病気びょうきなのでエズレルに下くだってこれを見舞みまった。 22:7 アハジヤがヨラムを見舞みまいに行いったことによって滅ほろびに至いたったのは神かみによって定さだめられたことである。すなわち彼かれがそこに着ついた時とき、ヨラムと一緒いっしょに出でて、ニムシの子こエヒウを迎むかえた。エヒウは主しゅがアハブの家いえを断たち滅ほろぼすために油あぶらを注そそがれた者ものである。22:8 エヒウはアハブの家いえを罰ばっするにあたって、ユダのつかさたち、およびアハジヤの兄弟きょうだいたちの子こらがアハジヤに仕つかえているのを見みたので、彼かれらをも殺ころした。22:9 アハジヤはサマリヤに隠かくれていたが、エヒウが彼かれを捜さがし求もとめたので、人々ひとびとは彼かれを捕とらえ、エヒウのもとに引ひいてきて、彼かれを殺ころした。ただし「彼かれは心こころをつくして主しゅを求もとめたヨシャパテの子こである」と人々ひとびとは言いったのでこれを葬ほうむった。こうしてアハジヤの家いえには国くにを統すべ治おさめうる者ものがなくなった。 22:10 アハジヤの母ははアタリヤは自分じぶんの子この死しんだのを見みて、立たってユダの家いえの王子おうじをことごとく滅ほろぼしたが、22:11 王おうの娘むすめエホシバはアハジヤの子こヨアシを王おうの子こたちの殺ころされる者もののうちから盗ぬすみ取とり、彼かれとそのうばを寝室しんしつにおいた。こうしてエホシバがヨアシをアタリヤから隠かくしたので、アタリヤはヨアシを殺ころさなかった。エホシバはヨラム王おうの娘むすめ、またアハジヤの妹いもうとで、祭司さいしエホヤダの妻つまである。22:12 こうしてヨアシは神かみの宮みやに隠かくれて彼かれらと共ともにおること六年ねん、その間かんアタリヤが国くにを治おさめた。 第23章 23:1 第だい七年ねんになって、エホヤダは勇気ゆうきをだしてエロハムの子こアザリヤ、ヨハナンの子こイシマエル、オベデの子こアザリヤ、アダヤの子こマアセヤ、ジクリの子こエリシャパテなどの百人にんの長ちょうたちを招まねいて契約けいやくを結むすばせた。23:2 そこで彼かれらはユダを行いきめぐって、ユダのすべての町まちからレビびとを集あつめ、またイスラエルの氏族しぞくの長ちょうたちを集あつめて、エルサレムに来きた。23:3 そしてその会衆かいしゅうは皆みな神かみの宮みやで王おうと契約けいやくを結むすんだ。その時ときエホヤダは彼かれらに言いった、「主しゅがダビデの子孫しそんのことについて言いわれたように、王おうの子こが位くらいにつくべきです。23:4 あなたがたのなすべき事ことはこれです。すなわちあなたがた祭司さいしおよびレビびとの安息日あんそくにちにはいって来くる者ものの、三分ぶんの一は門もんを守まもる者ものとなり、23:5 三分ぶんの一は王おうの家いえにおり、三分ぶんの一は礎いしずえの門もんにおり、民たみは皆みな、主しゅの宮みやの庭にわにいなさい。23:6 祭司さいしと、勤つとめをするレビびとのほかは、だれも主しゅの宮みやに、はいってはならない。彼かれらは聖せいなる者ものであるから、はいることができる。民たみは皆みな、主しゅの命令めいれいを守まもらなければならない。23:7 レビびとはめいめい手てに武器ぶきをとって王おうのまわりに立たたなければならない。宮みやにはいる者ものをすべて殺ころしなさい。あなたがたは王おうがはいる時ときにも出でる時ときにも、王おうと共ともにいなさい」。 23:8 そこでレビびとおよびユダの人々ひとびとは、祭司さいしエホヤダがすべて命めいじたように行おこない、めいめいその組くみの者もので、安息日あんそくにちにはいって来くるべき者ものと、安息日あんそくにちに出でて行いくべき者ものを率ひきいていた。祭司さいしエホヤダが組くみの者ものを去さらせなかったからである。23:9 また祭司さいしエホヤダは、神かみの宮みやにあるダビデ王おうのやりおよび大盾おおだて、小盾こだてを百人にんの長ちょうたちに渡わたし、23:10 また王おうを守まもるために、すべての民たみにめいめい手てに武器ぶきをとらせ、宮みやの南側みなみがわから北側きたがわにわたって、祭壇さいだんと宮みやに沿そって立たたせた。23:11 こうして王おうの子こを連つれ出だして、これに冠かんむりをいただかせ、あかしの書しょを渡わたして王おうとなし、エホヤダおよびその子こたちが彼かれに油あぶらを注そそいだ。そして「王おう万歳ばんざい」と言いった。 23:12 アタリヤは民たみの走はしりながら王おうをほめる声こえを聞きいたので、主しゅの宮みやに入いり、民たみの所ところへ行いって、23:13 見みると、王おうは入口いりぐちで柱はしらのかたわらに立たち、王おうのかたわらには将軍しょうぐんたちとラッパ手てが立たっており、また国くにの民たみは皆みな喜よろこんでラッパを吹ふき、歌うたをうたう者ものは楽器がっきをもってさんびしていたので、アタリヤは衣ころもを裂さいて「反逆はんぎゃくだ、反逆はんぎゃくだ」と叫さけんだ。23:14 その時ときエホヤダは軍勢ぐんぜいを統率とうそつする百人にんの長ちょうたちを呼よび出だし、「列れつの間あいだから彼女かのじょを連つれ出だせ、彼女かのじょに従したがう者ものをつるぎで殺ころせ」と言いった。祭司さいしが彼女かのじょを主しゅの宮みやで殺ころしてはならないと言いったからである。23:15 そこで人々ひとびとは彼女かのじょに手てをかけ、王おうの家いえの馬うまの門もんの入口いりぐちまで連つれて行いき、その所ところで彼女かのじょを殺ころした。 23:16 エホヤダは自分じぶんとすべての民たみと王おうとの間あいだに、彼かれらは皆みな、主しゅの民たみとなるとの契約けいやくを結むすんだ。23:17 そこですべての民たみはバアルの家いえに行いって、それをこわし、その祭壇さいだんとその像ぞうとを打うち砕くだき、バアルの祭司さいしマッタンを祭壇さいだんの前まえで殺ころした。23:18 エホヤダはまた主しゅの宮みやの守衛しゅえいを、祭司さいしとレビびとの指揮しきのもとに置おいた。このレビびとは昔むかしダビデがモーセの律法りっぽうにしるされているように、喜よろこびと歌うたとをもって主しゅに燔祭はんさいをささげるために、主しゅの宮みやに配置はいちしたものであって、今いまそのダビデの例れいにならったものである。23:19 彼かれはまた主しゅの宮みやのもろもろの門もんに門衛もんえいを置おき、汚けがれた者ものは何なにによって汚けがれた者ものでも、はいらせないようにした。23:20 こうしてエホヤダは百人にんの長ちょうたち、貴族きぞくたち、民たみのつかさたちおよび国くにのすべての民たみを率ひきいて、主しゅの宮みやから王おうを連つれ下くだり、上うえの門もんから王おうの家いえに進すすみ、王おうを国くにの位くらいにつかせた。23:21 国くにの民たみは皆みな喜よろこんだ。町まちはアタリヤがつるぎで殺ころされた後のち、穏おだやかであった。 第24章 24:1 ヨアシは位くらいについた時とき七歳さいで、エルサレムで四十年ねんの間あいだ、世よを治おさめた。彼かれの母はははベエルシバから出でた者もので名なをヂビアといった。24:2 ヨアシは祭司さいしエホヤダの世よにある日ひの間あいだは常つねに主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。24:3 エホヤダは彼かれのためにふたりの妻つまをめとり、彼かれに男子だんしと女子じょしが生うまれた。 24:4 この後のちヨアシは主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんしようと志こころざして、24:5 祭司さいしとレビびとを集あつめて言いった、「ユダの町々まちまちへ行いって、あなたがたの神かみの宮みやを年々ねんねん修繕しゅうぜんする資金しきんをすべてのイスラエルびとから集あつめなさい。その事ことを急いそいでしなさい」。ところがレビびとはこれを急いそいでしなかった。24:6 それで王おうはかしらであるエホヤダを召めして言いった、「あなたはなぜレビびとに求もとめて、主しゅのしもべモーセがあかしの幕屋まくやのためにイスラエルの会衆かいしゅうに課かした税金ぜいきんをユダとエルサレムから取とり立たてさせないのか」。24:7 かの悪わるい女おんなアタリヤの子こらが神かみの宮みやに侵入しんにゅうして主しゅの宮みやのもろもろの奉納物ほうのうぶつをとり、バアルのために用もちいたからである。 24:8 そこで王おうは命めいじて一個この箱はこを造つくらせ、これを主しゅの宮みやの門もんの外そとに置おき、24:9 ユダとエルサレムにふれて、神かみのしもべモーセが荒野あらのでイスラエルに課かした税金ぜいきんを主しゅのために持もってこさせた。24:10 すべてのつかさたちおよびすべての民たみは皆みな喜よろこんでその税金ぜいきんを持もって来きて、その箱はこに投なげ入いれたので、ついに箱はこはいっぱいになった。24:11 レビびとはその箱はこに金きんが多おおくあるのを見みて、王おうの役人やくにんの所ところへ持もって行いくと、王おうの書記しょきと祭司さいし長ちょうの下役したやくとが来きて、その箱はこを傾かたむけ、これを取とってもとの所ところに返かえした。彼かれらは日々ひびこのようにして金きんをおびただしく集あつめた。24:12 王おうとエホヤダはこれを主しゅの宮みやの工事こうじをなす者ものに渡わたし、石工いしくおよび木工もっこうを雇やとって、主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんさせ、また鉄工てっこうおよび青銅せいどう工こうを雇やとって、主しゅの宮みやを修復しゅうふくさせた。24:13 工人こうじんたちは働はたらいたので、修復しゅうふくの工事こうじは彼かれらの手てによってはかどり、神かみの宮みやを、もとの状態じょうたいに復ふくし、これを堅固けんごにした。24:14 それをなし終おわったとき、余あまった金きんを王おうとエホヤダの前まえに持もって来きたので、それをもって主しゅの宮みやのために器物うつわものを つくった。すなわち勤つとめの器うつわ、燔祭はんさいの器うつわ、香こうの皿さら、および金銀きんぎんの器うつわを造つくった。エホヤダの世よにある日ひの間あいだは、絶たえず主しゅの宮みやで燔祭はんさいをささげた。 24:15 しかしエホヤダは年老としおい、日ひが満みちて死しんだ。その死しんだ時ときは百三十歳さいであった。24:16 人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちで王おうたちの中なかに葬ほうむった。彼かれはイスラエルにおいて神かみとその宮みやとに良よい事ことを行おこなったからである。 24:17 エホヤダの死しんだ後のち、ユダのつかさたちが来きて、うやうやしく王おうに敬意けいいを表あらわした。王おうは彼かれらに聞きき従したがった。24:18 彼かれらはその先祖せんぞの神かみ、主しゅの宮みやを捨すてて、アシラ像ぞうおよび偶像ぐうぞうに仕つかえたので、そのとがのために、怒いかりがユダとエルサレムに臨のぞんだ。24:19 主しゅは彼かれらをご自分じぶんに引ひき返かえそうとして、預言者よげんしゃたちをつかわし、彼かれらにむかってあかしをさせられたが、耳みみを傾かたむけなかった。 24:20 そこで神かみの霊れいが祭司さいしエホヤダの子こゼカリヤに臨のぞんだので、彼かれは民たみの前まえに立たち上あがって言いった、「神かみはこう仰おおせられる、『あなたがたが主しゅの戒いましめを犯おかして、災わざわいを招まねくのはどういうわけであるか。あなたがたが主しゅを捨すてたために、主しゅもあなたがたを捨すてられたのである』」。24:21 しかし人々ひとびとは彼かれを害がいしようと計はかり、王おうの命いのちによって、石いしをもって彼かれを主しゅの宮みやの庭にわで撃うち殺ころした。24:22 このようにヨアシ王おうはゼカリヤの父ちちエホヤダが自分じぶんに施ほどこした恵めぐみを思おもわず、その子こを殺ころした。ゼカリヤは死しぬ時とき、「どうぞ主しゅがこれをみそなわして罰ばっせられるように」と言いった。 24:23 年ねんの終おわりになって、スリヤの軍勢ぐんぜいはヨアシにむかって攻せめ上のぼり、ユダとエルサレムに来きて、民たみのつかさたちをことごとく民たみのうちから滅ほろぼし、そのぶんどり物ものを皆みなダマスコの王おうに送おくった。24:24 この時ときスリヤの軍勢ぐんぜいは少数しょうすうで来きたのであるが、主しゅは大軍たいぐんを彼かれらの手てに渡わたされた。これは彼かれらがその先祖せんぞの神かみ、主しゅを捨すてたためである。このように彼かれらはヨアシを罰ばっした。 24:25 スリヤ軍ぐんはヨアシに大だい傷きずを負おわせて捨すて去さったが、ヨアシの家来けらいたちは祭司さいしエホヤダの子この血ちのために、党とうを結むすんで彼かれにそむき、彼かれを床とこの上うえに殺ころして、死しなせた。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうの墓はかには葬ほうむらなかった。24:26 党とうを結むすんで彼かれにそむいた者ものは、アンモンの女おんなシメアテの子こザバデおよびモアブの女おんなシムリテの子こヨザバデであった。24:27 ヨアシの子こらのこと、ヨアシに対たいする多おおくの預言よげんおよび神かみの宮みやの修理しゅうりの事ことなどは、列れつ王おうの書しょの注釈ちゅうしゃくにしるされている。ヨアシの子こアマジヤが彼かれに代かわって王おうとなった。 第25章 25:1 アマジヤは王おうとなった時とき二十五歳さいで、二十九年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので、名なをエホアダンといった。25:2 アマジヤは主しゅの良よしと見みられることを行おこなったが、全まったき心こころをもってではなかった。25:3 彼かれは、国くにが彼かれの手てのうちに強つよくなったとき、父ちちヨアシ王おうを殺害さつがいした家来けらいたちを殺ころした。25:4 しかしその子こ供ともたちは殺ころさなかった。これはモーセの律法りっぽうの書しょにしるされている所ところに従したがったのであって、そこに主しゅは命めいじて、「父ちちは子このゆえに殺ころされるべきではない。子こは父ちちのゆえに殺ころされるべきではない。おのおの自分じぶんの罪つみのゆえに殺ころされるべきである」と言いわれている。 25:5 アマジヤはユダの人々ひとびとを集あつめ、その氏族しぞくに従したがって、千人にんの長ちょうに付属ふぞくさせ、または百人にんの長ちょうに付属ふぞくさせた。ユダとベニヤミンのすべてに行いった。そして二十歳さい以上いじょうの者ものを数かぞえたところ、やりと盾たてをとって戦たたかいに臨のぞみうる精兵せいへい三十万人にんを得えた。25:6 彼かれはまた銀ぎん百タラントをもってイスラエルから大だい勇士ゆうし十万人にんを雇やとった。25:7 その時とき、神かみの人ひとが彼かれの所ところに来きて言いった、「王おうよ、イスラエルの軍勢ぐんぜいをあなたと共ともに行いかせてはいけません。主しゅはイスラエルびと、すなわちエフライムのすべての人々ひとびととは共ともにおられないからです。25:8 もしあなたがこのような方法ほうほうで戦たたかいに強つよくなろうと思おもうならば、神かみはあなたを敵てきの前まえに倒たおされるでしょう。神かみには助たすける力ちからがあり、また倒たおす力ちからがあるからです」。25:9 アマジヤは神かみの人ひとに言いった、「それではわたしがイスラエルの軍隊ぐんたいに与あたえた百タラントをどうしましょうか」。神かみの人ひとは答こたえた、「主しゅはそれよりも多おおいものをあなたにお与あたえになることができます」。25:10 そこでアマジヤはエフライムから来きて自分じぶんに加くわわった軍隊ぐんたいを分離ぶんりして帰かえらせたので、彼かれらはユダに対たいして激はげしい怒いかりを発はっし、火ひのように怒いかって自分じぶんの所ところに帰かえった。25:11 しかしアマジヤは勇気ゆうきを出だし、その民たみを率ひきいて塩しおの谷たにへ行いき、セイルびと一万人にんを撃うち殺ころした。25:12 またユダの人々ひとびとはこのほかに一万人にんをいけどり、岩いわの頂いただきに引ひいて行いって岩いわの頂いただきから彼かれらを投なげ落おとしたので、皆みなこなごなに砕くだけた。25:13 ところがアマジヤが自分じぶんと共ともに戦たたかいに行いかせないで帰きしてやった兵卒へいそつらが、サマリヤからベテホロンまでの、ユダの町々まちまちを襲おそって三千人にんを殺ころし、多おおくの物ものを奪うばい取とった。 25:14 アマジヤはエドムびとを殺ころして帰かえった時とき、セイルびとの神々かみがみを携たずさえてきて、これを安置あんちして自分じぶんの神かみとし、これを礼拝れいはいし、これにささげ物ものをなした。25:15 それゆえ、主しゅはアマジヤに向むかって怒いかりを発はっし、預言者よげんしゃを彼かれにつかわして言いわせられた、「かの民たみの神々かみがみは自分じぶんの民たみをあなたの手てから救すくうことができなかったのに、あなたはどうしてそれを求もとめたのか」。25:16 彼かれがこう王おうに語かたると、王おうは彼かれに、「われわれはあなたを王おうの顧問こもんにしたのですか。やめなさい。あなたはどうして殺ころされようとするのですか」と言いったので、預言者よげんしゃはやめて言いった、「あなたはこの事ことを行いって、わたしのいさめを聞ききいれないゆえ、神かみはあなたを滅ほろぼそうと定さだめられたことをわたしは知しっています」。 25:17 そこでユダの王おうアマジヤは協議きょうぎの結果けっか、人ひとをエヒウの子こエホアハズの子こであるイスラエルの王おうヨアシにつかわし、「さあ、われわれは互たがいに顔かおをあわせよう」と言いわせたところ、25:18 イスラエルの王おうヨアシはユダの王おうアマジヤに言いい送おくった、「レバノンのいばらが、かつてレバノンの香柏こうはくに、『あなたの娘むすめをわたしのむすこの妻つまに与あたえよ』と言いい送おくったところが、レバノンの野獣やじゅうが通とおりかかって、そのいばらを踏ふみ倒たおした。25:19 あなたは『見みよ、わたしはエドムを撃うち破やぶった』と言いって心こころに誇ほこり高たかぶっている。しかしあなたは自分じぶんの家いえにとどまっていなさい。どうしてあなたは災わざわいを引ひき起おこして、自分じぶんもユダも共ともに滅ほろびようとするのか」。 25:20 しかしアマジヤは聞ききいれなかった。これは神かみから出でたのであって、彼かれらがエドムの神々かみがみを求もとめたので神かみは彼かれらを敵てきの手てに渡わたされるためである。25:21 そこでイスラエルの王おうヨアシは上のぼって来きて、ユダのベテシメシでユダの王おうアマジヤと顔かおを合あわせたが、25:22 ユダはイスラエルに撃うち破やぶられ、おのおのその天幕てんまくに逃にげ帰かえった。25:23 その時ときイスラエルの王おうヨアシはエホアハズの子こヨアシの子こであるユダの王おうアマジヤをベテシメシで捕とらえて、エルサレムに引ひいて行いき、エルサレムの城壁じょうへきをエフライム門もんから、隅すみの門もんまで四百キュビトほどをこわし、25:24 また神かみの宮みやのうちで、オベデエドムが守まもっていたすべての金銀きんぎんおよびもろもろの器物うつわものならびに王おうの家いえの財宝ざいほうを奪うばい、また人質ひとじちをとって、サマリヤに帰かえった。 25:25 ユダの王おうヨアシの子こアマジヤはイスラエルの王おうエホアハズの子こヨアシが死しんで後のちなお十五年ねん生いきながらえた。25:26 アマジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされているではないか。25:27 アマジヤがそむいて、主しゅに従したがわなくなった時ときから、人々ひとびとはエルサレムにおいて党とうを結むすび、彼かれに敵てきしたので、彼かれはラキシに逃にげて行いったが、その人々ひとびとはラキシに人ひとをやって、彼かれをその所ところで殺ころさせた。25:28 人々ひとびとはこれを馬うまに負おわせて持もってきて、ユダの町まちでその先祖せんぞたちと共ともにこれを葬ほうむった。 第26章 26:1 そこでユダの民たみは皆みなウジヤをとって王おうとなし、その父ちちアマジヤに代かわらせた。時ときに十六歳さいであった。26:2 彼かれはエラテを建たてて、これをふたたびユダのものにした。これはかの王おうがその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむった後のちであった。26:3 ウジヤは王おうとなった時とき十六歳さいで、エルサレムで五十二年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので名なをエコリヤといった。26:4 ウジヤは父ちちアマジヤがしたように、すべて主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。26:5 彼かれは神かみを恐おそれることを自分じぶんに教おしえたゼカリヤの世よにある日ひの間あいだ、神かみを求もとめることに努つとめた。彼かれが主しゅを求もとめた間あいだ、神かみは彼かれを栄さかえさせられた。 26:6 彼かれは出でてペリシテびとと戦たたかい、ガテの城壁じょうへき、ヤブネの城壁じょうへきおよびアシドドの城壁じょうへきをくずし、アシドドの地ちとペリシテびとのなかに町まちを建たてた。26:7 神かみは彼かれを助たすけてペリシテびとと、グルバアルに住すむアラビヤびとおよびメウニびとを攻せめ撃うたせられた。26:8 アンモンびとはウジヤにみつぎを納おさめた。ウジヤは非常ひじょうに強つよくなったので、その名なはエジプトの入口いりぐちまでも広ひろまった。26:9 ウジヤはまたエルサレムの隅すみの門もん、谷たにの門もんおよび城壁じょうへきの曲まがりかどにやぐらを建たてて、これを堅固けんごにした。26:10 彼かれはまた荒野あらのにやぐらを建たて、また多おおくの水みずためを掘ほった。彼かれは平野へいやにも平地へいちにもたくさんの家畜かちくをもっていたからである。彼かれはまた農事のうじを好このんだので、山々やまやまおよび肥こえた畑はたけには農夫のうふとぶどうをつくる者ものをもっていた。26:11 ウジヤはまたよく戦たたかう一軍団ぐんだんを持もっていた。彼かれらは書記しょきエイエルと、つかさマアセヤによって調しらべた数かずに従したがって組々くみぐみに分わかれ、皆みな王おうの軍ぐん長ちょうのひとりハナニヤの指揮しき下したにあった。26:12 その氏族しぞくの長ちょうである大だい勇士ゆうしの数かずは合あわせて二千六百人にんであった。26:13 その指揮しき下したにある軍勢ぐんぜいは三十万七千五百人にんで、皆みな大おおいなる力ちからをもって戦たたかい、王おうを助たすけて敵てきに当あたった。26:14 ウジヤはその全ぜん軍ぐんのために盾たて、やり、かぶと、よろい、弓ゆみおよび石いし投なげの石いしを備そなえた。26:15 彼かれはまたエルサレムで技術ぎじゅつ者ものの考案こうあんした機械きかいを造つくって、これをやぐらおよび城壁じょうへきのすみずみにすえ、これをもって矢やおよび大石おおいしを射出しゃしゅつした。こうして彼かれの名声めいせいは遠とおくまで広ひろまった。彼かれが驚おどろくほど神かみの助たすけを得えて強つよくなったからである。 26:16 ところが彼かれは強つよくなるに及およんで、その心こころに高たかぶり、ついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。すなわち彼かれはその神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、主しゅの宮みやにはいって香こうの祭壇さいだんの上うえに香こうをたこうとした。26:17 その時とき、祭司さいしアザリヤは主しゅの祭司さいしである勇士ゆうし八十人にんを率ひきいて、彼かれのあとに従したがってはいり、26:18 ウジヤ王おうを引ひき止とめて言いった、「ウジヤよ、主しゅに香こうをたくことはあなたのなすべきことではなく、ただアロンの子孫しそんで、香こうをたくために清きよめられた祭司さいしたちのすることです。すぐ聖所せいじょから出でなさい。あなたは罪つみを犯おかしました。あなたは主しゅなる神かみから栄さかえを得えることはできません」。26:19 するとウジヤは怒いかりを発はっし、香炉こうろを手てにとって香こうをたこうとしたが、彼かれが祭司さいしに向むかって怒いかりを発はっしている間あいだに、らい病びょうがその額ひたいに起たった。時ときに彼かれは主しゅの宮みやで祭司さいしたちの前まえ、香こうの祭壇さいだんのかたわらにいた。26:20 祭司さいしの長ちょうアザリヤおよびすべての祭司さいしたちが彼かれを見みると、彼かれの額ひたいにらい病びょうが生しょうじていたので、急いそいで彼かれをそこから追おい出だした。彼かれ自身じしんもまた主しゅに撃うたれたことを知しって、急いそいで出でて行いった。26:21 ウジヤ王おうは、死しぬ日ひまでらい病人びょうにんであった。彼かれはらい病人びょうにんであったので、離はなれ殿どのに住すんだ。主しゅの宮みやから断たたれたからである。その子こヨタムが王おうの家いえをつかさどり、国くにの民たみを治おさめた。26:22 ウジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤがこれを書かきしるした。26:23 ウジヤは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、人々ひとびとは「彼かれはらい病人びょうにんである」と言いって、王おうたちの墓はかに連つらなる墓地ぼちに、その先祖せんぞたちと共ともに葬ほうむった。その子こヨタムが彼かれに代かわって王おうとなった。 第27章 27:1 ヨタムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははザドクの娘むすめで名なをエルシャといった。27:2 ヨタムはその父ちちウジヤがしたように主しゅの良よしと見みられることをした。しかし主しゅの宮みやには、はいらなかった。民たみはなお悪あくを行おこなった。27:3 彼かれは主しゅの宮みやの上うえの門もんを建たて、オペルの石いしがきを多おおく築きずき増まし、27:4 またユダの山地さんちに数個すうこの町まちを建たて、林はやしの間あいだに城しろとやぐらを築きずいた。27:5 彼かれはアンモンびとの王おうと戦たたかってこれに勝かった。その年ねんアンモンの人々ひとびとは銀ぎん百タラント、小麦こむぎ一万コル、大麦おおむぎ一万コルを彼かれに贈おくった。アンモンの人々ひとびとは第だい二年ねんにも第だい三年ねんにも同おなじように彼かれに納おさめた。27:6 ヨタムはその神かみ、主しゅの前まえにその行おこないを堅かたくしたので力ちからある者ものとなった。27:7 ヨタムのその他たの行為こうい、そのすべての戦たたかいおよびその行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。27:8 彼かれは王おうとなった時とき、二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。27:9 ヨタムはその先祖せんぞと共ともに眠ねむったので、ダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こアハズが彼かれに代かわって王おうとなった。
16:1 アサの治世ちせいの三十六年ねんにイスラエルの王おうバアシャはユダに攻せめ上のぼり、ユダの王おうアサの所ところにだれをも出入でいりさせないためにラマを築きずいた。
16:2 そこでアサは主しゅの宮みやと王おうの家いえの宝蔵ほうぞうから金銀きんぎんを取とり出だし、ダマスコに住すんでいるスリヤの王おうベネハダデに贈おくって言いった、
16:3 「わたしの父ちちとあなたの父ちちの間あいだのように、わたしとあなたの間あいだに同盟どうめいを結むすびましょう。わたしはあなたに金銀きんぎんを贈おくります。行いって、あなたとイスラエルの王おうバアシャとの同盟どうめいを破やぶり、彼かれをわたしから撤退てったいさせてください」。
16:4 ベネハダデはアサ王おうの言いうことを聞きき、自分じぶんの軍勢ぐんぜいの長ちょうたちをつかわしてイスラエルの町々まちまちを攻せめ、イヨンとダンとアベル・マイムおよびナフタリのすべての倉くらの町まちを撃うった。
16:5 バアシャはこれを聞きいて、ラマを築きずくことをやめ、その工事こうじを廃はいした。
16:6 そこでアサ王おうはユダの全国ぜんこくの人々ひとびとを引ひき連つれ、バアシャがラマを建たてるために用もちいた石いしと木材もくざいを運はこんでこさせ、それをもってゲバとミヅパを建たてた。
16:7 そのころ先見者せんけんしゃハナニがユダの王おうアサのもとに来きて言いった、「あなたがスリヤの王おうに寄より頼たのんで、あなたの神かみ、主しゅに寄より頼たのまなかったので、スリヤ王おうの軍勢ぐんぜいはあなたの手てからのがれてしまった。
16:8 かのエチオピヤびとと、リビアびとは大軍たいぐんで、その戦車せんしゃと騎兵きへいは、はなはだ多おおかったではないか。しかしあなたが主しゅに寄より頼たのんだので、主しゅは彼かれらをあなたの手てに渡わたされた。
16:9 主しゅの目めはあまねく全ぜん地ちを行いきめぐり、自分じぶんに向むかって心こころを全まっとうする者もののために力ちからをあらわされる。今度こんどの事ことでは、あなたは愚おろかな事ことをした。ゆえにこの後のち、あなたに戦争せんそうが臨のぞむであろう」。
16:10 するとアサはその先見者せんけんしゃを怒いかって、獄屋ごくやに入いれた。この事ことのために激はげしく彼かれを怒いかったからである。アサはまたそのころ民たみのある者ものをしえたげた。
16:11 見みよ、アサの始終しじゅうの行為こういは、ユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされている。
16:12 アサはその治世ちせいの三十九年ねんに足あしを病やみ、その病やまいは激はげしくなったが、その病やまいの時ときにも、主しゅを求もとめないで医者いしゃを求もとめた。
16:13 アサは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむり、その治世ちせいの四十一年ねんに死しんだ。
16:14 人々ひとびとは彼かれが自分じぶんのためにダビデの町まちに掘ほっておいた墓はかに葬ほうむり、製せい香こうの術じゅつをもって造つくった様々さまざまの香料こうりょうを満みたした床とこに横よこたえ、彼かれのためにおびただしく香こうをたいた。
第17章 17:1 アサの子こヨシャパテがアサに代かわって王おうとなり、イスラエルに向むかって自分じぶんを強つよくし、17:2 ユダのすべての堅固けんごな町々まちまちに軍隊ぐんたいを置おき、またユダの地ちおよびその父ちちアサが取とったエフライムの町々まちまちに守備しゅび隊たいを置おいた。17:3 主しゅはヨシャパテと共ともにおられた。彼かれがその父ちちダビデの最初さいしょの道みちに歩あゆんで、バアルに求もとめず、17:4 その父ちちの神かみに求もとめて、その戒いましめに歩あゆみ、イスラエルの行おこないにならわなかったからである。17:5 それゆえ、主しゅは国くにを彼かれの手てに堅かたく立たてられ、またユダの人々ひとびとは皆みなヨシャパテに贈おくり物ものを持もってきた。彼かれは大おおいなる富とみと誉ほまれとを得えた。17:6 そこで彼かれは主しゅの道みちに心こころを励はげまし、さらに高たかき所ところとアシラ像ぞうとをユダから除のぞいた。 17:7 彼かれはまたその治世ちせいの三年ねんに、つかさたちベネハイル、オバデヤ、ゼカリヤ、ネタンエルおよびミカヤをつかわしてユダの町々まちまちで教おしえさせ、17:8 また彼かれらと共ともにレビびとのうちからシマヤ、ネタニヤ、ゼバデヤ、アサヘル、セミラモテ、ヨナタン、アドニヤ、トビヤ、トバドニヤをつかわし、またこれらのレビびとと共ともに祭司さいしエリシャマとヨラムをもつかわした。17:9 彼かれらは主しゅの律法りっぽうの書しょを携たずさえて、ユダで教おしえをなし、またユダの町々まちまちをことごとく巡回じゅんかいして、民たみの間あいだに教おしえをなした。 17:10 そこでユダの周囲しゅういの国々くにぐには皆みな主しゅを恐おそれ、ヨシャパテと戦たたかうことをしなかった。17:11 また、ペリシテびとのうちで贈おくり物ものや、みつぎの銀ぎんをヨシャパテの所ところに持もってくる者ものがあり、またアラビヤびとは雄羊おひつじ七千七百頭とう、雄おやぎ七千七百頭とうを彼かれに持もってきた。17:12 こうしてヨシャパテはますます大おおいになり、ユダに要害ようがいおよび倉くらの町まちを建たて、17:13 ユダの町々まちまちに多おおくの軍需ぐんじゅ品ひんを持もち、またエルサレムに大だい勇士ゆうしである軍人ぐんじんたちを持もっていた。17:14 彼かれらをその氏族しぞくによって数かぞえれば次つぎのとおりである。すなわちユダから出でた千人にんの長ちょうのうちでは、アデナという軍ぐん長ちょうと彼かれに従したがう大だい勇士ゆうし三十万人にん、17:15 その次つぎは軍ぐん長ちょうヨハナンと彼かれに従したがう者もの二十八万まん人にん、17:16 その次つぎは喜よろこんでその身みを主しゅにささげた者ものジクリの子こアマジヤと彼かれに従したがう大だい勇士ゆうし二十万人にん。17:17 ベニヤミンから出でた者もののうちでは、エリアダという大だい勇士ゆうしと彼かれに従したがう弓ゆみおよび盾たてを持もつ者もの二十万人にん、17:18 その次つぎはヨザバデと彼かれに従したがう戦たたかいの備そなえある者もの十八万まん人にんである。17:19 これらは皆みな王おうに仕つかえる者ものたちで、このほかにまたユダ全国ぜんこくの堅固けんごな町々まちまちに、王おうが駐在ちゅうざいさせた者ものがあった。 第18章 18:1 ヨシャパテは大おおいなる富とみと誉ほまれとをもち、アハブと縁ふちを結むすんだ。18:2 彼かれは数年すうねんの後のち、サマリヤに下くだって、アハブをおとずれた。アハブは彼かれと彼かれに従したがってきた民たみのために羊ひつじと牛うしを多おおくほふり、ラモテ・ギレアデに一緒いっしょに攻せめ上のぼることを彼かれにすすめた。18:3 イスラエルの王おうアハブはユダの王おうヨシャパテに言いった、「あなたはわたしと一緒いっしょにラモテ・ギレアデに攻せめて行いきますか」。ヨシャパテは答こたえた、「わたしはあなたと一つです、わたしの民たみはあなたの民たみと一つです。わたしはあなたと一緒いっしょに戦たたかいに臨のぞみましょう」。 18:4 ヨシャパテはまたイスラエルの王おうに言いった、「まず主しゅの言葉ことばを求もとめなさい」。18:5 そこでイスラエルの王おうは預言者よげんしゃ四百人にんを集あつめて彼かれらに言いった、「われわれはラモテ・ギレアデに、戦たたかいに行いくべきか、あるいは控ひかえるべきか」。彼かれらは言いった、「上のぼって行いきなさい。神かみはそれを王おうの手てにわたされるでしょう」。18:6 ヨシャパテは言いった、「ほかにわれわれが問とうべき主しゅの預言者よげんしゃはここにいませんか」。18:7 イスラエルの王おうはヨシャパテに言いった、「ほかになおひとりいます。われわれはこの人ひとによって主しゅに問とうことができますが、彼かれはわたしについて良よい事ことを預言よげんしたことがなく、常つねに悪わるいことだけを預言よげんするので、わたしは彼かれを憎にくみます。その者ものはイムラの子こミカヤです」。ヨシャパテは言いった、「王おうよ、そうは言いわないでください」。18:8 そこでイスラエルの王おうはひとりの役人やくにんを呼よんで、「イムラの子こミカヤを急いそいで連つれてきなさい」と言いった。18:9 さてイスラエルの王おうおよびユダの王おうヨシャパテは王おうの衣ころもを着きて、サマリヤの門もんの入口いりぐちの広場ひろばにおのおのその玉座ぎょくざに座ざし、預言者よげんしゃたちは皆みなその前まえで預言よげんしていた。18:10 ケナアナの子こゼデキヤは鉄てつの角つのを造つくって言いった、「主しゅはこう仰おおせられます、『あなたはこれらの角つのをもってスリヤびとを突ついて滅ほろぼし尽つくしなさい』」。18:11 預言者よげんしゃたちは皆みなそのように預言よげんして言いった、「ラモテ・ギレアデに上のぼっていって勝利しょうりを得えなさい。主しゅはそれを王おうの手てにわたされるでしょう」。 18:12 さてミカヤを呼よびに行いった使者ししゃは彼かれに言いった、「預言者よげんしゃたちは一致いっちして王おうに良よい事ことを言いいました。どうぞ、あなたの言葉ことばも、彼かれらのひとりの言葉ことばのようにし、良よい事ことを言いってください」。18:13 ミカヤは言いった、「主しゅは生いきておられる。わが神かみの言いわれることをわたしは申もうします」。18:14 彼かれが王おうの所ところへ行いくと、王おうは彼かれに言いった、「ミカヤよ、われわれはラモテ・ギレアデに戦たたかいに行いくべきか、あるいは控ひかえるべきか」。彼かれは言いった、「上のぼって行いって勝利しょうりを得えなさい。彼かれらはあなたの手てにわたされるでしょう」。18:15 しかし王おうは彼かれに言いった、「幾いくたびあなたを誓ちかわせたら、あなたは主しゅの名なをもって、ただ真実しんじつのみをわたしに告つげるだろうか」。18:16 彼かれは言いった、「わたしはイスラエルが皆みな牧者ぼくしゃのない羊ひつじのように山やまに散ちっているのを見みました。すると主しゅは『これらの者ものは主人しゅじんをもっていない。彼かれらをそれぞれ安やすらかに、その家いえに帰かえらせよ』と言いわれました」。18:17 イスラエルの王おうはヨシャパテに言いった、「わたしはあなたに、彼かれはわたしについて良よい事ことを預言よげんせず、ただ悪わるい事ことだけを預言よげんすると告つげたではありませんか」。18:18 ミカヤは言いった、「それだから主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。わたしは主しゅがその玉座ぎょくざに座ざし、天てんの万軍ばんぐんがその右左みぎひだりに立たっているのを見みたが、18:19 主しゅは、『だれがイスラエルの王おうアハブをいざなって、ラモテ・ギレアデに上のぼらせ、彼かれを倒たおれさせるであろうか』と言いわれた。するとひとりは、こうしようと言いい、ひとりは、ああしようと言いった。18:20 その時とき一つの霊れいが進すすみ出でて、主しゅの前まえに立たち、『わたしが彼かれをいざないましょう』と言いったので、主しゅは彼かれに『何なにをもってするか』と言いわれた。18:21 彼かれは『わたしが出でて行いって、偽いつわりを言いう霊れいとなって、すべての預言者よげんしゃの口くちに宿やどりましょう』と言いった。そこで主しゅは『おまえは彼かれをいざなって、それをなし遂とげるであろう。出でて行いって、そうしなさい』と言いわれた。18:22 それゆえ、主しゅは偽いつわりを言いう霊れいをこの預言者よげんしゃたちの口くちに入いれ、また主しゅはあなたについて災わざわいを告つげられたのです」。 18:23 するとケナアナの子こゼデキヤが近寄ちかよってミカヤのほおを打うって言いった、「主しゅの霊れいがどの道みちからわたしを離はなれて行いって、あなたに語かたりましたか」。18:24 ミカヤは言いった、「あなたが奥おくの間あいだにはいって身みを隠かくす日ひに見みるでしょう」。18:25 イスラエルの王おうは言いった、「ミカヤを捕とらえ、町まちのつかさアモンと王おうの子こヨアシの所ところへ引ひいて行いって、18:26 言いいなさい、『王おうはこう言いう、この者ものを獄屋ごくやに入いれ、少すこしばかりのパンと水みずをもって彼かれを養やしない、わたしが勝利しょうりを得えて帰かえってくるのを待まて』と」。18:27 ミカヤは言いった、「あなたがもし勝利しょうりを得えて帰かえるならば、主しゅはわたしによって語かたられなかったのです」。また彼かれは言いった、「あなたがたすべての民たみよ、聞ききなさい」。 18:28 こうしてイスラエルの王おうとユダの王おうヨシャパテは、ラモテ・ギレアデに上のぼった。18:29 イスラエルの王おうはヨシャパテに言いった、「わたしは姿すがたを変かえて戦たたかいに行いきましょう。しかしあなたは王おうの衣ころもを着つけなさい」。イスラエルの王おうは姿すがたを変かえて戦たたかいに行いった。18:30 さて、スリヤの王おうは、その戦車せんしゃ隊長たいちょうたちに命めいじて言いった、「あなたがたは小ちいさい者ものとも、大おおきい者ものとも戦たたかってはならない。ただイスラエルの王おうとのみ戦たたかいなさい」。18:31 戦車せんしゃ隊長たいちょうらはヨシャパテを見みたとき、これはきっとイスラエルの王おうだと思おもったので、身みを巡めぐらしてこれと戦たたかおうとした。しかしヨシャパテが呼よばわったので、主しゅはこれを助たすけられた。すなわち神かみは敵てきを彼かれから離はなれさせられた。18:32 戦車せんしゃ隊長たいちょうらは彼かれがイスラエルの王おうでないのを見みたので、彼かれを追おうことをやめて引ひき返かえした。18:33 しかし、ひとりの人ひとが、なにごころなく弓ゆみを引ひいて、イスラエルの王おうの胸当むねあてと、くさずりの間あいだを射いたので、彼かれはその車くるまの御者ぎょしゃに言いった、「わたしは傷きずを受うけたから、車くるまをめぐらして、わたしを軍中ぐんちゅうから運はこび出だせ」。18:34 その日ひ戦たたかいは激はげしくなった。イスラエルの王おうは車くるまの中なかに自分じぶんをささえて立たち、夕暮ゆうぐれまでスリヤびとに向むかっていたが、日ひの入いるころになって死しんだ。 第19章 19:1 ユダの王おうヨシャパテは、つつがなくエルサレムの自分じぶんの家いえに帰かえった。19:2 そのとき、先見者せんけんしゃハナニの子こエヒウが出でてヨシャパテを迎むかえて言いった、「あなたは悪人あくにんを助たすけ、主しゅを憎にくむ者ものを愛あいしてよいのですか。それゆえ怒いかりが主しゅの前まえから出でて、あなたの上うえに臨のぞみます。19:3 しかしあなたには、なお良よい事こともあります。あなたはアシラ像ぞうを国くにの中なかから除のぞき、心こころを傾かたむけて神かみを求もとめられました」。 19:4 ヨシャパテはエルサレムに住すんでいたが、また出でて、ベエルシバからエフライムの山地さんちまで民たみの中なかを巡めぐり、先祖せんぞたちの神かみ、主しゅに彼かれらを導みちびき返かえした。19:5 彼かれはまたユダの国中くにぢゅう、すべての堅固けんごな町まちごとに裁判人さいばんにんを置おいた。19:6 そして裁判人さいばんにんたちに言いった、「あなたがたは自分じぶんのする事ことに気きをつけなさい。あなたがたは人ひとのために裁判さいばんするのではなく、主しゅのためにするのです。あなたがたが裁判さいばんする時ときには、主しゅはあなたがたと共ともにおられます。19:7 だからあなたがたは主しゅを恐おそれ、慎つつしんで行おこないなさい。われわれの神かみ、主しゅには不義ふぎがなく、人ひとをかたより見みることなく、まいないを取とることもないからです」。 19:8 ヨシャパテはまたレビびと、祭司さいし、およびイスラエルの氏族しぞくの長ちょうたちを選えらんでエルサレムに置おき、主しゅのために裁判さいばんを行おこない、争議そうぎの解決かいけつに当あたらせた。彼かれらはエルサレムに居住きょじゅうした。19:9 ヨシャパテは彼かれらに命めいじて言いった、「あなたがたは主しゅを恐おそれ、真実しんじつと真心まごころとをもって行おこなわなければならない。19:10 すべてその町々まちまちに住すんでいるあなたがたの兄弟きょうだいたちから、血ちを流ながした事ことまたは律法りっぽうと戒いましめ、定さだめとおきてなどの事ことについて訴うったえてきたならば、彼かれらをさとして、主しゅの前まえに罪つみを犯おかさせず、怒いかりがあなたがたと、あなたがたの兄弟きょうだいたちに臨のぞまないようにしなさい。そのようにすれば、あなたがたは罪つみを犯おかすことがないでしょう。19:11 見みよ、祭司さいし長ちょうアマリヤは、あなたがたの上うえにいて、主しゅの事ことをすべてつかさどり、イシマエルの子こ、ユダの家いえのつかさゼバデヤは王おうの事ことをすべてつかさどり、またレビびとはあなたがたの前まえにあって役人やくにんとなります。雄々おおしく行動こうどうしなさい。主しゅは正直しょうじきな人ひとと共ともにおられます」。 第20章 20:1 この後のちモアブびと、アンモンびとおよびメウニびとらがヨシャパテと戦たたかおうと攻せめてきた。20:2 その時ときある人ひとがきて、ヨシャパテに告つげて言いった、「海うみのかなたのエドムから大軍たいぐんがあなたに攻せめて来きます。見みよ、彼かれらはハザゾン・タマル(すなわちエンゲデ)にいます」。20:3 そこでヨシャパテは恐おそれ、主しゅに顔かおを向むけて助たすけを求もとめ、ユダ全国ぜんこくに断食だんじきをふれさせた。20:4 それでユダはこぞって集あつまり、主しゅの助たすけを求もとめた。すなわちユダのすべての町まちから人々ひとびとが来きて主しゅを求もとめた。 20:5 そこでヨシャパテは主しゅの宮みやの新あたらしい庭にわの前まえで、ユダとエルサレムの会衆かいしゅうの中なかに立たって、20:6 言いった、「われわれの先祖せんぞの神かみ、主しゅよ、あなたは天てんにいます神かみではありませんか。異邦人いほうじんのすべての国くにを治おさめられるではありませんか。あなたの手てには力ちからがあり、勢いきおいがあって、あなたに逆さからいうる者ものはありません。20:7 われわれの神かみよ、あなたはこの国くにの民たみをあなたの民たみイスラエルの前まえから追おい払はらって、あなたの友ともアブラハムの子孫しそんに、これを永遠えいえんに与あたえられたではありませんか。20:8 彼かれらはここに住すみ、あなたの名なのためにここに聖所せいじょを建たてて言いいました、20:9 『つるぎ、審判しんぱん、疫病えきびょう、ききんなどの災わざわいがわれわれに臨のぞむ時とき、われわれはこの宮みやの前まえに立たって、あなたの前まえにおり、その悩なやみの中なかであなたに呼よばわります。すると、あなたは聞きいて助たすけられます。あなたの名なはこの宮みやにあるからです』と。20:10 今いまアンモン、モアブ、およびセイル山やまの人々ひとびとをごらんなさい。昔むかしイスラエルがエジプトの国くにから出でてきた時とき、あなたはイスラエルに彼かれらを侵おかすことをゆるされなかったので、イスラエルは彼かれらを離はなれて、滅ほろぼしませんでした。20:11 彼かれらがわれわれに報むくいるところをごらんください。彼かれらは来きて、あなたがわれわれに賜たまわったあなたの領地りょうちからわれわれを追おい払はらおうとしています。20:12 われわれの神かみよ、あなたは彼かれらをさばかれないのですか。われわれはこのように攻せめて来くる大軍たいぐんに当あたる力ちからがなく、またいかになすべきかを知しりません。ただ、あなたを仰あおぎ望のぞむのみです」。 20:13 ユダの人々ひとびとはその幼おさな子こ、その妻つま、および子供こどもたちと共ともに皆みな主しゅの前まえに立たっていた。20:14 その時とき主しゅの霊れいが会衆かいしゅうの中なかでアサフの子孫しそんであるレビびとヤハジエルに臨のぞんだ。ヤハジエルはゼカリヤの子こ、ゼカリヤはベナヤの子こ、ベナヤはエイエルの子こ、エイエルはマッタニヤの子こである。20:15 ヤハジエルは言いった、「ユダの人々ひとびと、エルサレムの住民じゅうみん、およびヨシャパテ王おうよ、聞ききなさい。主しゅはあなたがたにこう仰おおせられる、『この大軍たいぐんのために恐おそれてはならない。おののいてはならない。これはあなたがたの戦たたかいではなく、主しゅの戦たたかいだからである。20:16 あす、彼かれらの所ところへ攻せめ下くだりなさい。見みよ、彼かれらはヂヅの坂さかから上のぼって来くる。あなたがたはエルエルの野のの東ひがし、谷たにの端たんでこれに会あうであろう。20:17 この戦たたかいには、あなたがたは戦たたかうに及およばない。ユダおよびエルサレムよ、あなたがたは進すすみ出でて立たち、あなたがたと共ともにおられる主しゅの勝利しょうりを見みなさい。恐おそれてはならない。おののいてはならない。あす、彼かれらの所ところに攻せめて行いきなさい。主しゅはあなたがたと共ともにおられるからである』」。 20:18 ヨシャパテは地ちにひれ伏ふした。ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの民たみも主しゅの前まえに伏ふして、主しゅを拝はいした。20:19 その時ときコハテびとの子孫しそん、およびコラびとの子孫しそんであるレビびとが立たち上あがり、大声おおごえをあげてイスラエルの神かみ、主しゅをさんびした。 20:20 彼かれらは朝あさ早はやく起おきてテコアの野のに出でて行いった。その出でて行いくとき、ヨシャパテは立たって言いった、「ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの民たみよ、わたしに聞ききなさい。あなたがたの神かみ、主しゅを信しんじなさい。そうすればあなたがたは堅かたく立たつことができる。主しゅの預言者よげんしゃを信しんじなさい。そうすればあなたがたは成功せいこうするでしょう」。20:21 彼かれはまた民たみと相談そうだんして人々ひとびとを任命にんめいし、聖せいなる飾かざりを着つけて軍勢ぐんぜいの前まえに進すすませ、主しゅに向むかって歌うたをうたい、かつさんびさせ、 「主しゅに感謝かんしゃせよ、そのいつくしみはとこしえに絶たえることがない」と言いわせた。20:22 そして彼かれらが歌うたをうたい、さんびし始はじめた時とき、主しゅは伏兵ふくへいを設もうけ、かのユダに攻せめてきたアンモン、モアブ、セイル山やまの人々ひとびとに向むかわせられたので、彼かれらは打うち敗やぶられた。20:23 すなわちアンモンとモアブの人々ひとびとは立たち上あがって、セイル山やまの民たみに敵てきし、彼かれらを殺ころして全まったく滅ほろぼしたが、セイルの民たみを殺ころし尽つくすに及およんで、彼かれらもおのおの互たがいに助たすけて滅ほろぼしあった。 20:24 ユダの人々ひとびとは野のの物見ものみやぐらへ行いって、かの群衆ぐんしゅうを見みたが、地ちに倒たおれた死体したいだけであって、ひとりものがれた者ものはなかった。20:25 それでヨシャパテとその民たみは彼かれらの物ものを奪うばうために来きて見みると、多数たすうの家畜かちく、財宝ざいほう、衣服いふくおよび宝石ほうせきなどおびただしくあったので、おのおのそれをはぎ取とったが、運はこびきれないほどたくさんで、かすめ取とるに三日かもかかった。それほど物ものが多おおかったのである。20:26 四日か目めに彼かれらはベラカの谷たにに集あつまり、その所ところで主しゅを祝福しゅくふくした。それでその所ところの名なを今日こんにちまでベラカの谷たにと呼よんでいる。20:27 そしてユダとエルサレムの人々ひとびとは皆みなヨシャパテを先さきに立たて、喜よろこんでエルサレムに帰かえってきた。主しゅが彼かれらにその敵てきのことによって喜よろこびを与あたえられたからである。20:28 すなわち彼かれらは立琴たてごと、琴ことおよびラッパをもってエルサレムの主しゅの宮みやに来きた。20:29 そしてもろもろの国くにの民たみは主しゅがイスラエルの敵てきと戦たたかわれたことを聞きいて神かみを恐おそれた。20:30 こうして神かみが四方しほうに安息あんそくを賜たまわったので、ヨシャパテの国くには穏おだやかであった。 20:31 このようにヨシャパテはユダを治おさめた。彼かれは三十五歳さいの時とき、王おうとなり、二十五年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。彼かれの母ははの名なはアズバといってシルヒの娘むすめである。20:32 ヨシャパテは父ちちアサの道みちを歩あゆんでそれを離はなれず、主しゅの目めに正ただしいと見みられることを行おこなった。20:33 しかし高たかき所ところは除のぞかず、また民たみはその先祖せんぞの神かみに心こころを傾かたむけなかった。 20:34 ヨシャパテのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ハナニの子こエヒウの書しょにしるされ、イスラエルの列れつ王おうの書しょに載のせられてある。 20:35 この後のちユダの王おうヨシャパテはイスラエルの王おうアハジヤと相あい結むすんだ。アハジヤは悪あくを行おこなった。20:36 ヨシャパテはタルシシへ行いく船ふねを造つくるためにアハジヤと相あい結むすび、エジオン・ゲベルで一緒いっしょに船ふね数隻すうせきを つくった。20:37 その時ときマレシャのドダワの子こエリエゼルはヨシャパテに向むかって預言よげんし、「あなたはアハジヤと相あい結むすんだので、主しゅはあなたの造つくった物ものをこわされます」と言いったが、その船ふねは難破なんぱして、タルシシへ行いくことができなかった。 第21章 21:1 ヨシャパテは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむり、先祖せんぞたちと共ともにダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こヨラムが代かわって王おうとなった。21:2 ヨシャパテの子こであるその兄弟きょうだいたちはアザリヤ、エヒエル、ゼカリヤ、アザリヤ、ミカエルおよびシパテヤで、皆みなユダの王おうヨシャパテの子こたちであった。21:3 その父ちちは彼かれらに金きん、銀ぎん、宝物ほうもつの賜物たまものを多おおく与あたえ、またユダの要害ようがいの町々まちまちを与あたえたが、ヨラムは長子ちょうしなので、国くにはヨラムに与あたえた。21:4 ヨラムはその父ちちの位くらいに登のぼって強つよくなった時とき、その兄弟きょうだいたちをことごとくつるぎにかけて殺ころし、またユダのつかさたち数人すうにんを殺ころした。21:5 ヨラムは位くらいについた時とき三十二歳さいで、エルサレムで八年ねんの間あいだ世よを治おさめた。21:6 彼かれはアハブの家いえがしたようにイスラエルの王おうたちの道みちに歩あゆんだ。アハブの娘むすめを妻つまとしたからである。このように彼かれは主しゅの目めの前まえに悪あくをおこなったが、21:7 主しゅはさきにダビデと結むすばれた契約けいやくのゆえに、また彼かれとその子孫しそんとにながく、ともしびを与あたえると約束やくそくされたことによって、ダビデの家いえを滅ほろぼすことを好このまれなかった。 21:8 ヨラムの世よにエドムがそむいて、ユダの支配しはいを脱だっし、みずから王おうを立たてたので、21:9 ヨラムはその将校しょうこうたち、およびすべての戦車せんしゃを従したがえて渡わたって行いき、夜よるのうちに立たち上あがって、自分じぶんを包囲ほういしているエドムびととその戦車せんしゃの隊長たいちょうたちを撃うった。21:10 エドムはこのようにそむいてユダの支配しはいを脱だっし、今日こんにちに至いたっている。そのころリブナもまたそむいてユダの支配しはいを脱だっした。ヨラムが先祖せんぞたちの神かみ、主しゅを捨すてたからである。 21:11 彼かれはまたユダの山地さんちに高たかき所ところを造つくって、エルサレムの民たみに姦淫かんいんを行おこなわせ、ユダを惑まどわした。21:12 その時とき預言者よげんしゃエリヤから次つぎのような一通つうの手紙てがみがヨラムのもとに来きた、「あなたの先祖せんぞダビデの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、『あなたは父ちちヨシャパテの道みちに歩あゆまず、またユダの王おうアサの道みちに歩あゆまないで、21:13 イスラエルの王おうたちの道みちに歩あゆみ、ユダとエルサレムの民たみに、かのアハブの家いえがイスラエルに姦淫かんいんを行おこなわせたように、姦淫かんいんを行おこなわせ、またあなたの父ちちの家いえの者もので、あなたにまさっているあなたの兄弟きょうだいたちを殺ころしたゆえ、21:14 主しゅは大おおいなる災わざわいをもってあなたの民たみと子供こどもと妻つまたちと、すべての所有しょゆうを撃うたれる。21:15 あなたはまた内臓ないぞうの病気びょうきにかかって大病たいびょうになり、それが日ひに日ひに重おもくなって、ついに内臓ないぞうが出でるようになる』」。 21:16 その時とき、主しゅはヨラムに対たいしてエチオピヤびとの近ちかくに住すんでいるペリシテびととアラビヤびとの霊れいを振ふり起おこされたので、21:17 彼かれらはユダに攻せめ上のぼって、これを侵おかし、王おうの家いえにある貨か財ざいをことごとく奪うばい去さり、またヨラムの子供こどもと妻つまたちをも奪うばい去さったので、末すえの子こエホアハズのほかには、ひとりも残のこった者ものがなかった。 21:18 このもろもろの事ことの後のち、主しゅは彼かれを撃うって内臓ないぞうにいえがたい病気びょうきを起おこさせられた。21:19 時ときがたって、二年ねんの終おわりになり、その内臓ないぞうが病気びょうきのために出でて、重おもい病苦びょうくによって死しんだ。民たみは彼かれの先祖せんぞのために香こうをたいたように、彼かれのために香こうをたかなかった。21:20 ヨラムはその位くらいについた時とき三十二歳さいで、八年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめ、ついに死しんだ。ひとりも彼かれを惜おしむ者ものがなかった。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうたちの墓はかにではなかった。 第22章 22:1 エルサレムの民たみはヨラムの末すえの子こアハジヤを彼かれの代かわりに王おうとした。かつてアラビヤびとと一緒いっしょに陣営じんえいに攻せめてきた一隊たいの者ものが上うえの子こたちをことごとく殺ころしたので、ユダの王おうヨラムの子こアハジヤが王おうとなったのである。22:2 アハジヤは王おうとなった時とき四十二歳さいで、エルサレムで一年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははオムリの娘むすめで名なをアタリヤといった。22:3 アハジヤもまたアハブの家いえの道みちに歩あゆんだ。その母ははが彼かれの相談そうだん相手あいてとなって悪あくを行おこなわせたからである。22:4 彼かれはまたアハブの家いえがしたように主しゅの目めの前まえに悪あくを行おこなった。すなわちその父ちちが死しんだ後のち、アハブの家いえの者ものがその相談役そうだんやくとなったので、彼かれはついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。22:5 アハジヤはまた彼かれらの勧すすめに従したがって、イスラエルの王おうアハブの子こヨラムと共ともにラモテ・ギレアデへ行いき、スリヤの王おうハザエルと戦たたかったが、スリヤびとはヨラムに傷きずを負おわせた。22:6 そこでヨラムはスリヤの王おうハザエルと戦たたかった時とき、ラマで負おったその傷きずをいやすためにエズレルに帰かえった。ユダの王おうヨラムの子こアハジヤはアハブの子こヨラムが病気びょうきなのでエズレルに下くだってこれを見舞みまった。 22:7 アハジヤがヨラムを見舞みまいに行いったことによって滅ほろびに至いたったのは神かみによって定さだめられたことである。すなわち彼かれがそこに着ついた時とき、ヨラムと一緒いっしょに出でて、ニムシの子こエヒウを迎むかえた。エヒウは主しゅがアハブの家いえを断たち滅ほろぼすために油あぶらを注そそがれた者ものである。22:8 エヒウはアハブの家いえを罰ばっするにあたって、ユダのつかさたち、およびアハジヤの兄弟きょうだいたちの子こらがアハジヤに仕つかえているのを見みたので、彼かれらをも殺ころした。22:9 アハジヤはサマリヤに隠かくれていたが、エヒウが彼かれを捜さがし求もとめたので、人々ひとびとは彼かれを捕とらえ、エヒウのもとに引ひいてきて、彼かれを殺ころした。ただし「彼かれは心こころをつくして主しゅを求もとめたヨシャパテの子こである」と人々ひとびとは言いったのでこれを葬ほうむった。こうしてアハジヤの家いえには国くにを統すべ治おさめうる者ものがなくなった。 22:10 アハジヤの母ははアタリヤは自分じぶんの子この死しんだのを見みて、立たってユダの家いえの王子おうじをことごとく滅ほろぼしたが、22:11 王おうの娘むすめエホシバはアハジヤの子こヨアシを王おうの子こたちの殺ころされる者もののうちから盗ぬすみ取とり、彼かれとそのうばを寝室しんしつにおいた。こうしてエホシバがヨアシをアタリヤから隠かくしたので、アタリヤはヨアシを殺ころさなかった。エホシバはヨラム王おうの娘むすめ、またアハジヤの妹いもうとで、祭司さいしエホヤダの妻つまである。22:12 こうしてヨアシは神かみの宮みやに隠かくれて彼かれらと共ともにおること六年ねん、その間かんアタリヤが国くにを治おさめた。 第23章 23:1 第だい七年ねんになって、エホヤダは勇気ゆうきをだしてエロハムの子こアザリヤ、ヨハナンの子こイシマエル、オベデの子こアザリヤ、アダヤの子こマアセヤ、ジクリの子こエリシャパテなどの百人にんの長ちょうたちを招まねいて契約けいやくを結むすばせた。23:2 そこで彼かれらはユダを行いきめぐって、ユダのすべての町まちからレビびとを集あつめ、またイスラエルの氏族しぞくの長ちょうたちを集あつめて、エルサレムに来きた。23:3 そしてその会衆かいしゅうは皆みな神かみの宮みやで王おうと契約けいやくを結むすんだ。その時ときエホヤダは彼かれらに言いった、「主しゅがダビデの子孫しそんのことについて言いわれたように、王おうの子こが位くらいにつくべきです。23:4 あなたがたのなすべき事ことはこれです。すなわちあなたがた祭司さいしおよびレビびとの安息日あんそくにちにはいって来くる者ものの、三分ぶんの一は門もんを守まもる者ものとなり、23:5 三分ぶんの一は王おうの家いえにおり、三分ぶんの一は礎いしずえの門もんにおり、民たみは皆みな、主しゅの宮みやの庭にわにいなさい。23:6 祭司さいしと、勤つとめをするレビびとのほかは、だれも主しゅの宮みやに、はいってはならない。彼かれらは聖せいなる者ものであるから、はいることができる。民たみは皆みな、主しゅの命令めいれいを守まもらなければならない。23:7 レビびとはめいめい手てに武器ぶきをとって王おうのまわりに立たたなければならない。宮みやにはいる者ものをすべて殺ころしなさい。あなたがたは王おうがはいる時ときにも出でる時ときにも、王おうと共ともにいなさい」。 23:8 そこでレビびとおよびユダの人々ひとびとは、祭司さいしエホヤダがすべて命めいじたように行おこない、めいめいその組くみの者もので、安息日あんそくにちにはいって来くるべき者ものと、安息日あんそくにちに出でて行いくべき者ものを率ひきいていた。祭司さいしエホヤダが組くみの者ものを去さらせなかったからである。23:9 また祭司さいしエホヤダは、神かみの宮みやにあるダビデ王おうのやりおよび大盾おおだて、小盾こだてを百人にんの長ちょうたちに渡わたし、23:10 また王おうを守まもるために、すべての民たみにめいめい手てに武器ぶきをとらせ、宮みやの南側みなみがわから北側きたがわにわたって、祭壇さいだんと宮みやに沿そって立たたせた。23:11 こうして王おうの子こを連つれ出だして、これに冠かんむりをいただかせ、あかしの書しょを渡わたして王おうとなし、エホヤダおよびその子こたちが彼かれに油あぶらを注そそいだ。そして「王おう万歳ばんざい」と言いった。 23:12 アタリヤは民たみの走はしりながら王おうをほめる声こえを聞きいたので、主しゅの宮みやに入いり、民たみの所ところへ行いって、23:13 見みると、王おうは入口いりぐちで柱はしらのかたわらに立たち、王おうのかたわらには将軍しょうぐんたちとラッパ手てが立たっており、また国くにの民たみは皆みな喜よろこんでラッパを吹ふき、歌うたをうたう者ものは楽器がっきをもってさんびしていたので、アタリヤは衣ころもを裂さいて「反逆はんぎゃくだ、反逆はんぎゃくだ」と叫さけんだ。23:14 その時ときエホヤダは軍勢ぐんぜいを統率とうそつする百人にんの長ちょうたちを呼よび出だし、「列れつの間あいだから彼女かのじょを連つれ出だせ、彼女かのじょに従したがう者ものをつるぎで殺ころせ」と言いった。祭司さいしが彼女かのじょを主しゅの宮みやで殺ころしてはならないと言いったからである。23:15 そこで人々ひとびとは彼女かのじょに手てをかけ、王おうの家いえの馬うまの門もんの入口いりぐちまで連つれて行いき、その所ところで彼女かのじょを殺ころした。 23:16 エホヤダは自分じぶんとすべての民たみと王おうとの間あいだに、彼かれらは皆みな、主しゅの民たみとなるとの契約けいやくを結むすんだ。23:17 そこですべての民たみはバアルの家いえに行いって、それをこわし、その祭壇さいだんとその像ぞうとを打うち砕くだき、バアルの祭司さいしマッタンを祭壇さいだんの前まえで殺ころした。23:18 エホヤダはまた主しゅの宮みやの守衛しゅえいを、祭司さいしとレビびとの指揮しきのもとに置おいた。このレビびとは昔むかしダビデがモーセの律法りっぽうにしるされているように、喜よろこびと歌うたとをもって主しゅに燔祭はんさいをささげるために、主しゅの宮みやに配置はいちしたものであって、今いまそのダビデの例れいにならったものである。23:19 彼かれはまた主しゅの宮みやのもろもろの門もんに門衛もんえいを置おき、汚けがれた者ものは何なにによって汚けがれた者ものでも、はいらせないようにした。23:20 こうしてエホヤダは百人にんの長ちょうたち、貴族きぞくたち、民たみのつかさたちおよび国くにのすべての民たみを率ひきいて、主しゅの宮みやから王おうを連つれ下くだり、上うえの門もんから王おうの家いえに進すすみ、王おうを国くにの位くらいにつかせた。23:21 国くにの民たみは皆みな喜よろこんだ。町まちはアタリヤがつるぎで殺ころされた後のち、穏おだやかであった。 第24章 24:1 ヨアシは位くらいについた時とき七歳さいで、エルサレムで四十年ねんの間あいだ、世よを治おさめた。彼かれの母はははベエルシバから出でた者もので名なをヂビアといった。24:2 ヨアシは祭司さいしエホヤダの世よにある日ひの間あいだは常つねに主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。24:3 エホヤダは彼かれのためにふたりの妻つまをめとり、彼かれに男子だんしと女子じょしが生うまれた。 24:4 この後のちヨアシは主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんしようと志こころざして、24:5 祭司さいしとレビびとを集あつめて言いった、「ユダの町々まちまちへ行いって、あなたがたの神かみの宮みやを年々ねんねん修繕しゅうぜんする資金しきんをすべてのイスラエルびとから集あつめなさい。その事ことを急いそいでしなさい」。ところがレビびとはこれを急いそいでしなかった。24:6 それで王おうはかしらであるエホヤダを召めして言いった、「あなたはなぜレビびとに求もとめて、主しゅのしもべモーセがあかしの幕屋まくやのためにイスラエルの会衆かいしゅうに課かした税金ぜいきんをユダとエルサレムから取とり立たてさせないのか」。24:7 かの悪わるい女おんなアタリヤの子こらが神かみの宮みやに侵入しんにゅうして主しゅの宮みやのもろもろの奉納物ほうのうぶつをとり、バアルのために用もちいたからである。 24:8 そこで王おうは命めいじて一個この箱はこを造つくらせ、これを主しゅの宮みやの門もんの外そとに置おき、24:9 ユダとエルサレムにふれて、神かみのしもべモーセが荒野あらのでイスラエルに課かした税金ぜいきんを主しゅのために持もってこさせた。24:10 すべてのつかさたちおよびすべての民たみは皆みな喜よろこんでその税金ぜいきんを持もって来きて、その箱はこに投なげ入いれたので、ついに箱はこはいっぱいになった。24:11 レビびとはその箱はこに金きんが多おおくあるのを見みて、王おうの役人やくにんの所ところへ持もって行いくと、王おうの書記しょきと祭司さいし長ちょうの下役したやくとが来きて、その箱はこを傾かたむけ、これを取とってもとの所ところに返かえした。彼かれらは日々ひびこのようにして金きんをおびただしく集あつめた。24:12 王おうとエホヤダはこれを主しゅの宮みやの工事こうじをなす者ものに渡わたし、石工いしくおよび木工もっこうを雇やとって、主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんさせ、また鉄工てっこうおよび青銅せいどう工こうを雇やとって、主しゅの宮みやを修復しゅうふくさせた。24:13 工人こうじんたちは働はたらいたので、修復しゅうふくの工事こうじは彼かれらの手てによってはかどり、神かみの宮みやを、もとの状態じょうたいに復ふくし、これを堅固けんごにした。24:14 それをなし終おわったとき、余あまった金きんを王おうとエホヤダの前まえに持もって来きたので、それをもって主しゅの宮みやのために器物うつわものを つくった。すなわち勤つとめの器うつわ、燔祭はんさいの器うつわ、香こうの皿さら、および金銀きんぎんの器うつわを造つくった。エホヤダの世よにある日ひの間あいだは、絶たえず主しゅの宮みやで燔祭はんさいをささげた。 24:15 しかしエホヤダは年老としおい、日ひが満みちて死しんだ。その死しんだ時ときは百三十歳さいであった。24:16 人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちで王おうたちの中なかに葬ほうむった。彼かれはイスラエルにおいて神かみとその宮みやとに良よい事ことを行おこなったからである。 24:17 エホヤダの死しんだ後のち、ユダのつかさたちが来きて、うやうやしく王おうに敬意けいいを表あらわした。王おうは彼かれらに聞きき従したがった。24:18 彼かれらはその先祖せんぞの神かみ、主しゅの宮みやを捨すてて、アシラ像ぞうおよび偶像ぐうぞうに仕つかえたので、そのとがのために、怒いかりがユダとエルサレムに臨のぞんだ。24:19 主しゅは彼かれらをご自分じぶんに引ひき返かえそうとして、預言者よげんしゃたちをつかわし、彼かれらにむかってあかしをさせられたが、耳みみを傾かたむけなかった。 24:20 そこで神かみの霊れいが祭司さいしエホヤダの子こゼカリヤに臨のぞんだので、彼かれは民たみの前まえに立たち上あがって言いった、「神かみはこう仰おおせられる、『あなたがたが主しゅの戒いましめを犯おかして、災わざわいを招まねくのはどういうわけであるか。あなたがたが主しゅを捨すてたために、主しゅもあなたがたを捨すてられたのである』」。24:21 しかし人々ひとびとは彼かれを害がいしようと計はかり、王おうの命いのちによって、石いしをもって彼かれを主しゅの宮みやの庭にわで撃うち殺ころした。24:22 このようにヨアシ王おうはゼカリヤの父ちちエホヤダが自分じぶんに施ほどこした恵めぐみを思おもわず、その子こを殺ころした。ゼカリヤは死しぬ時とき、「どうぞ主しゅがこれをみそなわして罰ばっせられるように」と言いった。 24:23 年ねんの終おわりになって、スリヤの軍勢ぐんぜいはヨアシにむかって攻せめ上のぼり、ユダとエルサレムに来きて、民たみのつかさたちをことごとく民たみのうちから滅ほろぼし、そのぶんどり物ものを皆みなダマスコの王おうに送おくった。24:24 この時ときスリヤの軍勢ぐんぜいは少数しょうすうで来きたのであるが、主しゅは大軍たいぐんを彼かれらの手てに渡わたされた。これは彼かれらがその先祖せんぞの神かみ、主しゅを捨すてたためである。このように彼かれらはヨアシを罰ばっした。 24:25 スリヤ軍ぐんはヨアシに大だい傷きずを負おわせて捨すて去さったが、ヨアシの家来けらいたちは祭司さいしエホヤダの子この血ちのために、党とうを結むすんで彼かれにそむき、彼かれを床とこの上うえに殺ころして、死しなせた。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうの墓はかには葬ほうむらなかった。24:26 党とうを結むすんで彼かれにそむいた者ものは、アンモンの女おんなシメアテの子こザバデおよびモアブの女おんなシムリテの子こヨザバデであった。24:27 ヨアシの子こらのこと、ヨアシに対たいする多おおくの預言よげんおよび神かみの宮みやの修理しゅうりの事ことなどは、列れつ王おうの書しょの注釈ちゅうしゃくにしるされている。ヨアシの子こアマジヤが彼かれに代かわって王おうとなった。 第25章 25:1 アマジヤは王おうとなった時とき二十五歳さいで、二十九年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので、名なをエホアダンといった。25:2 アマジヤは主しゅの良よしと見みられることを行おこなったが、全まったき心こころをもってではなかった。25:3 彼かれは、国くにが彼かれの手てのうちに強つよくなったとき、父ちちヨアシ王おうを殺害さつがいした家来けらいたちを殺ころした。25:4 しかしその子こ供ともたちは殺ころさなかった。これはモーセの律法りっぽうの書しょにしるされている所ところに従したがったのであって、そこに主しゅは命めいじて、「父ちちは子このゆえに殺ころされるべきではない。子こは父ちちのゆえに殺ころされるべきではない。おのおの自分じぶんの罪つみのゆえに殺ころされるべきである」と言いわれている。 25:5 アマジヤはユダの人々ひとびとを集あつめ、その氏族しぞくに従したがって、千人にんの長ちょうに付属ふぞくさせ、または百人にんの長ちょうに付属ふぞくさせた。ユダとベニヤミンのすべてに行いった。そして二十歳さい以上いじょうの者ものを数かぞえたところ、やりと盾たてをとって戦たたかいに臨のぞみうる精兵せいへい三十万人にんを得えた。25:6 彼かれはまた銀ぎん百タラントをもってイスラエルから大だい勇士ゆうし十万人にんを雇やとった。25:7 その時とき、神かみの人ひとが彼かれの所ところに来きて言いった、「王おうよ、イスラエルの軍勢ぐんぜいをあなたと共ともに行いかせてはいけません。主しゅはイスラエルびと、すなわちエフライムのすべての人々ひとびととは共ともにおられないからです。25:8 もしあなたがこのような方法ほうほうで戦たたかいに強つよくなろうと思おもうならば、神かみはあなたを敵てきの前まえに倒たおされるでしょう。神かみには助たすける力ちからがあり、また倒たおす力ちからがあるからです」。25:9 アマジヤは神かみの人ひとに言いった、「それではわたしがイスラエルの軍隊ぐんたいに与あたえた百タラントをどうしましょうか」。神かみの人ひとは答こたえた、「主しゅはそれよりも多おおいものをあなたにお与あたえになることができます」。25:10 そこでアマジヤはエフライムから来きて自分じぶんに加くわわった軍隊ぐんたいを分離ぶんりして帰かえらせたので、彼かれらはユダに対たいして激はげしい怒いかりを発はっし、火ひのように怒いかって自分じぶんの所ところに帰かえった。25:11 しかしアマジヤは勇気ゆうきを出だし、その民たみを率ひきいて塩しおの谷たにへ行いき、セイルびと一万人にんを撃うち殺ころした。25:12 またユダの人々ひとびとはこのほかに一万人にんをいけどり、岩いわの頂いただきに引ひいて行いって岩いわの頂いただきから彼かれらを投なげ落おとしたので、皆みなこなごなに砕くだけた。25:13 ところがアマジヤが自分じぶんと共ともに戦たたかいに行いかせないで帰きしてやった兵卒へいそつらが、サマリヤからベテホロンまでの、ユダの町々まちまちを襲おそって三千人にんを殺ころし、多おおくの物ものを奪うばい取とった。 25:14 アマジヤはエドムびとを殺ころして帰かえった時とき、セイルびとの神々かみがみを携たずさえてきて、これを安置あんちして自分じぶんの神かみとし、これを礼拝れいはいし、これにささげ物ものをなした。25:15 それゆえ、主しゅはアマジヤに向むかって怒いかりを発はっし、預言者よげんしゃを彼かれにつかわして言いわせられた、「かの民たみの神々かみがみは自分じぶんの民たみをあなたの手てから救すくうことができなかったのに、あなたはどうしてそれを求もとめたのか」。25:16 彼かれがこう王おうに語かたると、王おうは彼かれに、「われわれはあなたを王おうの顧問こもんにしたのですか。やめなさい。あなたはどうして殺ころされようとするのですか」と言いったので、預言者よげんしゃはやめて言いった、「あなたはこの事ことを行いって、わたしのいさめを聞ききいれないゆえ、神かみはあなたを滅ほろぼそうと定さだめられたことをわたしは知しっています」。 25:17 そこでユダの王おうアマジヤは協議きょうぎの結果けっか、人ひとをエヒウの子こエホアハズの子こであるイスラエルの王おうヨアシにつかわし、「さあ、われわれは互たがいに顔かおをあわせよう」と言いわせたところ、25:18 イスラエルの王おうヨアシはユダの王おうアマジヤに言いい送おくった、「レバノンのいばらが、かつてレバノンの香柏こうはくに、『あなたの娘むすめをわたしのむすこの妻つまに与あたえよ』と言いい送おくったところが、レバノンの野獣やじゅうが通とおりかかって、そのいばらを踏ふみ倒たおした。25:19 あなたは『見みよ、わたしはエドムを撃うち破やぶった』と言いって心こころに誇ほこり高たかぶっている。しかしあなたは自分じぶんの家いえにとどまっていなさい。どうしてあなたは災わざわいを引ひき起おこして、自分じぶんもユダも共ともに滅ほろびようとするのか」。 25:20 しかしアマジヤは聞ききいれなかった。これは神かみから出でたのであって、彼かれらがエドムの神々かみがみを求もとめたので神かみは彼かれらを敵てきの手てに渡わたされるためである。25:21 そこでイスラエルの王おうヨアシは上のぼって来きて、ユダのベテシメシでユダの王おうアマジヤと顔かおを合あわせたが、25:22 ユダはイスラエルに撃うち破やぶられ、おのおのその天幕てんまくに逃にげ帰かえった。25:23 その時ときイスラエルの王おうヨアシはエホアハズの子こヨアシの子こであるユダの王おうアマジヤをベテシメシで捕とらえて、エルサレムに引ひいて行いき、エルサレムの城壁じょうへきをエフライム門もんから、隅すみの門もんまで四百キュビトほどをこわし、25:24 また神かみの宮みやのうちで、オベデエドムが守まもっていたすべての金銀きんぎんおよびもろもろの器物うつわものならびに王おうの家いえの財宝ざいほうを奪うばい、また人質ひとじちをとって、サマリヤに帰かえった。 25:25 ユダの王おうヨアシの子こアマジヤはイスラエルの王おうエホアハズの子こヨアシが死しんで後のちなお十五年ねん生いきながらえた。25:26 アマジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされているではないか。25:27 アマジヤがそむいて、主しゅに従したがわなくなった時ときから、人々ひとびとはエルサレムにおいて党とうを結むすび、彼かれに敵てきしたので、彼かれはラキシに逃にげて行いったが、その人々ひとびとはラキシに人ひとをやって、彼かれをその所ところで殺ころさせた。25:28 人々ひとびとはこれを馬うまに負おわせて持もってきて、ユダの町まちでその先祖せんぞたちと共ともにこれを葬ほうむった。 第26章 26:1 そこでユダの民たみは皆みなウジヤをとって王おうとなし、その父ちちアマジヤに代かわらせた。時ときに十六歳さいであった。26:2 彼かれはエラテを建たてて、これをふたたびユダのものにした。これはかの王おうがその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむった後のちであった。26:3 ウジヤは王おうとなった時とき十六歳さいで、エルサレムで五十二年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので名なをエコリヤといった。26:4 ウジヤは父ちちアマジヤがしたように、すべて主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。26:5 彼かれは神かみを恐おそれることを自分じぶんに教おしえたゼカリヤの世よにある日ひの間あいだ、神かみを求もとめることに努つとめた。彼かれが主しゅを求もとめた間あいだ、神かみは彼かれを栄さかえさせられた。 26:6 彼かれは出でてペリシテびとと戦たたかい、ガテの城壁じょうへき、ヤブネの城壁じょうへきおよびアシドドの城壁じょうへきをくずし、アシドドの地ちとペリシテびとのなかに町まちを建たてた。26:7 神かみは彼かれを助たすけてペリシテびとと、グルバアルに住すむアラビヤびとおよびメウニびとを攻せめ撃うたせられた。26:8 アンモンびとはウジヤにみつぎを納おさめた。ウジヤは非常ひじょうに強つよくなったので、その名なはエジプトの入口いりぐちまでも広ひろまった。26:9 ウジヤはまたエルサレムの隅すみの門もん、谷たにの門もんおよび城壁じょうへきの曲まがりかどにやぐらを建たてて、これを堅固けんごにした。26:10 彼かれはまた荒野あらのにやぐらを建たて、また多おおくの水みずためを掘ほった。彼かれは平野へいやにも平地へいちにもたくさんの家畜かちくをもっていたからである。彼かれはまた農事のうじを好このんだので、山々やまやまおよび肥こえた畑はたけには農夫のうふとぶどうをつくる者ものをもっていた。26:11 ウジヤはまたよく戦たたかう一軍団ぐんだんを持もっていた。彼かれらは書記しょきエイエルと、つかさマアセヤによって調しらべた数かずに従したがって組々くみぐみに分わかれ、皆みな王おうの軍ぐん長ちょうのひとりハナニヤの指揮しき下したにあった。26:12 その氏族しぞくの長ちょうである大だい勇士ゆうしの数かずは合あわせて二千六百人にんであった。26:13 その指揮しき下したにある軍勢ぐんぜいは三十万七千五百人にんで、皆みな大おおいなる力ちからをもって戦たたかい、王おうを助たすけて敵てきに当あたった。26:14 ウジヤはその全ぜん軍ぐんのために盾たて、やり、かぶと、よろい、弓ゆみおよび石いし投なげの石いしを備そなえた。26:15 彼かれはまたエルサレムで技術ぎじゅつ者ものの考案こうあんした機械きかいを造つくって、これをやぐらおよび城壁じょうへきのすみずみにすえ、これをもって矢やおよび大石おおいしを射出しゃしゅつした。こうして彼かれの名声めいせいは遠とおくまで広ひろまった。彼かれが驚おどろくほど神かみの助たすけを得えて強つよくなったからである。 26:16 ところが彼かれは強つよくなるに及およんで、その心こころに高たかぶり、ついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。すなわち彼かれはその神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、主しゅの宮みやにはいって香こうの祭壇さいだんの上うえに香こうをたこうとした。26:17 その時とき、祭司さいしアザリヤは主しゅの祭司さいしである勇士ゆうし八十人にんを率ひきいて、彼かれのあとに従したがってはいり、26:18 ウジヤ王おうを引ひき止とめて言いった、「ウジヤよ、主しゅに香こうをたくことはあなたのなすべきことではなく、ただアロンの子孫しそんで、香こうをたくために清きよめられた祭司さいしたちのすることです。すぐ聖所せいじょから出でなさい。あなたは罪つみを犯おかしました。あなたは主しゅなる神かみから栄さかえを得えることはできません」。26:19 するとウジヤは怒いかりを発はっし、香炉こうろを手てにとって香こうをたこうとしたが、彼かれが祭司さいしに向むかって怒いかりを発はっしている間あいだに、らい病びょうがその額ひたいに起たった。時ときに彼かれは主しゅの宮みやで祭司さいしたちの前まえ、香こうの祭壇さいだんのかたわらにいた。26:20 祭司さいしの長ちょうアザリヤおよびすべての祭司さいしたちが彼かれを見みると、彼かれの額ひたいにらい病びょうが生しょうじていたので、急いそいで彼かれをそこから追おい出だした。彼かれ自身じしんもまた主しゅに撃うたれたことを知しって、急いそいで出でて行いった。26:21 ウジヤ王おうは、死しぬ日ひまでらい病人びょうにんであった。彼かれはらい病人びょうにんであったので、離はなれ殿どのに住すんだ。主しゅの宮みやから断たたれたからである。その子こヨタムが王おうの家いえをつかさどり、国くにの民たみを治おさめた。26:22 ウジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤがこれを書かきしるした。26:23 ウジヤは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、人々ひとびとは「彼かれはらい病人びょうにんである」と言いって、王おうたちの墓はかに連つらなる墓地ぼちに、その先祖せんぞたちと共ともに葬ほうむった。その子こヨタムが彼かれに代かわって王おうとなった。 第27章 27:1 ヨタムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははザドクの娘むすめで名なをエルシャといった。27:2 ヨタムはその父ちちウジヤがしたように主しゅの良よしと見みられることをした。しかし主しゅの宮みやには、はいらなかった。民たみはなお悪あくを行おこなった。27:3 彼かれは主しゅの宮みやの上うえの門もんを建たて、オペルの石いしがきを多おおく築きずき増まし、27:4 またユダの山地さんちに数個すうこの町まちを建たて、林はやしの間あいだに城しろとやぐらを築きずいた。27:5 彼かれはアンモンびとの王おうと戦たたかってこれに勝かった。その年ねんアンモンの人々ひとびとは銀ぎん百タラント、小麦こむぎ一万コル、大麦おおむぎ一万コルを彼かれに贈おくった。アンモンの人々ひとびとは第だい二年ねんにも第だい三年ねんにも同おなじように彼かれに納おさめた。27:6 ヨタムはその神かみ、主しゅの前まえにその行おこないを堅かたくしたので力ちからある者ものとなった。27:7 ヨタムのその他たの行為こうい、そのすべての戦たたかいおよびその行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。27:8 彼かれは王おうとなった時とき、二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。27:9 ヨタムはその先祖せんぞと共ともに眠ねむったので、ダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こアハズが彼かれに代かわって王おうとなった。
17:1 アサの子こヨシャパテがアサに代かわって王おうとなり、イスラエルに向むかって自分じぶんを強つよくし、
17:2 ユダのすべての堅固けんごな町々まちまちに軍隊ぐんたいを置おき、またユダの地ちおよびその父ちちアサが取とったエフライムの町々まちまちに守備しゅび隊たいを置おいた。
17:3 主しゅはヨシャパテと共ともにおられた。彼かれがその父ちちダビデの最初さいしょの道みちに歩あゆんで、バアルに求もとめず、
17:4 その父ちちの神かみに求もとめて、その戒いましめに歩あゆみ、イスラエルの行おこないにならわなかったからである。
17:5 それゆえ、主しゅは国くにを彼かれの手てに堅かたく立たてられ、またユダの人々ひとびとは皆みなヨシャパテに贈おくり物ものを持もってきた。彼かれは大おおいなる富とみと誉ほまれとを得えた。
17:6 そこで彼かれは主しゅの道みちに心こころを励はげまし、さらに高たかき所ところとアシラ像ぞうとをユダから除のぞいた。
17:7 彼かれはまたその治世ちせいの三年ねんに、つかさたちベネハイル、オバデヤ、ゼカリヤ、ネタンエルおよびミカヤをつかわしてユダの町々まちまちで教おしえさせ、
17:8 また彼かれらと共ともにレビびとのうちからシマヤ、ネタニヤ、ゼバデヤ、アサヘル、セミラモテ、ヨナタン、アドニヤ、トビヤ、トバドニヤをつかわし、またこれらのレビびとと共ともに祭司さいしエリシャマとヨラムをもつかわした。
17:9 彼かれらは主しゅの律法りっぽうの書しょを携たずさえて、ユダで教おしえをなし、またユダの町々まちまちをことごとく巡回じゅんかいして、民たみの間あいだに教おしえをなした。
17:10 そこでユダの周囲しゅういの国々くにぐには皆みな主しゅを恐おそれ、ヨシャパテと戦たたかうことをしなかった。
17:11 また、ペリシテびとのうちで贈おくり物ものや、みつぎの銀ぎんをヨシャパテの所ところに持もってくる者ものがあり、またアラビヤびとは雄羊おひつじ七千七百頭とう、雄おやぎ七千七百頭とうを彼かれに持もってきた。
17:12 こうしてヨシャパテはますます大おおいになり、ユダに要害ようがいおよび倉くらの町まちを建たて、
17:13 ユダの町々まちまちに多おおくの軍需ぐんじゅ品ひんを持もち、またエルサレムに大だい勇士ゆうしである軍人ぐんじんたちを持もっていた。
17:14 彼かれらをその氏族しぞくによって数かぞえれば次つぎのとおりである。すなわちユダから出でた千人にんの長ちょうのうちでは、アデナという軍ぐん長ちょうと彼かれに従したがう大だい勇士ゆうし三十万人にん、
17:15 その次つぎは軍ぐん長ちょうヨハナンと彼かれに従したがう者もの二十八万まん人にん、
17:16 その次つぎは喜よろこんでその身みを主しゅにささげた者ものジクリの子こアマジヤと彼かれに従したがう大だい勇士ゆうし二十万人にん。
17:17 ベニヤミンから出でた者もののうちでは、エリアダという大だい勇士ゆうしと彼かれに従したがう弓ゆみおよび盾たてを持もつ者もの二十万人にん、
17:18 その次つぎはヨザバデと彼かれに従したがう戦たたかいの備そなえある者もの十八万まん人にんである。
17:19 これらは皆みな王おうに仕つかえる者ものたちで、このほかにまたユダ全国ぜんこくの堅固けんごな町々まちまちに、王おうが駐在ちゅうざいさせた者ものがあった。
第18章 18:1 ヨシャパテは大おおいなる富とみと誉ほまれとをもち、アハブと縁ふちを結むすんだ。18:2 彼かれは数年すうねんの後のち、サマリヤに下くだって、アハブをおとずれた。アハブは彼かれと彼かれに従したがってきた民たみのために羊ひつじと牛うしを多おおくほふり、ラモテ・ギレアデに一緒いっしょに攻せめ上のぼることを彼かれにすすめた。18:3 イスラエルの王おうアハブはユダの王おうヨシャパテに言いった、「あなたはわたしと一緒いっしょにラモテ・ギレアデに攻せめて行いきますか」。ヨシャパテは答こたえた、「わたしはあなたと一つです、わたしの民たみはあなたの民たみと一つです。わたしはあなたと一緒いっしょに戦たたかいに臨のぞみましょう」。 18:4 ヨシャパテはまたイスラエルの王おうに言いった、「まず主しゅの言葉ことばを求もとめなさい」。18:5 そこでイスラエルの王おうは預言者よげんしゃ四百人にんを集あつめて彼かれらに言いった、「われわれはラモテ・ギレアデに、戦たたかいに行いくべきか、あるいは控ひかえるべきか」。彼かれらは言いった、「上のぼって行いきなさい。神かみはそれを王おうの手てにわたされるでしょう」。18:6 ヨシャパテは言いった、「ほかにわれわれが問とうべき主しゅの預言者よげんしゃはここにいませんか」。18:7 イスラエルの王おうはヨシャパテに言いった、「ほかになおひとりいます。われわれはこの人ひとによって主しゅに問とうことができますが、彼かれはわたしについて良よい事ことを預言よげんしたことがなく、常つねに悪わるいことだけを預言よげんするので、わたしは彼かれを憎にくみます。その者ものはイムラの子こミカヤです」。ヨシャパテは言いった、「王おうよ、そうは言いわないでください」。18:8 そこでイスラエルの王おうはひとりの役人やくにんを呼よんで、「イムラの子こミカヤを急いそいで連つれてきなさい」と言いった。18:9 さてイスラエルの王おうおよびユダの王おうヨシャパテは王おうの衣ころもを着きて、サマリヤの門もんの入口いりぐちの広場ひろばにおのおのその玉座ぎょくざに座ざし、預言者よげんしゃたちは皆みなその前まえで預言よげんしていた。18:10 ケナアナの子こゼデキヤは鉄てつの角つのを造つくって言いった、「主しゅはこう仰おおせられます、『あなたはこれらの角つのをもってスリヤびとを突ついて滅ほろぼし尽つくしなさい』」。18:11 預言者よげんしゃたちは皆みなそのように預言よげんして言いった、「ラモテ・ギレアデに上のぼっていって勝利しょうりを得えなさい。主しゅはそれを王おうの手てにわたされるでしょう」。 18:12 さてミカヤを呼よびに行いった使者ししゃは彼かれに言いった、「預言者よげんしゃたちは一致いっちして王おうに良よい事ことを言いいました。どうぞ、あなたの言葉ことばも、彼かれらのひとりの言葉ことばのようにし、良よい事ことを言いってください」。18:13 ミカヤは言いった、「主しゅは生いきておられる。わが神かみの言いわれることをわたしは申もうします」。18:14 彼かれが王おうの所ところへ行いくと、王おうは彼かれに言いった、「ミカヤよ、われわれはラモテ・ギレアデに戦たたかいに行いくべきか、あるいは控ひかえるべきか」。彼かれは言いった、「上のぼって行いって勝利しょうりを得えなさい。彼かれらはあなたの手てにわたされるでしょう」。18:15 しかし王おうは彼かれに言いった、「幾いくたびあなたを誓ちかわせたら、あなたは主しゅの名なをもって、ただ真実しんじつのみをわたしに告つげるだろうか」。18:16 彼かれは言いった、「わたしはイスラエルが皆みな牧者ぼくしゃのない羊ひつじのように山やまに散ちっているのを見みました。すると主しゅは『これらの者ものは主人しゅじんをもっていない。彼かれらをそれぞれ安やすらかに、その家いえに帰かえらせよ』と言いわれました」。18:17 イスラエルの王おうはヨシャパテに言いった、「わたしはあなたに、彼かれはわたしについて良よい事ことを預言よげんせず、ただ悪わるい事ことだけを預言よげんすると告つげたではありませんか」。18:18 ミカヤは言いった、「それだから主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。わたしは主しゅがその玉座ぎょくざに座ざし、天てんの万軍ばんぐんがその右左みぎひだりに立たっているのを見みたが、18:19 主しゅは、『だれがイスラエルの王おうアハブをいざなって、ラモテ・ギレアデに上のぼらせ、彼かれを倒たおれさせるであろうか』と言いわれた。するとひとりは、こうしようと言いい、ひとりは、ああしようと言いった。18:20 その時とき一つの霊れいが進すすみ出でて、主しゅの前まえに立たち、『わたしが彼かれをいざないましょう』と言いったので、主しゅは彼かれに『何なにをもってするか』と言いわれた。18:21 彼かれは『わたしが出でて行いって、偽いつわりを言いう霊れいとなって、すべての預言者よげんしゃの口くちに宿やどりましょう』と言いった。そこで主しゅは『おまえは彼かれをいざなって、それをなし遂とげるであろう。出でて行いって、そうしなさい』と言いわれた。18:22 それゆえ、主しゅは偽いつわりを言いう霊れいをこの預言者よげんしゃたちの口くちに入いれ、また主しゅはあなたについて災わざわいを告つげられたのです」。 18:23 するとケナアナの子こゼデキヤが近寄ちかよってミカヤのほおを打うって言いった、「主しゅの霊れいがどの道みちからわたしを離はなれて行いって、あなたに語かたりましたか」。18:24 ミカヤは言いった、「あなたが奥おくの間あいだにはいって身みを隠かくす日ひに見みるでしょう」。18:25 イスラエルの王おうは言いった、「ミカヤを捕とらえ、町まちのつかさアモンと王おうの子こヨアシの所ところへ引ひいて行いって、18:26 言いいなさい、『王おうはこう言いう、この者ものを獄屋ごくやに入いれ、少すこしばかりのパンと水みずをもって彼かれを養やしない、わたしが勝利しょうりを得えて帰かえってくるのを待まて』と」。18:27 ミカヤは言いった、「あなたがもし勝利しょうりを得えて帰かえるならば、主しゅはわたしによって語かたられなかったのです」。また彼かれは言いった、「あなたがたすべての民たみよ、聞ききなさい」。 18:28 こうしてイスラエルの王おうとユダの王おうヨシャパテは、ラモテ・ギレアデに上のぼった。18:29 イスラエルの王おうはヨシャパテに言いった、「わたしは姿すがたを変かえて戦たたかいに行いきましょう。しかしあなたは王おうの衣ころもを着つけなさい」。イスラエルの王おうは姿すがたを変かえて戦たたかいに行いった。18:30 さて、スリヤの王おうは、その戦車せんしゃ隊長たいちょうたちに命めいじて言いった、「あなたがたは小ちいさい者ものとも、大おおきい者ものとも戦たたかってはならない。ただイスラエルの王おうとのみ戦たたかいなさい」。18:31 戦車せんしゃ隊長たいちょうらはヨシャパテを見みたとき、これはきっとイスラエルの王おうだと思おもったので、身みを巡めぐらしてこれと戦たたかおうとした。しかしヨシャパテが呼よばわったので、主しゅはこれを助たすけられた。すなわち神かみは敵てきを彼かれから離はなれさせられた。18:32 戦車せんしゃ隊長たいちょうらは彼かれがイスラエルの王おうでないのを見みたので、彼かれを追おうことをやめて引ひき返かえした。18:33 しかし、ひとりの人ひとが、なにごころなく弓ゆみを引ひいて、イスラエルの王おうの胸当むねあてと、くさずりの間あいだを射いたので、彼かれはその車くるまの御者ぎょしゃに言いった、「わたしは傷きずを受うけたから、車くるまをめぐらして、わたしを軍中ぐんちゅうから運はこび出だせ」。18:34 その日ひ戦たたかいは激はげしくなった。イスラエルの王おうは車くるまの中なかに自分じぶんをささえて立たち、夕暮ゆうぐれまでスリヤびとに向むかっていたが、日ひの入いるころになって死しんだ。 第19章 19:1 ユダの王おうヨシャパテは、つつがなくエルサレムの自分じぶんの家いえに帰かえった。19:2 そのとき、先見者せんけんしゃハナニの子こエヒウが出でてヨシャパテを迎むかえて言いった、「あなたは悪人あくにんを助たすけ、主しゅを憎にくむ者ものを愛あいしてよいのですか。それゆえ怒いかりが主しゅの前まえから出でて、あなたの上うえに臨のぞみます。19:3 しかしあなたには、なお良よい事こともあります。あなたはアシラ像ぞうを国くにの中なかから除のぞき、心こころを傾かたむけて神かみを求もとめられました」。 19:4 ヨシャパテはエルサレムに住すんでいたが、また出でて、ベエルシバからエフライムの山地さんちまで民たみの中なかを巡めぐり、先祖せんぞたちの神かみ、主しゅに彼かれらを導みちびき返かえした。19:5 彼かれはまたユダの国中くにぢゅう、すべての堅固けんごな町まちごとに裁判人さいばんにんを置おいた。19:6 そして裁判人さいばんにんたちに言いった、「あなたがたは自分じぶんのする事ことに気きをつけなさい。あなたがたは人ひとのために裁判さいばんするのではなく、主しゅのためにするのです。あなたがたが裁判さいばんする時ときには、主しゅはあなたがたと共ともにおられます。19:7 だからあなたがたは主しゅを恐おそれ、慎つつしんで行おこないなさい。われわれの神かみ、主しゅには不義ふぎがなく、人ひとをかたより見みることなく、まいないを取とることもないからです」。 19:8 ヨシャパテはまたレビびと、祭司さいし、およびイスラエルの氏族しぞくの長ちょうたちを選えらんでエルサレムに置おき、主しゅのために裁判さいばんを行おこない、争議そうぎの解決かいけつに当あたらせた。彼かれらはエルサレムに居住きょじゅうした。19:9 ヨシャパテは彼かれらに命めいじて言いった、「あなたがたは主しゅを恐おそれ、真実しんじつと真心まごころとをもって行おこなわなければならない。19:10 すべてその町々まちまちに住すんでいるあなたがたの兄弟きょうだいたちから、血ちを流ながした事ことまたは律法りっぽうと戒いましめ、定さだめとおきてなどの事ことについて訴うったえてきたならば、彼かれらをさとして、主しゅの前まえに罪つみを犯おかさせず、怒いかりがあなたがたと、あなたがたの兄弟きょうだいたちに臨のぞまないようにしなさい。そのようにすれば、あなたがたは罪つみを犯おかすことがないでしょう。19:11 見みよ、祭司さいし長ちょうアマリヤは、あなたがたの上うえにいて、主しゅの事ことをすべてつかさどり、イシマエルの子こ、ユダの家いえのつかさゼバデヤは王おうの事ことをすべてつかさどり、またレビびとはあなたがたの前まえにあって役人やくにんとなります。雄々おおしく行動こうどうしなさい。主しゅは正直しょうじきな人ひとと共ともにおられます」。 第20章 20:1 この後のちモアブびと、アンモンびとおよびメウニびとらがヨシャパテと戦たたかおうと攻せめてきた。20:2 その時ときある人ひとがきて、ヨシャパテに告つげて言いった、「海うみのかなたのエドムから大軍たいぐんがあなたに攻せめて来きます。見みよ、彼かれらはハザゾン・タマル(すなわちエンゲデ)にいます」。20:3 そこでヨシャパテは恐おそれ、主しゅに顔かおを向むけて助たすけを求もとめ、ユダ全国ぜんこくに断食だんじきをふれさせた。20:4 それでユダはこぞって集あつまり、主しゅの助たすけを求もとめた。すなわちユダのすべての町まちから人々ひとびとが来きて主しゅを求もとめた。 20:5 そこでヨシャパテは主しゅの宮みやの新あたらしい庭にわの前まえで、ユダとエルサレムの会衆かいしゅうの中なかに立たって、20:6 言いった、「われわれの先祖せんぞの神かみ、主しゅよ、あなたは天てんにいます神かみではありませんか。異邦人いほうじんのすべての国くにを治おさめられるではありませんか。あなたの手てには力ちからがあり、勢いきおいがあって、あなたに逆さからいうる者ものはありません。20:7 われわれの神かみよ、あなたはこの国くにの民たみをあなたの民たみイスラエルの前まえから追おい払はらって、あなたの友ともアブラハムの子孫しそんに、これを永遠えいえんに与あたえられたではありませんか。20:8 彼かれらはここに住すみ、あなたの名なのためにここに聖所せいじょを建たてて言いいました、20:9 『つるぎ、審判しんぱん、疫病えきびょう、ききんなどの災わざわいがわれわれに臨のぞむ時とき、われわれはこの宮みやの前まえに立たって、あなたの前まえにおり、その悩なやみの中なかであなたに呼よばわります。すると、あなたは聞きいて助たすけられます。あなたの名なはこの宮みやにあるからです』と。20:10 今いまアンモン、モアブ、およびセイル山やまの人々ひとびとをごらんなさい。昔むかしイスラエルがエジプトの国くにから出でてきた時とき、あなたはイスラエルに彼かれらを侵おかすことをゆるされなかったので、イスラエルは彼かれらを離はなれて、滅ほろぼしませんでした。20:11 彼かれらがわれわれに報むくいるところをごらんください。彼かれらは来きて、あなたがわれわれに賜たまわったあなたの領地りょうちからわれわれを追おい払はらおうとしています。20:12 われわれの神かみよ、あなたは彼かれらをさばかれないのですか。われわれはこのように攻せめて来くる大軍たいぐんに当あたる力ちからがなく、またいかになすべきかを知しりません。ただ、あなたを仰あおぎ望のぞむのみです」。 20:13 ユダの人々ひとびとはその幼おさな子こ、その妻つま、および子供こどもたちと共ともに皆みな主しゅの前まえに立たっていた。20:14 その時とき主しゅの霊れいが会衆かいしゅうの中なかでアサフの子孫しそんであるレビびとヤハジエルに臨のぞんだ。ヤハジエルはゼカリヤの子こ、ゼカリヤはベナヤの子こ、ベナヤはエイエルの子こ、エイエルはマッタニヤの子こである。20:15 ヤハジエルは言いった、「ユダの人々ひとびと、エルサレムの住民じゅうみん、およびヨシャパテ王おうよ、聞ききなさい。主しゅはあなたがたにこう仰おおせられる、『この大軍たいぐんのために恐おそれてはならない。おののいてはならない。これはあなたがたの戦たたかいではなく、主しゅの戦たたかいだからである。20:16 あす、彼かれらの所ところへ攻せめ下くだりなさい。見みよ、彼かれらはヂヅの坂さかから上のぼって来くる。あなたがたはエルエルの野のの東ひがし、谷たにの端たんでこれに会あうであろう。20:17 この戦たたかいには、あなたがたは戦たたかうに及およばない。ユダおよびエルサレムよ、あなたがたは進すすみ出でて立たち、あなたがたと共ともにおられる主しゅの勝利しょうりを見みなさい。恐おそれてはならない。おののいてはならない。あす、彼かれらの所ところに攻せめて行いきなさい。主しゅはあなたがたと共ともにおられるからである』」。 20:18 ヨシャパテは地ちにひれ伏ふした。ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの民たみも主しゅの前まえに伏ふして、主しゅを拝はいした。20:19 その時ときコハテびとの子孫しそん、およびコラびとの子孫しそんであるレビびとが立たち上あがり、大声おおごえをあげてイスラエルの神かみ、主しゅをさんびした。 20:20 彼かれらは朝あさ早はやく起おきてテコアの野のに出でて行いった。その出でて行いくとき、ヨシャパテは立たって言いった、「ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの民たみよ、わたしに聞ききなさい。あなたがたの神かみ、主しゅを信しんじなさい。そうすればあなたがたは堅かたく立たつことができる。主しゅの預言者よげんしゃを信しんじなさい。そうすればあなたがたは成功せいこうするでしょう」。20:21 彼かれはまた民たみと相談そうだんして人々ひとびとを任命にんめいし、聖せいなる飾かざりを着つけて軍勢ぐんぜいの前まえに進すすませ、主しゅに向むかって歌うたをうたい、かつさんびさせ、 「主しゅに感謝かんしゃせよ、そのいつくしみはとこしえに絶たえることがない」と言いわせた。20:22 そして彼かれらが歌うたをうたい、さんびし始はじめた時とき、主しゅは伏兵ふくへいを設もうけ、かのユダに攻せめてきたアンモン、モアブ、セイル山やまの人々ひとびとに向むかわせられたので、彼かれらは打うち敗やぶられた。20:23 すなわちアンモンとモアブの人々ひとびとは立たち上あがって、セイル山やまの民たみに敵てきし、彼かれらを殺ころして全まったく滅ほろぼしたが、セイルの民たみを殺ころし尽つくすに及およんで、彼かれらもおのおの互たがいに助たすけて滅ほろぼしあった。 20:24 ユダの人々ひとびとは野のの物見ものみやぐらへ行いって、かの群衆ぐんしゅうを見みたが、地ちに倒たおれた死体したいだけであって、ひとりものがれた者ものはなかった。20:25 それでヨシャパテとその民たみは彼かれらの物ものを奪うばうために来きて見みると、多数たすうの家畜かちく、財宝ざいほう、衣服いふくおよび宝石ほうせきなどおびただしくあったので、おのおのそれをはぎ取とったが、運はこびきれないほどたくさんで、かすめ取とるに三日かもかかった。それほど物ものが多おおかったのである。20:26 四日か目めに彼かれらはベラカの谷たにに集あつまり、その所ところで主しゅを祝福しゅくふくした。それでその所ところの名なを今日こんにちまでベラカの谷たにと呼よんでいる。20:27 そしてユダとエルサレムの人々ひとびとは皆みなヨシャパテを先さきに立たて、喜よろこんでエルサレムに帰かえってきた。主しゅが彼かれらにその敵てきのことによって喜よろこびを与あたえられたからである。20:28 すなわち彼かれらは立琴たてごと、琴ことおよびラッパをもってエルサレムの主しゅの宮みやに来きた。20:29 そしてもろもろの国くにの民たみは主しゅがイスラエルの敵てきと戦たたかわれたことを聞きいて神かみを恐おそれた。20:30 こうして神かみが四方しほうに安息あんそくを賜たまわったので、ヨシャパテの国くには穏おだやかであった。 20:31 このようにヨシャパテはユダを治おさめた。彼かれは三十五歳さいの時とき、王おうとなり、二十五年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。彼かれの母ははの名なはアズバといってシルヒの娘むすめである。20:32 ヨシャパテは父ちちアサの道みちを歩あゆんでそれを離はなれず、主しゅの目めに正ただしいと見みられることを行おこなった。20:33 しかし高たかき所ところは除のぞかず、また民たみはその先祖せんぞの神かみに心こころを傾かたむけなかった。 20:34 ヨシャパテのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ハナニの子こエヒウの書しょにしるされ、イスラエルの列れつ王おうの書しょに載のせられてある。 20:35 この後のちユダの王おうヨシャパテはイスラエルの王おうアハジヤと相あい結むすんだ。アハジヤは悪あくを行おこなった。20:36 ヨシャパテはタルシシへ行いく船ふねを造つくるためにアハジヤと相あい結むすび、エジオン・ゲベルで一緒いっしょに船ふね数隻すうせきを つくった。20:37 その時ときマレシャのドダワの子こエリエゼルはヨシャパテに向むかって預言よげんし、「あなたはアハジヤと相あい結むすんだので、主しゅはあなたの造つくった物ものをこわされます」と言いったが、その船ふねは難破なんぱして、タルシシへ行いくことができなかった。 第21章 21:1 ヨシャパテは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむり、先祖せんぞたちと共ともにダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こヨラムが代かわって王おうとなった。21:2 ヨシャパテの子こであるその兄弟きょうだいたちはアザリヤ、エヒエル、ゼカリヤ、アザリヤ、ミカエルおよびシパテヤで、皆みなユダの王おうヨシャパテの子こたちであった。21:3 その父ちちは彼かれらに金きん、銀ぎん、宝物ほうもつの賜物たまものを多おおく与あたえ、またユダの要害ようがいの町々まちまちを与あたえたが、ヨラムは長子ちょうしなので、国くにはヨラムに与あたえた。21:4 ヨラムはその父ちちの位くらいに登のぼって強つよくなった時とき、その兄弟きょうだいたちをことごとくつるぎにかけて殺ころし、またユダのつかさたち数人すうにんを殺ころした。21:5 ヨラムは位くらいについた時とき三十二歳さいで、エルサレムで八年ねんの間あいだ世よを治おさめた。21:6 彼かれはアハブの家いえがしたようにイスラエルの王おうたちの道みちに歩あゆんだ。アハブの娘むすめを妻つまとしたからである。このように彼かれは主しゅの目めの前まえに悪あくをおこなったが、21:7 主しゅはさきにダビデと結むすばれた契約けいやくのゆえに、また彼かれとその子孫しそんとにながく、ともしびを与あたえると約束やくそくされたことによって、ダビデの家いえを滅ほろぼすことを好このまれなかった。 21:8 ヨラムの世よにエドムがそむいて、ユダの支配しはいを脱だっし、みずから王おうを立たてたので、21:9 ヨラムはその将校しょうこうたち、およびすべての戦車せんしゃを従したがえて渡わたって行いき、夜よるのうちに立たち上あがって、自分じぶんを包囲ほういしているエドムびととその戦車せんしゃの隊長たいちょうたちを撃うった。21:10 エドムはこのようにそむいてユダの支配しはいを脱だっし、今日こんにちに至いたっている。そのころリブナもまたそむいてユダの支配しはいを脱だっした。ヨラムが先祖せんぞたちの神かみ、主しゅを捨すてたからである。 21:11 彼かれはまたユダの山地さんちに高たかき所ところを造つくって、エルサレムの民たみに姦淫かんいんを行おこなわせ、ユダを惑まどわした。21:12 その時とき預言者よげんしゃエリヤから次つぎのような一通つうの手紙てがみがヨラムのもとに来きた、「あなたの先祖せんぞダビデの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、『あなたは父ちちヨシャパテの道みちに歩あゆまず、またユダの王おうアサの道みちに歩あゆまないで、21:13 イスラエルの王おうたちの道みちに歩あゆみ、ユダとエルサレムの民たみに、かのアハブの家いえがイスラエルに姦淫かんいんを行おこなわせたように、姦淫かんいんを行おこなわせ、またあなたの父ちちの家いえの者もので、あなたにまさっているあなたの兄弟きょうだいたちを殺ころしたゆえ、21:14 主しゅは大おおいなる災わざわいをもってあなたの民たみと子供こどもと妻つまたちと、すべての所有しょゆうを撃うたれる。21:15 あなたはまた内臓ないぞうの病気びょうきにかかって大病たいびょうになり、それが日ひに日ひに重おもくなって、ついに内臓ないぞうが出でるようになる』」。 21:16 その時とき、主しゅはヨラムに対たいしてエチオピヤびとの近ちかくに住すんでいるペリシテびととアラビヤびとの霊れいを振ふり起おこされたので、21:17 彼かれらはユダに攻せめ上のぼって、これを侵おかし、王おうの家いえにある貨か財ざいをことごとく奪うばい去さり、またヨラムの子供こどもと妻つまたちをも奪うばい去さったので、末すえの子こエホアハズのほかには、ひとりも残のこった者ものがなかった。 21:18 このもろもろの事ことの後のち、主しゅは彼かれを撃うって内臓ないぞうにいえがたい病気びょうきを起おこさせられた。21:19 時ときがたって、二年ねんの終おわりになり、その内臓ないぞうが病気びょうきのために出でて、重おもい病苦びょうくによって死しんだ。民たみは彼かれの先祖せんぞのために香こうをたいたように、彼かれのために香こうをたかなかった。21:20 ヨラムはその位くらいについた時とき三十二歳さいで、八年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめ、ついに死しんだ。ひとりも彼かれを惜おしむ者ものがなかった。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうたちの墓はかにではなかった。 第22章 22:1 エルサレムの民たみはヨラムの末すえの子こアハジヤを彼かれの代かわりに王おうとした。かつてアラビヤびとと一緒いっしょに陣営じんえいに攻せめてきた一隊たいの者ものが上うえの子こたちをことごとく殺ころしたので、ユダの王おうヨラムの子こアハジヤが王おうとなったのである。22:2 アハジヤは王おうとなった時とき四十二歳さいで、エルサレムで一年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははオムリの娘むすめで名なをアタリヤといった。22:3 アハジヤもまたアハブの家いえの道みちに歩あゆんだ。その母ははが彼かれの相談そうだん相手あいてとなって悪あくを行おこなわせたからである。22:4 彼かれはまたアハブの家いえがしたように主しゅの目めの前まえに悪あくを行おこなった。すなわちその父ちちが死しんだ後のち、アハブの家いえの者ものがその相談役そうだんやくとなったので、彼かれはついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。22:5 アハジヤはまた彼かれらの勧すすめに従したがって、イスラエルの王おうアハブの子こヨラムと共ともにラモテ・ギレアデへ行いき、スリヤの王おうハザエルと戦たたかったが、スリヤびとはヨラムに傷きずを負おわせた。22:6 そこでヨラムはスリヤの王おうハザエルと戦たたかった時とき、ラマで負おったその傷きずをいやすためにエズレルに帰かえった。ユダの王おうヨラムの子こアハジヤはアハブの子こヨラムが病気びょうきなのでエズレルに下くだってこれを見舞みまった。 22:7 アハジヤがヨラムを見舞みまいに行いったことによって滅ほろびに至いたったのは神かみによって定さだめられたことである。すなわち彼かれがそこに着ついた時とき、ヨラムと一緒いっしょに出でて、ニムシの子こエヒウを迎むかえた。エヒウは主しゅがアハブの家いえを断たち滅ほろぼすために油あぶらを注そそがれた者ものである。22:8 エヒウはアハブの家いえを罰ばっするにあたって、ユダのつかさたち、およびアハジヤの兄弟きょうだいたちの子こらがアハジヤに仕つかえているのを見みたので、彼かれらをも殺ころした。22:9 アハジヤはサマリヤに隠かくれていたが、エヒウが彼かれを捜さがし求もとめたので、人々ひとびとは彼かれを捕とらえ、エヒウのもとに引ひいてきて、彼かれを殺ころした。ただし「彼かれは心こころをつくして主しゅを求もとめたヨシャパテの子こである」と人々ひとびとは言いったのでこれを葬ほうむった。こうしてアハジヤの家いえには国くにを統すべ治おさめうる者ものがなくなった。 22:10 アハジヤの母ははアタリヤは自分じぶんの子この死しんだのを見みて、立たってユダの家いえの王子おうじをことごとく滅ほろぼしたが、22:11 王おうの娘むすめエホシバはアハジヤの子こヨアシを王おうの子こたちの殺ころされる者もののうちから盗ぬすみ取とり、彼かれとそのうばを寝室しんしつにおいた。こうしてエホシバがヨアシをアタリヤから隠かくしたので、アタリヤはヨアシを殺ころさなかった。エホシバはヨラム王おうの娘むすめ、またアハジヤの妹いもうとで、祭司さいしエホヤダの妻つまである。22:12 こうしてヨアシは神かみの宮みやに隠かくれて彼かれらと共ともにおること六年ねん、その間かんアタリヤが国くにを治おさめた。 第23章 23:1 第だい七年ねんになって、エホヤダは勇気ゆうきをだしてエロハムの子こアザリヤ、ヨハナンの子こイシマエル、オベデの子こアザリヤ、アダヤの子こマアセヤ、ジクリの子こエリシャパテなどの百人にんの長ちょうたちを招まねいて契約けいやくを結むすばせた。23:2 そこで彼かれらはユダを行いきめぐって、ユダのすべての町まちからレビびとを集あつめ、またイスラエルの氏族しぞくの長ちょうたちを集あつめて、エルサレムに来きた。23:3 そしてその会衆かいしゅうは皆みな神かみの宮みやで王おうと契約けいやくを結むすんだ。その時ときエホヤダは彼かれらに言いった、「主しゅがダビデの子孫しそんのことについて言いわれたように、王おうの子こが位くらいにつくべきです。23:4 あなたがたのなすべき事ことはこれです。すなわちあなたがた祭司さいしおよびレビびとの安息日あんそくにちにはいって来くる者ものの、三分ぶんの一は門もんを守まもる者ものとなり、23:5 三分ぶんの一は王おうの家いえにおり、三分ぶんの一は礎いしずえの門もんにおり、民たみは皆みな、主しゅの宮みやの庭にわにいなさい。23:6 祭司さいしと、勤つとめをするレビびとのほかは、だれも主しゅの宮みやに、はいってはならない。彼かれらは聖せいなる者ものであるから、はいることができる。民たみは皆みな、主しゅの命令めいれいを守まもらなければならない。23:7 レビびとはめいめい手てに武器ぶきをとって王おうのまわりに立たたなければならない。宮みやにはいる者ものをすべて殺ころしなさい。あなたがたは王おうがはいる時ときにも出でる時ときにも、王おうと共ともにいなさい」。 23:8 そこでレビびとおよびユダの人々ひとびとは、祭司さいしエホヤダがすべて命めいじたように行おこない、めいめいその組くみの者もので、安息日あんそくにちにはいって来くるべき者ものと、安息日あんそくにちに出でて行いくべき者ものを率ひきいていた。祭司さいしエホヤダが組くみの者ものを去さらせなかったからである。23:9 また祭司さいしエホヤダは、神かみの宮みやにあるダビデ王おうのやりおよび大盾おおだて、小盾こだてを百人にんの長ちょうたちに渡わたし、23:10 また王おうを守まもるために、すべての民たみにめいめい手てに武器ぶきをとらせ、宮みやの南側みなみがわから北側きたがわにわたって、祭壇さいだんと宮みやに沿そって立たたせた。23:11 こうして王おうの子こを連つれ出だして、これに冠かんむりをいただかせ、あかしの書しょを渡わたして王おうとなし、エホヤダおよびその子こたちが彼かれに油あぶらを注そそいだ。そして「王おう万歳ばんざい」と言いった。 23:12 アタリヤは民たみの走はしりながら王おうをほめる声こえを聞きいたので、主しゅの宮みやに入いり、民たみの所ところへ行いって、23:13 見みると、王おうは入口いりぐちで柱はしらのかたわらに立たち、王おうのかたわらには将軍しょうぐんたちとラッパ手てが立たっており、また国くにの民たみは皆みな喜よろこんでラッパを吹ふき、歌うたをうたう者ものは楽器がっきをもってさんびしていたので、アタリヤは衣ころもを裂さいて「反逆はんぎゃくだ、反逆はんぎゃくだ」と叫さけんだ。23:14 その時ときエホヤダは軍勢ぐんぜいを統率とうそつする百人にんの長ちょうたちを呼よび出だし、「列れつの間あいだから彼女かのじょを連つれ出だせ、彼女かのじょに従したがう者ものをつるぎで殺ころせ」と言いった。祭司さいしが彼女かのじょを主しゅの宮みやで殺ころしてはならないと言いったからである。23:15 そこで人々ひとびとは彼女かのじょに手てをかけ、王おうの家いえの馬うまの門もんの入口いりぐちまで連つれて行いき、その所ところで彼女かのじょを殺ころした。 23:16 エホヤダは自分じぶんとすべての民たみと王おうとの間あいだに、彼かれらは皆みな、主しゅの民たみとなるとの契約けいやくを結むすんだ。23:17 そこですべての民たみはバアルの家いえに行いって、それをこわし、その祭壇さいだんとその像ぞうとを打うち砕くだき、バアルの祭司さいしマッタンを祭壇さいだんの前まえで殺ころした。23:18 エホヤダはまた主しゅの宮みやの守衛しゅえいを、祭司さいしとレビびとの指揮しきのもとに置おいた。このレビびとは昔むかしダビデがモーセの律法りっぽうにしるされているように、喜よろこびと歌うたとをもって主しゅに燔祭はんさいをささげるために、主しゅの宮みやに配置はいちしたものであって、今いまそのダビデの例れいにならったものである。23:19 彼かれはまた主しゅの宮みやのもろもろの門もんに門衛もんえいを置おき、汚けがれた者ものは何なにによって汚けがれた者ものでも、はいらせないようにした。23:20 こうしてエホヤダは百人にんの長ちょうたち、貴族きぞくたち、民たみのつかさたちおよび国くにのすべての民たみを率ひきいて、主しゅの宮みやから王おうを連つれ下くだり、上うえの門もんから王おうの家いえに進すすみ、王おうを国くにの位くらいにつかせた。23:21 国くにの民たみは皆みな喜よろこんだ。町まちはアタリヤがつるぎで殺ころされた後のち、穏おだやかであった。 第24章 24:1 ヨアシは位くらいについた時とき七歳さいで、エルサレムで四十年ねんの間あいだ、世よを治おさめた。彼かれの母はははベエルシバから出でた者もので名なをヂビアといった。24:2 ヨアシは祭司さいしエホヤダの世よにある日ひの間あいだは常つねに主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。24:3 エホヤダは彼かれのためにふたりの妻つまをめとり、彼かれに男子だんしと女子じょしが生うまれた。 24:4 この後のちヨアシは主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんしようと志こころざして、24:5 祭司さいしとレビびとを集あつめて言いった、「ユダの町々まちまちへ行いって、あなたがたの神かみの宮みやを年々ねんねん修繕しゅうぜんする資金しきんをすべてのイスラエルびとから集あつめなさい。その事ことを急いそいでしなさい」。ところがレビびとはこれを急いそいでしなかった。24:6 それで王おうはかしらであるエホヤダを召めして言いった、「あなたはなぜレビびとに求もとめて、主しゅのしもべモーセがあかしの幕屋まくやのためにイスラエルの会衆かいしゅうに課かした税金ぜいきんをユダとエルサレムから取とり立たてさせないのか」。24:7 かの悪わるい女おんなアタリヤの子こらが神かみの宮みやに侵入しんにゅうして主しゅの宮みやのもろもろの奉納物ほうのうぶつをとり、バアルのために用もちいたからである。 24:8 そこで王おうは命めいじて一個この箱はこを造つくらせ、これを主しゅの宮みやの門もんの外そとに置おき、24:9 ユダとエルサレムにふれて、神かみのしもべモーセが荒野あらのでイスラエルに課かした税金ぜいきんを主しゅのために持もってこさせた。24:10 すべてのつかさたちおよびすべての民たみは皆みな喜よろこんでその税金ぜいきんを持もって来きて、その箱はこに投なげ入いれたので、ついに箱はこはいっぱいになった。24:11 レビびとはその箱はこに金きんが多おおくあるのを見みて、王おうの役人やくにんの所ところへ持もって行いくと、王おうの書記しょきと祭司さいし長ちょうの下役したやくとが来きて、その箱はこを傾かたむけ、これを取とってもとの所ところに返かえした。彼かれらは日々ひびこのようにして金きんをおびただしく集あつめた。24:12 王おうとエホヤダはこれを主しゅの宮みやの工事こうじをなす者ものに渡わたし、石工いしくおよび木工もっこうを雇やとって、主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんさせ、また鉄工てっこうおよび青銅せいどう工こうを雇やとって、主しゅの宮みやを修復しゅうふくさせた。24:13 工人こうじんたちは働はたらいたので、修復しゅうふくの工事こうじは彼かれらの手てによってはかどり、神かみの宮みやを、もとの状態じょうたいに復ふくし、これを堅固けんごにした。24:14 それをなし終おわったとき、余あまった金きんを王おうとエホヤダの前まえに持もって来きたので、それをもって主しゅの宮みやのために器物うつわものを つくった。すなわち勤つとめの器うつわ、燔祭はんさいの器うつわ、香こうの皿さら、および金銀きんぎんの器うつわを造つくった。エホヤダの世よにある日ひの間あいだは、絶たえず主しゅの宮みやで燔祭はんさいをささげた。 24:15 しかしエホヤダは年老としおい、日ひが満みちて死しんだ。その死しんだ時ときは百三十歳さいであった。24:16 人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちで王おうたちの中なかに葬ほうむった。彼かれはイスラエルにおいて神かみとその宮みやとに良よい事ことを行おこなったからである。 24:17 エホヤダの死しんだ後のち、ユダのつかさたちが来きて、うやうやしく王おうに敬意けいいを表あらわした。王おうは彼かれらに聞きき従したがった。24:18 彼かれらはその先祖せんぞの神かみ、主しゅの宮みやを捨すてて、アシラ像ぞうおよび偶像ぐうぞうに仕つかえたので、そのとがのために、怒いかりがユダとエルサレムに臨のぞんだ。24:19 主しゅは彼かれらをご自分じぶんに引ひき返かえそうとして、預言者よげんしゃたちをつかわし、彼かれらにむかってあかしをさせられたが、耳みみを傾かたむけなかった。 24:20 そこで神かみの霊れいが祭司さいしエホヤダの子こゼカリヤに臨のぞんだので、彼かれは民たみの前まえに立たち上あがって言いった、「神かみはこう仰おおせられる、『あなたがたが主しゅの戒いましめを犯おかして、災わざわいを招まねくのはどういうわけであるか。あなたがたが主しゅを捨すてたために、主しゅもあなたがたを捨すてられたのである』」。24:21 しかし人々ひとびとは彼かれを害がいしようと計はかり、王おうの命いのちによって、石いしをもって彼かれを主しゅの宮みやの庭にわで撃うち殺ころした。24:22 このようにヨアシ王おうはゼカリヤの父ちちエホヤダが自分じぶんに施ほどこした恵めぐみを思おもわず、その子こを殺ころした。ゼカリヤは死しぬ時とき、「どうぞ主しゅがこれをみそなわして罰ばっせられるように」と言いった。 24:23 年ねんの終おわりになって、スリヤの軍勢ぐんぜいはヨアシにむかって攻せめ上のぼり、ユダとエルサレムに来きて、民たみのつかさたちをことごとく民たみのうちから滅ほろぼし、そのぶんどり物ものを皆みなダマスコの王おうに送おくった。24:24 この時ときスリヤの軍勢ぐんぜいは少数しょうすうで来きたのであるが、主しゅは大軍たいぐんを彼かれらの手てに渡わたされた。これは彼かれらがその先祖せんぞの神かみ、主しゅを捨すてたためである。このように彼かれらはヨアシを罰ばっした。 24:25 スリヤ軍ぐんはヨアシに大だい傷きずを負おわせて捨すて去さったが、ヨアシの家来けらいたちは祭司さいしエホヤダの子この血ちのために、党とうを結むすんで彼かれにそむき、彼かれを床とこの上うえに殺ころして、死しなせた。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうの墓はかには葬ほうむらなかった。24:26 党とうを結むすんで彼かれにそむいた者ものは、アンモンの女おんなシメアテの子こザバデおよびモアブの女おんなシムリテの子こヨザバデであった。24:27 ヨアシの子こらのこと、ヨアシに対たいする多おおくの預言よげんおよび神かみの宮みやの修理しゅうりの事ことなどは、列れつ王おうの書しょの注釈ちゅうしゃくにしるされている。ヨアシの子こアマジヤが彼かれに代かわって王おうとなった。 第25章 25:1 アマジヤは王おうとなった時とき二十五歳さいで、二十九年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので、名なをエホアダンといった。25:2 アマジヤは主しゅの良よしと見みられることを行おこなったが、全まったき心こころをもってではなかった。25:3 彼かれは、国くにが彼かれの手てのうちに強つよくなったとき、父ちちヨアシ王おうを殺害さつがいした家来けらいたちを殺ころした。25:4 しかしその子こ供ともたちは殺ころさなかった。これはモーセの律法りっぽうの書しょにしるされている所ところに従したがったのであって、そこに主しゅは命めいじて、「父ちちは子このゆえに殺ころされるべきではない。子こは父ちちのゆえに殺ころされるべきではない。おのおの自分じぶんの罪つみのゆえに殺ころされるべきである」と言いわれている。 25:5 アマジヤはユダの人々ひとびとを集あつめ、その氏族しぞくに従したがって、千人にんの長ちょうに付属ふぞくさせ、または百人にんの長ちょうに付属ふぞくさせた。ユダとベニヤミンのすべてに行いった。そして二十歳さい以上いじょうの者ものを数かぞえたところ、やりと盾たてをとって戦たたかいに臨のぞみうる精兵せいへい三十万人にんを得えた。25:6 彼かれはまた銀ぎん百タラントをもってイスラエルから大だい勇士ゆうし十万人にんを雇やとった。25:7 その時とき、神かみの人ひとが彼かれの所ところに来きて言いった、「王おうよ、イスラエルの軍勢ぐんぜいをあなたと共ともに行いかせてはいけません。主しゅはイスラエルびと、すなわちエフライムのすべての人々ひとびととは共ともにおられないからです。25:8 もしあなたがこのような方法ほうほうで戦たたかいに強つよくなろうと思おもうならば、神かみはあなたを敵てきの前まえに倒たおされるでしょう。神かみには助たすける力ちからがあり、また倒たおす力ちからがあるからです」。25:9 アマジヤは神かみの人ひとに言いった、「それではわたしがイスラエルの軍隊ぐんたいに与あたえた百タラントをどうしましょうか」。神かみの人ひとは答こたえた、「主しゅはそれよりも多おおいものをあなたにお与あたえになることができます」。25:10 そこでアマジヤはエフライムから来きて自分じぶんに加くわわった軍隊ぐんたいを分離ぶんりして帰かえらせたので、彼かれらはユダに対たいして激はげしい怒いかりを発はっし、火ひのように怒いかって自分じぶんの所ところに帰かえった。25:11 しかしアマジヤは勇気ゆうきを出だし、その民たみを率ひきいて塩しおの谷たにへ行いき、セイルびと一万人にんを撃うち殺ころした。25:12 またユダの人々ひとびとはこのほかに一万人にんをいけどり、岩いわの頂いただきに引ひいて行いって岩いわの頂いただきから彼かれらを投なげ落おとしたので、皆みなこなごなに砕くだけた。25:13 ところがアマジヤが自分じぶんと共ともに戦たたかいに行いかせないで帰きしてやった兵卒へいそつらが、サマリヤからベテホロンまでの、ユダの町々まちまちを襲おそって三千人にんを殺ころし、多おおくの物ものを奪うばい取とった。 25:14 アマジヤはエドムびとを殺ころして帰かえった時とき、セイルびとの神々かみがみを携たずさえてきて、これを安置あんちして自分じぶんの神かみとし、これを礼拝れいはいし、これにささげ物ものをなした。25:15 それゆえ、主しゅはアマジヤに向むかって怒いかりを発はっし、預言者よげんしゃを彼かれにつかわして言いわせられた、「かの民たみの神々かみがみは自分じぶんの民たみをあなたの手てから救すくうことができなかったのに、あなたはどうしてそれを求もとめたのか」。25:16 彼かれがこう王おうに語かたると、王おうは彼かれに、「われわれはあなたを王おうの顧問こもんにしたのですか。やめなさい。あなたはどうして殺ころされようとするのですか」と言いったので、預言者よげんしゃはやめて言いった、「あなたはこの事ことを行いって、わたしのいさめを聞ききいれないゆえ、神かみはあなたを滅ほろぼそうと定さだめられたことをわたしは知しっています」。 25:17 そこでユダの王おうアマジヤは協議きょうぎの結果けっか、人ひとをエヒウの子こエホアハズの子こであるイスラエルの王おうヨアシにつかわし、「さあ、われわれは互たがいに顔かおをあわせよう」と言いわせたところ、25:18 イスラエルの王おうヨアシはユダの王おうアマジヤに言いい送おくった、「レバノンのいばらが、かつてレバノンの香柏こうはくに、『あなたの娘むすめをわたしのむすこの妻つまに与あたえよ』と言いい送おくったところが、レバノンの野獣やじゅうが通とおりかかって、そのいばらを踏ふみ倒たおした。25:19 あなたは『見みよ、わたしはエドムを撃うち破やぶった』と言いって心こころに誇ほこり高たかぶっている。しかしあなたは自分じぶんの家いえにとどまっていなさい。どうしてあなたは災わざわいを引ひき起おこして、自分じぶんもユダも共ともに滅ほろびようとするのか」。 25:20 しかしアマジヤは聞ききいれなかった。これは神かみから出でたのであって、彼かれらがエドムの神々かみがみを求もとめたので神かみは彼かれらを敵てきの手てに渡わたされるためである。25:21 そこでイスラエルの王おうヨアシは上のぼって来きて、ユダのベテシメシでユダの王おうアマジヤと顔かおを合あわせたが、25:22 ユダはイスラエルに撃うち破やぶられ、おのおのその天幕てんまくに逃にげ帰かえった。25:23 その時ときイスラエルの王おうヨアシはエホアハズの子こヨアシの子こであるユダの王おうアマジヤをベテシメシで捕とらえて、エルサレムに引ひいて行いき、エルサレムの城壁じょうへきをエフライム門もんから、隅すみの門もんまで四百キュビトほどをこわし、25:24 また神かみの宮みやのうちで、オベデエドムが守まもっていたすべての金銀きんぎんおよびもろもろの器物うつわものならびに王おうの家いえの財宝ざいほうを奪うばい、また人質ひとじちをとって、サマリヤに帰かえった。 25:25 ユダの王おうヨアシの子こアマジヤはイスラエルの王おうエホアハズの子こヨアシが死しんで後のちなお十五年ねん生いきながらえた。25:26 アマジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされているではないか。25:27 アマジヤがそむいて、主しゅに従したがわなくなった時ときから、人々ひとびとはエルサレムにおいて党とうを結むすび、彼かれに敵てきしたので、彼かれはラキシに逃にげて行いったが、その人々ひとびとはラキシに人ひとをやって、彼かれをその所ところで殺ころさせた。25:28 人々ひとびとはこれを馬うまに負おわせて持もってきて、ユダの町まちでその先祖せんぞたちと共ともにこれを葬ほうむった。 第26章 26:1 そこでユダの民たみは皆みなウジヤをとって王おうとなし、その父ちちアマジヤに代かわらせた。時ときに十六歳さいであった。26:2 彼かれはエラテを建たてて、これをふたたびユダのものにした。これはかの王おうがその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむった後のちであった。26:3 ウジヤは王おうとなった時とき十六歳さいで、エルサレムで五十二年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので名なをエコリヤといった。26:4 ウジヤは父ちちアマジヤがしたように、すべて主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。26:5 彼かれは神かみを恐おそれることを自分じぶんに教おしえたゼカリヤの世よにある日ひの間あいだ、神かみを求もとめることに努つとめた。彼かれが主しゅを求もとめた間あいだ、神かみは彼かれを栄さかえさせられた。 26:6 彼かれは出でてペリシテびとと戦たたかい、ガテの城壁じょうへき、ヤブネの城壁じょうへきおよびアシドドの城壁じょうへきをくずし、アシドドの地ちとペリシテびとのなかに町まちを建たてた。26:7 神かみは彼かれを助たすけてペリシテびとと、グルバアルに住すむアラビヤびとおよびメウニびとを攻せめ撃うたせられた。26:8 アンモンびとはウジヤにみつぎを納おさめた。ウジヤは非常ひじょうに強つよくなったので、その名なはエジプトの入口いりぐちまでも広ひろまった。26:9 ウジヤはまたエルサレムの隅すみの門もん、谷たにの門もんおよび城壁じょうへきの曲まがりかどにやぐらを建たてて、これを堅固けんごにした。26:10 彼かれはまた荒野あらのにやぐらを建たて、また多おおくの水みずためを掘ほった。彼かれは平野へいやにも平地へいちにもたくさんの家畜かちくをもっていたからである。彼かれはまた農事のうじを好このんだので、山々やまやまおよび肥こえた畑はたけには農夫のうふとぶどうをつくる者ものをもっていた。26:11 ウジヤはまたよく戦たたかう一軍団ぐんだんを持もっていた。彼かれらは書記しょきエイエルと、つかさマアセヤによって調しらべた数かずに従したがって組々くみぐみに分わかれ、皆みな王おうの軍ぐん長ちょうのひとりハナニヤの指揮しき下したにあった。26:12 その氏族しぞくの長ちょうである大だい勇士ゆうしの数かずは合あわせて二千六百人にんであった。26:13 その指揮しき下したにある軍勢ぐんぜいは三十万七千五百人にんで、皆みな大おおいなる力ちからをもって戦たたかい、王おうを助たすけて敵てきに当あたった。26:14 ウジヤはその全ぜん軍ぐんのために盾たて、やり、かぶと、よろい、弓ゆみおよび石いし投なげの石いしを備そなえた。26:15 彼かれはまたエルサレムで技術ぎじゅつ者ものの考案こうあんした機械きかいを造つくって、これをやぐらおよび城壁じょうへきのすみずみにすえ、これをもって矢やおよび大石おおいしを射出しゃしゅつした。こうして彼かれの名声めいせいは遠とおくまで広ひろまった。彼かれが驚おどろくほど神かみの助たすけを得えて強つよくなったからである。 26:16 ところが彼かれは強つよくなるに及およんで、その心こころに高たかぶり、ついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。すなわち彼かれはその神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、主しゅの宮みやにはいって香こうの祭壇さいだんの上うえに香こうをたこうとした。26:17 その時とき、祭司さいしアザリヤは主しゅの祭司さいしである勇士ゆうし八十人にんを率ひきいて、彼かれのあとに従したがってはいり、26:18 ウジヤ王おうを引ひき止とめて言いった、「ウジヤよ、主しゅに香こうをたくことはあなたのなすべきことではなく、ただアロンの子孫しそんで、香こうをたくために清きよめられた祭司さいしたちのすることです。すぐ聖所せいじょから出でなさい。あなたは罪つみを犯おかしました。あなたは主しゅなる神かみから栄さかえを得えることはできません」。26:19 するとウジヤは怒いかりを発はっし、香炉こうろを手てにとって香こうをたこうとしたが、彼かれが祭司さいしに向むかって怒いかりを発はっしている間あいだに、らい病びょうがその額ひたいに起たった。時ときに彼かれは主しゅの宮みやで祭司さいしたちの前まえ、香こうの祭壇さいだんのかたわらにいた。26:20 祭司さいしの長ちょうアザリヤおよびすべての祭司さいしたちが彼かれを見みると、彼かれの額ひたいにらい病びょうが生しょうじていたので、急いそいで彼かれをそこから追おい出だした。彼かれ自身じしんもまた主しゅに撃うたれたことを知しって、急いそいで出でて行いった。26:21 ウジヤ王おうは、死しぬ日ひまでらい病人びょうにんであった。彼かれはらい病人びょうにんであったので、離はなれ殿どのに住すんだ。主しゅの宮みやから断たたれたからである。その子こヨタムが王おうの家いえをつかさどり、国くにの民たみを治おさめた。26:22 ウジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤがこれを書かきしるした。26:23 ウジヤは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、人々ひとびとは「彼かれはらい病人びょうにんである」と言いって、王おうたちの墓はかに連つらなる墓地ぼちに、その先祖せんぞたちと共ともに葬ほうむった。その子こヨタムが彼かれに代かわって王おうとなった。 第27章 27:1 ヨタムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははザドクの娘むすめで名なをエルシャといった。27:2 ヨタムはその父ちちウジヤがしたように主しゅの良よしと見みられることをした。しかし主しゅの宮みやには、はいらなかった。民たみはなお悪あくを行おこなった。27:3 彼かれは主しゅの宮みやの上うえの門もんを建たて、オペルの石いしがきを多おおく築きずき増まし、27:4 またユダの山地さんちに数個すうこの町まちを建たて、林はやしの間あいだに城しろとやぐらを築きずいた。27:5 彼かれはアンモンびとの王おうと戦たたかってこれに勝かった。その年ねんアンモンの人々ひとびとは銀ぎん百タラント、小麦こむぎ一万コル、大麦おおむぎ一万コルを彼かれに贈おくった。アンモンの人々ひとびとは第だい二年ねんにも第だい三年ねんにも同おなじように彼かれに納おさめた。27:6 ヨタムはその神かみ、主しゅの前まえにその行おこないを堅かたくしたので力ちからある者ものとなった。27:7 ヨタムのその他たの行為こうい、そのすべての戦たたかいおよびその行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。27:8 彼かれは王おうとなった時とき、二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。27:9 ヨタムはその先祖せんぞと共ともに眠ねむったので、ダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こアハズが彼かれに代かわって王おうとなった。
18:1 ヨシャパテは大おおいなる富とみと誉ほまれとをもち、アハブと縁ふちを結むすんだ。
18:2 彼かれは数年すうねんの後のち、サマリヤに下くだって、アハブをおとずれた。アハブは彼かれと彼かれに従したがってきた民たみのために羊ひつじと牛うしを多おおくほふり、ラモテ・ギレアデに一緒いっしょに攻せめ上のぼることを彼かれにすすめた。
18:3 イスラエルの王おうアハブはユダの王おうヨシャパテに言いった、「あなたはわたしと一緒いっしょにラモテ・ギレアデに攻せめて行いきますか」。ヨシャパテは答こたえた、「わたしはあなたと一つです、わたしの民たみはあなたの民たみと一つです。わたしはあなたと一緒いっしょに戦たたかいに臨のぞみましょう」。
18:4 ヨシャパテはまたイスラエルの王おうに言いった、「まず主しゅの言葉ことばを求もとめなさい」。
18:5 そこでイスラエルの王おうは預言者よげんしゃ四百人にんを集あつめて彼かれらに言いった、「われわれはラモテ・ギレアデに、戦たたかいに行いくべきか、あるいは控ひかえるべきか」。彼かれらは言いった、「上のぼって行いきなさい。神かみはそれを王おうの手てにわたされるでしょう」。
18:6 ヨシャパテは言いった、「ほかにわれわれが問とうべき主しゅの預言者よげんしゃはここにいませんか」。
18:7 イスラエルの王おうはヨシャパテに言いった、「ほかになおひとりいます。われわれはこの人ひとによって主しゅに問とうことができますが、彼かれはわたしについて良よい事ことを預言よげんしたことがなく、常つねに悪わるいことだけを預言よげんするので、わたしは彼かれを憎にくみます。その者ものはイムラの子こミカヤです」。ヨシャパテは言いった、「王おうよ、そうは言いわないでください」。
18:8 そこでイスラエルの王おうはひとりの役人やくにんを呼よんで、「イムラの子こミカヤを急いそいで連つれてきなさい」と言いった。
18:9 さてイスラエルの王おうおよびユダの王おうヨシャパテは王おうの衣ころもを着きて、サマリヤの門もんの入口いりぐちの広場ひろばにおのおのその玉座ぎょくざに座ざし、預言者よげんしゃたちは皆みなその前まえで預言よげんしていた。
18:10 ケナアナの子こゼデキヤは鉄てつの角つのを造つくって言いった、「主しゅはこう仰おおせられます、『あなたはこれらの角つのをもってスリヤびとを突ついて滅ほろぼし尽つくしなさい』」。
18:11 預言者よげんしゃたちは皆みなそのように預言よげんして言いった、「ラモテ・ギレアデに上のぼっていって勝利しょうりを得えなさい。主しゅはそれを王おうの手てにわたされるでしょう」。
18:12 さてミカヤを呼よびに行いった使者ししゃは彼かれに言いった、「預言者よげんしゃたちは一致いっちして王おうに良よい事ことを言いいました。どうぞ、あなたの言葉ことばも、彼かれらのひとりの言葉ことばのようにし、良よい事ことを言いってください」。
18:13 ミカヤは言いった、「主しゅは生いきておられる。わが神かみの言いわれることをわたしは申もうします」。
18:14 彼かれが王おうの所ところへ行いくと、王おうは彼かれに言いった、「ミカヤよ、われわれはラモテ・ギレアデに戦たたかいに行いくべきか、あるいは控ひかえるべきか」。彼かれは言いった、「上のぼって行いって勝利しょうりを得えなさい。彼かれらはあなたの手てにわたされるでしょう」。
18:15 しかし王おうは彼かれに言いった、「幾いくたびあなたを誓ちかわせたら、あなたは主しゅの名なをもって、ただ真実しんじつのみをわたしに告つげるだろうか」。
18:16 彼かれは言いった、「わたしはイスラエルが皆みな牧者ぼくしゃのない羊ひつじのように山やまに散ちっているのを見みました。すると主しゅは『これらの者ものは主人しゅじんをもっていない。彼かれらをそれぞれ安やすらかに、その家いえに帰かえらせよ』と言いわれました」。
18:17 イスラエルの王おうはヨシャパテに言いった、「わたしはあなたに、彼かれはわたしについて良よい事ことを預言よげんせず、ただ悪わるい事ことだけを預言よげんすると告つげたではありませんか」。
18:18 ミカヤは言いった、「それだから主しゅの言葉ことばを聞ききなさい。わたしは主しゅがその玉座ぎょくざに座ざし、天てんの万軍ばんぐんがその右左みぎひだりに立たっているのを見みたが、
18:19 主しゅは、『だれがイスラエルの王おうアハブをいざなって、ラモテ・ギレアデに上のぼらせ、彼かれを倒たおれさせるであろうか』と言いわれた。するとひとりは、こうしようと言いい、ひとりは、ああしようと言いった。
18:20 その時とき一つの霊れいが進すすみ出でて、主しゅの前まえに立たち、『わたしが彼かれをいざないましょう』と言いったので、主しゅは彼かれに『何なにをもってするか』と言いわれた。
18:21 彼かれは『わたしが出でて行いって、偽いつわりを言いう霊れいとなって、すべての預言者よげんしゃの口くちに宿やどりましょう』と言いった。そこで主しゅは『おまえは彼かれをいざなって、それをなし遂とげるであろう。出でて行いって、そうしなさい』と言いわれた。
18:22 それゆえ、主しゅは偽いつわりを言いう霊れいをこの預言者よげんしゃたちの口くちに入いれ、また主しゅはあなたについて災わざわいを告つげられたのです」。
18:23 するとケナアナの子こゼデキヤが近寄ちかよってミカヤのほおを打うって言いった、「主しゅの霊れいがどの道みちからわたしを離はなれて行いって、あなたに語かたりましたか」。
18:24 ミカヤは言いった、「あなたが奥おくの間あいだにはいって身みを隠かくす日ひに見みるでしょう」。
18:25 イスラエルの王おうは言いった、「ミカヤを捕とらえ、町まちのつかさアモンと王おうの子こヨアシの所ところへ引ひいて行いって、
18:26 言いいなさい、『王おうはこう言いう、この者ものを獄屋ごくやに入いれ、少すこしばかりのパンと水みずをもって彼かれを養やしない、わたしが勝利しょうりを得えて帰かえってくるのを待まて』と」。
18:27 ミカヤは言いった、「あなたがもし勝利しょうりを得えて帰かえるならば、主しゅはわたしによって語かたられなかったのです」。また彼かれは言いった、「あなたがたすべての民たみよ、聞ききなさい」。
18:28 こうしてイスラエルの王おうとユダの王おうヨシャパテは、ラモテ・ギレアデに上のぼった。
18:29 イスラエルの王おうはヨシャパテに言いった、「わたしは姿すがたを変かえて戦たたかいに行いきましょう。しかしあなたは王おうの衣ころもを着つけなさい」。イスラエルの王おうは姿すがたを変かえて戦たたかいに行いった。
18:30 さて、スリヤの王おうは、その戦車せんしゃ隊長たいちょうたちに命めいじて言いった、「あなたがたは小ちいさい者ものとも、大おおきい者ものとも戦たたかってはならない。ただイスラエルの王おうとのみ戦たたかいなさい」。
18:31 戦車せんしゃ隊長たいちょうらはヨシャパテを見みたとき、これはきっとイスラエルの王おうだと思おもったので、身みを巡めぐらしてこれと戦たたかおうとした。しかしヨシャパテが呼よばわったので、主しゅはこれを助たすけられた。すなわち神かみは敵てきを彼かれから離はなれさせられた。
18:32 戦車せんしゃ隊長たいちょうらは彼かれがイスラエルの王おうでないのを見みたので、彼かれを追おうことをやめて引ひき返かえした。
18:33 しかし、ひとりの人ひとが、なにごころなく弓ゆみを引ひいて、イスラエルの王おうの胸当むねあてと、くさずりの間あいだを射いたので、彼かれはその車くるまの御者ぎょしゃに言いった、「わたしは傷きずを受うけたから、車くるまをめぐらして、わたしを軍中ぐんちゅうから運はこび出だせ」。
18:34 その日ひ戦たたかいは激はげしくなった。イスラエルの王おうは車くるまの中なかに自分じぶんをささえて立たち、夕暮ゆうぐれまでスリヤびとに向むかっていたが、日ひの入いるころになって死しんだ。
第19章 19:1 ユダの王おうヨシャパテは、つつがなくエルサレムの自分じぶんの家いえに帰かえった。19:2 そのとき、先見者せんけんしゃハナニの子こエヒウが出でてヨシャパテを迎むかえて言いった、「あなたは悪人あくにんを助たすけ、主しゅを憎にくむ者ものを愛あいしてよいのですか。それゆえ怒いかりが主しゅの前まえから出でて、あなたの上うえに臨のぞみます。19:3 しかしあなたには、なお良よい事こともあります。あなたはアシラ像ぞうを国くにの中なかから除のぞき、心こころを傾かたむけて神かみを求もとめられました」。 19:4 ヨシャパテはエルサレムに住すんでいたが、また出でて、ベエルシバからエフライムの山地さんちまで民たみの中なかを巡めぐり、先祖せんぞたちの神かみ、主しゅに彼かれらを導みちびき返かえした。19:5 彼かれはまたユダの国中くにぢゅう、すべての堅固けんごな町まちごとに裁判人さいばんにんを置おいた。19:6 そして裁判人さいばんにんたちに言いった、「あなたがたは自分じぶんのする事ことに気きをつけなさい。あなたがたは人ひとのために裁判さいばんするのではなく、主しゅのためにするのです。あなたがたが裁判さいばんする時ときには、主しゅはあなたがたと共ともにおられます。19:7 だからあなたがたは主しゅを恐おそれ、慎つつしんで行おこないなさい。われわれの神かみ、主しゅには不義ふぎがなく、人ひとをかたより見みることなく、まいないを取とることもないからです」。 19:8 ヨシャパテはまたレビびと、祭司さいし、およびイスラエルの氏族しぞくの長ちょうたちを選えらんでエルサレムに置おき、主しゅのために裁判さいばんを行おこない、争議そうぎの解決かいけつに当あたらせた。彼かれらはエルサレムに居住きょじゅうした。19:9 ヨシャパテは彼かれらに命めいじて言いった、「あなたがたは主しゅを恐おそれ、真実しんじつと真心まごころとをもって行おこなわなければならない。19:10 すべてその町々まちまちに住すんでいるあなたがたの兄弟きょうだいたちから、血ちを流ながした事ことまたは律法りっぽうと戒いましめ、定さだめとおきてなどの事ことについて訴うったえてきたならば、彼かれらをさとして、主しゅの前まえに罪つみを犯おかさせず、怒いかりがあなたがたと、あなたがたの兄弟きょうだいたちに臨のぞまないようにしなさい。そのようにすれば、あなたがたは罪つみを犯おかすことがないでしょう。19:11 見みよ、祭司さいし長ちょうアマリヤは、あなたがたの上うえにいて、主しゅの事ことをすべてつかさどり、イシマエルの子こ、ユダの家いえのつかさゼバデヤは王おうの事ことをすべてつかさどり、またレビびとはあなたがたの前まえにあって役人やくにんとなります。雄々おおしく行動こうどうしなさい。主しゅは正直しょうじきな人ひとと共ともにおられます」。 第20章 20:1 この後のちモアブびと、アンモンびとおよびメウニびとらがヨシャパテと戦たたかおうと攻せめてきた。20:2 その時ときある人ひとがきて、ヨシャパテに告つげて言いった、「海うみのかなたのエドムから大軍たいぐんがあなたに攻せめて来きます。見みよ、彼かれらはハザゾン・タマル(すなわちエンゲデ)にいます」。20:3 そこでヨシャパテは恐おそれ、主しゅに顔かおを向むけて助たすけを求もとめ、ユダ全国ぜんこくに断食だんじきをふれさせた。20:4 それでユダはこぞって集あつまり、主しゅの助たすけを求もとめた。すなわちユダのすべての町まちから人々ひとびとが来きて主しゅを求もとめた。 20:5 そこでヨシャパテは主しゅの宮みやの新あたらしい庭にわの前まえで、ユダとエルサレムの会衆かいしゅうの中なかに立たって、20:6 言いった、「われわれの先祖せんぞの神かみ、主しゅよ、あなたは天てんにいます神かみではありませんか。異邦人いほうじんのすべての国くにを治おさめられるではありませんか。あなたの手てには力ちからがあり、勢いきおいがあって、あなたに逆さからいうる者ものはありません。20:7 われわれの神かみよ、あなたはこの国くにの民たみをあなたの民たみイスラエルの前まえから追おい払はらって、あなたの友ともアブラハムの子孫しそんに、これを永遠えいえんに与あたえられたではありませんか。20:8 彼かれらはここに住すみ、あなたの名なのためにここに聖所せいじょを建たてて言いいました、20:9 『つるぎ、審判しんぱん、疫病えきびょう、ききんなどの災わざわいがわれわれに臨のぞむ時とき、われわれはこの宮みやの前まえに立たって、あなたの前まえにおり、その悩なやみの中なかであなたに呼よばわります。すると、あなたは聞きいて助たすけられます。あなたの名なはこの宮みやにあるからです』と。20:10 今いまアンモン、モアブ、およびセイル山やまの人々ひとびとをごらんなさい。昔むかしイスラエルがエジプトの国くにから出でてきた時とき、あなたはイスラエルに彼かれらを侵おかすことをゆるされなかったので、イスラエルは彼かれらを離はなれて、滅ほろぼしませんでした。20:11 彼かれらがわれわれに報むくいるところをごらんください。彼かれらは来きて、あなたがわれわれに賜たまわったあなたの領地りょうちからわれわれを追おい払はらおうとしています。20:12 われわれの神かみよ、あなたは彼かれらをさばかれないのですか。われわれはこのように攻せめて来くる大軍たいぐんに当あたる力ちからがなく、またいかになすべきかを知しりません。ただ、あなたを仰あおぎ望のぞむのみです」。 20:13 ユダの人々ひとびとはその幼おさな子こ、その妻つま、および子供こどもたちと共ともに皆みな主しゅの前まえに立たっていた。20:14 その時とき主しゅの霊れいが会衆かいしゅうの中なかでアサフの子孫しそんであるレビびとヤハジエルに臨のぞんだ。ヤハジエルはゼカリヤの子こ、ゼカリヤはベナヤの子こ、ベナヤはエイエルの子こ、エイエルはマッタニヤの子こである。20:15 ヤハジエルは言いった、「ユダの人々ひとびと、エルサレムの住民じゅうみん、およびヨシャパテ王おうよ、聞ききなさい。主しゅはあなたがたにこう仰おおせられる、『この大軍たいぐんのために恐おそれてはならない。おののいてはならない。これはあなたがたの戦たたかいではなく、主しゅの戦たたかいだからである。20:16 あす、彼かれらの所ところへ攻せめ下くだりなさい。見みよ、彼かれらはヂヅの坂さかから上のぼって来くる。あなたがたはエルエルの野のの東ひがし、谷たにの端たんでこれに会あうであろう。20:17 この戦たたかいには、あなたがたは戦たたかうに及およばない。ユダおよびエルサレムよ、あなたがたは進すすみ出でて立たち、あなたがたと共ともにおられる主しゅの勝利しょうりを見みなさい。恐おそれてはならない。おののいてはならない。あす、彼かれらの所ところに攻せめて行いきなさい。主しゅはあなたがたと共ともにおられるからである』」。 20:18 ヨシャパテは地ちにひれ伏ふした。ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの民たみも主しゅの前まえに伏ふして、主しゅを拝はいした。20:19 その時ときコハテびとの子孫しそん、およびコラびとの子孫しそんであるレビびとが立たち上あがり、大声おおごえをあげてイスラエルの神かみ、主しゅをさんびした。 20:20 彼かれらは朝あさ早はやく起おきてテコアの野のに出でて行いった。その出でて行いくとき、ヨシャパテは立たって言いった、「ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの民たみよ、わたしに聞ききなさい。あなたがたの神かみ、主しゅを信しんじなさい。そうすればあなたがたは堅かたく立たつことができる。主しゅの預言者よげんしゃを信しんじなさい。そうすればあなたがたは成功せいこうするでしょう」。20:21 彼かれはまた民たみと相談そうだんして人々ひとびとを任命にんめいし、聖せいなる飾かざりを着つけて軍勢ぐんぜいの前まえに進すすませ、主しゅに向むかって歌うたをうたい、かつさんびさせ、 「主しゅに感謝かんしゃせよ、そのいつくしみはとこしえに絶たえることがない」と言いわせた。20:22 そして彼かれらが歌うたをうたい、さんびし始はじめた時とき、主しゅは伏兵ふくへいを設もうけ、かのユダに攻せめてきたアンモン、モアブ、セイル山やまの人々ひとびとに向むかわせられたので、彼かれらは打うち敗やぶられた。20:23 すなわちアンモンとモアブの人々ひとびとは立たち上あがって、セイル山やまの民たみに敵てきし、彼かれらを殺ころして全まったく滅ほろぼしたが、セイルの民たみを殺ころし尽つくすに及およんで、彼かれらもおのおの互たがいに助たすけて滅ほろぼしあった。 20:24 ユダの人々ひとびとは野のの物見ものみやぐらへ行いって、かの群衆ぐんしゅうを見みたが、地ちに倒たおれた死体したいだけであって、ひとりものがれた者ものはなかった。20:25 それでヨシャパテとその民たみは彼かれらの物ものを奪うばうために来きて見みると、多数たすうの家畜かちく、財宝ざいほう、衣服いふくおよび宝石ほうせきなどおびただしくあったので、おのおのそれをはぎ取とったが、運はこびきれないほどたくさんで、かすめ取とるに三日かもかかった。それほど物ものが多おおかったのである。20:26 四日か目めに彼かれらはベラカの谷たにに集あつまり、その所ところで主しゅを祝福しゅくふくした。それでその所ところの名なを今日こんにちまでベラカの谷たにと呼よんでいる。20:27 そしてユダとエルサレムの人々ひとびとは皆みなヨシャパテを先さきに立たて、喜よろこんでエルサレムに帰かえってきた。主しゅが彼かれらにその敵てきのことによって喜よろこびを与あたえられたからである。20:28 すなわち彼かれらは立琴たてごと、琴ことおよびラッパをもってエルサレムの主しゅの宮みやに来きた。20:29 そしてもろもろの国くにの民たみは主しゅがイスラエルの敵てきと戦たたかわれたことを聞きいて神かみを恐おそれた。20:30 こうして神かみが四方しほうに安息あんそくを賜たまわったので、ヨシャパテの国くには穏おだやかであった。 20:31 このようにヨシャパテはユダを治おさめた。彼かれは三十五歳さいの時とき、王おうとなり、二十五年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。彼かれの母ははの名なはアズバといってシルヒの娘むすめである。20:32 ヨシャパテは父ちちアサの道みちを歩あゆんでそれを離はなれず、主しゅの目めに正ただしいと見みられることを行おこなった。20:33 しかし高たかき所ところは除のぞかず、また民たみはその先祖せんぞの神かみに心こころを傾かたむけなかった。 20:34 ヨシャパテのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ハナニの子こエヒウの書しょにしるされ、イスラエルの列れつ王おうの書しょに載のせられてある。 20:35 この後のちユダの王おうヨシャパテはイスラエルの王おうアハジヤと相あい結むすんだ。アハジヤは悪あくを行おこなった。20:36 ヨシャパテはタルシシへ行いく船ふねを造つくるためにアハジヤと相あい結むすび、エジオン・ゲベルで一緒いっしょに船ふね数隻すうせきを つくった。20:37 その時ときマレシャのドダワの子こエリエゼルはヨシャパテに向むかって預言よげんし、「あなたはアハジヤと相あい結むすんだので、主しゅはあなたの造つくった物ものをこわされます」と言いったが、その船ふねは難破なんぱして、タルシシへ行いくことができなかった。 第21章 21:1 ヨシャパテは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむり、先祖せんぞたちと共ともにダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こヨラムが代かわって王おうとなった。21:2 ヨシャパテの子こであるその兄弟きょうだいたちはアザリヤ、エヒエル、ゼカリヤ、アザリヤ、ミカエルおよびシパテヤで、皆みなユダの王おうヨシャパテの子こたちであった。21:3 その父ちちは彼かれらに金きん、銀ぎん、宝物ほうもつの賜物たまものを多おおく与あたえ、またユダの要害ようがいの町々まちまちを与あたえたが、ヨラムは長子ちょうしなので、国くにはヨラムに与あたえた。21:4 ヨラムはその父ちちの位くらいに登のぼって強つよくなった時とき、その兄弟きょうだいたちをことごとくつるぎにかけて殺ころし、またユダのつかさたち数人すうにんを殺ころした。21:5 ヨラムは位くらいについた時とき三十二歳さいで、エルサレムで八年ねんの間あいだ世よを治おさめた。21:6 彼かれはアハブの家いえがしたようにイスラエルの王おうたちの道みちに歩あゆんだ。アハブの娘むすめを妻つまとしたからである。このように彼かれは主しゅの目めの前まえに悪あくをおこなったが、21:7 主しゅはさきにダビデと結むすばれた契約けいやくのゆえに、また彼かれとその子孫しそんとにながく、ともしびを与あたえると約束やくそくされたことによって、ダビデの家いえを滅ほろぼすことを好このまれなかった。 21:8 ヨラムの世よにエドムがそむいて、ユダの支配しはいを脱だっし、みずから王おうを立たてたので、21:9 ヨラムはその将校しょうこうたち、およびすべての戦車せんしゃを従したがえて渡わたって行いき、夜よるのうちに立たち上あがって、自分じぶんを包囲ほういしているエドムびととその戦車せんしゃの隊長たいちょうたちを撃うった。21:10 エドムはこのようにそむいてユダの支配しはいを脱だっし、今日こんにちに至いたっている。そのころリブナもまたそむいてユダの支配しはいを脱だっした。ヨラムが先祖せんぞたちの神かみ、主しゅを捨すてたからである。 21:11 彼かれはまたユダの山地さんちに高たかき所ところを造つくって、エルサレムの民たみに姦淫かんいんを行おこなわせ、ユダを惑まどわした。21:12 その時とき預言者よげんしゃエリヤから次つぎのような一通つうの手紙てがみがヨラムのもとに来きた、「あなたの先祖せんぞダビデの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、『あなたは父ちちヨシャパテの道みちに歩あゆまず、またユダの王おうアサの道みちに歩あゆまないで、21:13 イスラエルの王おうたちの道みちに歩あゆみ、ユダとエルサレムの民たみに、かのアハブの家いえがイスラエルに姦淫かんいんを行おこなわせたように、姦淫かんいんを行おこなわせ、またあなたの父ちちの家いえの者もので、あなたにまさっているあなたの兄弟きょうだいたちを殺ころしたゆえ、21:14 主しゅは大おおいなる災わざわいをもってあなたの民たみと子供こどもと妻つまたちと、すべての所有しょゆうを撃うたれる。21:15 あなたはまた内臓ないぞうの病気びょうきにかかって大病たいびょうになり、それが日ひに日ひに重おもくなって、ついに内臓ないぞうが出でるようになる』」。 21:16 その時とき、主しゅはヨラムに対たいしてエチオピヤびとの近ちかくに住すんでいるペリシテびととアラビヤびとの霊れいを振ふり起おこされたので、21:17 彼かれらはユダに攻せめ上のぼって、これを侵おかし、王おうの家いえにある貨か財ざいをことごとく奪うばい去さり、またヨラムの子供こどもと妻つまたちをも奪うばい去さったので、末すえの子こエホアハズのほかには、ひとりも残のこった者ものがなかった。 21:18 このもろもろの事ことの後のち、主しゅは彼かれを撃うって内臓ないぞうにいえがたい病気びょうきを起おこさせられた。21:19 時ときがたって、二年ねんの終おわりになり、その内臓ないぞうが病気びょうきのために出でて、重おもい病苦びょうくによって死しんだ。民たみは彼かれの先祖せんぞのために香こうをたいたように、彼かれのために香こうをたかなかった。21:20 ヨラムはその位くらいについた時とき三十二歳さいで、八年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめ、ついに死しんだ。ひとりも彼かれを惜おしむ者ものがなかった。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうたちの墓はかにではなかった。 第22章 22:1 エルサレムの民たみはヨラムの末すえの子こアハジヤを彼かれの代かわりに王おうとした。かつてアラビヤびとと一緒いっしょに陣営じんえいに攻せめてきた一隊たいの者ものが上うえの子こたちをことごとく殺ころしたので、ユダの王おうヨラムの子こアハジヤが王おうとなったのである。22:2 アハジヤは王おうとなった時とき四十二歳さいで、エルサレムで一年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははオムリの娘むすめで名なをアタリヤといった。22:3 アハジヤもまたアハブの家いえの道みちに歩あゆんだ。その母ははが彼かれの相談そうだん相手あいてとなって悪あくを行おこなわせたからである。22:4 彼かれはまたアハブの家いえがしたように主しゅの目めの前まえに悪あくを行おこなった。すなわちその父ちちが死しんだ後のち、アハブの家いえの者ものがその相談役そうだんやくとなったので、彼かれはついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。22:5 アハジヤはまた彼かれらの勧すすめに従したがって、イスラエルの王おうアハブの子こヨラムと共ともにラモテ・ギレアデへ行いき、スリヤの王おうハザエルと戦たたかったが、スリヤびとはヨラムに傷きずを負おわせた。22:6 そこでヨラムはスリヤの王おうハザエルと戦たたかった時とき、ラマで負おったその傷きずをいやすためにエズレルに帰かえった。ユダの王おうヨラムの子こアハジヤはアハブの子こヨラムが病気びょうきなのでエズレルに下くだってこれを見舞みまった。 22:7 アハジヤがヨラムを見舞みまいに行いったことによって滅ほろびに至いたったのは神かみによって定さだめられたことである。すなわち彼かれがそこに着ついた時とき、ヨラムと一緒いっしょに出でて、ニムシの子こエヒウを迎むかえた。エヒウは主しゅがアハブの家いえを断たち滅ほろぼすために油あぶらを注そそがれた者ものである。22:8 エヒウはアハブの家いえを罰ばっするにあたって、ユダのつかさたち、およびアハジヤの兄弟きょうだいたちの子こらがアハジヤに仕つかえているのを見みたので、彼かれらをも殺ころした。22:9 アハジヤはサマリヤに隠かくれていたが、エヒウが彼かれを捜さがし求もとめたので、人々ひとびとは彼かれを捕とらえ、エヒウのもとに引ひいてきて、彼かれを殺ころした。ただし「彼かれは心こころをつくして主しゅを求もとめたヨシャパテの子こである」と人々ひとびとは言いったのでこれを葬ほうむった。こうしてアハジヤの家いえには国くにを統すべ治おさめうる者ものがなくなった。 22:10 アハジヤの母ははアタリヤは自分じぶんの子この死しんだのを見みて、立たってユダの家いえの王子おうじをことごとく滅ほろぼしたが、22:11 王おうの娘むすめエホシバはアハジヤの子こヨアシを王おうの子こたちの殺ころされる者もののうちから盗ぬすみ取とり、彼かれとそのうばを寝室しんしつにおいた。こうしてエホシバがヨアシをアタリヤから隠かくしたので、アタリヤはヨアシを殺ころさなかった。エホシバはヨラム王おうの娘むすめ、またアハジヤの妹いもうとで、祭司さいしエホヤダの妻つまである。22:12 こうしてヨアシは神かみの宮みやに隠かくれて彼かれらと共ともにおること六年ねん、その間かんアタリヤが国くにを治おさめた。 第23章 23:1 第だい七年ねんになって、エホヤダは勇気ゆうきをだしてエロハムの子こアザリヤ、ヨハナンの子こイシマエル、オベデの子こアザリヤ、アダヤの子こマアセヤ、ジクリの子こエリシャパテなどの百人にんの長ちょうたちを招まねいて契約けいやくを結むすばせた。23:2 そこで彼かれらはユダを行いきめぐって、ユダのすべての町まちからレビびとを集あつめ、またイスラエルの氏族しぞくの長ちょうたちを集あつめて、エルサレムに来きた。23:3 そしてその会衆かいしゅうは皆みな神かみの宮みやで王おうと契約けいやくを結むすんだ。その時ときエホヤダは彼かれらに言いった、「主しゅがダビデの子孫しそんのことについて言いわれたように、王おうの子こが位くらいにつくべきです。23:4 あなたがたのなすべき事ことはこれです。すなわちあなたがた祭司さいしおよびレビびとの安息日あんそくにちにはいって来くる者ものの、三分ぶんの一は門もんを守まもる者ものとなり、23:5 三分ぶんの一は王おうの家いえにおり、三分ぶんの一は礎いしずえの門もんにおり、民たみは皆みな、主しゅの宮みやの庭にわにいなさい。23:6 祭司さいしと、勤つとめをするレビびとのほかは、だれも主しゅの宮みやに、はいってはならない。彼かれらは聖せいなる者ものであるから、はいることができる。民たみは皆みな、主しゅの命令めいれいを守まもらなければならない。23:7 レビびとはめいめい手てに武器ぶきをとって王おうのまわりに立たたなければならない。宮みやにはいる者ものをすべて殺ころしなさい。あなたがたは王おうがはいる時ときにも出でる時ときにも、王おうと共ともにいなさい」。 23:8 そこでレビびとおよびユダの人々ひとびとは、祭司さいしエホヤダがすべて命めいじたように行おこない、めいめいその組くみの者もので、安息日あんそくにちにはいって来くるべき者ものと、安息日あんそくにちに出でて行いくべき者ものを率ひきいていた。祭司さいしエホヤダが組くみの者ものを去さらせなかったからである。23:9 また祭司さいしエホヤダは、神かみの宮みやにあるダビデ王おうのやりおよび大盾おおだて、小盾こだてを百人にんの長ちょうたちに渡わたし、23:10 また王おうを守まもるために、すべての民たみにめいめい手てに武器ぶきをとらせ、宮みやの南側みなみがわから北側きたがわにわたって、祭壇さいだんと宮みやに沿そって立たたせた。23:11 こうして王おうの子こを連つれ出だして、これに冠かんむりをいただかせ、あかしの書しょを渡わたして王おうとなし、エホヤダおよびその子こたちが彼かれに油あぶらを注そそいだ。そして「王おう万歳ばんざい」と言いった。 23:12 アタリヤは民たみの走はしりながら王おうをほめる声こえを聞きいたので、主しゅの宮みやに入いり、民たみの所ところへ行いって、23:13 見みると、王おうは入口いりぐちで柱はしらのかたわらに立たち、王おうのかたわらには将軍しょうぐんたちとラッパ手てが立たっており、また国くにの民たみは皆みな喜よろこんでラッパを吹ふき、歌うたをうたう者ものは楽器がっきをもってさんびしていたので、アタリヤは衣ころもを裂さいて「反逆はんぎゃくだ、反逆はんぎゃくだ」と叫さけんだ。23:14 その時ときエホヤダは軍勢ぐんぜいを統率とうそつする百人にんの長ちょうたちを呼よび出だし、「列れつの間あいだから彼女かのじょを連つれ出だせ、彼女かのじょに従したがう者ものをつるぎで殺ころせ」と言いった。祭司さいしが彼女かのじょを主しゅの宮みやで殺ころしてはならないと言いったからである。23:15 そこで人々ひとびとは彼女かのじょに手てをかけ、王おうの家いえの馬うまの門もんの入口いりぐちまで連つれて行いき、その所ところで彼女かのじょを殺ころした。 23:16 エホヤダは自分じぶんとすべての民たみと王おうとの間あいだに、彼かれらは皆みな、主しゅの民たみとなるとの契約けいやくを結むすんだ。23:17 そこですべての民たみはバアルの家いえに行いって、それをこわし、その祭壇さいだんとその像ぞうとを打うち砕くだき、バアルの祭司さいしマッタンを祭壇さいだんの前まえで殺ころした。23:18 エホヤダはまた主しゅの宮みやの守衛しゅえいを、祭司さいしとレビびとの指揮しきのもとに置おいた。このレビびとは昔むかしダビデがモーセの律法りっぽうにしるされているように、喜よろこびと歌うたとをもって主しゅに燔祭はんさいをささげるために、主しゅの宮みやに配置はいちしたものであって、今いまそのダビデの例れいにならったものである。23:19 彼かれはまた主しゅの宮みやのもろもろの門もんに門衛もんえいを置おき、汚けがれた者ものは何なにによって汚けがれた者ものでも、はいらせないようにした。23:20 こうしてエホヤダは百人にんの長ちょうたち、貴族きぞくたち、民たみのつかさたちおよび国くにのすべての民たみを率ひきいて、主しゅの宮みやから王おうを連つれ下くだり、上うえの門もんから王おうの家いえに進すすみ、王おうを国くにの位くらいにつかせた。23:21 国くにの民たみは皆みな喜よろこんだ。町まちはアタリヤがつるぎで殺ころされた後のち、穏おだやかであった。 第24章 24:1 ヨアシは位くらいについた時とき七歳さいで、エルサレムで四十年ねんの間あいだ、世よを治おさめた。彼かれの母はははベエルシバから出でた者もので名なをヂビアといった。24:2 ヨアシは祭司さいしエホヤダの世よにある日ひの間あいだは常つねに主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。24:3 エホヤダは彼かれのためにふたりの妻つまをめとり、彼かれに男子だんしと女子じょしが生うまれた。 24:4 この後のちヨアシは主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんしようと志こころざして、24:5 祭司さいしとレビびとを集あつめて言いった、「ユダの町々まちまちへ行いって、あなたがたの神かみの宮みやを年々ねんねん修繕しゅうぜんする資金しきんをすべてのイスラエルびとから集あつめなさい。その事ことを急いそいでしなさい」。ところがレビびとはこれを急いそいでしなかった。24:6 それで王おうはかしらであるエホヤダを召めして言いった、「あなたはなぜレビびとに求もとめて、主しゅのしもべモーセがあかしの幕屋まくやのためにイスラエルの会衆かいしゅうに課かした税金ぜいきんをユダとエルサレムから取とり立たてさせないのか」。24:7 かの悪わるい女おんなアタリヤの子こらが神かみの宮みやに侵入しんにゅうして主しゅの宮みやのもろもろの奉納物ほうのうぶつをとり、バアルのために用もちいたからである。 24:8 そこで王おうは命めいじて一個この箱はこを造つくらせ、これを主しゅの宮みやの門もんの外そとに置おき、24:9 ユダとエルサレムにふれて、神かみのしもべモーセが荒野あらのでイスラエルに課かした税金ぜいきんを主しゅのために持もってこさせた。24:10 すべてのつかさたちおよびすべての民たみは皆みな喜よろこんでその税金ぜいきんを持もって来きて、その箱はこに投なげ入いれたので、ついに箱はこはいっぱいになった。24:11 レビびとはその箱はこに金きんが多おおくあるのを見みて、王おうの役人やくにんの所ところへ持もって行いくと、王おうの書記しょきと祭司さいし長ちょうの下役したやくとが来きて、その箱はこを傾かたむけ、これを取とってもとの所ところに返かえした。彼かれらは日々ひびこのようにして金きんをおびただしく集あつめた。24:12 王おうとエホヤダはこれを主しゅの宮みやの工事こうじをなす者ものに渡わたし、石工いしくおよび木工もっこうを雇やとって、主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんさせ、また鉄工てっこうおよび青銅せいどう工こうを雇やとって、主しゅの宮みやを修復しゅうふくさせた。24:13 工人こうじんたちは働はたらいたので、修復しゅうふくの工事こうじは彼かれらの手てによってはかどり、神かみの宮みやを、もとの状態じょうたいに復ふくし、これを堅固けんごにした。24:14 それをなし終おわったとき、余あまった金きんを王おうとエホヤダの前まえに持もって来きたので、それをもって主しゅの宮みやのために器物うつわものを つくった。すなわち勤つとめの器うつわ、燔祭はんさいの器うつわ、香こうの皿さら、および金銀きんぎんの器うつわを造つくった。エホヤダの世よにある日ひの間あいだは、絶たえず主しゅの宮みやで燔祭はんさいをささげた。 24:15 しかしエホヤダは年老としおい、日ひが満みちて死しんだ。その死しんだ時ときは百三十歳さいであった。24:16 人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちで王おうたちの中なかに葬ほうむった。彼かれはイスラエルにおいて神かみとその宮みやとに良よい事ことを行おこなったからである。 24:17 エホヤダの死しんだ後のち、ユダのつかさたちが来きて、うやうやしく王おうに敬意けいいを表あらわした。王おうは彼かれらに聞きき従したがった。24:18 彼かれらはその先祖せんぞの神かみ、主しゅの宮みやを捨すてて、アシラ像ぞうおよび偶像ぐうぞうに仕つかえたので、そのとがのために、怒いかりがユダとエルサレムに臨のぞんだ。24:19 主しゅは彼かれらをご自分じぶんに引ひき返かえそうとして、預言者よげんしゃたちをつかわし、彼かれらにむかってあかしをさせられたが、耳みみを傾かたむけなかった。 24:20 そこで神かみの霊れいが祭司さいしエホヤダの子こゼカリヤに臨のぞんだので、彼かれは民たみの前まえに立たち上あがって言いった、「神かみはこう仰おおせられる、『あなたがたが主しゅの戒いましめを犯おかして、災わざわいを招まねくのはどういうわけであるか。あなたがたが主しゅを捨すてたために、主しゅもあなたがたを捨すてられたのである』」。24:21 しかし人々ひとびとは彼かれを害がいしようと計はかり、王おうの命いのちによって、石いしをもって彼かれを主しゅの宮みやの庭にわで撃うち殺ころした。24:22 このようにヨアシ王おうはゼカリヤの父ちちエホヤダが自分じぶんに施ほどこした恵めぐみを思おもわず、その子こを殺ころした。ゼカリヤは死しぬ時とき、「どうぞ主しゅがこれをみそなわして罰ばっせられるように」と言いった。 24:23 年ねんの終おわりになって、スリヤの軍勢ぐんぜいはヨアシにむかって攻せめ上のぼり、ユダとエルサレムに来きて、民たみのつかさたちをことごとく民たみのうちから滅ほろぼし、そのぶんどり物ものを皆みなダマスコの王おうに送おくった。24:24 この時ときスリヤの軍勢ぐんぜいは少数しょうすうで来きたのであるが、主しゅは大軍たいぐんを彼かれらの手てに渡わたされた。これは彼かれらがその先祖せんぞの神かみ、主しゅを捨すてたためである。このように彼かれらはヨアシを罰ばっした。 24:25 スリヤ軍ぐんはヨアシに大だい傷きずを負おわせて捨すて去さったが、ヨアシの家来けらいたちは祭司さいしエホヤダの子この血ちのために、党とうを結むすんで彼かれにそむき、彼かれを床とこの上うえに殺ころして、死しなせた。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうの墓はかには葬ほうむらなかった。24:26 党とうを結むすんで彼かれにそむいた者ものは、アンモンの女おんなシメアテの子こザバデおよびモアブの女おんなシムリテの子こヨザバデであった。24:27 ヨアシの子こらのこと、ヨアシに対たいする多おおくの預言よげんおよび神かみの宮みやの修理しゅうりの事ことなどは、列れつ王おうの書しょの注釈ちゅうしゃくにしるされている。ヨアシの子こアマジヤが彼かれに代かわって王おうとなった。 第25章 25:1 アマジヤは王おうとなった時とき二十五歳さいで、二十九年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので、名なをエホアダンといった。25:2 アマジヤは主しゅの良よしと見みられることを行おこなったが、全まったき心こころをもってではなかった。25:3 彼かれは、国くにが彼かれの手てのうちに強つよくなったとき、父ちちヨアシ王おうを殺害さつがいした家来けらいたちを殺ころした。25:4 しかしその子こ供ともたちは殺ころさなかった。これはモーセの律法りっぽうの書しょにしるされている所ところに従したがったのであって、そこに主しゅは命めいじて、「父ちちは子このゆえに殺ころされるべきではない。子こは父ちちのゆえに殺ころされるべきではない。おのおの自分じぶんの罪つみのゆえに殺ころされるべきである」と言いわれている。 25:5 アマジヤはユダの人々ひとびとを集あつめ、その氏族しぞくに従したがって、千人にんの長ちょうに付属ふぞくさせ、または百人にんの長ちょうに付属ふぞくさせた。ユダとベニヤミンのすべてに行いった。そして二十歳さい以上いじょうの者ものを数かぞえたところ、やりと盾たてをとって戦たたかいに臨のぞみうる精兵せいへい三十万人にんを得えた。25:6 彼かれはまた銀ぎん百タラントをもってイスラエルから大だい勇士ゆうし十万人にんを雇やとった。25:7 その時とき、神かみの人ひとが彼かれの所ところに来きて言いった、「王おうよ、イスラエルの軍勢ぐんぜいをあなたと共ともに行いかせてはいけません。主しゅはイスラエルびと、すなわちエフライムのすべての人々ひとびととは共ともにおられないからです。25:8 もしあなたがこのような方法ほうほうで戦たたかいに強つよくなろうと思おもうならば、神かみはあなたを敵てきの前まえに倒たおされるでしょう。神かみには助たすける力ちからがあり、また倒たおす力ちからがあるからです」。25:9 アマジヤは神かみの人ひとに言いった、「それではわたしがイスラエルの軍隊ぐんたいに与あたえた百タラントをどうしましょうか」。神かみの人ひとは答こたえた、「主しゅはそれよりも多おおいものをあなたにお与あたえになることができます」。25:10 そこでアマジヤはエフライムから来きて自分じぶんに加くわわった軍隊ぐんたいを分離ぶんりして帰かえらせたので、彼かれらはユダに対たいして激はげしい怒いかりを発はっし、火ひのように怒いかって自分じぶんの所ところに帰かえった。25:11 しかしアマジヤは勇気ゆうきを出だし、その民たみを率ひきいて塩しおの谷たにへ行いき、セイルびと一万人にんを撃うち殺ころした。25:12 またユダの人々ひとびとはこのほかに一万人にんをいけどり、岩いわの頂いただきに引ひいて行いって岩いわの頂いただきから彼かれらを投なげ落おとしたので、皆みなこなごなに砕くだけた。25:13 ところがアマジヤが自分じぶんと共ともに戦たたかいに行いかせないで帰きしてやった兵卒へいそつらが、サマリヤからベテホロンまでの、ユダの町々まちまちを襲おそって三千人にんを殺ころし、多おおくの物ものを奪うばい取とった。 25:14 アマジヤはエドムびとを殺ころして帰かえった時とき、セイルびとの神々かみがみを携たずさえてきて、これを安置あんちして自分じぶんの神かみとし、これを礼拝れいはいし、これにささげ物ものをなした。25:15 それゆえ、主しゅはアマジヤに向むかって怒いかりを発はっし、預言者よげんしゃを彼かれにつかわして言いわせられた、「かの民たみの神々かみがみは自分じぶんの民たみをあなたの手てから救すくうことができなかったのに、あなたはどうしてそれを求もとめたのか」。25:16 彼かれがこう王おうに語かたると、王おうは彼かれに、「われわれはあなたを王おうの顧問こもんにしたのですか。やめなさい。あなたはどうして殺ころされようとするのですか」と言いったので、預言者よげんしゃはやめて言いった、「あなたはこの事ことを行いって、わたしのいさめを聞ききいれないゆえ、神かみはあなたを滅ほろぼそうと定さだめられたことをわたしは知しっています」。 25:17 そこでユダの王おうアマジヤは協議きょうぎの結果けっか、人ひとをエヒウの子こエホアハズの子こであるイスラエルの王おうヨアシにつかわし、「さあ、われわれは互たがいに顔かおをあわせよう」と言いわせたところ、25:18 イスラエルの王おうヨアシはユダの王おうアマジヤに言いい送おくった、「レバノンのいばらが、かつてレバノンの香柏こうはくに、『あなたの娘むすめをわたしのむすこの妻つまに与あたえよ』と言いい送おくったところが、レバノンの野獣やじゅうが通とおりかかって、そのいばらを踏ふみ倒たおした。25:19 あなたは『見みよ、わたしはエドムを撃うち破やぶった』と言いって心こころに誇ほこり高たかぶっている。しかしあなたは自分じぶんの家いえにとどまっていなさい。どうしてあなたは災わざわいを引ひき起おこして、自分じぶんもユダも共ともに滅ほろびようとするのか」。 25:20 しかしアマジヤは聞ききいれなかった。これは神かみから出でたのであって、彼かれらがエドムの神々かみがみを求もとめたので神かみは彼かれらを敵てきの手てに渡わたされるためである。25:21 そこでイスラエルの王おうヨアシは上のぼって来きて、ユダのベテシメシでユダの王おうアマジヤと顔かおを合あわせたが、25:22 ユダはイスラエルに撃うち破やぶられ、おのおのその天幕てんまくに逃にげ帰かえった。25:23 その時ときイスラエルの王おうヨアシはエホアハズの子こヨアシの子こであるユダの王おうアマジヤをベテシメシで捕とらえて、エルサレムに引ひいて行いき、エルサレムの城壁じょうへきをエフライム門もんから、隅すみの門もんまで四百キュビトほどをこわし、25:24 また神かみの宮みやのうちで、オベデエドムが守まもっていたすべての金銀きんぎんおよびもろもろの器物うつわものならびに王おうの家いえの財宝ざいほうを奪うばい、また人質ひとじちをとって、サマリヤに帰かえった。 25:25 ユダの王おうヨアシの子こアマジヤはイスラエルの王おうエホアハズの子こヨアシが死しんで後のちなお十五年ねん生いきながらえた。25:26 アマジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされているではないか。25:27 アマジヤがそむいて、主しゅに従したがわなくなった時ときから、人々ひとびとはエルサレムにおいて党とうを結むすび、彼かれに敵てきしたので、彼かれはラキシに逃にげて行いったが、その人々ひとびとはラキシに人ひとをやって、彼かれをその所ところで殺ころさせた。25:28 人々ひとびとはこれを馬うまに負おわせて持もってきて、ユダの町まちでその先祖せんぞたちと共ともにこれを葬ほうむった。 第26章 26:1 そこでユダの民たみは皆みなウジヤをとって王おうとなし、その父ちちアマジヤに代かわらせた。時ときに十六歳さいであった。26:2 彼かれはエラテを建たてて、これをふたたびユダのものにした。これはかの王おうがその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむった後のちであった。26:3 ウジヤは王おうとなった時とき十六歳さいで、エルサレムで五十二年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので名なをエコリヤといった。26:4 ウジヤは父ちちアマジヤがしたように、すべて主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。26:5 彼かれは神かみを恐おそれることを自分じぶんに教おしえたゼカリヤの世よにある日ひの間あいだ、神かみを求もとめることに努つとめた。彼かれが主しゅを求もとめた間あいだ、神かみは彼かれを栄さかえさせられた。 26:6 彼かれは出でてペリシテびとと戦たたかい、ガテの城壁じょうへき、ヤブネの城壁じょうへきおよびアシドドの城壁じょうへきをくずし、アシドドの地ちとペリシテびとのなかに町まちを建たてた。26:7 神かみは彼かれを助たすけてペリシテびとと、グルバアルに住すむアラビヤびとおよびメウニびとを攻せめ撃うたせられた。26:8 アンモンびとはウジヤにみつぎを納おさめた。ウジヤは非常ひじょうに強つよくなったので、その名なはエジプトの入口いりぐちまでも広ひろまった。26:9 ウジヤはまたエルサレムの隅すみの門もん、谷たにの門もんおよび城壁じょうへきの曲まがりかどにやぐらを建たてて、これを堅固けんごにした。26:10 彼かれはまた荒野あらのにやぐらを建たて、また多おおくの水みずためを掘ほった。彼かれは平野へいやにも平地へいちにもたくさんの家畜かちくをもっていたからである。彼かれはまた農事のうじを好このんだので、山々やまやまおよび肥こえた畑はたけには農夫のうふとぶどうをつくる者ものをもっていた。26:11 ウジヤはまたよく戦たたかう一軍団ぐんだんを持もっていた。彼かれらは書記しょきエイエルと、つかさマアセヤによって調しらべた数かずに従したがって組々くみぐみに分わかれ、皆みな王おうの軍ぐん長ちょうのひとりハナニヤの指揮しき下したにあった。26:12 その氏族しぞくの長ちょうである大だい勇士ゆうしの数かずは合あわせて二千六百人にんであった。26:13 その指揮しき下したにある軍勢ぐんぜいは三十万七千五百人にんで、皆みな大おおいなる力ちからをもって戦たたかい、王おうを助たすけて敵てきに当あたった。26:14 ウジヤはその全ぜん軍ぐんのために盾たて、やり、かぶと、よろい、弓ゆみおよび石いし投なげの石いしを備そなえた。26:15 彼かれはまたエルサレムで技術ぎじゅつ者ものの考案こうあんした機械きかいを造つくって、これをやぐらおよび城壁じょうへきのすみずみにすえ、これをもって矢やおよび大石おおいしを射出しゃしゅつした。こうして彼かれの名声めいせいは遠とおくまで広ひろまった。彼かれが驚おどろくほど神かみの助たすけを得えて強つよくなったからである。 26:16 ところが彼かれは強つよくなるに及およんで、その心こころに高たかぶり、ついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。すなわち彼かれはその神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、主しゅの宮みやにはいって香こうの祭壇さいだんの上うえに香こうをたこうとした。26:17 その時とき、祭司さいしアザリヤは主しゅの祭司さいしである勇士ゆうし八十人にんを率ひきいて、彼かれのあとに従したがってはいり、26:18 ウジヤ王おうを引ひき止とめて言いった、「ウジヤよ、主しゅに香こうをたくことはあなたのなすべきことではなく、ただアロンの子孫しそんで、香こうをたくために清きよめられた祭司さいしたちのすることです。すぐ聖所せいじょから出でなさい。あなたは罪つみを犯おかしました。あなたは主しゅなる神かみから栄さかえを得えることはできません」。26:19 するとウジヤは怒いかりを発はっし、香炉こうろを手てにとって香こうをたこうとしたが、彼かれが祭司さいしに向むかって怒いかりを発はっしている間あいだに、らい病びょうがその額ひたいに起たった。時ときに彼かれは主しゅの宮みやで祭司さいしたちの前まえ、香こうの祭壇さいだんのかたわらにいた。26:20 祭司さいしの長ちょうアザリヤおよびすべての祭司さいしたちが彼かれを見みると、彼かれの額ひたいにらい病びょうが生しょうじていたので、急いそいで彼かれをそこから追おい出だした。彼かれ自身じしんもまた主しゅに撃うたれたことを知しって、急いそいで出でて行いった。26:21 ウジヤ王おうは、死しぬ日ひまでらい病人びょうにんであった。彼かれはらい病人びょうにんであったので、離はなれ殿どのに住すんだ。主しゅの宮みやから断たたれたからである。その子こヨタムが王おうの家いえをつかさどり、国くにの民たみを治おさめた。26:22 ウジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤがこれを書かきしるした。26:23 ウジヤは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、人々ひとびとは「彼かれはらい病人びょうにんである」と言いって、王おうたちの墓はかに連つらなる墓地ぼちに、その先祖せんぞたちと共ともに葬ほうむった。その子こヨタムが彼かれに代かわって王おうとなった。 第27章 27:1 ヨタムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははザドクの娘むすめで名なをエルシャといった。27:2 ヨタムはその父ちちウジヤがしたように主しゅの良よしと見みられることをした。しかし主しゅの宮みやには、はいらなかった。民たみはなお悪あくを行おこなった。27:3 彼かれは主しゅの宮みやの上うえの門もんを建たて、オペルの石いしがきを多おおく築きずき増まし、27:4 またユダの山地さんちに数個すうこの町まちを建たて、林はやしの間あいだに城しろとやぐらを築きずいた。27:5 彼かれはアンモンびとの王おうと戦たたかってこれに勝かった。その年ねんアンモンの人々ひとびとは銀ぎん百タラント、小麦こむぎ一万コル、大麦おおむぎ一万コルを彼かれに贈おくった。アンモンの人々ひとびとは第だい二年ねんにも第だい三年ねんにも同おなじように彼かれに納おさめた。27:6 ヨタムはその神かみ、主しゅの前まえにその行おこないを堅かたくしたので力ちからある者ものとなった。27:7 ヨタムのその他たの行為こうい、そのすべての戦たたかいおよびその行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。27:8 彼かれは王おうとなった時とき、二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。27:9 ヨタムはその先祖せんぞと共ともに眠ねむったので、ダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こアハズが彼かれに代かわって王おうとなった。
19:1 ユダの王おうヨシャパテは、つつがなくエルサレムの自分じぶんの家いえに帰かえった。
19:2 そのとき、先見者せんけんしゃハナニの子こエヒウが出でてヨシャパテを迎むかえて言いった、「あなたは悪人あくにんを助たすけ、主しゅを憎にくむ者ものを愛あいしてよいのですか。それゆえ怒いかりが主しゅの前まえから出でて、あなたの上うえに臨のぞみます。
19:3 しかしあなたには、なお良よい事こともあります。あなたはアシラ像ぞうを国くにの中なかから除のぞき、心こころを傾かたむけて神かみを求もとめられました」。
19:4 ヨシャパテはエルサレムに住すんでいたが、また出でて、ベエルシバからエフライムの山地さんちまで民たみの中なかを巡めぐり、先祖せんぞたちの神かみ、主しゅに彼かれらを導みちびき返かえした。
19:5 彼かれはまたユダの国中くにぢゅう、すべての堅固けんごな町まちごとに裁判人さいばんにんを置おいた。
19:6 そして裁判人さいばんにんたちに言いった、「あなたがたは自分じぶんのする事ことに気きをつけなさい。あなたがたは人ひとのために裁判さいばんするのではなく、主しゅのためにするのです。あなたがたが裁判さいばんする時ときには、主しゅはあなたがたと共ともにおられます。
19:7 だからあなたがたは主しゅを恐おそれ、慎つつしんで行おこないなさい。われわれの神かみ、主しゅには不義ふぎがなく、人ひとをかたより見みることなく、まいないを取とることもないからです」。
19:8 ヨシャパテはまたレビびと、祭司さいし、およびイスラエルの氏族しぞくの長ちょうたちを選えらんでエルサレムに置おき、主しゅのために裁判さいばんを行おこない、争議そうぎの解決かいけつに当あたらせた。彼かれらはエルサレムに居住きょじゅうした。
19:9 ヨシャパテは彼かれらに命めいじて言いった、「あなたがたは主しゅを恐おそれ、真実しんじつと真心まごころとをもって行おこなわなければならない。
19:10 すべてその町々まちまちに住すんでいるあなたがたの兄弟きょうだいたちから、血ちを流ながした事ことまたは律法りっぽうと戒いましめ、定さだめとおきてなどの事ことについて訴うったえてきたならば、彼かれらをさとして、主しゅの前まえに罪つみを犯おかさせず、怒いかりがあなたがたと、あなたがたの兄弟きょうだいたちに臨のぞまないようにしなさい。そのようにすれば、あなたがたは罪つみを犯おかすことがないでしょう。
19:11 見みよ、祭司さいし長ちょうアマリヤは、あなたがたの上うえにいて、主しゅの事ことをすべてつかさどり、イシマエルの子こ、ユダの家いえのつかさゼバデヤは王おうの事ことをすべてつかさどり、またレビびとはあなたがたの前まえにあって役人やくにんとなります。雄々おおしく行動こうどうしなさい。主しゅは正直しょうじきな人ひとと共ともにおられます」。
第20章 20:1 この後のちモアブびと、アンモンびとおよびメウニびとらがヨシャパテと戦たたかおうと攻せめてきた。20:2 その時ときある人ひとがきて、ヨシャパテに告つげて言いった、「海うみのかなたのエドムから大軍たいぐんがあなたに攻せめて来きます。見みよ、彼かれらはハザゾン・タマル(すなわちエンゲデ)にいます」。20:3 そこでヨシャパテは恐おそれ、主しゅに顔かおを向むけて助たすけを求もとめ、ユダ全国ぜんこくに断食だんじきをふれさせた。20:4 それでユダはこぞって集あつまり、主しゅの助たすけを求もとめた。すなわちユダのすべての町まちから人々ひとびとが来きて主しゅを求もとめた。 20:5 そこでヨシャパテは主しゅの宮みやの新あたらしい庭にわの前まえで、ユダとエルサレムの会衆かいしゅうの中なかに立たって、20:6 言いった、「われわれの先祖せんぞの神かみ、主しゅよ、あなたは天てんにいます神かみではありませんか。異邦人いほうじんのすべての国くにを治おさめられるではありませんか。あなたの手てには力ちからがあり、勢いきおいがあって、あなたに逆さからいうる者ものはありません。20:7 われわれの神かみよ、あなたはこの国くにの民たみをあなたの民たみイスラエルの前まえから追おい払はらって、あなたの友ともアブラハムの子孫しそんに、これを永遠えいえんに与あたえられたではありませんか。20:8 彼かれらはここに住すみ、あなたの名なのためにここに聖所せいじょを建たてて言いいました、20:9 『つるぎ、審判しんぱん、疫病えきびょう、ききんなどの災わざわいがわれわれに臨のぞむ時とき、われわれはこの宮みやの前まえに立たって、あなたの前まえにおり、その悩なやみの中なかであなたに呼よばわります。すると、あなたは聞きいて助たすけられます。あなたの名なはこの宮みやにあるからです』と。20:10 今いまアンモン、モアブ、およびセイル山やまの人々ひとびとをごらんなさい。昔むかしイスラエルがエジプトの国くにから出でてきた時とき、あなたはイスラエルに彼かれらを侵おかすことをゆるされなかったので、イスラエルは彼かれらを離はなれて、滅ほろぼしませんでした。20:11 彼かれらがわれわれに報むくいるところをごらんください。彼かれらは来きて、あなたがわれわれに賜たまわったあなたの領地りょうちからわれわれを追おい払はらおうとしています。20:12 われわれの神かみよ、あなたは彼かれらをさばかれないのですか。われわれはこのように攻せめて来くる大軍たいぐんに当あたる力ちからがなく、またいかになすべきかを知しりません。ただ、あなたを仰あおぎ望のぞむのみです」。 20:13 ユダの人々ひとびとはその幼おさな子こ、その妻つま、および子供こどもたちと共ともに皆みな主しゅの前まえに立たっていた。20:14 その時とき主しゅの霊れいが会衆かいしゅうの中なかでアサフの子孫しそんであるレビびとヤハジエルに臨のぞんだ。ヤハジエルはゼカリヤの子こ、ゼカリヤはベナヤの子こ、ベナヤはエイエルの子こ、エイエルはマッタニヤの子こである。20:15 ヤハジエルは言いった、「ユダの人々ひとびと、エルサレムの住民じゅうみん、およびヨシャパテ王おうよ、聞ききなさい。主しゅはあなたがたにこう仰おおせられる、『この大軍たいぐんのために恐おそれてはならない。おののいてはならない。これはあなたがたの戦たたかいではなく、主しゅの戦たたかいだからである。20:16 あす、彼かれらの所ところへ攻せめ下くだりなさい。見みよ、彼かれらはヂヅの坂さかから上のぼって来くる。あなたがたはエルエルの野のの東ひがし、谷たにの端たんでこれに会あうであろう。20:17 この戦たたかいには、あなたがたは戦たたかうに及およばない。ユダおよびエルサレムよ、あなたがたは進すすみ出でて立たち、あなたがたと共ともにおられる主しゅの勝利しょうりを見みなさい。恐おそれてはならない。おののいてはならない。あす、彼かれらの所ところに攻せめて行いきなさい。主しゅはあなたがたと共ともにおられるからである』」。 20:18 ヨシャパテは地ちにひれ伏ふした。ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの民たみも主しゅの前まえに伏ふして、主しゅを拝はいした。20:19 その時ときコハテびとの子孫しそん、およびコラびとの子孫しそんであるレビびとが立たち上あがり、大声おおごえをあげてイスラエルの神かみ、主しゅをさんびした。 20:20 彼かれらは朝あさ早はやく起おきてテコアの野のに出でて行いった。その出でて行いくとき、ヨシャパテは立たって言いった、「ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの民たみよ、わたしに聞ききなさい。あなたがたの神かみ、主しゅを信しんじなさい。そうすればあなたがたは堅かたく立たつことができる。主しゅの預言者よげんしゃを信しんじなさい。そうすればあなたがたは成功せいこうするでしょう」。20:21 彼かれはまた民たみと相談そうだんして人々ひとびとを任命にんめいし、聖せいなる飾かざりを着つけて軍勢ぐんぜいの前まえに進すすませ、主しゅに向むかって歌うたをうたい、かつさんびさせ、 「主しゅに感謝かんしゃせよ、そのいつくしみはとこしえに絶たえることがない」と言いわせた。20:22 そして彼かれらが歌うたをうたい、さんびし始はじめた時とき、主しゅは伏兵ふくへいを設もうけ、かのユダに攻せめてきたアンモン、モアブ、セイル山やまの人々ひとびとに向むかわせられたので、彼かれらは打うち敗やぶられた。20:23 すなわちアンモンとモアブの人々ひとびとは立たち上あがって、セイル山やまの民たみに敵てきし、彼かれらを殺ころして全まったく滅ほろぼしたが、セイルの民たみを殺ころし尽つくすに及およんで、彼かれらもおのおの互たがいに助たすけて滅ほろぼしあった。 20:24 ユダの人々ひとびとは野のの物見ものみやぐらへ行いって、かの群衆ぐんしゅうを見みたが、地ちに倒たおれた死体したいだけであって、ひとりものがれた者ものはなかった。20:25 それでヨシャパテとその民たみは彼かれらの物ものを奪うばうために来きて見みると、多数たすうの家畜かちく、財宝ざいほう、衣服いふくおよび宝石ほうせきなどおびただしくあったので、おのおのそれをはぎ取とったが、運はこびきれないほどたくさんで、かすめ取とるに三日かもかかった。それほど物ものが多おおかったのである。20:26 四日か目めに彼かれらはベラカの谷たにに集あつまり、その所ところで主しゅを祝福しゅくふくした。それでその所ところの名なを今日こんにちまでベラカの谷たにと呼よんでいる。20:27 そしてユダとエルサレムの人々ひとびとは皆みなヨシャパテを先さきに立たて、喜よろこんでエルサレムに帰かえってきた。主しゅが彼かれらにその敵てきのことによって喜よろこびを与あたえられたからである。20:28 すなわち彼かれらは立琴たてごと、琴ことおよびラッパをもってエルサレムの主しゅの宮みやに来きた。20:29 そしてもろもろの国くにの民たみは主しゅがイスラエルの敵てきと戦たたかわれたことを聞きいて神かみを恐おそれた。20:30 こうして神かみが四方しほうに安息あんそくを賜たまわったので、ヨシャパテの国くには穏おだやかであった。 20:31 このようにヨシャパテはユダを治おさめた。彼かれは三十五歳さいの時とき、王おうとなり、二十五年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。彼かれの母ははの名なはアズバといってシルヒの娘むすめである。20:32 ヨシャパテは父ちちアサの道みちを歩あゆんでそれを離はなれず、主しゅの目めに正ただしいと見みられることを行おこなった。20:33 しかし高たかき所ところは除のぞかず、また民たみはその先祖せんぞの神かみに心こころを傾かたむけなかった。 20:34 ヨシャパテのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ハナニの子こエヒウの書しょにしるされ、イスラエルの列れつ王おうの書しょに載のせられてある。 20:35 この後のちユダの王おうヨシャパテはイスラエルの王おうアハジヤと相あい結むすんだ。アハジヤは悪あくを行おこなった。20:36 ヨシャパテはタルシシへ行いく船ふねを造つくるためにアハジヤと相あい結むすび、エジオン・ゲベルで一緒いっしょに船ふね数隻すうせきを つくった。20:37 その時ときマレシャのドダワの子こエリエゼルはヨシャパテに向むかって預言よげんし、「あなたはアハジヤと相あい結むすんだので、主しゅはあなたの造つくった物ものをこわされます」と言いったが、その船ふねは難破なんぱして、タルシシへ行いくことができなかった。 第21章 21:1 ヨシャパテは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむり、先祖せんぞたちと共ともにダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こヨラムが代かわって王おうとなった。21:2 ヨシャパテの子こであるその兄弟きょうだいたちはアザリヤ、エヒエル、ゼカリヤ、アザリヤ、ミカエルおよびシパテヤで、皆みなユダの王おうヨシャパテの子こたちであった。21:3 その父ちちは彼かれらに金きん、銀ぎん、宝物ほうもつの賜物たまものを多おおく与あたえ、またユダの要害ようがいの町々まちまちを与あたえたが、ヨラムは長子ちょうしなので、国くにはヨラムに与あたえた。21:4 ヨラムはその父ちちの位くらいに登のぼって強つよくなった時とき、その兄弟きょうだいたちをことごとくつるぎにかけて殺ころし、またユダのつかさたち数人すうにんを殺ころした。21:5 ヨラムは位くらいについた時とき三十二歳さいで、エルサレムで八年ねんの間あいだ世よを治おさめた。21:6 彼かれはアハブの家いえがしたようにイスラエルの王おうたちの道みちに歩あゆんだ。アハブの娘むすめを妻つまとしたからである。このように彼かれは主しゅの目めの前まえに悪あくをおこなったが、21:7 主しゅはさきにダビデと結むすばれた契約けいやくのゆえに、また彼かれとその子孫しそんとにながく、ともしびを与あたえると約束やくそくされたことによって、ダビデの家いえを滅ほろぼすことを好このまれなかった。 21:8 ヨラムの世よにエドムがそむいて、ユダの支配しはいを脱だっし、みずから王おうを立たてたので、21:9 ヨラムはその将校しょうこうたち、およびすべての戦車せんしゃを従したがえて渡わたって行いき、夜よるのうちに立たち上あがって、自分じぶんを包囲ほういしているエドムびととその戦車せんしゃの隊長たいちょうたちを撃うった。21:10 エドムはこのようにそむいてユダの支配しはいを脱だっし、今日こんにちに至いたっている。そのころリブナもまたそむいてユダの支配しはいを脱だっした。ヨラムが先祖せんぞたちの神かみ、主しゅを捨すてたからである。 21:11 彼かれはまたユダの山地さんちに高たかき所ところを造つくって、エルサレムの民たみに姦淫かんいんを行おこなわせ、ユダを惑まどわした。21:12 その時とき預言者よげんしゃエリヤから次つぎのような一通つうの手紙てがみがヨラムのもとに来きた、「あなたの先祖せんぞダビデの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、『あなたは父ちちヨシャパテの道みちに歩あゆまず、またユダの王おうアサの道みちに歩あゆまないで、21:13 イスラエルの王おうたちの道みちに歩あゆみ、ユダとエルサレムの民たみに、かのアハブの家いえがイスラエルに姦淫かんいんを行おこなわせたように、姦淫かんいんを行おこなわせ、またあなたの父ちちの家いえの者もので、あなたにまさっているあなたの兄弟きょうだいたちを殺ころしたゆえ、21:14 主しゅは大おおいなる災わざわいをもってあなたの民たみと子供こどもと妻つまたちと、すべての所有しょゆうを撃うたれる。21:15 あなたはまた内臓ないぞうの病気びょうきにかかって大病たいびょうになり、それが日ひに日ひに重おもくなって、ついに内臓ないぞうが出でるようになる』」。 21:16 その時とき、主しゅはヨラムに対たいしてエチオピヤびとの近ちかくに住すんでいるペリシテびととアラビヤびとの霊れいを振ふり起おこされたので、21:17 彼かれらはユダに攻せめ上のぼって、これを侵おかし、王おうの家いえにある貨か財ざいをことごとく奪うばい去さり、またヨラムの子供こどもと妻つまたちをも奪うばい去さったので、末すえの子こエホアハズのほかには、ひとりも残のこった者ものがなかった。 21:18 このもろもろの事ことの後のち、主しゅは彼かれを撃うって内臓ないぞうにいえがたい病気びょうきを起おこさせられた。21:19 時ときがたって、二年ねんの終おわりになり、その内臓ないぞうが病気びょうきのために出でて、重おもい病苦びょうくによって死しんだ。民たみは彼かれの先祖せんぞのために香こうをたいたように、彼かれのために香こうをたかなかった。21:20 ヨラムはその位くらいについた時とき三十二歳さいで、八年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめ、ついに死しんだ。ひとりも彼かれを惜おしむ者ものがなかった。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうたちの墓はかにではなかった。 第22章 22:1 エルサレムの民たみはヨラムの末すえの子こアハジヤを彼かれの代かわりに王おうとした。かつてアラビヤびとと一緒いっしょに陣営じんえいに攻せめてきた一隊たいの者ものが上うえの子こたちをことごとく殺ころしたので、ユダの王おうヨラムの子こアハジヤが王おうとなったのである。22:2 アハジヤは王おうとなった時とき四十二歳さいで、エルサレムで一年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははオムリの娘むすめで名なをアタリヤといった。22:3 アハジヤもまたアハブの家いえの道みちに歩あゆんだ。その母ははが彼かれの相談そうだん相手あいてとなって悪あくを行おこなわせたからである。22:4 彼かれはまたアハブの家いえがしたように主しゅの目めの前まえに悪あくを行おこなった。すなわちその父ちちが死しんだ後のち、アハブの家いえの者ものがその相談役そうだんやくとなったので、彼かれはついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。22:5 アハジヤはまた彼かれらの勧すすめに従したがって、イスラエルの王おうアハブの子こヨラムと共ともにラモテ・ギレアデへ行いき、スリヤの王おうハザエルと戦たたかったが、スリヤびとはヨラムに傷きずを負おわせた。22:6 そこでヨラムはスリヤの王おうハザエルと戦たたかった時とき、ラマで負おったその傷きずをいやすためにエズレルに帰かえった。ユダの王おうヨラムの子こアハジヤはアハブの子こヨラムが病気びょうきなのでエズレルに下くだってこれを見舞みまった。 22:7 アハジヤがヨラムを見舞みまいに行いったことによって滅ほろびに至いたったのは神かみによって定さだめられたことである。すなわち彼かれがそこに着ついた時とき、ヨラムと一緒いっしょに出でて、ニムシの子こエヒウを迎むかえた。エヒウは主しゅがアハブの家いえを断たち滅ほろぼすために油あぶらを注そそがれた者ものである。22:8 エヒウはアハブの家いえを罰ばっするにあたって、ユダのつかさたち、およびアハジヤの兄弟きょうだいたちの子こらがアハジヤに仕つかえているのを見みたので、彼かれらをも殺ころした。22:9 アハジヤはサマリヤに隠かくれていたが、エヒウが彼かれを捜さがし求もとめたので、人々ひとびとは彼かれを捕とらえ、エヒウのもとに引ひいてきて、彼かれを殺ころした。ただし「彼かれは心こころをつくして主しゅを求もとめたヨシャパテの子こである」と人々ひとびとは言いったのでこれを葬ほうむった。こうしてアハジヤの家いえには国くにを統すべ治おさめうる者ものがなくなった。 22:10 アハジヤの母ははアタリヤは自分じぶんの子この死しんだのを見みて、立たってユダの家いえの王子おうじをことごとく滅ほろぼしたが、22:11 王おうの娘むすめエホシバはアハジヤの子こヨアシを王おうの子こたちの殺ころされる者もののうちから盗ぬすみ取とり、彼かれとそのうばを寝室しんしつにおいた。こうしてエホシバがヨアシをアタリヤから隠かくしたので、アタリヤはヨアシを殺ころさなかった。エホシバはヨラム王おうの娘むすめ、またアハジヤの妹いもうとで、祭司さいしエホヤダの妻つまである。22:12 こうしてヨアシは神かみの宮みやに隠かくれて彼かれらと共ともにおること六年ねん、その間かんアタリヤが国くにを治おさめた。 第23章 23:1 第だい七年ねんになって、エホヤダは勇気ゆうきをだしてエロハムの子こアザリヤ、ヨハナンの子こイシマエル、オベデの子こアザリヤ、アダヤの子こマアセヤ、ジクリの子こエリシャパテなどの百人にんの長ちょうたちを招まねいて契約けいやくを結むすばせた。23:2 そこで彼かれらはユダを行いきめぐって、ユダのすべての町まちからレビびとを集あつめ、またイスラエルの氏族しぞくの長ちょうたちを集あつめて、エルサレムに来きた。23:3 そしてその会衆かいしゅうは皆みな神かみの宮みやで王おうと契約けいやくを結むすんだ。その時ときエホヤダは彼かれらに言いった、「主しゅがダビデの子孫しそんのことについて言いわれたように、王おうの子こが位くらいにつくべきです。23:4 あなたがたのなすべき事ことはこれです。すなわちあなたがた祭司さいしおよびレビびとの安息日あんそくにちにはいって来くる者ものの、三分ぶんの一は門もんを守まもる者ものとなり、23:5 三分ぶんの一は王おうの家いえにおり、三分ぶんの一は礎いしずえの門もんにおり、民たみは皆みな、主しゅの宮みやの庭にわにいなさい。23:6 祭司さいしと、勤つとめをするレビびとのほかは、だれも主しゅの宮みやに、はいってはならない。彼かれらは聖せいなる者ものであるから、はいることができる。民たみは皆みな、主しゅの命令めいれいを守まもらなければならない。23:7 レビびとはめいめい手てに武器ぶきをとって王おうのまわりに立たたなければならない。宮みやにはいる者ものをすべて殺ころしなさい。あなたがたは王おうがはいる時ときにも出でる時ときにも、王おうと共ともにいなさい」。 23:8 そこでレビびとおよびユダの人々ひとびとは、祭司さいしエホヤダがすべて命めいじたように行おこない、めいめいその組くみの者もので、安息日あんそくにちにはいって来くるべき者ものと、安息日あんそくにちに出でて行いくべき者ものを率ひきいていた。祭司さいしエホヤダが組くみの者ものを去さらせなかったからである。23:9 また祭司さいしエホヤダは、神かみの宮みやにあるダビデ王おうのやりおよび大盾おおだて、小盾こだてを百人にんの長ちょうたちに渡わたし、23:10 また王おうを守まもるために、すべての民たみにめいめい手てに武器ぶきをとらせ、宮みやの南側みなみがわから北側きたがわにわたって、祭壇さいだんと宮みやに沿そって立たたせた。23:11 こうして王おうの子こを連つれ出だして、これに冠かんむりをいただかせ、あかしの書しょを渡わたして王おうとなし、エホヤダおよびその子こたちが彼かれに油あぶらを注そそいだ。そして「王おう万歳ばんざい」と言いった。 23:12 アタリヤは民たみの走はしりながら王おうをほめる声こえを聞きいたので、主しゅの宮みやに入いり、民たみの所ところへ行いって、23:13 見みると、王おうは入口いりぐちで柱はしらのかたわらに立たち、王おうのかたわらには将軍しょうぐんたちとラッパ手てが立たっており、また国くにの民たみは皆みな喜よろこんでラッパを吹ふき、歌うたをうたう者ものは楽器がっきをもってさんびしていたので、アタリヤは衣ころもを裂さいて「反逆はんぎゃくだ、反逆はんぎゃくだ」と叫さけんだ。23:14 その時ときエホヤダは軍勢ぐんぜいを統率とうそつする百人にんの長ちょうたちを呼よび出だし、「列れつの間あいだから彼女かのじょを連つれ出だせ、彼女かのじょに従したがう者ものをつるぎで殺ころせ」と言いった。祭司さいしが彼女かのじょを主しゅの宮みやで殺ころしてはならないと言いったからである。23:15 そこで人々ひとびとは彼女かのじょに手てをかけ、王おうの家いえの馬うまの門もんの入口いりぐちまで連つれて行いき、その所ところで彼女かのじょを殺ころした。 23:16 エホヤダは自分じぶんとすべての民たみと王おうとの間あいだに、彼かれらは皆みな、主しゅの民たみとなるとの契約けいやくを結むすんだ。23:17 そこですべての民たみはバアルの家いえに行いって、それをこわし、その祭壇さいだんとその像ぞうとを打うち砕くだき、バアルの祭司さいしマッタンを祭壇さいだんの前まえで殺ころした。23:18 エホヤダはまた主しゅの宮みやの守衛しゅえいを、祭司さいしとレビびとの指揮しきのもとに置おいた。このレビびとは昔むかしダビデがモーセの律法りっぽうにしるされているように、喜よろこびと歌うたとをもって主しゅに燔祭はんさいをささげるために、主しゅの宮みやに配置はいちしたものであって、今いまそのダビデの例れいにならったものである。23:19 彼かれはまた主しゅの宮みやのもろもろの門もんに門衛もんえいを置おき、汚けがれた者ものは何なにによって汚けがれた者ものでも、はいらせないようにした。23:20 こうしてエホヤダは百人にんの長ちょうたち、貴族きぞくたち、民たみのつかさたちおよび国くにのすべての民たみを率ひきいて、主しゅの宮みやから王おうを連つれ下くだり、上うえの門もんから王おうの家いえに進すすみ、王おうを国くにの位くらいにつかせた。23:21 国くにの民たみは皆みな喜よろこんだ。町まちはアタリヤがつるぎで殺ころされた後のち、穏おだやかであった。 第24章 24:1 ヨアシは位くらいについた時とき七歳さいで、エルサレムで四十年ねんの間あいだ、世よを治おさめた。彼かれの母はははベエルシバから出でた者もので名なをヂビアといった。24:2 ヨアシは祭司さいしエホヤダの世よにある日ひの間あいだは常つねに主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。24:3 エホヤダは彼かれのためにふたりの妻つまをめとり、彼かれに男子だんしと女子じょしが生うまれた。 24:4 この後のちヨアシは主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんしようと志こころざして、24:5 祭司さいしとレビびとを集あつめて言いった、「ユダの町々まちまちへ行いって、あなたがたの神かみの宮みやを年々ねんねん修繕しゅうぜんする資金しきんをすべてのイスラエルびとから集あつめなさい。その事ことを急いそいでしなさい」。ところがレビびとはこれを急いそいでしなかった。24:6 それで王おうはかしらであるエホヤダを召めして言いった、「あなたはなぜレビびとに求もとめて、主しゅのしもべモーセがあかしの幕屋まくやのためにイスラエルの会衆かいしゅうに課かした税金ぜいきんをユダとエルサレムから取とり立たてさせないのか」。24:7 かの悪わるい女おんなアタリヤの子こらが神かみの宮みやに侵入しんにゅうして主しゅの宮みやのもろもろの奉納物ほうのうぶつをとり、バアルのために用もちいたからである。 24:8 そこで王おうは命めいじて一個この箱はこを造つくらせ、これを主しゅの宮みやの門もんの外そとに置おき、24:9 ユダとエルサレムにふれて、神かみのしもべモーセが荒野あらのでイスラエルに課かした税金ぜいきんを主しゅのために持もってこさせた。24:10 すべてのつかさたちおよびすべての民たみは皆みな喜よろこんでその税金ぜいきんを持もって来きて、その箱はこに投なげ入いれたので、ついに箱はこはいっぱいになった。24:11 レビびとはその箱はこに金きんが多おおくあるのを見みて、王おうの役人やくにんの所ところへ持もって行いくと、王おうの書記しょきと祭司さいし長ちょうの下役したやくとが来きて、その箱はこを傾かたむけ、これを取とってもとの所ところに返かえした。彼かれらは日々ひびこのようにして金きんをおびただしく集あつめた。24:12 王おうとエホヤダはこれを主しゅの宮みやの工事こうじをなす者ものに渡わたし、石工いしくおよび木工もっこうを雇やとって、主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんさせ、また鉄工てっこうおよび青銅せいどう工こうを雇やとって、主しゅの宮みやを修復しゅうふくさせた。24:13 工人こうじんたちは働はたらいたので、修復しゅうふくの工事こうじは彼かれらの手てによってはかどり、神かみの宮みやを、もとの状態じょうたいに復ふくし、これを堅固けんごにした。24:14 それをなし終おわったとき、余あまった金きんを王おうとエホヤダの前まえに持もって来きたので、それをもって主しゅの宮みやのために器物うつわものを つくった。すなわち勤つとめの器うつわ、燔祭はんさいの器うつわ、香こうの皿さら、および金銀きんぎんの器うつわを造つくった。エホヤダの世よにある日ひの間あいだは、絶たえず主しゅの宮みやで燔祭はんさいをささげた。 24:15 しかしエホヤダは年老としおい、日ひが満みちて死しんだ。その死しんだ時ときは百三十歳さいであった。24:16 人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちで王おうたちの中なかに葬ほうむった。彼かれはイスラエルにおいて神かみとその宮みやとに良よい事ことを行おこなったからである。 24:17 エホヤダの死しんだ後のち、ユダのつかさたちが来きて、うやうやしく王おうに敬意けいいを表あらわした。王おうは彼かれらに聞きき従したがった。24:18 彼かれらはその先祖せんぞの神かみ、主しゅの宮みやを捨すてて、アシラ像ぞうおよび偶像ぐうぞうに仕つかえたので、そのとがのために、怒いかりがユダとエルサレムに臨のぞんだ。24:19 主しゅは彼かれらをご自分じぶんに引ひき返かえそうとして、預言者よげんしゃたちをつかわし、彼かれらにむかってあかしをさせられたが、耳みみを傾かたむけなかった。 24:20 そこで神かみの霊れいが祭司さいしエホヤダの子こゼカリヤに臨のぞんだので、彼かれは民たみの前まえに立たち上あがって言いった、「神かみはこう仰おおせられる、『あなたがたが主しゅの戒いましめを犯おかして、災わざわいを招まねくのはどういうわけであるか。あなたがたが主しゅを捨すてたために、主しゅもあなたがたを捨すてられたのである』」。24:21 しかし人々ひとびとは彼かれを害がいしようと計はかり、王おうの命いのちによって、石いしをもって彼かれを主しゅの宮みやの庭にわで撃うち殺ころした。24:22 このようにヨアシ王おうはゼカリヤの父ちちエホヤダが自分じぶんに施ほどこした恵めぐみを思おもわず、その子こを殺ころした。ゼカリヤは死しぬ時とき、「どうぞ主しゅがこれをみそなわして罰ばっせられるように」と言いった。 24:23 年ねんの終おわりになって、スリヤの軍勢ぐんぜいはヨアシにむかって攻せめ上のぼり、ユダとエルサレムに来きて、民たみのつかさたちをことごとく民たみのうちから滅ほろぼし、そのぶんどり物ものを皆みなダマスコの王おうに送おくった。24:24 この時ときスリヤの軍勢ぐんぜいは少数しょうすうで来きたのであるが、主しゅは大軍たいぐんを彼かれらの手てに渡わたされた。これは彼かれらがその先祖せんぞの神かみ、主しゅを捨すてたためである。このように彼かれらはヨアシを罰ばっした。 24:25 スリヤ軍ぐんはヨアシに大だい傷きずを負おわせて捨すて去さったが、ヨアシの家来けらいたちは祭司さいしエホヤダの子この血ちのために、党とうを結むすんで彼かれにそむき、彼かれを床とこの上うえに殺ころして、死しなせた。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうの墓はかには葬ほうむらなかった。24:26 党とうを結むすんで彼かれにそむいた者ものは、アンモンの女おんなシメアテの子こザバデおよびモアブの女おんなシムリテの子こヨザバデであった。24:27 ヨアシの子こらのこと、ヨアシに対たいする多おおくの預言よげんおよび神かみの宮みやの修理しゅうりの事ことなどは、列れつ王おうの書しょの注釈ちゅうしゃくにしるされている。ヨアシの子こアマジヤが彼かれに代かわって王おうとなった。 第25章 25:1 アマジヤは王おうとなった時とき二十五歳さいで、二十九年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので、名なをエホアダンといった。25:2 アマジヤは主しゅの良よしと見みられることを行おこなったが、全まったき心こころをもってではなかった。25:3 彼かれは、国くにが彼かれの手てのうちに強つよくなったとき、父ちちヨアシ王おうを殺害さつがいした家来けらいたちを殺ころした。25:4 しかしその子こ供ともたちは殺ころさなかった。これはモーセの律法りっぽうの書しょにしるされている所ところに従したがったのであって、そこに主しゅは命めいじて、「父ちちは子このゆえに殺ころされるべきではない。子こは父ちちのゆえに殺ころされるべきではない。おのおの自分じぶんの罪つみのゆえに殺ころされるべきである」と言いわれている。 25:5 アマジヤはユダの人々ひとびとを集あつめ、その氏族しぞくに従したがって、千人にんの長ちょうに付属ふぞくさせ、または百人にんの長ちょうに付属ふぞくさせた。ユダとベニヤミンのすべてに行いった。そして二十歳さい以上いじょうの者ものを数かぞえたところ、やりと盾たてをとって戦たたかいに臨のぞみうる精兵せいへい三十万人にんを得えた。25:6 彼かれはまた銀ぎん百タラントをもってイスラエルから大だい勇士ゆうし十万人にんを雇やとった。25:7 その時とき、神かみの人ひとが彼かれの所ところに来きて言いった、「王おうよ、イスラエルの軍勢ぐんぜいをあなたと共ともに行いかせてはいけません。主しゅはイスラエルびと、すなわちエフライムのすべての人々ひとびととは共ともにおられないからです。25:8 もしあなたがこのような方法ほうほうで戦たたかいに強つよくなろうと思おもうならば、神かみはあなたを敵てきの前まえに倒たおされるでしょう。神かみには助たすける力ちからがあり、また倒たおす力ちからがあるからです」。25:9 アマジヤは神かみの人ひとに言いった、「それではわたしがイスラエルの軍隊ぐんたいに与あたえた百タラントをどうしましょうか」。神かみの人ひとは答こたえた、「主しゅはそれよりも多おおいものをあなたにお与あたえになることができます」。25:10 そこでアマジヤはエフライムから来きて自分じぶんに加くわわった軍隊ぐんたいを分離ぶんりして帰かえらせたので、彼かれらはユダに対たいして激はげしい怒いかりを発はっし、火ひのように怒いかって自分じぶんの所ところに帰かえった。25:11 しかしアマジヤは勇気ゆうきを出だし、その民たみを率ひきいて塩しおの谷たにへ行いき、セイルびと一万人にんを撃うち殺ころした。25:12 またユダの人々ひとびとはこのほかに一万人にんをいけどり、岩いわの頂いただきに引ひいて行いって岩いわの頂いただきから彼かれらを投なげ落おとしたので、皆みなこなごなに砕くだけた。25:13 ところがアマジヤが自分じぶんと共ともに戦たたかいに行いかせないで帰きしてやった兵卒へいそつらが、サマリヤからベテホロンまでの、ユダの町々まちまちを襲おそって三千人にんを殺ころし、多おおくの物ものを奪うばい取とった。 25:14 アマジヤはエドムびとを殺ころして帰かえった時とき、セイルびとの神々かみがみを携たずさえてきて、これを安置あんちして自分じぶんの神かみとし、これを礼拝れいはいし、これにささげ物ものをなした。25:15 それゆえ、主しゅはアマジヤに向むかって怒いかりを発はっし、預言者よげんしゃを彼かれにつかわして言いわせられた、「かの民たみの神々かみがみは自分じぶんの民たみをあなたの手てから救すくうことができなかったのに、あなたはどうしてそれを求もとめたのか」。25:16 彼かれがこう王おうに語かたると、王おうは彼かれに、「われわれはあなたを王おうの顧問こもんにしたのですか。やめなさい。あなたはどうして殺ころされようとするのですか」と言いったので、預言者よげんしゃはやめて言いった、「あなたはこの事ことを行いって、わたしのいさめを聞ききいれないゆえ、神かみはあなたを滅ほろぼそうと定さだめられたことをわたしは知しっています」。 25:17 そこでユダの王おうアマジヤは協議きょうぎの結果けっか、人ひとをエヒウの子こエホアハズの子こであるイスラエルの王おうヨアシにつかわし、「さあ、われわれは互たがいに顔かおをあわせよう」と言いわせたところ、25:18 イスラエルの王おうヨアシはユダの王おうアマジヤに言いい送おくった、「レバノンのいばらが、かつてレバノンの香柏こうはくに、『あなたの娘むすめをわたしのむすこの妻つまに与あたえよ』と言いい送おくったところが、レバノンの野獣やじゅうが通とおりかかって、そのいばらを踏ふみ倒たおした。25:19 あなたは『見みよ、わたしはエドムを撃うち破やぶった』と言いって心こころに誇ほこり高たかぶっている。しかしあなたは自分じぶんの家いえにとどまっていなさい。どうしてあなたは災わざわいを引ひき起おこして、自分じぶんもユダも共ともに滅ほろびようとするのか」。 25:20 しかしアマジヤは聞ききいれなかった。これは神かみから出でたのであって、彼かれらがエドムの神々かみがみを求もとめたので神かみは彼かれらを敵てきの手てに渡わたされるためである。25:21 そこでイスラエルの王おうヨアシは上のぼって来きて、ユダのベテシメシでユダの王おうアマジヤと顔かおを合あわせたが、25:22 ユダはイスラエルに撃うち破やぶられ、おのおのその天幕てんまくに逃にげ帰かえった。25:23 その時ときイスラエルの王おうヨアシはエホアハズの子こヨアシの子こであるユダの王おうアマジヤをベテシメシで捕とらえて、エルサレムに引ひいて行いき、エルサレムの城壁じょうへきをエフライム門もんから、隅すみの門もんまで四百キュビトほどをこわし、25:24 また神かみの宮みやのうちで、オベデエドムが守まもっていたすべての金銀きんぎんおよびもろもろの器物うつわものならびに王おうの家いえの財宝ざいほうを奪うばい、また人質ひとじちをとって、サマリヤに帰かえった。 25:25 ユダの王おうヨアシの子こアマジヤはイスラエルの王おうエホアハズの子こヨアシが死しんで後のちなお十五年ねん生いきながらえた。25:26 アマジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされているではないか。25:27 アマジヤがそむいて、主しゅに従したがわなくなった時ときから、人々ひとびとはエルサレムにおいて党とうを結むすび、彼かれに敵てきしたので、彼かれはラキシに逃にげて行いったが、その人々ひとびとはラキシに人ひとをやって、彼かれをその所ところで殺ころさせた。25:28 人々ひとびとはこれを馬うまに負おわせて持もってきて、ユダの町まちでその先祖せんぞたちと共ともにこれを葬ほうむった。 第26章 26:1 そこでユダの民たみは皆みなウジヤをとって王おうとなし、その父ちちアマジヤに代かわらせた。時ときに十六歳さいであった。26:2 彼かれはエラテを建たてて、これをふたたびユダのものにした。これはかの王おうがその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむった後のちであった。26:3 ウジヤは王おうとなった時とき十六歳さいで、エルサレムで五十二年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので名なをエコリヤといった。26:4 ウジヤは父ちちアマジヤがしたように、すべて主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。26:5 彼かれは神かみを恐おそれることを自分じぶんに教おしえたゼカリヤの世よにある日ひの間あいだ、神かみを求もとめることに努つとめた。彼かれが主しゅを求もとめた間あいだ、神かみは彼かれを栄さかえさせられた。 26:6 彼かれは出でてペリシテびとと戦たたかい、ガテの城壁じょうへき、ヤブネの城壁じょうへきおよびアシドドの城壁じょうへきをくずし、アシドドの地ちとペリシテびとのなかに町まちを建たてた。26:7 神かみは彼かれを助たすけてペリシテびとと、グルバアルに住すむアラビヤびとおよびメウニびとを攻せめ撃うたせられた。26:8 アンモンびとはウジヤにみつぎを納おさめた。ウジヤは非常ひじょうに強つよくなったので、その名なはエジプトの入口いりぐちまでも広ひろまった。26:9 ウジヤはまたエルサレムの隅すみの門もん、谷たにの門もんおよび城壁じょうへきの曲まがりかどにやぐらを建たてて、これを堅固けんごにした。26:10 彼かれはまた荒野あらのにやぐらを建たて、また多おおくの水みずためを掘ほった。彼かれは平野へいやにも平地へいちにもたくさんの家畜かちくをもっていたからである。彼かれはまた農事のうじを好このんだので、山々やまやまおよび肥こえた畑はたけには農夫のうふとぶどうをつくる者ものをもっていた。26:11 ウジヤはまたよく戦たたかう一軍団ぐんだんを持もっていた。彼かれらは書記しょきエイエルと、つかさマアセヤによって調しらべた数かずに従したがって組々くみぐみに分わかれ、皆みな王おうの軍ぐん長ちょうのひとりハナニヤの指揮しき下したにあった。26:12 その氏族しぞくの長ちょうである大だい勇士ゆうしの数かずは合あわせて二千六百人にんであった。26:13 その指揮しき下したにある軍勢ぐんぜいは三十万七千五百人にんで、皆みな大おおいなる力ちからをもって戦たたかい、王おうを助たすけて敵てきに当あたった。26:14 ウジヤはその全ぜん軍ぐんのために盾たて、やり、かぶと、よろい、弓ゆみおよび石いし投なげの石いしを備そなえた。26:15 彼かれはまたエルサレムで技術ぎじゅつ者ものの考案こうあんした機械きかいを造つくって、これをやぐらおよび城壁じょうへきのすみずみにすえ、これをもって矢やおよび大石おおいしを射出しゃしゅつした。こうして彼かれの名声めいせいは遠とおくまで広ひろまった。彼かれが驚おどろくほど神かみの助たすけを得えて強つよくなったからである。 26:16 ところが彼かれは強つよくなるに及およんで、その心こころに高たかぶり、ついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。すなわち彼かれはその神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、主しゅの宮みやにはいって香こうの祭壇さいだんの上うえに香こうをたこうとした。26:17 その時とき、祭司さいしアザリヤは主しゅの祭司さいしである勇士ゆうし八十人にんを率ひきいて、彼かれのあとに従したがってはいり、26:18 ウジヤ王おうを引ひき止とめて言いった、「ウジヤよ、主しゅに香こうをたくことはあなたのなすべきことではなく、ただアロンの子孫しそんで、香こうをたくために清きよめられた祭司さいしたちのすることです。すぐ聖所せいじょから出でなさい。あなたは罪つみを犯おかしました。あなたは主しゅなる神かみから栄さかえを得えることはできません」。26:19 するとウジヤは怒いかりを発はっし、香炉こうろを手てにとって香こうをたこうとしたが、彼かれが祭司さいしに向むかって怒いかりを発はっしている間あいだに、らい病びょうがその額ひたいに起たった。時ときに彼かれは主しゅの宮みやで祭司さいしたちの前まえ、香こうの祭壇さいだんのかたわらにいた。26:20 祭司さいしの長ちょうアザリヤおよびすべての祭司さいしたちが彼かれを見みると、彼かれの額ひたいにらい病びょうが生しょうじていたので、急いそいで彼かれをそこから追おい出だした。彼かれ自身じしんもまた主しゅに撃うたれたことを知しって、急いそいで出でて行いった。26:21 ウジヤ王おうは、死しぬ日ひまでらい病人びょうにんであった。彼かれはらい病人びょうにんであったので、離はなれ殿どのに住すんだ。主しゅの宮みやから断たたれたからである。その子こヨタムが王おうの家いえをつかさどり、国くにの民たみを治おさめた。26:22 ウジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤがこれを書かきしるした。26:23 ウジヤは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、人々ひとびとは「彼かれはらい病人びょうにんである」と言いって、王おうたちの墓はかに連つらなる墓地ぼちに、その先祖せんぞたちと共ともに葬ほうむった。その子こヨタムが彼かれに代かわって王おうとなった。 第27章 27:1 ヨタムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははザドクの娘むすめで名なをエルシャといった。27:2 ヨタムはその父ちちウジヤがしたように主しゅの良よしと見みられることをした。しかし主しゅの宮みやには、はいらなかった。民たみはなお悪あくを行おこなった。27:3 彼かれは主しゅの宮みやの上うえの門もんを建たて、オペルの石いしがきを多おおく築きずき増まし、27:4 またユダの山地さんちに数個すうこの町まちを建たて、林はやしの間あいだに城しろとやぐらを築きずいた。27:5 彼かれはアンモンびとの王おうと戦たたかってこれに勝かった。その年ねんアンモンの人々ひとびとは銀ぎん百タラント、小麦こむぎ一万コル、大麦おおむぎ一万コルを彼かれに贈おくった。アンモンの人々ひとびとは第だい二年ねんにも第だい三年ねんにも同おなじように彼かれに納おさめた。27:6 ヨタムはその神かみ、主しゅの前まえにその行おこないを堅かたくしたので力ちからある者ものとなった。27:7 ヨタムのその他たの行為こうい、そのすべての戦たたかいおよびその行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。27:8 彼かれは王おうとなった時とき、二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。27:9 ヨタムはその先祖せんぞと共ともに眠ねむったので、ダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こアハズが彼かれに代かわって王おうとなった。
20:1 この後のちモアブびと、アンモンびとおよびメウニびとらがヨシャパテと戦たたかおうと攻せめてきた。
20:2 その時ときある人ひとがきて、ヨシャパテに告つげて言いった、「海うみのかなたのエドムから大軍たいぐんがあなたに攻せめて来きます。見みよ、彼かれらはハザゾン・タマル(すなわちエンゲデ)にいます」。
20:3 そこでヨシャパテは恐おそれ、主しゅに顔かおを向むけて助たすけを求もとめ、ユダ全国ぜんこくに断食だんじきをふれさせた。
20:4 それでユダはこぞって集あつまり、主しゅの助たすけを求もとめた。すなわちユダのすべての町まちから人々ひとびとが来きて主しゅを求もとめた。
20:5 そこでヨシャパテは主しゅの宮みやの新あたらしい庭にわの前まえで、ユダとエルサレムの会衆かいしゅうの中なかに立たって、
20:6 言いった、「われわれの先祖せんぞの神かみ、主しゅよ、あなたは天てんにいます神かみではありませんか。異邦人いほうじんのすべての国くにを治おさめられるではありませんか。あなたの手てには力ちからがあり、勢いきおいがあって、あなたに逆さからいうる者ものはありません。
20:7 われわれの神かみよ、あなたはこの国くにの民たみをあなたの民たみイスラエルの前まえから追おい払はらって、あなたの友ともアブラハムの子孫しそんに、これを永遠えいえんに与あたえられたではありませんか。
20:8 彼かれらはここに住すみ、あなたの名なのためにここに聖所せいじょを建たてて言いいました、
20:9 『つるぎ、審判しんぱん、疫病えきびょう、ききんなどの災わざわいがわれわれに臨のぞむ時とき、われわれはこの宮みやの前まえに立たって、あなたの前まえにおり、その悩なやみの中なかであなたに呼よばわります。すると、あなたは聞きいて助たすけられます。あなたの名なはこの宮みやにあるからです』と。
20:10 今いまアンモン、モアブ、およびセイル山やまの人々ひとびとをごらんなさい。昔むかしイスラエルがエジプトの国くにから出でてきた時とき、あなたはイスラエルに彼かれらを侵おかすことをゆるされなかったので、イスラエルは彼かれらを離はなれて、滅ほろぼしませんでした。
20:11 彼かれらがわれわれに報むくいるところをごらんください。彼かれらは来きて、あなたがわれわれに賜たまわったあなたの領地りょうちからわれわれを追おい払はらおうとしています。
20:12 われわれの神かみよ、あなたは彼かれらをさばかれないのですか。われわれはこのように攻せめて来くる大軍たいぐんに当あたる力ちからがなく、またいかになすべきかを知しりません。ただ、あなたを仰あおぎ望のぞむのみです」。
20:13 ユダの人々ひとびとはその幼おさな子こ、その妻つま、および子供こどもたちと共ともに皆みな主しゅの前まえに立たっていた。
20:14 その時とき主しゅの霊れいが会衆かいしゅうの中なかでアサフの子孫しそんであるレビびとヤハジエルに臨のぞんだ。ヤハジエルはゼカリヤの子こ、ゼカリヤはベナヤの子こ、ベナヤはエイエルの子こ、エイエルはマッタニヤの子こである。
20:15 ヤハジエルは言いった、「ユダの人々ひとびと、エルサレムの住民じゅうみん、およびヨシャパテ王おうよ、聞ききなさい。主しゅはあなたがたにこう仰おおせられる、『この大軍たいぐんのために恐おそれてはならない。おののいてはならない。これはあなたがたの戦たたかいではなく、主しゅの戦たたかいだからである。
20:16 あす、彼かれらの所ところへ攻せめ下くだりなさい。見みよ、彼かれらはヂヅの坂さかから上のぼって来くる。あなたがたはエルエルの野のの東ひがし、谷たにの端たんでこれに会あうであろう。
20:17 この戦たたかいには、あなたがたは戦たたかうに及およばない。ユダおよびエルサレムよ、あなたがたは進すすみ出でて立たち、あなたがたと共ともにおられる主しゅの勝利しょうりを見みなさい。恐おそれてはならない。おののいてはならない。あす、彼かれらの所ところに攻せめて行いきなさい。主しゅはあなたがたと共ともにおられるからである』」。
20:18 ヨシャパテは地ちにひれ伏ふした。ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの民たみも主しゅの前まえに伏ふして、主しゅを拝はいした。
20:19 その時ときコハテびとの子孫しそん、およびコラびとの子孫しそんであるレビびとが立たち上あがり、大声おおごえをあげてイスラエルの神かみ、主しゅをさんびした。
20:20 彼かれらは朝あさ早はやく起おきてテコアの野のに出でて行いった。その出でて行いくとき、ヨシャパテは立たって言いった、「ユダの人々ひとびとおよびエルサレムの民たみよ、わたしに聞ききなさい。あなたがたの神かみ、主しゅを信しんじなさい。そうすればあなたがたは堅かたく立たつことができる。主しゅの預言者よげんしゃを信しんじなさい。そうすればあなたがたは成功せいこうするでしょう」。
20:21 彼かれはまた民たみと相談そうだんして人々ひとびとを任命にんめいし、聖せいなる飾かざりを着つけて軍勢ぐんぜいの前まえに進すすませ、主しゅに向むかって歌うたをうたい、かつさんびさせ、
20:22 そして彼かれらが歌うたをうたい、さんびし始はじめた時とき、主しゅは伏兵ふくへいを設もうけ、かのユダに攻せめてきたアンモン、モアブ、セイル山やまの人々ひとびとに向むかわせられたので、彼かれらは打うち敗やぶられた。
20:23 すなわちアンモンとモアブの人々ひとびとは立たち上あがって、セイル山やまの民たみに敵てきし、彼かれらを殺ころして全まったく滅ほろぼしたが、セイルの民たみを殺ころし尽つくすに及およんで、彼かれらもおのおの互たがいに助たすけて滅ほろぼしあった。
20:24 ユダの人々ひとびとは野のの物見ものみやぐらへ行いって、かの群衆ぐんしゅうを見みたが、地ちに倒たおれた死体したいだけであって、ひとりものがれた者ものはなかった。
20:25 それでヨシャパテとその民たみは彼かれらの物ものを奪うばうために来きて見みると、多数たすうの家畜かちく、財宝ざいほう、衣服いふくおよび宝石ほうせきなどおびただしくあったので、おのおのそれをはぎ取とったが、運はこびきれないほどたくさんで、かすめ取とるに三日かもかかった。それほど物ものが多おおかったのである。
20:26 四日か目めに彼かれらはベラカの谷たにに集あつまり、その所ところで主しゅを祝福しゅくふくした。それでその所ところの名なを今日こんにちまでベラカの谷たにと呼よんでいる。
20:27 そしてユダとエルサレムの人々ひとびとは皆みなヨシャパテを先さきに立たて、喜よろこんでエルサレムに帰かえってきた。主しゅが彼かれらにその敵てきのことによって喜よろこびを与あたえられたからである。
20:28 すなわち彼かれらは立琴たてごと、琴ことおよびラッパをもってエルサレムの主しゅの宮みやに来きた。
20:29 そしてもろもろの国くにの民たみは主しゅがイスラエルの敵てきと戦たたかわれたことを聞きいて神かみを恐おそれた。
20:30 こうして神かみが四方しほうに安息あんそくを賜たまわったので、ヨシャパテの国くには穏おだやかであった。
20:31 このようにヨシャパテはユダを治おさめた。彼かれは三十五歳さいの時とき、王おうとなり、二十五年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。彼かれの母ははの名なはアズバといってシルヒの娘むすめである。
20:32 ヨシャパテは父ちちアサの道みちを歩あゆんでそれを離はなれず、主しゅの目めに正ただしいと見みられることを行おこなった。
20:33 しかし高たかき所ところは除のぞかず、また民たみはその先祖せんぞの神かみに心こころを傾かたむけなかった。
20:34 ヨシャパテのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ハナニの子こエヒウの書しょにしるされ、イスラエルの列れつ王おうの書しょに載のせられてある。
20:35 この後のちユダの王おうヨシャパテはイスラエルの王おうアハジヤと相あい結むすんだ。アハジヤは悪あくを行おこなった。
20:36 ヨシャパテはタルシシへ行いく船ふねを造つくるためにアハジヤと相あい結むすび、エジオン・ゲベルで一緒いっしょに船ふね数隻すうせきを つくった。
20:37 その時ときマレシャのドダワの子こエリエゼルはヨシャパテに向むかって預言よげんし、「あなたはアハジヤと相あい結むすんだので、主しゅはあなたの造つくった物ものをこわされます」と言いったが、その船ふねは難破なんぱして、タルシシへ行いくことができなかった。
第21章 21:1 ヨシャパテは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむり、先祖せんぞたちと共ともにダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こヨラムが代かわって王おうとなった。21:2 ヨシャパテの子こであるその兄弟きょうだいたちはアザリヤ、エヒエル、ゼカリヤ、アザリヤ、ミカエルおよびシパテヤで、皆みなユダの王おうヨシャパテの子こたちであった。21:3 その父ちちは彼かれらに金きん、銀ぎん、宝物ほうもつの賜物たまものを多おおく与あたえ、またユダの要害ようがいの町々まちまちを与あたえたが、ヨラムは長子ちょうしなので、国くにはヨラムに与あたえた。21:4 ヨラムはその父ちちの位くらいに登のぼって強つよくなった時とき、その兄弟きょうだいたちをことごとくつるぎにかけて殺ころし、またユダのつかさたち数人すうにんを殺ころした。21:5 ヨラムは位くらいについた時とき三十二歳さいで、エルサレムで八年ねんの間あいだ世よを治おさめた。21:6 彼かれはアハブの家いえがしたようにイスラエルの王おうたちの道みちに歩あゆんだ。アハブの娘むすめを妻つまとしたからである。このように彼かれは主しゅの目めの前まえに悪あくをおこなったが、21:7 主しゅはさきにダビデと結むすばれた契約けいやくのゆえに、また彼かれとその子孫しそんとにながく、ともしびを与あたえると約束やくそくされたことによって、ダビデの家いえを滅ほろぼすことを好このまれなかった。 21:8 ヨラムの世よにエドムがそむいて、ユダの支配しはいを脱だっし、みずから王おうを立たてたので、21:9 ヨラムはその将校しょうこうたち、およびすべての戦車せんしゃを従したがえて渡わたって行いき、夜よるのうちに立たち上あがって、自分じぶんを包囲ほういしているエドムびととその戦車せんしゃの隊長たいちょうたちを撃うった。21:10 エドムはこのようにそむいてユダの支配しはいを脱だっし、今日こんにちに至いたっている。そのころリブナもまたそむいてユダの支配しはいを脱だっした。ヨラムが先祖せんぞたちの神かみ、主しゅを捨すてたからである。 21:11 彼かれはまたユダの山地さんちに高たかき所ところを造つくって、エルサレムの民たみに姦淫かんいんを行おこなわせ、ユダを惑まどわした。21:12 その時とき預言者よげんしゃエリヤから次つぎのような一通つうの手紙てがみがヨラムのもとに来きた、「あなたの先祖せんぞダビデの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、『あなたは父ちちヨシャパテの道みちに歩あゆまず、またユダの王おうアサの道みちに歩あゆまないで、21:13 イスラエルの王おうたちの道みちに歩あゆみ、ユダとエルサレムの民たみに、かのアハブの家いえがイスラエルに姦淫かんいんを行おこなわせたように、姦淫かんいんを行おこなわせ、またあなたの父ちちの家いえの者もので、あなたにまさっているあなたの兄弟きょうだいたちを殺ころしたゆえ、21:14 主しゅは大おおいなる災わざわいをもってあなたの民たみと子供こどもと妻つまたちと、すべての所有しょゆうを撃うたれる。21:15 あなたはまた内臓ないぞうの病気びょうきにかかって大病たいびょうになり、それが日ひに日ひに重おもくなって、ついに内臓ないぞうが出でるようになる』」。 21:16 その時とき、主しゅはヨラムに対たいしてエチオピヤびとの近ちかくに住すんでいるペリシテびととアラビヤびとの霊れいを振ふり起おこされたので、21:17 彼かれらはユダに攻せめ上のぼって、これを侵おかし、王おうの家いえにある貨か財ざいをことごとく奪うばい去さり、またヨラムの子供こどもと妻つまたちをも奪うばい去さったので、末すえの子こエホアハズのほかには、ひとりも残のこった者ものがなかった。 21:18 このもろもろの事ことの後のち、主しゅは彼かれを撃うって内臓ないぞうにいえがたい病気びょうきを起おこさせられた。21:19 時ときがたって、二年ねんの終おわりになり、その内臓ないぞうが病気びょうきのために出でて、重おもい病苦びょうくによって死しんだ。民たみは彼かれの先祖せんぞのために香こうをたいたように、彼かれのために香こうをたかなかった。21:20 ヨラムはその位くらいについた時とき三十二歳さいで、八年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめ、ついに死しんだ。ひとりも彼かれを惜おしむ者ものがなかった。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうたちの墓はかにではなかった。 第22章 22:1 エルサレムの民たみはヨラムの末すえの子こアハジヤを彼かれの代かわりに王おうとした。かつてアラビヤびとと一緒いっしょに陣営じんえいに攻せめてきた一隊たいの者ものが上うえの子こたちをことごとく殺ころしたので、ユダの王おうヨラムの子こアハジヤが王おうとなったのである。22:2 アハジヤは王おうとなった時とき四十二歳さいで、エルサレムで一年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははオムリの娘むすめで名なをアタリヤといった。22:3 アハジヤもまたアハブの家いえの道みちに歩あゆんだ。その母ははが彼かれの相談そうだん相手あいてとなって悪あくを行おこなわせたからである。22:4 彼かれはまたアハブの家いえがしたように主しゅの目めの前まえに悪あくを行おこなった。すなわちその父ちちが死しんだ後のち、アハブの家いえの者ものがその相談役そうだんやくとなったので、彼かれはついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。22:5 アハジヤはまた彼かれらの勧すすめに従したがって、イスラエルの王おうアハブの子こヨラムと共ともにラモテ・ギレアデへ行いき、スリヤの王おうハザエルと戦たたかったが、スリヤびとはヨラムに傷きずを負おわせた。22:6 そこでヨラムはスリヤの王おうハザエルと戦たたかった時とき、ラマで負おったその傷きずをいやすためにエズレルに帰かえった。ユダの王おうヨラムの子こアハジヤはアハブの子こヨラムが病気びょうきなのでエズレルに下くだってこれを見舞みまった。 22:7 アハジヤがヨラムを見舞みまいに行いったことによって滅ほろびに至いたったのは神かみによって定さだめられたことである。すなわち彼かれがそこに着ついた時とき、ヨラムと一緒いっしょに出でて、ニムシの子こエヒウを迎むかえた。エヒウは主しゅがアハブの家いえを断たち滅ほろぼすために油あぶらを注そそがれた者ものである。22:8 エヒウはアハブの家いえを罰ばっするにあたって、ユダのつかさたち、およびアハジヤの兄弟きょうだいたちの子こらがアハジヤに仕つかえているのを見みたので、彼かれらをも殺ころした。22:9 アハジヤはサマリヤに隠かくれていたが、エヒウが彼かれを捜さがし求もとめたので、人々ひとびとは彼かれを捕とらえ、エヒウのもとに引ひいてきて、彼かれを殺ころした。ただし「彼かれは心こころをつくして主しゅを求もとめたヨシャパテの子こである」と人々ひとびとは言いったのでこれを葬ほうむった。こうしてアハジヤの家いえには国くにを統すべ治おさめうる者ものがなくなった。 22:10 アハジヤの母ははアタリヤは自分じぶんの子この死しんだのを見みて、立たってユダの家いえの王子おうじをことごとく滅ほろぼしたが、22:11 王おうの娘むすめエホシバはアハジヤの子こヨアシを王おうの子こたちの殺ころされる者もののうちから盗ぬすみ取とり、彼かれとそのうばを寝室しんしつにおいた。こうしてエホシバがヨアシをアタリヤから隠かくしたので、アタリヤはヨアシを殺ころさなかった。エホシバはヨラム王おうの娘むすめ、またアハジヤの妹いもうとで、祭司さいしエホヤダの妻つまである。22:12 こうしてヨアシは神かみの宮みやに隠かくれて彼かれらと共ともにおること六年ねん、その間かんアタリヤが国くにを治おさめた。 第23章 23:1 第だい七年ねんになって、エホヤダは勇気ゆうきをだしてエロハムの子こアザリヤ、ヨハナンの子こイシマエル、オベデの子こアザリヤ、アダヤの子こマアセヤ、ジクリの子こエリシャパテなどの百人にんの長ちょうたちを招まねいて契約けいやくを結むすばせた。23:2 そこで彼かれらはユダを行いきめぐって、ユダのすべての町まちからレビびとを集あつめ、またイスラエルの氏族しぞくの長ちょうたちを集あつめて、エルサレムに来きた。23:3 そしてその会衆かいしゅうは皆みな神かみの宮みやで王おうと契約けいやくを結むすんだ。その時ときエホヤダは彼かれらに言いった、「主しゅがダビデの子孫しそんのことについて言いわれたように、王おうの子こが位くらいにつくべきです。23:4 あなたがたのなすべき事ことはこれです。すなわちあなたがた祭司さいしおよびレビびとの安息日あんそくにちにはいって来くる者ものの、三分ぶんの一は門もんを守まもる者ものとなり、23:5 三分ぶんの一は王おうの家いえにおり、三分ぶんの一は礎いしずえの門もんにおり、民たみは皆みな、主しゅの宮みやの庭にわにいなさい。23:6 祭司さいしと、勤つとめをするレビびとのほかは、だれも主しゅの宮みやに、はいってはならない。彼かれらは聖せいなる者ものであるから、はいることができる。民たみは皆みな、主しゅの命令めいれいを守まもらなければならない。23:7 レビびとはめいめい手てに武器ぶきをとって王おうのまわりに立たたなければならない。宮みやにはいる者ものをすべて殺ころしなさい。あなたがたは王おうがはいる時ときにも出でる時ときにも、王おうと共ともにいなさい」。 23:8 そこでレビびとおよびユダの人々ひとびとは、祭司さいしエホヤダがすべて命めいじたように行おこない、めいめいその組くみの者もので、安息日あんそくにちにはいって来くるべき者ものと、安息日あんそくにちに出でて行いくべき者ものを率ひきいていた。祭司さいしエホヤダが組くみの者ものを去さらせなかったからである。23:9 また祭司さいしエホヤダは、神かみの宮みやにあるダビデ王おうのやりおよび大盾おおだて、小盾こだてを百人にんの長ちょうたちに渡わたし、23:10 また王おうを守まもるために、すべての民たみにめいめい手てに武器ぶきをとらせ、宮みやの南側みなみがわから北側きたがわにわたって、祭壇さいだんと宮みやに沿そって立たたせた。23:11 こうして王おうの子こを連つれ出だして、これに冠かんむりをいただかせ、あかしの書しょを渡わたして王おうとなし、エホヤダおよびその子こたちが彼かれに油あぶらを注そそいだ。そして「王おう万歳ばんざい」と言いった。 23:12 アタリヤは民たみの走はしりながら王おうをほめる声こえを聞きいたので、主しゅの宮みやに入いり、民たみの所ところへ行いって、23:13 見みると、王おうは入口いりぐちで柱はしらのかたわらに立たち、王おうのかたわらには将軍しょうぐんたちとラッパ手てが立たっており、また国くにの民たみは皆みな喜よろこんでラッパを吹ふき、歌うたをうたう者ものは楽器がっきをもってさんびしていたので、アタリヤは衣ころもを裂さいて「反逆はんぎゃくだ、反逆はんぎゃくだ」と叫さけんだ。23:14 その時ときエホヤダは軍勢ぐんぜいを統率とうそつする百人にんの長ちょうたちを呼よび出だし、「列れつの間あいだから彼女かのじょを連つれ出だせ、彼女かのじょに従したがう者ものをつるぎで殺ころせ」と言いった。祭司さいしが彼女かのじょを主しゅの宮みやで殺ころしてはならないと言いったからである。23:15 そこで人々ひとびとは彼女かのじょに手てをかけ、王おうの家いえの馬うまの門もんの入口いりぐちまで連つれて行いき、その所ところで彼女かのじょを殺ころした。 23:16 エホヤダは自分じぶんとすべての民たみと王おうとの間あいだに、彼かれらは皆みな、主しゅの民たみとなるとの契約けいやくを結むすんだ。23:17 そこですべての民たみはバアルの家いえに行いって、それをこわし、その祭壇さいだんとその像ぞうとを打うち砕くだき、バアルの祭司さいしマッタンを祭壇さいだんの前まえで殺ころした。23:18 エホヤダはまた主しゅの宮みやの守衛しゅえいを、祭司さいしとレビびとの指揮しきのもとに置おいた。このレビびとは昔むかしダビデがモーセの律法りっぽうにしるされているように、喜よろこびと歌うたとをもって主しゅに燔祭はんさいをささげるために、主しゅの宮みやに配置はいちしたものであって、今いまそのダビデの例れいにならったものである。23:19 彼かれはまた主しゅの宮みやのもろもろの門もんに門衛もんえいを置おき、汚けがれた者ものは何なにによって汚けがれた者ものでも、はいらせないようにした。23:20 こうしてエホヤダは百人にんの長ちょうたち、貴族きぞくたち、民たみのつかさたちおよび国くにのすべての民たみを率ひきいて、主しゅの宮みやから王おうを連つれ下くだり、上うえの門もんから王おうの家いえに進すすみ、王おうを国くにの位くらいにつかせた。23:21 国くにの民たみは皆みな喜よろこんだ。町まちはアタリヤがつるぎで殺ころされた後のち、穏おだやかであった。 第24章 24:1 ヨアシは位くらいについた時とき七歳さいで、エルサレムで四十年ねんの間あいだ、世よを治おさめた。彼かれの母はははベエルシバから出でた者もので名なをヂビアといった。24:2 ヨアシは祭司さいしエホヤダの世よにある日ひの間あいだは常つねに主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。24:3 エホヤダは彼かれのためにふたりの妻つまをめとり、彼かれに男子だんしと女子じょしが生うまれた。 24:4 この後のちヨアシは主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんしようと志こころざして、24:5 祭司さいしとレビびとを集あつめて言いった、「ユダの町々まちまちへ行いって、あなたがたの神かみの宮みやを年々ねんねん修繕しゅうぜんする資金しきんをすべてのイスラエルびとから集あつめなさい。その事ことを急いそいでしなさい」。ところがレビびとはこれを急いそいでしなかった。24:6 それで王おうはかしらであるエホヤダを召めして言いった、「あなたはなぜレビびとに求もとめて、主しゅのしもべモーセがあかしの幕屋まくやのためにイスラエルの会衆かいしゅうに課かした税金ぜいきんをユダとエルサレムから取とり立たてさせないのか」。24:7 かの悪わるい女おんなアタリヤの子こらが神かみの宮みやに侵入しんにゅうして主しゅの宮みやのもろもろの奉納物ほうのうぶつをとり、バアルのために用もちいたからである。 24:8 そこで王おうは命めいじて一個この箱はこを造つくらせ、これを主しゅの宮みやの門もんの外そとに置おき、24:9 ユダとエルサレムにふれて、神かみのしもべモーセが荒野あらのでイスラエルに課かした税金ぜいきんを主しゅのために持もってこさせた。24:10 すべてのつかさたちおよびすべての民たみは皆みな喜よろこんでその税金ぜいきんを持もって来きて、その箱はこに投なげ入いれたので、ついに箱はこはいっぱいになった。24:11 レビびとはその箱はこに金きんが多おおくあるのを見みて、王おうの役人やくにんの所ところへ持もって行いくと、王おうの書記しょきと祭司さいし長ちょうの下役したやくとが来きて、その箱はこを傾かたむけ、これを取とってもとの所ところに返かえした。彼かれらは日々ひびこのようにして金きんをおびただしく集あつめた。24:12 王おうとエホヤダはこれを主しゅの宮みやの工事こうじをなす者ものに渡わたし、石工いしくおよび木工もっこうを雇やとって、主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんさせ、また鉄工てっこうおよび青銅せいどう工こうを雇やとって、主しゅの宮みやを修復しゅうふくさせた。24:13 工人こうじんたちは働はたらいたので、修復しゅうふくの工事こうじは彼かれらの手てによってはかどり、神かみの宮みやを、もとの状態じょうたいに復ふくし、これを堅固けんごにした。24:14 それをなし終おわったとき、余あまった金きんを王おうとエホヤダの前まえに持もって来きたので、それをもって主しゅの宮みやのために器物うつわものを つくった。すなわち勤つとめの器うつわ、燔祭はんさいの器うつわ、香こうの皿さら、および金銀きんぎんの器うつわを造つくった。エホヤダの世よにある日ひの間あいだは、絶たえず主しゅの宮みやで燔祭はんさいをささげた。 24:15 しかしエホヤダは年老としおい、日ひが満みちて死しんだ。その死しんだ時ときは百三十歳さいであった。24:16 人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちで王おうたちの中なかに葬ほうむった。彼かれはイスラエルにおいて神かみとその宮みやとに良よい事ことを行おこなったからである。 24:17 エホヤダの死しんだ後のち、ユダのつかさたちが来きて、うやうやしく王おうに敬意けいいを表あらわした。王おうは彼かれらに聞きき従したがった。24:18 彼かれらはその先祖せんぞの神かみ、主しゅの宮みやを捨すてて、アシラ像ぞうおよび偶像ぐうぞうに仕つかえたので、そのとがのために、怒いかりがユダとエルサレムに臨のぞんだ。24:19 主しゅは彼かれらをご自分じぶんに引ひき返かえそうとして、預言者よげんしゃたちをつかわし、彼かれらにむかってあかしをさせられたが、耳みみを傾かたむけなかった。 24:20 そこで神かみの霊れいが祭司さいしエホヤダの子こゼカリヤに臨のぞんだので、彼かれは民たみの前まえに立たち上あがって言いった、「神かみはこう仰おおせられる、『あなたがたが主しゅの戒いましめを犯おかして、災わざわいを招まねくのはどういうわけであるか。あなたがたが主しゅを捨すてたために、主しゅもあなたがたを捨すてられたのである』」。24:21 しかし人々ひとびとは彼かれを害がいしようと計はかり、王おうの命いのちによって、石いしをもって彼かれを主しゅの宮みやの庭にわで撃うち殺ころした。24:22 このようにヨアシ王おうはゼカリヤの父ちちエホヤダが自分じぶんに施ほどこした恵めぐみを思おもわず、その子こを殺ころした。ゼカリヤは死しぬ時とき、「どうぞ主しゅがこれをみそなわして罰ばっせられるように」と言いった。 24:23 年ねんの終おわりになって、スリヤの軍勢ぐんぜいはヨアシにむかって攻せめ上のぼり、ユダとエルサレムに来きて、民たみのつかさたちをことごとく民たみのうちから滅ほろぼし、そのぶんどり物ものを皆みなダマスコの王おうに送おくった。24:24 この時ときスリヤの軍勢ぐんぜいは少数しょうすうで来きたのであるが、主しゅは大軍たいぐんを彼かれらの手てに渡わたされた。これは彼かれらがその先祖せんぞの神かみ、主しゅを捨すてたためである。このように彼かれらはヨアシを罰ばっした。 24:25 スリヤ軍ぐんはヨアシに大だい傷きずを負おわせて捨すて去さったが、ヨアシの家来けらいたちは祭司さいしエホヤダの子この血ちのために、党とうを結むすんで彼かれにそむき、彼かれを床とこの上うえに殺ころして、死しなせた。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうの墓はかには葬ほうむらなかった。24:26 党とうを結むすんで彼かれにそむいた者ものは、アンモンの女おんなシメアテの子こザバデおよびモアブの女おんなシムリテの子こヨザバデであった。24:27 ヨアシの子こらのこと、ヨアシに対たいする多おおくの預言よげんおよび神かみの宮みやの修理しゅうりの事ことなどは、列れつ王おうの書しょの注釈ちゅうしゃくにしるされている。ヨアシの子こアマジヤが彼かれに代かわって王おうとなった。 第25章 25:1 アマジヤは王おうとなった時とき二十五歳さいで、二十九年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので、名なをエホアダンといった。25:2 アマジヤは主しゅの良よしと見みられることを行おこなったが、全まったき心こころをもってではなかった。25:3 彼かれは、国くにが彼かれの手てのうちに強つよくなったとき、父ちちヨアシ王おうを殺害さつがいした家来けらいたちを殺ころした。25:4 しかしその子こ供ともたちは殺ころさなかった。これはモーセの律法りっぽうの書しょにしるされている所ところに従したがったのであって、そこに主しゅは命めいじて、「父ちちは子このゆえに殺ころされるべきではない。子こは父ちちのゆえに殺ころされるべきではない。おのおの自分じぶんの罪つみのゆえに殺ころされるべきである」と言いわれている。 25:5 アマジヤはユダの人々ひとびとを集あつめ、その氏族しぞくに従したがって、千人にんの長ちょうに付属ふぞくさせ、または百人にんの長ちょうに付属ふぞくさせた。ユダとベニヤミンのすべてに行いった。そして二十歳さい以上いじょうの者ものを数かぞえたところ、やりと盾たてをとって戦たたかいに臨のぞみうる精兵せいへい三十万人にんを得えた。25:6 彼かれはまた銀ぎん百タラントをもってイスラエルから大だい勇士ゆうし十万人にんを雇やとった。25:7 その時とき、神かみの人ひとが彼かれの所ところに来きて言いった、「王おうよ、イスラエルの軍勢ぐんぜいをあなたと共ともに行いかせてはいけません。主しゅはイスラエルびと、すなわちエフライムのすべての人々ひとびととは共ともにおられないからです。25:8 もしあなたがこのような方法ほうほうで戦たたかいに強つよくなろうと思おもうならば、神かみはあなたを敵てきの前まえに倒たおされるでしょう。神かみには助たすける力ちからがあり、また倒たおす力ちからがあるからです」。25:9 アマジヤは神かみの人ひとに言いった、「それではわたしがイスラエルの軍隊ぐんたいに与あたえた百タラントをどうしましょうか」。神かみの人ひとは答こたえた、「主しゅはそれよりも多おおいものをあなたにお与あたえになることができます」。25:10 そこでアマジヤはエフライムから来きて自分じぶんに加くわわった軍隊ぐんたいを分離ぶんりして帰かえらせたので、彼かれらはユダに対たいして激はげしい怒いかりを発はっし、火ひのように怒いかって自分じぶんの所ところに帰かえった。25:11 しかしアマジヤは勇気ゆうきを出だし、その民たみを率ひきいて塩しおの谷たにへ行いき、セイルびと一万人にんを撃うち殺ころした。25:12 またユダの人々ひとびとはこのほかに一万人にんをいけどり、岩いわの頂いただきに引ひいて行いって岩いわの頂いただきから彼かれらを投なげ落おとしたので、皆みなこなごなに砕くだけた。25:13 ところがアマジヤが自分じぶんと共ともに戦たたかいに行いかせないで帰きしてやった兵卒へいそつらが、サマリヤからベテホロンまでの、ユダの町々まちまちを襲おそって三千人にんを殺ころし、多おおくの物ものを奪うばい取とった。 25:14 アマジヤはエドムびとを殺ころして帰かえった時とき、セイルびとの神々かみがみを携たずさえてきて、これを安置あんちして自分じぶんの神かみとし、これを礼拝れいはいし、これにささげ物ものをなした。25:15 それゆえ、主しゅはアマジヤに向むかって怒いかりを発はっし、預言者よげんしゃを彼かれにつかわして言いわせられた、「かの民たみの神々かみがみは自分じぶんの民たみをあなたの手てから救すくうことができなかったのに、あなたはどうしてそれを求もとめたのか」。25:16 彼かれがこう王おうに語かたると、王おうは彼かれに、「われわれはあなたを王おうの顧問こもんにしたのですか。やめなさい。あなたはどうして殺ころされようとするのですか」と言いったので、預言者よげんしゃはやめて言いった、「あなたはこの事ことを行いって、わたしのいさめを聞ききいれないゆえ、神かみはあなたを滅ほろぼそうと定さだめられたことをわたしは知しっています」。 25:17 そこでユダの王おうアマジヤは協議きょうぎの結果けっか、人ひとをエヒウの子こエホアハズの子こであるイスラエルの王おうヨアシにつかわし、「さあ、われわれは互たがいに顔かおをあわせよう」と言いわせたところ、25:18 イスラエルの王おうヨアシはユダの王おうアマジヤに言いい送おくった、「レバノンのいばらが、かつてレバノンの香柏こうはくに、『あなたの娘むすめをわたしのむすこの妻つまに与あたえよ』と言いい送おくったところが、レバノンの野獣やじゅうが通とおりかかって、そのいばらを踏ふみ倒たおした。25:19 あなたは『見みよ、わたしはエドムを撃うち破やぶった』と言いって心こころに誇ほこり高たかぶっている。しかしあなたは自分じぶんの家いえにとどまっていなさい。どうしてあなたは災わざわいを引ひき起おこして、自分じぶんもユダも共ともに滅ほろびようとするのか」。 25:20 しかしアマジヤは聞ききいれなかった。これは神かみから出でたのであって、彼かれらがエドムの神々かみがみを求もとめたので神かみは彼かれらを敵てきの手てに渡わたされるためである。25:21 そこでイスラエルの王おうヨアシは上のぼって来きて、ユダのベテシメシでユダの王おうアマジヤと顔かおを合あわせたが、25:22 ユダはイスラエルに撃うち破やぶられ、おのおのその天幕てんまくに逃にげ帰かえった。25:23 その時ときイスラエルの王おうヨアシはエホアハズの子こヨアシの子こであるユダの王おうアマジヤをベテシメシで捕とらえて、エルサレムに引ひいて行いき、エルサレムの城壁じょうへきをエフライム門もんから、隅すみの門もんまで四百キュビトほどをこわし、25:24 また神かみの宮みやのうちで、オベデエドムが守まもっていたすべての金銀きんぎんおよびもろもろの器物うつわものならびに王おうの家いえの財宝ざいほうを奪うばい、また人質ひとじちをとって、サマリヤに帰かえった。 25:25 ユダの王おうヨアシの子こアマジヤはイスラエルの王おうエホアハズの子こヨアシが死しんで後のちなお十五年ねん生いきながらえた。25:26 アマジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされているではないか。25:27 アマジヤがそむいて、主しゅに従したがわなくなった時ときから、人々ひとびとはエルサレムにおいて党とうを結むすび、彼かれに敵てきしたので、彼かれはラキシに逃にげて行いったが、その人々ひとびとはラキシに人ひとをやって、彼かれをその所ところで殺ころさせた。25:28 人々ひとびとはこれを馬うまに負おわせて持もってきて、ユダの町まちでその先祖せんぞたちと共ともにこれを葬ほうむった。 第26章 26:1 そこでユダの民たみは皆みなウジヤをとって王おうとなし、その父ちちアマジヤに代かわらせた。時ときに十六歳さいであった。26:2 彼かれはエラテを建たてて、これをふたたびユダのものにした。これはかの王おうがその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむった後のちであった。26:3 ウジヤは王おうとなった時とき十六歳さいで、エルサレムで五十二年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので名なをエコリヤといった。26:4 ウジヤは父ちちアマジヤがしたように、すべて主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。26:5 彼かれは神かみを恐おそれることを自分じぶんに教おしえたゼカリヤの世よにある日ひの間あいだ、神かみを求もとめることに努つとめた。彼かれが主しゅを求もとめた間あいだ、神かみは彼かれを栄さかえさせられた。 26:6 彼かれは出でてペリシテびとと戦たたかい、ガテの城壁じょうへき、ヤブネの城壁じょうへきおよびアシドドの城壁じょうへきをくずし、アシドドの地ちとペリシテびとのなかに町まちを建たてた。26:7 神かみは彼かれを助たすけてペリシテびとと、グルバアルに住すむアラビヤびとおよびメウニびとを攻せめ撃うたせられた。26:8 アンモンびとはウジヤにみつぎを納おさめた。ウジヤは非常ひじょうに強つよくなったので、その名なはエジプトの入口いりぐちまでも広ひろまった。26:9 ウジヤはまたエルサレムの隅すみの門もん、谷たにの門もんおよび城壁じょうへきの曲まがりかどにやぐらを建たてて、これを堅固けんごにした。26:10 彼かれはまた荒野あらのにやぐらを建たて、また多おおくの水みずためを掘ほった。彼かれは平野へいやにも平地へいちにもたくさんの家畜かちくをもっていたからである。彼かれはまた農事のうじを好このんだので、山々やまやまおよび肥こえた畑はたけには農夫のうふとぶどうをつくる者ものをもっていた。26:11 ウジヤはまたよく戦たたかう一軍団ぐんだんを持もっていた。彼かれらは書記しょきエイエルと、つかさマアセヤによって調しらべた数かずに従したがって組々くみぐみに分わかれ、皆みな王おうの軍ぐん長ちょうのひとりハナニヤの指揮しき下したにあった。26:12 その氏族しぞくの長ちょうである大だい勇士ゆうしの数かずは合あわせて二千六百人にんであった。26:13 その指揮しき下したにある軍勢ぐんぜいは三十万七千五百人にんで、皆みな大おおいなる力ちからをもって戦たたかい、王おうを助たすけて敵てきに当あたった。26:14 ウジヤはその全ぜん軍ぐんのために盾たて、やり、かぶと、よろい、弓ゆみおよび石いし投なげの石いしを備そなえた。26:15 彼かれはまたエルサレムで技術ぎじゅつ者ものの考案こうあんした機械きかいを造つくって、これをやぐらおよび城壁じょうへきのすみずみにすえ、これをもって矢やおよび大石おおいしを射出しゃしゅつした。こうして彼かれの名声めいせいは遠とおくまで広ひろまった。彼かれが驚おどろくほど神かみの助たすけを得えて強つよくなったからである。 26:16 ところが彼かれは強つよくなるに及およんで、その心こころに高たかぶり、ついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。すなわち彼かれはその神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、主しゅの宮みやにはいって香こうの祭壇さいだんの上うえに香こうをたこうとした。26:17 その時とき、祭司さいしアザリヤは主しゅの祭司さいしである勇士ゆうし八十人にんを率ひきいて、彼かれのあとに従したがってはいり、26:18 ウジヤ王おうを引ひき止とめて言いった、「ウジヤよ、主しゅに香こうをたくことはあなたのなすべきことではなく、ただアロンの子孫しそんで、香こうをたくために清きよめられた祭司さいしたちのすることです。すぐ聖所せいじょから出でなさい。あなたは罪つみを犯おかしました。あなたは主しゅなる神かみから栄さかえを得えることはできません」。26:19 するとウジヤは怒いかりを発はっし、香炉こうろを手てにとって香こうをたこうとしたが、彼かれが祭司さいしに向むかって怒いかりを発はっしている間あいだに、らい病びょうがその額ひたいに起たった。時ときに彼かれは主しゅの宮みやで祭司さいしたちの前まえ、香こうの祭壇さいだんのかたわらにいた。26:20 祭司さいしの長ちょうアザリヤおよびすべての祭司さいしたちが彼かれを見みると、彼かれの額ひたいにらい病びょうが生しょうじていたので、急いそいで彼かれをそこから追おい出だした。彼かれ自身じしんもまた主しゅに撃うたれたことを知しって、急いそいで出でて行いった。26:21 ウジヤ王おうは、死しぬ日ひまでらい病人びょうにんであった。彼かれはらい病人びょうにんであったので、離はなれ殿どのに住すんだ。主しゅの宮みやから断たたれたからである。その子こヨタムが王おうの家いえをつかさどり、国くにの民たみを治おさめた。26:22 ウジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤがこれを書かきしるした。26:23 ウジヤは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、人々ひとびとは「彼かれはらい病人びょうにんである」と言いって、王おうたちの墓はかに連つらなる墓地ぼちに、その先祖せんぞたちと共ともに葬ほうむった。その子こヨタムが彼かれに代かわって王おうとなった。 第27章 27:1 ヨタムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははザドクの娘むすめで名なをエルシャといった。27:2 ヨタムはその父ちちウジヤがしたように主しゅの良よしと見みられることをした。しかし主しゅの宮みやには、はいらなかった。民たみはなお悪あくを行おこなった。27:3 彼かれは主しゅの宮みやの上うえの門もんを建たて、オペルの石いしがきを多おおく築きずき増まし、27:4 またユダの山地さんちに数個すうこの町まちを建たて、林はやしの間あいだに城しろとやぐらを築きずいた。27:5 彼かれはアンモンびとの王おうと戦たたかってこれに勝かった。その年ねんアンモンの人々ひとびとは銀ぎん百タラント、小麦こむぎ一万コル、大麦おおむぎ一万コルを彼かれに贈おくった。アンモンの人々ひとびとは第だい二年ねんにも第だい三年ねんにも同おなじように彼かれに納おさめた。27:6 ヨタムはその神かみ、主しゅの前まえにその行おこないを堅かたくしたので力ちからある者ものとなった。27:7 ヨタムのその他たの行為こうい、そのすべての戦たたかいおよびその行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。27:8 彼かれは王おうとなった時とき、二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。27:9 ヨタムはその先祖せんぞと共ともに眠ねむったので、ダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こアハズが彼かれに代かわって王おうとなった。
21:1 ヨシャパテは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむり、先祖せんぞたちと共ともにダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こヨラムが代かわって王おうとなった。
21:2 ヨシャパテの子こであるその兄弟きょうだいたちはアザリヤ、エヒエル、ゼカリヤ、アザリヤ、ミカエルおよびシパテヤで、皆みなユダの王おうヨシャパテの子こたちであった。
21:3 その父ちちは彼かれらに金きん、銀ぎん、宝物ほうもつの賜物たまものを多おおく与あたえ、またユダの要害ようがいの町々まちまちを与あたえたが、ヨラムは長子ちょうしなので、国くにはヨラムに与あたえた。
21:4 ヨラムはその父ちちの位くらいに登のぼって強つよくなった時とき、その兄弟きょうだいたちをことごとくつるぎにかけて殺ころし、またユダのつかさたち数人すうにんを殺ころした。
21:5 ヨラムは位くらいについた時とき三十二歳さいで、エルサレムで八年ねんの間あいだ世よを治おさめた。
21:6 彼かれはアハブの家いえがしたようにイスラエルの王おうたちの道みちに歩あゆんだ。アハブの娘むすめを妻つまとしたからである。このように彼かれは主しゅの目めの前まえに悪あくをおこなったが、
21:7 主しゅはさきにダビデと結むすばれた契約けいやくのゆえに、また彼かれとその子孫しそんとにながく、ともしびを与あたえると約束やくそくされたことによって、ダビデの家いえを滅ほろぼすことを好このまれなかった。
21:8 ヨラムの世よにエドムがそむいて、ユダの支配しはいを脱だっし、みずから王おうを立たてたので、
21:9 ヨラムはその将校しょうこうたち、およびすべての戦車せんしゃを従したがえて渡わたって行いき、夜よるのうちに立たち上あがって、自分じぶんを包囲ほういしているエドムびととその戦車せんしゃの隊長たいちょうたちを撃うった。
21:10 エドムはこのようにそむいてユダの支配しはいを脱だっし、今日こんにちに至いたっている。そのころリブナもまたそむいてユダの支配しはいを脱だっした。ヨラムが先祖せんぞたちの神かみ、主しゅを捨すてたからである。
21:11 彼かれはまたユダの山地さんちに高たかき所ところを造つくって、エルサレムの民たみに姦淫かんいんを行おこなわせ、ユダを惑まどわした。
21:12 その時とき預言者よげんしゃエリヤから次つぎのような一通つうの手紙てがみがヨラムのもとに来きた、「あなたの先祖せんぞダビデの神かみ、主しゅはこう仰おおせられる、『あなたは父ちちヨシャパテの道みちに歩あゆまず、またユダの王おうアサの道みちに歩あゆまないで、
21:13 イスラエルの王おうたちの道みちに歩あゆみ、ユダとエルサレムの民たみに、かのアハブの家いえがイスラエルに姦淫かんいんを行おこなわせたように、姦淫かんいんを行おこなわせ、またあなたの父ちちの家いえの者もので、あなたにまさっているあなたの兄弟きょうだいたちを殺ころしたゆえ、
21:14 主しゅは大おおいなる災わざわいをもってあなたの民たみと子供こどもと妻つまたちと、すべての所有しょゆうを撃うたれる。
21:15 あなたはまた内臓ないぞうの病気びょうきにかかって大病たいびょうになり、それが日ひに日ひに重おもくなって、ついに内臓ないぞうが出でるようになる』」。
21:16 その時とき、主しゅはヨラムに対たいしてエチオピヤびとの近ちかくに住すんでいるペリシテびととアラビヤびとの霊れいを振ふり起おこされたので、
21:17 彼かれらはユダに攻せめ上のぼって、これを侵おかし、王おうの家いえにある貨か財ざいをことごとく奪うばい去さり、またヨラムの子供こどもと妻つまたちをも奪うばい去さったので、末すえの子こエホアハズのほかには、ひとりも残のこった者ものがなかった。
21:18 このもろもろの事ことの後のち、主しゅは彼かれを撃うって内臓ないぞうにいえがたい病気びょうきを起おこさせられた。
21:19 時ときがたって、二年ねんの終おわりになり、その内臓ないぞうが病気びょうきのために出でて、重おもい病苦びょうくによって死しんだ。民たみは彼かれの先祖せんぞのために香こうをたいたように、彼かれのために香こうをたかなかった。
21:20 ヨラムはその位くらいについた時とき三十二歳さいで、八年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめ、ついに死しんだ。ひとりも彼かれを惜おしむ者ものがなかった。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうたちの墓はかにではなかった。
第22章 22:1 エルサレムの民たみはヨラムの末すえの子こアハジヤを彼かれの代かわりに王おうとした。かつてアラビヤびとと一緒いっしょに陣営じんえいに攻せめてきた一隊たいの者ものが上うえの子こたちをことごとく殺ころしたので、ユダの王おうヨラムの子こアハジヤが王おうとなったのである。22:2 アハジヤは王おうとなった時とき四十二歳さいで、エルサレムで一年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははオムリの娘むすめで名なをアタリヤといった。22:3 アハジヤもまたアハブの家いえの道みちに歩あゆんだ。その母ははが彼かれの相談そうだん相手あいてとなって悪あくを行おこなわせたからである。22:4 彼かれはまたアハブの家いえがしたように主しゅの目めの前まえに悪あくを行おこなった。すなわちその父ちちが死しんだ後のち、アハブの家いえの者ものがその相談役そうだんやくとなったので、彼かれはついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。22:5 アハジヤはまた彼かれらの勧すすめに従したがって、イスラエルの王おうアハブの子こヨラムと共ともにラモテ・ギレアデへ行いき、スリヤの王おうハザエルと戦たたかったが、スリヤびとはヨラムに傷きずを負おわせた。22:6 そこでヨラムはスリヤの王おうハザエルと戦たたかった時とき、ラマで負おったその傷きずをいやすためにエズレルに帰かえった。ユダの王おうヨラムの子こアハジヤはアハブの子こヨラムが病気びょうきなのでエズレルに下くだってこれを見舞みまった。 22:7 アハジヤがヨラムを見舞みまいに行いったことによって滅ほろびに至いたったのは神かみによって定さだめられたことである。すなわち彼かれがそこに着ついた時とき、ヨラムと一緒いっしょに出でて、ニムシの子こエヒウを迎むかえた。エヒウは主しゅがアハブの家いえを断たち滅ほろぼすために油あぶらを注そそがれた者ものである。22:8 エヒウはアハブの家いえを罰ばっするにあたって、ユダのつかさたち、およびアハジヤの兄弟きょうだいたちの子こらがアハジヤに仕つかえているのを見みたので、彼かれらをも殺ころした。22:9 アハジヤはサマリヤに隠かくれていたが、エヒウが彼かれを捜さがし求もとめたので、人々ひとびとは彼かれを捕とらえ、エヒウのもとに引ひいてきて、彼かれを殺ころした。ただし「彼かれは心こころをつくして主しゅを求もとめたヨシャパテの子こである」と人々ひとびとは言いったのでこれを葬ほうむった。こうしてアハジヤの家いえには国くにを統すべ治おさめうる者ものがなくなった。 22:10 アハジヤの母ははアタリヤは自分じぶんの子この死しんだのを見みて、立たってユダの家いえの王子おうじをことごとく滅ほろぼしたが、22:11 王おうの娘むすめエホシバはアハジヤの子こヨアシを王おうの子こたちの殺ころされる者もののうちから盗ぬすみ取とり、彼かれとそのうばを寝室しんしつにおいた。こうしてエホシバがヨアシをアタリヤから隠かくしたので、アタリヤはヨアシを殺ころさなかった。エホシバはヨラム王おうの娘むすめ、またアハジヤの妹いもうとで、祭司さいしエホヤダの妻つまである。22:12 こうしてヨアシは神かみの宮みやに隠かくれて彼かれらと共ともにおること六年ねん、その間かんアタリヤが国くにを治おさめた。 第23章 23:1 第だい七年ねんになって、エホヤダは勇気ゆうきをだしてエロハムの子こアザリヤ、ヨハナンの子こイシマエル、オベデの子こアザリヤ、アダヤの子こマアセヤ、ジクリの子こエリシャパテなどの百人にんの長ちょうたちを招まねいて契約けいやくを結むすばせた。23:2 そこで彼かれらはユダを行いきめぐって、ユダのすべての町まちからレビびとを集あつめ、またイスラエルの氏族しぞくの長ちょうたちを集あつめて、エルサレムに来きた。23:3 そしてその会衆かいしゅうは皆みな神かみの宮みやで王おうと契約けいやくを結むすんだ。その時ときエホヤダは彼かれらに言いった、「主しゅがダビデの子孫しそんのことについて言いわれたように、王おうの子こが位くらいにつくべきです。23:4 あなたがたのなすべき事ことはこれです。すなわちあなたがた祭司さいしおよびレビびとの安息日あんそくにちにはいって来くる者ものの、三分ぶんの一は門もんを守まもる者ものとなり、23:5 三分ぶんの一は王おうの家いえにおり、三分ぶんの一は礎いしずえの門もんにおり、民たみは皆みな、主しゅの宮みやの庭にわにいなさい。23:6 祭司さいしと、勤つとめをするレビびとのほかは、だれも主しゅの宮みやに、はいってはならない。彼かれらは聖せいなる者ものであるから、はいることができる。民たみは皆みな、主しゅの命令めいれいを守まもらなければならない。23:7 レビびとはめいめい手てに武器ぶきをとって王おうのまわりに立たたなければならない。宮みやにはいる者ものをすべて殺ころしなさい。あなたがたは王おうがはいる時ときにも出でる時ときにも、王おうと共ともにいなさい」。 23:8 そこでレビびとおよびユダの人々ひとびとは、祭司さいしエホヤダがすべて命めいじたように行おこない、めいめいその組くみの者もので、安息日あんそくにちにはいって来くるべき者ものと、安息日あんそくにちに出でて行いくべき者ものを率ひきいていた。祭司さいしエホヤダが組くみの者ものを去さらせなかったからである。23:9 また祭司さいしエホヤダは、神かみの宮みやにあるダビデ王おうのやりおよび大盾おおだて、小盾こだてを百人にんの長ちょうたちに渡わたし、23:10 また王おうを守まもるために、すべての民たみにめいめい手てに武器ぶきをとらせ、宮みやの南側みなみがわから北側きたがわにわたって、祭壇さいだんと宮みやに沿そって立たたせた。23:11 こうして王おうの子こを連つれ出だして、これに冠かんむりをいただかせ、あかしの書しょを渡わたして王おうとなし、エホヤダおよびその子こたちが彼かれに油あぶらを注そそいだ。そして「王おう万歳ばんざい」と言いった。 23:12 アタリヤは民たみの走はしりながら王おうをほめる声こえを聞きいたので、主しゅの宮みやに入いり、民たみの所ところへ行いって、23:13 見みると、王おうは入口いりぐちで柱はしらのかたわらに立たち、王おうのかたわらには将軍しょうぐんたちとラッパ手てが立たっており、また国くにの民たみは皆みな喜よろこんでラッパを吹ふき、歌うたをうたう者ものは楽器がっきをもってさんびしていたので、アタリヤは衣ころもを裂さいて「反逆はんぎゃくだ、反逆はんぎゃくだ」と叫さけんだ。23:14 その時ときエホヤダは軍勢ぐんぜいを統率とうそつする百人にんの長ちょうたちを呼よび出だし、「列れつの間あいだから彼女かのじょを連つれ出だせ、彼女かのじょに従したがう者ものをつるぎで殺ころせ」と言いった。祭司さいしが彼女かのじょを主しゅの宮みやで殺ころしてはならないと言いったからである。23:15 そこで人々ひとびとは彼女かのじょに手てをかけ、王おうの家いえの馬うまの門もんの入口いりぐちまで連つれて行いき、その所ところで彼女かのじょを殺ころした。 23:16 エホヤダは自分じぶんとすべての民たみと王おうとの間あいだに、彼かれらは皆みな、主しゅの民たみとなるとの契約けいやくを結むすんだ。23:17 そこですべての民たみはバアルの家いえに行いって、それをこわし、その祭壇さいだんとその像ぞうとを打うち砕くだき、バアルの祭司さいしマッタンを祭壇さいだんの前まえで殺ころした。23:18 エホヤダはまた主しゅの宮みやの守衛しゅえいを、祭司さいしとレビびとの指揮しきのもとに置おいた。このレビびとは昔むかしダビデがモーセの律法りっぽうにしるされているように、喜よろこびと歌うたとをもって主しゅに燔祭はんさいをささげるために、主しゅの宮みやに配置はいちしたものであって、今いまそのダビデの例れいにならったものである。23:19 彼かれはまた主しゅの宮みやのもろもろの門もんに門衛もんえいを置おき、汚けがれた者ものは何なにによって汚けがれた者ものでも、はいらせないようにした。23:20 こうしてエホヤダは百人にんの長ちょうたち、貴族きぞくたち、民たみのつかさたちおよび国くにのすべての民たみを率ひきいて、主しゅの宮みやから王おうを連つれ下くだり、上うえの門もんから王おうの家いえに進すすみ、王おうを国くにの位くらいにつかせた。23:21 国くにの民たみは皆みな喜よろこんだ。町まちはアタリヤがつるぎで殺ころされた後のち、穏おだやかであった。 第24章 24:1 ヨアシは位くらいについた時とき七歳さいで、エルサレムで四十年ねんの間あいだ、世よを治おさめた。彼かれの母はははベエルシバから出でた者もので名なをヂビアといった。24:2 ヨアシは祭司さいしエホヤダの世よにある日ひの間あいだは常つねに主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。24:3 エホヤダは彼かれのためにふたりの妻つまをめとり、彼かれに男子だんしと女子じょしが生うまれた。 24:4 この後のちヨアシは主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんしようと志こころざして、24:5 祭司さいしとレビびとを集あつめて言いった、「ユダの町々まちまちへ行いって、あなたがたの神かみの宮みやを年々ねんねん修繕しゅうぜんする資金しきんをすべてのイスラエルびとから集あつめなさい。その事ことを急いそいでしなさい」。ところがレビびとはこれを急いそいでしなかった。24:6 それで王おうはかしらであるエホヤダを召めして言いった、「あなたはなぜレビびとに求もとめて、主しゅのしもべモーセがあかしの幕屋まくやのためにイスラエルの会衆かいしゅうに課かした税金ぜいきんをユダとエルサレムから取とり立たてさせないのか」。24:7 かの悪わるい女おんなアタリヤの子こらが神かみの宮みやに侵入しんにゅうして主しゅの宮みやのもろもろの奉納物ほうのうぶつをとり、バアルのために用もちいたからである。 24:8 そこで王おうは命めいじて一個この箱はこを造つくらせ、これを主しゅの宮みやの門もんの外そとに置おき、24:9 ユダとエルサレムにふれて、神かみのしもべモーセが荒野あらのでイスラエルに課かした税金ぜいきんを主しゅのために持もってこさせた。24:10 すべてのつかさたちおよびすべての民たみは皆みな喜よろこんでその税金ぜいきんを持もって来きて、その箱はこに投なげ入いれたので、ついに箱はこはいっぱいになった。24:11 レビびとはその箱はこに金きんが多おおくあるのを見みて、王おうの役人やくにんの所ところへ持もって行いくと、王おうの書記しょきと祭司さいし長ちょうの下役したやくとが来きて、その箱はこを傾かたむけ、これを取とってもとの所ところに返かえした。彼かれらは日々ひびこのようにして金きんをおびただしく集あつめた。24:12 王おうとエホヤダはこれを主しゅの宮みやの工事こうじをなす者ものに渡わたし、石工いしくおよび木工もっこうを雇やとって、主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんさせ、また鉄工てっこうおよび青銅せいどう工こうを雇やとって、主しゅの宮みやを修復しゅうふくさせた。24:13 工人こうじんたちは働はたらいたので、修復しゅうふくの工事こうじは彼かれらの手てによってはかどり、神かみの宮みやを、もとの状態じょうたいに復ふくし、これを堅固けんごにした。24:14 それをなし終おわったとき、余あまった金きんを王おうとエホヤダの前まえに持もって来きたので、それをもって主しゅの宮みやのために器物うつわものを つくった。すなわち勤つとめの器うつわ、燔祭はんさいの器うつわ、香こうの皿さら、および金銀きんぎんの器うつわを造つくった。エホヤダの世よにある日ひの間あいだは、絶たえず主しゅの宮みやで燔祭はんさいをささげた。 24:15 しかしエホヤダは年老としおい、日ひが満みちて死しんだ。その死しんだ時ときは百三十歳さいであった。24:16 人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちで王おうたちの中なかに葬ほうむった。彼かれはイスラエルにおいて神かみとその宮みやとに良よい事ことを行おこなったからである。 24:17 エホヤダの死しんだ後のち、ユダのつかさたちが来きて、うやうやしく王おうに敬意けいいを表あらわした。王おうは彼かれらに聞きき従したがった。24:18 彼かれらはその先祖せんぞの神かみ、主しゅの宮みやを捨すてて、アシラ像ぞうおよび偶像ぐうぞうに仕つかえたので、そのとがのために、怒いかりがユダとエルサレムに臨のぞんだ。24:19 主しゅは彼かれらをご自分じぶんに引ひき返かえそうとして、預言者よげんしゃたちをつかわし、彼かれらにむかってあかしをさせられたが、耳みみを傾かたむけなかった。 24:20 そこで神かみの霊れいが祭司さいしエホヤダの子こゼカリヤに臨のぞんだので、彼かれは民たみの前まえに立たち上あがって言いった、「神かみはこう仰おおせられる、『あなたがたが主しゅの戒いましめを犯おかして、災わざわいを招まねくのはどういうわけであるか。あなたがたが主しゅを捨すてたために、主しゅもあなたがたを捨すてられたのである』」。24:21 しかし人々ひとびとは彼かれを害がいしようと計はかり、王おうの命いのちによって、石いしをもって彼かれを主しゅの宮みやの庭にわで撃うち殺ころした。24:22 このようにヨアシ王おうはゼカリヤの父ちちエホヤダが自分じぶんに施ほどこした恵めぐみを思おもわず、その子こを殺ころした。ゼカリヤは死しぬ時とき、「どうぞ主しゅがこれをみそなわして罰ばっせられるように」と言いった。 24:23 年ねんの終おわりになって、スリヤの軍勢ぐんぜいはヨアシにむかって攻せめ上のぼり、ユダとエルサレムに来きて、民たみのつかさたちをことごとく民たみのうちから滅ほろぼし、そのぶんどり物ものを皆みなダマスコの王おうに送おくった。24:24 この時ときスリヤの軍勢ぐんぜいは少数しょうすうで来きたのであるが、主しゅは大軍たいぐんを彼かれらの手てに渡わたされた。これは彼かれらがその先祖せんぞの神かみ、主しゅを捨すてたためである。このように彼かれらはヨアシを罰ばっした。 24:25 スリヤ軍ぐんはヨアシに大だい傷きずを負おわせて捨すて去さったが、ヨアシの家来けらいたちは祭司さいしエホヤダの子この血ちのために、党とうを結むすんで彼かれにそむき、彼かれを床とこの上うえに殺ころして、死しなせた。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうの墓はかには葬ほうむらなかった。24:26 党とうを結むすんで彼かれにそむいた者ものは、アンモンの女おんなシメアテの子こザバデおよびモアブの女おんなシムリテの子こヨザバデであった。24:27 ヨアシの子こらのこと、ヨアシに対たいする多おおくの預言よげんおよび神かみの宮みやの修理しゅうりの事ことなどは、列れつ王おうの書しょの注釈ちゅうしゃくにしるされている。ヨアシの子こアマジヤが彼かれに代かわって王おうとなった。 第25章 25:1 アマジヤは王おうとなった時とき二十五歳さいで、二十九年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので、名なをエホアダンといった。25:2 アマジヤは主しゅの良よしと見みられることを行おこなったが、全まったき心こころをもってではなかった。25:3 彼かれは、国くにが彼かれの手てのうちに強つよくなったとき、父ちちヨアシ王おうを殺害さつがいした家来けらいたちを殺ころした。25:4 しかしその子こ供ともたちは殺ころさなかった。これはモーセの律法りっぽうの書しょにしるされている所ところに従したがったのであって、そこに主しゅは命めいじて、「父ちちは子このゆえに殺ころされるべきではない。子こは父ちちのゆえに殺ころされるべきではない。おのおの自分じぶんの罪つみのゆえに殺ころされるべきである」と言いわれている。 25:5 アマジヤはユダの人々ひとびとを集あつめ、その氏族しぞくに従したがって、千人にんの長ちょうに付属ふぞくさせ、または百人にんの長ちょうに付属ふぞくさせた。ユダとベニヤミンのすべてに行いった。そして二十歳さい以上いじょうの者ものを数かぞえたところ、やりと盾たてをとって戦たたかいに臨のぞみうる精兵せいへい三十万人にんを得えた。25:6 彼かれはまた銀ぎん百タラントをもってイスラエルから大だい勇士ゆうし十万人にんを雇やとった。25:7 その時とき、神かみの人ひとが彼かれの所ところに来きて言いった、「王おうよ、イスラエルの軍勢ぐんぜいをあなたと共ともに行いかせてはいけません。主しゅはイスラエルびと、すなわちエフライムのすべての人々ひとびととは共ともにおられないからです。25:8 もしあなたがこのような方法ほうほうで戦たたかいに強つよくなろうと思おもうならば、神かみはあなたを敵てきの前まえに倒たおされるでしょう。神かみには助たすける力ちからがあり、また倒たおす力ちからがあるからです」。25:9 アマジヤは神かみの人ひとに言いった、「それではわたしがイスラエルの軍隊ぐんたいに与あたえた百タラントをどうしましょうか」。神かみの人ひとは答こたえた、「主しゅはそれよりも多おおいものをあなたにお与あたえになることができます」。25:10 そこでアマジヤはエフライムから来きて自分じぶんに加くわわった軍隊ぐんたいを分離ぶんりして帰かえらせたので、彼かれらはユダに対たいして激はげしい怒いかりを発はっし、火ひのように怒いかって自分じぶんの所ところに帰かえった。25:11 しかしアマジヤは勇気ゆうきを出だし、その民たみを率ひきいて塩しおの谷たにへ行いき、セイルびと一万人にんを撃うち殺ころした。25:12 またユダの人々ひとびとはこのほかに一万人にんをいけどり、岩いわの頂いただきに引ひいて行いって岩いわの頂いただきから彼かれらを投なげ落おとしたので、皆みなこなごなに砕くだけた。25:13 ところがアマジヤが自分じぶんと共ともに戦たたかいに行いかせないで帰きしてやった兵卒へいそつらが、サマリヤからベテホロンまでの、ユダの町々まちまちを襲おそって三千人にんを殺ころし、多おおくの物ものを奪うばい取とった。 25:14 アマジヤはエドムびとを殺ころして帰かえった時とき、セイルびとの神々かみがみを携たずさえてきて、これを安置あんちして自分じぶんの神かみとし、これを礼拝れいはいし、これにささげ物ものをなした。25:15 それゆえ、主しゅはアマジヤに向むかって怒いかりを発はっし、預言者よげんしゃを彼かれにつかわして言いわせられた、「かの民たみの神々かみがみは自分じぶんの民たみをあなたの手てから救すくうことができなかったのに、あなたはどうしてそれを求もとめたのか」。25:16 彼かれがこう王おうに語かたると、王おうは彼かれに、「われわれはあなたを王おうの顧問こもんにしたのですか。やめなさい。あなたはどうして殺ころされようとするのですか」と言いったので、預言者よげんしゃはやめて言いった、「あなたはこの事ことを行いって、わたしのいさめを聞ききいれないゆえ、神かみはあなたを滅ほろぼそうと定さだめられたことをわたしは知しっています」。 25:17 そこでユダの王おうアマジヤは協議きょうぎの結果けっか、人ひとをエヒウの子こエホアハズの子こであるイスラエルの王おうヨアシにつかわし、「さあ、われわれは互たがいに顔かおをあわせよう」と言いわせたところ、25:18 イスラエルの王おうヨアシはユダの王おうアマジヤに言いい送おくった、「レバノンのいばらが、かつてレバノンの香柏こうはくに、『あなたの娘むすめをわたしのむすこの妻つまに与あたえよ』と言いい送おくったところが、レバノンの野獣やじゅうが通とおりかかって、そのいばらを踏ふみ倒たおした。25:19 あなたは『見みよ、わたしはエドムを撃うち破やぶった』と言いって心こころに誇ほこり高たかぶっている。しかしあなたは自分じぶんの家いえにとどまっていなさい。どうしてあなたは災わざわいを引ひき起おこして、自分じぶんもユダも共ともに滅ほろびようとするのか」。 25:20 しかしアマジヤは聞ききいれなかった。これは神かみから出でたのであって、彼かれらがエドムの神々かみがみを求もとめたので神かみは彼かれらを敵てきの手てに渡わたされるためである。25:21 そこでイスラエルの王おうヨアシは上のぼって来きて、ユダのベテシメシでユダの王おうアマジヤと顔かおを合あわせたが、25:22 ユダはイスラエルに撃うち破やぶられ、おのおのその天幕てんまくに逃にげ帰かえった。25:23 その時ときイスラエルの王おうヨアシはエホアハズの子こヨアシの子こであるユダの王おうアマジヤをベテシメシで捕とらえて、エルサレムに引ひいて行いき、エルサレムの城壁じょうへきをエフライム門もんから、隅すみの門もんまで四百キュビトほどをこわし、25:24 また神かみの宮みやのうちで、オベデエドムが守まもっていたすべての金銀きんぎんおよびもろもろの器物うつわものならびに王おうの家いえの財宝ざいほうを奪うばい、また人質ひとじちをとって、サマリヤに帰かえった。 25:25 ユダの王おうヨアシの子こアマジヤはイスラエルの王おうエホアハズの子こヨアシが死しんで後のちなお十五年ねん生いきながらえた。25:26 アマジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされているではないか。25:27 アマジヤがそむいて、主しゅに従したがわなくなった時ときから、人々ひとびとはエルサレムにおいて党とうを結むすび、彼かれに敵てきしたので、彼かれはラキシに逃にげて行いったが、その人々ひとびとはラキシに人ひとをやって、彼かれをその所ところで殺ころさせた。25:28 人々ひとびとはこれを馬うまに負おわせて持もってきて、ユダの町まちでその先祖せんぞたちと共ともにこれを葬ほうむった。 第26章 26:1 そこでユダの民たみは皆みなウジヤをとって王おうとなし、その父ちちアマジヤに代かわらせた。時ときに十六歳さいであった。26:2 彼かれはエラテを建たてて、これをふたたびユダのものにした。これはかの王おうがその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむった後のちであった。26:3 ウジヤは王おうとなった時とき十六歳さいで、エルサレムで五十二年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので名なをエコリヤといった。26:4 ウジヤは父ちちアマジヤがしたように、すべて主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。26:5 彼かれは神かみを恐おそれることを自分じぶんに教おしえたゼカリヤの世よにある日ひの間あいだ、神かみを求もとめることに努つとめた。彼かれが主しゅを求もとめた間あいだ、神かみは彼かれを栄さかえさせられた。 26:6 彼かれは出でてペリシテびとと戦たたかい、ガテの城壁じょうへき、ヤブネの城壁じょうへきおよびアシドドの城壁じょうへきをくずし、アシドドの地ちとペリシテびとのなかに町まちを建たてた。26:7 神かみは彼かれを助たすけてペリシテびとと、グルバアルに住すむアラビヤびとおよびメウニびとを攻せめ撃うたせられた。26:8 アンモンびとはウジヤにみつぎを納おさめた。ウジヤは非常ひじょうに強つよくなったので、その名なはエジプトの入口いりぐちまでも広ひろまった。26:9 ウジヤはまたエルサレムの隅すみの門もん、谷たにの門もんおよび城壁じょうへきの曲まがりかどにやぐらを建たてて、これを堅固けんごにした。26:10 彼かれはまた荒野あらのにやぐらを建たて、また多おおくの水みずためを掘ほった。彼かれは平野へいやにも平地へいちにもたくさんの家畜かちくをもっていたからである。彼かれはまた農事のうじを好このんだので、山々やまやまおよび肥こえた畑はたけには農夫のうふとぶどうをつくる者ものをもっていた。26:11 ウジヤはまたよく戦たたかう一軍団ぐんだんを持もっていた。彼かれらは書記しょきエイエルと、つかさマアセヤによって調しらべた数かずに従したがって組々くみぐみに分わかれ、皆みな王おうの軍ぐん長ちょうのひとりハナニヤの指揮しき下したにあった。26:12 その氏族しぞくの長ちょうである大だい勇士ゆうしの数かずは合あわせて二千六百人にんであった。26:13 その指揮しき下したにある軍勢ぐんぜいは三十万七千五百人にんで、皆みな大おおいなる力ちからをもって戦たたかい、王おうを助たすけて敵てきに当あたった。26:14 ウジヤはその全ぜん軍ぐんのために盾たて、やり、かぶと、よろい、弓ゆみおよび石いし投なげの石いしを備そなえた。26:15 彼かれはまたエルサレムで技術ぎじゅつ者ものの考案こうあんした機械きかいを造つくって、これをやぐらおよび城壁じょうへきのすみずみにすえ、これをもって矢やおよび大石おおいしを射出しゃしゅつした。こうして彼かれの名声めいせいは遠とおくまで広ひろまった。彼かれが驚おどろくほど神かみの助たすけを得えて強つよくなったからである。 26:16 ところが彼かれは強つよくなるに及およんで、その心こころに高たかぶり、ついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。すなわち彼かれはその神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、主しゅの宮みやにはいって香こうの祭壇さいだんの上うえに香こうをたこうとした。26:17 その時とき、祭司さいしアザリヤは主しゅの祭司さいしである勇士ゆうし八十人にんを率ひきいて、彼かれのあとに従したがってはいり、26:18 ウジヤ王おうを引ひき止とめて言いった、「ウジヤよ、主しゅに香こうをたくことはあなたのなすべきことではなく、ただアロンの子孫しそんで、香こうをたくために清きよめられた祭司さいしたちのすることです。すぐ聖所せいじょから出でなさい。あなたは罪つみを犯おかしました。あなたは主しゅなる神かみから栄さかえを得えることはできません」。26:19 するとウジヤは怒いかりを発はっし、香炉こうろを手てにとって香こうをたこうとしたが、彼かれが祭司さいしに向むかって怒いかりを発はっしている間あいだに、らい病びょうがその額ひたいに起たった。時ときに彼かれは主しゅの宮みやで祭司さいしたちの前まえ、香こうの祭壇さいだんのかたわらにいた。26:20 祭司さいしの長ちょうアザリヤおよびすべての祭司さいしたちが彼かれを見みると、彼かれの額ひたいにらい病びょうが生しょうじていたので、急いそいで彼かれをそこから追おい出だした。彼かれ自身じしんもまた主しゅに撃うたれたことを知しって、急いそいで出でて行いった。26:21 ウジヤ王おうは、死しぬ日ひまでらい病人びょうにんであった。彼かれはらい病人びょうにんであったので、離はなれ殿どのに住すんだ。主しゅの宮みやから断たたれたからである。その子こヨタムが王おうの家いえをつかさどり、国くにの民たみを治おさめた。26:22 ウジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤがこれを書かきしるした。26:23 ウジヤは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、人々ひとびとは「彼かれはらい病人びょうにんである」と言いって、王おうたちの墓はかに連つらなる墓地ぼちに、その先祖せんぞたちと共ともに葬ほうむった。その子こヨタムが彼かれに代かわって王おうとなった。 第27章 27:1 ヨタムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははザドクの娘むすめで名なをエルシャといった。27:2 ヨタムはその父ちちウジヤがしたように主しゅの良よしと見みられることをした。しかし主しゅの宮みやには、はいらなかった。民たみはなお悪あくを行おこなった。27:3 彼かれは主しゅの宮みやの上うえの門もんを建たて、オペルの石いしがきを多おおく築きずき増まし、27:4 またユダの山地さんちに数個すうこの町まちを建たて、林はやしの間あいだに城しろとやぐらを築きずいた。27:5 彼かれはアンモンびとの王おうと戦たたかってこれに勝かった。その年ねんアンモンの人々ひとびとは銀ぎん百タラント、小麦こむぎ一万コル、大麦おおむぎ一万コルを彼かれに贈おくった。アンモンの人々ひとびとは第だい二年ねんにも第だい三年ねんにも同おなじように彼かれに納おさめた。27:6 ヨタムはその神かみ、主しゅの前まえにその行おこないを堅かたくしたので力ちからある者ものとなった。27:7 ヨタムのその他たの行為こうい、そのすべての戦たたかいおよびその行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。27:8 彼かれは王おうとなった時とき、二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。27:9 ヨタムはその先祖せんぞと共ともに眠ねむったので、ダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こアハズが彼かれに代かわって王おうとなった。
22:1 エルサレムの民たみはヨラムの末すえの子こアハジヤを彼かれの代かわりに王おうとした。かつてアラビヤびとと一緒いっしょに陣営じんえいに攻せめてきた一隊たいの者ものが上うえの子こたちをことごとく殺ころしたので、ユダの王おうヨラムの子こアハジヤが王おうとなったのである。
22:2 アハジヤは王おうとなった時とき四十二歳さいで、エルサレムで一年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははオムリの娘むすめで名なをアタリヤといった。
22:3 アハジヤもまたアハブの家いえの道みちに歩あゆんだ。その母ははが彼かれの相談そうだん相手あいてとなって悪あくを行おこなわせたからである。
22:4 彼かれはまたアハブの家いえがしたように主しゅの目めの前まえに悪あくを行おこなった。すなわちその父ちちが死しんだ後のち、アハブの家いえの者ものがその相談役そうだんやくとなったので、彼かれはついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。
22:5 アハジヤはまた彼かれらの勧すすめに従したがって、イスラエルの王おうアハブの子こヨラムと共ともにラモテ・ギレアデへ行いき、スリヤの王おうハザエルと戦たたかったが、スリヤびとはヨラムに傷きずを負おわせた。
22:6 そこでヨラムはスリヤの王おうハザエルと戦たたかった時とき、ラマで負おったその傷きずをいやすためにエズレルに帰かえった。ユダの王おうヨラムの子こアハジヤはアハブの子こヨラムが病気びょうきなのでエズレルに下くだってこれを見舞みまった。
22:7 アハジヤがヨラムを見舞みまいに行いったことによって滅ほろびに至いたったのは神かみによって定さだめられたことである。すなわち彼かれがそこに着ついた時とき、ヨラムと一緒いっしょに出でて、ニムシの子こエヒウを迎むかえた。エヒウは主しゅがアハブの家いえを断たち滅ほろぼすために油あぶらを注そそがれた者ものである。
22:8 エヒウはアハブの家いえを罰ばっするにあたって、ユダのつかさたち、およびアハジヤの兄弟きょうだいたちの子こらがアハジヤに仕つかえているのを見みたので、彼かれらをも殺ころした。
22:9 アハジヤはサマリヤに隠かくれていたが、エヒウが彼かれを捜さがし求もとめたので、人々ひとびとは彼かれを捕とらえ、エヒウのもとに引ひいてきて、彼かれを殺ころした。ただし「彼かれは心こころをつくして主しゅを求もとめたヨシャパテの子こである」と人々ひとびとは言いったのでこれを葬ほうむった。こうしてアハジヤの家いえには国くにを統すべ治おさめうる者ものがなくなった。
22:10 アハジヤの母ははアタリヤは自分じぶんの子この死しんだのを見みて、立たってユダの家いえの王子おうじをことごとく滅ほろぼしたが、
22:11 王おうの娘むすめエホシバはアハジヤの子こヨアシを王おうの子こたちの殺ころされる者もののうちから盗ぬすみ取とり、彼かれとそのうばを寝室しんしつにおいた。こうしてエホシバがヨアシをアタリヤから隠かくしたので、アタリヤはヨアシを殺ころさなかった。エホシバはヨラム王おうの娘むすめ、またアハジヤの妹いもうとで、祭司さいしエホヤダの妻つまである。
22:12 こうしてヨアシは神かみの宮みやに隠かくれて彼かれらと共ともにおること六年ねん、その間かんアタリヤが国くにを治おさめた。
第23章 23:1 第だい七年ねんになって、エホヤダは勇気ゆうきをだしてエロハムの子こアザリヤ、ヨハナンの子こイシマエル、オベデの子こアザリヤ、アダヤの子こマアセヤ、ジクリの子こエリシャパテなどの百人にんの長ちょうたちを招まねいて契約けいやくを結むすばせた。23:2 そこで彼かれらはユダを行いきめぐって、ユダのすべての町まちからレビびとを集あつめ、またイスラエルの氏族しぞくの長ちょうたちを集あつめて、エルサレムに来きた。23:3 そしてその会衆かいしゅうは皆みな神かみの宮みやで王おうと契約けいやくを結むすんだ。その時ときエホヤダは彼かれらに言いった、「主しゅがダビデの子孫しそんのことについて言いわれたように、王おうの子こが位くらいにつくべきです。23:4 あなたがたのなすべき事ことはこれです。すなわちあなたがた祭司さいしおよびレビびとの安息日あんそくにちにはいって来くる者ものの、三分ぶんの一は門もんを守まもる者ものとなり、23:5 三分ぶんの一は王おうの家いえにおり、三分ぶんの一は礎いしずえの門もんにおり、民たみは皆みな、主しゅの宮みやの庭にわにいなさい。23:6 祭司さいしと、勤つとめをするレビびとのほかは、だれも主しゅの宮みやに、はいってはならない。彼かれらは聖せいなる者ものであるから、はいることができる。民たみは皆みな、主しゅの命令めいれいを守まもらなければならない。23:7 レビびとはめいめい手てに武器ぶきをとって王おうのまわりに立たたなければならない。宮みやにはいる者ものをすべて殺ころしなさい。あなたがたは王おうがはいる時ときにも出でる時ときにも、王おうと共ともにいなさい」。 23:8 そこでレビびとおよびユダの人々ひとびとは、祭司さいしエホヤダがすべて命めいじたように行おこない、めいめいその組くみの者もので、安息日あんそくにちにはいって来くるべき者ものと、安息日あんそくにちに出でて行いくべき者ものを率ひきいていた。祭司さいしエホヤダが組くみの者ものを去さらせなかったからである。23:9 また祭司さいしエホヤダは、神かみの宮みやにあるダビデ王おうのやりおよび大盾おおだて、小盾こだてを百人にんの長ちょうたちに渡わたし、23:10 また王おうを守まもるために、すべての民たみにめいめい手てに武器ぶきをとらせ、宮みやの南側みなみがわから北側きたがわにわたって、祭壇さいだんと宮みやに沿そって立たたせた。23:11 こうして王おうの子こを連つれ出だして、これに冠かんむりをいただかせ、あかしの書しょを渡わたして王おうとなし、エホヤダおよびその子こたちが彼かれに油あぶらを注そそいだ。そして「王おう万歳ばんざい」と言いった。 23:12 アタリヤは民たみの走はしりながら王おうをほめる声こえを聞きいたので、主しゅの宮みやに入いり、民たみの所ところへ行いって、23:13 見みると、王おうは入口いりぐちで柱はしらのかたわらに立たち、王おうのかたわらには将軍しょうぐんたちとラッパ手てが立たっており、また国くにの民たみは皆みな喜よろこんでラッパを吹ふき、歌うたをうたう者ものは楽器がっきをもってさんびしていたので、アタリヤは衣ころもを裂さいて「反逆はんぎゃくだ、反逆はんぎゃくだ」と叫さけんだ。23:14 その時ときエホヤダは軍勢ぐんぜいを統率とうそつする百人にんの長ちょうたちを呼よび出だし、「列れつの間あいだから彼女かのじょを連つれ出だせ、彼女かのじょに従したがう者ものをつるぎで殺ころせ」と言いった。祭司さいしが彼女かのじょを主しゅの宮みやで殺ころしてはならないと言いったからである。23:15 そこで人々ひとびとは彼女かのじょに手てをかけ、王おうの家いえの馬うまの門もんの入口いりぐちまで連つれて行いき、その所ところで彼女かのじょを殺ころした。 23:16 エホヤダは自分じぶんとすべての民たみと王おうとの間あいだに、彼かれらは皆みな、主しゅの民たみとなるとの契約けいやくを結むすんだ。23:17 そこですべての民たみはバアルの家いえに行いって、それをこわし、その祭壇さいだんとその像ぞうとを打うち砕くだき、バアルの祭司さいしマッタンを祭壇さいだんの前まえで殺ころした。23:18 エホヤダはまた主しゅの宮みやの守衛しゅえいを、祭司さいしとレビびとの指揮しきのもとに置おいた。このレビびとは昔むかしダビデがモーセの律法りっぽうにしるされているように、喜よろこびと歌うたとをもって主しゅに燔祭はんさいをささげるために、主しゅの宮みやに配置はいちしたものであって、今いまそのダビデの例れいにならったものである。23:19 彼かれはまた主しゅの宮みやのもろもろの門もんに門衛もんえいを置おき、汚けがれた者ものは何なにによって汚けがれた者ものでも、はいらせないようにした。23:20 こうしてエホヤダは百人にんの長ちょうたち、貴族きぞくたち、民たみのつかさたちおよび国くにのすべての民たみを率ひきいて、主しゅの宮みやから王おうを連つれ下くだり、上うえの門もんから王おうの家いえに進すすみ、王おうを国くにの位くらいにつかせた。23:21 国くにの民たみは皆みな喜よろこんだ。町まちはアタリヤがつるぎで殺ころされた後のち、穏おだやかであった。 第24章 24:1 ヨアシは位くらいについた時とき七歳さいで、エルサレムで四十年ねんの間あいだ、世よを治おさめた。彼かれの母はははベエルシバから出でた者もので名なをヂビアといった。24:2 ヨアシは祭司さいしエホヤダの世よにある日ひの間あいだは常つねに主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。24:3 エホヤダは彼かれのためにふたりの妻つまをめとり、彼かれに男子だんしと女子じょしが生うまれた。 24:4 この後のちヨアシは主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんしようと志こころざして、24:5 祭司さいしとレビびとを集あつめて言いった、「ユダの町々まちまちへ行いって、あなたがたの神かみの宮みやを年々ねんねん修繕しゅうぜんする資金しきんをすべてのイスラエルびとから集あつめなさい。その事ことを急いそいでしなさい」。ところがレビびとはこれを急いそいでしなかった。24:6 それで王おうはかしらであるエホヤダを召めして言いった、「あなたはなぜレビびとに求もとめて、主しゅのしもべモーセがあかしの幕屋まくやのためにイスラエルの会衆かいしゅうに課かした税金ぜいきんをユダとエルサレムから取とり立たてさせないのか」。24:7 かの悪わるい女おんなアタリヤの子こらが神かみの宮みやに侵入しんにゅうして主しゅの宮みやのもろもろの奉納物ほうのうぶつをとり、バアルのために用もちいたからである。 24:8 そこで王おうは命めいじて一個この箱はこを造つくらせ、これを主しゅの宮みやの門もんの外そとに置おき、24:9 ユダとエルサレムにふれて、神かみのしもべモーセが荒野あらのでイスラエルに課かした税金ぜいきんを主しゅのために持もってこさせた。24:10 すべてのつかさたちおよびすべての民たみは皆みな喜よろこんでその税金ぜいきんを持もって来きて、その箱はこに投なげ入いれたので、ついに箱はこはいっぱいになった。24:11 レビびとはその箱はこに金きんが多おおくあるのを見みて、王おうの役人やくにんの所ところへ持もって行いくと、王おうの書記しょきと祭司さいし長ちょうの下役したやくとが来きて、その箱はこを傾かたむけ、これを取とってもとの所ところに返かえした。彼かれらは日々ひびこのようにして金きんをおびただしく集あつめた。24:12 王おうとエホヤダはこれを主しゅの宮みやの工事こうじをなす者ものに渡わたし、石工いしくおよび木工もっこうを雇やとって、主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんさせ、また鉄工てっこうおよび青銅せいどう工こうを雇やとって、主しゅの宮みやを修復しゅうふくさせた。24:13 工人こうじんたちは働はたらいたので、修復しゅうふくの工事こうじは彼かれらの手てによってはかどり、神かみの宮みやを、もとの状態じょうたいに復ふくし、これを堅固けんごにした。24:14 それをなし終おわったとき、余あまった金きんを王おうとエホヤダの前まえに持もって来きたので、それをもって主しゅの宮みやのために器物うつわものを つくった。すなわち勤つとめの器うつわ、燔祭はんさいの器うつわ、香こうの皿さら、および金銀きんぎんの器うつわを造つくった。エホヤダの世よにある日ひの間あいだは、絶たえず主しゅの宮みやで燔祭はんさいをささげた。 24:15 しかしエホヤダは年老としおい、日ひが満みちて死しんだ。その死しんだ時ときは百三十歳さいであった。24:16 人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちで王おうたちの中なかに葬ほうむった。彼かれはイスラエルにおいて神かみとその宮みやとに良よい事ことを行おこなったからである。 24:17 エホヤダの死しんだ後のち、ユダのつかさたちが来きて、うやうやしく王おうに敬意けいいを表あらわした。王おうは彼かれらに聞きき従したがった。24:18 彼かれらはその先祖せんぞの神かみ、主しゅの宮みやを捨すてて、アシラ像ぞうおよび偶像ぐうぞうに仕つかえたので、そのとがのために、怒いかりがユダとエルサレムに臨のぞんだ。24:19 主しゅは彼かれらをご自分じぶんに引ひき返かえそうとして、預言者よげんしゃたちをつかわし、彼かれらにむかってあかしをさせられたが、耳みみを傾かたむけなかった。 24:20 そこで神かみの霊れいが祭司さいしエホヤダの子こゼカリヤに臨のぞんだので、彼かれは民たみの前まえに立たち上あがって言いった、「神かみはこう仰おおせられる、『あなたがたが主しゅの戒いましめを犯おかして、災わざわいを招まねくのはどういうわけであるか。あなたがたが主しゅを捨すてたために、主しゅもあなたがたを捨すてられたのである』」。24:21 しかし人々ひとびとは彼かれを害がいしようと計はかり、王おうの命いのちによって、石いしをもって彼かれを主しゅの宮みやの庭にわで撃うち殺ころした。24:22 このようにヨアシ王おうはゼカリヤの父ちちエホヤダが自分じぶんに施ほどこした恵めぐみを思おもわず、その子こを殺ころした。ゼカリヤは死しぬ時とき、「どうぞ主しゅがこれをみそなわして罰ばっせられるように」と言いった。 24:23 年ねんの終おわりになって、スリヤの軍勢ぐんぜいはヨアシにむかって攻せめ上のぼり、ユダとエルサレムに来きて、民たみのつかさたちをことごとく民たみのうちから滅ほろぼし、そのぶんどり物ものを皆みなダマスコの王おうに送おくった。24:24 この時ときスリヤの軍勢ぐんぜいは少数しょうすうで来きたのであるが、主しゅは大軍たいぐんを彼かれらの手てに渡わたされた。これは彼かれらがその先祖せんぞの神かみ、主しゅを捨すてたためである。このように彼かれらはヨアシを罰ばっした。 24:25 スリヤ軍ぐんはヨアシに大だい傷きずを負おわせて捨すて去さったが、ヨアシの家来けらいたちは祭司さいしエホヤダの子この血ちのために、党とうを結むすんで彼かれにそむき、彼かれを床とこの上うえに殺ころして、死しなせた。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうの墓はかには葬ほうむらなかった。24:26 党とうを結むすんで彼かれにそむいた者ものは、アンモンの女おんなシメアテの子こザバデおよびモアブの女おんなシムリテの子こヨザバデであった。24:27 ヨアシの子こらのこと、ヨアシに対たいする多おおくの預言よげんおよび神かみの宮みやの修理しゅうりの事ことなどは、列れつ王おうの書しょの注釈ちゅうしゃくにしるされている。ヨアシの子こアマジヤが彼かれに代かわって王おうとなった。 第25章 25:1 アマジヤは王おうとなった時とき二十五歳さいで、二十九年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので、名なをエホアダンといった。25:2 アマジヤは主しゅの良よしと見みられることを行おこなったが、全まったき心こころをもってではなかった。25:3 彼かれは、国くにが彼かれの手てのうちに強つよくなったとき、父ちちヨアシ王おうを殺害さつがいした家来けらいたちを殺ころした。25:4 しかしその子こ供ともたちは殺ころさなかった。これはモーセの律法りっぽうの書しょにしるされている所ところに従したがったのであって、そこに主しゅは命めいじて、「父ちちは子このゆえに殺ころされるべきではない。子こは父ちちのゆえに殺ころされるべきではない。おのおの自分じぶんの罪つみのゆえに殺ころされるべきである」と言いわれている。 25:5 アマジヤはユダの人々ひとびとを集あつめ、その氏族しぞくに従したがって、千人にんの長ちょうに付属ふぞくさせ、または百人にんの長ちょうに付属ふぞくさせた。ユダとベニヤミンのすべてに行いった。そして二十歳さい以上いじょうの者ものを数かぞえたところ、やりと盾たてをとって戦たたかいに臨のぞみうる精兵せいへい三十万人にんを得えた。25:6 彼かれはまた銀ぎん百タラントをもってイスラエルから大だい勇士ゆうし十万人にんを雇やとった。25:7 その時とき、神かみの人ひとが彼かれの所ところに来きて言いった、「王おうよ、イスラエルの軍勢ぐんぜいをあなたと共ともに行いかせてはいけません。主しゅはイスラエルびと、すなわちエフライムのすべての人々ひとびととは共ともにおられないからです。25:8 もしあなたがこのような方法ほうほうで戦たたかいに強つよくなろうと思おもうならば、神かみはあなたを敵てきの前まえに倒たおされるでしょう。神かみには助たすける力ちからがあり、また倒たおす力ちからがあるからです」。25:9 アマジヤは神かみの人ひとに言いった、「それではわたしがイスラエルの軍隊ぐんたいに与あたえた百タラントをどうしましょうか」。神かみの人ひとは答こたえた、「主しゅはそれよりも多おおいものをあなたにお与あたえになることができます」。25:10 そこでアマジヤはエフライムから来きて自分じぶんに加くわわった軍隊ぐんたいを分離ぶんりして帰かえらせたので、彼かれらはユダに対たいして激はげしい怒いかりを発はっし、火ひのように怒いかって自分じぶんの所ところに帰かえった。25:11 しかしアマジヤは勇気ゆうきを出だし、その民たみを率ひきいて塩しおの谷たにへ行いき、セイルびと一万人にんを撃うち殺ころした。25:12 またユダの人々ひとびとはこのほかに一万人にんをいけどり、岩いわの頂いただきに引ひいて行いって岩いわの頂いただきから彼かれらを投なげ落おとしたので、皆みなこなごなに砕くだけた。25:13 ところがアマジヤが自分じぶんと共ともに戦たたかいに行いかせないで帰きしてやった兵卒へいそつらが、サマリヤからベテホロンまでの、ユダの町々まちまちを襲おそって三千人にんを殺ころし、多おおくの物ものを奪うばい取とった。 25:14 アマジヤはエドムびとを殺ころして帰かえった時とき、セイルびとの神々かみがみを携たずさえてきて、これを安置あんちして自分じぶんの神かみとし、これを礼拝れいはいし、これにささげ物ものをなした。25:15 それゆえ、主しゅはアマジヤに向むかって怒いかりを発はっし、預言者よげんしゃを彼かれにつかわして言いわせられた、「かの民たみの神々かみがみは自分じぶんの民たみをあなたの手てから救すくうことができなかったのに、あなたはどうしてそれを求もとめたのか」。25:16 彼かれがこう王おうに語かたると、王おうは彼かれに、「われわれはあなたを王おうの顧問こもんにしたのですか。やめなさい。あなたはどうして殺ころされようとするのですか」と言いったので、預言者よげんしゃはやめて言いった、「あなたはこの事ことを行いって、わたしのいさめを聞ききいれないゆえ、神かみはあなたを滅ほろぼそうと定さだめられたことをわたしは知しっています」。 25:17 そこでユダの王おうアマジヤは協議きょうぎの結果けっか、人ひとをエヒウの子こエホアハズの子こであるイスラエルの王おうヨアシにつかわし、「さあ、われわれは互たがいに顔かおをあわせよう」と言いわせたところ、25:18 イスラエルの王おうヨアシはユダの王おうアマジヤに言いい送おくった、「レバノンのいばらが、かつてレバノンの香柏こうはくに、『あなたの娘むすめをわたしのむすこの妻つまに与あたえよ』と言いい送おくったところが、レバノンの野獣やじゅうが通とおりかかって、そのいばらを踏ふみ倒たおした。25:19 あなたは『見みよ、わたしはエドムを撃うち破やぶった』と言いって心こころに誇ほこり高たかぶっている。しかしあなたは自分じぶんの家いえにとどまっていなさい。どうしてあなたは災わざわいを引ひき起おこして、自分じぶんもユダも共ともに滅ほろびようとするのか」。 25:20 しかしアマジヤは聞ききいれなかった。これは神かみから出でたのであって、彼かれらがエドムの神々かみがみを求もとめたので神かみは彼かれらを敵てきの手てに渡わたされるためである。25:21 そこでイスラエルの王おうヨアシは上のぼって来きて、ユダのベテシメシでユダの王おうアマジヤと顔かおを合あわせたが、25:22 ユダはイスラエルに撃うち破やぶられ、おのおのその天幕てんまくに逃にげ帰かえった。25:23 その時ときイスラエルの王おうヨアシはエホアハズの子こヨアシの子こであるユダの王おうアマジヤをベテシメシで捕とらえて、エルサレムに引ひいて行いき、エルサレムの城壁じょうへきをエフライム門もんから、隅すみの門もんまで四百キュビトほどをこわし、25:24 また神かみの宮みやのうちで、オベデエドムが守まもっていたすべての金銀きんぎんおよびもろもろの器物うつわものならびに王おうの家いえの財宝ざいほうを奪うばい、また人質ひとじちをとって、サマリヤに帰かえった。 25:25 ユダの王おうヨアシの子こアマジヤはイスラエルの王おうエホアハズの子こヨアシが死しんで後のちなお十五年ねん生いきながらえた。25:26 アマジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされているではないか。25:27 アマジヤがそむいて、主しゅに従したがわなくなった時ときから、人々ひとびとはエルサレムにおいて党とうを結むすび、彼かれに敵てきしたので、彼かれはラキシに逃にげて行いったが、その人々ひとびとはラキシに人ひとをやって、彼かれをその所ところで殺ころさせた。25:28 人々ひとびとはこれを馬うまに負おわせて持もってきて、ユダの町まちでその先祖せんぞたちと共ともにこれを葬ほうむった。 第26章 26:1 そこでユダの民たみは皆みなウジヤをとって王おうとなし、その父ちちアマジヤに代かわらせた。時ときに十六歳さいであった。26:2 彼かれはエラテを建たてて、これをふたたびユダのものにした。これはかの王おうがその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむった後のちであった。26:3 ウジヤは王おうとなった時とき十六歳さいで、エルサレムで五十二年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので名なをエコリヤといった。26:4 ウジヤは父ちちアマジヤがしたように、すべて主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。26:5 彼かれは神かみを恐おそれることを自分じぶんに教おしえたゼカリヤの世よにある日ひの間あいだ、神かみを求もとめることに努つとめた。彼かれが主しゅを求もとめた間あいだ、神かみは彼かれを栄さかえさせられた。 26:6 彼かれは出でてペリシテびとと戦たたかい、ガテの城壁じょうへき、ヤブネの城壁じょうへきおよびアシドドの城壁じょうへきをくずし、アシドドの地ちとペリシテびとのなかに町まちを建たてた。26:7 神かみは彼かれを助たすけてペリシテびとと、グルバアルに住すむアラビヤびとおよびメウニびとを攻せめ撃うたせられた。26:8 アンモンびとはウジヤにみつぎを納おさめた。ウジヤは非常ひじょうに強つよくなったので、その名なはエジプトの入口いりぐちまでも広ひろまった。26:9 ウジヤはまたエルサレムの隅すみの門もん、谷たにの門もんおよび城壁じょうへきの曲まがりかどにやぐらを建たてて、これを堅固けんごにした。26:10 彼かれはまた荒野あらのにやぐらを建たて、また多おおくの水みずためを掘ほった。彼かれは平野へいやにも平地へいちにもたくさんの家畜かちくをもっていたからである。彼かれはまた農事のうじを好このんだので、山々やまやまおよび肥こえた畑はたけには農夫のうふとぶどうをつくる者ものをもっていた。26:11 ウジヤはまたよく戦たたかう一軍団ぐんだんを持もっていた。彼かれらは書記しょきエイエルと、つかさマアセヤによって調しらべた数かずに従したがって組々くみぐみに分わかれ、皆みな王おうの軍ぐん長ちょうのひとりハナニヤの指揮しき下したにあった。26:12 その氏族しぞくの長ちょうである大だい勇士ゆうしの数かずは合あわせて二千六百人にんであった。26:13 その指揮しき下したにある軍勢ぐんぜいは三十万七千五百人にんで、皆みな大おおいなる力ちからをもって戦たたかい、王おうを助たすけて敵てきに当あたった。26:14 ウジヤはその全ぜん軍ぐんのために盾たて、やり、かぶと、よろい、弓ゆみおよび石いし投なげの石いしを備そなえた。26:15 彼かれはまたエルサレムで技術ぎじゅつ者ものの考案こうあんした機械きかいを造つくって、これをやぐらおよび城壁じょうへきのすみずみにすえ、これをもって矢やおよび大石おおいしを射出しゃしゅつした。こうして彼かれの名声めいせいは遠とおくまで広ひろまった。彼かれが驚おどろくほど神かみの助たすけを得えて強つよくなったからである。 26:16 ところが彼かれは強つよくなるに及およんで、その心こころに高たかぶり、ついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。すなわち彼かれはその神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、主しゅの宮みやにはいって香こうの祭壇さいだんの上うえに香こうをたこうとした。26:17 その時とき、祭司さいしアザリヤは主しゅの祭司さいしである勇士ゆうし八十人にんを率ひきいて、彼かれのあとに従したがってはいり、26:18 ウジヤ王おうを引ひき止とめて言いった、「ウジヤよ、主しゅに香こうをたくことはあなたのなすべきことではなく、ただアロンの子孫しそんで、香こうをたくために清きよめられた祭司さいしたちのすることです。すぐ聖所せいじょから出でなさい。あなたは罪つみを犯おかしました。あなたは主しゅなる神かみから栄さかえを得えることはできません」。26:19 するとウジヤは怒いかりを発はっし、香炉こうろを手てにとって香こうをたこうとしたが、彼かれが祭司さいしに向むかって怒いかりを発はっしている間あいだに、らい病びょうがその額ひたいに起たった。時ときに彼かれは主しゅの宮みやで祭司さいしたちの前まえ、香こうの祭壇さいだんのかたわらにいた。26:20 祭司さいしの長ちょうアザリヤおよびすべての祭司さいしたちが彼かれを見みると、彼かれの額ひたいにらい病びょうが生しょうじていたので、急いそいで彼かれをそこから追おい出だした。彼かれ自身じしんもまた主しゅに撃うたれたことを知しって、急いそいで出でて行いった。26:21 ウジヤ王おうは、死しぬ日ひまでらい病人びょうにんであった。彼かれはらい病人びょうにんであったので、離はなれ殿どのに住すんだ。主しゅの宮みやから断たたれたからである。その子こヨタムが王おうの家いえをつかさどり、国くにの民たみを治おさめた。26:22 ウジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤがこれを書かきしるした。26:23 ウジヤは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、人々ひとびとは「彼かれはらい病人びょうにんである」と言いって、王おうたちの墓はかに連つらなる墓地ぼちに、その先祖せんぞたちと共ともに葬ほうむった。その子こヨタムが彼かれに代かわって王おうとなった。 第27章 27:1 ヨタムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははザドクの娘むすめで名なをエルシャといった。27:2 ヨタムはその父ちちウジヤがしたように主しゅの良よしと見みられることをした。しかし主しゅの宮みやには、はいらなかった。民たみはなお悪あくを行おこなった。27:3 彼かれは主しゅの宮みやの上うえの門もんを建たて、オペルの石いしがきを多おおく築きずき増まし、27:4 またユダの山地さんちに数個すうこの町まちを建たて、林はやしの間あいだに城しろとやぐらを築きずいた。27:5 彼かれはアンモンびとの王おうと戦たたかってこれに勝かった。その年ねんアンモンの人々ひとびとは銀ぎん百タラント、小麦こむぎ一万コル、大麦おおむぎ一万コルを彼かれに贈おくった。アンモンの人々ひとびとは第だい二年ねんにも第だい三年ねんにも同おなじように彼かれに納おさめた。27:6 ヨタムはその神かみ、主しゅの前まえにその行おこないを堅かたくしたので力ちからある者ものとなった。27:7 ヨタムのその他たの行為こうい、そのすべての戦たたかいおよびその行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。27:8 彼かれは王おうとなった時とき、二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。27:9 ヨタムはその先祖せんぞと共ともに眠ねむったので、ダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こアハズが彼かれに代かわって王おうとなった。
23:1 第だい七年ねんになって、エホヤダは勇気ゆうきをだしてエロハムの子こアザリヤ、ヨハナンの子こイシマエル、オベデの子こアザリヤ、アダヤの子こマアセヤ、ジクリの子こエリシャパテなどの百人にんの長ちょうたちを招まねいて契約けいやくを結むすばせた。
23:2 そこで彼かれらはユダを行いきめぐって、ユダのすべての町まちからレビびとを集あつめ、またイスラエルの氏族しぞくの長ちょうたちを集あつめて、エルサレムに来きた。
23:3 そしてその会衆かいしゅうは皆みな神かみの宮みやで王おうと契約けいやくを結むすんだ。その時ときエホヤダは彼かれらに言いった、「主しゅがダビデの子孫しそんのことについて言いわれたように、王おうの子こが位くらいにつくべきです。
23:4 あなたがたのなすべき事ことはこれです。すなわちあなたがた祭司さいしおよびレビびとの安息日あんそくにちにはいって来くる者ものの、三分ぶんの一は門もんを守まもる者ものとなり、
23:5 三分ぶんの一は王おうの家いえにおり、三分ぶんの一は礎いしずえの門もんにおり、民たみは皆みな、主しゅの宮みやの庭にわにいなさい。
23:6 祭司さいしと、勤つとめをするレビびとのほかは、だれも主しゅの宮みやに、はいってはならない。彼かれらは聖せいなる者ものであるから、はいることができる。民たみは皆みな、主しゅの命令めいれいを守まもらなければならない。
23:7 レビびとはめいめい手てに武器ぶきをとって王おうのまわりに立たたなければならない。宮みやにはいる者ものをすべて殺ころしなさい。あなたがたは王おうがはいる時ときにも出でる時ときにも、王おうと共ともにいなさい」。
23:8 そこでレビびとおよびユダの人々ひとびとは、祭司さいしエホヤダがすべて命めいじたように行おこない、めいめいその組くみの者もので、安息日あんそくにちにはいって来くるべき者ものと、安息日あんそくにちに出でて行いくべき者ものを率ひきいていた。祭司さいしエホヤダが組くみの者ものを去さらせなかったからである。
23:9 また祭司さいしエホヤダは、神かみの宮みやにあるダビデ王おうのやりおよび大盾おおだて、小盾こだてを百人にんの長ちょうたちに渡わたし、
23:10 また王おうを守まもるために、すべての民たみにめいめい手てに武器ぶきをとらせ、宮みやの南側みなみがわから北側きたがわにわたって、祭壇さいだんと宮みやに沿そって立たたせた。
23:11 こうして王おうの子こを連つれ出だして、これに冠かんむりをいただかせ、あかしの書しょを渡わたして王おうとなし、エホヤダおよびその子こたちが彼かれに油あぶらを注そそいだ。そして「王おう万歳ばんざい」と言いった。
23:12 アタリヤは民たみの走はしりながら王おうをほめる声こえを聞きいたので、主しゅの宮みやに入いり、民たみの所ところへ行いって、
23:13 見みると、王おうは入口いりぐちで柱はしらのかたわらに立たち、王おうのかたわらには将軍しょうぐんたちとラッパ手てが立たっており、また国くにの民たみは皆みな喜よろこんでラッパを吹ふき、歌うたをうたう者ものは楽器がっきをもってさんびしていたので、アタリヤは衣ころもを裂さいて「反逆はんぎゃくだ、反逆はんぎゃくだ」と叫さけんだ。
23:14 その時ときエホヤダは軍勢ぐんぜいを統率とうそつする百人にんの長ちょうたちを呼よび出だし、「列れつの間あいだから彼女かのじょを連つれ出だせ、彼女かのじょに従したがう者ものをつるぎで殺ころせ」と言いった。祭司さいしが彼女かのじょを主しゅの宮みやで殺ころしてはならないと言いったからである。
23:15 そこで人々ひとびとは彼女かのじょに手てをかけ、王おうの家いえの馬うまの門もんの入口いりぐちまで連つれて行いき、その所ところで彼女かのじょを殺ころした。
23:16 エホヤダは自分じぶんとすべての民たみと王おうとの間あいだに、彼かれらは皆みな、主しゅの民たみとなるとの契約けいやくを結むすんだ。
23:17 そこですべての民たみはバアルの家いえに行いって、それをこわし、その祭壇さいだんとその像ぞうとを打うち砕くだき、バアルの祭司さいしマッタンを祭壇さいだんの前まえで殺ころした。
23:18 エホヤダはまた主しゅの宮みやの守衛しゅえいを、祭司さいしとレビびとの指揮しきのもとに置おいた。このレビびとは昔むかしダビデがモーセの律法りっぽうにしるされているように、喜よろこびと歌うたとをもって主しゅに燔祭はんさいをささげるために、主しゅの宮みやに配置はいちしたものであって、今いまそのダビデの例れいにならったものである。
23:19 彼かれはまた主しゅの宮みやのもろもろの門もんに門衛もんえいを置おき、汚けがれた者ものは何なにによって汚けがれた者ものでも、はいらせないようにした。
23:20 こうしてエホヤダは百人にんの長ちょうたち、貴族きぞくたち、民たみのつかさたちおよび国くにのすべての民たみを率ひきいて、主しゅの宮みやから王おうを連つれ下くだり、上うえの門もんから王おうの家いえに進すすみ、王おうを国くにの位くらいにつかせた。
23:21 国くにの民たみは皆みな喜よろこんだ。町まちはアタリヤがつるぎで殺ころされた後のち、穏おだやかであった。
第24章 24:1 ヨアシは位くらいについた時とき七歳さいで、エルサレムで四十年ねんの間あいだ、世よを治おさめた。彼かれの母はははベエルシバから出でた者もので名なをヂビアといった。24:2 ヨアシは祭司さいしエホヤダの世よにある日ひの間あいだは常つねに主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。24:3 エホヤダは彼かれのためにふたりの妻つまをめとり、彼かれに男子だんしと女子じょしが生うまれた。 24:4 この後のちヨアシは主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんしようと志こころざして、24:5 祭司さいしとレビびとを集あつめて言いった、「ユダの町々まちまちへ行いって、あなたがたの神かみの宮みやを年々ねんねん修繕しゅうぜんする資金しきんをすべてのイスラエルびとから集あつめなさい。その事ことを急いそいでしなさい」。ところがレビびとはこれを急いそいでしなかった。24:6 それで王おうはかしらであるエホヤダを召めして言いった、「あなたはなぜレビびとに求もとめて、主しゅのしもべモーセがあかしの幕屋まくやのためにイスラエルの会衆かいしゅうに課かした税金ぜいきんをユダとエルサレムから取とり立たてさせないのか」。24:7 かの悪わるい女おんなアタリヤの子こらが神かみの宮みやに侵入しんにゅうして主しゅの宮みやのもろもろの奉納物ほうのうぶつをとり、バアルのために用もちいたからである。 24:8 そこで王おうは命めいじて一個この箱はこを造つくらせ、これを主しゅの宮みやの門もんの外そとに置おき、24:9 ユダとエルサレムにふれて、神かみのしもべモーセが荒野あらのでイスラエルに課かした税金ぜいきんを主しゅのために持もってこさせた。24:10 すべてのつかさたちおよびすべての民たみは皆みな喜よろこんでその税金ぜいきんを持もって来きて、その箱はこに投なげ入いれたので、ついに箱はこはいっぱいになった。24:11 レビびとはその箱はこに金きんが多おおくあるのを見みて、王おうの役人やくにんの所ところへ持もって行いくと、王おうの書記しょきと祭司さいし長ちょうの下役したやくとが来きて、その箱はこを傾かたむけ、これを取とってもとの所ところに返かえした。彼かれらは日々ひびこのようにして金きんをおびただしく集あつめた。24:12 王おうとエホヤダはこれを主しゅの宮みやの工事こうじをなす者ものに渡わたし、石工いしくおよび木工もっこうを雇やとって、主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんさせ、また鉄工てっこうおよび青銅せいどう工こうを雇やとって、主しゅの宮みやを修復しゅうふくさせた。24:13 工人こうじんたちは働はたらいたので、修復しゅうふくの工事こうじは彼かれらの手てによってはかどり、神かみの宮みやを、もとの状態じょうたいに復ふくし、これを堅固けんごにした。24:14 それをなし終おわったとき、余あまった金きんを王おうとエホヤダの前まえに持もって来きたので、それをもって主しゅの宮みやのために器物うつわものを つくった。すなわち勤つとめの器うつわ、燔祭はんさいの器うつわ、香こうの皿さら、および金銀きんぎんの器うつわを造つくった。エホヤダの世よにある日ひの間あいだは、絶たえず主しゅの宮みやで燔祭はんさいをささげた。 24:15 しかしエホヤダは年老としおい、日ひが満みちて死しんだ。その死しんだ時ときは百三十歳さいであった。24:16 人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちで王おうたちの中なかに葬ほうむった。彼かれはイスラエルにおいて神かみとその宮みやとに良よい事ことを行おこなったからである。 24:17 エホヤダの死しんだ後のち、ユダのつかさたちが来きて、うやうやしく王おうに敬意けいいを表あらわした。王おうは彼かれらに聞きき従したがった。24:18 彼かれらはその先祖せんぞの神かみ、主しゅの宮みやを捨すてて、アシラ像ぞうおよび偶像ぐうぞうに仕つかえたので、そのとがのために、怒いかりがユダとエルサレムに臨のぞんだ。24:19 主しゅは彼かれらをご自分じぶんに引ひき返かえそうとして、預言者よげんしゃたちをつかわし、彼かれらにむかってあかしをさせられたが、耳みみを傾かたむけなかった。 24:20 そこで神かみの霊れいが祭司さいしエホヤダの子こゼカリヤに臨のぞんだので、彼かれは民たみの前まえに立たち上あがって言いった、「神かみはこう仰おおせられる、『あなたがたが主しゅの戒いましめを犯おかして、災わざわいを招まねくのはどういうわけであるか。あなたがたが主しゅを捨すてたために、主しゅもあなたがたを捨すてられたのである』」。24:21 しかし人々ひとびとは彼かれを害がいしようと計はかり、王おうの命いのちによって、石いしをもって彼かれを主しゅの宮みやの庭にわで撃うち殺ころした。24:22 このようにヨアシ王おうはゼカリヤの父ちちエホヤダが自分じぶんに施ほどこした恵めぐみを思おもわず、その子こを殺ころした。ゼカリヤは死しぬ時とき、「どうぞ主しゅがこれをみそなわして罰ばっせられるように」と言いった。 24:23 年ねんの終おわりになって、スリヤの軍勢ぐんぜいはヨアシにむかって攻せめ上のぼり、ユダとエルサレムに来きて、民たみのつかさたちをことごとく民たみのうちから滅ほろぼし、そのぶんどり物ものを皆みなダマスコの王おうに送おくった。24:24 この時ときスリヤの軍勢ぐんぜいは少数しょうすうで来きたのであるが、主しゅは大軍たいぐんを彼かれらの手てに渡わたされた。これは彼かれらがその先祖せんぞの神かみ、主しゅを捨すてたためである。このように彼かれらはヨアシを罰ばっした。 24:25 スリヤ軍ぐんはヨアシに大だい傷きずを負おわせて捨すて去さったが、ヨアシの家来けらいたちは祭司さいしエホヤダの子この血ちのために、党とうを結むすんで彼かれにそむき、彼かれを床とこの上うえに殺ころして、死しなせた。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうの墓はかには葬ほうむらなかった。24:26 党とうを結むすんで彼かれにそむいた者ものは、アンモンの女おんなシメアテの子こザバデおよびモアブの女おんなシムリテの子こヨザバデであった。24:27 ヨアシの子こらのこと、ヨアシに対たいする多おおくの預言よげんおよび神かみの宮みやの修理しゅうりの事ことなどは、列れつ王おうの書しょの注釈ちゅうしゃくにしるされている。ヨアシの子こアマジヤが彼かれに代かわって王おうとなった。 第25章 25:1 アマジヤは王おうとなった時とき二十五歳さいで、二十九年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので、名なをエホアダンといった。25:2 アマジヤは主しゅの良よしと見みられることを行おこなったが、全まったき心こころをもってではなかった。25:3 彼かれは、国くにが彼かれの手てのうちに強つよくなったとき、父ちちヨアシ王おうを殺害さつがいした家来けらいたちを殺ころした。25:4 しかしその子こ供ともたちは殺ころさなかった。これはモーセの律法りっぽうの書しょにしるされている所ところに従したがったのであって、そこに主しゅは命めいじて、「父ちちは子このゆえに殺ころされるべきではない。子こは父ちちのゆえに殺ころされるべきではない。おのおの自分じぶんの罪つみのゆえに殺ころされるべきである」と言いわれている。 25:5 アマジヤはユダの人々ひとびとを集あつめ、その氏族しぞくに従したがって、千人にんの長ちょうに付属ふぞくさせ、または百人にんの長ちょうに付属ふぞくさせた。ユダとベニヤミンのすべてに行いった。そして二十歳さい以上いじょうの者ものを数かぞえたところ、やりと盾たてをとって戦たたかいに臨のぞみうる精兵せいへい三十万人にんを得えた。25:6 彼かれはまた銀ぎん百タラントをもってイスラエルから大だい勇士ゆうし十万人にんを雇やとった。25:7 その時とき、神かみの人ひとが彼かれの所ところに来きて言いった、「王おうよ、イスラエルの軍勢ぐんぜいをあなたと共ともに行いかせてはいけません。主しゅはイスラエルびと、すなわちエフライムのすべての人々ひとびととは共ともにおられないからです。25:8 もしあなたがこのような方法ほうほうで戦たたかいに強つよくなろうと思おもうならば、神かみはあなたを敵てきの前まえに倒たおされるでしょう。神かみには助たすける力ちからがあり、また倒たおす力ちからがあるからです」。25:9 アマジヤは神かみの人ひとに言いった、「それではわたしがイスラエルの軍隊ぐんたいに与あたえた百タラントをどうしましょうか」。神かみの人ひとは答こたえた、「主しゅはそれよりも多おおいものをあなたにお与あたえになることができます」。25:10 そこでアマジヤはエフライムから来きて自分じぶんに加くわわった軍隊ぐんたいを分離ぶんりして帰かえらせたので、彼かれらはユダに対たいして激はげしい怒いかりを発はっし、火ひのように怒いかって自分じぶんの所ところに帰かえった。25:11 しかしアマジヤは勇気ゆうきを出だし、その民たみを率ひきいて塩しおの谷たにへ行いき、セイルびと一万人にんを撃うち殺ころした。25:12 またユダの人々ひとびとはこのほかに一万人にんをいけどり、岩いわの頂いただきに引ひいて行いって岩いわの頂いただきから彼かれらを投なげ落おとしたので、皆みなこなごなに砕くだけた。25:13 ところがアマジヤが自分じぶんと共ともに戦たたかいに行いかせないで帰きしてやった兵卒へいそつらが、サマリヤからベテホロンまでの、ユダの町々まちまちを襲おそって三千人にんを殺ころし、多おおくの物ものを奪うばい取とった。 25:14 アマジヤはエドムびとを殺ころして帰かえった時とき、セイルびとの神々かみがみを携たずさえてきて、これを安置あんちして自分じぶんの神かみとし、これを礼拝れいはいし、これにささげ物ものをなした。25:15 それゆえ、主しゅはアマジヤに向むかって怒いかりを発はっし、預言者よげんしゃを彼かれにつかわして言いわせられた、「かの民たみの神々かみがみは自分じぶんの民たみをあなたの手てから救すくうことができなかったのに、あなたはどうしてそれを求もとめたのか」。25:16 彼かれがこう王おうに語かたると、王おうは彼かれに、「われわれはあなたを王おうの顧問こもんにしたのですか。やめなさい。あなたはどうして殺ころされようとするのですか」と言いったので、預言者よげんしゃはやめて言いった、「あなたはこの事ことを行いって、わたしのいさめを聞ききいれないゆえ、神かみはあなたを滅ほろぼそうと定さだめられたことをわたしは知しっています」。 25:17 そこでユダの王おうアマジヤは協議きょうぎの結果けっか、人ひとをエヒウの子こエホアハズの子こであるイスラエルの王おうヨアシにつかわし、「さあ、われわれは互たがいに顔かおをあわせよう」と言いわせたところ、25:18 イスラエルの王おうヨアシはユダの王おうアマジヤに言いい送おくった、「レバノンのいばらが、かつてレバノンの香柏こうはくに、『あなたの娘むすめをわたしのむすこの妻つまに与あたえよ』と言いい送おくったところが、レバノンの野獣やじゅうが通とおりかかって、そのいばらを踏ふみ倒たおした。25:19 あなたは『見みよ、わたしはエドムを撃うち破やぶった』と言いって心こころに誇ほこり高たかぶっている。しかしあなたは自分じぶんの家いえにとどまっていなさい。どうしてあなたは災わざわいを引ひき起おこして、自分じぶんもユダも共ともに滅ほろびようとするのか」。 25:20 しかしアマジヤは聞ききいれなかった。これは神かみから出でたのであって、彼かれらがエドムの神々かみがみを求もとめたので神かみは彼かれらを敵てきの手てに渡わたされるためである。25:21 そこでイスラエルの王おうヨアシは上のぼって来きて、ユダのベテシメシでユダの王おうアマジヤと顔かおを合あわせたが、25:22 ユダはイスラエルに撃うち破やぶられ、おのおのその天幕てんまくに逃にげ帰かえった。25:23 その時ときイスラエルの王おうヨアシはエホアハズの子こヨアシの子こであるユダの王おうアマジヤをベテシメシで捕とらえて、エルサレムに引ひいて行いき、エルサレムの城壁じょうへきをエフライム門もんから、隅すみの門もんまで四百キュビトほどをこわし、25:24 また神かみの宮みやのうちで、オベデエドムが守まもっていたすべての金銀きんぎんおよびもろもろの器物うつわものならびに王おうの家いえの財宝ざいほうを奪うばい、また人質ひとじちをとって、サマリヤに帰かえった。 25:25 ユダの王おうヨアシの子こアマジヤはイスラエルの王おうエホアハズの子こヨアシが死しんで後のちなお十五年ねん生いきながらえた。25:26 アマジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされているではないか。25:27 アマジヤがそむいて、主しゅに従したがわなくなった時ときから、人々ひとびとはエルサレムにおいて党とうを結むすび、彼かれに敵てきしたので、彼かれはラキシに逃にげて行いったが、その人々ひとびとはラキシに人ひとをやって、彼かれをその所ところで殺ころさせた。25:28 人々ひとびとはこれを馬うまに負おわせて持もってきて、ユダの町まちでその先祖せんぞたちと共ともにこれを葬ほうむった。 第26章 26:1 そこでユダの民たみは皆みなウジヤをとって王おうとなし、その父ちちアマジヤに代かわらせた。時ときに十六歳さいであった。26:2 彼かれはエラテを建たてて、これをふたたびユダのものにした。これはかの王おうがその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむった後のちであった。26:3 ウジヤは王おうとなった時とき十六歳さいで、エルサレムで五十二年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので名なをエコリヤといった。26:4 ウジヤは父ちちアマジヤがしたように、すべて主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。26:5 彼かれは神かみを恐おそれることを自分じぶんに教おしえたゼカリヤの世よにある日ひの間あいだ、神かみを求もとめることに努つとめた。彼かれが主しゅを求もとめた間あいだ、神かみは彼かれを栄さかえさせられた。 26:6 彼かれは出でてペリシテびとと戦たたかい、ガテの城壁じょうへき、ヤブネの城壁じょうへきおよびアシドドの城壁じょうへきをくずし、アシドドの地ちとペリシテびとのなかに町まちを建たてた。26:7 神かみは彼かれを助たすけてペリシテびとと、グルバアルに住すむアラビヤびとおよびメウニびとを攻せめ撃うたせられた。26:8 アンモンびとはウジヤにみつぎを納おさめた。ウジヤは非常ひじょうに強つよくなったので、その名なはエジプトの入口いりぐちまでも広ひろまった。26:9 ウジヤはまたエルサレムの隅すみの門もん、谷たにの門もんおよび城壁じょうへきの曲まがりかどにやぐらを建たてて、これを堅固けんごにした。26:10 彼かれはまた荒野あらのにやぐらを建たて、また多おおくの水みずためを掘ほった。彼かれは平野へいやにも平地へいちにもたくさんの家畜かちくをもっていたからである。彼かれはまた農事のうじを好このんだので、山々やまやまおよび肥こえた畑はたけには農夫のうふとぶどうをつくる者ものをもっていた。26:11 ウジヤはまたよく戦たたかう一軍団ぐんだんを持もっていた。彼かれらは書記しょきエイエルと、つかさマアセヤによって調しらべた数かずに従したがって組々くみぐみに分わかれ、皆みな王おうの軍ぐん長ちょうのひとりハナニヤの指揮しき下したにあった。26:12 その氏族しぞくの長ちょうである大だい勇士ゆうしの数かずは合あわせて二千六百人にんであった。26:13 その指揮しき下したにある軍勢ぐんぜいは三十万七千五百人にんで、皆みな大おおいなる力ちからをもって戦たたかい、王おうを助たすけて敵てきに当あたった。26:14 ウジヤはその全ぜん軍ぐんのために盾たて、やり、かぶと、よろい、弓ゆみおよび石いし投なげの石いしを備そなえた。26:15 彼かれはまたエルサレムで技術ぎじゅつ者ものの考案こうあんした機械きかいを造つくって、これをやぐらおよび城壁じょうへきのすみずみにすえ、これをもって矢やおよび大石おおいしを射出しゃしゅつした。こうして彼かれの名声めいせいは遠とおくまで広ひろまった。彼かれが驚おどろくほど神かみの助たすけを得えて強つよくなったからである。 26:16 ところが彼かれは強つよくなるに及およんで、その心こころに高たかぶり、ついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。すなわち彼かれはその神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、主しゅの宮みやにはいって香こうの祭壇さいだんの上うえに香こうをたこうとした。26:17 その時とき、祭司さいしアザリヤは主しゅの祭司さいしである勇士ゆうし八十人にんを率ひきいて、彼かれのあとに従したがってはいり、26:18 ウジヤ王おうを引ひき止とめて言いった、「ウジヤよ、主しゅに香こうをたくことはあなたのなすべきことではなく、ただアロンの子孫しそんで、香こうをたくために清きよめられた祭司さいしたちのすることです。すぐ聖所せいじょから出でなさい。あなたは罪つみを犯おかしました。あなたは主しゅなる神かみから栄さかえを得えることはできません」。26:19 するとウジヤは怒いかりを発はっし、香炉こうろを手てにとって香こうをたこうとしたが、彼かれが祭司さいしに向むかって怒いかりを発はっしている間あいだに、らい病びょうがその額ひたいに起たった。時ときに彼かれは主しゅの宮みやで祭司さいしたちの前まえ、香こうの祭壇さいだんのかたわらにいた。26:20 祭司さいしの長ちょうアザリヤおよびすべての祭司さいしたちが彼かれを見みると、彼かれの額ひたいにらい病びょうが生しょうじていたので、急いそいで彼かれをそこから追おい出だした。彼かれ自身じしんもまた主しゅに撃うたれたことを知しって、急いそいで出でて行いった。26:21 ウジヤ王おうは、死しぬ日ひまでらい病人びょうにんであった。彼かれはらい病人びょうにんであったので、離はなれ殿どのに住すんだ。主しゅの宮みやから断たたれたからである。その子こヨタムが王おうの家いえをつかさどり、国くにの民たみを治おさめた。26:22 ウジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤがこれを書かきしるした。26:23 ウジヤは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、人々ひとびとは「彼かれはらい病人びょうにんである」と言いって、王おうたちの墓はかに連つらなる墓地ぼちに、その先祖せんぞたちと共ともに葬ほうむった。その子こヨタムが彼かれに代かわって王おうとなった。 第27章 27:1 ヨタムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははザドクの娘むすめで名なをエルシャといった。27:2 ヨタムはその父ちちウジヤがしたように主しゅの良よしと見みられることをした。しかし主しゅの宮みやには、はいらなかった。民たみはなお悪あくを行おこなった。27:3 彼かれは主しゅの宮みやの上うえの門もんを建たて、オペルの石いしがきを多おおく築きずき増まし、27:4 またユダの山地さんちに数個すうこの町まちを建たて、林はやしの間あいだに城しろとやぐらを築きずいた。27:5 彼かれはアンモンびとの王おうと戦たたかってこれに勝かった。その年ねんアンモンの人々ひとびとは銀ぎん百タラント、小麦こむぎ一万コル、大麦おおむぎ一万コルを彼かれに贈おくった。アンモンの人々ひとびとは第だい二年ねんにも第だい三年ねんにも同おなじように彼かれに納おさめた。27:6 ヨタムはその神かみ、主しゅの前まえにその行おこないを堅かたくしたので力ちからある者ものとなった。27:7 ヨタムのその他たの行為こうい、そのすべての戦たたかいおよびその行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。27:8 彼かれは王おうとなった時とき、二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。27:9 ヨタムはその先祖せんぞと共ともに眠ねむったので、ダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こアハズが彼かれに代かわって王おうとなった。
24:1 ヨアシは位くらいについた時とき七歳さいで、エルサレムで四十年ねんの間あいだ、世よを治おさめた。彼かれの母はははベエルシバから出でた者もので名なをヂビアといった。
24:2 ヨアシは祭司さいしエホヤダの世よにある日ひの間あいだは常つねに主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。
24:3 エホヤダは彼かれのためにふたりの妻つまをめとり、彼かれに男子だんしと女子じょしが生うまれた。
24:4 この後のちヨアシは主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんしようと志こころざして、
24:5 祭司さいしとレビびとを集あつめて言いった、「ユダの町々まちまちへ行いって、あなたがたの神かみの宮みやを年々ねんねん修繕しゅうぜんする資金しきんをすべてのイスラエルびとから集あつめなさい。その事ことを急いそいでしなさい」。ところがレビびとはこれを急いそいでしなかった。
24:6 それで王おうはかしらであるエホヤダを召めして言いった、「あなたはなぜレビびとに求もとめて、主しゅのしもべモーセがあかしの幕屋まくやのためにイスラエルの会衆かいしゅうに課かした税金ぜいきんをユダとエルサレムから取とり立たてさせないのか」。
24:7 かの悪わるい女おんなアタリヤの子こらが神かみの宮みやに侵入しんにゅうして主しゅの宮みやのもろもろの奉納物ほうのうぶつをとり、バアルのために用もちいたからである。
24:8 そこで王おうは命めいじて一個この箱はこを造つくらせ、これを主しゅの宮みやの門もんの外そとに置おき、
24:9 ユダとエルサレムにふれて、神かみのしもべモーセが荒野あらのでイスラエルに課かした税金ぜいきんを主しゅのために持もってこさせた。
24:10 すべてのつかさたちおよびすべての民たみは皆みな喜よろこんでその税金ぜいきんを持もって来きて、その箱はこに投なげ入いれたので、ついに箱はこはいっぱいになった。
24:11 レビびとはその箱はこに金きんが多おおくあるのを見みて、王おうの役人やくにんの所ところへ持もって行いくと、王おうの書記しょきと祭司さいし長ちょうの下役したやくとが来きて、その箱はこを傾かたむけ、これを取とってもとの所ところに返かえした。彼かれらは日々ひびこのようにして金きんをおびただしく集あつめた。
24:12 王おうとエホヤダはこれを主しゅの宮みやの工事こうじをなす者ものに渡わたし、石工いしくおよび木工もっこうを雇やとって、主しゅの宮みやを修繕しゅうぜんさせ、また鉄工てっこうおよび青銅せいどう工こうを雇やとって、主しゅの宮みやを修復しゅうふくさせた。
24:13 工人こうじんたちは働はたらいたので、修復しゅうふくの工事こうじは彼かれらの手てによってはかどり、神かみの宮みやを、もとの状態じょうたいに復ふくし、これを堅固けんごにした。
24:14 それをなし終おわったとき、余あまった金きんを王おうとエホヤダの前まえに持もって来きたので、それをもって主しゅの宮みやのために器物うつわものを つくった。すなわち勤つとめの器うつわ、燔祭はんさいの器うつわ、香こうの皿さら、および金銀きんぎんの器うつわを造つくった。エホヤダの世よにある日ひの間あいだは、絶たえず主しゅの宮みやで燔祭はんさいをささげた。
24:15 しかしエホヤダは年老としおい、日ひが満みちて死しんだ。その死しんだ時ときは百三十歳さいであった。
24:16 人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちで王おうたちの中なかに葬ほうむった。彼かれはイスラエルにおいて神かみとその宮みやとに良よい事ことを行おこなったからである。
24:17 エホヤダの死しんだ後のち、ユダのつかさたちが来きて、うやうやしく王おうに敬意けいいを表あらわした。王おうは彼かれらに聞きき従したがった。
24:18 彼かれらはその先祖せんぞの神かみ、主しゅの宮みやを捨すてて、アシラ像ぞうおよび偶像ぐうぞうに仕つかえたので、そのとがのために、怒いかりがユダとエルサレムに臨のぞんだ。
24:19 主しゅは彼かれらをご自分じぶんに引ひき返かえそうとして、預言者よげんしゃたちをつかわし、彼かれらにむかってあかしをさせられたが、耳みみを傾かたむけなかった。
24:20 そこで神かみの霊れいが祭司さいしエホヤダの子こゼカリヤに臨のぞんだので、彼かれは民たみの前まえに立たち上あがって言いった、「神かみはこう仰おおせられる、『あなたがたが主しゅの戒いましめを犯おかして、災わざわいを招まねくのはどういうわけであるか。あなたがたが主しゅを捨すてたために、主しゅもあなたがたを捨すてられたのである』」。
24:21 しかし人々ひとびとは彼かれを害がいしようと計はかり、王おうの命いのちによって、石いしをもって彼かれを主しゅの宮みやの庭にわで撃うち殺ころした。
24:22 このようにヨアシ王おうはゼカリヤの父ちちエホヤダが自分じぶんに施ほどこした恵めぐみを思おもわず、その子こを殺ころした。ゼカリヤは死しぬ時とき、「どうぞ主しゅがこれをみそなわして罰ばっせられるように」と言いった。
24:23 年ねんの終おわりになって、スリヤの軍勢ぐんぜいはヨアシにむかって攻せめ上のぼり、ユダとエルサレムに来きて、民たみのつかさたちをことごとく民たみのうちから滅ほろぼし、そのぶんどり物ものを皆みなダマスコの王おうに送おくった。
24:24 この時ときスリヤの軍勢ぐんぜいは少数しょうすうで来きたのであるが、主しゅは大軍たいぐんを彼かれらの手てに渡わたされた。これは彼かれらがその先祖せんぞの神かみ、主しゅを捨すてたためである。このように彼かれらはヨアシを罰ばっした。
24:25 スリヤ軍ぐんはヨアシに大だい傷きずを負おわせて捨すて去さったが、ヨアシの家来けらいたちは祭司さいしエホヤダの子この血ちのために、党とうを結むすんで彼かれにそむき、彼かれを床とこの上うえに殺ころして、死しなせた。人々ひとびとは彼かれをダビデの町まちに葬ほうむったが、王おうの墓はかには葬ほうむらなかった。
24:26 党とうを結むすんで彼かれにそむいた者ものは、アンモンの女おんなシメアテの子こザバデおよびモアブの女おんなシムリテの子こヨザバデであった。
24:27 ヨアシの子こらのこと、ヨアシに対たいする多おおくの預言よげんおよび神かみの宮みやの修理しゅうりの事ことなどは、列れつ王おうの書しょの注釈ちゅうしゃくにしるされている。ヨアシの子こアマジヤが彼かれに代かわって王おうとなった。
第25章 25:1 アマジヤは王おうとなった時とき二十五歳さいで、二十九年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので、名なをエホアダンといった。25:2 アマジヤは主しゅの良よしと見みられることを行おこなったが、全まったき心こころをもってではなかった。25:3 彼かれは、国くにが彼かれの手てのうちに強つよくなったとき、父ちちヨアシ王おうを殺害さつがいした家来けらいたちを殺ころした。25:4 しかしその子こ供ともたちは殺ころさなかった。これはモーセの律法りっぽうの書しょにしるされている所ところに従したがったのであって、そこに主しゅは命めいじて、「父ちちは子このゆえに殺ころされるべきではない。子こは父ちちのゆえに殺ころされるべきではない。おのおの自分じぶんの罪つみのゆえに殺ころされるべきである」と言いわれている。 25:5 アマジヤはユダの人々ひとびとを集あつめ、その氏族しぞくに従したがって、千人にんの長ちょうに付属ふぞくさせ、または百人にんの長ちょうに付属ふぞくさせた。ユダとベニヤミンのすべてに行いった。そして二十歳さい以上いじょうの者ものを数かぞえたところ、やりと盾たてをとって戦たたかいに臨のぞみうる精兵せいへい三十万人にんを得えた。25:6 彼かれはまた銀ぎん百タラントをもってイスラエルから大だい勇士ゆうし十万人にんを雇やとった。25:7 その時とき、神かみの人ひとが彼かれの所ところに来きて言いった、「王おうよ、イスラエルの軍勢ぐんぜいをあなたと共ともに行いかせてはいけません。主しゅはイスラエルびと、すなわちエフライムのすべての人々ひとびととは共ともにおられないからです。25:8 もしあなたがこのような方法ほうほうで戦たたかいに強つよくなろうと思おもうならば、神かみはあなたを敵てきの前まえに倒たおされるでしょう。神かみには助たすける力ちからがあり、また倒たおす力ちからがあるからです」。25:9 アマジヤは神かみの人ひとに言いった、「それではわたしがイスラエルの軍隊ぐんたいに与あたえた百タラントをどうしましょうか」。神かみの人ひとは答こたえた、「主しゅはそれよりも多おおいものをあなたにお与あたえになることができます」。25:10 そこでアマジヤはエフライムから来きて自分じぶんに加くわわった軍隊ぐんたいを分離ぶんりして帰かえらせたので、彼かれらはユダに対たいして激はげしい怒いかりを発はっし、火ひのように怒いかって自分じぶんの所ところに帰かえった。25:11 しかしアマジヤは勇気ゆうきを出だし、その民たみを率ひきいて塩しおの谷たにへ行いき、セイルびと一万人にんを撃うち殺ころした。25:12 またユダの人々ひとびとはこのほかに一万人にんをいけどり、岩いわの頂いただきに引ひいて行いって岩いわの頂いただきから彼かれらを投なげ落おとしたので、皆みなこなごなに砕くだけた。25:13 ところがアマジヤが自分じぶんと共ともに戦たたかいに行いかせないで帰きしてやった兵卒へいそつらが、サマリヤからベテホロンまでの、ユダの町々まちまちを襲おそって三千人にんを殺ころし、多おおくの物ものを奪うばい取とった。 25:14 アマジヤはエドムびとを殺ころして帰かえった時とき、セイルびとの神々かみがみを携たずさえてきて、これを安置あんちして自分じぶんの神かみとし、これを礼拝れいはいし、これにささげ物ものをなした。25:15 それゆえ、主しゅはアマジヤに向むかって怒いかりを発はっし、預言者よげんしゃを彼かれにつかわして言いわせられた、「かの民たみの神々かみがみは自分じぶんの民たみをあなたの手てから救すくうことができなかったのに、あなたはどうしてそれを求もとめたのか」。25:16 彼かれがこう王おうに語かたると、王おうは彼かれに、「われわれはあなたを王おうの顧問こもんにしたのですか。やめなさい。あなたはどうして殺ころされようとするのですか」と言いったので、預言者よげんしゃはやめて言いった、「あなたはこの事ことを行いって、わたしのいさめを聞ききいれないゆえ、神かみはあなたを滅ほろぼそうと定さだめられたことをわたしは知しっています」。 25:17 そこでユダの王おうアマジヤは協議きょうぎの結果けっか、人ひとをエヒウの子こエホアハズの子こであるイスラエルの王おうヨアシにつかわし、「さあ、われわれは互たがいに顔かおをあわせよう」と言いわせたところ、25:18 イスラエルの王おうヨアシはユダの王おうアマジヤに言いい送おくった、「レバノンのいばらが、かつてレバノンの香柏こうはくに、『あなたの娘むすめをわたしのむすこの妻つまに与あたえよ』と言いい送おくったところが、レバノンの野獣やじゅうが通とおりかかって、そのいばらを踏ふみ倒たおした。25:19 あなたは『見みよ、わたしはエドムを撃うち破やぶった』と言いって心こころに誇ほこり高たかぶっている。しかしあなたは自分じぶんの家いえにとどまっていなさい。どうしてあなたは災わざわいを引ひき起おこして、自分じぶんもユダも共ともに滅ほろびようとするのか」。 25:20 しかしアマジヤは聞ききいれなかった。これは神かみから出でたのであって、彼かれらがエドムの神々かみがみを求もとめたので神かみは彼かれらを敵てきの手てに渡わたされるためである。25:21 そこでイスラエルの王おうヨアシは上のぼって来きて、ユダのベテシメシでユダの王おうアマジヤと顔かおを合あわせたが、25:22 ユダはイスラエルに撃うち破やぶられ、おのおのその天幕てんまくに逃にげ帰かえった。25:23 その時ときイスラエルの王おうヨアシはエホアハズの子こヨアシの子こであるユダの王おうアマジヤをベテシメシで捕とらえて、エルサレムに引ひいて行いき、エルサレムの城壁じょうへきをエフライム門もんから、隅すみの門もんまで四百キュビトほどをこわし、25:24 また神かみの宮みやのうちで、オベデエドムが守まもっていたすべての金銀きんぎんおよびもろもろの器物うつわものならびに王おうの家いえの財宝ざいほうを奪うばい、また人質ひとじちをとって、サマリヤに帰かえった。 25:25 ユダの王おうヨアシの子こアマジヤはイスラエルの王おうエホアハズの子こヨアシが死しんで後のちなお十五年ねん生いきながらえた。25:26 アマジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされているではないか。25:27 アマジヤがそむいて、主しゅに従したがわなくなった時ときから、人々ひとびとはエルサレムにおいて党とうを結むすび、彼かれに敵てきしたので、彼かれはラキシに逃にげて行いったが、その人々ひとびとはラキシに人ひとをやって、彼かれをその所ところで殺ころさせた。25:28 人々ひとびとはこれを馬うまに負おわせて持もってきて、ユダの町まちでその先祖せんぞたちと共ともにこれを葬ほうむった。 第26章 26:1 そこでユダの民たみは皆みなウジヤをとって王おうとなし、その父ちちアマジヤに代かわらせた。時ときに十六歳さいであった。26:2 彼かれはエラテを建たてて、これをふたたびユダのものにした。これはかの王おうがその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむった後のちであった。26:3 ウジヤは王おうとなった時とき十六歳さいで、エルサレムで五十二年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので名なをエコリヤといった。26:4 ウジヤは父ちちアマジヤがしたように、すべて主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。26:5 彼かれは神かみを恐おそれることを自分じぶんに教おしえたゼカリヤの世よにある日ひの間あいだ、神かみを求もとめることに努つとめた。彼かれが主しゅを求もとめた間あいだ、神かみは彼かれを栄さかえさせられた。 26:6 彼かれは出でてペリシテびとと戦たたかい、ガテの城壁じょうへき、ヤブネの城壁じょうへきおよびアシドドの城壁じょうへきをくずし、アシドドの地ちとペリシテびとのなかに町まちを建たてた。26:7 神かみは彼かれを助たすけてペリシテびとと、グルバアルに住すむアラビヤびとおよびメウニびとを攻せめ撃うたせられた。26:8 アンモンびとはウジヤにみつぎを納おさめた。ウジヤは非常ひじょうに強つよくなったので、その名なはエジプトの入口いりぐちまでも広ひろまった。26:9 ウジヤはまたエルサレムの隅すみの門もん、谷たにの門もんおよび城壁じょうへきの曲まがりかどにやぐらを建たてて、これを堅固けんごにした。26:10 彼かれはまた荒野あらのにやぐらを建たて、また多おおくの水みずためを掘ほった。彼かれは平野へいやにも平地へいちにもたくさんの家畜かちくをもっていたからである。彼かれはまた農事のうじを好このんだので、山々やまやまおよび肥こえた畑はたけには農夫のうふとぶどうをつくる者ものをもっていた。26:11 ウジヤはまたよく戦たたかう一軍団ぐんだんを持もっていた。彼かれらは書記しょきエイエルと、つかさマアセヤによって調しらべた数かずに従したがって組々くみぐみに分わかれ、皆みな王おうの軍ぐん長ちょうのひとりハナニヤの指揮しき下したにあった。26:12 その氏族しぞくの長ちょうである大だい勇士ゆうしの数かずは合あわせて二千六百人にんであった。26:13 その指揮しき下したにある軍勢ぐんぜいは三十万七千五百人にんで、皆みな大おおいなる力ちからをもって戦たたかい、王おうを助たすけて敵てきに当あたった。26:14 ウジヤはその全ぜん軍ぐんのために盾たて、やり、かぶと、よろい、弓ゆみおよび石いし投なげの石いしを備そなえた。26:15 彼かれはまたエルサレムで技術ぎじゅつ者ものの考案こうあんした機械きかいを造つくって、これをやぐらおよび城壁じょうへきのすみずみにすえ、これをもって矢やおよび大石おおいしを射出しゃしゅつした。こうして彼かれの名声めいせいは遠とおくまで広ひろまった。彼かれが驚おどろくほど神かみの助たすけを得えて強つよくなったからである。 26:16 ところが彼かれは強つよくなるに及およんで、その心こころに高たかぶり、ついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。すなわち彼かれはその神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、主しゅの宮みやにはいって香こうの祭壇さいだんの上うえに香こうをたこうとした。26:17 その時とき、祭司さいしアザリヤは主しゅの祭司さいしである勇士ゆうし八十人にんを率ひきいて、彼かれのあとに従したがってはいり、26:18 ウジヤ王おうを引ひき止とめて言いった、「ウジヤよ、主しゅに香こうをたくことはあなたのなすべきことではなく、ただアロンの子孫しそんで、香こうをたくために清きよめられた祭司さいしたちのすることです。すぐ聖所せいじょから出でなさい。あなたは罪つみを犯おかしました。あなたは主しゅなる神かみから栄さかえを得えることはできません」。26:19 するとウジヤは怒いかりを発はっし、香炉こうろを手てにとって香こうをたこうとしたが、彼かれが祭司さいしに向むかって怒いかりを発はっしている間あいだに、らい病びょうがその額ひたいに起たった。時ときに彼かれは主しゅの宮みやで祭司さいしたちの前まえ、香こうの祭壇さいだんのかたわらにいた。26:20 祭司さいしの長ちょうアザリヤおよびすべての祭司さいしたちが彼かれを見みると、彼かれの額ひたいにらい病びょうが生しょうじていたので、急いそいで彼かれをそこから追おい出だした。彼かれ自身じしんもまた主しゅに撃うたれたことを知しって、急いそいで出でて行いった。26:21 ウジヤ王おうは、死しぬ日ひまでらい病人びょうにんであった。彼かれはらい病人びょうにんであったので、離はなれ殿どのに住すんだ。主しゅの宮みやから断たたれたからである。その子こヨタムが王おうの家いえをつかさどり、国くにの民たみを治おさめた。26:22 ウジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤがこれを書かきしるした。26:23 ウジヤは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、人々ひとびとは「彼かれはらい病人びょうにんである」と言いって、王おうたちの墓はかに連つらなる墓地ぼちに、その先祖せんぞたちと共ともに葬ほうむった。その子こヨタムが彼かれに代かわって王おうとなった。 第27章 27:1 ヨタムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははザドクの娘むすめで名なをエルシャといった。27:2 ヨタムはその父ちちウジヤがしたように主しゅの良よしと見みられることをした。しかし主しゅの宮みやには、はいらなかった。民たみはなお悪あくを行おこなった。27:3 彼かれは主しゅの宮みやの上うえの門もんを建たて、オペルの石いしがきを多おおく築きずき増まし、27:4 またユダの山地さんちに数個すうこの町まちを建たて、林はやしの間あいだに城しろとやぐらを築きずいた。27:5 彼かれはアンモンびとの王おうと戦たたかってこれに勝かった。その年ねんアンモンの人々ひとびとは銀ぎん百タラント、小麦こむぎ一万コル、大麦おおむぎ一万コルを彼かれに贈おくった。アンモンの人々ひとびとは第だい二年ねんにも第だい三年ねんにも同おなじように彼かれに納おさめた。27:6 ヨタムはその神かみ、主しゅの前まえにその行おこないを堅かたくしたので力ちからある者ものとなった。27:7 ヨタムのその他たの行為こうい、そのすべての戦たたかいおよびその行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。27:8 彼かれは王おうとなった時とき、二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。27:9 ヨタムはその先祖せんぞと共ともに眠ねむったので、ダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こアハズが彼かれに代かわって王おうとなった。
25:1 アマジヤは王おうとなった時とき二十五歳さいで、二十九年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので、名なをエホアダンといった。
25:2 アマジヤは主しゅの良よしと見みられることを行おこなったが、全まったき心こころをもってではなかった。
25:3 彼かれは、国くにが彼かれの手てのうちに強つよくなったとき、父ちちヨアシ王おうを殺害さつがいした家来けらいたちを殺ころした。
25:4 しかしその子こ供ともたちは殺ころさなかった。これはモーセの律法りっぽうの書しょにしるされている所ところに従したがったのであって、そこに主しゅは命めいじて、「父ちちは子このゆえに殺ころされるべきではない。子こは父ちちのゆえに殺ころされるべきではない。おのおの自分じぶんの罪つみのゆえに殺ころされるべきである」と言いわれている。
25:5 アマジヤはユダの人々ひとびとを集あつめ、その氏族しぞくに従したがって、千人にんの長ちょうに付属ふぞくさせ、または百人にんの長ちょうに付属ふぞくさせた。ユダとベニヤミンのすべてに行いった。そして二十歳さい以上いじょうの者ものを数かぞえたところ、やりと盾たてをとって戦たたかいに臨のぞみうる精兵せいへい三十万人にんを得えた。
25:6 彼かれはまた銀ぎん百タラントをもってイスラエルから大だい勇士ゆうし十万人にんを雇やとった。
25:7 その時とき、神かみの人ひとが彼かれの所ところに来きて言いった、「王おうよ、イスラエルの軍勢ぐんぜいをあなたと共ともに行いかせてはいけません。主しゅはイスラエルびと、すなわちエフライムのすべての人々ひとびととは共ともにおられないからです。
25:8 もしあなたがこのような方法ほうほうで戦たたかいに強つよくなろうと思おもうならば、神かみはあなたを敵てきの前まえに倒たおされるでしょう。神かみには助たすける力ちからがあり、また倒たおす力ちからがあるからです」。
25:9 アマジヤは神かみの人ひとに言いった、「それではわたしがイスラエルの軍隊ぐんたいに与あたえた百タラントをどうしましょうか」。神かみの人ひとは答こたえた、「主しゅはそれよりも多おおいものをあなたにお与あたえになることができます」。
25:10 そこでアマジヤはエフライムから来きて自分じぶんに加くわわった軍隊ぐんたいを分離ぶんりして帰かえらせたので、彼かれらはユダに対たいして激はげしい怒いかりを発はっし、火ひのように怒いかって自分じぶんの所ところに帰かえった。
25:11 しかしアマジヤは勇気ゆうきを出だし、その民たみを率ひきいて塩しおの谷たにへ行いき、セイルびと一万人にんを撃うち殺ころした。
25:12 またユダの人々ひとびとはこのほかに一万人にんをいけどり、岩いわの頂いただきに引ひいて行いって岩いわの頂いただきから彼かれらを投なげ落おとしたので、皆みなこなごなに砕くだけた。
25:13 ところがアマジヤが自分じぶんと共ともに戦たたかいに行いかせないで帰きしてやった兵卒へいそつらが、サマリヤからベテホロンまでの、ユダの町々まちまちを襲おそって三千人にんを殺ころし、多おおくの物ものを奪うばい取とった。
25:14 アマジヤはエドムびとを殺ころして帰かえった時とき、セイルびとの神々かみがみを携たずさえてきて、これを安置あんちして自分じぶんの神かみとし、これを礼拝れいはいし、これにささげ物ものをなした。
25:15 それゆえ、主しゅはアマジヤに向むかって怒いかりを発はっし、預言者よげんしゃを彼かれにつかわして言いわせられた、「かの民たみの神々かみがみは自分じぶんの民たみをあなたの手てから救すくうことができなかったのに、あなたはどうしてそれを求もとめたのか」。
25:16 彼かれがこう王おうに語かたると、王おうは彼かれに、「われわれはあなたを王おうの顧問こもんにしたのですか。やめなさい。あなたはどうして殺ころされようとするのですか」と言いったので、預言者よげんしゃはやめて言いった、「あなたはこの事ことを行いって、わたしのいさめを聞ききいれないゆえ、神かみはあなたを滅ほろぼそうと定さだめられたことをわたしは知しっています」。
25:17 そこでユダの王おうアマジヤは協議きょうぎの結果けっか、人ひとをエヒウの子こエホアハズの子こであるイスラエルの王おうヨアシにつかわし、「さあ、われわれは互たがいに顔かおをあわせよう」と言いわせたところ、
25:18 イスラエルの王おうヨアシはユダの王おうアマジヤに言いい送おくった、「レバノンのいばらが、かつてレバノンの香柏こうはくに、『あなたの娘むすめをわたしのむすこの妻つまに与あたえよ』と言いい送おくったところが、レバノンの野獣やじゅうが通とおりかかって、そのいばらを踏ふみ倒たおした。
25:19 あなたは『見みよ、わたしはエドムを撃うち破やぶった』と言いって心こころに誇ほこり高たかぶっている。しかしあなたは自分じぶんの家いえにとどまっていなさい。どうしてあなたは災わざわいを引ひき起おこして、自分じぶんもユダも共ともに滅ほろびようとするのか」。
25:20 しかしアマジヤは聞ききいれなかった。これは神かみから出でたのであって、彼かれらがエドムの神々かみがみを求もとめたので神かみは彼かれらを敵てきの手てに渡わたされるためである。
25:21 そこでイスラエルの王おうヨアシは上のぼって来きて、ユダのベテシメシでユダの王おうアマジヤと顔かおを合あわせたが、
25:22 ユダはイスラエルに撃うち破やぶられ、おのおのその天幕てんまくに逃にげ帰かえった。
25:23 その時ときイスラエルの王おうヨアシはエホアハズの子こヨアシの子こであるユダの王おうアマジヤをベテシメシで捕とらえて、エルサレムに引ひいて行いき、エルサレムの城壁じょうへきをエフライム門もんから、隅すみの門もんまで四百キュビトほどをこわし、
25:24 また神かみの宮みやのうちで、オベデエドムが守まもっていたすべての金銀きんぎんおよびもろもろの器物うつわものならびに王おうの家いえの財宝ざいほうを奪うばい、また人質ひとじちをとって、サマリヤに帰かえった。
25:25 ユダの王おうヨアシの子こアマジヤはイスラエルの王おうエホアハズの子こヨアシが死しんで後のちなお十五年ねん生いきながらえた。
25:26 アマジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、ユダとイスラエルの列れつ王おうの書しょにしるされているではないか。
25:27 アマジヤがそむいて、主しゅに従したがわなくなった時ときから、人々ひとびとはエルサレムにおいて党とうを結むすび、彼かれに敵てきしたので、彼かれはラキシに逃にげて行いったが、その人々ひとびとはラキシに人ひとをやって、彼かれをその所ところで殺ころさせた。
25:28 人々ひとびとはこれを馬うまに負おわせて持もってきて、ユダの町まちでその先祖せんぞたちと共ともにこれを葬ほうむった。
第26章 26:1 そこでユダの民たみは皆みなウジヤをとって王おうとなし、その父ちちアマジヤに代かわらせた。時ときに十六歳さいであった。26:2 彼かれはエラテを建たてて、これをふたたびユダのものにした。これはかの王おうがその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむった後のちであった。26:3 ウジヤは王おうとなった時とき十六歳さいで、エルサレムで五十二年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので名なをエコリヤといった。26:4 ウジヤは父ちちアマジヤがしたように、すべて主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。26:5 彼かれは神かみを恐おそれることを自分じぶんに教おしえたゼカリヤの世よにある日ひの間あいだ、神かみを求もとめることに努つとめた。彼かれが主しゅを求もとめた間あいだ、神かみは彼かれを栄さかえさせられた。 26:6 彼かれは出でてペリシテびとと戦たたかい、ガテの城壁じょうへき、ヤブネの城壁じょうへきおよびアシドドの城壁じょうへきをくずし、アシドドの地ちとペリシテびとのなかに町まちを建たてた。26:7 神かみは彼かれを助たすけてペリシテびとと、グルバアルに住すむアラビヤびとおよびメウニびとを攻せめ撃うたせられた。26:8 アンモンびとはウジヤにみつぎを納おさめた。ウジヤは非常ひじょうに強つよくなったので、その名なはエジプトの入口いりぐちまでも広ひろまった。26:9 ウジヤはまたエルサレムの隅すみの門もん、谷たにの門もんおよび城壁じょうへきの曲まがりかどにやぐらを建たてて、これを堅固けんごにした。26:10 彼かれはまた荒野あらのにやぐらを建たて、また多おおくの水みずためを掘ほった。彼かれは平野へいやにも平地へいちにもたくさんの家畜かちくをもっていたからである。彼かれはまた農事のうじを好このんだので、山々やまやまおよび肥こえた畑はたけには農夫のうふとぶどうをつくる者ものをもっていた。26:11 ウジヤはまたよく戦たたかう一軍団ぐんだんを持もっていた。彼かれらは書記しょきエイエルと、つかさマアセヤによって調しらべた数かずに従したがって組々くみぐみに分わかれ、皆みな王おうの軍ぐん長ちょうのひとりハナニヤの指揮しき下したにあった。26:12 その氏族しぞくの長ちょうである大だい勇士ゆうしの数かずは合あわせて二千六百人にんであった。26:13 その指揮しき下したにある軍勢ぐんぜいは三十万七千五百人にんで、皆みな大おおいなる力ちからをもって戦たたかい、王おうを助たすけて敵てきに当あたった。26:14 ウジヤはその全ぜん軍ぐんのために盾たて、やり、かぶと、よろい、弓ゆみおよび石いし投なげの石いしを備そなえた。26:15 彼かれはまたエルサレムで技術ぎじゅつ者ものの考案こうあんした機械きかいを造つくって、これをやぐらおよび城壁じょうへきのすみずみにすえ、これをもって矢やおよび大石おおいしを射出しゃしゅつした。こうして彼かれの名声めいせいは遠とおくまで広ひろまった。彼かれが驚おどろくほど神かみの助たすけを得えて強つよくなったからである。 26:16 ところが彼かれは強つよくなるに及およんで、その心こころに高たかぶり、ついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。すなわち彼かれはその神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、主しゅの宮みやにはいって香こうの祭壇さいだんの上うえに香こうをたこうとした。26:17 その時とき、祭司さいしアザリヤは主しゅの祭司さいしである勇士ゆうし八十人にんを率ひきいて、彼かれのあとに従したがってはいり、26:18 ウジヤ王おうを引ひき止とめて言いった、「ウジヤよ、主しゅに香こうをたくことはあなたのなすべきことではなく、ただアロンの子孫しそんで、香こうをたくために清きよめられた祭司さいしたちのすることです。すぐ聖所せいじょから出でなさい。あなたは罪つみを犯おかしました。あなたは主しゅなる神かみから栄さかえを得えることはできません」。26:19 するとウジヤは怒いかりを発はっし、香炉こうろを手てにとって香こうをたこうとしたが、彼かれが祭司さいしに向むかって怒いかりを発はっしている間あいだに、らい病びょうがその額ひたいに起たった。時ときに彼かれは主しゅの宮みやで祭司さいしたちの前まえ、香こうの祭壇さいだんのかたわらにいた。26:20 祭司さいしの長ちょうアザリヤおよびすべての祭司さいしたちが彼かれを見みると、彼かれの額ひたいにらい病びょうが生しょうじていたので、急いそいで彼かれをそこから追おい出だした。彼かれ自身じしんもまた主しゅに撃うたれたことを知しって、急いそいで出でて行いった。26:21 ウジヤ王おうは、死しぬ日ひまでらい病人びょうにんであった。彼かれはらい病人びょうにんであったので、離はなれ殿どのに住すんだ。主しゅの宮みやから断たたれたからである。その子こヨタムが王おうの家いえをつかさどり、国くにの民たみを治おさめた。26:22 ウジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤがこれを書かきしるした。26:23 ウジヤは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、人々ひとびとは「彼かれはらい病人びょうにんである」と言いって、王おうたちの墓はかに連つらなる墓地ぼちに、その先祖せんぞたちと共ともに葬ほうむった。その子こヨタムが彼かれに代かわって王おうとなった。 第27章 27:1 ヨタムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははザドクの娘むすめで名なをエルシャといった。27:2 ヨタムはその父ちちウジヤがしたように主しゅの良よしと見みられることをした。しかし主しゅの宮みやには、はいらなかった。民たみはなお悪あくを行おこなった。27:3 彼かれは主しゅの宮みやの上うえの門もんを建たて、オペルの石いしがきを多おおく築きずき増まし、27:4 またユダの山地さんちに数個すうこの町まちを建たて、林はやしの間あいだに城しろとやぐらを築きずいた。27:5 彼かれはアンモンびとの王おうと戦たたかってこれに勝かった。その年ねんアンモンの人々ひとびとは銀ぎん百タラント、小麦こむぎ一万コル、大麦おおむぎ一万コルを彼かれに贈おくった。アンモンの人々ひとびとは第だい二年ねんにも第だい三年ねんにも同おなじように彼かれに納おさめた。27:6 ヨタムはその神かみ、主しゅの前まえにその行おこないを堅かたくしたので力ちからある者ものとなった。27:7 ヨタムのその他たの行為こうい、そのすべての戦たたかいおよびその行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。27:8 彼かれは王おうとなった時とき、二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。27:9 ヨタムはその先祖せんぞと共ともに眠ねむったので、ダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こアハズが彼かれに代かわって王おうとなった。
26:1 そこでユダの民たみは皆みなウジヤをとって王おうとなし、その父ちちアマジヤに代かわらせた。時ときに十六歳さいであった。
26:2 彼かれはエラテを建たてて、これをふたたびユダのものにした。これはかの王おうがその先祖せんぞたちと共ともに眠ねむった後のちであった。
26:3 ウジヤは王おうとなった時とき十六歳さいで、エルサレムで五十二年ねんの間あいだ世よを治おさめた。その母はははエルサレムの者もので名なをエコリヤといった。
26:4 ウジヤは父ちちアマジヤがしたように、すべて主しゅの良よしと見みられることを行おこなった。
26:5 彼かれは神かみを恐おそれることを自分じぶんに教おしえたゼカリヤの世よにある日ひの間あいだ、神かみを求もとめることに努つとめた。彼かれが主しゅを求もとめた間あいだ、神かみは彼かれを栄さかえさせられた。
26:6 彼かれは出でてペリシテびとと戦たたかい、ガテの城壁じょうへき、ヤブネの城壁じょうへきおよびアシドドの城壁じょうへきをくずし、アシドドの地ちとペリシテびとのなかに町まちを建たてた。
26:7 神かみは彼かれを助たすけてペリシテびとと、グルバアルに住すむアラビヤびとおよびメウニびとを攻せめ撃うたせられた。
26:8 アンモンびとはウジヤにみつぎを納おさめた。ウジヤは非常ひじょうに強つよくなったので、その名なはエジプトの入口いりぐちまでも広ひろまった。
26:9 ウジヤはまたエルサレムの隅すみの門もん、谷たにの門もんおよび城壁じょうへきの曲まがりかどにやぐらを建たてて、これを堅固けんごにした。
26:10 彼かれはまた荒野あらのにやぐらを建たて、また多おおくの水みずためを掘ほった。彼かれは平野へいやにも平地へいちにもたくさんの家畜かちくをもっていたからである。彼かれはまた農事のうじを好このんだので、山々やまやまおよび肥こえた畑はたけには農夫のうふとぶどうをつくる者ものをもっていた。
26:11 ウジヤはまたよく戦たたかう一軍団ぐんだんを持もっていた。彼かれらは書記しょきエイエルと、つかさマアセヤによって調しらべた数かずに従したがって組々くみぐみに分わかれ、皆みな王おうの軍ぐん長ちょうのひとりハナニヤの指揮しき下したにあった。
26:12 その氏族しぞくの長ちょうである大だい勇士ゆうしの数かずは合あわせて二千六百人にんであった。
26:13 その指揮しき下したにある軍勢ぐんぜいは三十万七千五百人にんで、皆みな大おおいなる力ちからをもって戦たたかい、王おうを助たすけて敵てきに当あたった。
26:14 ウジヤはその全ぜん軍ぐんのために盾たて、やり、かぶと、よろい、弓ゆみおよび石いし投なげの石いしを備そなえた。
26:15 彼かれはまたエルサレムで技術ぎじゅつ者ものの考案こうあんした機械きかいを造つくって、これをやぐらおよび城壁じょうへきのすみずみにすえ、これをもって矢やおよび大石おおいしを射出しゃしゅつした。こうして彼かれの名声めいせいは遠とおくまで広ひろまった。彼かれが驚おどろくほど神かみの助たすけを得えて強つよくなったからである。
26:16 ところが彼かれは強つよくなるに及およんで、その心こころに高たかぶり、ついに自分じぶんを滅ほろぼすに至いたった。すなわち彼かれはその神かみ、主しゅにむかって罪つみを犯おかし、主しゅの宮みやにはいって香こうの祭壇さいだんの上うえに香こうをたこうとした。
26:17 その時とき、祭司さいしアザリヤは主しゅの祭司さいしである勇士ゆうし八十人にんを率ひきいて、彼かれのあとに従したがってはいり、
26:18 ウジヤ王おうを引ひき止とめて言いった、「ウジヤよ、主しゅに香こうをたくことはあなたのなすべきことではなく、ただアロンの子孫しそんで、香こうをたくために清きよめられた祭司さいしたちのすることです。すぐ聖所せいじょから出でなさい。あなたは罪つみを犯おかしました。あなたは主しゅなる神かみから栄さかえを得えることはできません」。
26:19 するとウジヤは怒いかりを発はっし、香炉こうろを手てにとって香こうをたこうとしたが、彼かれが祭司さいしに向むかって怒いかりを発はっしている間あいだに、らい病びょうがその額ひたいに起たった。時ときに彼かれは主しゅの宮みやで祭司さいしたちの前まえ、香こうの祭壇さいだんのかたわらにいた。
26:20 祭司さいしの長ちょうアザリヤおよびすべての祭司さいしたちが彼かれを見みると、彼かれの額ひたいにらい病びょうが生しょうじていたので、急いそいで彼かれをそこから追おい出だした。彼かれ自身じしんもまた主しゅに撃うたれたことを知しって、急いそいで出でて行いった。
26:21 ウジヤ王おうは、死しぬ日ひまでらい病人びょうにんであった。彼かれはらい病人びょうにんであったので、離はなれ殿どのに住すんだ。主しゅの宮みやから断たたれたからである。その子こヨタムが王おうの家いえをつかさどり、国くにの民たみを治おさめた。
26:22 ウジヤのその他たの始終しじゅうの行為こういは、アモツの子こ預言者よげんしゃイザヤがこれを書かきしるした。
26:23 ウジヤは先祖せんぞたちと共ともに眠ねむったので、人々ひとびとは「彼かれはらい病人びょうにんである」と言いって、王おうたちの墓はかに連つらなる墓地ぼちに、その先祖せんぞたちと共ともに葬ほうむった。その子こヨタムが彼かれに代かわって王おうとなった。
第27章 27:1 ヨタムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははザドクの娘むすめで名なをエルシャといった。27:2 ヨタムはその父ちちウジヤがしたように主しゅの良よしと見みられることをした。しかし主しゅの宮みやには、はいらなかった。民たみはなお悪あくを行おこなった。27:3 彼かれは主しゅの宮みやの上うえの門もんを建たて、オペルの石いしがきを多おおく築きずき増まし、27:4 またユダの山地さんちに数個すうこの町まちを建たて、林はやしの間あいだに城しろとやぐらを築きずいた。27:5 彼かれはアンモンびとの王おうと戦たたかってこれに勝かった。その年ねんアンモンの人々ひとびとは銀ぎん百タラント、小麦こむぎ一万コル、大麦おおむぎ一万コルを彼かれに贈おくった。アンモンの人々ひとびとは第だい二年ねんにも第だい三年ねんにも同おなじように彼かれに納おさめた。27:6 ヨタムはその神かみ、主しゅの前まえにその行おこないを堅かたくしたので力ちからある者ものとなった。27:7 ヨタムのその他たの行為こうい、そのすべての戦たたかいおよびその行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。27:8 彼かれは王おうとなった時とき、二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。27:9 ヨタムはその先祖せんぞと共ともに眠ねむったので、ダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こアハズが彼かれに代かわって王おうとなった。
27:1 ヨタムは王おうとなった時とき二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。その母はははザドクの娘むすめで名なをエルシャといった。
27:2 ヨタムはその父ちちウジヤがしたように主しゅの良よしと見みられることをした。しかし主しゅの宮みやには、はいらなかった。民たみはなお悪あくを行おこなった。
27:3 彼かれは主しゅの宮みやの上うえの門もんを建たて、オペルの石いしがきを多おおく築きずき増まし、
27:4 またユダの山地さんちに数個すうこの町まちを建たて、林はやしの間あいだに城しろとやぐらを築きずいた。
27:5 彼かれはアンモンびとの王おうと戦たたかってこれに勝かった。その年ねんアンモンの人々ひとびとは銀ぎん百タラント、小麦こむぎ一万コル、大麦おおむぎ一万コルを彼かれに贈おくった。アンモンの人々ひとびとは第だい二年ねんにも第だい三年ねんにも同おなじように彼かれに納おさめた。
27:6 ヨタムはその神かみ、主しゅの前まえにその行おこないを堅かたくしたので力ちからある者ものとなった。
27:7 ヨタムのその他たの行為こうい、そのすべての戦たたかいおよびその行おこないなどは、イスラエルとユダの列れつ王おうの書しょにしるされている。
27:8 彼かれは王おうとなった時とき、二十五歳さいで、十六年ねんの間あいだエルサレムで世よを治おさめた。
27:9 ヨタムはその先祖せんぞと共ともに眠ねむったので、ダビデの町まちに葬ほうむられ、その子こアハズが彼かれに代かわって王おうとなった。