文語訳舊約聖書(1953年版)(振り仮名付き)

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列王紀略上

  第1章

1:1 ここにダビデわう年邁としすすみて寝衣よぎするもあたたまらざりければ

1:2 その臣僕しもべかれにいひけるはわうわがしゆのために一人ひとりわか處女をとめもとめしめてこれをしてわうのまへにたちてわう左右ともとなりなんぢふところふしわうわがしゆあたためしめんと

1:3 彼等かれらすなはちイスラエルの四方よもさかひうつくし童女をとめもとめてシユナミびとアビシヤグをこれわうつれきたれり

1:4 これ童女をとめはなはうつくしくしてわう左右ともとなりわうつかへたりされわうこれまじはらざりき

1:5 ときにハギテのアドニヤみづかたかくしわれわうとならんといひおのれのために戰車いくさぐるま騎兵きへいおよび自己おのれのまへにかけもの五十にんそなへたり

1:6 そのちちかれうまれてより已來このかたなんぢ何故なにゆゑしかするやといひてかれをいたましめしことなかりきアドニヤもまた容貌かたちはなはものにてアブサロムのつぎうまれたり

1:7 かれゼルヤのヨアブおよび祭司さいしアビヤタルと商議かたらひしかば彼等かれらこれしたがひゆきてたすけたり

1:8 されど祭司さいしザドクとヱホヤダのベナヤと預言者よげんしやナタンおよびシメイとレイならびにダビデにぞくしたる勇士ゆうしはアドニヤにくみせざりき

1:9 アドニヤ、エンロゲルの近邊ほとりなるゾヘレテのいしかたはらにてひつじうしこえたるものほふりてわうなるおのれ兄弟きやうだいおよびわう臣僕けらいなるユダのひとことごとまねけり

1:10 されども預言者よげんしやナタンとベナヤと勇士ゆうしとおのれの兄弟きやうだいソロモンとをばまねかざりき

1:11 ここにナタン、ソロモンのははバテシバにかたりていひけるはなんぢハギテのアドニヤがわうとなれるをきかざるかしかるにわれらのしゆダビデはこれをしらざるなり

1:12 さればきたわれなんぢはかりごとさづけなんぢをしておのれ生命いのちなんぢソロモンの生命いのちすくはしめん

1:13 なんぢゆきてダビデわうところこれにいへわうわがしゆなんぢしもめちかひてなんぢソロモンはわれついわうとなりわがくらゐせんといひたまひしにあらずやしかるにアドニヤ何故なにゆゑわうとなれるやと

1:14 われまたなんぢなほ其處そこにてわうものいうちなんぢつづいなんぢことばかたうすべしと

1:15 ここにおいてバテシバ寝室ねやりてわうところにいたるにわうはなはおいてシユナミびとアビシヤグわうつかたり

1:16 バテシバかがわうはいわういふなになるや

1:17 かれわうにいひけるはわがしゆなんぢなんぢかみヱホバをさししもめなんぢソロモンはわれついわうとなりわがくらゐせんとちかひたまへり

1:18 しかるにいまアドニヤわうとなれりしかしわうわがしゆなんぢしりたまはず

1:19 かれうしこえたるものひつじおほほふりてわう諸子みこたちおよび祭司さいしアビヤタルとぐんかしらヨアブをまねけりされどなんぢしもべソロモンをばまねかざりき

1:20 なんぢわうわがしゆよイスラエルのみななんぢそそなんぢ彼等かれらなんぢついわうわがしゆくらゐすべきをつぐるをのぞ

1:21 わうわがしゆその父祖せんぞともねむりたまはんときわれとわがソロモンは罪人ざいにん見做みなさるるにいたらんと

1:22 バテシバなほわうものいふうちに預言者よげんしやナタンもまたいりきたりければ

1:23 人々ひとびとわうつげ預言者よげんしやナタンここにありとかれわうのまへにふしわうはいせり

1:24 しかしてナタンいひけるはわうわがしゆなんぢはアドニヤわれついわうとなりわがくらゐすべしといひたまひしや

1:25 かれ今日こんにちくだりてうしこえたるものひつじおほほふりてわう諸子みこたちぐんかしらたち祭司さいしアビヤタルをまねけりしかして彼等かれらはアドニヤのまへにのみくひしてアドニヤわういのちながかれと

1:26 されどなんぢしもべなるわれ祭司さいしザドクとヱホヤダのベナヤとなんぢしもべソロモンとはかれまねかざるなり

1:27 此事このことわうわがしゆなしたまふところなるかしかるになんぢなんぢついわうわがしゆくらゐすべきをしもべしらせたまはざるなりと

1:28 ダビデわうこたへていふバテシバをわがもとせとかれすなはわうのまへにいりわうのまへにたつに

1:29 わうちかひていひけるはわが生命いのちもろもろ艱難かんなんうちすくひたまひしヱホバは

1:30 わがイスラエルのかみヱホバをさしちかひてなんぢソロモンわれついわうとなりわれかはりてわがくらゐすべしといひしごとくにわれ今日こんにちすべしと

1:31 ここにおいてバテシバかがふしわうはいねがはくはわがしゆダビデわう長久とこしなへいきながらへたまへといふ

1:32 ダビデわういひけるはわがもと祭司さいしザドクと預言者よげんしやナタンおよびヱホヤダのベナヤをめさ彼等かれらすなはわうのまへにきた

1:33 わう彼等かれらにいひけるは汝等なんぢらしゆ臣僕けらいともなひわがソロモンをわがむまかれをギホンにみちびくだ

1:34 彼處かしこにて祭司さいしザドクと預言者よげんしやナタンはかれあぶらをそそぎてイスラエルのうへわうすべししかしてなんぢ喇叭らつぱふきてソロモンわういのちながかれと

1:35 かくしてなんぢかれしたがひてのぼきたるべしかれきたりてわがくらゐわれかはりてわうとなるべしわれかれたててイスラエルとユダのうへ主君きみとなせりと

1:36 ヱホヤダのベナヤわうこたへていひけるはアメンねがはくはわうわがしゆかみヱホバしかいひたまはんことを

1:37 ねがはくはヱホバわうわがしゆとともにいませしごとくソロモンとともにいましてそのくらゐをわがしゆダビデわうくらゐよりもおほいならしめたまはんことを

1:38 かく祭司さいしザドクと預言者よげんしやナタンおよびヱホヤダのベナヤならびにケレテびととペレテびとくだりソロモンをダビデわうむませてこれをギホンにみちびきいたれり

1:39 しかして祭司さいしザドク幕屋まくやうちよりあぶらつのとりてソロモンにあぶらそそげりかくて喇叭らつぱきならし

1:40 たみみなソロモンわういのちながかれといへたみみなかれにしたがのぼりてふえおほいよろこびいははかれらのこゑにてさけたり

1:41 アドニヤおよびかれとともにたる賓客きやくそのしよくをへたるときみなこれをきけりヨアブ喇叭らつぱこゑききていひけるは城邑まちうち聲音こゑなん喧囂かまびすしきやと

1:42 かれいひをるうち祭司さいしアビヤタルのヨナタンきたるアドニヤかれにいひけるはいれなんぢゆうあるひとなりよきおとづれもちきたれるならん

1:43 ヨナタンこたへてアドニヤにいひけるはまことにわがしゆダビデわうソロモンをわうとなしたまへり

1:44 わう祭司さいしザドクと預言者よげんしやナタンおよびヱホヤダのベナヤならびにケレテびととペレテびとをソロモンとともにつかはしたまふすなは彼等かれらはソロモンをわうむませてゆき

1:45 祭司さいしザドクと預言よげんしやナタン、ギホンにてかれあぶらをそそぎてわうとなせりしかして彼等かれら其處そこよりよろこびのぼるがゆゑ城邑まち諠囂かまびすなんぢらがきけ聲音こゑこれなり

1:46 またソロモンくにくらゐ

1:47 かつわう臣僕けらいきたりてわれらのしゆダビデわういはひのべねがはくはなんぢかみソロモンのなんぢよりもよくそのくらゐなんぢくらゐよりもおほいたらしめたまへといへりしかしてわうとこうへにてはいせり

1:48 わうまたかくいへりイスラエルのかみヱホバはほむべきかなヱホバ今日こんにちわがくらゐするものあたへたまひてわがまたこれをるなりと

1:49 アドニヤとともにある賓客きやくみな驚愕おどろたちおのおのそのみちりゆけり

1:50 ここにアドニヤ、ソロモンのかほおそたちだんつのとらへたり

1:51 あるひとソロモンにつげていふアドニヤ、ソロモンわうおそかれだんつのとらへねがはくはソロモンわう今日けふわれかたなをもてしもべころさじとちかたまへといひたりと

1:52 ソロモンいひけるはかれもしぜんにんとなるならばそのかみひとすぢもにおちざるべしされかれうちあくみゆるあらばしなしむべしと

1:53 ソロモンわうすなはひとやりかれだんよりたづさへくだらしむかれきたりてソロモンわうはいしければソロモンかれなんぢいへゆけといへり

  第2章

2:1 ダビデぬるちかよりければそのソロモンにめいじていふ

2:2 われ世人みなみちゆかんとすなんぢつよ丈夫をとこのごとく

2:3 なんぢかみヱホバの職守つとめまもそのみち歩行あゆその法憲のりその誡命いましめその律例さだめその證言あかしとをモーセの律法おきてしるされたるごとくまもるべししからばなんぢすべなんぢなすところとすべなんぢむかふところにてさかゆべし

2:4 またヱホバはそのさきわれことまかかたりてもしなんぢ子等こらそのみちつつしこころつく精神せいしんつくして眞實まことをもてわがまへあゆまばイスラエルのくらゐのぼひとなんぢかくることなかるべしといひたまひしことばかたうしたまはん

2:5 またなんぢはゼルヤのヨアブがわれなしたることすなはかれがイスラエルの二人ふたりぐんかしらネルのアブネルとヱテルのアマサになしたることかれこの二人ふたりきりころ太平たいへいときいくさながいくさおのれこし周圍まはりおびそのあしくつつけたり

2:6 ゆゑなんぢ智慧ちゑにしたがひてことその白髮しらが安然やすらかはかくだらしむるなかれ

2:7 ただしギレアデびとバルジライの子等こらには恩惠めぐみほどこし彼等かれらをしてなんぢせきにてくらものうちにあらしめよ彼等かれらはわがなんぢ兄弟きやうだいアブサロムのかほさけにげときわれつきたるなり

2:8 またバホリムのベニヤミンびとゲラのシメイなんぢとともにかれはわがマナハイムにゆきときはげしきのろひことばをもてわれのろへりしかれどもかれヨルダンにくだりてわれむかへたればわれヱホバをさしちかひてわれかたなをもてなんぢころさじといへり

2:9 しかりといへどもかれつみなきものとするなかなんぢ智慧ちゑあるひとなればかれなすべきことるなりながしてその白髮しらがはかくだすべしと

2:10 かくてダビデはその父祖せんぞともねむりてダビデのまちはうむらる

2:11 ダビデのイスラエルにわうたりしは四十ねんなりきすなはちヘブロンにてわうたりしことねんエルサレムにてわうたりしこと三十三ねん

2:12 ソロモンそのちちダビデのくらゐそのくに堅固かたさだまりぬ

2:13 ここにハギテのアドニヤ、ソロモンのははバテシバのところきたりければバテシバいひけるはなんぢ平穩おだやかなることのためにきたるやかれいふ平穩おだやかたることのためなり

2:14 かれまたいふわれなんぢまをさんとすることありとバテシバいふまうされよ

2:15 かれいひけるはなんぢしるごとくくにわれものにしてイスラエルみなそのかほわれむけわうとなさんとりしかるにくにうつりてわが兄弟きやうだいものとなれりそのかれものとなれるはヱホバよりいでたるなり

2:16 いまわれひとつねがひなんぢもとふわがかほしりぞくるなかれバテシバかれにいひけるはまをされよ

2:17 かれいひけるはふソロモンわういひかれをしてシエナミびとアビシヤグをわれあたへつまとなさしめよかれなんぢかほしりぞけざるべければなり

2:18 バテシバいふわれなんぢのためにわういはんと

2:19 かくてバテシバ、アドニヤのためにいはんとてソロモンわうもといたりければわうたちてかれをむかかれはいしてそのくらゐなほりわうのためにまうけしむすなはそのみぎせり

2:20 しかしてバテシバいひけるはわれひとつ細小ちひさねがひなんぢもとむわがかほしりぞくるなかれわうかれにいひけるはははうへもとめたまへわれなんぢかほしりぞけざるなり

2:21 かれいひけるはふシユナミびとアビシヤグをアドニヤにあたへつまとなさしめよ

2:22 ソロモンわうこたへそのははにいひけるはなんぞアドニヤのためにシユナミびとアビシヤグをもとめらるるやかれのためにくにをももとめられよかれわれあになればなりかれ祭司さいしアビヤタルとゼルヤのヨアブのためにもとめられよと

2:23 ソロモンわうすなはちヱホバをさしちかひていふかみわれかくなしまたかさねてかくなしたまへアドニヤはその生命いのちうしなはんとてこのことばいひいだせり

2:24 われたててわがちちダビデのくらゐのぼらしめそのやくせしごとくわれいへたてたまひしヱホバはくアドニヤは今日けふころさるべしと

2:25 ソロモンわうヱホヤダのベナヤをつかはしければかれアドニヤをうちしなしめたり

2:26 わうまた祭司さいしアビヤタルにいひけるはなんぢでんアナトテにいたれなんぢあたものなれどもさきにわがちちダビデのまへにかみヱホバのはこまたすべてわがちち艱難かんなんうけたるところにてなんぢ艱難かんなんうけたればわれ今日けふなんぢころさじと

2:27 ソロモン、アビヤタルをおひいだしてヱホバの祭司さいしたらしめざりきかくヱホバがシロにてエリのいへにつきていひたまひしことばとけたり

2:28 ここその風聞きこえヨアブにいたりければヨアブ、ヱホバの幕屋まくやのがれてだんつのとらへたりはヨアブはひるがへりてアブサロムにはしたがはざりしかどもアドニヤにしたがひたればなり

2:29 ヨアブがヱホバの幕屋まくやのがれてだんかたはらることソロモンにきこえければソロモン、ヱホヤダのベナヤをつかはしいひけるはゆきかれてと

2:30 ベナヤすなはちヱホバの幕屋まくやにいたりかれにいひけるはわうかくいできたかれいひけるはいなわれここしなんとベナヤかへりわうつげてヨアブかくかくわれこたへたりと

2:31 わうベナヤにいひけるはかれふごとくかれうちはうむりヨアブがゆゑなくしてながしたるわれとわがちちいへよりのぞきさるべし

2:32 またヱホバはヨアブのそのかうべしたまふべしかれおのれよりもただしかつよかりしふたりひとかたなをもてこれをころしたればなりすなはちイスラエルのぐんかしらネルのアブネルとユダのぐんかしらヱテルのアマサをころせりしかるにわがちちダビデはあづかしらざりき

2:33 されば彼等かれら長久とこしなへにヨアブのかうべその苗裔すゑかうべすべしされどダビデとその苗裔すゑそのいへそのくらゐにはヱホバよりの平安へいあん永久とこしなへにあるべし

2:34 ヱホヤダのベナヤすなはちのぼりてかれかれころせりかれにあるおのれいへはうむらる

2:35 わうすなはちヱホヤダのベナヤをヨアブにかへぐんかしらとなせりわうまた祭司さいしザドクをしてアビヤタルにかはらしめたり

2:36 またわうひとやりてシメイをめしこれいひけるはエルサレムにおいなんぢためいへたて其處そこ其處そこよりここにもかしこにもいづるなかれ

2:37 なんぢいでてキデロンがはわたにはなんぢたしかなんぢかならころさるべしなんぢなんぢかうべせん

2:38 シメイわうにいひけるはこのことばわうわがしゆいひたまへるごとくしもべしかなすべしとかくシメイひさしくエルサレムにすめ

2:39 三ねんのちシメイの二人ふたりしもべガテのわうマアカのアキシのところにげされり人々ひとびとシメイにつげていふなんぢしもべはガテにありと

2:40 シメイすなはたちその驢馬ろばくらきガテにゆきてアキシにいたそのしもべたづねたりすなはちシメイゆきそのしもべをガテよりひききたりしが

2:41 シメイのエルサレムよりガテにゆきてかへりしことソロモンにきこえければ

2:42 わうひとやりてシメイをめしこれにいひけるはわれなんぢをしてヱホバをさしちかはしめかつなんぢいましめてなんぢたしかなんぢいで此彼ここかしこあるにはなんぢかならころさるべしといひしにあらずやまたなんぢわれわがきけ言葉ことばしといへり

2:43 しかるになんぢなんぞヱホバのちかひとわがなんぢめいじたる命令めいれいまもらざりしや

2:44 わうまたシメイにいひけるはなんぢすべなんぢこころもろもろあくすなはなんぢがわがちちダビデになしたるところるヱホバなんぢあくなんぢかうべしたまふ

2:45 されどソロモンわう福祉さいはひかうむらんまたダビデのくらゐ永久とこしなへにヱホバのまへにかたたつべしと

2:46 わうヱホヤダのベナヤにめいじければかれいでてシメイをちてしなしめたりしかしてくにはソロモンのかたたて

  第3章

3:1 ソロモン、エジプトのわうパロとえんむすびパロのむすめめとりこれつれきた自己おのれいへとヱホバのいへとエルサレムの周圍まはり石垣いしがき建築たつることををはるまでダビデのまちおけ

3:2 當時そのころまでヱホバののためにたてたるいへなかりければたみ崇邱たかきところにてまつりなせ

3:3 ソロモン、ヱホバをあいそのちちダビデの法憲のりあゆめりただかれ崇邱たかきところにてまつりかうたけ

3:4 ここわうギベオンにゆき其處そこまつりなさんとせり彼處かしこおほいなる崇邱たかきところなればなりすなはちソロモンいちせん燔祭はんさいそのだんささげたり

3:5 ギベオンにてヱホバよるゆめにソロモンにあらはれたまへりかみいひたまひけるはわれなになんぢあたふべきかなんぢもとめよ

3:6 ソロモンいひけるはなんぢなんぢしもべわがちちダビデが誠實まこと公義ただしき正心まごころなんぢともなんぢまへあゆみしによりおほいなる恩惠めぐみかれしめしたまへりまたなんぢかれのためにこのおほいなる恩惠めぐみたくはへ今日こんにちのごとくかれのくらゐするかれたまへり

3:7 わがかみヱホバなんぢしもべをしてわがちちダビデにかはりわうとならしめたまへりしかるにわれちひさにしていりすることをしら

3:8 かつしもべなんぢえらみたまひしなんぢたみうちにありすなはおほいなるたみにてそのかずおほくしてかぞふることもしるすこともあたはざるものなり

3:9 是故このゆえわくこころしもべあたへてなんぢたみさばかしめわれをしてよしあし辨別わきまふることをさしめたまへたれなんぢこれ夥多おびただしたみさばくことをんと

3:10 ソロモン此事このこともとめければそのことばしゆこころにかなへり

3:11 ここにおいてかみかれにいひたまひけるはなんぢ此事このこともとめておのれため長壽ながいきもとめずまたおのれのために富有とみをももとめずまたおのれてき生命いのちをももとめずしてただうつたへわく才智さいちもとめたるにより

3:12 われなんぢことばしたがひてなせわれなんぢ賢明かしこ聡慧さとこころあたふればなんぢさきにはなんぢごとものなくなんぢあとにもなんぢごとものおこらざるべし

3:13 われまたなんぢもとめざるものすなはとみたふときとをもなんぢあたふればなんぢいのちかぎり王等わうたちうちなんぢごとものあらざるべし

3:14 またなんぢもしなんぢちちダビデのあゆみごと吾道わがみちあゆみてわが法憲のり命令めいれいまもらばわれなんぢながうせんと

3:15 ソロモンめさるにゆめなりきかくてソロモン、エルサレムにいたりヱホバの契約けいやくはこまへ燔祭はんさいささ酬恩祭しうおんさいしてそのすべて臣僕しもべ饗宴ふるまひなせ

3:16 ここ娼妓あそびめなる二人ふたりをんなわうもときたりてそのまへちしが

3:17 一人ひとりをんないひけるはわがしゆわれこのをんなひとついへわれこのをんなともいへにありてうめ

3:18 しかるにわがうみのち第三日みつかめこのをんなもまたうめりしかして我儕われらともにありきいへには他人たにんわれらとともりしものなしいへにはただ我儕われら二人ふたりのみ

3:19 しかるにこのをんなそのうへふしたるによりてうちそのしにたれば

3:20 中夜よなかたちしもめねむれるあひだにわがをわれのかたはらよりりてこれおのれふところふさしめおのれしにたるをわがふところふさしめたり

3:21 あさおよびてわれわがちちのませんとておきるにしにゐたりわれあさにいたりてそのたるにはわがうめるわがにはあらざりしと

3:22 いま一人ひとりをんないふいないけるはわがしねるはなんぢなりとこのをんないふいなしねるはなんぢいけるはわがなりと彼等かれらかくわうのまへにいへ

3:23 ときわういひけるは一人ひとりこのいけるはわがしねるはなんぢなりとまた一人ひとりいなしねるはなんぢいけるはわがなりといふと

3:24 わうすなはかたなわれもちきたれといひければかたなわうまへもちきたれり

3:25 わういひけるはいけふたつわかちそのなかばこれなかばかれあたへよと

3:26 ときそのいけるははなる婦人をんなこころそののためにやくがごとくなりてわうまをしていひけるはふわがしゆいけかれあたへたまへかならころしたまふなかれとしかれどもほか一人ひとりこれわれのにもなんぢのにもならしめずわかたせよといへ

3:27 わうこたへていひけるはいけるかれあたへよかならころすなかれかれそのははなるなりと

3:28 イスラエルみなわう審理さばきところ判決さばきききわうおそれたりかみ智慧ちゑかれうちにありて審理さばきなさしむるをたればなり

  第4章

4:1 ソロモンわうはイスラエルの全地ぜんちわうたり

4:2 そのもて群卿きみたちごとしザドクのアザリヤはしやうこく

4:3 シシヤのエリホレフとアヒヤは書記しよきくわんアヒルデのヨシヤパテはくわん

4:4 ヱホヤダのベナヤはぐんかしらザドクとアビヤタルは祭司さいし

4:5 ナタンのアザリヤはだいくわんちやうナタンのザブデは大臣だいじんにしてわうともたり

4:6 アヒシヤルは宮内くないきやうアブダのアドニラムは徴募ちようぼのかしらなり

4:7 ソロモンまたイスラエルの全地ぜんちに十二のだいくわんおけその人々ひとびとわうそのいへのために食物しよくもつそなへたりすなはおのおのいちねん一月ひとつきづつ食物しよくもつそなへたり

4:8 そののごとしエフライムの山地やまちにはベンホル

4:9 マカヅとシヤラビムとベテシメシとエロンベテハナンにはベンデケル

4:10 アルポテにはベンヘセデありシヨコとヘベルの全地ぜんちとはかれ擔任うけもて

4:11 ドルのかうすべてにはベンアヒナダブありかれはソロモンのむすめタパテをつまとせり

4:12 アルヒデのバアナはタアナクとメギドとヱズレルのしもにザルタナのほとりにあるベテシヤンの全地ぜんちとを擔任うけもちてベテシヤンよりアベルメホラにいたりヨクネアムのさきにまでおよ

4:13 ギレアデのラモテにはベンゲベルありかれはギレアデにあるマナセのヤイルの諸村むらむら擔任うけもまたバシヤンなるアルゴブのにある石垣いしがきあかがねくわんもておほいなるまち六十を擔任うけもて

4:14 イドのアヒナダブはマハナイムを擔任うけもて

4:15 ナフタリにはアヒマアズありかれもソロモンのむすめバスマテをつまめとれり

4:16 アセルとアロテにはホシヤイのバアナあり

4:17 イツサカルにはパルアのヨシヤパテあり

4:18 ベニヤミンにはエラのシメイあり

4:19 アモリびとわうシホンのおよびバシヤンのわうオグのなるギレアデのにはウリのゲベルありそのにありしだいくわんただかれ一人ひとりのみ

4:20 ユダとイスラエルのひとおほくしてはまいさごおほきがごとくなりしがのみくひしてたのしめり

4:21 ソロモンはかはよりペリシテびとにいたるまでとエジプトのさかひおよぶまでの諸國しよこくをさめたればみな禮物れいもつおくりてソロモンのいつしやうあひだつかへたり

4:22 さてソロモンのいちにち食物しよくもつこまかきむぎこ三十こくあらきむぎこ六十こく

4:23 こえたるうしとを牧場まきばうし二十ひつじいつぴやくそのほか鹿じか羚羊かもしか小鹿こじかおよびこえたるとりあり

4:24 はソロモンかは此方こなたをテフサよりガザまでことごとをさめたればなりすなはかは此方こなた諸王わうたちことごと統治すべをさめたりかれ四方しはう臣僕しんより平安へいあんたりき

4:25 ソロモンのいつしやうあひだユダとイスラエルはダンよりベエルシバにいたるまで安然やすらかおのおのその葡萄樹ぶだうのきした無花果いちじくのしたすめ

4:26 ソロモン戰車いくさぐるまむまむまや四千騎兵きへいまんせんもて

4:27 かのだいくわんおのおのそのつきにソロモンわうのためおよびすべてソロモンわうせききたものためしよくそなへてかくるとこるなからしめたり

4:28 また彼等かれらおのおのそのつとめしたがひてむまおよびはやあしむまくはするおほむぎ蒭蕘わらそのむまところたづさきたれり

4:29 かみソロモンに智慧ちゑ聰明さとりはなはおほたままた廣大ひろこころたま海濱はまいさごのごとし

4:30 ソロモンの智慧ちゑ東洋ひがし人々ひとびと智慧ちゑとエジプトのすべて智慧ちゑよりもおほいなりき

4:31 かれすべてひとよりもかしこくエズラびとエタンよりもまたマホルのなるヘマンとカルコルおよびダルダよりもかしこくしてその四方よも諸國くにぐにきこえたり

4:32 かれ箴言しんげん三千をとけまたその詩歌うたは一せんしゆあり

4:33 かれまた草木くさきことろんじてレバノンの香柏かうはくよりかきいづこけまでおよべりかれまたけものとり匐行はふものうをことろんじたり

4:34 もろもろくに人々ひとびとソロモンの智慧ちゑきかんとてきたてんもろもろわうソロモンの智慧ちゑききおよびてひとつかはせり

  第5章

5:1 ツロのわうヒラム、ソロモンのあぶらそそがれてそのちちにかはりてわうとなりしをききその臣僕けらいをソロモンにつかはせりヒラムはつねにダビデをあいしたるものなりければなり

5:2 ここおいてソロモン、ヒラムに言遣いひつかはしけるは

5:3 なんぢしるごとくわれちちダビデはその周圍まはりにありし戰爭いくさよりそのかみヱホバののためにいへたつることあたはずしてヱホバが彼等かれらそのあしうらしたおきまたふをまて

5:4 しかるにいまわがかみヱホバわれ四方しはう太平たいへいたまひててきもなくわざはひもなければ

5:5 われはヱホバのわがちちダビデにかたりてわがなんぢかはりなんぢくらゐのぼらしむるなんぢ其人そのひとはわがのためにいへたつべしといひたまひしにしたがひてわがかみヱホバののためにいへたてんとす

5:6 さればなんぢめいじてわがためにレバノンより香柏かうはく?きりいださしめよわがしもべなんぢしもべともにあるべしまたわれすべなんぢふごとくなんぢしもべちんぎんなんぢわたすべしなんぢしるごとく我儕われらうちにはシドンびとごと?きるたくみみなるひとなければなりと

5:7 ヒラム、ソロモンのことばききおほいよろこいひけるは今日けふヱホバに稱譽ほまれあれヱホバ、ダビデにこれ夥多おびただしきたみをさむるかしこあたへたまへりと

5:8 かくてヒラム、ソロモンに言遣いひおくりけるはわれなんぢしたるところこときけわれ香柏かうはく材木ざいもくまつの材木ざいもくとについてはすべなんぢのぞむごとくすべし

5:9 わがしもべレバノンよりうみもちくだらんしかしてわれこれをうみよりいかだにくみてなんぢわれつかはところにおくり其處そこにてこれをくづすべしなんぢこれうけまたなんぢはわがいへのために食物しよくもつあたへてわがのぞみせと

5:10 かくてヒラムはソロモンにそのすべのぞむごとく香柏かうはく材木ざいもくまつ材木ざいもくあたへたり

5:11 またソロモンはヒラムにそのいへ食物しよくもつとして小麥こむぎまんごくあたへまたすみあぶら二十こくをあたへたりかくソロモン年々としどしヒラムにあたへたり

5:12 ヱホバそのいひたまひしごとくソロモンに智慧ちゑたまへりまたヒラムとソロモンのあひだむつましくして二人ふたりとも契約けいやくむすべり

5:13 ここにソロモンわうイスラエルの全地ぜんちちようにんおこせりそのちようにんかずは三萬人まんにんなり

5:14 ソロモンかれらを一月ひとつき交代がはりに一萬人まんにんづつレバノンにつかはせりすなは彼等かれら一月ひとつきレバノンに二月ふたつきいへにありアドニラムはちようにん督者かみなりき

5:15 ソロモン負載におひびと萬人まんにんやまおいいし?もの萬人まんにんあり

5:16 ほかまたその工事こうじかしらなる官吏くわんりぜんびやくにんありて工事こうじはたらたみすべたり

5:17 かくてわうめいじておほいなるいしたふといしきりいださしめきりいしいへ基礎もとゐきづかしむ

5:18 ソロモンの建築者いへづくりとヒラムの建築者いへづくりおよびゲバルびとこれ?きれかく彼等かれら材木ざいもくいしいへたつるにそなへたり

  第6章

6:1 イスラエルの子孫ひとびとのエジプトのいでたるのちひやく八十ねんソロモンのイスラエルにわうたるだいねんジフのつきすなはち二ぐわつにソロモン、ヱホバのためにいへたつることをはじめたり

6:2 ソロモンわうのヱホバのためたてたるいへながさ六十キユビトひろさ二十キユビトたかさ三十キユビトなり

6:3 いへ拝殿はいでんらういへひろさしたがひてながさ二十キユビトいへまへそのひろさ十キユビトなり

6:4 かれいへつくつけ格子かうしある?まどつけたり

6:5 またいへ墻壁かべつけ四周まはり連接つけいへ墻壁かべすなは拝殿はいでん神殿しんでん墻壁かべ周圍まはりめぐらせりまた四周まはりわき つくれり

6:6 下層した連接つけひろさ五キユビト中層なかのはひろさ六キユビトを第三層みつめのはひろさ七キユビトなりすなはいへそと階級きだつくめぐらしてなにものをもいへ墻壁かべに挿さしいらざらしむ

6:7 いへたつとき鑿石きりいしどころにて預備ととのへたるいしにてつくりたればつくれるあひだいへうちにはつちのみそのほかてつきこえざりき

6:8 中層なかわきいへみぎかたにありねじ旋梯ばしごより中層なかにのぼり中層なかより第三層みつめにいたるべし

6:9 かくかれいへたてをは香柏かうはくたるきいたをもていへふけ

6:10 またいへつけて五キユビトのたかさたる連接つけたてめぐら香柏かうはくをもていへ交接つづけたり

6:11 ここにヱホバのことばソロモンにのぞみていは

6:12 なんぢいまこのいへもしなんぢわが法憲のりあゆみわが律例さだめおこなひわがすべて誡命いましめまもりてこれにしたがひてあゆまばわれはがなんぢちちダビデにいひことばなんぢかたうすべし

6:13 われイスラエルの子孫ひとびとうちすみわがたみイスラエルをすてざるべし

6:14 かくソロモンいへたてをはれり

6:15 かれ香柏かうはくいたいへ墻壁かべ裏面うちつくれりすなはいへ牀板ゆかより頂格てんじやう墻壁かべまでをもてその裏面うちをはりまたまついたをもていへ牀板ゆかをはれり

6:16 またいへおくに二十キユビトの牀板ゆかより墻壁かべまで香柏かうはくをもてつくれりすなはいへうち聖所せいじよなる神殿しんでんつくれり

6:17 いへすなはまへにある拝殿はいでんは四十キユビトなり

6:18 いへうち香柏かうはくひさごさけはな雕刻きざめるものなりみな香柏かうはくにしていしえざりき

6:19 神殿しんでんかれ其處そこにヱホバの契約けいやくはこおかんとていへうちなかまうけたり

6:20 神殿しんでんうちながさ二十キユビトひろさ二十キユビトたかさ二十キユビトなり純金じゆんきんをもてこれおほまた香柏かうはくだんおほへり

6:21 またソロモン純金じゆんきんをもていへうちおほ神殿しんでんまへきんくさりをもて間隔へだてつくきんをもてこれおほへり

6:22 またきんをもてのこるところなくいへおほつひいへかざることをことごとをへたりまた神殿しんでんかたはらにあるだんみなきんをもておほへり

6:23 神殿しんでんうち橄欖かんらんをもてふたつのケルビムをつくれりそのたかさ十キユビト

6:24 そのケルブのひとつつばさは五キユビトまたそのケルブのほかつばさも五キユビトなりひとつつばさはじよりほかつばさはじまでは十キユビトあり

6:25 ほかのケルブも十キユビトなりそのケルビムはともおなじりやうおなじかたちなり

6:26 このケルブのたかさ十キユビトかのケルブもまたしかり

6:27 ソロモンいへうちなかにケルビムをゑケルビムのつばさのばしければこのケルブのつばさこの墻壁かべおよかのケルブのつばさ墻壁かべおよびてそのふたつのつばさいへなかにてあひまじはれり

6:28 かれきんをもてケルビムをおほへり

6:29 いへ周圍まはり墻壁かべにはみな内外うちそとともにケルビムと棕櫚しゆろさけはなかたちきざ

6:30 いへ牀板ゆかには内外うちそとともにきんおほへり

6:31 神殿しんでんいりくちには橄欖かんらんつくれりその木匡わく門柱はしらは五ぶんの一なり

6:32 そのふたつとびらまた橄欖かんらんなりソロモンそのうへにケルビムと棕櫚しゆろさけはなかたち雕刻きざきんをもておほへりすなはちケルビムと棕櫚しゆろうへきんきせたり

6:33 かくソロモンまた拝殿はいでんのために橄欖かんらん門柱はしらつくれりすなはち四ぶんの一なり

6:34 そのふたつまつにしてこのふたつのとびらたたむべくかのふたつのとびらたたむべし

6:35 ソロモンそのうへにケルビムと棕櫚しゆろさけはな雕刻きざきんをもてこれをおほひてその雕工ほりものかなはしむ

6:36 また鑿石きりいし三層みかさね香柏かうはくあついたひとかさねをもてうちにはつくれり

6:37 だいねんのジフのつきにヱホバのいへ基礎もとゐきづ

6:38 だい十一ねんのブルのつきすなはち八ぐわつすべその箇條かでうのごとくその定例ならはしのごとくにいへりぬかくソロモンこれたつるに七ねんわたれり

  第7章

7:1 ソロモンおのれいへたてしが十三ねんまつたそのいへたてをへたり

7:2 かれレバノンもりいへたてたりそのながさは百キユビトそのひろさは五十キユビトそのたかさは三十キユビトなり香柏かうはくはしら四行よならびありてはしらうへ香柏かうはくはりあり

7:3 四十五ほんはしらうへなるはりうへ香柏かうはくにておほへりはしら一行ひとならびに十五ほんあり

7:4 また?まど三行みならびありて?まど?まどと三だん相對あひむか

7:5 ばしらみなたいぼくをもてかくつく?まど?まどと三だん相對あひむかへり

7:6 またはしららうつくれりそのながさ五十キユビトそのひろさ三十キユビトなりはしらのまへにひとつらうありまたそのはしらのまへにはしらきだはしあり

7:7 またソロモン審判さばきすためにくらゐらうすなは審判さばきらうつく牀板ゆかより牀板ゆかまで香柏かうはくをもておほへり

7:8 ソロモンの居住すめいへそのらううしろほかにはにありてその工作つくりおなじかりきソロモンまたそのめとりたるパロのむすめのためにいへたてしがこのらうおなじかりき

7:9 是等これら内外うちそととも基礎もとゐよりのきにいたるまでまた外面そとにては大庭おほにはにいたるまでみな鑿石きりいしりやうにしたがひてのこぎりにてひきたるたふといしをもてつくれるものなり

7:10 また基礎もとゐたふといしおほいなるいしすなはち十キユビトのいし八キユビトのいしなり

7:11 そのうへには鑿石きりいしりやうしたがひてたふといし香柏かうはくあり

7:12 また大庭おほには周圍まはりにに三層みかさね鑿石きりいし一層ひとかさね香柏かうはくあついたありヱホバのいへうちにはいへらうにおけるがごと

7:13 ここにソロモンひとつかはしてヒラムをツロよりきたれり

7:14 かれはナフタリの支派わかれなる?婦やもめにしてそのちちはツロのひとにてあかがね細工さいくにんなりヒラムはあかがねもろもろ細工さいくすの智慧ちゑ慧悟さとり知識ちしきちたるものなりしがソロモンわうところきたりてそのすべて細工さいくなせ

7:15 かれあかがねはしらふたつたりそのたかさおのおの十八キユビトにしておのおの十二キユビトのなはめぐらすべし

7:16 またあかがねとかしてはしらのかしらはしらうへかしらたかさも五キユビトかしらたかさも五キユビトなり

7:17 はしらうへにあるかしらためくみものあみくさりなりよりものつくれりこのかしらななかのかしらななつあり

7:18 またふたならび石榴ざくろひとつあみものうへ四周まはりつくりてはしらうへにあるかしらおほほかかしらをもまたしかせり

7:19 はしらうへにあるかしらは四キユビトの百合花ゆりかたちにしてらうにおけるがごとし

7:20 ふたつはしらかしらうへにはまたあみものそとなるはらところつづきて石榴ざくろありほかはしら四周まはりにも石榴ざくろひやくありてあひならべり

7:21 このはしら拝殿はいでんらうすなはみぎはしらたてそのをヤキンとなづひだりはしらそのをボアズとなづ

7:22 そのはしらうへ百合花ゆりかたちありかくそのはしらさくなれ

7:23 またうみなせりこのふちよりかのふちまで十キユビトにしてその四周まはりまろそのたかさ五キユビトなりその四周まはりは三十キユビトのなはめぐらすべし

7:24 そのふちしたには四周まはり匏瓜ひさごありてこれめぐれりすなはち一キユビトにとをづつありてうみ周圍まはりかこめその匏瓜ひさごうみたるときふたならびたるなり

7:25 そのうみは十二のうしうへたてそのみつきたむかみつ西にしむかみつみなみむかみつひがしむかうみそのうへにありてうしうしろみなうちむか

7:26 うみあつさはばにしてそのふち百合花ゆりにてさかづきふちごとくにつくれりうみは二せんいれたり

7:27 またあかがねだいとをつくれりひとつだいながさ四キユビトそのひろさ四キユビトそのたかさ三キユビトなり

7:28 そのだい製作つくりのごとしだいにはかがみいたありかがみいたふちなかにあり

7:29 ふちうちにあるかがみいたうへ獅子ししうしとケルビムありまたふちうへあり獅子ししうししたはなかざり垂下さげものあり

7:30 そのだいにはおのおのよつあかがねあかがねじくありそのよつあしにはかたのごときものありそのかたのごときもの洗盤はちしたにありてすべてはなかざりかたはらつけたり

7:31 そのくちかしらうちよりうへは一キユビトなりそのくちまろく一キユビトはんにしてつくりごとまたそのくちには雕工ほりものありそのかがみいた四角しかくにしてまろからず

7:32 よつかがみいたしたにありだいうちにありおのおのたかさ一キュビトはん

7:33 工作つくり戰車いくさぐるま工作つくりごとそのふちこしきとはみなものなり

7:34 だいすみよつかたごとものありそのかたのごときものだいより

7:35 だいうへところたかさはんキユビトはその周圍まはりまろまただいうへところかがみいただいより

7:36 そのいたかがみいたにはそのおのおの隙處あきしたがひてケルビムと獅子しし棕櫚しゆろ雕刻きざまたその四周まはりはなかざりつくれり

7:37 かくのごとくとをだいつくれりそのかたりやうかたちみなおな

7:38 またあかがね洗盤はちとをつくれり洗盤はちおのおの四十洗盤はちおのおの四キユビトなりとをだいうへにはおのおのひとつ洗盤はちあり

7:39 そのだいいつついへみぎかたいつついへかたいへみぎひがしみなみそのうみおけ

7:40 ヒラムまたなべ火?じふのうはちとをつくれりかくヒラム、ヱホバのいへためにソロモンわうなせもろもろ細工さいく成終なしをへたり

7:41 すなはふたつゆかそのはしらうへなるかしらふたつたまはしらうへなるそのかしらふたつたまおほふたつ網工あみもの

7:42 そのふたつあみものため石榴ざくろ四百これひとつあみもの石榴ざくろふたならびありてはしらうへなるふたつたまおほ

7:43 またとをだいそのだいうへとを洗盤はち

7:44 ひとつうみそのうみしたの十二のうし

7:45 およなべ火?じふのうはちこれなりヒラムがソロモンわうにヱホバのいへのためにつくりしこれうつはみな光明あかりあるあかがねなりき

7:46 わうヨルダンの低地くぼちおいてスコテとザレタンのあひだねばつちにてこれたり

7:47 ソロモンそのうつははなはだしくおほかりければみなはからずにおけそのあかがねおもさしれざりき

7:48 またソロモン、ヱホバのいへもろもろうつはつくれりすなはかねだん供前そなへのパンをのすきんつくゑ

7:49 および純金じゆんきんとうだいこれ神殿しんでんのまへにいつつみぎいつつひだりにありまたきんはなともしびざら燈鉗しんかき

7:50 純金じゆんきんほとぎ剪刀はさみはちさら滅燈器しんとり聖所せいじよなるうちいへのためおよ拝殿はいでんなるいへのためなるきん肘鈕ひぢつぼこれなり

7:51 かくソロモンわうのヱホバのいへのためになせもろもろ細工さいくをはれりここにおいてソロモンそのちちダビデが奉納をさめたるものすなは金銀きんぎんおよびうつはたづさへいりてヱホバのいへはうもつうちおけ